JP2004223571A - 半導体実装用半田合金とその製造方法、及び半田ボール、電子部材 - Google Patents
半導体実装用半田合金とその製造方法、及び半田ボール、電子部材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】熱応力による半田接合部の破壊を防ぐと同時に、さらにボイドの発生を抑制することで充分な接合強度を同時に確保する半導体実装用半田合金とその製造方法及び、半田ボール、電子部材を提供する。
【解決手段】Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、残部がPb及び不可避不純物から成り、さらに半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであることを特徴とする半導体実装用半田合金とその製造方法及びこれを用いた半田ボール、電子部材である。
【選択図】 なし
【解決手段】Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、残部がPb及び不可避不純物から成り、さらに半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであることを特徴とする半導体実装用半田合金とその製造方法及びこれを用いた半田ボール、電子部材である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、半導体実装用の半田合金、半田ボール及びそれらを有する電子部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板等は、電子部品を実装することで構成されている。電子部品の実装は、半田合金等を介してプリント配線基板等と電子部品との間を仮接合させた後、プリント配線基板全体を加熱して前記半田合金を溶融させて、しかる後に基板を常温まで冷却して半田合金を固体化することで、強固な半田接合部を確保する、いわゆるリフロー法と呼ばれる手法にて行うことが一般的である。
【0003】
前記半田合金の組成としては、一般に、Sn−Pb共晶組成(Sn:63質量%、Pb:残部)及びその周辺の組成が広く使用されており、昨今急増しているBGA(Ball Grid Array)用半田ボールにおいても、前記と同様な組成の半田ボールが主に使用されている。
【0004】
中でも、前記Sn−Pb共晶に、第3元素として少量のAgを添加した半田組成が、好んで使用されている。この理由は、電子機器に組み込まれたプリント基板や、BGAが用いられている集積回路素子基板は、当該装置スイッチの動作及び停止に伴い、加熱と冷却を繰り返す、いわゆる熱衝撃サイクル環境下にさらされていることから、前記基板を構成する各部材間(例えば、チップと基板間等)では、それらの熱膨張係数差に伴う熱応力が生じているのであるが、この熱応力による半田接合部の破壊を防ぐためには、Sn−Pb共晶への少量のAgの添加が効果的であることが、特許文献1、特許文献2、特許文献3等で開示されているからである。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−127192号公報
【特許文献2】
特開平1−1237095号公報
【特許文献3】
特開2002−86294号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年の電子部品の小型化及び高性能化に伴い、電子部材に使用されている半田接合部の接合面積が縮小されている。そのため、半田接合部での接合強度の確保が、より一層重要視されてきている。
【0007】
しかしながら、従来のSn−Pb共晶に第3元素として少量のAgを添加した電子部材用半田合金を使用すると、半田合金内部にボイドと呼ばれる気泡が出現し、それに伴い、接合面積が低下することから、充分な接合強度が確保できないという問題が生じてきている。この現象は、接合部の直径が、例えば、従来の760μm近傍であった際は、ボイドの発生による接合面積の低下は誤差範囲であり、特に問題とはならなかったが、近年の500μm以下の直径では、ボイドの発生に伴う接合面積の低下は極めて深刻な問題となってきている。
【0008】
そこで、本発明では、半導体実装用のSnを主体とする半田合金、半田ボール及びそれらを有する電子部材において、熱応力による半田接合部の破壊を防ぐと同時に、さらにボイドの発生を抑制することで、充分な接合強度を同時に確保できる半田合金とその製造方法、半田ボール及びそれらを有する電子部材を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
(1) Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、残部がPb及び不可避不純物から成り、さらに半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであることを特徴とする半導体実装用半田合金。
(2) Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、さらにNi、Mg、Fe、Alから成る元素群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.0005〜0.05質量%含有し、残部がPb及び不可避不純物から成り、半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであることを特徴とする半導体実装用半田合金。
(3) さらに、Sb:0.1〜3.0質量%、Bi:0.1〜3.0質量%、Cu:0.01〜0.1質量%、P:0.0005〜0.005質量%の内の少なくとも1種を含有する上記(1)又は(2)のいずれかに記載の半導体実装用半田合金。
