JP2003169634A - 低相対湿度下で還元糖と処理することによる筋肉タンパク質の水溶化方法及び水溶性糖付加筋肉タンパク質 - Google Patents

低相対湿度下で還元糖と処理することによる筋肉タンパク質の水溶化方法及び水溶性糖付加筋肉タンパク質

Info

Publication number
JP2003169634A
JP2003169634A JP2001373107A JP2001373107A JP2003169634A JP 2003169634 A JP2003169634 A JP 2003169634A JP 2001373107 A JP2001373107 A JP 2001373107A JP 2001373107 A JP2001373107 A JP 2001373107A JP 2003169634 A JP2003169634 A JP 2003169634A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meat
protein
reducing
muscle
relative humidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001373107A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3860025B2 (ja
Inventor
Hiroki Saeki
宏樹 佐伯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokkaido Technology Licensing Office Co Ltd
Original Assignee
Hokkaido Technology Licensing Office Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokkaido Technology Licensing Office Co Ltd filed Critical Hokkaido Technology Licensing Office Co Ltd
Priority to JP2001373107A priority Critical patent/JP3860025B2/ja
Publication of JP2003169634A publication Critical patent/JP2003169634A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3860025B2 publication Critical patent/JP3860025B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生理的食塩水濃度よりも低い、低イオン強度
下での肉類・タンパク質を水溶化すること。 【解決手段】 種々の肉類を細切りして、筋肉タンパク
質を抽出し、或いはそのまま、還元性糖類と混合し、脱
水し、相対湿度35%以下で30〜70℃の範囲内に保持する
ことにより、混合物中の水分含量を0.25〜6%に維持す
ることで、肉類又は筋肉タンパク質を低イオン強度でも
水溶性とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本件発明は、水産加工業、食
肉加工業等の食品加工分野、更には、健康食品、更には
繊維、素材産業の分野に関わる。
【0002】
【従来の技術】魚肉・畜肉は、練り製品、ソーセージ等
種々の加工食品として利用されている。これは、魚肉・
畜肉中のタンパク質が有するゲル形成能、乳化能、保水
能などの機能特性を利用するものである。魚肉から抽出
されたタンパク質成分は、未だ食品に十分利用されてい
ない。また、主として骨に含まれるタンパク質であるゼ
ラチンは、古くより、煮こごりやゼリーとして利用され
ていたが、ゼラチンのアミノ酸組成が極めて特異なもの
であることから、嗜好品としての意義は多いが、その用
途は限られたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】筋肉タンパク質は、上
記のゲル形成能、乳化能、保水能等の機能特性を持つ
が、筋肉タンパク質は変質しやすく、機能特性の保持が
困難であるという問題があった。更に、魚肉には、多量
