JP2004273376A - 冷陰極電界電子放出表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電が発生した場合であっても、アノード電極と電界放出素子との間に形成される静電容量に基づき生じたエネルギーによって、構成要素に致命的な損傷が発生することを抑制し得る冷陰極電界電子放出表示装置を提供する。
【解決手段】冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルCPと、アノードパネルAPとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、アノードパネルAPは、基板30、基板31上に形成された蛍光体層31、蛍光体層31上に形成されたアノード電極35、及び、アノード電極35上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層36から構成されており、tR×10−2>(1/2)C・VA 2[但し、Cは冷陰極電界電子放出素子とアノード電極との間の静電容量(F)であり、VAはアノード電極への印加電圧(V)]を満足する。
【選択図】 図1
【解決手段】冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルCPと、アノードパネルAPとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、アノードパネルAPは、基板30、基板31上に形成された蛍光体層31、蛍光体層31上に形成されたアノード電極35、及び、アノード電極35上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層36から構成されており、tR×10−2>(1/2)C・VA 2[但し、Cは冷陰極電界電子放出素子とアノード電極との間の静電容量(F)であり、VAはアノード電極への印加電圧(V)]を満足する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アノードパネルに設けられたアノード電極、あるいは、カソードパネルに設けられた冷陰極電界電子放出素子に備えられた収束電極に特徴を有する冷陰極電界電子放出表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受像機や情報端末機器に用いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(CRT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置への移行が検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィールドエミッションディスプレイ)を例示することができる。このなかでも、液晶表示装置は情報端末機器用の表示装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジョン受像機に適用するには、高輝度化や大型化に未だ課題を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表示装置(以下、単に、表示装置と呼ぶ場合がある)は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づき固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合がある)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から注目を集めている。
【0003】
このような電界放出素子の一例として、特開平9−90898の図2に開示された電界放出素子の模式的な一部端面図を図26に再掲する。
【0004】
この電界放出素子にあっては、基板1の上に絶縁層2が堆積されており、絶縁層2の上には金属薄膜の制御電極(ゲート電極)3が積層されている。絶縁層2と制御電極3には単数あるいは複数のキャビティ(開口部)が形成され、その中に円錐状のエミッタ(電子放出部)4が形成されている。制御電極3の上には絶縁層5、収束電極6がエミッタ4の付近を除いて積層されている。基板1、絶縁層2、制御電極3、エミッタ4、絶縁層5、収束電極6で微小冷陰極(電界放出素子)7が構成され、単数あるいは複数の微小冷陰極7で冷陰極15が構成される。実際には、エミッタ(電子放出部)4から放出された電子ビーム8は陽極(アノード電極)9に衝突し、正の電圧を発生する陽極電源(アノード電極制御回路)10に流れる。
【0005】
制御電極(ゲート電極)3に印加する電圧は制御電極電源(ゲート電極制御回路)17で発生され、収束電極6には制御電極3に印加する電圧を可変抵抗器14で分圧した電圧が印加される。この結果、制御電極3の電圧と収束電極6の電圧の比は可変抵抗器14で設定した値に常に保たれる。可変抵抗器14によって或るビーム電流量における収束状態を調節すれば、制御電極電源17の出力電圧によってエミッタ4から取り出す電子ビーム電流設定値を変えてもほぼ同じ収束状態が保持される。
【0006】
【特許文献1】特開平9−90898
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような表示装置においては、陽極(アノード電極)9と収束電極6との間の距離は高々1mm程度しかなく、陽極9と収束電極6との間で異常放電(真空アーク放電)が発生し易い。異常放電が発生すると、収束電極6や制御電極(ゲート電極)3の電位が異常に上昇し、表示品質が著しく損なわれるだけでなく、電界放出素子(制御電極3、エミッタ4)や、収束電極6、陽極(アノード電極)9に損傷が発生する虞がある。
【0008】
真空空間中における放電の発生機構においては、先ず、強電界下における電界放出素子からの電子やイオンの放出がトリガーとなって小規模な放電が発生する。そして、陽極電源(アノード電極制御回路)10からアノード電極9へエネルギーが供給されてアノード電極9の温度が局所的に上昇したり、アノード電極9の内部の吸蔵ガスの放出、あるいはアノード電極9を構成する材料そのものの蒸発が生ずることによって、小規模な放電が大規模な放電へ成長すると考えられている。陽極電源(アノード電極制御回路)10以外にも、アノード電極9と電界放出素子との間に形成される静電容量に基づき生じたエネルギーが、大規模な放電への成長を促すエネルギー供給源となる。
【0009】
異常放電(真空アーク放電)の発生を抑制するには、放電のトリガーとなる電子やイオンの放出を抑制することが有効であるが、そのためには極めて厳密なパーティクル管理が必要となる。このような管理をカソードパネルやアノードパネルの製造プロセス、あるいは、カソードパネルやアノードパネルを組み込んだ表示装置の製造プロセスにおいて実行することには、多大な技術的困難が伴う。
【0010】
従って、本発明の目的は、冷陰極電界電子放出素子を構成する電極とアノード電極との間で放電が発生した場合であっても、アノード電極と電界放出素子との間に形成される静電容量に基づき生じたエネルギーによって、アノード電極あるいは冷陰極電界電子放出素子を構成する電極に致命的な損傷が発生することを抑制し得る構造を有する冷陰極電界電子放出表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、蛍光体層上に形成されたアノード電極、及び、アノード電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層から構成されており、以下の式(1)を満足することを特徴とする。
Q>(1/2)C・VA 2 (1)
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、蛍光体層上に形成されたアノード電極、及び、アノード電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層から構成されており、以下の式(2)を満足することを特徴とする。
tR×10−2>(1/2)C・VA 2 (2)
【0013】
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置において、冷陰極電界電子放出素子は、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(d)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜、
(e)絶縁膜上に形成された収束電極、
(f)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(g)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されている形態とすることができる。
【0014】
そして、この場合、冷陰極電界電子放出素子は、更に、
(h)収束電極上に形成された厚さt’R(単位:μm)の放電電流制御用の第2の抵抗体層、
から構成されている形態とすることができる。そして、この場合、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
Q’=(1/2)C’・VA 2 (1’)
を満足していることが好ましく、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
t’R×10−2>(1/2)C’・VA 2 (2’)
を満足していることが好ましい。
【0015】
あるいは又、本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置において、冷陰極電界電子放出素子は、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(d)ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(e)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されている形態とすることができる。
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、及び、蛍光体層上に形成されたアノード電極から構成され、
冷陰極電界電子放出素子は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(D)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜、
(E)絶縁膜上に形成された収束電極、
(F)収束電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層、
(G)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(H)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されており、
以下の式(3)を満足することを特徴とする。
Q>(1/2)C・VA 2 (3)
【0017】
上記の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、及び、蛍光体層上に形成されたアノード電極から構成され、
冷陰極電界電子放出素子は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(D)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜、
(E)絶縁膜上に形成された収束電極、
(F)収束電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層、
(G)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(H)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されており、
以下の式(4)を満足することを特徴とする。
tR×10−2>(1/2)C・VA 2 (4)
【0018】
尚、本発明の第1の態様若しくは第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置において、抵抗体層を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
である。
【0019】
一方、本発明の第1の態様若しくは第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置において、抵抗体層を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
である。
【0020】
そして、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
VA:アノード電極への印加電圧(V)
である。
【0021】
尚、式(1)〜式(4)の右辺においては、厳密にはVAは、アノード電極への印加電圧と、アノード電極と対向する冷陰極電界電子放出素子の電極(例えば収束電極)への印加電圧との電位差であるが、アノード電極への印加電圧は、アノード電極と対向する冷陰極電界電子放出素子の電極(例えば収束電極)への印加電圧よりも十分に大きいが故に、式(1)〜式(4)の右辺におけるVAを、アノード電極への印加電圧とする。
【0022】
また、本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
C:冷陰極電界電子放出素子とアノード電極との間の静電容量(F)
であり、本発明の第3の態様あるいは第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
C:収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
である。更には、本発明の第1の態様の好ましい形態にあっては、
C’:収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
である。
【0023】
更には、本発明の第1の態様若しくは第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
rR :抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)
dR :抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
Cm_S:固体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TL :抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
QS_L:抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
Cm_L:液体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TG :抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
である。また、抵抗体層を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1)
であり、抵抗体層を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱と溶解熱の和(J・g−1)
である。
【0024】
また、本発明の第1の態様の好ましい形態において、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
である。
【0025】
あるいは又、本発明の第1の態様の好ましい形態において、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
である。
【0026】
但し、
r’R :第2の抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)
d’R :第2の抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
C’m_S:固体状態における第2の抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
T’L :第2の抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
Q’S_L:第2の抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
C’m_L:液体状態における第2の抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
T’G :第2の抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
である。また、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
Q’L_G:第2の抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1)
であり、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
Q’L_G:第2の抵抗体層を構成する材料の気化熱と溶解熱の和(J・g−1)
である。
【0027】
ここで、冷陰極電界電子放出素子とアノード電極との間の静電容量Cは、冷陰極電界電子放出素子がカソード電極とゲート電極とから構成されている場合には、全てのゲート電極を短絡し、係る短絡されたゲート電極とアノード電極との間の静電容量を公知の方法で測定することで得ることができるし、冷陰極電界電子放出素子がカソード電極とゲート電極と収束電極とから構成されている場合には、収束電極とアノード電極との間の静電容量を公知の方法で測定することで得ることができる。
【0028】
尚、抵抗体層や第2の抵抗体層の蒸発が許容され得る領域が円形でない場合、この領域の面積と同じ面積の円の半径をrRあるいはr’Rとすればよい。
【0029】
尚、好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置(以下、これらを総称して、単に、本発明の表示装置と呼ぶ場合がある)における冷陰極電界電子放出素子にあっては、カソード電極及びゲート電極はストライプ形状を有し、カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とは直交していることが、冷陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化といった観点から好ましい。
【0030】
本発明の表示装置において、収束電極は、有効領域(実際の表示部分として機能する領域)を覆う1枚のシート状の形状を有することが望ましい。尚、収束電極には、電子放出領域あるいは電子放出部から放出された電子を通過させるための開口部が設けられているが、この開口部は、各冷陰極電界電子放出素子毎に設けられていてもよいし、各電子放出領域毎(各重複領域毎)に設けられていてもよい。カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とが重複する領域(重複領域)に設けられた1又は複数の電界放出素子を構成する電子放出部によって、電子放出領域が構成される。
【0031】
本発明の表示装置において、アノード電極は、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する構成とすることもできるし、N個(但し、N≧2)のアノード電極ユニットの集合体から構成することもできる。後者の場合、前記Cは、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極ユニットとの間の静電容量(単位:F)である。アノード電極ユニットは、例えば、直線状に配列された1サブピクセルを構成する単位蛍光体層(表示装置において1つの輝点を生成する蛍光体層)の列の総数をn列としたとき、N=nとし、あるいは、n=α・N(αは2以上の整数であり、好ましくは10≦α≦100、一層好ましくは20≦α≦50)としてもよいし、一定の間隔をもって配設されるスペーサ(後述する)の数に1を加えた数とすることができる。また、各アノード電極ユニットの大きさは、アノード電極ユニットの位置に拘わらず同じとしてもよいし、アノード電極ユニットの位置に依存して異ならせてもよい。
【0032】
アノード電極ユニットと冷陰極電界電子放出素子との間での放電に起因してアノード電極ユニットが溶融するといったアノード電極ユニットの損傷規模の拡大を防止するために、アノード電極ユニットの大きさは、アノード電極ユニットと冷陰極電界電子放出素子との間の距離をL(単位:mm)、アノード電極ユニットの面積をSAU(単位:mm2)としたとき、
(VA/7)2×(SAU/L)≦2250
を満足することが好ましく、
(VA/7)2×(SAU/L)≦450
を満足することが一層好ましい。尚、アノード電極ユニットに凹凸が存在し、アノード電極ユニットと冷陰極電界電子放出素子との間の距離Lが一定でない場合、アノード電極ユニットと冷陰極電界電子放出素子との間の最短距離をLとする。
【0033】
本発明の表示装置において、抵抗体層を構成する材料として、カーボン;シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料;SiN;酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル、酸化クロム、酸化チタン等の高融点金属酸化物;アモルファスシリコン等の半導体材料;ITOを挙げることができる。抵抗体層は、蒸着法やスパッタリング法等のPVD法、あるいは、CVD法にて形成することができる。
【0034】
ここで、冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)として、
(1)円錐形の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられたスピント型電界放出素子
(2)略平面状の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられた扁平型電界放出素子
(3)王冠状の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられ、電子放出部の王冠状の部分から電子を放出するクラウン型電界放出素子
(4)平坦なカソード電極の表面から電子を放出する平面型電界放出素子
(5)凹凸が形成されたカソード電極の表面の多数の凸部から電子を放出するクレータ型電界放出素子
(6)カソード電極のエッジ部から電子を放出するエッジ型電界放出素子
を例示することができる。
【0035】
尚、電界放出素子として、上述の各種の形式の他に、表面伝導型電子放出素子と通称される素子も知られており、本発明の表示装置に適用することができる。表面伝導型電子放出素子においては、例えばガラスから成る基板上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウム(In2O3)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化パラジウム(PdO)等の材料から成り、微小面積を有する薄膜がマトリクス状に形成され、各薄膜は2つの薄膜片から成り、一方の薄膜片に行方向配線、他方の薄膜片に列方向配線が接続されている。一方の薄膜片と他方の薄膜片との間には数nmのギャップが設けられている。行方向配線と列方向配線とによって選択された薄膜においては、ギャップを介して薄膜から電子が放出される。
【0036】
本発明の表示装置におけるアノードパネルを構成する基板として、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板として、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B2O3・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)を例示することができる。カソードパネルを構成する支持体も、基板と同様の構成とすることができる。
【0037】
カソード電極、ゲート電極、収束電極の構成材料として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)等の金属、これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド)、ITO(インジウム・錫酸化物)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物、あるいはシリコン(Si)等の半導体を例示することができる。これらを作製、形成するには、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気メッキ法、無電解メッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーション法、ゾル−ゲル法等の公知の薄膜形成技術により、上述の構成材料から成る薄膜を被成膜体上に形成する。このとき、薄膜を被成膜体の全面に形成した場合には、公知のパターニング技術を用いて薄膜をパターニングし、各電極を形成する。また、薄膜を形成する前の被成膜体上に予めレジストパターンを形成しておけば、リフトオフ法による各電極の形成が可能である。更には、カソード電極やゲート電極の形状に応じた開口部を有するマスクを用いて蒸着を行ったり、かかる開口部を有するスクリーンを用いてスクリーン印刷を行えば、成膜後のパターニングは不要である。
【0038】
電界放出素子を構成する絶縁層や絶縁膜の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiN、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料、SiN、ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層や絶縁膜の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
【0039】
電子放出部に関しては、後に詳しく説明する。
【0040】
アノード電極の構成材料として、アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)を例示することができる。アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)からアノード電極を構成する場合、アノード電極の厚さとして、具体的には、3×10−8m(30nm)乃至1.5×10−7m(150nm)、好ましくは5×10−8m(50nm)乃至1×10−7m(100nm)を例示することができる。アノード電極は、蒸着法やスパッタリング法にて形成することができる。
【0041】
蛍光体層は、単色の蛍光体粒子から構成されていても、3原色の蛍光体粒子から構成されていてもよい。また、蛍光体層の配列様式は、ドットマトリクス状であっても、ストライプ状であってもよい。尚、ドットマトリクス状やストライプ状の配列様式においては、隣り合う蛍光体層の間の隙間がコントラスト向上を目的としたブラックマトリックスで埋め込まれていてもよい。
【0042】
アノードパネルには、更に、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光体層から放出された二次電子が他の蛍光体層に入射し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止するための、あるいは又、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光体層から放出された二次電子が隔壁を越えて他の蛍光体層に向かって侵入したとき、これらの電子が他の蛍光体層と衝突することを防止するための隔壁が、複数、設けられていることが好ましい。
【0043】
隔壁の平面形状として、格子形状(井桁形状)、即ち、1サブピクセルに相当する、例えば平面形状が略矩形(ドット状)の蛍光体層の四方を取り囲む形状を挙げることができ、あるいは、略矩形あるいはストライプ状の蛍光体層の対向する二辺と平行に延びる帯状形状あるいはストライプ形状を挙げることができる。隔壁を格子形状とする場合、1つの蛍光体層の領域の四方を連続的に取り囲む形状としてもよいし、不連続に取り囲む形状としてもよい。隔壁を帯状形状あるいはストライプ形状とする場合、連続した形状としてもよいし、不連続な形状としてもよい。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁の頂面の平坦化を図ってもよい。
【0044】
蛍光体層からの光を吸収するブラックマトリックスが蛍光体層と蛍光体層との間であって隔壁と基板との間に形成されていることが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。ブラックマトリックスを構成する材料として、蛍光体層からの光を99%以上吸収する材料を選択することが好ましい。このような材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が基板と接する。
【0045】
カソードパネルとアノードパネルとを周縁部において接合する場合、接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいは、ガラスやセラミックス等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料としては、フリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かかる低融点金属材料としては、In(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
【0046】
