JP2000234291A - セルロース溶液の塗工方法 - Google Patents

セルロース溶液の塗工方法

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JP2000234291A
JP2000234291A JP11032236A JP3223699A JP2000234291A JP 2000234291 A JP2000234291 A JP 2000234291A JP 11032236 A JP11032236 A JP 11032236A JP 3223699 A JP3223699 A JP 3223699A JP 2000234291 A JP2000234291 A JP 2000234291A
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cellulose
aqueous solution
solution
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caustic soda
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Chihiro Yamane
千弘 山根
Masatoshi Saito
政利 斉藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造プロセスにおいてアルコール系水溶液や
酸性ガスなどを使用せず、得られた塗工成型物にイオウ
臭が無く、またビスコース法では排出が不可避な二硫化
炭素や硫化水素などの副生成ガスを発生しないシンプル
な製造プロセスで、紙や不織布の強度を向上させるとと
もに、その利用用途に応じて、通気性や通液性を大幅に
コントロールすることが出来るセルロース溶液の塗工方
法を提供すること。 【解決手段】 セルロースを重量濃度6〜11%の苛性
ソーダ水溶液に10℃以下の低温下で溶解して得られる
セルロース/苛性ソーダ水溶液を、紙または不織布に塗
工し、塗工された該水溶液を乾燥凝固するか、あるいは
乾燥することなく低温または高温でゲル化凝固するか、
あるいは酸性水溶液の濃度と温度をコントロールして中
和凝固するセルロース溶液の塗工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙や不織布にセル
ロース溶液を塗工する紙・不織布加工分野に属し、紙容
器、ハム・ソーセージケーシング、食品加工用工程紙、
ティーバッグ、コーヒーフィルター、台所の水切り用袋
などの食品包装材料、アルカリ電池用バッテリーセパレ
ーター、ミクロフィルター、ウルトラフィルターなどの
分離膜、ビスコースレーヨン用ケークネットなどの様々
な用途に利用される。
【0002】
【従来の技術】前述の様々な用途に対して、紙や不織布
にセルロース溶液を塗工する共通の目的は、紙や不織布
の強度を向上させ、通気性や通液性をコントロールする
ことにある。例えば、ティーバッグ、コーヒーフィルタ
ー、台所の水切り袋、ビスコースレーヨン用ケークネッ
トなどの用途分野では、強度を向上させるとともに、良
好な通液性が確保されることが望まれる。これに対し、
紙容器、ハム・ソーセージ用ケーシング、ウルトラフィ
ルター・ミクロフィルターなどの用途分野では強度の向
上と、逆に通気性や通液性を抑制することが要求され
る。以上のようにセルロース溶液の塗工方法に要求され
ることは、紙や不織布の強度を向上させながら、利用す
る用途に応じて、通気性や通液性を大幅にコントロール
することである。
【0003】現在工業的におこなわれているセルロース
溶液の塗工方法は、主にセルロース溶液としてレーヨン
繊維の製造に使用されている、いわゆるビスコース溶液
を用いてなされている(以下ビスコース法と呼ぶ)が、
その溶液の特性上強度と通気性と通液性を大幅にコント
ロールすることは本質的に困難である。ビスコース法で
は、強度を確保しつつ通気性や通液性を確保するため