の加工残査が生じるが、この有効利用も望まれていた。
また、他方、咀嚼機能が衰えた高齢者や病人に、栄養価
の高い蛋白質を摂取しやすいように、液状の高タンパク
含有食品の開発も望まれてきた。
【0004】ところが、従来、魚肉を可溶化する技術と
しては、タンパク質分解酵素や酸を用いた加水分解法が
あるが、不十分な低分子化では苦みペプチドを生成する
という欠点があった。また、加水分解により、タンパク
質分子の有するさまざまな加工特性は分子の断裂によっ
て失われてしまう問題があった。
【0005】本発明者等は、既に筋肉タンパク質にメイ
ラード反応により糖を付加することで、機能特性を保持
しつつ、タンパク質の機能を安定できないか試みたとこ
ろ、糖付加した筋原線維タンパク質画分が低塩濃度でも
可溶化することを既に見いだし報告している(Journal
of Agricultural and Food chemistry 1997, Vol.45,N
o.9, pp.3419-3422, 及びJournal of Agricultural and
Food Chemistry Vo.48, No.1, pp.17-21)。
【0006】なお、メイラード反応は、還元糖とアミノ
酸のαアミノ基又はεアミノ基との反応で、シッフ塩基
の形成に始まり、転移反応を経て、比較的無色なアマリ
ド化合物を生成するまでの初期反応と、更に複雑な重合
反応を起し、褐色の高分子(メライノジン)を生成する
中期・終期反応に分類することができる。初期反応は、
比較的穏和な条件下で生じ、温度が高くかつ時間が長く
なるにつれ、中期、終期反応と進行するもので、初期反
応は反応系の水分含量に依存し、相対湿度が65〜70%で
最大となる。中期・終期反応は酸素や金属などの触媒が
共存すると促進されるといわれている(化学総説 No.4
3 食糧と化学 社団法人日本化学会編、学会出版セン
ター 昭和59年2月28日発行 第107〜109
頁)。筋肉タンパク質について言うと、魚肉タンパク質
中の反応性リジン残基と糖の還元末端との間のでメイラ
ード反応により、タンパク質に糖が付加される。筋肉タ
ンパク質の主成分であるミオシン分子には、ロッドと呼
ばれる分子構造の存在が存在し、ロッド部位は水に不溶
である。とくに、低イオン強度下でフィラメントを形成
して凝集するので、ミオシン分子は水に不溶である。と
ころが糖がロッド部分に結合すると、このフィラメント
形成能が失われ、さらに当該部位の親水性が増大するの
で、ミオシン分子は水溶化し、結果として筋肉全体が生
理的条件でも溶解することとなる。
【0007】従来は、魚肉タンパク質の糖付加は、次の
ような工程で行っていた。すなわち、魚肉の背部普通筋
を細切し、50mM NaClにて3回洗浄した後、ホモジナイ
ズし、ろ過後、5000g−15分の遠心分離を数回行って魚
類筋原線維タンパク質画分(Mf)を沈殿させ、50mM N
aClに均質に懸濁し回収した。ミオシンは、このように
して得たMfを硫安分画法によって精製して得る。
【0008】得られたMf及びミオシンを、グルコース
又はリボースで修飾する際には、0.1〜0.6 Mグルコー
ス又はリボースを含む50mM NaClにMf又はミオシンを
懸濁し、凍結乾燥し、凍結乾燥物を、恒温恒湿度乾燥機
によって30〜50℃、相対湿度65%下に保持してタンパク
質を糖修飾するものである。また、アルギン酸オリゴ糖
により修飾する場合は、50mMNaCl−0.3〜0.6 Mソルビ
トール溶液にMf又はミオシンを懸濁し、オリゴ糖を混
合し、凍結乾燥させ、タンパク質―糖混合物を30〜40
℃、相対湿度65%下で、保持して修飾する。
【0009】しかしながら、筋肉タンパク質の主成分で
あるミオシンは、これまで研究がおこなわれてきた乳タ
ンパク質、血漿タンパク質、植物タンパク質などよりも
巨大分子で複雑な構造をしており、熱的に不安定であ
る。そのため、相対湿度65〜70%に保持すると、メイラ
ード反応が進行して糠が結合しても周囲に存在する水分
子の熱運動の影響を受けて変性してしまい、水溶化の度
合が低いことがわかった。実際、このようにして修飾さ
れたタンパク質は、0.1MのNaClでは、水溶化の程度
は、最大55〜64%にすぎず、工業的に利用するために
は、歩留まりが高いとは言えないものであった。特に、
食品工業などで利用するためには、通常食品に含まれる
塩分は、生理的食塩水濃度よりも低く、さらに低イオン