基板と支持体と枠体の三者を接合する場合、三者同時接合を行ってもよいし、あるいは、第1段階で基板又は支持体のいずれか一方と枠体とを先に接合し、第2段階で基板又は支持体の他方と枠体とを接合してもよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中で行えば、基板と支持体と枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、基板と支持体と枠体と接着層とによって囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
【0047】
接合後に排気を行う場合、排気は、基板及び/又は支持体に予め接続されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管は、典型的にはガラス管を用いて構成され、基板及び/又は支持体の無効領域(即ち、表示部分として機能する有効領域以外の領域)に設けられた貫通孔の周囲に、フリットガラス又は上述の低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切りを行う前に、表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去することができるので好適である。
【0048】
表示装置の内部は高真空状態となっており、表示装置には大気圧が加わる。従って、大気圧によって表示装置に損傷が発生しないように、表示装置内部には、スペーサを配しておくことが好ましい。スペーサを構成する材料として、ガラスや、セラミックス(例えば、ムライトやアルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料に、酸化チタンや酸化クロム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケルを添加したもの等)を例示することができる。スペーサは、例えば、アノードパネルに設けられたスペーサ保持部、あるいは、隔壁によって、アノードパネルに固定することができる。
【0049】
本発明の表示装置において、カソード電極はカソード電極制御回路に接続され、ゲート電極はゲート電極制御回路に接続され、アノード電極はアノード電極制御回路に接続され、収束電極は収束電極制御回路に接続されている。尚、これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。アノード電極制御回路の出力電圧VAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜10キロボルトとすることができる。一方、カソード電極に印加する電圧VC及びゲート電極に印加する電圧VGに関しては、▲1▼カソード電極に印加する電圧VCを一定とし、ゲート電極に印加する電圧VGを変化させる方式、▲2▼カソード電極に印加する電圧VCを変化させ、ゲート電極に印加する電圧VGを一定とする方式、▲3▼カソード電極に印加する電圧VCを変化させ、且つ、ゲート電極に印加する電圧VGも変化させる方式がある。収束電極には、収束電極制御回路から0ボルトあるいは最大−20ボルト程度の一定の電圧が印加される。
【0050】
本発明の冷陰極電界電子放出表示装置においては、抵抗体層の蒸発に必要とされる総計エネルギーQと、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間の静電容量Cと、アノード電極への印加電圧VAとの関係を規定することによって、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間で放電が生じた場合であっても、アノード電極と電界放出素子との間に形成される静電容量に基づき生じたエネルギーによって、抵抗体層やアノード電極、冷陰極電界電子放出素子を構成する部材に損傷が発生することを確実に抑制することができる。あるいは又、抵抗体層の厚さtRと、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間の静電容量Cと、アノード電極への印加電圧VAとの関係を規定することによって、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間で放電が生じた場合であっても、アノード電極と電界放出素子との間に形成される静電容量に基づき生じたエネルギーによって、抵抗体層やアノード電極、冷陰極電界電子放出素子を構成する部材に損傷が発生することを確実に抑制することができる。しかも、抵抗体層を設けることによって、放電電流のピーク値の低減を図ることができる。
【0051】
更には、アノード電極を、有効領域のほぼ全面に亙って形成する代わりに、より小さい面積を有するアノード電極ユニットに分割した形式とすれば、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極ユニットとの間の静電容量を小さくすることができる結果、抵抗体層の厚さを薄くすることが可能となる。更には、アノード電極と電界放出素子との間に形成される静電容量に基づき生じたエネルギーを低減することができる結果、放電によるアノード電極における損傷の大きさをより一層小さくすることが可能となる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、発明の実施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発明を説明する。
【0053】
(実施の形態1)
実施の形態1は、本発明の第1の態様及び第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置(以下、単に、表示装置と略称する)に関する。
【0054】
実施の形態1の表示装置の模式的な一部端面図を図1に示し、カソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図を図2に示す。尚、図1においては、スペーサの図示を省略しており、図2においては、隔壁、スペーサ及び抵抗体層、並びに、収束電極及び絶縁膜の図示を省略している。
【0055】
実施の形態1の表示装置は、カソード電極11、ゲート電極13、収束電極15及び電子放出部17を有する冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ)を複数備えたカソードパネルCPとアノードパネルAPとがそれらの周縁部で枠体40を介して接合されて成る。
【0056】
アノードパネルは、基板30、基板30上に形成された蛍光体層31(赤色発光蛍光体層31R,緑色発光蛍光体層31G,青色発光蛍光体層31B)、蛍光体層31上に形成されたアノード電極35、及び、アノード電極35上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層36から構成されている。ここで、アノード電極35はアルミニウム薄膜から構成されており、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する。また、抵抗体層36は厚さtR=0.2μmのITOから構成されており、アノード電極35全体の上に形成されている。
【0057】
蛍光体層31と蛍光体層31との間の基板30上にはブラックマトリックス32が形成されている。また、ブラックマトリックス32の上には隔壁33が形成されている。アノードパネルAPにおける隔壁33、スペーサ34及び蛍光体層31の配置例を、図3〜図6の配置図に模式的に示す。隔壁33の平面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1サブピクセルに相当する、例えば平面形状が略矩形の蛍光体層31の四方を取り囲む形状(図3及び図4参照)、あるいは、略矩形の(あるいはストライプ状の)蛍光体層31の対向する二辺と平行に延びる帯状形状(ストライプ形状)を挙げることができる(図5及び図6参照)。尚、蛍光体層31を、図3〜図6の上下方向に延びるストライプ状とすることもできる。隔壁33の一部は、スペーサ34を保持するためのスペーサ保持部としても機能する。
【0058】
図1に示した電界放出素子は、円錐形の電子放出部を有する、所謂スピント(Spindt)型電界放出素子と呼ばれるタイプの電界放出素子である。この電界放出素子は、
(a)支持体10上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極11と、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、
(c)絶縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極13と、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12上に形成された絶縁膜14と、
(e)絶縁膜14上に形成された収束電極15と、
(f)収束電極15、絶縁膜14、ゲート電極13及び絶縁層12に形成された開口部16(収束電極15及び絶縁膜14に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16B、及び、絶縁層12に設けられた開口部16C)、並びに、
(g)開口部の底部に露出した電子放出部17、
から構成されている。
【0059】
電子放出部17は、具体的には、開口部16Cの底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部から構成されている。また、収束電極15は、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する。収束電極15に設けられた開口部16Aは、各冷陰極電界電子放出素子毎に設けられている。
【0060】
一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極の射影像が互いに直交する方向に各々ストライプ状に形成されており、これらの両電極の射影像が重複する領域(1サブピクセルの領域に相当する。この領域を、以下、重複領域あるいは電子放出領域と呼ぶ)に、複数の電界放出素子が設けられている。更に、かかる電子放出領域が、カソードパネルCPの有効領域(実際の表示部分として機能する領域)内に、通常、2次元マトリックス状に配列されている。
【0061】
アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体40とによって囲まれた空間は真空となっている。尚、アノードパネルAP及びカソードパネルCPには大気によって圧力が加わる。そして、この圧力によって表示装置が破損しないように、アノードパネルAPとカソードパネルCPとの間には、高さが例えば1mm程度のスペーサ34が配置されている。
【0062】
1画素(1ピクセル)は、カソードパネル側のカソード電極11とゲート電極13との3つの重複領域に設けられた電界放出素子の一群と、これらの3つの重複領域に対面したアノードパネル側の蛍光体層31(1つの赤色発光単位蛍光体層31R、1つの緑色発光単位蛍光体層31G、及び、1つの青色発光単位蛍光体層31Bの集合)とによって構成されている。有効領域には、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。また、1画素(1ピクセル)は3つのサブピクセルから構成され、各サブピクセルは、カソードパネル側のカソード電極11とゲート電極13との1つの重複領域に設けられた電界放出素子の一群と、これらの1つの重複領域に対面したアノードパネル側の蛍光体層31(1つの赤色発光単位蛍光体層31R、1つの緑色発光単位蛍光体層31G、あるいは、1つの青色発光単位蛍光体層31B)によって構成されている。
【0063】
アノードパネルAPとカソードパネルCPとを、電子放出領域と蛍光体層31とが対向するように配置し、周縁部において枠体40を介して接合することによって、表示装置を作製することができる。有効領域を包囲し、画素を選択するための周辺回路が形成された無効領域には、真空排気用の貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫通孔には真空排気後に封じ切られたチップ管(図示せず)が接続されている。即ち、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体40とによって囲まれた空間は真空となっている。
【0064】
カソード電極11には相対的に負の電圧VCがカソード電極制御回路41から印加され、ゲート電極13には相対的に正の電圧VGがゲート電極制御回路42から印加され、収束電極15には相対的に負の電圧VFが収束電極制御回路42から印加され、アノード電極35にはゲート電極13よりも更に高い正の電圧VAがアノード電極制御回路44から印加される。かかる表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路41から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路42からビデオ信号を入力する。あるいは、これとは逆に、カソード電極11にカソード電極制御回路41からビデオ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路42から走査信号を入力してもよい。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部17から電子が放出され、この電子がアノード電極35に引き付けられ、蛍光体層31に衝突する。その結果、蛍光体層31が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧、及び、カソード電極11を通じて電子放出部17に印加される電圧によって制御される。
【0065】
抵抗体層36が設けられていない従来の表示装置において、アノード電極35と収束電極15との間で放電が生じたときの等価回路を、図27に示す。
【0066】
ここで、アノード電極35には、過電流や放電を防止するための抵抗素子RAを介して正の電圧VA(10キロボルト)がアノード電極制御回路44から印加されているとした。また、収束電極15は、1キロΩの抵抗素子RFを介して電圧VF(=0ボルト)が収束電極制御回路42から印加されているとした。尚、抵抗素子RA,RFは、表示装置の外部に配置されている。更には、電界放出素子(より具体的には、収束電極15)とアノード電極35との間の静電容量Cは70pFである。更には、放電電流パスに沿った電気抵抗値RD(具体的には、アルミニウムから成るアノード電極35及び収束電極15の電気抵抗値)は0.1Ωである。尚、アノード電極35の大きさを130mm×100mmとした。
【0067】
そして、RA=100キロΩ及びRA=1キロΩとしたときの放電電流iを計算にて求めた結果を図28及び図29に示す。尚、計算においては、インダクタンス成分を無視した。図28及び図29の比較から、放電電流iは、抵抗素子RA,RFを殆ど流れず、矢印に示すように、アノード電極35、放電電流パス、収束電極15、静電容量Cから構成された閉じた系を流れ、そして、消滅することが判る。
【0068】
厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層36の蒸発に必要とされる総計エネルギーQと、アノード電極と電界放出素子との間に形成される静電容量Cに基づき生じたエネルギー[以下、放電エネルギーと呼び、(1/2)C・VA 2である]との関係、並びに、厚さtR(単位:μm)の抵抗体層36と放電エネルギー(1/2)C・VA 2との関係について、説明を行う。
【0069】
放電電流パス中に放電電流制御用の抵抗体層36を形成したときの放電状態を模式的に図7に示し、図1に示したように、抵抗体層36が設けられている場合のアノード電極35と収束電極15との間で放電が生じたときの等価回路を図8に示す。
【0070】
例えば、アルミニウムから成るアノード電極35において、概ね、1サブピクセルに相当する面積の部分が、アノード電極35と収束電極15との間での放電によって蒸発しなければ、表示装置の表示機能に致命的な問題は生じないと考えられる。従って、抵抗体層36においても、概ね、1サブピクセルに相当する面積の部分が、アノード電極35と収束電極15との間での放電によって蒸発しなければ、表示装置の表示機能に致命的な問題は生じないと考えられる。
【0071】
即ち、放電エネルギー(1/2)C・VA 2[ここで、Cは電界放出素子とアノード電極との間の静電容量(単位:F)であり、VAはアノード電極35への印加電圧(単位:V)]が、面積π×rR 2(単位:mm2)、厚さtR(単位:μm)の抵抗体層36の蒸発に必要とされる総計エネルギーQを超えなければ、抵抗体層36に損傷は発生しないと云える。即ち、以下の式(1)を満足していればよい。
【0072】
Q>(1/2)C・VA 2 (1)
【0073】
ここで、抵抗体層36の蒸発に必要とされる総計エネルギーQは、抵抗体層36を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
で表すことができる。
【0074】
また、抵抗体層36を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
で表すことができる。
【0075】
但し、
rR :抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)、あるいは又、抵抗体層が蒸発しても表示装置の表示機能に問題が生じない抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)、あるいは又、1サブピクセルに相当する領域に該当する抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)
dR :抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
Cm_S:固体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TL :抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
QS_L:抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
Cm_L:液体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TG :抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
である。また、抵抗体層36を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1)
であり、抵抗体層36を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱と溶解熱の和(J・g−1)
である。
【0076】
抵抗体層36をカーボンから構成する場合、カーボンは固相から直接蒸発するので、
dR : 2.3(g・cm−3)
Cm_S: 6 (J・mol−1・K−1)
Tr : 30 (゜C)
TG :3400 (゜C)
QL_G: 350 (kJ・mol−1)
である。
【0077】
従って、カーボンから成る抵抗体層36の蒸発に必要とされる総計エネルギーQは、以下の式(5)のとおりとなる。但し、rR及びtRの単位は、それぞれ、mm及びμmである。
【0078】
Q=7.10×10−2×π×rR 2×tR(J) (5)
【0079】
ここで、C=70pF、VA=10キロボルトとすれば、式(1)及び式(5)から、以下の式(6)が求まる。
【0080】
π×rR 2×tR>4.93×10−2 (6)
【0081】
更には、π×rR 2=0.04mm2(この面積は、概ね、1サブピクセルに相当する面積である)とすれば、式(6)から、抵抗体層36の厚さtRは、以下の式(7)を満足すればよい。
【0082】
tR>1.2(μm) (7)
【0083】
また、アノード電極35を10個のアノード電極ユニットに分割したとすれば、C=7pFであり、抵抗体層36の厚さtRは、tR>0.12(μm)を満足すればよい。
【0084】
更には、式(5)にπ×rR 2=0.04mm2を代入すると、式(1)から以下の式(8)が得られる。
【0085】
2.84×10−3×tR>(1/2)C・VA 2 (8)
【0086】
一方、放電電流制御用の抵抗体層36をITOから構成する場合、比較的体積抵抗率の高いITOは、SnO2の含有率が100%に近いので、その物性値はSnO2にほぼ等しいとみなすことができる。それ故、ITOの以下の物性値を、以下のSnO2の物性値で代用する。尚、ITOは固相から液相を経て蒸発する。
【0087】
dR : 6.4(g・cm−3)
Cm_S: 53 (J・mol−1・K−1)
TL :1130 (゜C)
Tr : 30 (゜C)
QS_L: 48 (kJ・mol−1)
Cm_L: 53 (J・mol−1・K−1)
TG :1850 (゜C)
QL_G: 314 (kJ・mol−1)
【0088】
従って、ITOから成る抵抗体層36の蒸発に必要とされる総計エネルギーQは、以下の式(9)のとおりとなる。但し、rR及びtRの単位は、それぞれ、mm及びμmである。
【0089】
Q=1.94×10−2×π×rR 2×tR(J) (9)
【0090】
ここで、C=70pF、VA=10キロボルトとすれば、式(1)及び式(9)から、以下の式(10−1)が求まり、アノード電極を10のアノード電極ユニットに分割し、C=7pF、VA=10キロボルトとすれば、式(1)及び式(9)から、以下の式(10−2)が求まる。
【0091】
π×rR 2×tR>1.8×10−1 (10−1)
π×rR 2×tR>1.8×10−2 (10−2)
【0092】
更には、π×rR 2=0.04mm2とすれば、式(10−1)、式(10−2)から、抵抗体層36の厚さtRは、以下の式(11−1)、式(11−2)を満足すればよい。
【0093】
tR>4.5 (μm) (11−1)
tR>0.45(μm) (11−2)
【0094】
また、式(9)にπ×rR 2=0.04mm2を代入すると、式(1)から以下の式(12)が得られる。
【0095】
7.8×10−4×tR>(1/2)C・VA 2 (12)
【0096】
以上の結果として、放電電流制御用の抵抗体層36の厚さのばらつきを考慮すると、式(8)及び式(12)から、抵抗体層36の厚さtR(単位:μm)は、以下の式(2)を満足すればよいことが判る。
【0097】
tR×10−2>(1/2)C・VA 2 (2)
【0098】
尚、式(2)は、放電電流制御用の抵抗体層36を構成する材料の体積抵抗率に依存せず、dR,Cm_S,TL,QS_L,Cm_L,TG,QL_Gといった物性値に依存する。
【0099】
そして、放電電流制御用の抵抗体層36の厚さtRを式(2)のように規定することによって、アノード電極35と収束電極15との間で放電が生じた場合であっても、0.04mm2を越える面積の抵抗体層36の領域に損傷が生じることを抑制することができるし、更には、アノード電極35に損傷が生じることを抑制することもできる。
【0100】
例えば、アルミニウムから成るアノード電極35において、π×r0 2=0.04mm2の面積(この面積は、先に述べたように、概ね、1サブピクセルに相当する面積である)の部分が、アノード電極35と収束電極15との間での放電によって蒸発しなければ、表示装置の表示機能に致命的な問題は生じないと考えられる。
【0101】
それ故、以下、このようなアノード電極35の蒸発を抑制するために要求される抵抗体層36の電気抵抗値について、説明を行う。尚、収束電極15についても、同様の説明とすることができる。
【0102】
アノード電極35あるいは収束電極15において、放電電流iによって発生する放電電流エネルギーE(r0)は、以下の式から求めることができる。
【0103】
即ち、放電点を原点として、半径rの所に位置する微小領域(半径方向の幅Δr)において発生する放電電流エネルギーΔEは、以下の式(13−1)で表すことができる。但し、
ρ0:アノード電極あるいは収束電極の体積抵抗率(Ω・m)
s0:アノード電極あるいは収束電極の厚さ
である。
【0104】
【0105】
そして、半径rに関して、(D/2)からr0まで積分すると、以下の式(13−2)が得られる。ここで、
r0:アノード電極あるいは収束電極が放電によって損傷を受ける領域の半径(μm)
D:放電によって生じたプラズマの直径(μm)
である。
【0106】
E(r0)=ρ0・(2πs0)−1・ln(2r0/D)・∫i2dt (13−2)
【0107】
先に述べたように、例えば、アルミニウムから成るアノード電極35において、π×r0=0.04mm2の面積(この面積は、概ね、1サブピクセルに相当する面積である)の部分が、アノード電極35と収束電極15との間での放電によって蒸発しなければ、表示装置の表示機能に致命的な問題は生じないと考えられる。
【0108】
それ故、アルミニウムから成るアノード電極35において、π×r0=0.04mm2の面積の部分が、アノード電極35と収束電極15との間での放電によって蒸発するときのエネルギーを、以下、算出する。尚、算出においては、以下の表1に示す値を基礎とする。尚、アノード電極の厚さを1μm(=s0)と仮定しているが、蛍光体層の上以外の部分においては、アノード電極の厚さがこの程度の厚さとなることが屡々ある。
【0109】
[表1]
アノード電極の厚さ :1μm(=s0)
溶融面積 :0.04mm2(=π×r0)
アルミニウムの密度 :2.7g・cm−3
アルミニウムの融点 :660゜C
アルミニウムの沸点 :2060゜C
アルミニウムの比熱 :0.214cal・g−1・K−1
アルミニウムの溶解熱:94.6cal・g−1
アルミニウムの気化熱:293kJ・mol−1=10850J・g−1
【0110】
溶融するアルミニウムの質量MAl(単位:グラム)、室温(30゜C)からアルミニウムが融点(660゜C)に達するまでに必要なエネルギーQMELT(単位:ジュール)、溶融に必要とされるエネルギーQLiq(単位:ジュール)、融点(660゜C)から沸点(2060゜C)に達するまでに必要とされるエネルギーQBiol(単位:ジュール)、気化に必要とされるエネルギーQEvap、蒸発に必要とされる総計エネルギーQTotalは、以下のとおりである。尚、QBiolにおけるアルミニウムの比熱を、便宜上、固体状態における比熱としている。
【0111】
【0112】
アノード電極35と電界放出素子との間での放電時にアノード電極35において発生するエネルギーの積算値が、上記で例示される総計エネルギーQTotalの値を越えなければ、アノード電極35に局所的な蒸発が発生することはないと云える。即ち、アノード電極35の1サブピクセルに相当する部分が蒸発することはないと云える。尚、アノード電極35をモリブデン(Mo)から構成した場合の総計エネルギーQTotalは、2.7×10−3(J)である。
【0113】
即ち、総計エネルギーQTotalとE(r0)が、以下の式(14)の関係を満足すれば、厚さs0=1μmのアルミニウムから成るアノード電極35に局所的な蒸発が発生することはないと云える。
【0114】
E(r0)<QTotal=1.41×10−3 (14)
【0115】
ここで、アノード電極35を厚さs0=1μmのアルミニウムから構成する場合、ρ=2.7×10−8Ω・mであり、放電によって生じたプラズマの半径Dは高々数十μmであるので、式(14)は具体的には式(15)で表すことができる。また、π×r0=0.04mm2であるので、r0=0.11mmである。
【0116】
∫i2dt<1.1×10−1 (15)
【0117】
図8に示した等価回路において、アノード電極35には、100キロΩの抵抗素子RAを介して正の電圧VA(10キロボルト)がアノード電極制御回路44から印加されているとした。また、収束電極15は、1キロΩの抵抗素子RFを介して電圧VF(=0ボルト)が収束電極制御回路42から印加されているとした。尚、抵抗素子RA,RFは、表示装置の外部に配置されている。更には、電界放出素子(より具体的には、収束電極15)とアノード電極35との間の静電容量Cは70pFである。更には、放電電流パスに沿った電気抵抗値RD(具体的には、アルミニウムから成るアノード電極35及び収束電極15の電気抵抗値)は0.1Ωである。尚、アノード電極35の大きさを130mm×100mmとした。
【0118】
そして、放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値Rを0.9Ωとしたときの放電電流を計算にて求めた結果を図9に示す。この図9のグラフから、式(15)の左辺の放電電流iの積分値を求めることができる。
【0119】
以下の表2に、放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値Rを種々の値としたときの式(15)の左辺の放電電流iの積分値∫i2dtを同様に求めた結果を示す。
【0120】
【0121】
表2の結果から、以下の式(16)が求まる。
【0122】
∫i2dt=(RD+R)−1.023/260 (16)
【0123】
式(16)から、電気抵抗値(R+RD)の値が0.36Ωを超えていれば、即ち、放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値Rの値が0.26Ωを超えていれば、アノード電極35を厚さ1μmのアルミニウムから構成したときの式(15)を満足することが判る。ここで、放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値Rの値は、放電電流制御用の抵抗体層36を構成する材料、厚さ(tR)を適宜選択することで制御することができる。尚、電気抵抗値RD(具体的には、アルミニウムから成るアノード電極35及び収束電極15の電気抵抗値)は、アノード電極35の中心部とアノード電極35の周辺部との間の平均電気抵抗値、及び、収束電極15の中心部と収束電極15の周辺部との間の平均電気抵抗値の合計値とすればよい。また、放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値Rは、抵抗体層36を許容ダメージの面積(例えば、1サブピクセル分の面積)で切り取った部分の表裏間の電気抵抗値とすればよい。
【0124】
また、図9と図28、図29の比較から、放電電流制御用の抵抗体層36を設けることによって、放電電流のピーク値が激減していることが判る。このように、放電電流制御用の抵抗体層36を設けることによって放電電流のピーク値が0.1倍程度に低下する結果、電界放出素子を構成する部材やアノード電極に損傷が発生することを一層確実に抑制することができる。