(4) さらに、Zn、In、Pt、Pdから成る群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.01〜0.5質量%含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の半導体実装用半田合金。
(5) 少なくとも、Sn:55〜70質量%、Ag:0.5〜5.0質量%、残部Pbを含有する半田合金の製造方法であって、半田合金成分の溶融混合時に、101.3Pa以下の雰囲気と10130Pa以下の非酸化雰囲気の一方又は両方とすることを特徴とする半導体実装用半田合金の製造方法。
(6) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の半田合金から成ることを特徴とする半田ボール。
(7) 半田接合部を有する電子部材であって、該半田接合部の一部又は全部に上記(1)〜(4)のいずれかに記載の半田合金又は上記(6)記載の半田ボールを用いて成ることを特徴とする電子部材。
【0010】
本発明によれば、半田接合内部におけるボイドの発生を抑制することで、充分な接合強度を確保できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
各種半導体部材には、プリント配線基板等が好んで使用される。プリント配線基板等は、樹脂基板から主として成ることが多く、加熱すると樹脂が気化して、基板からガスが出ることになる。また、プリント配線基板等の上には、レジスト膜等の有機物が設置されることが多く、さらに、プリント配線基板等を洗浄する等の目的で、アセトン等のケトン類やエタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール類が使用されることが多い。そして、プリント配線基板等に半田を接合させる際は、ペーストやフラックスと称される有機物を主体とする材料を介して、プリント配線基板等と半田とを接触させてから、半田を溶融して(リフロー工程)接合させる。このように各種半導体部材に半田付けを行う際は、種々の有機物が利用されている。
【0012】
本発明者らは鋭意検討した結果、前述のボイドは、プリント配線基板等をリフローする際に半田周辺部の有機物がガス化し、半田が固体化する際にそれらガスが半田内部に閉じ込められること(トラップ現象)で生じることを明らかとした。本発明者らはさらに検討を重ねた結果、ガスのトラップには、半田合金内部に含有される酸素濃度が大きく影響することを明らかにした。つまり、従来のSnを主体とする半導体実装用半田合金の内部には、一定量の酸素が含有されているのであるが、半田合金中の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであれば、半田が固体化する際にガスが半田内部に閉じ込められる前記の現象を抑制でき、その結果、接合面積の低下を防ぎ、充分な接合強度を確保できることを見出した。より好ましくは、半田合金中の酸素濃度が0.5〜6質量ppmであれば、前記のトラップ現象を抑制する効果が高まるので良い。それに対して、半田合金中の酸素濃度が12質量ppmを超えると、リフローによって半田とペーストが反応する際に、半田内部でも酸素ガスが顕著に発生してしまうので好ましくない。一方、前記酸素濃度を安定して0.5質量ppm未満とするのは、添加元素の種類や量の最適化や製造条件の最適化を行う等の各種手法を駆使しても容易ではない。
【0013】
Snは、Pbと合金化した時、共晶点と呼ばれる組成(Sn:63質量%)で、融点が約183℃と最も低くなる。プリント配線基板等への電子部品の実装に適用するためには、極力低い融点が望ましいので、Sn:55〜70質量%とする必要がある。熱応力による半田接合部の破壊を防ぐためには、半田中のPb相の粗大化の抑制が有効であり、AgをSn−Pb半田合金に添加すると、半田凝固時にPbの粗大化を抑制する効果が得られるので良い。しかしながら、0.5質量%未満の添加では、前述の抑制効果は見られず、逆に、5.0質量%を超える添加では、融点が上昇してしまい、プリント配線基板等に電子部品を実装するには適さなくなる。従って、プリント配線基板等への電子部品の実装に適する組成とするためには、Ag:0.5〜5.0質量%とする必要がある。このように、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、残部をPb及び不可避不純物とすると、プリント配線基板等への電子部品の実装に適した融点及び熱応力による半田接合部の破壊を防ぐ効果が同時に得られる。
【0014】
従って、Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、残部がPb及び不可避不純物から成り、さらに半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであれば、プリント配線基板等への電子部品の実装に適した融点、熱応力による半田接合部の破壊を防ぐ効果及び前記ボイドの抑制効果が同時に得られる。
【0015】
半田合金の組成としては、半田合金中の酸素濃度を0.5〜12質量ppmの範囲とできれば、どのような組成でも構わないが、本発明者らは鋭意検討した結果、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、残部がPb及び不可避不純物から成り、さらにNi、Mg、Fe、Alから成る元素群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.0005〜0.05質量%含有する半田合金であれば、半田合金中の酸素濃度を安定して0.5〜12質量ppmとできることを併せて見出した。この理由は、半田合金の凝固時に、前記の添加元素が脱酸作用をもたらすことで、半田合金内部の酸素濃度の低下が促進される効果が得られ、その結果、該半田合金中の酸素濃度をより一層低下せしめることができるためと考えられる。しかしながら、0.0005質量%未満の添加では、前述の効果は見られず、逆に、0.05質量%を超える添加では、これら添加元素が半田合金の表面に析出して、酸化物を形成することで、半田合金の脆性的な破壊を促進する恐れが高まるので好ましくない。