強度下での水溶化が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本件発明者等は、従来、
至適であると考えられていた30〜50℃、相対湿度65%の
高温高湿下で種々の糖を利用するなど条件を変えて、魚
肉タンパク質のメイラード反応の研究を続けてきた。と
ころが、たまたま、実験装置の動作不良から、メイラー
ド反応処理を低相対湿度下でおこしてしまったところ、
意外にも、低イオン強度下の水溶性が増加していた。そ
こで、0.6Mソルビトールを含むサケ筋肉の懸濁液を作
成し、これに筋原線維タンパク質量と等量のアルギン酸
オリゴ糖を溶解したあと脱水して、水分を8.4%とし
た。これをさまざまな湿度雰囲気(相対湿度5〜80%)に
保持して50℃で8時間保持してタンパク質と糖を反応さ
せた。その結果、相対湿度が35%以下では試料の水分が
さらに低下して(3%以下)安定するが、相対湿度が40
%を越えると逆に反応過程で環境水分が吸収されること
なった。たとえば、相対湿度50%と65%の場合には、8
時間後の試料水分はそれぞれ11.1%と20.7%に達した。
その後、このタンパク質を0.1MNaC1に溶解して溶解度
を測定したところ、反応時の相対湿度と溶解度の改変効
果の間には有為な関係があることが認められた。すなわ
ち、図1及び図2に示されるとおり、相対湿度が35%以
下で、反応過程における魚肉タンパク質試料の水分が6
%以下という条件で反応させたときに、高い溶解度が付
与できることを見いだしたものである。
【発明の実施の形態】本件発明は、相対湿度を抑えた条
件下で、筋肉タンパク質に糖を付加することにより、低
イオン強度下でも、十分な可溶性を持った水溶性のタン
パク質を製造するものである。本件発明は、種々の肉類
を細切りして、筋肉タンパク質を抽出し、或いはそのま
ま、還元性糖類と混合し、脱水し、相対湿度35%以下で
30〜70℃の範囲内に保持することにより、混合物中の水
分含量を0.25〜6%に維持することで、肉類又は筋肉タ
ンパク質を低イオン強度でも、水溶性とするものであ
る。
【0011】本件発明で使用できる筋肉タンパク質とし
ては、魚肉、畜肉、貝類、イカ類などあらゆる生物の筋
肉タンパク質が挙げられる。更に、本件発明でいう肉類
とは、筋肉タンパク質を含有する肉類で、軟体動物又は
甲殻類の筋肉、魚肉、又は畜肉から選ばれた肉のことを
意味する。これら肉類を細切り処理することにより、筋
肉タンパク質を抽出精製する必要なく、そのまま水溶性
にすることもできる。細切りとは、上記肉を種々の手段
で切断することを意味し、例えば、ホモジナイズ処理及
び挽肉処理などが含まれ、好適には5ミリ、更に好適に
は3ミリ以下の網目を通過する程度にまで細切り、ある
いはミンチとすることが望ましい。
【0012】本件発明で使用できる還元性糖類として
は、単糖(グルコース、リボースなど)、平均重合度20以
下のオリゴ糖類で還元末端を有しているもの、例えば、
アルギン酸オリゴ糖、キトサンオリゴ糖などの還元性オ
リゴ糖が挙げられる。本件発明におけるタンパク質変性
防止剤としては、グルコースやソルビトール等が挙げら
れる。これらソルビトール等タンパク質変性防止剤は、
添加する還元性糖がアルギン酸オリゴ糖等のタンパク質
変性効果が小さいときに特に有効である。
【0013】本件発明におけるタンパク質と糖の混合比
は、望ましくは、筋肉タンパク質:糖類=1:0.1〜
1:10の範囲であり、更に、軟体動物又は甲殻類の筋
肉、魚肉、又は畜肉と糖との混合比も含有される筋肉タ
ンパク質と糖の比率が同様の範囲が望ましい。
【0014】筋肉タンパク質又は細切りした軟体動物又
は甲殻類の筋肉、魚肉、又は畜肉から選ばれた肉類は、
糖と混合後、脱水処理に付される。脱水処理は、種々の
手段により行うことができ、例えば、相対湿度10%の
低湿度下での加熱処理や、凍結乾燥、噴霧乾燥、減圧乾
燥等の処理あるいはこれらの組み合わせ処理により行う
ことができる。又、脱水処理により、メイラード反応に
好適な0.25〜6%の水分含量とすることもできるが、脱
水処理終了時点での水分含量が6%を上回るものであっ
たとしても、相対湿度35%以下で、30〜70℃に保持する
ことにより、水分含量を0.25〜6%の範囲にすることも
できる。
【0015】なお、本件発明の水溶性筋肉タンパク質
は、その優れた乳化性から、食品添加用乳化剤として使
用できるだけではなく、水溶性であることから、他の食
品への添加・混合が非常に容易となり、従来の畜肉食品
