JP2004154236A - 外科用x線tv装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導を高効率化することにより、X線管装置の温度上昇を抑制して長時間にわたる動作が可能な外科用X線TV装置を提供する。
【解決手段】ヒートパイプ37の両端をハウジング19とCアーム9に取り付けるので、ハウジング19の熱をX線管装置よりも熱容量が大なるCアーム9に対してヒートパイプ37を通して効率的に伝達することができる。したがって、ハウジング19からCアーム9への熱伝導を高効率化できるので、X線管装置の温度上昇を抑制することができ、長時間にわたる動作を行わせることが可能となる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、イメージインテンシファイアやX線フラットパネル検出器等の撮像手段とX線管装置とを対向支持し、手術時に透視撮影を行うための外科用X線TV装置装置に係り、特に、固定陽極型X線管をハウジングに内蔵したX線管装置の放熱技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線管装置は、回転陽極型と固定陽極型とに大別される。回転陽極型は、瞬時的な大負荷に耐えられるので、主としてX線撮影を伴う装置に広く利用されている。一方、固定陽極型は、瞬時的負荷が比較的小さいが、比較的長時間にわたって使用されている。この固定陽極型は、例えば、手術中に透視撮影を行うための外科用X線TV装置において利用されている。
【0003】
固定陽極型X線管を備えたX線管装置であって、外科用としてコンパクト化されたモノタンク式と呼ばれるものは、例えば、次のような構成を採る(特開平5−242992号公報)。
【0004】
高真空状態にされたガラスバルブ内に対向配備された陰極(フィラメント)及び固定陽極(ターゲット)とを備えた固定陽極型X線管と、高電圧を印加するための高圧トランスと、フィラメント給電用のフィラメント用トランス等が、絶縁油が充填された一つのハウジング内に収容されて構成されている。
【0005】
陰極(フィラメント)で発生した熱電子は、高電圧によって加速されて固定陽極に衝突してX線を発生する。このとき、固定陽極型X線管に供給されたエネルギの99%以上は熱に変わる。この熱を外部に放出するために、ガラスバルブの外へ導出された固定陽極の一端側に冷却フィンが取り付けられている。固定陽極で発生した熱は、この冷却フィンを介して絶縁油に伝達され、さらに絶縁油の対流によりハウジングに伝達される。ハウジング内に伝達された熱は、ハウジングから外気に放出されたり、ハウジングを連結支持しているアームに伝達されたりして放出されるようになっている。
【0006】
上記のように、冷却ファンなどを用いずに自然放熱としているのは、外科用のX線TV装置は手術中に使用されるからである。つまり、冷却ファンによる冷却を行うと、塵埃が巻きあげられるので、清浄な環境を必要とする外科手術室内には不適切だからである。
【0007】
なお、ファンを用いずにハウジングに冷却フィンを付けることも考えられるが、これも外科用の場合には、術後の血等のふき取り等を行うメンテナンスが煩雑となることから現実的ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置では、透視対象部位の大きさ等に応じて、透視像の画質を上げるために、X線強度を高めることがある(X線管装置の負荷を高める)。従来のX線管装置は、絶縁油の対流及びハウジング並びにアームを介した自然放熱を行っている関係上、大負荷時に発生した熱を迅速に放出することができないという問題点がある。
【0009】
ところで、従来のX線管装置は、絶縁油の温度が上がり過ぎると、絶縁油が膨張してハウジング内圧が過度に高まって危険である。
【0010】
そこで、ハウジング内にはサーマルスイッチが設けられており、絶縁油の温度が所定値(例えば、60,70℃)にまで達した場合には、X線管装置の動作を停止させる安全機構が備えられている。その関係上、ハウジング内の絶縁油の温度が急上昇した場合には、上記の安全機構が作動してX線が停止してしまい、長時間にわたる動作ができなくなって診断・手術等に支障をきたすことがある。