に、例えば、ビスコース溶液を塗工後、酸性ガス雰囲気
を通過させたり(特公昭34−5205号公報)、アル
コール系水溶液による前処理をおこなったり(特公昭4
9−26085号公報)様々な工夫をしているが、工程
を複雑化し、製造コストを高めるなどの課題が残されて
いる。
【0004】またビスコース法では、その溶液調製に二
硫化炭素を使用しているため、得られた塗工成型物に微
量のイオウ残留物が存在し、イオウ臭をともない食品容
器への使用は困難である。特に即席麺用の紙容器、ティ
ーバッグ、コーヒーフィルターなどの熱湯存在下で使用
される場合、特にイオウ臭が著しい。またアルカリ電池
用バッテリーセパレーター、ミクロフィルター、ウルト
ラフィルターなどの分離膜用途では微量の不純物成分が
問題視されるため、微量イオウ残留物のあるビスコース
法は好ましくない。
【0005】ビスコース法でも精練を繰り返すことによ
りイオウ残留物を極めて少量にすることは可能である
が、その製錬工程は著しく長くなりプロセス的に課題が
多いうえ、ごく僅かな残留物でも臭気として残るため、
ビスコース法で臭気を完全に取り除くことは事実上困難
である。また周知のことながら、ビスコース法は、ビス
コース溶液を調整する過程や塗工成型物を製造する過程
で、毒性気体の発生を避けることができず、作業環境面
や地球環境的見地からも問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造プロセ
スにおいてアルコール系水溶液や酸性ガスなどを使用せ
ず、得られた塗工成型物にイオウ臭が無く、またビスコ
ース法では排出が不可避な二硫化炭素や硫化水素などの
副生成ガスを発生しないシンプルな製造プロセスで、紙
や不織布の強度を向上させるとともに、その利用用途に
応じて、通気性や通液性を大幅にコントロールすること
が出来るセルロース溶液の塗工方法を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】ビスコース法やキュプラ
アンモニウム法では、セルロースが誘導体や錯体を形成
しているので、凝固系や凝固条件の影響は小さく、本質
的に凝固段階での構造制御は難しい。これに対して、本
発明者は、本発明のセルロース/苛性ソーダ水溶液はセ
ルロースが直接溶解しているので、凝固系や凝固条件の
影響を直接受け、シンプルな凝固システムによる構造制
御と物性制御が行え、塗工した水溶液を乾燥凝固させる
か、あるいは乾燥させることなく低温や高温でゲル化凝
固させるか、あるいは酸性水溶液の酸濃度と温度をコン
トロールし中和凝固することで、物性を大幅に変える得
ることを見いだし、その方法を確立した。ここでいう凝
固とは、セルロース/苛性ソーダ水溶液からセルロース
固体を析出させることをいう。
【0008】本発明の方法は、(1)セルロースを重量
濃度6〜11%の苛性ソーダ水溶液に10℃以下の低温
下で溶解して得られるセルロース/苛性ソーダ水溶液を
紙または不織布に塗工し、塗工された該水溶液を凝固す
ることを特徴とするセルロース溶液の塗工方法、(2)
凝固することが、塗工されたセルロース/苛性ソーダ水
溶液を乾燥凝固することである(1)記載のセルロース
溶液の塗工方法、(3)凝固することが、塗工されたセ
ルロース/苛性ソーダ水溶液を乾燥させることなく低温
または高温でゲル化凝固することである(1)記載のセ
ルロース溶液の塗工方法、(4)凝固することが、塗工
されたセルロース/苛性ソーダ水溶液を酸性水溶液の濃
度と温度をコントロールして中和凝固することである
(1)記載のセルロース溶液の塗工方法である。
【0009】以下本発明の方法を、(セルロース/苛性
ソーダ水溶液の調製)、(塗工方法)、(凝固方法)に
項分けして詳細に説明する。 (セルロース/苛性ソーダ水溶液の調製)セルロースは
パルプ、綿、綿リンターなどの天然セルロースやビスコ
ース溶液、キュプラアンモニウム溶液などのセルロース
溶液から再生して得た再生セルロースなどが選択でき