中(あるいは農産食品中)に魚肉を均質に混合して、加
工食品とすることも可能となる。更に、例えば、機能性
のある医療向けプロテインサプライとして、ア)流動食
(嚥下機能低下患者用、ベビーフード)、イ)高蛋白の
スポーツ飲料、ウ)高い乳化能を利用したビタミンA,
D,Eなどの脂溶性ビタミンや高度不飽和脂肪酸をこれら
食品に添加できる。
【0016】本件発明の方法で製造された、低イオン強
度下で水溶性である糖付加筋肉タンパク質は、従来の高
湿度下で糖付加されたものとは、タンパク質が変性して
おらず、しかも筋肉タンパク質の主成分であるミオシン
分子の凝集程度が少なく、結果的に加熱凝集しにくいと
いう性質を有する点(図3)で、構造的に相違する、新
規なものである。更に本件発明の方法を実施例により、
詳細に説明する。
【0017】
【実施例】[実施例1] ホタテガイとグルコース 細切したホタテガイ貝柱100gに、その筋原線維タンパ
ク質量(18.5%湿重量)と等しい量のグルコース(18.5
g)を混合したのち、加圧と凍結乾燥によって脱水して
水分含量を0.7%とした。これを50℃、相対湿度30%に1
2時間保持したところ、ホタテガイ筋原線維タンパク質
中の60%のリジン残基がグルコースと結合した。このグ
ルコース修飾タンパク質の0.1M NaC1に対する溶解度は8
9%となり、ホタテガイ貝柱の水溶性化が達成できた。な
お、この一連の処理中にタンパク質の分解が全く起こっ
ていないことをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
分析によって確認した。 [実施例2] サケ筋肉とアルギン酸オリゴ糖 サケ筋肉を2mm目のふるい〈J1S-8811〉を通過するサイ
ズまでミートチョッパーで細切した。この魚肉100gに対
してそれに含まれる筋原線維タンパク質量(15%湿重
量)と等量のアルギン酸オリゴ糖(15g)とソルビトー
ル(14.1g)を混合した後、凍結乾燥によって脱水して
水分含量を0.9%とした。続いて60℃で4時間保持したと
ころ、アルギン酸オリゴ糖分子はサケ筋肉中のリジン残
基と反応してタンパク質−アルギン酸オリゴ糖複合体
(以下、Meat-AOと称する)となった。このMeat-AO製造時
の反応相対湿度を35%以下に制御することによって、Me
at-AOの0.05M−0.1M NaC1に対する溶解度は88-93%とな
り、サケ筋肉の水溶性化が達成できた。なお、この一連
の処理中にタンパク質の分解が全く起こっていないこと
を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析によっ
て確認した。
【0018】[実施例3]牛もも肉とグルコースあるい
はアルギン酸オリゴ糖 経産牛のもも肉を屠畜後7日間4℃に保持した後、結締組
織をトリミングしてから挽き肉にし(チョッパー網目サ
イズ:3mm目)、5倍量の生理食塩水で3回洗浄した(筋原
線維タンパク質濃度は9.5%)。この洗浄肉に対してそ
れに含まれる筋原繊維タンパク質との重量比率でグルコ
ースとアルギン酸オリゴ糖を1:1および1:0.1で混合し
た。アルギン酸オリゴ糖を添加した場合には、さらにも
も肉の6%に相当する重量のソルビトール(終濃度で約
0.3 M)を混合した。次いで、これらのもも肉-糖混合物
を凍結乾燥によって水分含量を0.7%とした後、50℃で
相対湿度5%に12時間保持し、グルコース修飾筋肉(Meat
-G)あるいはアルギン酸オリゴ糖修飾筋肉(Meat-AO)を得
た。通常の筋肉タンパク質は生理食塩水には溶解しない
が、Meat-GとMeat-AOの0.05M NaC1に対する溶解度は79
%および85%となり、牛肉の水溶性化が達成できた。な
お、この一連の処理中にタンパク質の分解が全く起こっ
ていないことを、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動分析によって確認した。
【0019】[実施例4]サケ筋肉とアルギン酸オリゴ
糖 実施例2と同様の方法で細切りした魚肉(サケ)を0.6
M ソルビトール溶液に懸濁した(筋原線維タンパク質
濃度1%)。これに筋原線維タンパク質と等量のアルギ
ン酸オリゴ糖を加えたのち、凍結乾燥によって水分含量
を8.4%まで脱水した。 (i)50℃で、5%相対湿度下で8時間反応させたとこ
ろ、反応過程でのタンパク質-糖複合体の水分含量は1.6