【0016】
より好ましくは、Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、さらにNi、Mg、Fe、Alから成る元素群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.0005〜0.05質量%含有し、残部がPb及び不可避不純物から成り、さらに半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであれば、半田合金の凝固時に、前記の添加元素が脱酸作用をもたらすことで、半田合金内部の酸素濃度の低下が促進される効果が得られ、その結果、該半田合金中の酸素濃度をより一層低下せしめることで、ボイドの発生をほぼ確実に抑制できるので良い。
【0017】
さらに好ましくは、半田合金中に、さらにSb:0.1〜3.0質量%、Bi:0.1〜3.0質量%、Cu:0.01〜0.1質量%、P:0.0005〜0.005質量%の内の少なくとも1種を含有すれば、半田接合部が熱応力に抗する効果がさらに向上するので良い。この理由は、前記の添加元素がSnあるいはPb中に固溶することにより、転位の移動を妨げる効果が得られるためと予想される。しかしながら、0.1質量%未満のSbの添加、0.1質量%未満のBiの添加、0.01質量%未満のCuの添加あるいは0.0005質量%未満のPの添加では、前記効果は充分には得られず、逆に、3.0質量%を超えるSbの添加、3.0質量%を超えるBiの添加、0.1質量%を超えるCuの添加あるいは0.005質量%を超えるPの添加を行うと、半田合金が脆性的となるので好ましくない。
【0018】
最も好ましくは、半田合金中に、さらにZn、In、Pt、Pdから成る群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.01〜0.5質量%含有すれば、半田接合部が熱応力に抗する効果がさらに向上するので良い。その理由は、それら元素がSn等と微細な金属間化合物を形成し、その金属間化合物が半田中に微細に分散することにより、Pbの粗大化を抑制するためと予想される。しかしながら、前記元素の濃度が0.01質量%未満であると充分な効果が得られず、逆に、0.5質量%を超えると該半田合金が脆性的となるので好ましくない。
【0019】
半田合金中の組成を同定する手法に特に制限は無いが、例えば、エネルギー分散型X線分析法(EDX)、電子プローブ分析法(EPMA)、オージェ電子分析法(AES)、二次イオン質量分析法(SIMS)、誘導結合プラズマ分析法(ICP)、グロー放電スペクトル質量分析法(GD−MASS)、蛍光X線分析法(FX)、等が実績も豊富で精度も高いので好ましい。
【0020】
前記半田合金を製造する方法は、所定の濃度に見合うように添加元素を調合した半田母合金を、るつぼや鋳型中で加熱して溶解することで均一化し、しかる後に、凝固させる手法が利用できる。ここで、半田を溶融する工程において、例えば、半田周辺の雰囲気を101.3Pa以下の雰囲気とする手法や、10130Pa以下の非酸化雰囲気とする手法を利用すれば、半田合金の組成にかかわらず、半田合金中の酸素濃度を安定して0.5〜12質量ppmとすることができる。半田周辺の雰囲気を13Pa以下の雰囲気あるいは1300Pa以下の非酸化雰囲気とするとより好ましい。前記半田を溶融する工程では、例えば、密閉することで内部を外気から遮蔽できる鋳型を利用するのが実績も豊富であるので良い。前記非酸化雰囲気としては、半田合金中の酸素濃度が前述の範囲とできれば、どのような雰囲気でも構わないが、例えば、窒素、アルゴンやネオンのような不活性ガス、あるいはCOや水素のように還元作用を有するガス等が利用できる。この理由は、これらの雰囲気を使用すれば、半田合金中の酸素が脱気されるためと予想される。半田合金中の酸素濃度の測定法に特に制限は無いが、例えば、不活性ガス融解赤外線吸収法等を用いるのが、実績も豊富でかつ精度も高いので好ましい。
【0021】
本発明の半田合金の形状としては、半田合金中の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであれば、形状は特に問わないが、ボール状の半田合金を接合部へ転写して突起状としたり、スパッタ法、蒸着法あるいは析出法等で膜状としたり、もしくは印刷法でバルク状としたりするのが、実績も豊富であるので工業的には好ましい。中でも、本発明の半田合金をボール状としてから接合部へ転写することで突起状とすれば、接合部へ転写後の半田合金の高さをほぼ一定とすることができ、その結果、例えば、プリント配線基板と電子部品の接合というような半導体実装をより確実に行うことができるので良い。
【0022】
本発明の半田合金と半田ボールの一方又は両方から成る半田接合部を有する電子部材では、熱応力による半田接合部の破壊が防げる上に、前記ボイドの抑制効果が得られるために、充分な接合強度が確保できるので良い。
【0023】
【実施例】
表1、2に示す組成を有する直径300μmの半田ボールを製造した。半田を溶融する工程において、半田周辺の雰囲気を1300Pa以下の窒素雰囲気とする手法を用いた場合は○印を、13Pa以下の真空雰囲気とした場合は◎印を、それぞれ表1、2中に示した。一方、半田を溶融する工程において、半田周辺の雰囲気を通常の大気とした場合は、表1、2中に×印を示した。さらに、半田合金中の酸素濃度を不活性ガス融解赤外線吸収法にて測定し、その値を表1、2にあわせて示した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