【0011】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、熱伝導を高効率化することにより、X線管装置の温度上昇を抑制して長時間にわたる動作が可能な外科用X線TV装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0013】
すなわち、請求項1に記載の発明は、絶縁油が充填されたハウジング内に固定陽極型X線管を備えたX線管装置と、撮像手段とを対向支持するアームを備えている外科用X線TV装置において、前記ハウジングと前記アームにヒートパイプの両端部を取り付けたことを特徴とするものである。
【0014】
(作用・効果)
銅の100倍以上の熱伝導率を有するヒートパイプの両端を、ハウジングとアームに取り付ける。これにより、固定陽極型X線管からの熱が伝達されたハウジングの熱を、X線管装置よりも熱容量が大なるアームに対してヒートパイプを通して効率的に伝達することができる。したがって、ハウジングからアームへの熱伝導を高効率化することができるので、X線管装置の温度上昇を抑制することができ、長時間にわたる動作を行わせることができる。
【0015】
また、請求項1に記載の外科用X線TV装置において、請求項1に記載の外科用X線TV装置において、前記ヒートパイプの外形に沿った凹部を有する接続部材を備え、前記ヒートパイプは、前記接続部材を介して取り付けられていることが好ましい(請求項2)。
【0016】
(作用・効果)
ヒートパイプは、断面形状が円形状のものが一般的である関係上、ハウジングやアームに対して接触する面積が小さい。そこで、ヒートパイプの外形に沿った凹部を有する接続部材を介してヒートパイプを取り付けることにより、その接触面積を大きなものとすることができるので、効率的に熱を伝達することができる。
【0017】
なお、凹部を設けなくても、ヒートパイプの円弧部分と接続部材との間を、熱伝導性材料(例えば、半田材料)で埋めるようにしてもよい。
【0018】
また、請求項2に記載の外科用X線TV装置において、前記接続部材は、弾性又は粘性を有する放熱材料を介して取り付けられていることが好ましい(請求項3)。
【0019】
(作用・効果)
ハウジング、アーム、接続部材は全て金属であるので、互いに接触させても空気層が介在すること等により密着度は低い。そこで、熱伝導率が高い伝熱材料を介在させることにより、密着性を高めつつ熱伝導率をより高めることができる。
【0020】
伝熱材料としては、放熱用のシート(弾性を有するシート)や、放熱用のペースト(粘性を有するペースト)などが例示される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。
図1ないし図4はこの発明の一実施例に係り、図1は実施例に係る外科用X線TV装置の概略構成を示す斜視図であり、図2はX線管装置の縦断面図であり、図3は伝熱部の外観斜視図であり、図4はヒートパイプの取付構造を示した分解斜視図である。
【0022】
実施例に係る外科用X線TV装置1は、被検体が載置されるベッド3とベースユニット5とを備えている。ベッド3は、床面に固定あるいは半固定で設置されている。ベースユニット5は、ベッド3の側方に配置され、電源装置や制御ユニット等を内蔵し、床面を移動可能に構成されている。
【0023】
ベースユニット5は、鉛直軸周りの回転軸を有する支柱7を上部に備えている。この支柱7の上部には、先端部側でCアーム9を保持する支持アーム11の基端部側が取り付けられている。支持アーム11は、その先端部で、図中に二点鎖線で示す方向にCアーム9を回動可能に保持する。
【0024】
Cアーム9の一端側には、X線管装置13が取り付けられ、対向位置には撮像部15が取り付けられている。撮像部15は、イメージインテンシファイアやX線フラットパネル検出器などの透過X線を可視化する機能を備えている。
【0025】
なお、X線管装置13の上部と、Cアーム9のうちX線管装置13側の先端部の一部とは、メンテナンス性等を考慮して樹脂製のカバー17によって覆われている。
【0026】
図2を参照する。
このX線管装置13は、外科用としてコンパクト化されたモノタンク式と呼ばれているものである。ハウジング19には絶縁油が充填されているとともに、固定陽極X線管21と、高圧トランス23と、フィラメント用トランス25とが内蔵されている。
【0027】