%となり、0.1M NaCl中での溶解度は93%であり、水溶
化できた。 (ii)50℃で、35%相対湿度下で8時間反応させたと
ころ、反応過程でのタンパク質-糖複合体の水分含量は
5.4%となり、0.1M NaCl中での溶解度は93%であり、水
溶化できた。
【0020】[実施例5]サケ筋肉とアルギン酸オリゴ
糖 実施例2と同様の方法で細切りした魚肉(サケ)を0.3
M ソルビトール溶液に懸濁した(筋原線維タンパク質
濃度1%)。これに筋原線維タンパク質と等量のアルギ
ン酸オリゴ糖を加えたのち、凍結乾燥によって水分含量
を4.9%まで脱水した。 (i)50℃で、5%相対湿度下で8時間反応させたとこ
ろ、反応過程でのタンパク質-糖複合体の水分含量は0.8
%となり,0.1M NaCl中での溶解度は89%であり、水溶
化できた。 (ii)50℃で、35%相対湿度下で8時間反応させたと
ころ、反応過程でのタンパク質-糖複合体の水分含量は
3.0%となり、0.1M NaCl中での溶解度は88%であり、水
溶化できた。
【0021】[比較例1]実施例2と同様の方法で細切
りした魚肉(サケ)を0.6M ソルビトール溶液に懸濁し
た(筋原線維タンパク質濃度1%)。これに筋原線維タ
ンパク質と等量のアルギン酸オリゴ糖を加えたのち、凍
結乾燥によって水分含量を8.4%まで脱水した。 (i)50℃で、55%相対湿度下で8時間反応させたとこ
ろ、反応過程でのタンパク質-糖複合体の水分含量は11.
1%となり0.1M NaCl中での溶解度は73%であった。 (ii)50℃で、65%相対湿度下で8時間反応させたと
ころ、反応過程でのタンパク質-糖複合体の水分含量は2
0.7%となり、0.1M NaCl中での溶解度は61%であった。
【0022】[比較例2]実施例2と同様の方法で細切
りした魚肉(サケ)を0.3M ソルビトール溶液に懸濁し
た(筋原線維タンパク質濃度1%)。これに筋原線維タ
ンパク質と等量のアルギン酸オリゴ糖を加えたのち、凍
結乾燥によって水分含量を4.9%まで脱水した。 (i)50℃で、55%相対湿度下で8時間反応させたとこ
ろ、反応過程でのタンパク質-糖複合体の水分含量は9.3
%となり、0.1M NaCl中での溶解度は70%であった。 (ii)50℃で、65%相対湿度で8時間反応させたとこ
ろ、反応過程でのタンパク質-糖複合体の水分含量は14.
7%となり,0.1M NaCl中での溶解度は55%であった。
【0023】
【発明の効果】本件発明により、低イオン強度下におい
ても、魚肉、畜肉を始め、種々の筋肉タンパク質を低イ
オン強度下でも、水溶化することに成功した。本発明の
水溶性タンパク質は、魚肉、畜肉をタンパク質、種々の
食品に容易に添加混合でき、食品加工用途を広げ、さら
には、咀嚼機能が低下した病老人のために、タンパク質
補給にも有用であり、更には、このように一旦水溶化の
した後乾燥させることにより、紡糸化、シート化等種々
の成型品を製造することも可能である。このような成型
品は、タンパク質から構成されていることから、廃棄後
も微生物により容易に分解されることから、環境保全に
も優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】糖修飾反応過程の水分がアルギン酸オリゴ糖修
飾したサケ筋原線維タンパク質の溶解度におよぼす影
響。 白丸:実施例4と比較例1で示したサケ筋肉の試料をさ
まざまな湿度下で60℃-4時間保持した。 黒丸:実施例4と比較例1で示したサケ筋肉の試料をさ
まざまな湿度下で50℃-8時間保持した。
【図2】糖との反応過程における相対湿度が筋肉タンパ
ク質の水溶化におよぼす影響.実験条件は図1と同じ。
【図3】アルギン酸オリゴ糖修飾したコイ筋原線維タン
パク質の熱凝集性。アルギン酸オリゴ糖修飾したタンパ
ク質を0.16Mと0.5M NaCl(pH 6.7)に溶解した後、
さまざまな温度で3時間加熱した後、その溶解度を測定
した。未修飾のタンパク質は熱変性して凝集し、容易に
不溶化することが分かる。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟体動物又は甲殻類の筋肉、魚肉、又は
    畜肉から選ばれた肉類を細切りし、還元性糖類と混合
    後、脱水し、30〜70℃の環境下で水分含量を0.25〜6.0
    %に維持することによる肉類の水溶化方法。
  2. 【請求項2】 軟体動物又は甲殻類の筋肉、魚肉、又は