【0125】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1の変形である。実施の形態2の表示装置の模式的な一部端面図を図10に示す。尚、カソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図は、基本的には、図2に示したと同様である。
【0126】
実施の形態2の表示装置にあっては、カソードパネルCPに設けられた電界放出素子は、厚さ1μmのアルミニウムから成る収束電極15上に第2の抵抗体層18Aが形成されていることを除き、実施の形態1にて説明した電界放出素子と同様の構造を有する。第2の抵抗体層18Aは、厚さt’R=0.2μmのITOから構成されている。収束電極15は、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する。収束電極15に設けられた開口部16Aは、各冷陰極電界電子放出素子毎に設けられている。
【0127】
そして、実施の形態2においては、以下の式(1’)を満足している。ここで、
C’:収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
VA :アノード電極への印加電圧(V)
である。
【0128】
Q’>(1/2)C’・VA 2 (1’)
【0129】
但し、第2の抵抗体層18Aを構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
である。
【0130】
一方第2の抵抗体層18Aを構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
である。
【0131】
ここで、
r’R :第2の抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)、あるいは又、第2の抵抗体層が蒸発しても表示装置の表示機能に問題が生じない第2の抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)、あるいは又、1サブピクセルに相当する領域に該当する第2の抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)
d’R :第2の抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
C’m_S:固体状態における第2の抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
T’L :第2の抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
Q’S_L:第2の抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
C’m_L:液体状態における第2の抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
T’G :第2の抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
である。また、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
Q’L_G:第2の抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1)
であり、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
Q’L_G:第2の抵抗体層を構成する材料の気化熱と溶解熱の和(J・g−1)
である。
【0132】
あるいは又、以下の式(2’)を満足している。
【0133】
t’R×10−2>(1/2)C’・VA 2 (2’)
【0134】
放電電流制御用の第2の抵抗体層18Aの電気抵抗値Rに関する説明、式(1’)及び式(2’)に関する説明は、実施の形態1における放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値R、式(1)及び式(2)に関する説明と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0135】
(実施の形態3)
実施の形態3は、本発明の第3の態様及び第4の態様に係る表示装置に関する。
【0136】
実施の形態3の表示装置の模式的な一部端面図を図11に示す。尚、カソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図は、基本的には、図2に示したと同様である。
【0137】
実施の形態3の表示装置も、カソード電極11、ゲート電極13、収束電極15及び電子放出部17を有する電界放出素子を複数備えたカソードパネルCPとアノードパネルAPとがそれらの周縁部で枠体40を介して接合されて成る。
【0138】
アノードパネルは、抵抗体層36が形成されていないことを除き、実施の形態1にて説明したアノードパネルAPと同様の構造を有するので、詳細な説明は省略する。
【0139】
また、カソードパネルCPに設けられた電界放出素子は、厚さ1μmのアルミニウムから成る収束電極15上に抵抗体層18が形成されていることを除き、実施の形態1にて説明した電界放出素子と同様の構造を有するので、詳細な説明は省略する。抵抗体層18は、厚さtR=0.2μmのITOから構成されている。また、収束電極15は、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する。収束電極15に設けられた開口部16Aは、各冷陰極電界電子放出素子毎に設けられている。
【0140】
そして、実施の形態3においては、以下の式(3)を満足している。
【0141】
Q>(1/2)C・VA 2 (3)
【0142】
但し、
であり、
C :収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
VA :アノード電極への印加電圧(V)
rR :抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)、あるいは又、抵抗体層が蒸発しても表示装置の表示機能に問題が生じない抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)、あるいは又、1サブピクセルに相当する領域に該当する抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)
dR :抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
Cm_S:固体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TL :抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
QS_L:抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
Cm_L:液体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TG :抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1)
である。
【0143】
あるいは又、以下の式(4)を満足している。
【0144】
tR×10−2>(1/2)C・VA 2 (4)
【0145】
ここで、
C :収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
VA:アノード電極への印加電圧(V)
である。
【0146】
放電電流制御用の抵抗体層18の電気抵抗値Rに関する説明、式(3)及び式(4)に関する説明は、実施の形態1における放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値R、式(1)及び式(2)に関する説明と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0147】
(実施の形態4)
実施の形態4は、実施の形態1〜実施の形態3の変形である。実施の形態4にあっては、アノード電極は、N個(但し、N≧2)のアノード電極ユニット35Aから構成されており、前記Cは、電界放出素子(より具体的には、収束電極15)とアノード電極ユニット35Aとの間の静電容量(単位:F)である。
【0148】
アノード電極の模式的な平面図を図12に示し、図12の線A−Aに沿ったアノードパネルAPの模式的な一部端面図を図13の(A)に示し、図12の線B−Bに沿ったアノードパネルAPの模式的な一部端面図を図13の(B)に示す。尚、図12及び図13においては、抵抗体層36の図示を省略した。
【0149】
アノード電極は、全体として、矩形の有効領域(大きさ:70mm×110mm)を覆う形状を有し、アルミニウム薄膜から構成されている。そして、アノード電極は、実施の形態4においては200個のアノード電極ユニット35Aから構成されている。直線状に配列された単位蛍光体層31の列の総数nとNとの関係は、n=20Nである。
【0150】
アノード電極ユニット35Aの大きさは、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子(より具体的には、収束電極15)との間に形成される静電容量Cに基づき生じたエネルギー(以下、発生エネルギーと呼ぶ)によってアノード電極ユニット35Aが局所的に蒸発しない大きさ(より具体的には、この発生エネルギーによってアノード電極ユニット35Aの1サブピクセルに相当する部分が蒸発しない大きさ)である。具体的には、アノード電極ユニット35Aの外形形状は矩形であり、大きさ(面積SAU)を0.33mm×110mmとした。尚、図12においては、図面を簡素化するために、4つのアノード電極ユニット35Aを図示した。
【0151】
N個のアノード電極ユニット35Aのそれぞれは、1本の給電線50を介してアノード電極制御回路44に接続されている。給電線50も、例えばアルミニウム薄膜から構成されている。アノード電極制御回路44と給電線50との間には、抵抗素子RA(図示した例では電気抵抗値100キロΩ)が配設されている。この抵抗素子RAは、表示装置の外部に配置されている。各アノード電極ユニット35Aと給電線50との間には隙間51が設けられており、各アノード電極ユニット35Aと給電線50とは、抵抗部材52を介して接続されている。抵抗部材52を、アモルファスシリコンから成る抵抗体薄膜から構成した。抵抗部材52は、アノード電極ユニット35Aと給電線50との間を跨るように、隙間51の上に形成されている。抵抗部材52の電気抵抗値(r1)は、約30キロΩである。
【0152】
実施の形態4の表示装置においては、アノード電極ユニット35Aと収束電極15との間の距離をL(単位:mm)、アノード電極ユニット35Aの面積をSAU(単位:mm2)としたとき、
(VA/7)2×(SAU/L)≦2250
更には、
(VA/7)2×(SAU/L)≦450
を満足している。具体的には、Lの値は1.0mmであり、SAUの値は36.3mm2である。
【0153】
尚、アノード電極ユニット35Aは、基板30、隔壁33上及び蛍光体層31上に形成されているが故に、アノード電極ユニット35Aには凹凸が存在し、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間の距離Lは一定でない。それ故、アノード電極ユニットと電界放出素子との間の最短距離、即ち、具体的には、隔壁33上のアノード電極ユニット35Aと電界放出素子(より具体的には、収束電極15)との間の距離をLとする。
【0154】
抵抗体層18,36が設けられていない場合の、アノード電極ユニット35Aと収束電極15との間で放電が発生したときの等価回路を図14に示す。尚、図14においては、3つのアノード電極ユニットを図示した。アノード電極ユニット35Aと収束電極15との間での放電によって電流iが流れるが、このときのアノード電極ユニット35Aと収束電極15の電気抵抗値の合計値RDを0.2Ωとした。また、SAUの値を9000mm2、3000mm2、450mm2としたときのアノード電極ユニット35Aと収束電極15とによって形成される静電容量Cの値を、それぞれ、60pF、20pF、3pFとした。更には、VAを7キロボルトとした。SAUの値を9000mm2、3000mm2、450mm2としたときの、シミュレーションにて得られたアノード電極ユニット35Aを流れる電流Iの変化、及び、アノード電極ユニット35Aにおける発生エネルギーを、それぞれ、図15及び図16に示す。尚、図15及び図16において、曲線AはSAUの値が9000mm2のときの値を示し、曲線BはSAUの値が3000mm2のときの値を示し、曲線CはSAUの値が450mm2のときの値を示す。更には、発生エネルギーの積算値(放電が発生してから1ナノ秒までの積算値である)は、以下の表3のとおりとなった。尚、SAUの値を2250mm2としたときのアノード電極ユニット35Aと収束電極15とによって形成される静電容量Cの値を15pFとし、VAを7キロボルトとしてシミュレーションを行ったときの発生エネルギーの積算値を、更に、以下の表3に示す。
【0155】
【0156】
アノード電極ユニット35Aの面積SAUが9000mm2及び3000mm2では、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間での放電時の発生エネルギーの積算値の値が実施の形態1にて説明したQTotal(1.41×10−3J)を越えている。一方、アノード電極ユニット35Aの面積が2250mm2以下では、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間での放電時の発生エネルギーの積算値の値がQTotalを越えることはない。従って、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間での放電時の発生エネルギーによって、アノード電極ユニット35Aが局所的に(より具体的には、1サブピクセルに相当する大きさに亙って)破損することはない。具体的には、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間での放電に起因してアノード電極ユニット35Aが局所的に(より具体的には、1サブピクセルに相当する大きさに亙って)蒸発することはない。
【0157】
ところで、一般に、容量cのコンデンサに蓄積されるエネルギーは、(1/2)cV2で表される。コンデンサの対向電極の面積をS、電極間の距離をLとしたとき、コンデンサの容量cは、ε(S/L)で表される。従って、対向電極の面積がSAU、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間の距離がLのとき、以下の式を満足すれば、コンデンサの対向電極に相当するアノード電極ユニット35Aに局所的に(より具体的には、1サブピクセルに相当する大きさに亙って)損傷は生じないことになる。
【0158】
ε(1/2)(SAU/L)VA 2≦ε(1/2)[2250/1]72
【0159】
上式を変形すれば、
(VA/7)2×(SAU/L)≦2250
が得られる。
【0160】
(各種の電界放出素子に関して)
以下、各種の電界放出素子及びその製造方法を説明するが、収束電極15上への抵抗体層18の形成に関する記載は省略した。抵抗体層18は、例えば電界放出素子を作製した後、例えば斜めスパッタリング法にて形成することができる。
【0161】
実施の形態においては、電界放出素子として、スピント型(円錐形の電子放出部が、開口部16の底部に位置するカソード電極11上に設けられた電界放出素子)を説明したが、その他、例えば、扁平型(略平面状の電子放出部が、開口部16の底部に位置するカソード電極11上に設けられた電界放出素子)とすることもできる。尚、これらの電界放出素子を、第1の構造を有する電界放出素子と呼ぶ。
【0162】
あるいは又、
(a)支持体上に設けられた、第1の方向に延びるストライプ状のカソード電極と、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層と、
(c)絶縁層上に設けられ、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲート電極と、
(d)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜と、
(e)絶縁膜上に形成された収束電極と、
(f)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(g)開口部の底部に露出した電子放出部、
から成り、
開口部の底部に露出したカソード電極の部分が電子放出部に相当し、かかる開口部の底部に露出したカソード電極の部分から電子を放出する構造を有する電界放出素子とすることもできる。
【0163】
このような構造を有する電界放出素子として、平坦なカソード電極の表面から電子を放出する平面型電界放出素子を挙げることができる。尚、この電界放出素子を第2の構造を有する電界放出素子と呼ぶ。
【0164】
スピント型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、タングステン、タングステン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリコン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げることができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法によって形成することができる。
【0165】
扁平型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ましく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソード電極を構成する代表的な材料として、タングステン(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.87eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95eV)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例示することができる。電子放出部は、これらの材料よりも小さい仕事関数Φを有していることが好ましく、その値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、BaO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.25〜1.6eV)、Y2O3(Φ=2.0eV)、CaO(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが2eV以下である材料から電子放出部を構成することが、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0166】
あるいは又、扁平型電界放出素子において、電子放出部を構成する材料として、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0167】
扁平型電界放出素子にあっては、特に好ましい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的にはダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチューブ構造体を挙げることができる。電子放出部をこれらから構成する場合、5×107V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出電子電流密度を得ることができる。また、ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子放出部から得られる放出電子電流を均一化することができ、よって、表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制が可能となる。更に、これらの材料は、表示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対して極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命化を図ることができる。
【0168】
カーボン・ナノチューブ構造体として、具体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はカーボン・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的には、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノファイバーから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとカーボン・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成してもよい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状であってもよいし、場合によっては、カーボン・ナノチューブ構造体は円錐状の形状を有していてもよい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーは、周知のアーク放電法やレーザアブレーション法といったPVD法、プラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法によって製造、形成することができる。
【0169】
扁平型電界放出素子を、バインダー材料にカーボン・ナノチューブ構造体を分散させたものをカソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、バインダー材料の焼成あるいは硬化を行う方法(より具体的には、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等の有機系バインダー材料や銀ペースト、水ガラス等の無機系バインダー材料にカーボン・ナノチューブ構造体を分散したものを、カソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、溶媒の除去、バインダー材料の焼成・硬化を行う方法)によって製造することもできる。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形成方法と呼ぶ。塗布方法として、スクリーン印刷法を例示することができる。
【0170】
あるいは又、扁平型電界放出素子を、カーボン・ナノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布した後、金属化合物を焼成する方法によって製造することもでき、これによって、金属化合物に由来した金属原子を含むマトリックスにてカーボン・ナノチューブ構造体がカソード電極表面に固定される。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体の第2の形成方法と呼ぶ。マトリックスは、導電性を有する金属酸化物から成ることが好ましく、より具体的には、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム−錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、又は、酸化アンチモン−錫から構成することが好ましい。焼成後、各カーボン・ナノチューブ構造体の一部分がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできるし、各カーボン・ナノチューブ構造体の全体がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできる。マトリックスの体積抵抗率は、1×10−9Ω・m乃至5×10−6Ω・mであることが望ましい。
【0171】
金属化合物溶液を構成する金属化合物として、例えば、有機金属化合物、有機酸金属化合物、又は、金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、酢酸塩)を挙げることができる。有機酸金属化合物溶液として、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解し、これを有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)で希釈したものを挙げることができる。また、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)に溶解したものを例示することができる。溶液を100重量部としたとき、カーボン・ナノチューブ構造体が0.001〜20重量部、金属化合物が0.1〜10重量部、含まれた組成とすることが好ましい。溶液には、分散剤や界面活性剤が含まれていてもよい。また、マトリックスの厚さを増加させるといった観点から、金属化合物溶液に、例えばカーボンブラック等の添加物を添加してもよい。また、場合によっては、有機溶媒の代わりに水を溶媒として用いることもできる。
【0172】
カーボン・ナノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布する方法として、スプレー法、スピンコーティング法、ディッピング法、ダイクォーター法、スクリーン印刷法を例示することができるが、中でもスプレー法を採用することが塗布の容易性といった観点から好ましい。
【0173】
カーボン・ナノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布した後、金属化合物溶液を乾燥させて金属化合物層を形成し、次いで、カソード電極上の金属化合物層の不要部分を除去した後、金属化合物を焼成してもよいし、金属化合物を焼成した後、カソード電極上の不要部分を除去してもよいし、カソード電極の所望の領域上にのみ金属化合物溶液を塗布してもよい。
【0174】
金属化合物の焼成温度は、例えば、金属塩が酸化されて導電性を有する金属酸化物となるような温度、あるいは又、有機金属化合物や有機酸金属化合物が分解して、有機金属化合物や有機酸金属化合物に由来した金属原子を含むマトリックス(例えば、導電性を有する金属酸化物)が形成できる温度であればよく、例えば、300゜C以上とすることが好ましい。焼成温度の上限は、電界放出素子あるいはカソードパネルの構成要素に熱的な損傷等が発生しない温度とすればよい。
【0175】
カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部の形成後、電子放出部の表面の一種の活性化処理(洗浄処理)を行うことが、電子放出部からの電子の放出効率の一層の向上といった観点から好ましい。このような処理として、水素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、メタンガス、エチレンガス、アセチレンガス、窒素ガス等のガス雰囲気中でのプラズマ処理を挙げることができる。
【0176】
カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極の部分の表面に形成されていればよく、開口部の底部に位置するカソード電極の部分から開口部の底部以外のカソード電極の部分の表面に延在するように形成されていてもよい。また、電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極の部分の表面の全面に形成されていても、部分的に形成されていてもよい。
【0177】
第1の構造あるいは第2の構造を有する電界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存するが、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの開口部内に1つの電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの開口部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極に複数の開口部を設け、かかる開口部と連通する1つの開口部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つの開口部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
【0178】
ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。ゲート電極における開口部の形成は、例えば、等方性エッチング、異方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成方法に依っては、開口部を直接形成することもできる。絶縁層における開口部の形成も、例えば、等方性エッチング、異方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができる。収束電極に設けられた開口部は、各冷陰極電界電子放出素子毎に設けられていてもよいし、各電子放出領域毎(各重複領域毎)に設けられていてもよい。
【0179】
第1の構造を有する電界放出素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体層を設けてもよい。あるいは又、カソード電極の表面が電子放出部に相当している場合(即ち、第2の構造を有する電界放出素子においては)、カソード電極を導電材料層、抵抗体層、電子放出部に相当する電子放出層の3層構成としてもよい。抵抗体層を設けることによって、電界放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体層を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体層の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができる。電気抵抗値は、概ね1×105〜1×107Ω、好ましくは数MΩとすればよい。