る。天然セルロースから、高溶解性のセルロース/苛性
ソーダ水溶液を望むのなら、セルロース原料はサルファ
イト法でパルプ化されたサルファイト法溶解パルプが望
ましい。サルファイト法溶解パルプ以外の例えばクラフ
ト法溶解パルプを原料セルロースに使用した場合は溶解
性が低い。
【0010】セルロースの粘度平均分子量DPv は溶解性
をコントロールする上で重要なパラメーターであり、高
溶解性を望む場合は、DPv は1000以下が望ましい。
DPvの調整は爆砕法、酸加水分解法、アルカリ加水分解
法、電子線照射法、γ線照射法などが適用できる。ただ
しアルカリ加水分解の場合は例えばアルカリがNaOHの場
合は加水分解に使用するアルカリの濃度が、10wt% 以上
になると一部アルカリセルロースが生成し、溶解性は著
しく低くなる。セルロースがサルファイト法溶解パルプ
でもとからDPv が低い場合は特にDPv 調整の必要はな
い。
【0011】セルロースの苛性ソーダ水溶液への溶解は
特開平9−316101号公報に示したような二段溶解
法や湿式粉砕溶解法などが利用でき、サルファイト法溶
解パルプを二段溶解法で溶解する場合、例えばセルロー
ス濃度8%でDPv が230、またはセルロース濃度が5
%でDPv が350、またはセルロース濃度が2%でDPv
750の組み合わせの時良好な溶解性(溶解度99%以
上)を得ることができる。それぞれの組み合わせで示し
た値よりセルロース濃度が高い場合やDPv が高い場合は
溶解性は低下する。
【0012】いずれにしても苛性ソーダ濃度は6〜11
重量%の範囲(好ましくは7.0〜9.0重量%の範
囲、さらに好ましくは7.2〜8.0重量%の範囲)で
ある必要があり、6〜11重量%の範囲を外れると溶解
性とドープ安定性は著しく悪化する。また温度も10℃
以下(好ましくは5℃以下、さらに好ましくは0℃以
下)である必要がある。温度が10℃を越えると溶解性
は著しく悪化し、40℃ではセルロースはほとんど溶解
しない。また、−11℃以下になるとセルロース/苛性
ソーダ水溶液が凍結するので−11℃以下は避けるべき
である。ハム・ソーセージのフィブラスケーシング用な
ど溶解性をさほど要求されない場合には、二段溶解法や
湿式粉砕法を用いずにより簡単な方法を採用できるが、
苛性ソーダ濃度は6〜11重量%の範囲、温度10℃以
下の必要がある。
【0013】セルロース/苛性ソーダ水溶液はやや不安
定で、例えばセルロース濃度5重量%、DPv 300のと
き温度20℃では約1か月程度でゲル化するので、ドー
プ安定性を確保するために、アクリロニトリル、モノク
ロル酢酸、アクリルアミド、エチレンオキシド、プロピ
レンオキシド、ジメチル硫酸などのエーテル化剤を、セ
ルロースを構成するグルコース残基あたり0.01から
0.5モル程度セルロース/苛性ソーダ水溶液に添加す
ることもできる。溶解時の温度である10℃以下ではこ
れらエーテル化剤はセルロースと反応せず、ドープのゲ
ル化防止剤としてのみ働く。 (塗工方法)セルロース/苛性ソーダ水溶液の塗工は、
溶液を紙や不織布にロール塗工するか、あるいは含浸し
た後ロールもしくはドクターナイフで厚み出しをおこな
うなど公知の方法でおこなわれる。ただしセルロース/
苛性ソーダ水溶液中の苛性ソーダ濃度は6〜11重量%
で、ビスコース溶液の苛性ソーダ濃度(6重量%以下)
より高いため、ビスコース法より塗工時の収縮が大き
く、仕上がり寸法を予め調整する必要がある。
【0014】(凝固方法) (I)乾燥凝固 塗工成型物の強度を向上させ、通液性や通気性を低下さ
せるには、紙や不織布にセルロース/苛性ソーダ水溶液
を塗工したあと該水溶液を乾燥凝固させればよい。乾燥
には熱ロールやトンネル式の乾燥機が主に使用される。
該水溶液を乾燥せずに直接酸溶液で凝固させると、凝固
条件に関わらず3次元の網目構造が発現するが、完全に
乾燥させることにより、3次元の網目構造は出現せず緻
密な構造体となる。この緻密な構造体のため通液性およ
び通気性は著しく低下する。調製条件にもよるが、通液