表1、2において、実施例1〜46が本発明例である。一方、比較例1及び2はNi、Mg、Fe、Alの含有量及び半田合金成分の溶融混合時の雰囲気が、いずれも本発明の範囲を外れる例である。
【0027】
基板として4cm角のガラスエポキシ樹脂基板を、チップとして1cm角のSi製チップを用意した。基板及びチップ上には、240個の電極(基板側:Cu/Ni/Au、チップ側:Al/Cr/Ni/Au)を形成させておいた。以下の評価を行うために、次に示すフリップチップ接続を行った。
【0028】
まず、チップ上の電極に、フラックスを介して半田ボールを配列した。その後、チップ全体をリフローすることで、チップ上の電極に半田バンプを得た。続いて、基板上の電極に、Snから成るペーストを塗布し、この基板と前記チップとを対面させてから、両者を接触させ、リフローした。その結果、チップ上の電極と基板上の電極とをバンプ状の半田合金を介して接合させる、いわゆるフリップチップ接続を得た。
【0029】
これら半田合金の熱応力に抗する効果及びボイドの抑制効果を評価するため、熱衝撃サイクル試験及び機械的な衝撃試験をそれぞれ実施した。併せて、半田接合部の断面研磨を行い、半田合金中金属間化合物の最大径を測定した。それらの評価結果を表3に示す。
【0030】
熱衝撃サイクル試験は、前記フリップチップ試験片に−40℃〜125℃の熱サイクルを繰り返し加える試験であり、1000サイクルまで半田接合部で破断が生じなかった試験片を合格とし、表3中に○印で示した。さらに、1500サイクルまで半田接合部で破断が生じなかった試験片を極めて良好として、表3中に◎印で示した。一方、1000サイクルに到達するまでに半田接合部で破断が生じた試験片は不合格とし、表3中に×印で示した。
【0031】
機械的な衝撃試験は、前記フリップチップ試験片を11cm角、厚さ2cmのAl板に取り付け、それを70cmの高さから落下させることを繰り返し、落下毎に各半田接合部の電気抵抗の変化を確認することで評価した。9回以上19回以下の落下回数で初期接続抵抗状態から抵抗が50%以上変化した試験片を合格として、表3中に○印で示した。さらに、20回以上の落下回数で初期接続抵抗状態から抵抗が50%以上変化した試験片を特に優秀な成績を収めたとして、表3中に◎印で示した。一方、8回以下の落下回数で初期接続抵抗状態から抵抗が50%以上変化した試験片を不良として、表3中に×印で示した。
【0032】
【表3】
【0033】
実施例1〜6においては、半田を溶融する工程における半田周辺の雰囲気が適切であったため、Sn−Ag−Pb相に特に元素を添加しなくても、熱衝撃サイクル試験及び機械的な衝撃試験のいずれにおいても、良好な結果を示した。しかしながら、比較例1及び2では、半田を溶融する工程における半田周辺の雰囲気が、本発明の範囲を外れたため、機械的な衝撃試験に不合格であり、ボイドの抑制効果も得られなかった。
【0034】
また、実施例7〜19においては、さらにNi、Mg、Fe、Alが適切な濃度範囲で添加されていたため、熱衝撃サイクル試験で良好な結果を示し、機械的な衝撃試験では極めて良好な結果を示した。
【0035】
さらに、実施例20〜32においては、さらにSb、Bi、Cu、Pが適切な濃度範囲で添加されていたため、熱衝撃サイクル試験及び機械的な衝撃試験のいずれにおいても極めて良好な結果を示した。
【0036】
そして、実施例33〜46においては、さらにZn、In、Pt、Pdが適切な濃度範囲で添加されていたため、熱衝撃サイクル試験及び機械的な衝撃試験のいずれにおいても極めて良好な結果を示した。
【0037】
【発明の効果】
上記のように、本発明の半導体実装用半田合金、半田ボール及び電子部材を用いれば、熱応力による半田接合部の破壊を防ぐと同時に、さらにボイドの発生を抑制することで、充分な接合強度を同時に確保できる。また、本発明の製造方法を利用すれば、前記半田合金を比較的容易に製造できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、半導体実装用の半田合金、半田ボール及びそれらを有する電子部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板等は、電子部品を実装することで構成されている。電子部品の実装は、半田合金等を介してプリント配線基板等と電子部品との間を仮接合させた後、プリント配線基板全体を加熱して前記半田合金を溶融させて、しかる後に基板を常温まで冷却して半田合金を固体化することで、強固な半田接合部を確保する、いわゆるリフロー法と呼ばれる手法にて行うことが一般的である。
【0003】
前記半田合金の組成としては、一般に、Sn−Pb共晶組成(Sn:63質量%、Pb:残部)及びその周辺の組成が広く使用されており、昨今急増しているBGA(Ball Grid Array)用半田ボールにおいても、前記と同様な組成の半田ボールが主に使用されている。
【0004】
中でも、前記Sn−Pb共晶に、第3元素として少量のAgを添加した半田組成が、好んで使用されている。この理由は、電子機器に組み込まれたプリント基板や、BGAが用いられている集積回路素子基板は、当該装置スイッチの動作及び停止に伴い、加熱と冷却を繰り返す、いわゆる熱衝撃サイクル環境下にさらされていることから、前記基板を構成する各部材間(例えば、チップと基板間等)では、それらの熱膨張係数差に伴う熱応力が生じているのであるが、この熱応力による半田接合部の破壊を防ぐためには、Sn−Pb共晶への少量のAgの添加が効果的であることが、特許文献1、特許文献2、特許文献3等で開示されているからである。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−127192号公報