    畜肉由来の筋肉タンパク質を還元性糖類と混合後、脱水
    し、30〜70℃の環境下に水分含量を0.25〜6.0%に維持
    することによる筋肉タンパク質の水溶化方法。
  3. 【請求項3】 脱水を水分含量が10%以下となるまで行
    う請求項1〜2記載の方法。
  4. 【請求項4】 還元糖類が、グルコース、リボース、な
    ど還元性単糖、又はキトサンオリゴ糖、アルギン酸オリ
    ゴ糖など還元性オリゴ糖である請求項1〜3項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 軟体動物又は甲殻類の筋肉、魚肉、又は
    畜肉から選ばれた肉類を細切りし、還元性糖類と混合
    後、脱水し、相対湿度35%以下でかつ30〜70℃の環境に
    保持することによる肉類の水溶化方法。
  6. 【請求項6】 軟体動物又は甲殻類の筋肉、魚肉、又は
    畜肉由来の筋肉タンパク質を還元性糖類と混合後、脱水
    し、相対湿度35%以下でかつ30〜70℃の環境に保持する
    ことによる筋肉タンパク質の水溶化方法。
  7. 【請求項7】 脱水を水分含量が10%以下になるまで行
    う請求項5〜6項記載の方法。
  8. 【請求項8】 還元糖類が、グルコース、リボースなど
    の還元性単糖、または、キトサンオリゴ糖、アルギン酸
    オリゴ糖などの還元性オリゴ糖である請求項5〜7項記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 軟体動物又は甲殻類の筋肉、魚肉、又は
    畜肉から選ばれる肉類を細切りし、還元性糖類と混合
    後、脱水し、30〜70℃の環境下に水分含量を0.25〜6%
    に維持することにより水溶化された肉類。
  10. 【請求項10】 軟体動物又は甲殻類の筋肉、魚肉、又
    は畜肉由来の筋肉タンパク質を還元性糖類と混合後、脱
    水し、30〜70℃の環境下で水分含量を0.25〜6%に維持
    することにより可溶化された筋肉タンパク質。
  11. 【請求項11】 還元糖類が、グルコース、リボースな
    どの還元性単糖、または、キトサンオリゴ糖、アルギン
    酸オリゴ糖などの還元性オリゴ糖である請求項10項記
    載の筋肉タンパク質。
  12. 【請求項12】 軟体動物又は甲殻類の筋肉、魚肉、又
    は畜肉の肉から選ばれた肉類を細切りし、還元性糖類と
    混合後、脱水し、相対湿度35%以下でかつ30〜70℃の環
    境で水分含量が0.25〜6%となるように保持することに
    より水溶化された肉類。
  13. 【請求項13】 軟体動物又は甲殻類の筋肉、魚肉、又
    は畜肉由来の筋肉タンパク質を還元性糖類と混合後、脱
    水し、相対湿度35%以下でかつ30〜70℃の環境に保持す
    ることにより水溶化された筋肉タンパク質。
  14. 【請求項14】 還元糖類が、グルコース、リボースな
    どの還元性単糖、または、キトサンオリゴ糖、アルギン
    酸オリゴ糖などの還元性オリゴ糖である請求項13項記
    載の筋肉タンパク質。
  15. 【請求項15】 脱水を相対湿度35%以下の加熱により
    行う請求項1〜8項記載の方法。
  16. 【請求項16】 脱水工程が相対湿度35%以下の加熱に
    より行うものである、請求項9〜14項記載の水溶化さ
    れた肉類又は筋肉タンパク質。
  17. 【請求項17】 還元性糖類とタンパク質変性防止剤を
    混合後に、脱水する請求項1〜8項いずれか1項記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の方法により水溶化さ
    れた肉類又は筋肉タンパク質。
JP2001373107A 2001-12-06 2001-12-06 低相対湿度下で還元糖と処理することによる筋肉タンパク質の水溶化方法及び水溶性糖付加筋肉タンパク質 Expired - Fee Related JP3860025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001373107A JP3860025B2 (ja) 2001-12-06 2001-12-06 低相対湿度下で還元糖と処理することによる筋肉タンパク質の水溶化方法及び水溶性糖付加筋肉タンパク質