性は0.1L /(m2 hr ・kg/cm2) 程度であり、この値は
通常市販されている逆浸透膜(1〜5L /(m2 hr ・kg/c
m2) 程度)より十分小さい値である。乾燥後、苛性ソー
ダを塗工物から除去しなければならないが、除去方法は
単なる水洗でも、酸性水溶液で中和してから水洗しても
かまわない。また苛性ソーダ除去に用いる酸性溶液の濃
度、温度は特に限定しない。
【0015】(II)低温または高温でゲル化凝固 塗工成型物の強度や通液性や通気性をコントロールする
には、紙や不織布にセルロース/苛性ソーダ水溶液を塗
工したあと該水溶液を乾燥させることなく低温や高温で
ゲル化凝固させる方法もある。部分的な乾燥がおこる
と、乾燥した部分は緻密な構造体となりその部分の透水
量は著しく低下する。したがって部分的な乾燥がおこる
と必然的に乾燥むらが生じ、透水量の不均一化が生じ好
ましくない。塗工したセルロース/苛性ソ−ダ水溶液の
略20重量%以上が乾燥すると透水量が不均一になる。
【0016】セルロース/苛性ソーダ水溶液は、保存温
度を10〜20℃に維持しておけば(溶解においては1
0℃以下が必須であるが、水溶液の安定性に関してはや
や高いほうがよい)、DPv 300、セルロース濃度5重
量%の条件で1ヶ月程度安定であるが、この温度を高温
側でも低温側でも、外れると著しくゲル化し易くなるた
め、工程上ゲル化させることは容易である。低温でのゲ
ル化(低温ゲル)と高温でのゲル化(高温ゲル)ではメ
カニズムが異なる。低温ゲルは温度を上昇させると元の
溶液に戻る可逆ゲルで、弱い水素結合により形成してい
ると推測される。高温ゲルは再度温度を下げても元の溶
液に戻らない不可逆型で、セルロースに溶媒和したイオ
ンの脱溶媒にともなう結晶化により形成していると推測
される。このような異なったメカニズムで形成されるゲ
ルを経て酸性水溶液で凝固させることにより、異なった
性質をもつ塗工成型物を製造することができる。
【0017】ティーバッグ、コーヒーフィルター、台所
の水切り袋、ビスコースレーヨン用ケークネットなどの
用途で要求されるような、紙や不織布の強度を向上させ
て、通液性を確保するためには、セルロース/苛性ソー
ダ水溶液を乾燥させることなく高温でゲル化させればよ
い。高温ゲルは前述したように部分的な結晶化により生
じる可能性があり、その微結晶の生成のためか不透明で
ある。高温ゲル化は温度が上がると速やかに起こり、滞
留時間は短くても良いが、セルロース/苛性ソーダ溶液
温度を20℃以上(好ましくは、25℃以上、さらに好
ましくは、50℃以上)にする必要がある。温度の上限
は特に設けないが、200℃以上になると著しく乾燥速
度が速くなり、乾燥させることなくゲル化させることが
困難になるので好ましくない。
【0018】温度を上げるためには熱風、熱ロールなど
が使用でき、特に限定しないが、均一に加熱できるもの
が望ましい。しかし水分の乾燥をともなうと前述したよ
うに塗工物は緻密な構造体となり透水量は著しく低下す
るので、高温ゲル形成後すみやかに加熱は停止したほう
がよい。高温ゲル形成後苛性ソーダを除去する必要があ
るが、高温ゲル化時に結晶化して構造がほぼ決定するた
め、苛性ソーダ除去方法の物性に与える影響は少なく、
単に水洗するだけでも、酸性水溶液で中和してから水洗
してもかまわない。また苛性ソーダ除去に使用する酸性
溶液の濃度、温度は特に限定しない。
【0019】また例えば、紙容器、ハム・ソーセージ用
フィブラスケーシング、ウルトラフィルター・ミクロフ
ィルターなどの用途で要求されるような紙や不織布の強
度を向上させて、通気性や通液性を抑制するためには、
セルロース/苛性ソーダ水溶液を乾燥させることなく低
温でいったんゲル化後、酸性水溶液で凝固させるのがよ
い。低温ゲルは前述のような水素結合によるものと思わ
れる均一なゲルを形成するためか、低温ゲルから酸性水
溶液で凝固させた成形体は緻密である。低温ゲルを形成
させるために温度は5℃以下(好ましくは、0℃以下、
さらに好ましくは、−5℃以下)が必要である。5℃を
越える温度では低温ゲルが形成しない。−11℃以下に
なるとセルロース/苛性ソーダ水溶液が凍結するので−
11℃以下は避けるべきである。コーティング皮膜の構
造は低温ゲル化時に決定されるため、それに続く苛性ソ
ーダ除去方法の影響は少なく、酸性水溶液の種類、濃
度、温度は特に限定しない。
【0020】(III)中和凝固 塗工したセルロース/苛性ソーダ水溶液を乾燥したりゲ
ル化すること無しに、酸性水溶液凝固の条件を制御する
ことによっても可能である。紙や不織布にセルロース/
苛性ソーダ水溶液を塗工し硫酸で中和凝固すると、低濃
度硫酸で中和凝固したものほど通気性や水の通液性が高
い。凝固硫酸液の温度も通気性や通液性に大きく影響を
及ぼし、温度が高いほど、通気性と通液性は向上する。
【0021】すなわち、例えば、ティーバッグ、コーヒ
ーフィルター、台所の水切り袋、ビスコースレーヨン用
ケークネットのような強度を向上させるとともに、良好
な通液性が要求される利用分野では、凝固に用いる酸性
溶液の濃度が低く、温度が高い(低濃度・高温中和凝
固)ほうがよい。この場合、硫酸濃度は35重量%以下
(好ましくは、20重量%以下、さらに好ましくは、5
重量%以下)で、かつ温度は20℃以上(好ましくは、
30℃以上、さらに好ましくは、40℃以上)で凝固さ
せるのが良い。濃度の下限は特に設けないが、例えば硫
酸濃度が0.5重量%以下になると中和が著しく遅くな
る。温度は該硫酸溶液の沸点以下が工程および作業環境
上好ましい。
【0022】これに対し、紙容器、ハム・ソーセージ用
ケーシング、ウルトラフィルター・ミクロフィルターの
ような強度の向上と、通気性や通液性が低いことが要求
される利用分野では、凝固に用いる酸性溶液の濃度が高
く、温度が低い(高濃度・低温中和凝固)ほうが良い。
例えば硫酸濃度が、35重量%以上(好ましくは、40
重量%以上、さらに好ましくは、60重量%以上)でか
つ温度20℃以下(好ましくは、10℃以下、さらに好
ましくは、0℃以下)の場合が良い。硫酸濃度の上限は
80重量%である。80重量%を超えると塗工したセル
ロースが溶解および分解して好ましくない。温度の下限
は該硫酸水溶液の融点以上が好ましい。35重量%以
下、または温度が20℃以上の場合は、通気性や通液性
の抑制効果は少ない。
【0023】以上述べたように、紙または不織布に塗工
されたセルロース/苛性ソーダ水溶液を乾燥凝固させる
か、乾燥させることなく低温または高温でゲル化凝固さ
せるか、あるいは酸性水溶液の濃度と温度をコントロー
ルして中和凝固し、塗工成型物の強度を向上させ、その
通気性、通液性を大幅に制御することが可能である。通
気性の評価はカトーテック株式会社KES−F8−AP
1通気性試験機を用い20℃、4cm/secの通気速
度でおこなった。DPv はセルロース/カドキセン溶液の
[η]を求め、ブラウン、ウイクストローム(Brown, W
ikstrom )の粘度式(Euro. Polym.J,1,1(1966) 記載) [η]=3.85×10-2・Mw0.76 に代入して得た粘度平均分子量Mwを, 162で割って粘
度平均重合度とした。
【0024】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれになんら限定されるものではない。 (実施例1)実施例1では塗工したセルロース/苛性ソ
ーダ水溶液を乾燥凝固し、強度を増加させるとともに通
液性を抑制させる方法を開示する。主な用途分野は即席
麺、紙鍋、トレーなどの紙容器分野である。サルファイ
ト法溶解パルプ(ALAPUL-T(アラスカパルプ社製;樹
種、トウヒ;α−セルロース、90.1%;相対粘度、4.6
4))を、15Kg/cm2G 、200℃の飽和水蒸気で5分
間水蒸気処理した後、大気圧下に爆砕し、DPv 300の
セルロースを得た。このパルプを次に示す二段溶解プロ
セスにより溶解し、セルロース/苛性ソーダ水溶液を得
た。セルロースの溶解分率は99.1%であった。
【0025】得られたセルロース濃度5重量%のセルロ
ース/苛性ソーダ水溶液を、坪量250g /m2の高密度
紙に、セルロース換算で5重量%(対紙)付着するよう
にロール塗工した。塗工した高密度紙を温度90℃の熱
ロールで乾燥凝固した。その後20℃、20重量%の硫
酸水溶液で中和した後、水洗し、90℃の熱ロールで乾
燥し塗工成型物を得た。これを実施例1とする。実施例
1は原料の高密度紙に対し乾強度、湿強度ともに増加し
た。通液性は原料の高密度紙の1/10000程度まで
大幅に低下した。また実施例1の塗工成型物からコップ
を形成し、熱湯を注いだが、異臭は全く感じられなかっ
た。 (二段溶解プロセス)セルロースをあらかじめ5℃に冷
却し、乾燥重量換算で12.5g を300mlビーカーに
入れた。これに、あらかじめ5℃に冷却した苛性ソーダ
水溶液を加え、全体量200g 、苛性ソーダ濃度5重量
% 、セルロース濃度6.25重量% のセルローススラリ
ーを作った。
【0026】このスラリーを−2℃まで冷却し、高速撹
拌型のミキサー(T.K.ホモミキサー:特殊機化製)を用
いて12000rpm で2分間撹拌し、二段溶解前段の溶
解処理をおこなった。
【0027】このセルローススラリーを、再度−2℃ま
で冷却し、これにあらかじめ−10℃に冷却した18重
量% の苛性ソーダ水溶液を50g 加え、苛性ソーダ濃度
を7.6重量% 、セルロース濃度5重量% にして、スパ
チュラで速やかに予備撹拌した後、前述のミキサーを用
いて12000rpm で1 分間撹拌し、二段溶解後段の溶
解処理をおこなった。この時の撹拌羽の先端速度は94
2m /分であり、ローターとステーターとの間の剪断速
度は約10000sec-1である。再度−2℃まで冷却
し、同様に撹拌して再度二段溶解後段の溶解処理をおこ
ない、セルロース濃度5重量% 、苛性ソーダ濃度7.6
重量% のセルロース/苛性ソーダ水溶液を得た。 以上
の結果は、次の表1に示されている。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例2〜5、比較例1〜4)実施例2
〜5では塗工したセルロース/苛性ソーダ水溶液を低濃
度・高温または高濃度・低温の硫酸水溶液で中和凝固さ
せ、強度を上昇させるとともに、通気抵抗性を制御する
方法を開示する。実施例1と同様にセルロース/苛性ソ
ーダ水溶液を調製し、得られたセルロース濃度5重量%
のセルロース/苛性ソーダ水溶液を、坪量23g /m2
紙に、セルロース換算で40重量%(対紙)付着するよ
うにロール塗工した。塗工した紙を硫酸濃度、5重量
%、20重量%、温度40℃の硫酸水溶液で1分間凝固
し、水洗、乾燥をへて塗工成型物を得た。これらを実施
例2,3とする。これは低濃度・高温の中和凝固の実施
例である。
【0030】実施例2,3と同様にロール塗工した紙を
硫酸濃度、40重量%、60重量%、温度0℃の硫酸水
溶液で1分間凝固し、水洗、乾燥をへて塗工成型物を得
た。これらを実施例4,5とする。これは高濃度・低温
の中和凝固の実施例である。比較例1〜4として、5重
量%のビスコース溶液をセルロース換算で40重量%紙
に付着するようロール塗工し、硫酸濃度5〜60重量
%、温度0℃、40℃、の硫酸水溶液で凝固再生させ
た。
【0031】実施例2〜5は乾強度、湿強度ともに2倍
程度に増加した。通気抵抗性は450kPa ・ s/m (低濃
度・高温中和凝固)から3200kPa ・ s/m (高濃度・
低温中和凝固)まで大幅に制御させることができた。低
濃度・高温中和凝固(実施例2,3)は通気抵抗性が低
くティーバッグ、コーヒーフィルター、台所の水切り
袋、ビスコースレーヨン用ケークネットなど良好な通気
性が要求される(1000kPa ・ s/m 以下)分野に適用
可能である。高濃度・低温中和凝固(実施例4,5)は
通気抵抗性が高く、紙容器、ハム・ソーセージ用フィブ
ラスケーシング、ウルトラフィルター・ミクロフィルタ
ー用途などの通気性、通液性の抑制が要求される分野に
適用可能である。ビスコース溶液を塗工した比較例1〜
4はいずれも同じような物性を示し、物性の制御は困難
であった。以上の結果は、次の表2に示されている。
【0032】
【表2】
【0033】(実施例6〜11)実施例6〜11では塗
工したセルロース/苛性ソーダ水溶液を乾燥させること
なく低温または高温でゲル化凝固させ、強度を向上させ
ると共に通気性を制御する方法を開示する。実施例1と
同様にセルロース/苛性ソーダ水溶液を調製し、得られ
たセルロース濃度5重量%のセルロース/苛性ソーダ水
溶液を、坪量23g /m2の紙に、セルロース換算で40
重量%(対紙)付着するようにロール塗工した。
【0034】低温ゲル化を−10℃で10分間、−5℃
で20分間、0℃で30分間おこない、また高温ゲル化
を25℃で100分間、30℃で60分間、50℃で5
分間おこなった。いずれの場合も湿度は90%で行っ
た。その後、温度20℃、20重量%の硫酸水溶液で1
分間苛性ソーダを中和した後、水洗、乾燥をへて塗工成
型物を得た。
【0035】実施例6〜11では、乾強度、湿強度とも
に原料の紙よりいずれの条件でも向上し、ゲル化凝固温
度を変えるだけの簡単な操作で、通気抵抗性を大幅に変
化させることができた。ゲル化凝固は実施例2〜5に示
した中和凝固より大幅にその通気性を変化させることが
できる。ビスコース法ではその原液は温度を変えただけ
では容易にゲル化凝固せず、ビスコース法により得られ
た塗工成型物の通気性制御はできない。以上の結果は、
次の表3に示されている。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明はセルロース/苛性ソーダ水溶液
を紙または不織布に塗工する方法であり、これにより、
紙または不織布の強度を増加させるとともに、通気性お
よび通液性を大幅に制御することが可能となった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 AC15 CA03 CA70 DA07 4L055 AG16 AG46 AG98 BE08 EA20 EA25 FA13 FA14 GA05 GA30 GA31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースを重量濃度6〜11%の苛性
    ソーダ水溶液に10℃以下の低温下で溶解して得られる
    セルロース/苛性ソーダ水溶液を紙または不織布に塗工
    し、塗工された該水溶液を凝固することを特徴とするセ
    ルロース溶液の塗工方法。
  2. 【請求項2】 凝固することが、塗工されたセルロース
    /苛性ソーダ水溶液を乾燥凝固することである請求項1
    記載のセルロース溶液の塗工方法。
  3. 【請求項3】 凝固することが、塗工されたセルロース
    /苛性ソーダ水溶液を乾燥させることなく低温または高
    温でゲル化凝固することである請求項1記載のセルロー
    ス溶液の塗工方法。
  4. 【請求項4】 凝固することが、塗工されたセルロース
    /苛性ソーダ水溶液を酸性水溶液の濃度と温度をコント
    ロールして中和凝固することである請求項1記載のセル
    ロース溶液の塗工方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010515735A (ja) * 2007-01-10 2010-05-13 ハーキュリーズ・インコーポレーテッド 製薬、パーソナルケアおよび家庭用ケア用途における凝集したヒドロキシエチルセルロースの使用
JP2010234693A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Fujifilm Corp 溶液製膜方法
CN101914876A (zh) * 2010-07-23 2010-12-15 上海交通大学 防止热封型茶叶滤纸泄漏的方法

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