【特許文献2】
特開平1−1237095号公報
【特許文献3】
特開2002−86294号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年の電子部品の小型化及び高性能化に伴い、電子部材に使用されている半田接合部の接合面積が縮小されている。そのため、半田接合部での接合強度の確保が、より一層重要視されてきている。
【0007】
しかしながら、従来のSn−Pb共晶に第3元素として少量のAgを添加した電子部材用半田合金を使用すると、半田合金内部にボイドと呼ばれる気泡が出現し、それに伴い、接合面積が低下することから、充分な接合強度が確保できないという問題が生じてきている。この現象は、接合部の直径が、例えば、従来の760μm近傍であった際は、ボイドの発生による接合面積の低下は誤差範囲であり、特に問題とはならなかったが、近年の500μm以下の直径では、ボイドの発生に伴う接合面積の低下は極めて深刻な問題となってきている。
【0008】
そこで、本発明では、半導体実装用のSnを主体とする半田合金、半田ボール及びそれらを有する電子部材において、熱応力による半田接合部の破壊を防ぐと同時に、さらにボイドの発生を抑制することで、充分な接合強度を同時に確保できる半田合金とその製造方法、半田ボール及びそれらを有する電子部材を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
(1) Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、残部がPb及び不可避不純物から成り、さらに半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであることを特徴とする半導体実装用半田合金。
(2) Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、さらにNi、Mg、Fe、Alから成る元素群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.0005〜0.05質量%含有し、残部がPb及び不可避不純物から成り、半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであることを特徴とする半導体実装用半田合金。
(3) さらに、Sb:0.1〜3.0質量%、Bi:0.1〜3.0質量%、Cu:0.01〜0.1質量%、P:0.0005〜0.005質量%の内の少なくとも1種を含有する上記(1)又は(2)のいずれかに記載の半導体実装用半田合金。
(4) さらに、Zn、In、Pt、Pdから成る群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.01〜0.5質量%含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の半導体実装用半田合金。
(5) 少なくとも、Sn:55〜70質量%、Ag:0.5〜5.0質量%、残部Pbを含有する半田合金の製造方法であって、半田合金成分の溶融混合時に、101.3Pa以下の雰囲気と10130Pa以下の非酸化雰囲気の一方又は両方とすることを特徴とする半導体実装用半田合金の製造方法。
(6) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の半田合金から成ることを特徴とする半田ボール。
(7) 半田接合部を有する電子部材であって、該半田接合部の一部又は全部に上記(1)〜(4)のいずれかに記載の半田合金又は上記(6)記載の半田ボールを用いて成ることを特徴とする電子部材。
【0010】
本発明によれば、半田接合内部におけるボイドの発生を抑制することで、充分な接合強度を確保できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
各種半導体部材には、プリント配線基板等が好んで使用される。プリント配線基板等は、樹脂基板から主として成ることが多く、加熱すると樹脂が気化して、基板からガスが出ることになる。また、プリント配線基板等の上には、レジスト膜等の有機物が設置されることが多く、さらに、プリント配線基板等を洗浄する等の目的で、アセトン等のケトン類やエタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール類が使用されることが多い。そして、プリント配線基板等に半田を接合させる際は、ペーストやフラックスと称される有機物を主体とする材料を介して、プリント配線基板等と半田とを接触させてから、半田を溶融して(リフロー工程)接合させる。このように各種半導体部材に半田付けを行う際は、種々の有機物が利用されている。
【0012】
本発明者らは鋭意検討した結果、前述のボイドは、プリント配線基板等をリフローする際に半田周辺部の有機物がガス化し、半田が固体化する際にそれらガスが半田内部に閉じ込められること(トラップ現象)で生じることを明らかとした。本発明者らはさらに検討を重ねた結果、ガスのトラップには、半田合金内部に含有される酸素濃度が大きく影響することを明らかにした。つまり、従来のSnを主体とする半導体実装用半田合金の内部には、一定量の酸素が含有されているのであるが、半田合金中の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであれば、半田が固体化する際にガスが半田内部に閉じ込められる前記の現象を抑制でき、その結果、接合面積の低下を防ぎ、充分な接合強度を確保できることを見出した。より好ましくは、半田合金中の酸素濃度が0.5〜6質量ppmであれば、前記のトラップ現象を抑制する効果が高まるので良い。それに対して、半田合金中の酸素濃度が12質量ppmを超えると、リフローによって半田とペーストが反応する際に、半田内部でも酸素ガスが顕著に発生してしまうので好ましくない。一方、前記酸素濃度を安定して0.5質量ppm未満とするのは、添加元素の種類や量の最適化や製造条件の最適化を行う等の各種手法を駆使しても容易ではない。