【0180】
[スピント型電界放出素子]
スピント型電界放出素子は、基本的には、先に説明したように、
(a)支持体10上に設けられ、第1の方向に延びるストライプ状のカソード電極11と、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、
(c)絶縁層12上に設けられ、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲート電極13と、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12上に形成された絶縁膜14と、
(e)絶縁膜14上に形成された収束電極15と、
(f)収束電極15、絶縁膜14、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部16(収束電極15及び絶縁膜14に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16B、並びに、絶縁層12に設けられた開口部16C)と、
(g)開口部16の底部に位置するカソード電極11上に設けられた電子放出部17、
から成り、
開口部16の底部に露出した円錐形の電子放出部17から電子が放出される構造を有する。
【0181】
以下、スピント型電界放出素子の製造方法を、カソードパネルを構成する支持体10等の模式的な一部端面図である図17の(A)、(B)及び図18の(A)、(B)を参照して説明する。
【0182】
尚、このスピント型電界放出素子は、基本的には、円錐形の電子放出部17を金属材料の垂直蒸着により形成する方法によって得ることができる。即ち、収束電極15に設けられた開口部16Aに対して蒸着粒子は垂直に入射するが、開口部16Aの開口端付近に形成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利用して、開口部16の底部に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放出部17を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオーバーハング状の堆積物の除去を容易とするために、収束電極15上に剥離層19Aを予め形成しておく方法について説明する。尚、電界放出素子の製造方法を説明するための図面においては、1つの電界放出素子のみを図示した。
【0183】
[工程−A0]
先ず、例えばガラス基板から成る支持体10の上に、例えばポリシリコンから成るカソード電極用導電材料層をプラズマCVD法にて成膜した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニングして、ストライプ状のカソード電極11を形成する。その後、全面にSiO2から成る絶縁層12をCVD法にて形成する。
【0184】
[工程−A1]
次に、絶縁層12上に、ゲート電極用導電材料層(例えば、TiN層)をスパッタ法にて成膜し、次いで、ゲート電極用導電材料層をリソグラフィ技術及びドライエッチング技術にてパターニングすることによって、ストライプ状のゲート電極13を得ることができる。ストライプ状のカソード電極11は、図面の紙面左右方向に延び、ストライプ状のゲート電極13は、図面の紙面垂直方向に延びている。
【0185】
尚、ゲート電極13を、真空蒸着法等のPVD法、CVD法、電気メッキ法や無電解メッキ法といったメッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーション法、ゾル−ゲル法、リフトオフ法等の公知の薄膜形成と、必要に応じてエッチング技術との組合せによって形成してもよい。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えばストライプ状のゲート電極を形成することが可能である。
【0186】
[工程−A2]
その後、全面に絶縁膜14を形成し、更に、絶縁膜14の上に収束電極15を形成する。
【0187】
[工程−A3]
その後、再びレジスト層を形成し、エッチングによって収束電極15及び絶縁膜14に開口部16Aを形成し、更に、ゲート電極13に開口部16Bを形成し、更に、絶縁層に開口部16Cを形成し、開口部16Cの底部にカソード電極11を露出させた後、レジスト層を除去する。こうして、図17の(A)に示す構造を得ることができる。
【0188】
[工程−A4]
次に、支持体10を回転させながら収束電極15上にニッケル(Ni)を斜め蒸着することにより、剥離層19Aを形成する(図17の(B)参照)。このとき、支持体10の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択することにより(例えば、入射角65度〜85度)、開口部16Cの底部にニッケルを殆ど堆積させることなく、収束電極15の上に剥離層19Aを形成することができる。剥離層19Aは、開口部16Aの開口端から庇状に張り出しており、これによって開口部16Aが実質的に縮径される。
【0189】
[工程−A5]
次に、全面に例えば導電材料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角3度〜10度)。このとき、図18の(A)に示すように、剥離層19A上でオーバーハング形状を有する導電材料層19Bが成長するに伴い、開口部16Aの実質的な直径が次第に縮小されるので、開口部16Cの底部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に開口部16Cの中央付近を通過するものに限られるようになる。その結果、開口部16Cの底部には円錐形の堆積物が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部17となる。
【0190】
[工程−A6]
その後、リフトオフ法にて剥離層19Aを収束電極15の表面から剥離し、収束電極15の上方の導電材料層19Bを除去する。その後、絶縁層12に設けられた開口部16Cの側壁面を等方的なエッチングによって後退させることが、ゲート電極13の開口端部を露出させるといった観点から、好ましい。尚、等方的なエッチングは、ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主エッチング種として利用するドライエッチング、あるいはエッチング液を利用するウェットエッチングにより行うことができる。エッチング液としては、例えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用いることができる。こうして、図18の(B)に示す電界放出素子を完成することができる。
【0191】
[扁平型電界放出素子(その1)]
扁平型電界放出素子は、基本的には、
(a)支持体10上に設けられ、第1の方向に延びるカソード電極11と、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、
(c)絶縁層12上に設けられ、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極13と、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12上に形成された絶縁膜14と、
(e)絶縁膜14上に形成された収束電極15と、
(f)収束電極15、絶縁膜14、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部16(収束電極15及び絶縁膜14に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16B、並びに、絶縁層12に設けられた開口部16C)と、
(g)開口部16の底部に位置するカソード電極11上に設けられた扁平状の電子放出部17A、
から成り、
開口部16の底部に露出した電子放出部17Aから電子が放出される構造を有する。
【0192】
電子放出部17Aは、マトリックス20、及び、先端部が突出した状態でマトリックス20中に埋め込まれたカーボン・ナノチューブ構造体(具体的には、カーボン・ナノチューブ21)から成り、マトリックス20は、導電性を有する金属酸化物(具体的には、酸化インジウム−錫、ITO)から成る。
【0193】
以下、電界放出素子の製造方法を、図19の(A)、(B)及び図20の(A)、(B)を参照して説明する。
【0194】
[工程−B0]
先ず、例えばガラス基板から成る支持体10上に、例えばスパッタリング法及びエッチング技術により形成された厚さ約0.2μmのクロム(Cr)層から成るストライプ状のカソード電極11を形成する。
【0195】
[工程−B1]
次に、カーボン・ナノチューブ構造体が分散された有機酸金属化合物から成る金属化合物溶液をカソード電極11上に、例えばスプレー法にて塗布する。具体的には、以下の表4に例示する金属化合物溶液を用いる。尚、金属化合物溶液中にあっては、有機錫化合物及び有機インジウム化合物は酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解された状態にある。カーボン・ナノチューブはアーク放電法にて製造され、平均直径30nm、平均長さ1μmである。塗布に際しては、支持体10を70〜150゜Cに加熱しておく。塗布雰囲気を大気雰囲気とする。塗布後、5〜30分間、支持体10を加熱し、酢酸ブチルを十分に蒸発させる。このように、塗布時、支持体10を加熱することによって、カソード電極11の表面に対してカーボン・ナノチューブが水平に近づく方向にセルフレベリングする前に塗布溶液の乾燥が始まる結果、カーボン・ナノチューブが水平にはならない状態でカソード電極11の表面にカーボン・ナノチューブを配置することができる。即ち、カーボン・ナノチューブの先端部がアノード電極の方向を向くような状態、言い換えれば、カーボン・ナノチューブを、支持体10の法線方向に近づく方向に配向させることができる。尚、予め、表4に示す組成の金属化合物溶液を調製しておいてもよいし、カーボン・ナノチューブを添加していない金属化合物溶液を調製しておき、塗布前に、カーボン・ナノチューブと金属化合物溶液とを混合してもよい。また、カーボン・ナノチューブの分散性向上のため、金属化合物溶液の調製時、超音波を照射してもよい。
【0196】
[表4]
有機錫化合物及び有機インジウム化合物:0.1〜10重量部
分散剤(ドデシル硫酸ナトリウム) :0.1〜5 重量部
カーボン・ナノチューブ :0.1〜20重量部
酢酸ブチル :残余
【0197】
尚、有機酸金属化合物溶液として、有機錫化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化インジウムが得られ、有機亜鉛化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化合物及び有機錫化合物を酸に溶解したもの用いれば、マトリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。また、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物を用いれば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を用いれば、マトリックスとして酸化インジウムが得られ、有機亜鉛化合物を用いれば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を用いれば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化合物及び有機錫化合物を用いれば、マトリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。あるいは又、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化インジウム)を用いてもよい。
【0198】
場合によっては、金属化合物溶液を乾燥した後の金属化合物層の表面に著しい凹凸が形成されている場合がある。このような場合には、金属化合物層の上に、支持体を加熱することなく、再び、金属化合物溶液を塗布することが望ましい。
【0199】
[工程−B2]
その後、有機酸金属化合物から成る金属化合物を焼成することによって、有機酸金属化合物に由来した金属原子(具体的には、In及びSn)を含むマトリックス(具体的には、金属酸化物であり、より一層具体的にはITO)20にてカーボン・ナノチューブ21がカソード電極11の表面に固定された電子放出部17Aを得る。焼成を、大気雰囲気中で、350゜C、20分の条件にて行う。こうして、得られたマトリックス20の体積抵抗率は、5×10−7Ω・mであった。有機酸金属化合物を出発物質として用いることにより、焼成温度350゜Cといった低温においても、ITOから成るマトリックス20を形成することができる。尚、有機酸金属化合物溶液の代わりに、有機金属化合物溶液を用いてもよいし、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化インジウム)を用いた場合、焼成によって塩化錫、塩化インジウムが酸化されつつ、ITOから成るマトリックス20が形成される。
【0200】
[工程−B3]
次いで、全面にレジスト層を形成し、カソード電極11の所望の領域の上方に、例えば直径10μmの円形のレジスト層を残す。そして、10〜60゜Cの塩酸を用いて、1〜30分間、マトリックス20をエッチングして、電子放出部の不要部分を除去する。更に、所望の領域以外にカーボン・ナノチューブが未だ存在する場合には、以下の表5に例示する条件の酸素プラズマエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエッチングする。尚、バイアスパワーは0Wでもよいが、即ち、直流としてもよいが、バイアスパワーを加えることが望ましい。また、支持体を、例えば80゜C程度に加熱してもよい。
【0201】
[表5]
使用装置 :RIE装置
導入ガス :酸素を含むガス
プラズマ励起パワー:500W
バイアスパワー :0〜150W
処理時間 :10秒以上
【0202】
あるいは又、表6に例示する条件のウェットエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエッチングしてもよい。
【0203】
[表6]
使用溶液:KMnO4
温度 :20〜120゜C
処理時間:10秒〜20分
【0204】
その後、レジスト層を除去することによって、図19の(A)に示す構造を得ることができる。尚、直径10μmの円形の電子放出部17Aを残すことに限定されない。例えば、電子放出部17Aをカソード電極11上に残してもよい。
【0205】
尚、[工程−B1]、[工程−B3]、[工程−B2]の順に実行してもよい。
【0206】
[工程−B4]
次に、電子放出部17A、支持体10及びカソード電極11上に絶縁層12を形成する。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、全面に、厚さ約1μmの絶縁層12を形成する。
【0207】
[工程−B5]
その後、絶縁層12上にストライプ状のゲート電極13を形成し、更に、絶縁層12及びゲート電極13上に絶縁膜14を形成し、絶縁膜14上に収束電極15を形成する。次いで、収束電極15上にマスク層22を設けた後、収束電極15及び絶縁膜14に開口部16Aを形成し、更に、ゲート電極13に開口部16Bを形成し、更に、ゲート電極13に形成された開口部16Bに連通する開口部16Cを絶縁層12に形成する(図19の(B)参照)。尚、マトリックス20を金属酸化物、例えばITOから構成する場合、絶縁層12をエッチングするとき、マトリックス20がエッチングされることはない。即ち、絶縁層12とマトリックス20とのエッチング選択比はほぼ無限大である。従って、絶縁層12のエッチングによってカーボン・ナノチューブ21に損傷が発生することはない。
【0208】
[工程−B6]
次いで、以下の表7に例示する条件にて、マトリックス20の一部を除去し、マトリックス20から先端部が突出した状態のカーボン・ナノチューブ21を得ることが好ましい。こうして、図20の(A)に示す構造の電子放出部17Aを得ることができる。
【0209】
[表7]
エッチング溶液:塩酸
エッチング時間:10秒〜30秒
エッチング温度:10〜60゜C
【0210】
マトリックス20のエッチングによって一部あるいは全てのカーボン・ナノチューブ21の表面状態が変化し(例えば、その表面に酸素原子や酸素分子、フッ素原子が吸着し)、電界放出に関して不活性となっている場合がある。それ故、その後、電子放出部17Aに対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を行うことが好ましく、これによって、電子放出部17Aが活性化し、電子放出部17Aからの電子の放出効率の一層の向上させることができる。プラズマ処理の条件を、以下の表8に例示する。
【0211】
[表8]
使用ガス :H2=100sccm
電源パワー :1000W
支持体印加電力:50V
反応圧力 :0.1Pa
支持体温度 :300゜C
【0212】
その後、カーボン・ナノチューブ21からガスを放出させるために、加熱処理や各種のプラズマ処理を施してもよいし、カーボン・ナノチューブ21の表面に意図的に吸着物を吸着させるために吸着させたい物質を含むガスにカーボン・ナノチューブ21を晒してもよい。また、カーボン・ナノチューブ21を精製するために、酸素プラズマ処理やフッ素プラズマ処理を行ってもよい。
【0213】
[工程−B7]
その後、絶縁層12に設けられた開口部16Cの側壁面を等方的なエッチングによって後退させることが、ゲート電極13の開口端部を露出させるといった観点から、好ましい。次いで、マスク層22を除去する。こうして、図20の(B)に示す電界放出素子を完成することができる。
【0214】
尚、[工程−B5]の後、[工程−B7]、[工程−B6]の順に実行してもよい。
【0215】
[扁平型電界放出素子(その2)]
扁平型電界放出素子の模式的な一部断面図を、図21の(A)に示す。この扁平型電界放出素子は、例えばガラスから成る支持体10上に形成されたカソード電極11;支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12;絶縁層12上に形成されたゲート電極13;ゲート電極13及び絶縁層12上に形成された絶縁膜14;絶縁膜14上に形成された収束電極15;収束電極15、絶縁膜14、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部16(収束電極15及び絶縁膜14に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16B、並びに、絶縁層12に設けられた開口部16C);並びに、開口部16の底部に位置するカソード電極11の部分の上に設けられた扁平の電子放出部(電子放出層17B)から成る。ここで、電子放出層17Bは、図面の紙面垂直方向に延びたストライプ状のカソード電極11上に形成されている。また、ゲート電極13は、図面の紙面左右方向に延びている。カソード電極11及びゲート電極13はクロムから成る。電子放出層17Bは、具体的には、グラファイト粉末から成る薄層から構成されている。図21の(A)に示した扁平型電界放出素子においては、カソード電極11の表面の全域に亙って、電子放出層17Bが形成されているが、このような構造に限定するものではなく、要は、少なくとも開口部16の底部に電子放出層17Bが設けられていればよい。
【0216】
[平面型電界放出素子]
平面型電界放出素子の模式的な一部断面図を、図21の(B)に示す。この平面型電界放出素子は、例えばガラスから成る支持体10上に形成されたストライプ状のカソード電極11;支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12;絶縁層12上に形成されたストライプ状のゲート電極13;ゲート電極13及び絶縁層12上に形成された絶縁膜14;絶縁膜14上に形成された収束電極15;収束電極15、絶縁膜14、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部16(収束電極15及び絶縁膜14に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16B、並びに、絶縁層12に設けられた開口部16C)から成る。開口部16の底部にはカソード電極11が露出している。カソード電極11は、図面の紙面垂直方向に延び、ゲート電極13は、図面の紙面左右方向に延びている。カソード電極11及びゲート電極13はクロム(Cr)から成り、絶縁層12はSiO2から成る。ここで、開口部16の底部に露出したカソード電極11の部分が電子放出部17Cに相当する。
【0217】
[アノードパネル及び表示装置の製造方法]
以下、基板等の模式的な一部断面図である図22の(A)〜(F)を参照して、アノードパネルAPの製造方法を説明する。
【0218】
[工程−100]
先ず、ガラス基板から成る基板30上に隔壁33を形成する(図22の(A)参照)。隔壁33の平面形状は格子形状(井桁形状)である。具体的には、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着色した鉛ガラス層を約50μmの厚さで形成した後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によって鉛ガラス層を選択的に加工することにより、格子形状(井桁形状)の隔壁33(例えば図3を参照)を得ることができる。尚、場合によっては、低融点ガラスペーストをスクリーン印刷法にて基板30上に印刷し、次いで、かかる低融点ガラスペーストを焼成することによって隔壁を形成してもよいし、感光性ポリイミド樹脂層を基板30の全面に形成した後、かかる感光性ポリイミド樹脂層を露光、現像することによって、隔壁を形成してもよい。1画素における隔壁33の大きさを、およそ、縦×横×高さが200μm×100μm×50μmとした。隔壁の一部は、スペーサ34を保持するためのスペーサ保持部としても機能する。尚、隔壁33の形成前に、隔壁33を形成すべき基板30の部分の表面にブラックマトリックス(図22には図示せず)を形成することが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。
【0219】
[工程−110]
次に、赤色発光蛍光体層31Rを形成するために、例えばポリビニルアルコール(PVA)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラリーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体スラリーを乾燥する。その後、基板30側から赤色発光蛍光体層31Rを形成すべき赤色発光蛍光体スラリーの部分に紫外線を照射し、赤色発光蛍光体スラリーを露光する。赤色発光蛍光体スラリーは基板30側から徐々に硬化する。形成される赤色発光蛍光体層31Rの厚さは、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射量により決定される。ここでは、例えば、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射時間を調整して、赤色発光蛍光体層31Rの厚さを約8μmとした。その後、赤色発光蛍光体スラリーを現像することによって、所定の隔壁33の間に赤色発光蛍光体層31Rを形成することができる(図22の(B)参照)。以下、緑色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって緑色発光蛍光体層31Gを形成し、更に、青色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって青色発光蛍光体層31Bを形成する(図22の(C)参照)。尚、蛍光体層31の表面は、微視的には、複数の蛍光体粒子により凹凸となっている。蛍光体層の形成方法は、以上に説明した方法に限定されず、赤色発光蛍光体スラリー、緑色発光蛍光体スラリー、青色発光蛍光体スラリーを順次塗布した後、各蛍光体スラリーを順次露光、現像して、各蛍光体層を形成してもよいし、スクリーン印刷法等により各蛍光体層を形成してもよい。
【0220】
[工程−120]
その後、隔壁33及び蛍光体層31が形成された基板30を、処理槽内に満たされた液体(具体的には、水)中に、蛍光体層31が液面側を向くように浸漬する。尚、処理槽の排出部は閉じておく。そして、液面上に、実質的に平坦な表面を有する中間膜60を形成する。具体的には、中間膜60を構成する樹脂(ラッカー)を溶解した有機溶剤を液面に滴下する。即ち、液面上に、中間膜60を形成するための中間膜材料を展開する。中間膜60を構成する樹脂(ラッカー)は、広義のワニスの一種で、セルロース誘導体、一般にニトロセルロースを主成分とした配合物を低級脂肪酸エステルのような揮発性溶剤に溶かしたもの、あるいは、他の合成高分子を用いたウレタンラッカー、アクリルラッカーから構成される。続いて、中間膜材料を液面に浮遊させた状態において、例えば2分間程度乾燥させる。これによって、中間膜材料が成膜され、液面上に中間膜60が平坦に形成される。中間膜60を形成する際には、例えば、その厚さが約30nmとなるように中間膜材料の展開量を調整する。
【0221】
続いて、処理槽の排出部を開き、処理槽から液体を排出して液面を降下させることにより、液面上に形成されていた中間膜60が隔壁33に近づく方向に移動し、中間膜60が隔壁33に接触し、最終的に、中間膜60が蛍光体層31と接する状態となり、中間膜60が蛍光体層31上に残される(図22の(D)参照)。
【0222】
[工程−130]
次に、中間膜60を乾燥させる。即ち、基板30を処理槽内から取り出し、基板30を乾燥炉内に搬入し、所定の温度環境中にて乾燥させる。中間膜60の乾燥温度は例えば30°C〜60°Cの範囲内とすることが好ましく、中間膜60の乾燥時間は例えば数分〜数十分の範囲内とすることが好ましい。勿論、乾燥温度の高低に伴い、乾燥時間は減増する。
【0223】
[工程−140]
その後、中間膜60上にアノード電極35を形成する。具体的には、蒸着法又はスパッタリング法により、中間膜60を覆うように、アルミニウム(Al)やクロム(Cr)等の導電材料から成るアノード電極35を形成する(図22の(E)参照)。
【0224】
[工程−150]
次いで、400゜C程度で中間膜60を焼成する(図22の(F)参照)。この焼成処理により中間膜60が燃焼して焼失し、アノード電極35が蛍光体層31上及び隔壁33上に残される。尚、中間膜60の燃焼により生じたガスは、例えば、アノード電極35のうち、隔壁33の形状に沿って折れ曲がっている領域に生じる微細な孔を通じて外部に排出される。この孔は微細なため、アノード電極の構造的な強度や画像表示特性に深刻な影響を及ぼすものではない。
【0225】
[工程−160]
その後、アノード電極35上に、例えばITOから成る抵抗体層36をスパッタリング法にて形成する。こうして、アノードパネルAPを完成することができる。
【0226】
[工程−170]
電界放出素子が形成されたカソードパネルCPを準備する。そして、表示装置の組み立てを行う。具体的には、例えば、アノードパネルAPの有効領域に設けられたスペーサ保持部にスペーサ34を取り付け、蛍光体層31と電界放出素子とが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基板30と支持体10)とを、セラミックスやガラスから作製された高さ約1mmの枠体40を介して、周縁部において接合する。接合に際しては、枠体40とアノードパネルAPとの接合部位、及び、枠体40とカソードパネルCPとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体40とを貼り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜30分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体40とフリットガラス(図示せず)とによって囲まれた空間を、貫通孔(図示せず)及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力が10−4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体40とに囲まれた空間を真空にすることができる。あるいは又、例えば、枠体40とアノードパネルAPとカソードパネルCPとの貼り合わせを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に依っては、枠体無しで、接着層のみによってアノードパネルAPとカソードパネルCPとを貼り合わせてもよい。その後、必要な外部回路との配線接続を行い、表示装置を完成させる。
【0227】
以上、本発明を、発明の実施の形態に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。発明の実施の形態にて説明したアノードパネルやカソードパネル、表示装置や電界放出素子の構成、構造は例示であり、適宜変更することができるし、アノードパネルやカソードパネル、表示装置や電界放出素子の製造方法も例示であり、適宜変更することができる。更には、アノードパネルやカソードパネルの製造において使用した各種材料も例示であり、適宜変更することができる。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示とすることもできる。
【0228】
実施の形態1にあっては、収束電極を備えた電界放出素子を説明したが、収束電極を省略することもできる。このような構成の表示装置の模式的な一部端面図を図23に示す。一般に、このような電界放出素子は、
(a)支持体10上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極11、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、
(c)絶縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極13、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12に形成された開口部(ゲート電極13に設けられた開口部16B及び絶縁層12に設けられた開口部16C)、並びに、