固定陽極X線管21は、内部が高真空にされたガラスバルブ27に、フィラメント用トランス25からの高電圧が印加される陰極(フィラメント)29と、高圧トランス23に接続された固定陽極(ターゲット)31を備えている。固定陽極31は、その後端部からガラスバルブ27の外部に導出された冷却フィン33を備えている。
【0028】
高圧トランス23及びフィラメント用トランス25が撮影者の所望する管電圧・管電流に応じて作動すると、陰極29で発生した熱電子は、高電圧によって加速されて図中に点線で示すように、固定陽極31の先端傾斜面に衝突して、図中に二点鎖線で示す方向にX線を発生する。発生したX線は、ハウジング19の上面に立設された放射部20を介して撮像部15側に照射される。このときX線管装置13に対して供給されたエネルギは、その99%以上が熱に変化する。この熱は、冷却フィン33から放出され、絶縁油の対流によってハウジング19に伝達されたり、ハウジング19に連結されたCアーム9に伝達されたりしてその周囲に放出される。
【0029】
図3を参照する。
ハウジング19の上部側面と、Cアーム9の先端部には、伝熱部35が取り付けられている。なお、図示していないが、図3におけるハウジング19の反対側の側面にも伝熱部35が取り付けられている。
【0030】
この伝熱部35は、図4に示すようにして構成されているとともに取り付けられている。
【0031】
ヒートパイプ37は、細長い棒状を呈した一般的に使用されるものであり、この例では3本のヒートパイプ37を用いている。ヒートパイプ37の両端部には、矩形状の接続部材39が接着剤Pによって固定されている。接着剤としては、熱伝導性に優れ、かつ固着時における強度を有するものが好ましく、例えば、半田が利用可能である。接着剤Pは、ヒートパイプ37の円弧状の外周面と接続部材39の表面を埋めるので、接続材料39とヒートパイプ37との接触面積を増やして熱伝導性を高めることができる。
【0032】
接続部材39にはネジ穴41が形成されており、取付ネジ43によってハウジング19及びCアーム9に取り付けられる。その際に、接続部材39とハウジング19及びCアーム9との間には、伝熱材料44を挟み込んでおくことが好ましい。
【0033】
伝熱材料44としては、弾性を有する紙状の伝熱シートや、CPUパッケージとその上面に取り付ける冷却ユニットとの間に塗布する粘性を有するペースト等が例示される。ハウジング19、Cアーム9、接続部材39は全て金属であるので、互いに接触させても空気層が介在すること等により密着度は低い。そこで、熱伝導率が高い伝熱材料44を介在させることにより、それらとの密着性を高めることによって伝熱部35の熱伝導率をより高めることができる。
【0034】
なお、伝熱部35のX線管装置13側の接続部材39は、ハウジング19の側面中、冷却フィン33に近い位置に取り付けるのが放熱効率の観点から好ましい。
【0035】
上記のように構成した外科用X線TV装置1は、銅の100倍以上の熱伝導率を有するヒートパイプ37の両端をハウジング19とCアーム9に取り付けるので、ハウジング19の熱をX線管装置13よりも熱容量が大なるCアーム9に対してヒートパイプ37を通して効率的に伝達することができる。
【0036】
ところで、X線管装置13は、絶縁油の温度が上がり過ぎると、絶縁油が膨張してハウジング19の内圧が過度に高まって危険であるので、ハウジング19内に設けられたサーマルスイッチ(図示省略)が絶縁油の温度を検知し、その温度が所定値(例えば、60,70℃)に達した場合には、X線管装置13の動作を停止させる安全機構を備えている。その関係上、ハウジング19内の絶縁油の温度が急上昇した場合には、上記の安全機構が作動してX線が停止してしまい、長時間にわたる動作ができなくなって診断・手術等に支障をきたすことがある。
【0037】
しかし、この実施例装置によると、ハウジング19からCアーム9への熱伝導をヒートパイプ37によって積極的に行うことで高効率化しているので、X線管装置13の温度上昇を抑制することができる。したがって、上記の安全機構が作動する程の温度上昇を防止することができるので、外科用X線TV装置1を長時間にわたって動作させることが可能となる。
【0038】
なお、上記の接続部材39は、図5に示すように構成するのが好ましい。
【0039】
すなわち、接続部材39のうちヒートパイプ37の取付面側に、ヒートパイプ37の外周面形状に応じた凹部45を設けるのである。図5は、ヒートパイプ37の外周面が円形状を呈する場合の例であるが、外周面(縦断面)が矩形状を呈する場合にはそれに応じた形状とすればよい。
【0040】
また、上記の例では、細長棒状のヒートパイプ37を例に採って説明したが、図6に示すような形状の特殊なヒートパイプ37Aを採用してもよい。
【0041】
すなわち、このヒートパイプ37Aは、ジグザグ状の一本の管47が板状の筐体49に形成され、かつ筐体49の一端側から他端側に形成されているものである(蛇行細管ヒートパイプとも呼ばれる)。筐体49の両端部には、ネジ穴41Aを設けておく。このような特殊なタイプのヒートパイプ37Aの場合には、単純な構造であるので、ハウジング19及びCアーム9の側面への取付が簡単にできる。
【0042】
なお、この発明は上述した実施例に限定されるものではなく、以下のように変形実施が可能である。
【0043】
(1)上記の実施例では、3本のヒートパイプ37を伝熱部35に設けているが、放熱をさらに高めたい場合には4本以上のヒートパイプを設けてもよい。逆に放熱に余裕がある場合には、2本以下のヒートパイプを用いてもよい。
【0044】
(2)ヒートパイプ37を接続部材39を介して取り付けることなく、直接的にX線管装置19及びCアーム9に取り付けるようにしてもよい。
【0045】
(3)接続部材39とX線管装置19及びCアーム9の熱伝導的にみた密着度が十分に高い場合には、伝熱材料44を用いる必要はない。
【0046】
(4)上記の実施例では、カバー17がX線管装置13に取り付けられている関係上、X線管装置13の側面にのみ伝熱部35を取り付けているが、それ以外の部分に伝熱部35をさらに取り付けるようにしてもよい。例えば、ハウジング19の後面(図3の右手前側面)と、Cアーム9の下面(図3の図示されていない面)とにわたって取り付ける。
【0047】
(5)上記の実施例に係る外科用X線TV装置1は、X線管装置13と撮像部15とをCアーム9で対向支持した形態を採用しているが、この発明はCアーム9で支持する装置に限定されるものではなく、例えば、Uの字状を呈するアームなどの種々のアームを備える外科用X線TV装置1に適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、ヒートパイプの両端をハウジングとアームに取り付けるので、ハウジングの熱をX線管装置よりも熱容量が大なるアームに対してヒートパイプを通して効率的に伝達することができる。したがって、ハウジングからアームへの熱伝導を高効率化できるので、X線管装置の温度上昇を抑制することができ、長時間にわたる動作を行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る外科用X線TV装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】X線管装置の縦断面図である。
【図3】伝熱部の外観斜視図である。
【図4】ヒートパイプの取付構造を示した分解斜視図である。
【図5】取付部材の好ましい例を示す縦断面図である。
【図6】ヒートパイプの変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 … 外科用X線TV装置
3 … ベッド
9 … Cアーム
13 … X線管装置
15 … 撮像部
17 … カバー
19 … ハウジング
21 … 固定陽極X線管
23 … 高圧トランス
25 … フィラメント用トランス
27 … ガラスバルブ
29 … 陰極
31 … 固定陽極
35 … 伝熱部
37 … ヒートパイプ
39 … 接続部材39
P … 接着剤
44 … 伝熱材料
45 … 凹部

Claims (3)

  1. 絶縁油が充填されたハウジング内に固定陽極型X線管を備えたX線管装置と、撮像手段とを対向支持するアームを備えている外科用X線TV装置において、前記ハウジングと前記アームにヒートパイプの両端部を取り付けたことを特徴とする外科用X線TV装置。
  2. 請求項1に記載の外科用X線TV装置において、前記ヒートパイプの外形に沿った凹部を有する接続部材を備え、前記ヒートパイプは、前記接続部材を介して取り付けられていることを特徴とする外科用X線TV装置。
  3. 請求項2に記載の外科用X線TV装置において、前記接続部材は、弾性又は粘性を有する伝熱材料を介して取り付けられていることを特徴とする外科用X線TV装置。
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