【0013】
Snは、Pbと合金化した時、共晶点と呼ばれる組成(Sn:63質量%)で、融点が約183℃と最も低くなる。プリント配線基板等への電子部品の実装に適用するためには、極力低い融点が望ましいので、Sn:55〜70質量%とする必要がある。熱応力による半田接合部の破壊を防ぐためには、半田中のPb相の粗大化の抑制が有効であり、AgをSn−Pb半田合金に添加すると、半田凝固時にPbの粗大化を抑制する効果が得られるので良い。しかしながら、0.5質量%未満の添加では、前述の抑制効果は見られず、逆に、5.0質量%を超える添加では、融点が上昇してしまい、プリント配線基板等に電子部品を実装するには適さなくなる。従って、プリント配線基板等への電子部品の実装に適する組成とするためには、Ag:0.5〜5.0質量%とする必要がある。このように、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、残部をPb及び不可避不純物とすると、プリント配線基板等への電子部品の実装に適した融点及び熱応力による半田接合部の破壊を防ぐ効果が同時に得られる。
【0014】
従って、Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、残部がPb及び不可避不純物から成り、さらに半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであれば、プリント配線基板等への電子部品の実装に適した融点、熱応力による半田接合部の破壊を防ぐ効果及び前記ボイドの抑制効果が同時に得られる。
【0015】
半田合金の組成としては、半田合金中の酸素濃度を0.5〜12質量ppmの範囲とできれば、どのような組成でも構わないが、本発明者らは鋭意検討した結果、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、残部がPb及び不可避不純物から成り、さらにNi、Mg、Fe、Alから成る元素群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.0005〜0.05質量%含有する半田合金であれば、半田合金中の酸素濃度を安定して0.5〜12質量ppmとできることを併せて見出した。この理由は、半田合金の凝固時に、前記の添加元素が脱酸作用をもたらすことで、半田合金内部の酸素濃度の低下が促進される効果が得られ、その結果、該半田合金中の酸素濃度をより一層低下せしめることができるためと考えられる。しかしながら、0.0005質量%未満の添加では、前述の効果は見られず、逆に、0.05質量%を超える添加では、これら添加元素が半田合金の表面に析出して、酸化物を形成することで、半田合金の脆性的な破壊を促進する恐れが高まるので好ましくない。
【0016】
より好ましくは、Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、さらにNi、Mg、Fe、Alから成る元素群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.0005〜0.05質量%含有し、残部がPb及び不可避不純物から成り、さらに半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであれば、半田合金の凝固時に、前記の添加元素が脱酸作用をもたらすことで、半田合金内部の酸素濃度の低下が促進される効果が得られ、その結果、該半田合金中の酸素濃度をより一層低下せしめることで、ボイドの発生をほぼ確実に抑制できるので良い。
【0017】
さらに好ましくは、半田合金中に、さらにSb:0.1〜3.0質量%、Bi:0.1〜3.0質量%、Cu:0.01〜0.1質量%、P:0.0005〜0.005質量%の内の少なくとも1種を含有すれば、半田接合部が熱応力に抗する効果がさらに向上するので良い。この理由は、前記の添加元素がSnあるいはPb中に固溶することにより、転位の移動を妨げる効果が得られるためと予想される。しかしながら、0.1質量%未満のSbの添加、0.1質量%未満のBiの添加、0.01質量%未満のCuの添加あるいは0.0005質量%未満のPの添加では、前記効果は充分には得られず、逆に、3.0質量%を超えるSbの添加、3.0質量%を超えるBiの添加、0.1質量%を超えるCuの添加あるいは0.005質量%を超えるPの添加を行うと、半田合金が脆性的となるので好ましくない。
【0018】
最も好ましくは、半田合金中に、さらにZn、In、Pt、Pdから成る群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.01〜0.5質量%含有すれば、半田接合部が熱応力に抗する効果がさらに向上するので良い。その理由は、それら元素がSn等と微細な金属間化合物を形成し、その金属間化合物が半田中に微細に分散することにより、Pbの粗大化を抑制するためと予想される。しかしながら、前記元素の濃度が0.01質量%未満であると充分な効果が得られず、逆に、0.5質量%を超えると該半田合金が脆性的となるので好ましくない。
【0019】
半田合金中の組成を同定する手法に特に制限は無いが、例えば、エネルギー分散型X線分析法(EDX)、電子プローブ分析法(EPMA)、オージェ電子分析法(AES)、二次イオン質量分析法(SIMS)、誘導結合プラズマ分析法(ICP)、グロー放電スペクトル質量分析法(GD−MASS)、蛍光X線分析法(FX)、等が実績も豊富で精度も高いので好ましい。
【0020】
前記半田合金を製造する方法は、所定の濃度に見合うように添加元素を調合した半田母合金を、るつぼや鋳型中で加熱して溶解することで均一化し、しかる後に、凝固させる手法が利用できる。ここで、半田を溶融する工程において、例えば、半田周辺の雰囲気を101.3Pa以下の雰囲気とする手法や、10130Pa以下の非酸化雰囲気とする手法を利用すれば、半田合金の組成にかかわらず、半田合金中の酸素濃度を安定して0.5〜12質量ppmとすることができる。半田周辺の雰囲気を13Pa以下の雰囲気あるいは1300Pa以下の非酸化雰囲気とするとより好ましい。前記半田を溶融する工程では、例えば、密閉することで内部を外気から遮蔽できる鋳型を利用するのが実績も豊富であるので良い。前記非酸化雰囲気としては、半田合金中の酸素濃度が前述の範囲とできれば、どのような雰囲気でも構わないが、例えば、窒素、アルゴンやネオンのような不活性ガス、あるいはCOや水素のように還元作用を有するガス等が利用できる。この理由は、これらの雰囲気を使用すれば、半田合金中の酸素が脱気されるためと予想される。半田合金中の酸素濃度の測定法に特に制限は無いが、例えば、不活性ガス融解赤外線吸収法等を用いるのが、実績も豊富でかつ精度も高いので好ましい。
【0021】
本発明の半田合金の形状としては、半田合金中の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであれば、形状は特に問わないが、ボール状の半田合金を接合部へ転写して突起状としたり、スパッタ法、蒸着法あるいは析出法等で膜状としたり、もしくは印刷法でバルク状としたりするのが、実績も豊富であるので工業的には好ましい。中でも、本発明の半田合金をボール状としてから接合部へ転写することで突起状とすれば、接合部へ転写後の半田合金の高さをほぼ一定とすることができ、その結果、例えば、プリント配線基板と電子部品の接合というような半導体実装をより確実に行うことができるので良い。
【0022】
本発明の半田合金と半田ボールの一方又は両方から成る半田接合部を有する電子部材では、熱応力による半田接合部の破壊が防げる上に、前記ボイドの抑制効果が得られるために、充分な接合強度が確保できるので良い。
【0023】
【実施例】
表1、2に示す組成を有する直径300μmの半田ボールを製造した。半田を溶融する工程において、半田周辺の雰囲気を1300Pa以下の窒素雰囲気とする手法を用いた場合は○印を、13Pa以下の真空雰囲気とした場合は◎印を、それぞれ表1、2中に示した。一方、半田を溶融する工程において、半田周辺の雰囲気を通常の大気とした場合は、表1、2中に×印を示した。さらに、半田合金中の酸素濃度を不活性ガス融解赤外線吸収法にて測定し、その値を表1、2にあわせて示した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
表1、2において、実施例1〜46が本発明例である。一方、比較例1及び2はNi、Mg、Fe、Alの含有量及び半田合金成分の溶融混合時の雰囲気が、いずれも本発明の範囲を外れる例である。
【0027】
基板として4cm角のガラスエポキシ樹脂基板を、チップとして1cm角のSi製チップを用意した。基板及びチップ上には、240個の電極(基板側:Cu/Ni/Au、チップ側:Al/Cr/Ni/Au)を形成させておいた。以下の評価を行うために、次に示すフリップチップ接続を行った。
【0028】
まず、チップ上の電極に、フラックスを介して半田ボールを配列した。その後、チップ全体をリフローすることで、チップ上の電極に半田バンプを得た。続いて、基板上の電極に、Snから成るペーストを塗布し、この基板と前記チップとを対面させてから、両者を接触させ、リフローした。その結果、チップ上の電極と基板上の電極とをバンプ状の半田合金を介して接合させる、いわゆるフリップチップ接続を得た。
【0029】
これら半田合金の熱応力に抗する効果及びボイドの抑制効果を評価するため、熱衝撃サイクル試験及び機械的な衝撃試験をそれぞれ実施した。併せて、半田接合部の断面研磨を行い、半田合金中金属間化合物の最大径を測定した。それらの評価結果を表3に示す。
【0030】
熱衝撃サイクル試験は、前記フリップチップ試験片に−40℃〜125℃の熱サイクルを繰り返し加える試験であり、1000サイクルまで半田接合部で破断が生じなかった試験片を合格とし、表3中に○印で示した。さらに、1500サイクルまで半田接合部で破断が生じなかった試験片を極めて良好として、表3中に◎印で示した。一方、1000サイクルに到達するまでに半田接合部で破断が生じた試験片は不合格とし、表3中に×印で示した。
【0031】
機械的な衝撃試験は、前記フリップチップ試験片を11cm角、厚さ2cmのAl板に取り付け、それを70cmの高さから落下させることを繰り返し、落下毎に各半田接合部の電気抵抗の変化を確認することで評価した。9回以上19回以下の落下回数で初期接続抵抗状態から抵抗が50%以上変化した試験片を合格として、表3中に○印で示した。さらに、20回以上の落下回数で初期接続抵抗状態から抵抗が50%以上変化した試験片を特に優秀な成績を収めたとして、表3中に◎印で示した。一方、8回以下の落下回数で初期接続抵抗状態から抵抗が50%以上変化した試験片を不良として、表3中に×印で示した。
【0032】
【表3】
【0033】
実施例1〜6においては、半田を溶融する工程における半田周辺の雰囲気が適切であったため、Sn−Ag−Pb相に特に元素を添加しなくても、熱衝撃サイクル試験及び機械的な衝撃試験のいずれにおいても、良好な結果を示した。しかしながら、比較例1及び2では、半田を溶融する工程における半田周辺の雰囲気が、本発明の範囲を外れたため、機械的な衝撃試験に不合格であり、ボイドの抑制効果も得られなかった。
【0034】
また、実施例7〜19においては、さらにNi、Mg、Fe、Alが適切な濃度範囲で添加されていたため、熱衝撃サイクル試験で良好な結果を示し、機械的な衝撃試験では極めて良好な結果を示した。
【0035】
さらに、実施例20〜32においては、さらにSb、Bi、Cu、Pが適切な濃度範囲で添加されていたため、熱衝撃サイクル試験及び機械的な衝撃試験のいずれにおいても極めて良好な結果を示した。
【0036】
そして、実施例33〜46においては、さらにZn、In、Pt、Pdが適切な濃度範囲で添加されていたため、熱衝撃サイクル試験及び機械的な衝撃試験のいずれにおいても極めて良好な結果を示した。
【0037】
【発明の効果】
上記のように、本発明の半導体実装用半田合金、半田ボール及び電子部材を用いれば、熱応力による半田接合部の破壊を防ぐと同時に、さらにボイドの発生を抑制することで、充分な接合強度を同時に確保できる。また、本発明の製造方法を利用すれば、前記半田合金を比較的容易に製造できる。
Claims (7)
- Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、残部がPb及び不可避不純物から成り、さらに半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであることを特徴とする半導体実装用半田合金。
- Snを主体とする半田合金であって、Sn:55〜70質量%及びAg:0.5〜5.0質量%を含み、さらにNi、Mg、Fe、Alから成る元素群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.0005〜0.05質量%含有し、残部がPb及び不可避不純物から成り、半田合金内の酸素濃度が0.5〜12質量ppmであることを特徴とする半導体実装用半田合金。
- さらに、Sb:0.1〜3.0質量%、Bi:0.1〜3.0質量%、Cu:0.01〜0.1質量%、P:0.0005〜0.005質量%の内の少なくとも1種を含有する請求項1又は2に記載の半導体実装用半田合金。
- さらに、Zn、In、Pt、Pdから成る群から選ばれた1種又は2種以上の元素を総計で0.01〜0.5質量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の半導体実装用半田合金。
- 少なくとも、Sn:55〜70質量%、Ag:0.5〜5.0質量%、残部Pb及び不可避的不純物を含有する半田合金の製造方法であって、半田合金成分の溶融混合時に、101.3Pa以下の雰囲気と10130Pa以下の非酸化雰囲気の一方又は両方とすることを特徴とする半導体実装用半田合金の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の半田合金から成ることを特徴とする半田ボール。
- 半田接合部を有する電子部材であって、該半田接合部の一部又は全部に請求項1〜4のいずれかに記載の半田合金又は請求項6記載の半田ボールを用いて成ることを特徴とする電子部材。
Priority Applications (1)
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| JP2003014615A JP2004223571A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 半導体実装用半田合金とその製造方法、及び半田ボール、電子部材 |
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| JP2003014615A JP2004223571A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 半導体実装用半田合金とその製造方法、及び半田ボール、電子部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2020157167A3 (en) * | 2019-01-30 | 2020-09-10 | Metallo Belgium | Improved tin production, which includes a composition comprising tin, lead, silver and antimony |
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2003
- 2003-01-23 JP JP2003014615A patent/JP2004223571A/ja not_active Withdrawn
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| WO2020157167A3 (en) * | 2019-01-30 | 2020-09-10 | Metallo Belgium | Improved tin production, which includes a composition comprising tin, lead, silver and antimony |
| US11913091B2 (en) | 2019-01-30 | 2024-02-27 | Metallo Belgium | Tin production, which includes a composition comprising tin, lead, silver and antimony |
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