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001373107A JP3860025B2 (ja) 2001-12-06 2001-12-06 低相対湿度下で還元糖と処理することによる筋肉タンパク質の水溶化方法及び水溶性糖付加筋肉タンパク質

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006035547A Division JP2006136342A (ja) 2006-02-13 2006-02-13 低相対湿度下で還元糖と処理することによる筋肉タンパク質の水溶化方法及び水溶性糖付加筋肉タンパク質

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003169634A true JP2003169634A (ja) 2003-06-17
JP3860025B2 JP3860025B2 (ja) 2006-12-20

Family

ID=19181882

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001373107A Expired - Fee Related JP3860025B2 (ja) 2001-12-06 2001-12-06 低相対湿度下で還元糖と処理することによる筋肉タンパク質の水溶化方法及び水溶性糖付加筋肉タンパク質

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3860025B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005120541A1 (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Hiroki Saeki 血圧降下作用を増強したタンパク質の製造方法
JP2009126856A (ja) * 2007-11-28 2009-06-11 Fancl Corp 血中中性脂肪上昇抑制剤
WO2015146955A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 日本水産株式会社 水産タンパク質素材の改質方法
CN112772857A (zh) * 2020-12-24 2021-05-11 江苏益客食品集团股份有限公司 一种风味增强型酱卤鸭肉制品的制备方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005120541A1 (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Hiroki Saeki 血圧降下作用を増強したタンパク質の製造方法
JPWO2005120541A1 (ja) * 2004-06-11 2008-09-18 宏樹 佐伯 血圧降下作用を増強したタンパク質の製造方法
JP2009126856A (ja) * 2007-11-28 2009-06-11 Fancl Corp 血中中性脂肪上昇抑制剤
WO2015146955A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 日本水産株式会社 水産タンパク質素材の改質方法
JP6040339B2 (ja) * 2014-03-26 2016-12-07 日本水産株式会社 水産タンパク質素材の改質方法
CN112772857A (zh) * 2020-12-24 2021-05-11 江苏益客食品集团股份有限公司 一种风味增强型酱卤鸭肉制品的制备方法
CN112772857B (zh) * 2020-12-24 2023-04-18 江苏益客食品集团股份有限公司 一种风味增强型酱卤鸭肉制品的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3860025B2 (ja) 2006-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2225694C2 (ru) Белковая композиция и способ выделения белковой композиции из мышечной ткани
Lynch et al. Harnessing the potential of blood proteins as functional ingredients: A review of the state of the art in blood processing
US10375974B2 (en) Protein composition obtained from meat trimmings
CN107428849B (zh) 壳多糖、水解产物和借助于酶促水解的方式用于从昆虫生产一种或多种期望的产物的方法
JP2011520927A (ja) ユウレイクラゲ由来で免疫増強活性を有するコラーゲンペプチド及びその調製と使用
See et al. Physicochemical properties of gelatins extracted from skins of different freshwater fish species
JPH10506010A (ja) 凝固を引き起こさずにその中の微生物を殺すための水性タンパク質溶液の処理方法
Drummond et al. Proteins recovery from meat processing coproducts
CN107259423A (zh) 一种鱿鱼节节高的加工方法
US4181749A (en) Process for producing surimi
US4406831A (en) Meat protein product and process
US20220007676A1 (en) Process for Obtaining Lean Protein
JP3860025B2 (ja) 低相対湿度下で還元糖と処理することによる筋肉タンパク質の水溶化方法及び水溶性糖付加筋肉タンパク質
JP2006136342A (ja) 低相対湿度下で還元糖と処理することによる筋肉タンパク質の水溶化方法及び水溶性糖付加筋肉タンパク質
JP4130560B2 (ja) 水可溶性食肉調製品
JPWO2005120541A1 (ja) 血圧降下作用を増強したタンパク質の製造方法
EP0064104A1 (en) Meat protein product and process
JPH0630616B2 (ja) 水溶性エラスチンの製法及びコラーゲンとエラスチンを含む成型用組成物
KR101083357B1 (ko) 근육 단백질의 분리 방법
JP3141130B2 (ja) 調味素材及びその製造方法
RU2101983C1 (ru) Способ производства мясных паштетов
Zhao et al. The influence of different strategies on the digestion characteristics of myofibrillar proteins: A review
Koli et al. Development of fish byproducts by using fish and shellfish waste for up-liftment of socio-economic status of fisher folk
RU2185753C1 (ru) Способ производства языково-кровяной вареной колбасы
JPH03117462A (ja) タンパクのゲル化促進物質

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20030613

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20030613

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20030613

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041021

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20050914

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20051129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130929

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees