JP2003012921A - ポリアミドフィルム - Google Patents

ポリアミドフィルム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電気に起因する種々の障害を防止する帯電
防止性、低温度下や摩擦に対する耐ピンホール性に優
れ、かつポリアミドフィルム本来の透明性を保持したポ
リアミドフィルムを提供する。 【解決手段】(A)ポリアミド樹脂70〜99.5重量
%と、(B)(a)ポリアミド形成単位と、ジカルボン酸
からなるポリアミドハードセグメント、(b)数平均分子
量300〜5000の下記一般式(1)で示される芳香
環含有ポリエーテルよりなるソフトセグメント、及び
(c)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属化合物か
らなり、かつ(a)と(b)の合計重量に対して、(c)が0.
01〜5重量%含有されてなるポリエーテルエステルア
ミドエラストマー30〜0.5重量%とを含むポリアミ
ド樹脂組成物よりなるポリアミドフィルム。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は帯電防止性、透明
性、耐ピンホール性に優れるポリアミドフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドフィルムは一般機械物性、熱
的特性、バリヤー性はもちろんのこと、包装材料分野で
重要視される耐衝撃性、耐摩耗性および耐ピンホール性
に優れていることから、幅広い分野に使用されている。
【0003】しかしながら、ポリアミドフィルムは、電
気抵抗率が高く、帯電しやすいため、帯電した電気を漏
洩することができず、表面にほこりが付いたり、静電気
に起因する種々の障害が発生する。これらの欠点を改良
する方法として、界面活性剤等を表面に塗布または、ポ
リアルキレンオキサイドのような吸水性の化合物やアル
キルアミンのような低分子型帯電防止剤を樹脂に練り込
む方法が知られている。しかし、界面活性剤、ポリアル
キレンオキサイドやアルキルアミンのような帯電防止剤
は、初期の帯電防止性には優れるもののブリードアウト
しやすく且つ耐水性が悪いため、長期間に渡り帯電防止
性効果が持続しないという欠点を有している。
【0004】帯電防止効果の持続性を向上させる方法と
して、ポリアミドとポリオキシアルキレングリコールを
主成分とするポリエーテルエステルアミドエラストマー
を、熱可塑性樹脂に配合する方法が提案されている。
(特開昭60−23435号公報及び特開昭60−17
0646号公報)。これら先行文献には、フィルム用途
に関する具体的な技術開示や示唆がなされていない。
【0005】一方、ポリアミドフィルムと内容物の密着
した際に、ポリオレフィン系フィルムと比較して弾性率
が高く、硬いため、内容物の表面形状への追従性が悪
く、フィルム折り畳み部(屈曲部)において、内容物と
の摩擦等によりピンホールが生じ易いという問題を有し
ていた。さらに、近年冷凍技術が発達してきたことによ
り、食品包装後10℃以下の低温雰囲気で扱われること
が多くなっている。上記特性中においても事実上最も重
要視される耐ピンホール性、柔軟性についてはその温度
依存性が顕著であり、10℃以下のような低温雰囲気で
の使用において、ピンホールによる充填物の漏れ出しな
どのトラブルが発生し、実用上必ずしも満足するもので
はなかった。ナイロンフィルムを10℃以下のような低
温雰囲気での使用を可能とするための改善方法として、
ポリアミドと、ポリエーテル成分としてポリオキシテト
ラメチレングリコールを用いたポリエーテルエステルア
ミドエラストマーかなるポリアミドフィルムが提案され
ている(特開平5−230365)。しかしながら、上
記の方法においては10℃以下の低温雰囲気下の耐ピン
ホール性は改善されているものの、透明性に関しては、
ポリアミドフィルム本来の透明性を損なってしまう。ま
たフィルムの透明性を実用上問題のないレベルに保持す
るため、帯電防止性については、不十分であるというの
が現状であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、静電
気に起因する種々の障害を防止する帯電防止性、低温度
下や摩擦に対する耐ピンホール性に優れ、かつポリアミ
ドフィルム本来の透明性を保持したポリアミドフィルム
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の問
題点を解決するポリアミドフィルムの開発を目的に鋭意
検討した結果、ポリアミド樹脂と特定のポリエーテルエ
ステルアミドエラストマーを配合した組成物よりなるポ
リアミドフィルムが帯電防止性、耐ピンホール性、透明
性に優れていることを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、(A)ポリアミド樹
脂70〜99.5重量%と、(B)(a)ラクタム、アミ
ノカルボン酸及び、ジアミンとジカルボン酸の塩からな
る群より選ばれる少なくとも1種のポリアミド形成単位
と、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及び芳香
族ジカルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種のジカ
ルボン酸からなるポリアミドハードセグメント、(b)数
平均分子量300〜5000の下記一般式(1)で示さ
れる芳香環含有ポリエーテルよりなるソフトセグメン
ト、及び(c)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属
化合物からなり、かつ(a)と(b)の合計重量に対して、
(c)が0.01〜5重量%含有されてなるポリエーテル
エステルアミドエラストマー30〜0.5重量%とを含
むポリアミド樹脂組成物よりなるポリアミドフィルム
【0009】
【化2】 (式中、Zはビスフェノール類、単環二価フェノール
類、ジヒドロキシビフェニル類、ジヒドロキシナフタレ
ン類およびビナフトール類から選ばれる二価フェノール
類の残基、QおよびRは炭素数2〜4のオキシアルキレ
ン基、mおよびnは1〜50の整数を表す。)を提供す
るものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用される(A)ポリアミド樹脂は、3員環以上のラク
タム、アミノ酸、またはジアミンとジカルボン酸とから
なるナイロン塩を原料として、溶融重合、溶液重合や固
相重合などの公知の方法で重合、または共重合すること
により得られる。
【0011】3員環以上のラクタムとしては、例えば、
ε―カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ラウ
ロラクタム、α―ピロリドン、α―ピペリドンなどを挙
げることができる。アミノ酸としては、例えば、6―ア
ミノカプロン酸、7―アミノヘプタン酸、9―アミノノ
ナン酸、11―アミノウンドデカン酸、12―アミノド
デカン酸などを挙げることができる。
【0012】ナイロン塩を構成するジアミンとしては、
エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペプタメチ
レンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレン
ジアミン、トリデカンジアミン、テトラデカンジアミ
ン、ペンタデカンジアミン、ヘキサデカンジアミン、ヘ
プタデカンジアミン、オクタデカンジアミン、ノナデカ
ンジアミン、エイコサンジアミン、2,2,4−トリメ
チルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル
ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、1,3
−シクロヘキシルジアミン、1,4−シクロヘキシルジ
アミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビ
ス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−
メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3
−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,
2−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−ビスア
ミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチル
シクロヘキサン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル
−1−シクロペンタンメチルアミン、5−アミノ−1,
3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、ビス
(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)
ピペラジン、ノルボルナンジメチレンアミンなどの脂環
式ジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレン
ジアミンなどの芳香族ジアミン等を挙げることができ
る。
【0013】ナイロン塩を構成するジカルボン酸として
は、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン
酸、トリデカンジオン酸、テトラデカンジオン酸、ペン
タデカンジオン酸、ヘキサデカンジオン酸、オクタデカ
ンジオン酸、エイコサンジオン酸などの脂肪族ジカルボ
ン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンメタン
−4,4'−ジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸
などの脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレ
ンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、
2,7-ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボ
ン酸等を挙げることができる。
【0014】本発明において、これら3員環以上のラク
タム、アミノ酸、またはジアミンとジカルボン酸とから
なるナイロン塩から誘導される単一重合体または共重合
体を各々単独または混合物の形で用いる事ができる。
【0015】使用されるポリアミド樹脂の具体例として
は、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン
12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン69、ナ
イロン610、ナイロン611、ナイロン612、ナイ
ロン6T、ナイロン6I、ナイロンMXD6、ナイロン6
/66(ナイロン6とナイロン66のコポリマー、以
下、コポリマーは同様に記載)、ナイロン6/69、ナ
イロン6/610、ナイロン6/611、ナイロン6/
12、ナイロン6/612、ナイロン6/6T、ナイロ
ン6/6I、ナイロン6/66/610、ナイロン6/
66/12、ナイロン6/66/612、ナイロン66
/6T、ナイロン66/6I、ナイロン6T/6I、ナ
イロン66/6T/6Iなどが挙げられる。好ましいポ
リアミド樹脂としては、得られる成形品の耐熱性、機械
的強度、透明性や経済性、入手の容易さなどを考慮し
て、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロ
ン6/66、ナイロン6/12、ナイロン6/66/1
2である。
【0016】(A)ポリアミド樹脂は、JIS K 6
810に準じて測定した相対粘度が、2.0〜5.0、
好ましくは、2.5〜4.5である。ポリアミド樹脂の
相対粘度が2.0より小さい場合、得られるポリアミド
フィルムの機械的性質が低くなる。また、5.0より大
きくなると、溶融時の粘度が高くなり、フィルムの成形
が困難となる。
【0017】なお、(A)ポリアミド樹脂の末端基の種
類およびその濃度や分子量分布には特別の制約は無い。
分子量調節や成形加工時の溶融安定化のため、モノアミ
ン、ジアミン、モノカルボン酸、ジカルボン酸のうちの
1種あるいは2種以上を適宜組合せて添加することがで
きる。例えば、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどの
アミンや酢酸、ステアリン酸、安息香酸、アジピン酸、
イソフタル酸、テレフタル酸などのカルボン酸などであ
る。これら分子量調節剤の使用量は分子量調節剤の反応
性や重合条件により異なるが、最終的に得ようとするポ
リアミドの相対粘度が2.0〜5.0の範囲になるよう
に、適宜決められる。
【0018】本発明で使用されるポリアミド樹脂につい
ては、更に、JIS K6810に規定する低分子量物の含
有量の測定方法に準じて測定した水抽出量が1%以下、
好ましくは0.5%以下になるようにすることが好まし
い。水抽出量が多いと、ダイ付近へのオリゴマー成分の
付着が著しく、これら付着物によるダイラインやフィッ
シュアイの発生により外観不良が生じ易い。さらに、ポ
リアミド樹脂は、オレフィン樹脂と比較して吸湿性が大
きく、吸湿したものを使用すると、原料を溶融押出しす
る際、加水分解が起こるためオリゴマーが発生し、フィ
ルム製造が困難となるので、事前に乾燥し水分含有率が
0.1重量%以下とするのが好ましい。
【0019】本発明に使用される(B)ポリエーテルエ
ステルアミドエラストマーは、(a)ラクタム、アミノカ
ルボン酸、ジアミンとジカルボン酸の塩からなる群より
選ばれる少なくとも1種のポリアミド形成単位と、脂肪
族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボ
ン酸の中から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸か
らなるポリアミドハードセグメント、及び(b)数平均分
子量300〜5000の下記一般式(1)で示される芳
香環含有ポリエーテルよりなるソフトセグメント、及び
(c)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属化合物か
らなり、かつ(a)と(b)の合計重量に対して、(c)が0.
01〜5重量%含有されてなる。
【0020】
【化3】 (式中、Zはビスフェノール類、単環二価フェノール
類、ジヒドロキシビフェニル類、ジヒドロキシナフタレ
ン類およびビナフトール類から選ばれる二価フェノール
類の残基、QおよびRは炭素数2〜4のオキシアルキレ
ン基、mおよびnは1〜50の整数を表す。)
【0021】(B)ポリエーテルエステルアミドエラス
トマーのハードセグメントは、両末端基にカルボキシル
基を有するポリアミドであり、(a)ラクタム、アミノカ
ルボン酸、、ジアミンとジカルボン酸の塩からなる群よ
り選ばれる少なくとも1種のポリアミド形成単位と脂肪
族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボ
ン酸の中から選ばれる少なくとも1種以上のジカルボン
酸からなる。(a1)ラクタムとしては、カプロラクタム、
エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタ
ム等が挙げられる。(a2)アミノカルボン酸としては、ω
−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミ
ノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプ
リン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデ
カン酸等が挙げられる。(a3)ジアミンとジカルボン酸の
塩のうち、ジアミンとしては、エチレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメ
チレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4
/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、
1,3/1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、m−キ
シリレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどの脂肪
族、脂環族、または芳香族ジアミンが挙げられる。ジカ
ルボン酸としては、アジピン酸、スベリン酸、セバシン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸などの脂肪族、脂環族、または芳香族ジカルボ
ン酸が挙げられる。上記例示したものは単独で使用して
も良く、あるいは二種類以上を適宜組合せて使用しても
よい。これらのうち好ましいものは、カプロラクタム、
ラウロラクタム、12−アミノドデカン酸およびアジピ
ン酸とヘキサメチレンジアミンの塩であり、特に好まし
いものはカプロラクタムである。
【0022】(a4)ジカルボン酸は、分子量調整剤として
使用し、この存在下に上記ポリアミド形成単位を常法に
より開環重合あるいは重縮合させることによって両末端
カルボキシル基を有するポリアミドが得られる。(a4)ジ
カルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロ
ヘキシル−4,4−ジカルボン酸等の脂環族ジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレ
ン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニ
ル−4,4’−ジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸
ナトリウム、3−スルホイソフタル酸カリウム等の3−
スルホイソフタル酸アルカリ金属塩等の芳香族ジカルボ
ン酸が挙げられる。上記例示したものは単独で使用して
も良く、あるいは二種類以上を適宜組合せて使用しても
よい。これらのうち好ましいものは脂肪族ジカルボン
酸、芳香族ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸
アルカリ金属塩であり、特に好ましいものはアジピン
酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3
−スルホイソフタル酸ナトリウムである。
【0023】該(a)の数平均分子量は、通常500〜
5,000、好ましくは500〜3,000である。数
平均分子量が500未満ではポリエーテルエステルアミ
ドエラストマー自体の耐熱性が低下し、5,000を超
えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミ
ドエラストマー製造時に多大な時間を要する。
【0024】(B)ポリエーテルエステルアミドエラス
トマーのソフトセグメントは、(b)芳香環含有ポリエー
テルからなり、(b)芳香環含有ポリエーテルは前記一般
式(1)で示される化合物である。該式(1)におい
て、Zは二価フェノール類(b1)の残基、QおよびRは炭
素数2〜4のアルキレンオキサイド(b2)由来のオキシア
ルキレン基である。
【0025】(b1)二価フェノール類としては、ハイドロ
キノン、カテコール、レゾルシン、オルシン、ウルシオ
ールなどの単環フェノール類;ビスフェノールA(4,
4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、
ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニル
メタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン)、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニル−2,2−ブタンなどのビスフェノール類;4,
4’−ジヒドロキシビフェニルなどのヒドロキシビフェ
ニル類;1,5−ジヒドロキシナフタレンなどのジヒド
ロキシナフタレン類、ビナフトール類などのナフタレン
核を有するもの等が挙げられる。これらのうち好ましい
ものはビスフェノール類であり、特に好ましいものはビ
スフェノールAである。
【0026】(b2)アルキレンオキサイドとしては、例え
ばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2
−もしくは1,4−ブチレンオキサイドおよびこれらの
二種以上の混合物が挙げられる。これらのうちエチレン
オキサイドが、ポリエーテルエステルアミドエラストマ
ーの制電性が優れる観点から好ましい。
【0027】本発明における(b)芳香環含有ポリエーテ
ルを構成する芳香族環含有ポリエーテルジオールは、上
記(b1)に(b2)を公知の方法、例えばアルカリ触媒存在
下、100〜200℃の温度で付加反応させることによ
り製造することができる。(b2)の付加モル数は通常1〜
50モル、好ましくは2〜20モルである。
【0028】該(b)の数平均分子量は、通常300〜
5,000、好ましくは500〜3,000、さらに好
ましくは1600〜3000である。300未満では帯
電防止性が不十分となり、5,000を超えると反応性
が低下するためポリエーテルエステルアミドエラストマ
ー製造時に多大な時間を要する。
【0029】本発明の(B)ポリエーテルエステルアミ
ドエラストマーを構成する(b)の使用量は、前記(a)と
(b)の合計重量に基づいて通常20〜80重量%、好ま
しくは25〜75重量%の範囲である。(b)の量が20
%未満では(B)の帯電防止性が劣り、80重量%を超
えると(B)の耐熱性が低下するために好ましくない。
また、必要により(b)と共にポリアルキレンオキサイド
(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリテトラメチレンオキサイド等)を併用してもよ
い。これらを併用する場合の使用量は特に制限はない
が、耐熱性および熱可塑性樹脂への分散性の観点から、
(b)の量に対して通常30重量%以下である。
【0030】(B)ポリエーテルエステルアミドエラス
トマーの製法は特に限定されるものではないが、例えば
下記製法または製法を例示することができる。 製法:(a1)、(a2)及び(a3)の少なくとも1種と(a4)ジ
カルボン酸を反応させて(a)を形成せしめ、これに(b)を
加えて、高温、減圧下で重合反応を行う方法。製法:
(a1)、(a2)及び(a3)の少なくとも1種と(a4)ジカルボン
酸と(b)を同時に反応槽に仕込み、水の存在下または非
存在下に、高温で加圧反応させることによって中間体と
して(a)を生成させ、その後減圧下で(a)と(b)との重合
反応を行う方法。
【0031】上記の重合反応には、通常、公知のエステ
ル化触媒が使用される。該触媒としては、例えば三酸化
アンチモンなどのアンチモン系触媒、モノブチルスズオ
キシドなどのスズ系触媒、テトラブチルチタネートなど
のチタン系触媒;テトラブチルジルコネートなどのジル
コニウム系触媒;酢酸ジルコニル、酢酸亜鉛などの有機
酸金属塩系触媒などが挙げられる。触媒の使用量は、
(a)と(b)の合計重量に対して通常0.1〜5重量%であ
る。
【0032】(B)ポリエーテルエステルアミドエラス
トマーの相対粘度(0.5重量%m−クレゾール溶液、
25℃)は、通常1.2〜3.0、好ましくは1.3〜
2.5である。相対粘度が1.2未満では耐熱性が悪
く、3.0を超えると成形性が低下する。
【0033】さらに、本発明に使用される(c)アルカリ
金属及び/又はアルカリ土類金属化合物は、本発明のポ
リアミドフィルムの耐ピンホール性を低下させることな
く、帯電防止性能を向上させることができる。
【0034】このアルカリ金属及び/又はアルカリ土類
金属化合物としては、有機酸、過塩素酸、チオシアン
酸、硫酸、炭酸、ハロゲン化水素、リン酸、ホウ酸のア
ルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属塩などであり、
単独で使用しても良く、あるいは二種類以上を適宜組合
せて使用してもよい。これらの中でもアルカリ金属及び
/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる金属塩
が好ましい。アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属
のハロゲン化物からなる金属塩としては、塩化リチウ
ム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、
臭化マグネシウムなどを挙げることができる。特に好ま
しくは、塩化カリウム、塩化ナトリウムである。
【0035】(c)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類
金属化合物を添加する方法としては、組成物中に効果的
に分散させるため、(B)ポリエーテルエステルアミド
エラストマーに予め分散させておくことが望ましく、特
に(B)ポリエーテルエステルアミドエラストマーの製
造時に予め添加し分散させることことが望ましい。ここ
で、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属化合物の
存在下にポリアミドエラストマーを製造するには、該エ
ラストマーの重合前、重合中、あるいは重合後エラスト
マーの分離・回収前に、該アルカリ金属及び/又はアル
カリ土類金属化合物を一括または分割して添加すればよ
い。また、このアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金
属化合物の添加方法としては、そのまま添加してもよ
く、重合成分にあらかじめ溶解して添加してもよく、さ
らには別の溶媒に溶解して添加してもよい。
【0036】(c)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類
金属化合物の使用量は、本発明の(B)ポリエーテルエ
ステルアミドエラストマー中に、0.01〜5重量%、
好ましくは0.02〜3重量%、さらに好ましくは0.
05〜1重量%である。その使用量が0.01重量%未
満では帯電帯電防止性能が劣り、一方5重量%を超える
とフィルムの表面外観が劣るものとなる。
【0037】次に、本発明のポリアミドフィルムは、上
記の(A)ポリアミド樹脂と(B)ポリエーテルエステ
ルアミドエラストマーとを特定の割合で混合した原料樹
脂組成物を成形することにより製造される。本発明の
(A)ポリアミド樹脂と(B)ポリエーテルエステルア
ミドエラストマーの配合割合は、(A)成分と(B)成
分の合計量に基づき、該(A)成分が70〜99.5重
量%、(B)成分が30〜0.5重量%である。好まし
くは(A)成分が75〜98重量%、(B)成分が25
〜2重量%である。(B)成分が0.5重量%より少な
い場合には、帯電防止性、耐ピンホール性の改良効果が
小さい。一方、30重量%を越えると耐熱性が悪化し、
また、それに見合う効果の向上が期待できず、経済的に
不利となるばかりでなく、均一な厚みのフィルムが得ら
れなくなる場合がある。
【0038】上記原料樹脂組成物の調製方法としては、
必要に応じて各種添加剤を配合し、公知の方法で混合す
ることによって製造される。例えば、タンブラーやミキ
サーを用いて、成形時にポリアミド樹脂原料に直接添加
するドライブレンド法、成形時に使用する濃度で予めポ
リアミド樹脂原料に一軸または二軸の押出機を用いて溶
融混練する練り込み法、あるいは予め高濃度でポリアミ
ド樹脂原料に一軸または二軸の押出機を用いて練り込
み、これを成形時に希釈して使用するマスターバッチ法
などが挙げられる。
【0039】また、本発明のポリアミドフィルムの原料
ポリアミド樹脂組成物には、得られるフィルムの特性を
損なわない範囲内で、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、耐候剤、滑剤、フィラー、核剤、可塑剤、発泡
剤、ブロッキング防止剤、防雲剤、難燃剤、染料、顔
料、安定剤,カップリング剤などを含有することができ
る。
【0040】本発明の原料ポリアミド樹脂組成物に帯電
防止効果を更に向上させる目的で、非イオン性、アニオ
ン性、カチオン性もしくは両性の界面活性剤を含有させ
てもよい。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコ
ールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサ
イド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付
加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付
加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性
剤、ポリエチレンオキサイド、グリセリンの脂肪酸エス
テル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビッ
トおよびソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコール
のアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪族ア
ミド等の多価アルコール型非イオン界面活性剤などが挙
げられる。アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸
のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩類、高級アルコール
硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩
等の硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等
のスルホン酸塩類、高級アルコールリン酸エステル塩等
のリン酸エステル塩類などが挙げられる。カチオン性界
面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩
等の第4級アンモニウム塩類などが挙げられる。両性界
面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩
等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチル
ベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等
のベタイン型両性界面活性剤などがが挙げられる。これ
らは単独でも2種以上を併用してもよい。これらのうち
好ましいものはアニオン性界面活性剤であり、特に好ま
しいものはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩
類である。上記例示したものは単独で使用しても良く、
あるいは二種類以上を適宜組合せて使用してもよい。
【0041】本発明の原料ポリアミド樹脂組成物に耐ピ
ンホール性を更に向上させる目的で、フィルムの透明性
を損なわない範囲内で、オレフィン系共重合体、および
その変性物やエラストマーを含有させることができる。
オレフィン系共重合体の具体例としては、エチレン・α
−オレフィン系共重合体、エチレン・α,β−不飽和カ
ルボン酸エステル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル部
分鹸化物系共重合体、エチレン・α,β−不飽和カルボ
ン酸系共重合体、アイオノマー重合体等が挙げられる。
エラストマーとしては、本発明の範囲外のポリエーテル
アミド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエステルア
ミド等のポリアミド系エラストマー、両末端にポリスチ
レン相、ゴム中間相として水素添加型ポリオレフィンを
もちポリスチレン相が架橋点を担っているブロック共重
合体であるスチレン系エラストマー等が挙げられる。上
記例示したものは単独で使用しても良く、あるいは二種
類以上を適宜組合せて使用してもよい。
【0042】本発明のポリアミドフィルムは、原料ポリ
アミド樹脂組成物を使用して、公知のフィルム製造方法
を適用し、製膜することができる。例えば、原料ポリア
ミド樹脂組成物を押出機で溶融混練し、T−ダイあるい
はコートハンガーダイによりフラットフィルム状に押出
し、キャスティングロール面上にキャスティング、冷却
してフィルムを製造するキャスティング法、リング状ダ
イにより筒状に溶融押出したチューブ状物を空冷あるい
は水冷してフィルムを製造するチューブラー法等があ
る。製造されたフィルムは未延伸の状態で使用できる
が、延伸フィルムとして使用してもよい。延伸フィルム
としては、一軸延伸フィルム、同時二軸延伸フィルム、
逐次二軸延伸フィルムなどであり、これらは、ロール式
一軸延伸法、テンター式逐次二軸延伸法、テンター式同
時二軸延伸法、チューブラー延伸法など公知の延伸方法
によって製造される。また、延伸工程はポリアミドフィ
ルムの製造に引続き、連続して実施しても良いし、ポリ
アミドフィルムを一旦巻き取り、別工程として延伸を実
施しても良い。
【0043】延伸フィルムの延伸倍率は使用用途によっ
て異なるが、通常、一軸延伸フィルムの場合、1.5〜
5倍、好ましくは、1.8〜3.5倍である。また、テ
ンター式二軸延伸フィルムは、通常、フィルム製造の巻
取方向(縦方向)の延伸倍率は1.5〜4倍、巻取方向
と直角の方向(横方向)の延伸倍率は1.5〜5倍であ
る。チューブラー法で延伸する場合、縦方向1.5〜4
倍、横方向1.5〜4倍である。
【0044】上記方法により延伸されたフィルムは、引
続き熱処理をする。熱処理することにより常温における
寸法安定性を付与することができる。この場合の熱処理
温度は、110℃を下限として該樹脂組成物の融点より
5℃低い温度を上限とする範囲を選択するのがよく、こ
れにより常温寸法安定性のよい、任意の熱収縮率をもっ
た延伸フィルムを得ることができる。熱処理操作によ
り、充分に熱固定された延伸フィルムは、常法に従い、
冷却して巻き取る。
【0045】実験室的には、卓上延伸機(例えば岩本製
作所社製や東洋精機社製等)を使用して延伸フィルムを
得ることができる。この場合、工業的に生産されている
延伸フィルムと同等の物性を得るためには、延伸前の余
熱温度を60〜90℃、延伸倍率を2.5〜4.0倍、
ヒートセット温度を190℃〜220℃程度で延伸を行
えばよい。
【0046】本発明に係るポリアミドフィルムは、耐油
性、透明性、耐ピン性、帯電防止性に優れ、単独での利
用価値が高いが、これに他の熱可塑性樹脂を積層するこ
とにより、さらに多くのフィルム特性を付加させること
が可能である。具体的には本発明のポリアミドフィルム
の原料樹脂組成物からなる層の少なくとも片面に熱可塑
性樹脂層等を積層して多層積層体として用いることもで
きる。この時、本発明のポリアミドフィルムを表層に用
いることにより、充分な帯電防止効果が発揮できる。該
積層体を製造するに当たっては、該樹脂組成物の層の片
面又は両面に他の基材を積層するのであるが、積層方法
としては、例えば該樹脂組成物のフィルムに熱可塑性樹
脂を溶融押出する方法、逆に熱可塑性樹脂等の基材に該
樹脂組成物を溶融押出する方法、該樹脂組成物と他の熱
可塑性樹脂とを共押出する方法、更には本発明の樹脂組
成物のフィルムと他の基材のフィルムとを有機チタン化
合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、
ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラ
ミネートする方法等が挙げられる。共押出法としては、
共押出シート成形、共押出キャスティングフィルム成
形、共押出インフレーションフィルム成形などが挙げら
れる。
【0047】積層される熱可塑性樹脂としては直鎖状低
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重
合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメ
タクリレート共重合体、アイオノマー、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭
素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテ
ン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、
或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和
カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したものな
どの広義のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリ
アミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリスチレン、アクリルニトリル−スチレ
ン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体、ポリアクリルニトリル、ポリカーボネート、
ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポ
リウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン等が挙げられる。
【0048】本発明の樹脂組成物から一旦フィルムを
得、これに他の基材を押出コートしたり、他の基材のフ
ィルムを接着剤を用いてラミネートする場合、前記の熱
可塑性樹脂以外に任意の基材(紙、金属箔、無延伸、織
布、不織布、金属綿状、木質等)が使用可能である。
【0049】このような積層フィルムは積層する熱可塑
性樹脂の種類によってフィルム特性は変わり、例えばポ
リオレフィン樹脂を積層すると水蒸気透過率を著しく低
下せしめることができ、またポリエステルを積層すると
耐熱性が著しく改良され高温レトルト処理にも十分耐え
るようになる。さらに、エチレン−ビニルアルコール共
重合体やポリメタキシリレンアジパミドを積層すると、
酸素透過率を低下せしめることができる。
【0050】さらに、本発明のポリアミドフィルムは、
印刷性、ラミネート、粘着剤付与性を高めるため、コロ
ナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理などの表
面処理を行うことができる。また、必要に応じて、この
ような処理がなされた後、印刷、ラミネート、粘着剤塗
布、ヒートシールなどの二次加工工程を経てそれぞれの
目的とする用途に使用することができる。
【0051】本発明のポリアミドフィルムの厚みは、用
途により適宜決定すればよく特に制限されないが、ポリ
アミドフィルムの厚さは、厚ければポリアミドフィルム
の強度は向上するが、透明性や耐ピンホール性は低下す
るので、これらを勘案すれば、ポリアミド単層フィルム
の場合には、5〜100μmの範囲で選ぶのがよく、さ
らに好ましくは10〜80μm、特に好ましいのは10
〜60μmの範囲である。また、積層フィルムの場合に
は、ポリアミド樹脂層としての厚さを2〜100μmの
範囲で選ぶのがよく、さらに好ましくは5〜80μm、
特に好ましいのは5〜60μmの範囲である。
【0052】本発明のポリアミドフィルムは、次のよう
な特徴を有する。本発明で使用される(A)ポリアミド
樹脂のみより得られるポリアミドフィルムおよび、これ
と同一の(A)ポリアミド樹脂と特定の(B)ポリエー
テルエステルアミドエラストマーからなる原料樹脂組成
物より得られるポリアミドフィルムにおいて、ASTM
D−1003に準拠し測定したヘイズ値をそれぞれ、
α,α’、MIL−B−131Cに準拠して測定した、
0℃下で1000回の屈曲テスト後のピンホール数をそ
れぞれβ,β’、23℃、相対湿度60%で3日間状態
調節したのち、絶縁抵抗計を用いて、印加電圧500
V、30秒の条件にて測定した表面固有抵抗値をそれぞ
れγ,γ’としたとき、1.0≦α’/α<2.5,
0≦β’/β<0.5, 10-8<γ’/γ<10-3
の条件を満たす。好ましくは、1.0≦α’/α<2.
0, 0≦β’/β<0.2, 10-8<γ’/γ<1
-4である。すなわち、本発明のポリアミドフィルム
は、特定のポリエーテルエステルアミドエラストマーを
含有することにより、耐ピンホール性、帯電防止性が向
上し、さらに、ポリアミドフィルム本来の透明性をほぼ
保持する。
【0053】
【実施例】以下において実施例および比較例を掲げて本
発明をさらに詳しく説明するが、本発明の要旨を越えな
い限り以下の例に限定されるものではない。実施例にお
いて使用したポリアミド樹脂、ポリエーテルエステルア
ミドエラストマー、及び評価フィルム作成方法、各種の
評価方法を示す。
【0054】[使用したポリアミド樹脂、ポリエーテル
エステルアミドエラストマー] (A−1)ナイロン6:宇部興産株式会社製 UBE N
YLON 1022B,相対粘度3.6) (A−2)ナイロン6/66:宇部興産株式会社製 U
BE NYLON 5034B,相対粘度4.4) (A−3)ナイロン6/12:宇部興産株式会社製 U
BE NYLON 7034B,相対粘度4.4) (A−4)ナイロン12:宇部興産株式会社製 UBE
NYLON 3030XA,相対粘度3.0) (B−1)ポリエーテルエステルアミドエラストマー:
三洋化成株式会社製 ペレスタットNC6321,ε−
カプロラクタムとアジピン酸、ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物およびカリウムおよびナトリウム
を原子換算でそれぞれ500ppm、200ppm含有
するポリエーテルエステルアミドエラストマー) (B−2)ポリエーテルエステルアミドエラストマー:
ダイセル・ヒュルス株式会社製 Vestamido E
40−S3,ω−アミノドデカン酸とドデカジオン酸、
ポリオキシテトラメチレングリコールからなるポリエー
テルエステルアミドエラストマー)
【0055】[評価用フィルムの作成](A)ポリアミ
ド樹脂と(B)ポリエーテルエステルアミドエラストマ
ーを二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30型)に供給
し、押出機設定温度250℃、スクリュー回転数100
rpmの条件で、溶融混練して、造粒し、乾燥した。こ
のペレットをTダイを備えた単軸押出機(プラスチック
工学研究所製、Plaborφ40Ex型)に供給し、
押出機設定温度250℃、スクリュー回転数40rp
m、冷却ロール温度30℃の条件に設定して、厚さ12
0μmのポリアミドフィルムを製造した。次いで、未延
伸フィルムから縦150mm、横150mmのサンプル
を切出し、岩本製作所製二軸延伸機に取付け、延伸温度
70℃で同時二軸延伸を行い、縦2.8倍、横2.8倍
に延伸した後、210℃で熱固定して、二軸延伸フィル
ムを作成した。この二軸延伸フィルムからサンプルを切
出し、評価用の延伸フィルムとした。
【0056】[帯電防止性] 表面固有抵抗 上記の評価フィルムを23℃、相対湿度60%で3日間
状態調節したのち、横河ヒューレット・パッカード
(株)製、4329A型、絶縁抵抗計を用いて、23
℃、相対湿度60%の雰囲気下、印加電圧500V、3
0秒の条件にて表面固有抵抗を測定した。
【0057】帯電圧半減期 上記の評価フィルムを23℃、相対湿度60%で3日間
状態調節したのち、シシド静電気(株)製、スタチック
オネストメータH-0110を用いて、23℃、相対湿度
40%の雰囲気下、印加電圧10kV、試料間距離20
mmの条件にて、帯電圧半減期を測定した。
【0058】[透明性]透明性の尺度であるヘイズはA
STM D−1003に準じ、スガ試験機製の直読ヘイ
ズコンピューター(HGM−2DP)を使用して測定し
た。
【0059】[耐ピンホール性(繰り返し屈曲疲労テス
ト)]理学工業製恒温槽付ゲルボフレックステスターに
より、MIL−B−131Cに準じ、0℃下で1000
回の屈曲テストを行った後、そのフィルムに生じるピン
ホールの個数をサンコウ電子製ピンホール探知器を使用
して測定した。
【0060】実施例1〜6 表1に示した配合組成のポリアミド樹脂組成物を、前記
の方法で評価用延伸フィルムを得た。これらの延伸フィ
ルムの表面固有抵抗、帯電圧半減期、ヘイズ、ピンホー
ル数を測定した。その結果を表1に示す。
【0061】比較例1 ポリアミド樹脂組成物の代りに、ポリアミド樹脂のみを
用いた以外は実施例1と同様に、前記の方法で評価用延
伸フィルムを得た。これらの延伸フィルムの表面固有抵
抗、帯電圧半減期、ヘイズ、ピンホール数を測定した。
その結果を表1に示す。
【0062】比較例2〜3 ポリアミド樹脂組成物を表1記載の割合で配合した以外
は実施例1と同様に、前記の方法で評価用延伸フィルム
を得た。これらの延伸フィルムの表面固有抵抗、帯電圧
半減期、ヘイズ、ピンホール数を測定した。その結果を
表1に示す。
【0063】比較例4〜5 ポリエーテルエステルアミドエラストマーを本特許の条
件に満足しない(B−2)に変えた以外は実施例1と同
様にして、前記の方法で延伸フィルムを得た。これらの
延伸フィルムの表面固有抵抗、帯電圧半減期、ヘイズ、
ピンホール数を測定した。その結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】実施例1〜3において得られたフィルムの
ヘイズ、ピンホール数、表面固有抵抗の測定値と、比較
例1において得られたフィルムのヘイズ、ピンホール
数、表面固有抵抗の測定値を用いて、それぞれの比を求
めた。また、同様に比較例4〜5において得られたフィ
ルムのヘイズ、ピンホール数、表面固有抵抗の測定値と
比較例1において得られたフィルムのヘイズ、ピンホー
ル数、表面固有抵抗の測定値を用いて、それぞれの比を
求めた。その結果を表2に示す。本発明の条件を満たす
ポリエーテルエステルアミドエラストマー含有の原料樹
脂組成物からなるポリアミドフィルムは、前記記載の式
(2)を満たすが、本発明の条件を満たさないポリエー
テルエステルアミドエラストマーを使用したポリアミド
フィルムは、耐ピンホール性には優れているが、ヘイズ
比、および表面固有抵抗比については、前記記載の式
(2)を満たさず、透明性、帯電防止性については劣っ
ている。
【0066】1251
【表2】
【0067】
【発明の効果】本発明のポリアミドフィルムは、特定の
ポリエーテルエステルアミドエラストマーを特定量配合
することにより、帯電防止性、耐ピンホール性に優れ、
かつ今まででは考えられないようなポリアミドフィルム
本来の透明性を保持している。従来のポリアミドとポリ
エーテルエステルアミドエラストマーからなるフィルム
において、耐ピンホール性と透明性のバランスを考慮す
ることにより、ポリエーテルエステルアミドエラストマ
ーの配合量が制限されていた。一方、本発明のポリアミ
ドフィルムは、特定のポリエーテルエステルアミドエラ
ストマーを用いることにより、透明性、耐ピンホール性
という二律背反の特性に優れ、かつ、帯電防止能を有す
る成分を多く含有することが可能となり、帯電防止性に
優れる。よって、ピンホールの発生や静電気の発生、蓄
積という問題のため、今まで制限されてきたポリアミド
フィルムの使用範囲が拡大することとなり、利用価値は
大きい。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂70〜99.5重量
    %と、(B)(a)ラクタム、アミノカルボン酸及び、ジ
    アミンとジカルボン酸の塩からなる群より選ばれる少な
    くとも1種のポリアミド形成単位と、脂肪族ジカルボン
    酸、脂環族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸の中か
    ら選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸からなるポリ
    アミドハードセグメント、(b)数平均分子量300〜5
    000の下記一般式(1)で示される芳香環含有ポリエ
    ーテルよりなるソフトセグメント、及び(c)アルカリ金
    属及び/又はアルカリ土類金属化合物からなり、かつ
    (a)と(b)の合計重量に対して、(c)が0.01〜5重量
    %含有されてなるポリエーテルエステルアミドエラスト
    マー30〜0.5重量%とを含むポリアミド樹脂組成物
    よりなるポリアミドフィルム。 【化1】 (式中、Zはビスフェノール類、単環二価フェノール
    類、ジヒドロキシビフェニル類、ジヒドロキシナフタレ
    ン類およびビナフトール類から選ばれる二価フェノール
    類の残基、QおよびRは炭素数2〜4のオキシアルキレ
    ン基、mおよびnは1〜50の整数を表す。)
  2. 【請求項2】(A)ポリアミド樹脂が、ε-カプロラク
    タム、ω-ラウロラクタム、アミノドデカン酸、ヘキサ
    メチレンジアミン−アジピン酸塩の群より選ばれる少な
    くとも1種のポリアミド形成単位からなる単独重合体あ
    るいは共重合体であることを特徴とする請求項1記載の
    ポリアミドフィルム。
  3. 【請求項3】(B)ポリエーテルエステルアミドエラス
    トマーの(a)ポリアミドハードセグメントが、ε-カプロ
    ラクタム、ω-ラウロラクタム、アミノドデカン酸、ヘ
    キサメチレンジアミン−アジピン酸の塩からなる群より
    選ばれる少なくとも一種のポリアミド形成単位とアジピ
    ン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および
    3−スルホイソフタル酸ナトリウムからなる群より選ば
    れる少なくとも一種のジカルボン酸からなり、かつ(b)
    ソフトセグメントの芳香環含有ポリエーテルが、ビスフ
    ェノール類のエチレンオキサイド付加物であることを特
    徴とする請求項1記載のポリアミドフィルム。
  4. 【請求項4】請求項1記載の(A)ポリアミド樹脂のみ
    より得られるフィルムおよび、これと同一の(A)ポリ
    アミド樹脂と(B)ポリエーテルエステルアミドエラス
    トマーを用いたポリアミド樹脂組成物より得られる請求
    項1記載のポリアミドフィルムにおいて、ASTM D
    −1003に準拠し測定したヘイズ値をそれぞれ、α,
    α’、MIL−B−131Cに準拠し測定した、0℃下
    で1000回の屈曲テスト後のピンホール数をそれぞれ
    β,β’、23℃、相対湿度60%で3日間状態調節し
    たのち、絶縁抵抗計を用いて、印加電圧500V、30
    秒の条件にて測定した表面固有抵抗値をそれぞれγ,
    γ’としたとき、下記の式(2)を満たす、請求項1〜
    3記載のポリアミドフィルム。 【数1】
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