(e)開口部16Cの底部に露出した電子放出部17、
から構成されている。尚、図23に示す電界放出素子をスピント型電界放出素子としたが、電界放出素子はこれに限定するものではない。
【0229】
本発明の冷陰極電界電子放出表示装置として、実施の形態2にて説明したように、
▲1▼本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置と第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の組み合わせ、
▲2▼本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置と第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の組み合わせ、
▲3▼本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置と第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の組み合わせ、
▲4▼本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置と第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の組み合わせ、
とすることもできる。
【0230】
電界放出素子においては、専ら1つの開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明したが、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもできる。あるいは又、ゲート電極に複数の開口部を設け、絶縁層にかかる複数の開口部に連通した複数の開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形態とすることもできる。
【0231】
実施の形態における電界放出素子においては、専ら、収束電極15及び絶縁膜14に設けられた1つの開口部16Aにゲート電極13に設けられた1つの開口部16Bが対応する形態を説明したが、電界放出素子の構造に依っては、収束電極15及び絶縁膜14に設けられた1つの開口部16Aにゲート電極13に設けられた複数の開口部16Bが対応した形態とすることができる。即ち、収束電極15及び絶縁膜14に設けられた1つの開口部16Aは、各電子放出領域毎(各重複領域毎)に設けられている。図24及び図25に、このような形態を図示する。尚、図24は、このような表示装置の模式的な一部端面図である。また、図25は、収束電極15、収束電極15に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16Bの配置状態を示す図であり、表示装置を構成する電子放出領域を上から眺めた模式図である。図25において、収束電極15の下方に位置するゲート電極13を点線で表し、カソード電極11を一点鎖線で示す。尚、電界放出素子として、スピント型電界放出素子を示したが、その他の構成を有する電界放出素子を適用することもできる。
【0232】
収束電極は、実施の形態にて説明した方法にて形成するだけでなく、例えば、厚さ数十μmの42%Ni−Feアロイから成る金属板の両面に、例えばSiO2から成る絶縁膜を形成した後、各画素に対応した領域にパンチングやエッチングすることによって開口部を形成することで収束電極を作製することもできる。そして、カソードパネル、金属板、アノードパネルを積み重ね、両パネルの外周部に枠体を配置し、加熱処理を施すことによって、金属板の一方の面に形成された絶縁膜と絶縁層12とを接着させ、金属板の他方の面に形成された絶縁膜とアノードパネルとを接着し、これらの部材を一体化させ、その後、真空封入することで、表示装置を完成させることもできる。
【0233】
ゲート電極を、有効領域を1枚のシート状の導電材料(開口部を有する)で被覆した形式のゲート電極とすることもできる。この場合には、かかるゲート電極に正の電圧を印加する。そして、各画素を構成するカソード電極とカソード電極制御回路との間に、例えば、TFTから成るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング素子の作動によって、各画素を構成する電子放出部への印加状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
【0234】
あるいは又、カソード電極を、有効領域を1枚のシート状の導電材料で被覆した形式のカソード電極とすることもできる。この場合には、かかるカソード電極に電圧を印加する。そして、各画素を構成する電子放出部とゲート電極制御回路との間に、例えば、TFTから成るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング素子の作動によって、各画素を構成するゲート電極への印加状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
【0235】
【発明の効果】
本発明の表示装置においては、抵抗体層の蒸発に必要とされる総計エネルギーQと、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間の静電容量Cと、アノード電極への印加電圧VAとの関係を規定することによって、あるいは又、抵抗体層の厚さtRと、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間の静電容量Cと、アノード電極への印加電圧VAとの関係を規定することによって、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間で放電が生じた場合であっても、抵抗体層やアノード電極、冷陰極電界電子放出素子の構成要素に損傷が発生することを確実に抑制することができる。しかも、抵抗体層を設けることによって、放電電流のピーク値の低減を図ることができる。そして、以上の結果として、動作の安定性や信頼性に優れ、長寿命の冷陰極電界電子放出表示装置を得ることができる。
【0236】
更には、アノード電極を有効領域のほぼ全面に亙って形成する代わりに、より小さい面積を有するアノード電極ユニットに分割した形式で形成すれば、アノード電極ユニットと冷陰極電界電子放出素子との間の静電容量を減少させ、発生エネルギーを低減することができる。その結果、放電による抵抗体層やアノード電極、冷陰極電界電子放出素子の構成要素における損傷の大きさをより効果的に小さくすることが可能となる。
【0237】
また、通常、完成直後の冷陰極電界電子放出表示装置にエージング処理を行っている。このエージング処理は、電子放出領域から徐々に電子を放出させ、電子放出領域の表面を電子が放出し易い状態とする処理である。具体的には、カソード電極、ゲート電極、アノード電極に印加する電圧を徐々に、実際の冷陰極電界電子放出表示装置の動作電圧に近づけていく。このようなエージング処理によって、カソードパネルやアノードパネルを構成する各要素から徐々に残留ガスを放出させることができ、これらの要素から一度に多量の残留ガスが放出されることを防止し得る。このようなエージング処理時、アノード電極と収束電極との間に異常放電が発生し易い。本発明の冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、このエージング処理時におけるアノード電極と収束電極との間での異常放電によって、冷陰極電界電子放出表示装置を構成する要素の損傷発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図2】図2は、発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示装置を構成するカソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図である。
【図3】図3は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。
【図4】図4は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。
【図5】図5は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。
【図6】図6は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。
【図7】図7は、発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示装置における放電電流パス中に抵抗体層を形成したときの放電状態を模式的に示す図である。
【図8】図8は、発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示装置におけるアノード電極と収束電極との間で放電が生じたときの等価回路である。
【図9】図9は、図8に示した等価回路において、放電電流制御用の抵抗体層の電気抵抗値Rを0.9Ωとしたときの放電電流を計算にて求めた結果を示すグラフである。
【図10】図10は、発明の実施の形態2の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図11】図11は、発明の実施の形態3の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図12】図12は、発明の実施の形態4の冷陰極電界電子放出表示装置におけるアノード電極の模式的な平面図である。
【図13】図13の(A)及び(B)は、それぞれ、図12の線A−Aに沿ったアノードパネルの模式的な一部端面図、及び、図12の線B−Bに沿ったアノードパネルAPの模式的な一部端面図である。
【図14】図14は、発明の実施の形態4の冷陰極電界電子放出表示装置において、抵抗体層が設けられていない場合の、アノード電極ユニットと収束電極との間で放電が発生したときの等価回路である。
【図15】図15は、発明の実施の形態4の冷陰極電界電子放出表示装置において、アノード電極ユニットの面積SAUを9000mm2,3000mm2,450mm2としたときの、異常放電電流iの変化のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図16】図16は、発明の実施の形態4の冷陰極電界電子放出表示装置において、アノード電極ユニットの面積SAUを9000mm2,3000mm2,450mm2としたときの、異常放電時の発生エネルギーの積算値のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図17】図17の(A)及び(B)は、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図18】図18の(A)及び(B)は、図17の(B)に引き続き、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図19】図19の(A)及び(B)は、扁平型冷陰極電界電子放出素子(その1)の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図である。
【図20】図20の(A)及び(B)は、図19の(B)に引き続き、扁平型冷陰極電界電子放出素子(その1)の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図である。
【図21】図21の(A)及び(B)は、それぞれ、扁平型冷陰極電界電子放出素子(その2)の模式的な一部断面図、及び、平面型冷陰極電界電子放出素子の模式的な一部断面図である。
【図22】図22の(A)〜(F)は、アノードパネルの製造方法を説明するための基板等の模式的な一部断面図である。
【図23】図23は、冷陰極電界電子放出表示装置の変形例の模式的な一部端面図である。
【図24】図24は、冷陰極電界電子放出表示装置の別の変形例の模式的な一部端面図である。
【図25】図25は、図24に示した冷陰極電界電子放出表示装置の別の変形例における収束電極、収束電極に設けられた開口部、ゲート電極に設けられた開口部の配置状態を示す図であり、電子放出領域を上から眺めた模式図である。
【図26】図26は、特開平9−90898の図2に開示された電界放出素子を模式的な一部端面図である。
【図27】図27は、抵抗体層が設けられていない場合の、アノード電極と収束電極との間で放電が生じたときの等価回路である。
【図28】図28は、図27に示した等価回路において、RA=100キロΩとしたときの放電電流を計算にて求めた結果を示すグラフである。
【図29】図29は、図27に示した等価回路において、RA=1キロΩとしたときの放電電流を計算にて求めた結果を示すグラフである。
【符号の説明】
CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネル、10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14・・・絶縁膜、15・・・収束電極、16,16A,16B,16C・・・開口部、17,17A,17B,17C・・・電子放出部、18・・・抵抗体層、20・・・マトリックス、21・・・カーボン・ナノチューブ、22・・・マスク層、30・・・基板、31,31R,31G,31B・・・蛍光体層、32・・・ブラックマトリックス、33・・・隔壁、34・・・スペーサ、35・・・アノード電極、36・・・抵抗体層、40・・・枠体、41・・・カソード電極制御回路、42・・・ゲート電極制御回路、43・・・収束電極制御回路、44・・・アノード電極制御回路、50・・・給電線、51・・・隙間、52・・・抵抗部材、60・・・中間膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、アノードパネルに設けられたアノード電極、あるいは、カソードパネルに設けられた冷陰極電界電子放出素子に備えられた収束電極に特徴を有する冷陰極電界電子放出表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受像機や情報端末機器に用いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(CRT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置への移行が検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィールドエミッションディスプレイ)を例示することができる。このなかでも、液晶表示装置は情報端末機器用の表示装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジョン受像機に適用するには、高輝度化や大型化に未だ課題を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表示装置(以下、単に、表示装置と呼ぶ場合がある)は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づき固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合がある)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から注目を集めている。
【0003】
このような電界放出素子の一例として、特開平9−90898の図2に開示された電界放出素子の模式的な一部端面図を図26に再掲する。
【0004】
この電界放出素子にあっては、基板1の上に絶縁層2が堆積されており、絶縁層2の上には金属薄膜の制御電極(ゲート電極)3が積層されている。絶縁層2と制御電極3には単数あるいは複数のキャビティ(開口部)が形成され、その中に円錐状のエミッタ(電子放出部)4が形成されている。制御電極3の上には絶縁層5、収束電極6がエミッタ4の付近を除いて積層されている。基板1、絶縁層2、制御電極3、エミッタ4、絶縁層5、収束電極6で微小冷陰極(電界放出素子)7が構成され、単数あるいは複数の微小冷陰極7で冷陰極15が構成される。実際には、エミッタ(電子放出部)4から放出された電子ビーム8は陽極(アノード電極)9に衝突し、正の電圧を発生する陽極電源(アノード電極制御回路)10に流れる。
【0005】
制御電極(ゲート電極)3に印加する電圧は制御電極電源(ゲート電極制御回路)17で発生され、収束電極6には制御電極3に印加する電圧を可変抵抗器14で分圧した電圧が印加される。この結果、制御電極3の電圧と収束電極6の電圧の比は可変抵抗器14で設定した値に常に保たれる。可変抵抗器14によって或るビーム電流量における収束状態を調節すれば、制御電極電源17の出力電圧によってエミッタ4から取り出す電子ビーム電流設定値を変えてもほぼ同じ収束状態が保持される。
【0006】
【特許文献1】特開平9−90898
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような表示装置においては、陽極(アノード電極)9と収束電極6との間の距離は高々1mm程度しかなく、陽極9と収束電極6との間で異常放電(真空アーク放電)が発生し易い。異常放電が発生すると、収束電極6や制御電極(ゲート電極)3の電位が異常に上昇し、表示品質が著しく損なわれるだけでなく、電界放出素子(制御電極3、エミッタ4)や、収束電極6、陽極(アノード電極)9に損傷が発生する虞がある。
【0008】
真空空間中における放電の発生機構においては、先ず、強電界下における電界放出素子からの電子やイオンの放出がトリガーとなって小規模な放電が発生する。そして、陽極電源(アノード電極制御回路)10からアノード電極9へエネルギーが供給されてアノード電極9の温度が局所的に上昇したり、アノード電極9の内部の吸蔵ガスの放出、あるいはアノード電極9を構成する材料そのものの蒸発が生ずることによって、小規模な放電が大規模な放電へ成長すると考えられている。陽極電源(アノード電極制御回路)10以外にも、アノード電極9と電界放出素子との間に形成される静電容量に基づき生じたエネルギーが、大規模な放電への成長を促すエネルギー供給源となる。
【0009】
異常放電(真空アーク放電)の発生を抑制するには、放電のトリガーとなる電子やイオンの放出を抑制することが有効であるが、そのためには極めて厳密なパーティクル管理が必要となる。このような管理をカソードパネルやアノードパネルの製造プロセス、あるいは、カソードパネルやアノードパネルを組み込んだ表示装置の製造プロセスにおいて実行することには、多大な技術的困難が伴う。
【0010】
従って、本発明の目的は、冷陰極電界電子放出素子を構成する電極とアノード電極との間で放電が発生した場合であっても、アノード電極と電界放出素子との間に形成される静電容量に基づき生じたエネルギーによって、アノード電極あるいは冷陰極電界電子放出素子を構成する電極に致命的な損傷が発生することを抑制し得る構造を有する冷陰極電界電子放出表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、蛍光体層上に形成されたアノード電極、及び、アノード電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層から構成されており、以下の式(1)を満足することを特徴とする。
Q>(1/2)C・VA 2 (1)
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、蛍光体層上に形成されたアノード電極、及び、アノード電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層から構成されており、以下の式(2)を満足することを特徴とする。
tR×10−2>(1/2)C・VA 2 (2)
【0013】
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置において、冷陰極電界電子放出素子は、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(d)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜、
(e)絶縁膜上に形成された収束電極、
(f)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(g)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されている形態とすることができる。
【0014】
そして、この場合、冷陰極電界電子放出素子は、更に、
(h)収束電極上に形成された厚さt’R(単位:μm)の放電電流制御用の第2の抵抗体層、
から構成されている形態とすることができる。そして、この場合、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
Q’=(1/2)C’・VA 2 (1’)
を満足していることが好ましく、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
t’R×10−2>(1/2)C’・VA 2 (2’)
を満足していることが好ましい。
【0015】
あるいは又、本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置において、冷陰極電界電子放出素子は、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(d)ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(e)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されている形態とすることができる。
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、及び、蛍光体層上に形成されたアノード電極から構成され、
冷陰極電界電子放出素子は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(D)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜、
(E)絶縁膜上に形成された収束電極、
(F)収束電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層、
(G)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(H)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されており、
以下の式(3)を満足することを特徴とする。
Q>(1/2)C・VA 2 (3)
【0017】
上記の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、及び、蛍光体層上に形成されたアノード電極から構成され、
冷陰極電界電子放出素子は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(D)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜、
(E)絶縁膜上に形成された収束電極、
(F)収束電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層、
(G)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(H)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されており、
以下の式(4)を満足することを特徴とする。
tR×10−2>(1/2)C・VA 2 (4)
【0018】
尚、本発明の第1の態様若しくは第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置において、抵抗体層を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
である。
【0019】
一方、本発明の第1の態様若しくは第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置において、抵抗体層を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
である。
【0020】
そして、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
VA:アノード電極への印加電圧(V)
である。
【0021】
尚、式(1)〜式(4)の右辺においては、厳密にはVAは、アノード電極への印加電圧と、アノード電極と対向する冷陰極電界電子放出素子の電極(例えば収束電極)への印加電圧との電位差であるが、アノード電極への印加電圧は、アノード電極と対向する冷陰極電界電子放出素子の電極(例えば収束電極)への印加電圧よりも十分に大きいが故に、式(1)〜式(4)の右辺におけるVAを、アノード電極への印加電圧とする。
【0022】
また、本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
C:冷陰極電界電子放出素子とアノード電極との間の静電容量(F)
であり、本発明の第3の態様あるいは第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
C:収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
である。更には、本発明の第1の態様の好ましい形態にあっては、
C’:収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
である。
【0023】
更には、本発明の第1の態様若しくは第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、
rR :抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)
dR :抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
Cm_S:固体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TL :抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
QS_L:抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
Cm_L:液体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TG :抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
である。また、抵抗体層を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1)
であり、抵抗体層を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱と溶解熱の和(J・g−1)
である。
【0024】
また、本発明の第1の態様の好ましい形態において、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
である。
【0025】
あるいは又、本発明の第1の態様の好ましい形態において、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
である。
【0026】
但し、
r’R :第2の抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)
d’R :第2の抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
C’m_S:固体状態における第2の抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
T’L :第2の抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
Q’S_L:第2の抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
C’m_L:液体状態における第2の抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
T’G :第2の抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
である。また、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
Q’L_G:第2の抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1)
であり、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
Q’L_G:第2の抵抗体層を構成する材料の気化熱と溶解熱の和(J・g−1)
である。
【0027】
ここで、冷陰極電界電子放出素子とアノード電極との間の静電容量Cは、冷陰極電界電子放出素子がカソード電極とゲート電極とから構成されている場合には、全てのゲート電極を短絡し、係る短絡されたゲート電極とアノード電極との間の静電容量を公知の方法で測定することで得ることができるし、冷陰極電界電子放出素子がカソード電極とゲート電極と収束電極とから構成されている場合には、収束電極とアノード電極との間の静電容量を公知の方法で測定することで得ることができる。
【0028】
尚、抵抗体層や第2の抵抗体層の蒸発が許容され得る領域が円形でない場合、この領域の面積と同じ面積の円の半径をrRあるいはr’Rとすればよい。
【0029】
尚、好ましい形態を含む本発明の第1の態様〜第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置(以下、これらを総称して、単に、本発明の表示装置と呼ぶ場合がある)における冷陰極電界電子放出素子にあっては、カソード電極及びゲート電極はストライプ形状を有し、カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とは直交していることが、冷陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化といった観点から好ましい。
【0030】
本発明の表示装置において、収束電極は、有効領域(実際の表示部分として機能する領域)を覆う1枚のシート状の形状を有することが望ましい。尚、収束電極には、電子放出領域あるいは電子放出部から放出された電子を通過させるための開口部が設けられているが、この開口部は、各冷陰極電界電子放出素子毎に設けられていてもよいし、各電子放出領域毎(各重複領域毎)に設けられていてもよい。カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とが重複する領域(重複領域)に設けられた1又は複数の電界放出素子を構成する電子放出部によって、電子放出領域が構成される。
【0031】
本発明の表示装置において、アノード電極は、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する構成とすることもできるし、N個(但し、N≧2)のアノード電極ユニットの集合体から構成することもできる。後者の場合、前記Cは、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極ユニットとの間の静電容量(単位:F)である。アノード電極ユニットは、例えば、直線状に配列された1サブピクセルを構成する単位蛍光体層(表示装置において1つの輝点を生成する蛍光体層)の列の総数をn列としたとき、N=nとし、あるいは、n=α・N(αは2以上の整数であり、好ましくは10≦α≦100、一層好ましくは20≦α≦50)としてもよいし、一定の間隔をもって配設されるスペーサ(後述する)の数に1を加えた数とすることができる。また、各アノード電極ユニットの大きさは、アノード電極ユニットの位置に拘わらず同じとしてもよいし、アノード電極ユニットの位置に依存して異ならせてもよい。
【0032】
アノード電極ユニットと冷陰極電界電子放出素子との間での放電に起因してアノード電極ユニットが溶融するといったアノード電極ユニットの損傷規模の拡大を防止するために、アノード電極ユニットの大きさは、アノード電極ユニットと冷陰極電界電子放出素子との間の距離をL(単位:mm)、アノード電極ユニットの面積をSAU(単位:mm2)としたとき、
(VA/7)2×(SAU/L)≦2250
を満足することが好ましく、
(VA/7)2×(SAU/L)≦450
を満足することが一層好ましい。尚、アノード電極ユニットに凹凸が存在し、アノード電極ユニットと冷陰極電界電子放出素子との間の距離Lが一定でない場合、アノード電極ユニットと冷陰極電界電子放出素子との間の最短距離をLとする。
【0033】
本発明の表示装置において、抵抗体層を構成する材料として、カーボン;シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料;SiN;酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル、酸化クロム、酸化チタン等の高融点金属酸化物;アモルファスシリコン等の半導体材料;ITOを挙げることができる。抵抗体層は、蒸着法やスパッタリング法等のPVD法、あるいは、CVD法にて形成することができる。
【0034】
ここで、冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)として、
(1)円錐形の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられたスピント型電界放出素子
(2)略平面状の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられた扁平型電界放出素子
(3)王冠状の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられ、電子放出部の王冠状の部分から電子を放出するクラウン型電界放出素子
(4)平坦なカソード電極の表面から電子を放出する平面型電界放出素子
(5)凹凸が形成されたカソード電極の表面の多数の凸部から電子を放出するクレータ型電界放出素子
(6)カソード電極のエッジ部から電子を放出するエッジ型電界放出素子
を例示することができる。
【0035】
尚、電界放出素子として、上述の各種の形式の他に、表面伝導型電子放出素子と通称される素子も知られており、本発明の表示装置に適用することができる。表面伝導型電子放出素子においては、例えばガラスから成る基板上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウム(In2O3)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化パラジウム(PdO)等の材料から成り、微小面積を有する薄膜がマトリクス状に形成され、各薄膜は2つの薄膜片から成り、一方の薄膜片に行方向配線、他方の薄膜片に列方向配線が接続されている。一方の薄膜片と他方の薄膜片との間には数nmのギャップが設けられている。行方向配線と列方向配線とによって選択された薄膜においては、ギャップを介して薄膜から電子が放出される。
【0036】
本発明の表示装置におけるアノードパネルを構成する基板として、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板として、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B2O3・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)を例示することができる。カソードパネルを構成する支持体も、基板と同様の構成とすることができる。
【0037】
カソード電極、ゲート電極、収束電極の構成材料として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)等の金属、これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド)、ITO(インジウム・錫酸化物)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物、あるいはシリコン(Si)等の半導体を例示することができる。これらを作製、形成するには、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気メッキ法、無電解メッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーション法、ゾル−ゲル法等の公知の薄膜形成技術により、上述の構成材料から成る薄膜を被成膜体上に形成する。このとき、薄膜を被成膜体の全面に形成した場合には、公知のパターニング技術を用いて薄膜をパターニングし、各電極を形成する。また、薄膜を形成する前の被成膜体上に予めレジストパターンを形成しておけば、リフトオフ法による各電極の形成が可能である。更には、カソード電極やゲート電極の形状に応じた開口部を有するマスクを用いて蒸着を行ったり、かかる開口部を有するスクリーンを用いてスクリーン印刷を行えば、成膜後のパターニングは不要である。
【0038】
電界放出素子を構成する絶縁層や絶縁膜の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiN、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料、SiN、ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層や絶縁膜の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
【0039】
電子放出部に関しては、後に詳しく説明する。
【0040】
アノード電極の構成材料として、アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)を例示することができる。アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)からアノード電極を構成する場合、アノード電極の厚さとして、具体的には、3×10−8m(30nm)乃至1.5×10−7m(150nm)、好ましくは5×10−8m(50nm)乃至1×10−7m(100nm)を例示することができる。アノード電極は、蒸着法やスパッタリング法にて形成することができる。
【0041】
蛍光体層は、単色の蛍光体粒子から構成されていても、3原色の蛍光体粒子から構成されていてもよい。また、蛍光体層の配列様式は、ドットマトリクス状であっても、ストライプ状であってもよい。尚、ドットマトリクス状やストライプ状の配列様式においては、隣り合う蛍光体層の間の隙間がコントラスト向上を目的としたブラックマトリックスで埋め込まれていてもよい。
【0042】
アノードパネルには、更に、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光体層から放出された二次電子が他の蛍光体層に入射し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止するための、あるいは又、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光体層から放出された二次電子が隔壁を越えて他の蛍光体層に向かって侵入したとき、これらの電子が他の蛍光体層と衝突することを防止するための隔壁が、複数、設けられていることが好ましい。
【0043】
隔壁の平面形状として、格子形状(井桁形状)、即ち、1サブピクセルに相当する、例えば平面形状が略矩形(ドット状)の蛍光体層の四方を取り囲む形状を挙げることができ、あるいは、略矩形あるいはストライプ状の蛍光体層の対向する二辺と平行に延びる帯状形状あるいはストライプ形状を挙げることができる。隔壁を格子形状とする場合、1つの蛍光体層の領域の四方を連続的に取り囲む形状としてもよいし、不連続に取り囲む形状としてもよい。隔壁を帯状形状あるいはストライプ形状とする場合、連続した形状としてもよいし、不連続な形状としてもよい。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁の頂面の平坦化を図ってもよい。
【0044】
蛍光体層からの光を吸収するブラックマトリックスが蛍光体層と蛍光体層との間であって隔壁と基板との間に形成されていることが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。ブラックマトリックスを構成する材料として、蛍光体層からの光を99%以上吸収する材料を選択することが好ましい。このような材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が基板と接する。
【0045】
カソードパネルとアノードパネルとを周縁部において接合する場合、接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいは、ガラスやセラミックス等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料としては、フリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かかる低融点金属材料としては、In(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
【0046】
基板と支持体と枠体の三者を接合する場合、三者同時接合を行ってもよいし、あるいは、第1段階で基板又は支持体のいずれか一方と枠体とを先に接合し、第2段階で基板又は支持体の他方と枠体とを接合してもよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中で行えば、基板と支持体と枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、基板と支持体と枠体と接着層とによって囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
【0047】
接合後に排気を行う場合、排気は、基板及び/又は支持体に予め接続されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管は、典型的にはガラス管を用いて構成され、基板及び/又は支持体の無効領域(即ち、表示部分として機能する有効領域以外の領域)に設けられた貫通孔の周囲に、フリットガラス又は上述の低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切りを行う前に、表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去することができるので好適である。
【0048】
表示装置の内部は高真空状態となっており、表示装置には大気圧が加わる。従って、大気圧によって表示装置に損傷が発生しないように、表示装置内部には、スペーサを配しておくことが好ましい。スペーサを構成する材料として、ガラスや、セラミックス(例えば、ムライトやアルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料に、酸化チタンや酸化クロム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケルを添加したもの等)を例示することができる。スペーサは、例えば、アノードパネルに設けられたスペーサ保持部、あるいは、隔壁によって、アノードパネルに固定することができる。
【0049】
本発明の表示装置において、カソード電極はカソード電極制御回路に接続され、ゲート電極はゲート電極制御回路に接続され、アノード電極はアノード電極制御回路に接続され、収束電極は収束電極制御回路に接続されている。尚、これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。アノード電極制御回路の出力電圧VAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜10キロボルトとすることができる。一方、カソード電極に印加する電圧VC及びゲート電極に印加する電圧VGに関しては、▲1▼カソード電極に印加する電圧VCを一定とし、ゲート電極に印加する電圧VGを変化させる方式、▲2▼カソード電極に印加する電圧VCを変化させ、ゲート電極に印加する電圧VGを一定とする方式、▲3▼カソード電極に印加する電圧VCを変化させ、且つ、ゲート電極に印加する電圧VGも変化させる方式がある。収束電極には、収束電極制御回路から0ボルトあるいは最大−20ボルト程度の一定の電圧が印加される。
【0050】
本発明の冷陰極電界電子放出表示装置においては、抵抗体層の蒸発に必要とされる総計エネルギーQと、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間の静電容量Cと、アノード電極への印加電圧VAとの関係を規定することによって、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間で放電が生じた場合であっても、アノード電極と電界放出素子との間に形成される静電容量に基づき生じたエネルギーによって、抵抗体層やアノード電極、冷陰極電界電子放出素子を構成する部材に損傷が発生することを確実に抑制することができる。あるいは又、抵抗体層の厚さtRと、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間の静電容量Cと、アノード電極への印加電圧VAとの関係を規定することによって、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間で放電が生じた場合であっても、アノード電極と電界放出素子との間に形成される静電容量に基づき生じたエネルギーによって、抵抗体層やアノード電極、冷陰極電界電子放出素子を構成する部材に損傷が発生することを確実に抑制することができる。しかも、抵抗体層を設けることによって、放電電流のピーク値の低減を図ることができる。
【0051】
更には、アノード電極を、有効領域のほぼ全面に亙って形成する代わりに、より小さい面積を有するアノード電極ユニットに分割した形式とすれば、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極ユニットとの間の静電容量を小さくすることができる結果、抵抗体層の厚さを薄くすることが可能となる。更には、アノード電極と電界放出素子との間に形成される静電容量に基づき生じたエネルギーを低減することができる結果、放電によるアノード電極における損傷の大きさをより一層小さくすることが可能となる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、発明の実施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発明を説明する。
【0053】
(実施の形態1)
実施の形態1は、本発明の第1の態様及び第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置(以下、単に、表示装置と略称する)に関する。
【0054】
実施の形態1の表示装置の模式的な一部端面図を図1に示し、カソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図を図2に示す。尚、図1においては、スペーサの図示を省略しており、図2においては、隔壁、スペーサ及び抵抗体層、並びに、収束電極及び絶縁膜の図示を省略している。
【0055】
実施の形態1の表示装置は、カソード電極11、ゲート電極13、収束電極15及び電子放出部17を有する冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ)を複数備えたカソードパネルCPとアノードパネルAPとがそれらの周縁部で枠体40を介して接合されて成る。
【0056】
アノードパネルは、基板30、基板30上に形成された蛍光体層31(赤色発光蛍光体層31R,緑色発光蛍光体層31G,青色発光蛍光体層31B)、蛍光体層31上に形成されたアノード電極35、及び、アノード電極35上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層36から構成されている。ここで、アノード電極35はアルミニウム薄膜から構成されており、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する。また、抵抗体層36は厚さtR=0.2μmのITOから構成されており、アノード電極35全体の上に形成されている。
【0057】
蛍光体層31と蛍光体層31との間の基板30上にはブラックマトリックス32が形成されている。また、ブラックマトリックス32の上には隔壁33が形成されている。アノードパネルAPにおける隔壁33、スペーサ34及び蛍光体層31の配置例を、図3〜図6の配置図に模式的に示す。隔壁33の平面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1サブピクセルに相当する、例えば平面形状が略矩形の蛍光体層31の四方を取り囲む形状(図3及び図4参照)、あるいは、略矩形の(あるいはストライプ状の)蛍光体層31の対向する二辺と平行に延びる帯状形状(ストライプ形状)を挙げることができる(図5及び図6参照)。尚、蛍光体層31を、図3〜図6の上下方向に延びるストライプ状とすることもできる。隔壁33の一部は、スペーサ34を保持するためのスペーサ保持部としても機能する。
【0058】
図1に示した電界放出素子は、円錐形の電子放出部を有する、所謂スピント(Spindt)型電界放出素子と呼ばれるタイプの電界放出素子である。この電界放出素子は、
(a)支持体10上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極11と、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、
(c)絶縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極13と、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12上に形成された絶縁膜14と、
(e)絶縁膜14上に形成された収束電極15と、
(f)収束電極15、絶縁膜14、ゲート電極13及び絶縁層12に形成された開口部16(収束電極15及び絶縁膜14に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16B、及び、絶縁層12に設けられた開口部16C)、並びに、
(g)開口部の底部に露出した電子放出部17、
から構成されている。
【0059】
電子放出部17は、具体的には、開口部16Cの底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部から構成されている。また、収束電極15は、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する。収束電極15に設けられた開口部16Aは、各冷陰極電界電子放出素子毎に設けられている。
【0060】
一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極の射影像が互いに直交する方向に各々ストライプ状に形成されており、これらの両電極の射影像が重複する領域(1サブピクセルの領域に相当する。この領域を、以下、重複領域あるいは電子放出領域と呼ぶ)に、複数の電界放出素子が設けられている。更に、かかる電子放出領域が、カソードパネルCPの有効領域(実際の表示部分として機能する領域)内に、通常、2次元マトリックス状に配列されている。
【0061】
アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体40とによって囲まれた空間は真空となっている。尚、アノードパネルAP及びカソードパネルCPには大気によって圧力が加わる。そして、この圧力によって表示装置が破損しないように、アノードパネルAPとカソードパネルCPとの間には、高さが例えば1mm程度のスペーサ34が配置されている。
【0062】
1画素(1ピクセル)は、カソードパネル側のカソード電極11とゲート電極13との3つの重複領域に設けられた電界放出素子の一群と、これらの3つの重複領域に対面したアノードパネル側の蛍光体層31(1つの赤色発光単位蛍光体層31R、1つの緑色発光単位蛍光体層31G、及び、1つの青色発光単位蛍光体層31Bの集合)とによって構成されている。有効領域には、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。また、1画素(1ピクセル)は3つのサブピクセルから構成され、各サブピクセルは、カソードパネル側のカソード電極11とゲート電極13との1つの重複領域に設けられた電界放出素子の一群と、これらの1つの重複領域に対面したアノードパネル側の蛍光体層31(1つの赤色発光単位蛍光体層31R、1つの緑色発光単位蛍光体層31G、あるいは、1つの青色発光単位蛍光体層31B)によって構成されている。
【0063】
アノードパネルAPとカソードパネルCPとを、電子放出領域と蛍光体層31とが対向するように配置し、周縁部において枠体40を介して接合することによって、表示装置を作製することができる。有効領域を包囲し、画素を選択するための周辺回路が形成された無効領域には、真空排気用の貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫通孔には真空排気後に封じ切られたチップ管(図示せず)が接続されている。即ち、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体40とによって囲まれた空間は真空となっている。
【0064】
カソード電極11には相対的に負の電圧VCがカソード電極制御回路41から印加され、ゲート電極13には相対的に正の電圧VGがゲート電極制御回路42から印加され、収束電極15には相対的に負の電圧VFが収束電極制御回路42から印加され、アノード電極35にはゲート電極13よりも更に高い正の電圧VAがアノード電極制御回路44から印加される。かかる表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路41から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路42からビデオ信号を入力する。あるいは、これとは逆に、カソード電極11にカソード電極制御回路41からビデオ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路42から走査信号を入力してもよい。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部17から電子が放出され、この電子がアノード電極35に引き付けられ、蛍光体層31に衝突する。その結果、蛍光体層31が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧、及び、カソード電極11を通じて電子放出部17に印加される電圧によって制御される。
【0065】
抵抗体層36が設けられていない従来の表示装置において、アノード電極35と収束電極15との間で放電が生じたときの等価回路を、図27に示す。
【0066】
ここで、アノード電極35には、過電流や放電を防止するための抵抗素子RAを介して正の電圧VA(10キロボルト)がアノード電極制御回路44から印加されているとした。また、収束電極15は、1キロΩの抵抗素子RFを介して電圧VF(=0ボルト)が収束電極制御回路42から印加されているとした。尚、抵抗素子RA,RFは、表示装置の外部に配置されている。更には、電界放出素子(より具体的には、収束電極15)とアノード電極35との間の静電容量Cは70pFである。更には、放電電流パスに沿った電気抵抗値RD(具体的には、アルミニウムから成るアノード電極35及び収束電極15の電気抵抗値)は0.1Ωである。尚、アノード電極35の大きさを130mm×100mmとした。
【0067】
そして、RA=100キロΩ及びRA=1キロΩとしたときの放電電流iを計算にて求めた結果を図28及び図29に示す。尚、計算においては、インダクタンス成分を無視した。図28及び図29の比較から、放電電流iは、抵抗素子RA,RFを殆ど流れず、矢印に示すように、アノード電極35、放電電流パス、収束電極15、静電容量Cから構成された閉じた系を流れ、そして、消滅することが判る。
【0068】
厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層36の蒸発に必要とされる総計エネルギーQと、アノード電極と電界放出素子との間に形成される静電容量Cに基づき生じたエネルギー[以下、放電エネルギーと呼び、(1/2)C・VA 2である]との関係、並びに、厚さtR(単位:μm)の抵抗体層36と放電エネルギー(1/2)C・VA 2との関係について、説明を行う。
【0069】
放電電流パス中に放電電流制御用の抵抗体層36を形成したときの放電状態を模式的に図7に示し、図1に示したように、抵抗体層36が設けられている場合のアノード電極35と収束電極15との間で放電が生じたときの等価回路を図8に示す。
【0070】
例えば、アルミニウムから成るアノード電極35において、概ね、1サブピクセルに相当する面積の部分が、アノード電極35と収束電極15との間での放電によって蒸発しなければ、表示装置の表示機能に致命的な問題は生じないと考えられる。従って、抵抗体層36においても、概ね、1サブピクセルに相当する面積の部分が、アノード電極35と収束電極15との間での放電によって蒸発しなければ、表示装置の表示機能に致命的な問題は生じないと考えられる。
【0071】
即ち、放電エネルギー(1/2)C・VA 2[ここで、Cは電界放出素子とアノード電極との間の静電容量(単位:F)であり、VAはアノード電極35への印加電圧(単位:V)]が、面積π×rR 2(単位:mm2)、厚さtR(単位:μm)の抵抗体層36の蒸発に必要とされる総計エネルギーQを超えなければ、抵抗体層36に損傷は発生しないと云える。即ち、以下の式(1)を満足していればよい。
【0072】
Q>(1/2)C・VA 2 (1)
【0073】
ここで、抵抗体層36の蒸発に必要とされる総計エネルギーQは、抵抗体層36を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
で表すことができる。
【0074】
また、抵抗体層36を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
で表すことができる。
【0075】
但し、
rR :抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)、あるいは又、抵抗体層が蒸発しても表示装置の表示機能に問題が生じない抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)、あるいは又、1サブピクセルに相当する領域に該当する抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)
dR :抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
Cm_S:固体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TL :抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
QS_L:抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
Cm_L:液体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TG :抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
である。また、抵抗体層36を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1)
であり、抵抗体層36を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱と溶解熱の和(J・g−1)
である。
【0076】
抵抗体層36をカーボンから構成する場合、カーボンは固相から直接蒸発するので、
dR : 2.3(g・cm−3)
Cm_S: 6 (J・mol−1・K−1)
Tr : 30 (゜C)
TG :3400 (゜C)
QL_G: 350 (kJ・mol−1)
である。
【0077】
従って、カーボンから成る抵抗体層36の蒸発に必要とされる総計エネルギーQは、以下の式(5)のとおりとなる。但し、rR及びtRの単位は、それぞれ、mm及びμmである。
【0078】
Q=7.10×10−2×π×rR 2×tR(J) (5)
【0079】
ここで、C=70pF、VA=10キロボルトとすれば、式(1)及び式(5)から、以下の式(6)が求まる。
【0080】
π×rR 2×tR>4.93×10−2 (6)
【0081】
更には、π×rR 2=0.04mm2(この面積は、概ね、1サブピクセルに相当する面積である)とすれば、式(6)から、抵抗体層36の厚さtRは、以下の式(7)を満足すればよい。
【0082】
tR>1.2(μm) (7)
【0083】
また、アノード電極35を10個のアノード電極ユニットに分割したとすれば、C=7pFであり、抵抗体層36の厚さtRは、tR>0.12(μm)を満足すればよい。
【0084】
更には、式(5)にπ×rR 2=0.04mm2を代入すると、式(1)から以下の式(8)が得られる。
【0085】
2.84×10−3×tR>(1/2)C・VA 2 (8)
【0086】
一方、放電電流制御用の抵抗体層36をITOから構成する場合、比較的体積抵抗率の高いITOは、SnO2の含有率が100%に近いので、その物性値はSnO2にほぼ等しいとみなすことができる。それ故、ITOの以下の物性値を、以下のSnO2の物性値で代用する。尚、ITOは固相から液相を経て蒸発する。
【0087】
dR : 6.4(g・cm−3)
Cm_S: 53 (J・mol−1・K−1)
TL :1130 (゜C)
Tr : 30 (゜C)
QS_L: 48 (kJ・mol−1)
Cm_L: 53 (J・mol−1・K−1)
TG :1850 (゜C)
QL_G: 314 (kJ・mol−1)
【0088】
従って、ITOから成る抵抗体層36の蒸発に必要とされる総計エネルギーQは、以下の式(9)のとおりとなる。但し、rR及びtRの単位は、それぞれ、mm及びμmである。
【0089】
Q=1.94×10−2×π×rR 2×tR(J) (9)
【0090】
ここで、C=70pF、VA=10キロボルトとすれば、式(1)及び式(9)から、以下の式(10−1)が求まり、アノード電極を10のアノード電極ユニットに分割し、C=7pF、VA=10キロボルトとすれば、式(1)及び式(9)から、以下の式(10−2)が求まる。
【0091】
π×rR 2×tR>1.8×10−1 (10−1)
π×rR 2×tR>1.8×10−2 (10−2)
【0092】
更には、π×rR 2=0.04mm2とすれば、式(10−1)、式(10−2)から、抵抗体層36の厚さtRは、以下の式(11−1)、式(11−2)を満足すればよい。
【0093】
tR>4.5 (μm) (11−1)
tR>0.45(μm) (11−2)
【0094】
また、式(9)にπ×rR 2=0.04mm2を代入すると、式(1)から以下の式(12)が得られる。
【0095】
7.8×10−4×tR>(1/2)C・VA 2 (12)
【0096】
以上の結果として、放電電流制御用の抵抗体層36の厚さのばらつきを考慮すると、式(8)及び式(12)から、抵抗体層36の厚さtR(単位:μm)は、以下の式(2)を満足すればよいことが判る。
【0097】
tR×10−2>(1/2)C・VA 2 (2)
【0098】
尚、式(2)は、放電電流制御用の抵抗体層36を構成する材料の体積抵抗率に依存せず、dR,Cm_S,TL,QS_L,Cm_L,TG,QL_Gといった物性値に依存する。
【0099】
そして、放電電流制御用の抵抗体層36の厚さtRを式(2)のように規定することによって、アノード電極35と収束電極15との間で放電が生じた場合であっても、0.04mm2を越える面積の抵抗体層36の領域に損傷が生じることを抑制することができるし、更には、アノード電極35に損傷が生じることを抑制することもできる。
【0100】
例えば、アルミニウムから成るアノード電極35において、π×r0 2=0.04mm2の面積(この面積は、先に述べたように、概ね、1サブピクセルに相当する面積である)の部分が、アノード電極35と収束電極15との間での放電によって蒸発しなければ、表示装置の表示機能に致命的な問題は生じないと考えられる。
【0101】
それ故、以下、このようなアノード電極35の蒸発を抑制するために要求される抵抗体層36の電気抵抗値について、説明を行う。尚、収束電極15についても、同様の説明とすることができる。
【0102】
アノード電極35あるいは収束電極15において、放電電流iによって発生する放電電流エネルギーE(r0)は、以下の式から求めることができる。
【0103】
即ち、放電点を原点として、半径rの所に位置する微小領域(半径方向の幅Δr)において発生する放電電流エネルギーΔEは、以下の式(13−1)で表すことができる。但し、
ρ0:アノード電極あるいは収束電極の体積抵抗率(Ω・m)
s0:アノード電極あるいは収束電極の厚さ
である。
【0104】
【0105】
そして、半径rに関して、(D/2)からr0まで積分すると、以下の式(13−2)が得られる。ここで、
r0:アノード電極あるいは収束電極が放電によって損傷を受ける領域の半径(μm)
D:放電によって生じたプラズマの直径(μm)
である。
【0106】
E(r0)=ρ0・(2πs0)−1・ln(2r0/D)・∫i2dt (13−2)
【0107】
先に述べたように、例えば、アルミニウムから成るアノード電極35において、π×r0=0.04mm2の面積(この面積は、概ね、1サブピクセルに相当する面積である)の部分が、アノード電極35と収束電極15との間での放電によって蒸発しなければ、表示装置の表示機能に致命的な問題は生じないと考えられる。
【0108】
それ故、アルミニウムから成るアノード電極35において、π×r0=0.04mm2の面積の部分が、アノード電極35と収束電極15との間での放電によって蒸発するときのエネルギーを、以下、算出する。尚、算出においては、以下の表1に示す値を基礎とする。尚、アノード電極の厚さを1μm(=s0)と仮定しているが、蛍光体層の上以外の部分においては、アノード電極の厚さがこの程度の厚さとなることが屡々ある。
【0109】
[表1]
アノード電極の厚さ :1μm(=s0)
溶融面積 :0.04mm2(=π×r0)
アルミニウムの密度 :2.7g・cm−3
アルミニウムの融点 :660゜C
アルミニウムの沸点 :2060゜C
アルミニウムの比熱 :0.214cal・g−1・K−1
アルミニウムの溶解熱:94.6cal・g−1
アルミニウムの気化熱:293kJ・mol−1=10850J・g−1
【0110】
溶融するアルミニウムの質量MAl(単位:グラム)、室温(30゜C)からアルミニウムが融点(660゜C)に達するまでに必要なエネルギーQMELT(単位:ジュール)、溶融に必要とされるエネルギーQLiq(単位:ジュール)、融点(660゜C)から沸点(2060゜C)に達するまでに必要とされるエネルギーQBiol(単位:ジュール)、気化に必要とされるエネルギーQEvap、蒸発に必要とされる総計エネルギーQTotalは、以下のとおりである。尚、QBiolにおけるアルミニウムの比熱を、便宜上、固体状態における比熱としている。
【0111】
【0112】
アノード電極35と電界放出素子との間での放電時にアノード電極35において発生するエネルギーの積算値が、上記で例示される総計エネルギーQTotalの値を越えなければ、アノード電極35に局所的な蒸発が発生することはないと云える。即ち、アノード電極35の1サブピクセルに相当する部分が蒸発することはないと云える。尚、アノード電極35をモリブデン(Mo)から構成した場合の総計エネルギーQTotalは、2.7×10−3(J)である。
【0113】
即ち、総計エネルギーQTotalとE(r0)が、以下の式(14)の関係を満足すれば、厚さs0=1μmのアルミニウムから成るアノード電極35に局所的な蒸発が発生することはないと云える。
【0114】
E(r0)<QTotal=1.41×10−3 (14)
【0115】
ここで、アノード電極35を厚さs0=1μmのアルミニウムから構成する場合、ρ=2.7×10−8Ω・mであり、放電によって生じたプラズマの半径Dは高々数十μmであるので、式(14)は具体的には式(15)で表すことができる。また、π×r0=0.04mm2であるので、r0=0.11mmである。
【0116】
∫i2dt<1.1×10−1 (15)
【0117】
図8に示した等価回路において、アノード電極35には、100キロΩの抵抗素子RAを介して正の電圧VA(10キロボルト)がアノード電極制御回路44から印加されているとした。また、収束電極15は、1キロΩの抵抗素子RFを介して電圧VF(=0ボルト)が収束電極制御回路42から印加されているとした。尚、抵抗素子RA,RFは、表示装置の外部に配置されている。更には、電界放出素子(より具体的には、収束電極15)とアノード電極35との間の静電容量Cは70pFである。更には、放電電流パスに沿った電気抵抗値RD(具体的には、アルミニウムから成るアノード電極35及び収束電極15の電気抵抗値)は0.1Ωである。尚、アノード電極35の大きさを130mm×100mmとした。
【0118】
そして、放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値Rを0.9Ωとしたときの放電電流を計算にて求めた結果を図9に示す。この図9のグラフから、式(15)の左辺の放電電流iの積分値を求めることができる。
【0119】
以下の表2に、放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値Rを種々の値としたときの式(15)の左辺の放電電流iの積分値∫i2dtを同様に求めた結果を示す。
【0120】
【0121】
表2の結果から、以下の式(16)が求まる。
【0122】
∫i2dt=(RD+R)−1.023/260 (16)
【0123】
式(16)から、電気抵抗値(R+RD)の値が0.36Ωを超えていれば、即ち、放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値Rの値が0.26Ωを超えていれば、アノード電極35を厚さ1μmのアルミニウムから構成したときの式(15)を満足することが判る。ここで、放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値Rの値は、放電電流制御用の抵抗体層36を構成する材料、厚さ(tR)を適宜選択することで制御することができる。尚、電気抵抗値RD(具体的には、アルミニウムから成るアノード電極35及び収束電極15の電気抵抗値)は、アノード電極35の中心部とアノード電極35の周辺部との間の平均電気抵抗値、及び、収束電極15の中心部と収束電極15の周辺部との間の平均電気抵抗値の合計値とすればよい。また、放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値Rは、抵抗体層36を許容ダメージの面積(例えば、1サブピクセル分の面積)で切り取った部分の表裏間の電気抵抗値とすればよい。
【0124】
また、図9と図28、図29の比較から、放電電流制御用の抵抗体層36を設けることによって、放電電流のピーク値が激減していることが判る。このように、放電電流制御用の抵抗体層36を設けることによって放電電流のピーク値が0.1倍程度に低下する結果、電界放出素子を構成する部材やアノード電極に損傷が発生することを一層確実に抑制することができる。
【0125】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1の変形である。実施の形態2の表示装置の模式的な一部端面図を図10に示す。尚、カソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図は、基本的には、図2に示したと同様である。
【0126】
実施の形態2の表示装置にあっては、カソードパネルCPに設けられた電界放出素子は、厚さ1μmのアルミニウムから成る収束電極15上に第2の抵抗体層18Aが形成されていることを除き、実施の形態1にて説明した電界放出素子と同様の構造を有する。第2の抵抗体層18Aは、厚さt’R=0.2μmのITOから構成されている。収束電極15は、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する。収束電極15に設けられた開口部16Aは、各冷陰極電界電子放出素子毎に設けられている。
【0127】
そして、実施の形態2においては、以下の式(1’)を満足している。ここで、
C’:収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
VA :アノード電極への印加電圧(V)
である。
【0128】
Q’>(1/2)C’・VA 2 (1’)
【0129】
但し、第2の抵抗体層18Aを構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
である。
【0130】
一方第2の抵抗体層18Aを構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
である。
【0131】
ここで、
r’R :第2の抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)、あるいは又、第2の抵抗体層が蒸発しても表示装置の表示機能に問題が生じない第2の抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)、あるいは又、1サブピクセルに相当する領域に該当する第2の抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)
d’R :第2の抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
C’m_S:固体状態における第2の抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
T’L :第2の抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
Q’S_L:第2の抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
C’m_L:液体状態における第2の抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
T’G :第2の抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
である。また、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から液相を経て蒸発する場合、
Q’L_G:第2の抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1)
であり、第2の抵抗体層を構成する材料が、固相から直接蒸発する場合、
Q’L_G:第2の抵抗体層を構成する材料の気化熱と溶解熱の和(J・g−1)
である。
【0132】
あるいは又、以下の式(2’)を満足している。
【0133】
t’R×10−2>(1/2)C’・VA 2 (2’)
【0134】
放電電流制御用の第2の抵抗体層18Aの電気抵抗値Rに関する説明、式(1’)及び式(2’)に関する説明は、実施の形態1における放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値R、式(1)及び式(2)に関する説明と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0135】
(実施の形態3)
実施の形態3は、本発明の第3の態様及び第4の態様に係る表示装置に関する。
【0136】
実施の形態3の表示装置の模式的な一部端面図を図11に示す。尚、カソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図は、基本的には、図2に示したと同様である。
【0137】
実施の形態3の表示装置も、カソード電極11、ゲート電極13、収束電極15及び電子放出部17を有する電界放出素子を複数備えたカソードパネルCPとアノードパネルAPとがそれらの周縁部で枠体40を介して接合されて成る。
【0138】
アノードパネルは、抵抗体層36が形成されていないことを除き、実施の形態1にて説明したアノードパネルAPと同様の構造を有するので、詳細な説明は省略する。
【0139】
また、カソードパネルCPに設けられた電界放出素子は、厚さ1μmのアルミニウムから成る収束電極15上に抵抗体層18が形成されていることを除き、実施の形態1にて説明した電界放出素子と同様の構造を有するので、詳細な説明は省略する。抵抗体層18は、厚さtR=0.2μmのITOから構成されている。また、収束電極15は、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する。収束電極15に設けられた開口部16Aは、各冷陰極電界電子放出素子毎に設けられている。
【0140】
そして、実施の形態3においては、以下の式(3)を満足している。
【0141】
Q>(1/2)C・VA 2 (3)
【0142】
但し、
であり、
C :収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
VA :アノード電極への印加電圧(V)
rR :抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)、あるいは又、抵抗体層が蒸発しても表示装置の表示機能に問題が生じない抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)、あるいは又、1サブピクセルに相当する領域に該当する抵抗体層の大きさ(領域)の半径(mm)
dR :抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
Cm_S:固体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TL :抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
QS_L:抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
Cm_L:液体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TG :抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1)
である。
【0143】
あるいは又、以下の式(4)を満足している。
【0144】
tR×10−2>(1/2)C・VA 2 (4)
【0145】
ここで、
C :収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
VA:アノード電極への印加電圧(V)
である。
【0146】
放電電流制御用の抵抗体層18の電気抵抗値Rに関する説明、式(3)及び式(4)に関する説明は、実施の形態1における放電電流制御用の抵抗体層36の電気抵抗値R、式(1)及び式(2)に関する説明と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0147】
(実施の形態4)
実施の形態4は、実施の形態1〜実施の形態3の変形である。実施の形態4にあっては、アノード電極は、N個(但し、N≧2)のアノード電極ユニット35Aから構成されており、前記Cは、電界放出素子(より具体的には、収束電極15)とアノード電極ユニット35Aとの間の静電容量(単位:F)である。
【0148】
アノード電極の模式的な平面図を図12に示し、図12の線A−Aに沿ったアノードパネルAPの模式的な一部端面図を図13の(A)に示し、図12の線B−Bに沿ったアノードパネルAPの模式的な一部端面図を図13の(B)に示す。尚、図12及び図13においては、抵抗体層36の図示を省略した。
【0149】
アノード電極は、全体として、矩形の有効領域(大きさ:70mm×110mm)を覆う形状を有し、アルミニウム薄膜から構成されている。そして、アノード電極は、実施の形態4においては200個のアノード電極ユニット35Aから構成されている。直線状に配列された単位蛍光体層31の列の総数nとNとの関係は、n=20Nである。
【0150】
アノード電極ユニット35Aの大きさは、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子(より具体的には、収束電極15)との間に形成される静電容量Cに基づき生じたエネルギー(以下、発生エネルギーと呼ぶ)によってアノード電極ユニット35Aが局所的に蒸発しない大きさ(より具体的には、この発生エネルギーによってアノード電極ユニット35Aの1サブピクセルに相当する部分が蒸発しない大きさ)である。具体的には、アノード電極ユニット35Aの外形形状は矩形であり、大きさ(面積SAU)を0.33mm×110mmとした。尚、図12においては、図面を簡素化するために、4つのアノード電極ユニット35Aを図示した。
【0151】
N個のアノード電極ユニット35Aのそれぞれは、1本の給電線50を介してアノード電極制御回路44に接続されている。給電線50も、例えばアルミニウム薄膜から構成されている。アノード電極制御回路44と給電線50との間には、抵抗素子RA(図示した例では電気抵抗値100キロΩ)が配設されている。この抵抗素子RAは、表示装置の外部に配置されている。各アノード電極ユニット35Aと給電線50との間には隙間51が設けられており、各アノード電極ユニット35Aと給電線50とは、抵抗部材52を介して接続されている。抵抗部材52を、アモルファスシリコンから成る抵抗体薄膜から構成した。抵抗部材52は、アノード電極ユニット35Aと給電線50との間を跨るように、隙間51の上に形成されている。抵抗部材52の電気抵抗値(r1)は、約30キロΩである。
【0152】
実施の形態4の表示装置においては、アノード電極ユニット35Aと収束電極15との間の距離をL(単位:mm)、アノード電極ユニット35Aの面積をSAU(単位:mm2)としたとき、
(VA/7)2×(SAU/L)≦2250
更には、
(VA/7)2×(SAU/L)≦450
を満足している。具体的には、Lの値は1.0mmであり、SAUの値は36.3mm2である。
【0153】
尚、アノード電極ユニット35Aは、基板30、隔壁33上及び蛍光体層31上に形成されているが故に、アノード電極ユニット35Aには凹凸が存在し、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間の距離Lは一定でない。それ故、アノード電極ユニットと電界放出素子との間の最短距離、即ち、具体的には、隔壁33上のアノード電極ユニット35Aと電界放出素子(より具体的には、収束電極15)との間の距離をLとする。
【0154】
抵抗体層18,36が設けられていない場合の、アノード電極ユニット35Aと収束電極15との間で放電が発生したときの等価回路を図14に示す。尚、図14においては、3つのアノード電極ユニットを図示した。アノード電極ユニット35Aと収束電極15との間での放電によって電流iが流れるが、このときのアノード電極ユニット35Aと収束電極15の電気抵抗値の合計値RDを0.2Ωとした。また、SAUの値を9000mm2、3000mm2、450mm2としたときのアノード電極ユニット35Aと収束電極15とによって形成される静電容量Cの値を、それぞれ、60pF、20pF、3pFとした。更には、VAを7キロボルトとした。SAUの値を9000mm2、3000mm2、450mm2としたときの、シミュレーションにて得られたアノード電極ユニット35Aを流れる電流Iの変化、及び、アノード電極ユニット35Aにおける発生エネルギーを、それぞれ、図15及び図16に示す。尚、図15及び図16において、曲線AはSAUの値が9000mm2のときの値を示し、曲線BはSAUの値が3000mm2のときの値を示し、曲線CはSAUの値が450mm2のときの値を示す。更には、発生エネルギーの積算値(放電が発生してから1ナノ秒までの積算値である)は、以下の表3のとおりとなった。尚、SAUの値を2250mm2としたときのアノード電極ユニット35Aと収束電極15とによって形成される静電容量Cの値を15pFとし、VAを7キロボルトとしてシミュレーションを行ったときの発生エネルギーの積算値を、更に、以下の表3に示す。
【0155】
【0156】
アノード電極ユニット35Aの面積SAUが9000mm2及び3000mm2では、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間での放電時の発生エネルギーの積算値の値が実施の形態1にて説明したQTotal(1.41×10−3J)を越えている。一方、アノード電極ユニット35Aの面積が2250mm2以下では、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間での放電時の発生エネルギーの積算値の値がQTotalを越えることはない。従って、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間での放電時の発生エネルギーによって、アノード電極ユニット35Aが局所的に(より具体的には、1サブピクセルに相当する大きさに亙って)破損することはない。具体的には、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間での放電に起因してアノード電極ユニット35Aが局所的に(より具体的には、1サブピクセルに相当する大きさに亙って)蒸発することはない。
【0157】
ところで、一般に、容量cのコンデンサに蓄積されるエネルギーは、(1/2)cV2で表される。コンデンサの対向電極の面積をS、電極間の距離をLとしたとき、コンデンサの容量cは、ε(S/L)で表される。従って、対向電極の面積がSAU、アノード電極ユニット35Aと電界放出素子との間の距離がLのとき、以下の式を満足すれば、コンデンサの対向電極に相当するアノード電極ユニット35Aに局所的に(より具体的には、1サブピクセルに相当する大きさに亙って)損傷は生じないことになる。
【0158】
ε(1/2)(SAU/L)VA 2≦ε(1/2)[2250/1]72
【0159】
上式を変形すれば、
(VA/7)2×(SAU/L)≦2250
が得られる。
【0160】
(各種の電界放出素子に関して)
以下、各種の電界放出素子及びその製造方法を説明するが、収束電極15上への抵抗体層18の形成に関する記載は省略した。抵抗体層18は、例えば電界放出素子を作製した後、例えば斜めスパッタリング法にて形成することができる。
【0161】
実施の形態においては、電界放出素子として、スピント型(円錐形の電子放出部が、開口部16の底部に位置するカソード電極11上に設けられた電界放出素子)を説明したが、その他、例えば、扁平型(略平面状の電子放出部が、開口部16の底部に位置するカソード電極11上に設けられた電界放出素子)とすることもできる。尚、これらの電界放出素子を、第1の構造を有する電界放出素子と呼ぶ。
【0162】
あるいは又、
(a)支持体上に設けられた、第1の方向に延びるストライプ状のカソード電極と、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層と、
(c)絶縁層上に設けられ、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲート電極と、
(d)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜と、
(e)絶縁膜上に形成された収束電極と、
(f)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(g)開口部の底部に露出した電子放出部、
から成り、
開口部の底部に露出したカソード電極の部分が電子放出部に相当し、かかる開口部の底部に露出したカソード電極の部分から電子を放出する構造を有する電界放出素子とすることもできる。
【0163】
このような構造を有する電界放出素子として、平坦なカソード電極の表面から電子を放出する平面型電界放出素子を挙げることができる。尚、この電界放出素子を第2の構造を有する電界放出素子と呼ぶ。
【0164】
スピント型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、タングステン、タングステン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリコン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げることができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法によって形成することができる。
【0165】
扁平型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ましく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソード電極を構成する代表的な材料として、タングステン(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.87eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95eV)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例示することができる。電子放出部は、これらの材料よりも小さい仕事関数Φを有していることが好ましく、その値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、BaO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.25〜1.6eV)、Y2O3(Φ=2.0eV)、CaO(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが2eV以下である材料から電子放出部を構成することが、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0166】
あるいは又、扁平型電界放出素子において、電子放出部を構成する材料として、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0167】
扁平型電界放出素子にあっては、特に好ましい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的にはダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチューブ構造体を挙げることができる。電子放出部をこれらから構成する場合、5×107V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出電子電流密度を得ることができる。また、ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子放出部から得られる放出電子電流を均一化することができ、よって、表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制が可能となる。更に、これらの材料は、表示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対して極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命化を図ることができる。
【0168】
カーボン・ナノチューブ構造体として、具体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はカーボン・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的には、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノファイバーから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとカーボン・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成してもよい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状であってもよいし、場合によっては、カーボン・ナノチューブ構造体は円錐状の形状を有していてもよい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーは、周知のアーク放電法やレーザアブレーション法といったPVD法、プラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法によって製造、形成することができる。
【0169】
扁平型電界放出素子を、バインダー材料にカーボン・ナノチューブ構造体を分散させたものをカソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、バインダー材料の焼成あるいは硬化を行う方法(より具体的には、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等の有機系バインダー材料や銀ペースト、水ガラス等の無機系バインダー材料にカーボン・ナノチューブ構造体を分散したものを、カソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、溶媒の除去、バインダー材料の焼成・硬化を行う方法)によって製造することもできる。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形成方法と呼ぶ。塗布方法として、スクリーン印刷法を例示することができる。
【0170】
あるいは又、扁平型電界放出素子を、カーボン・ナノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布した後、金属化合物を焼成する方法によって製造することもでき、これによって、金属化合物に由来した金属原子を含むマトリックスにてカーボン・ナノチューブ構造体がカソード電極表面に固定される。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体の第2の形成方法と呼ぶ。マトリックスは、導電性を有する金属酸化物から成ることが好ましく、より具体的には、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム−錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、又は、酸化アンチモン−錫から構成することが好ましい。焼成後、各カーボン・ナノチューブ構造体の一部分がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできるし、各カーボン・ナノチューブ構造体の全体がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできる。マトリックスの体積抵抗率は、1×10−9Ω・m乃至5×10−6Ω・mであることが望ましい。
【0171】
金属化合物溶液を構成する金属化合物として、例えば、有機金属化合物、有機酸金属化合物、又は、金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、酢酸塩)を挙げることができる。有機酸金属化合物溶液として、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解し、これを有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)で希釈したものを挙げることができる。また、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)に溶解したものを例示することができる。溶液を100重量部としたとき、カーボン・ナノチューブ構造体が0.001〜20重量部、金属化合物が0.1〜10重量部、含まれた組成とすることが好ましい。溶液には、分散剤や界面活性剤が含まれていてもよい。また、マトリックスの厚さを増加させるといった観点から、金属化合物溶液に、例えばカーボンブラック等の添加物を添加してもよい。また、場合によっては、有機溶媒の代わりに水を溶媒として用いることもできる。
【0172】
カーボン・ナノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布する方法として、スプレー法、スピンコーティング法、ディッピング法、ダイクォーター法、スクリーン印刷法を例示することができるが、中でもスプレー法を採用することが塗布の容易性といった観点から好ましい。
【0173】
カーボン・ナノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布した後、金属化合物溶液を乾燥させて金属化合物層を形成し、次いで、カソード電極上の金属化合物層の不要部分を除去した後、金属化合物を焼成してもよいし、金属化合物を焼成した後、カソード電極上の不要部分を除去してもよいし、カソード電極の所望の領域上にのみ金属化合物溶液を塗布してもよい。
【0174】
金属化合物の焼成温度は、例えば、金属塩が酸化されて導電性を有する金属酸化物となるような温度、あるいは又、有機金属化合物や有機酸金属化合物が分解して、有機金属化合物や有機酸金属化合物に由来した金属原子を含むマトリックス(例えば、導電性を有する金属酸化物)が形成できる温度であればよく、例えば、300゜C以上とすることが好ましい。焼成温度の上限は、電界放出素子あるいはカソードパネルの構成要素に熱的な損傷等が発生しない温度とすればよい。
【0175】
カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部の形成後、電子放出部の表面の一種の活性化処理(洗浄処理)を行うことが、電子放出部からの電子の放出効率の一層の向上といった観点から好ましい。このような処理として、水素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、メタンガス、エチレンガス、アセチレンガス、窒素ガス等のガス雰囲気中でのプラズマ処理を挙げることができる。
【0176】
カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極の部分の表面に形成されていればよく、開口部の底部に位置するカソード電極の部分から開口部の底部以外のカソード電極の部分の表面に延在するように形成されていてもよい。また、電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極の部分の表面の全面に形成されていても、部分的に形成されていてもよい。
【0177】
第1の構造あるいは第2の構造を有する電界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存するが、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの開口部内に1つの電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの開口部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極に複数の開口部を設け、かかる開口部と連通する1つの開口部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つの開口部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
【0178】
ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。ゲート電極における開口部の形成は、例えば、等方性エッチング、異方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成方法に依っては、開口部を直接形成することもできる。絶縁層における開口部の形成も、例えば、等方性エッチング、異方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができる。収束電極に設けられた開口部は、各冷陰極電界電子放出素子毎に設けられていてもよいし、各電子放出領域毎(各重複領域毎)に設けられていてもよい。
【0179】
第1の構造を有する電界放出素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体層を設けてもよい。あるいは又、カソード電極の表面が電子放出部に相当している場合(即ち、第2の構造を有する電界放出素子においては)、カソード電極を導電材料層、抵抗体層、電子放出部に相当する電子放出層の3層構成としてもよい。抵抗体層を設けることによって、電界放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体層を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体層の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができる。電気抵抗値は、概ね1×105〜1×107Ω、好ましくは数MΩとすればよい。
【0180】
[スピント型電界放出素子]
スピント型電界放出素子は、基本的には、先に説明したように、
(a)支持体10上に設けられ、第1の方向に延びるストライプ状のカソード電極11と、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、
(c)絶縁層12上に設けられ、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲート電極13と、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12上に形成された絶縁膜14と、
(e)絶縁膜14上に形成された収束電極15と、
(f)収束電極15、絶縁膜14、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部16(収束電極15及び絶縁膜14に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16B、並びに、絶縁層12に設けられた開口部16C)と、
(g)開口部16の底部に位置するカソード電極11上に設けられた電子放出部17、
から成り、
開口部16の底部に露出した円錐形の電子放出部17から電子が放出される構造を有する。
【0181】
以下、スピント型電界放出素子の製造方法を、カソードパネルを構成する支持体10等の模式的な一部端面図である図17の(A)、(B)及び図18の(A)、(B)を参照して説明する。
【0182】
尚、このスピント型電界放出素子は、基本的には、円錐形の電子放出部17を金属材料の垂直蒸着により形成する方法によって得ることができる。即ち、収束電極15に設けられた開口部16Aに対して蒸着粒子は垂直に入射するが、開口部16Aの開口端付近に形成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利用して、開口部16の底部に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放出部17を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオーバーハング状の堆積物の除去を容易とするために、収束電極15上に剥離層19Aを予め形成しておく方法について説明する。尚、電界放出素子の製造方法を説明するための図面においては、1つの電界放出素子のみを図示した。
【0183】
[工程−A0]
先ず、例えばガラス基板から成る支持体10の上に、例えばポリシリコンから成るカソード電極用導電材料層をプラズマCVD法にて成膜した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニングして、ストライプ状のカソード電極11を形成する。その後、全面にSiO2から成る絶縁層12をCVD法にて形成する。
【0184】
[工程−A1]
次に、絶縁層12上に、ゲート電極用導電材料層(例えば、TiN層)をスパッタ法にて成膜し、次いで、ゲート電極用導電材料層をリソグラフィ技術及びドライエッチング技術にてパターニングすることによって、ストライプ状のゲート電極13を得ることができる。ストライプ状のカソード電極11は、図面の紙面左右方向に延び、ストライプ状のゲート電極13は、図面の紙面垂直方向に延びている。
【0185】
尚、ゲート電極13を、真空蒸着法等のPVD法、CVD法、電気メッキ法や無電解メッキ法といったメッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーション法、ゾル−ゲル法、リフトオフ法等の公知の薄膜形成と、必要に応じてエッチング技術との組合せによって形成してもよい。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えばストライプ状のゲート電極を形成することが可能である。
【0186】
[工程−A2]
その後、全面に絶縁膜14を形成し、更に、絶縁膜14の上に収束電極15を形成する。
【0187】
[工程−A3]
その後、再びレジスト層を形成し、エッチングによって収束電極15及び絶縁膜14に開口部16Aを形成し、更に、ゲート電極13に開口部16Bを形成し、更に、絶縁層に開口部16Cを形成し、開口部16Cの底部にカソード電極11を露出させた後、レジスト層を除去する。こうして、図17の(A)に示す構造を得ることができる。
【0188】
[工程−A4]
次に、支持体10を回転させながら収束電極15上にニッケル(Ni)を斜め蒸着することにより、剥離層19Aを形成する(図17の(B)参照)。このとき、支持体10の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択することにより(例えば、入射角65度〜85度)、開口部16Cの底部にニッケルを殆ど堆積させることなく、収束電極15の上に剥離層19Aを形成することができる。剥離層19Aは、開口部16Aの開口端から庇状に張り出しており、これによって開口部16Aが実質的に縮径される。
【0189】
[工程−A5]
次に、全面に例えば導電材料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角3度〜10度)。このとき、図18の(A)に示すように、剥離層19A上でオーバーハング形状を有する導電材料層19Bが成長するに伴い、開口部16Aの実質的な直径が次第に縮小されるので、開口部16Cの底部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に開口部16Cの中央付近を通過するものに限られるようになる。その結果、開口部16Cの底部には円錐形の堆積物が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部17となる。
【0190】
[工程−A6]
その後、リフトオフ法にて剥離層19Aを収束電極15の表面から剥離し、収束電極15の上方の導電材料層19Bを除去する。その後、絶縁層12に設けられた開口部16Cの側壁面を等方的なエッチングによって後退させることが、ゲート電極13の開口端部を露出させるといった観点から、好ましい。尚、等方的なエッチングは、ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主エッチング種として利用するドライエッチング、あるいはエッチング液を利用するウェットエッチングにより行うことができる。エッチング液としては、例えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用いることができる。こうして、図18の(B)に示す電界放出素子を完成することができる。
【0191】
[扁平型電界放出素子(その1)]
扁平型電界放出素子は、基本的には、
(a)支持体10上に設けられ、第1の方向に延びるカソード電極11と、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、
(c)絶縁層12上に設けられ、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極13と、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12上に形成された絶縁膜14と、
(e)絶縁膜14上に形成された収束電極15と、
(f)収束電極15、絶縁膜14、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部16(収束電極15及び絶縁膜14に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16B、並びに、絶縁層12に設けられた開口部16C)と、
(g)開口部16の底部に位置するカソード電極11上に設けられた扁平状の電子放出部17A、
から成り、
開口部16の底部に露出した電子放出部17Aから電子が放出される構造を有する。
【0192】
電子放出部17Aは、マトリックス20、及び、先端部が突出した状態でマトリックス20中に埋め込まれたカーボン・ナノチューブ構造体(具体的には、カーボン・ナノチューブ21)から成り、マトリックス20は、導電性を有する金属酸化物(具体的には、酸化インジウム−錫、ITO)から成る。
【0193】
以下、電界放出素子の製造方法を、図19の(A)、(B)及び図20の(A)、(B)を参照して説明する。
【0194】
[工程−B0]
先ず、例えばガラス基板から成る支持体10上に、例えばスパッタリング法及びエッチング技術により形成された厚さ約0.2μmのクロム(Cr)層から成るストライプ状のカソード電極11を形成する。
【0195】
[工程−B1]
次に、カーボン・ナノチューブ構造体が分散された有機酸金属化合物から成る金属化合物溶液をカソード電極11上に、例えばスプレー法にて塗布する。具体的には、以下の表4に例示する金属化合物溶液を用いる。尚、金属化合物溶液中にあっては、有機錫化合物及び有機インジウム化合物は酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解された状態にある。カーボン・ナノチューブはアーク放電法にて製造され、平均直径30nm、平均長さ1μmである。塗布に際しては、支持体10を70〜150゜Cに加熱しておく。塗布雰囲気を大気雰囲気とする。塗布後、5〜30分間、支持体10を加熱し、酢酸ブチルを十分に蒸発させる。このように、塗布時、支持体10を加熱することによって、カソード電極11の表面に対してカーボン・ナノチューブが水平に近づく方向にセルフレベリングする前に塗布溶液の乾燥が始まる結果、カーボン・ナノチューブが水平にはならない状態でカソード電極11の表面にカーボン・ナノチューブを配置することができる。即ち、カーボン・ナノチューブの先端部がアノード電極の方向を向くような状態、言い換えれば、カーボン・ナノチューブを、支持体10の法線方向に近づく方向に配向させることができる。尚、予め、表4に示す組成の金属化合物溶液を調製しておいてもよいし、カーボン・ナノチューブを添加していない金属化合物溶液を調製しておき、塗布前に、カーボン・ナノチューブと金属化合物溶液とを混合してもよい。また、カーボン・ナノチューブの分散性向上のため、金属化合物溶液の調製時、超音波を照射してもよい。
【0196】
[表4]
有機錫化合物及び有機インジウム化合物:0.1〜10重量部
分散剤(ドデシル硫酸ナトリウム) :0.1〜5 重量部
カーボン・ナノチューブ :0.1〜20重量部
酢酸ブチル :残余
【0197】
尚、有機酸金属化合物溶液として、有機錫化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化インジウムが得られ、有機亜鉛化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化合物及び有機錫化合物を酸に溶解したもの用いれば、マトリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。また、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物を用いれば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を用いれば、マトリックスとして酸化インジウムが得られ、有機亜鉛化合物を用いれば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を用いれば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化合物及び有機錫化合物を用いれば、マトリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。あるいは又、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化インジウム)を用いてもよい。
【0198】
場合によっては、金属化合物溶液を乾燥した後の金属化合物層の表面に著しい凹凸が形成されている場合がある。このような場合には、金属化合物層の上に、支持体を加熱することなく、再び、金属化合物溶液を塗布することが望ましい。
【0199】
[工程−B2]
その後、有機酸金属化合物から成る金属化合物を焼成することによって、有機酸金属化合物に由来した金属原子(具体的には、In及びSn)を含むマトリックス(具体的には、金属酸化物であり、より一層具体的にはITO)20にてカーボン・ナノチューブ21がカソード電極11の表面に固定された電子放出部17Aを得る。焼成を、大気雰囲気中で、350゜C、20分の条件にて行う。こうして、得られたマトリックス20の体積抵抗率は、5×10−7Ω・mであった。有機酸金属化合物を出発物質として用いることにより、焼成温度350゜Cといった低温においても、ITOから成るマトリックス20を形成することができる。尚、有機酸金属化合物溶液の代わりに、有機金属化合物溶液を用いてもよいし、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化インジウム)を用いた場合、焼成によって塩化錫、塩化インジウムが酸化されつつ、ITOから成るマトリックス20が形成される。
【0200】
[工程−B3]
次いで、全面にレジスト層を形成し、カソード電極11の所望の領域の上方に、例えば直径10μmの円形のレジスト層を残す。そして、10〜60゜Cの塩酸を用いて、1〜30分間、マトリックス20をエッチングして、電子放出部の不要部分を除去する。更に、所望の領域以外にカーボン・ナノチューブが未だ存在する場合には、以下の表5に例示する条件の酸素プラズマエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエッチングする。尚、バイアスパワーは0Wでもよいが、即ち、直流としてもよいが、バイアスパワーを加えることが望ましい。また、支持体を、例えば80゜C程度に加熱してもよい。
【0201】
[表5]
使用装置 :RIE装置
導入ガス :酸素を含むガス
プラズマ励起パワー:500W
バイアスパワー :0〜150W
処理時間 :10秒以上
【0202】
あるいは又、表6に例示する条件のウェットエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエッチングしてもよい。
【0203】
[表6]
使用溶液:KMnO4
温度 :20〜120゜C
処理時間:10秒〜20分
【0204】
その後、レジスト層を除去することによって、図19の(A)に示す構造を得ることができる。尚、直径10μmの円形の電子放出部17Aを残すことに限定されない。例えば、電子放出部17Aをカソード電極11上に残してもよい。
【0205】
尚、[工程−B1]、[工程−B3]、[工程−B2]の順に実行してもよい。
【0206】
[工程−B4]
次に、電子放出部17A、支持体10及びカソード電極11上に絶縁層12を形成する。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、全面に、厚さ約1μmの絶縁層12を形成する。
【0207】
[工程−B5]
その後、絶縁層12上にストライプ状のゲート電極13を形成し、更に、絶縁層12及びゲート電極13上に絶縁膜14を形成し、絶縁膜14上に収束電極15を形成する。次いで、収束電極15上にマスク層22を設けた後、収束電極15及び絶縁膜14に開口部16Aを形成し、更に、ゲート電極13に開口部16Bを形成し、更に、ゲート電極13に形成された開口部16Bに連通する開口部16Cを絶縁層12に形成する(図19の(B)参照)。尚、マトリックス20を金属酸化物、例えばITOから構成する場合、絶縁層12をエッチングするとき、マトリックス20がエッチングされることはない。即ち、絶縁層12とマトリックス20とのエッチング選択比はほぼ無限大である。従って、絶縁層12のエッチングによってカーボン・ナノチューブ21に損傷が発生することはない。
【0208】
[工程−B6]
次いで、以下の表7に例示する条件にて、マトリックス20の一部を除去し、マトリックス20から先端部が突出した状態のカーボン・ナノチューブ21を得ることが好ましい。こうして、図20の(A)に示す構造の電子放出部17Aを得ることができる。
【0209】
[表7]
エッチング溶液:塩酸
エッチング時間:10秒〜30秒
エッチング温度:10〜60゜C
【0210】
マトリックス20のエッチングによって一部あるいは全てのカーボン・ナノチューブ21の表面状態が変化し(例えば、その表面に酸素原子や酸素分子、フッ素原子が吸着し)、電界放出に関して不活性となっている場合がある。それ故、その後、電子放出部17Aに対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を行うことが好ましく、これによって、電子放出部17Aが活性化し、電子放出部17Aからの電子の放出効率の一層の向上させることができる。プラズマ処理の条件を、以下の表8に例示する。
【0211】
[表8]
使用ガス :H2=100sccm
電源パワー :1000W
支持体印加電力:50V
反応圧力 :0.1Pa
支持体温度 :300゜C
【0212】
その後、カーボン・ナノチューブ21からガスを放出させるために、加熱処理や各種のプラズマ処理を施してもよいし、カーボン・ナノチューブ21の表面に意図的に吸着物を吸着させるために吸着させたい物質を含むガスにカーボン・ナノチューブ21を晒してもよい。また、カーボン・ナノチューブ21を精製するために、酸素プラズマ処理やフッ素プラズマ処理を行ってもよい。
【0213】
[工程−B7]
その後、絶縁層12に設けられた開口部16Cの側壁面を等方的なエッチングによって後退させることが、ゲート電極13の開口端部を露出させるといった観点から、好ましい。次いで、マスク層22を除去する。こうして、図20の(B)に示す電界放出素子を完成することができる。
【0214】
尚、[工程−B5]の後、[工程−B7]、[工程−B6]の順に実行してもよい。
【0215】
[扁平型電界放出素子(その2)]
扁平型電界放出素子の模式的な一部断面図を、図21の(A)に示す。この扁平型電界放出素子は、例えばガラスから成る支持体10上に形成されたカソード電極11;支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12;絶縁層12上に形成されたゲート電極13;ゲート電極13及び絶縁層12上に形成された絶縁膜14;絶縁膜14上に形成された収束電極15;収束電極15、絶縁膜14、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部16(収束電極15及び絶縁膜14に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16B、並びに、絶縁層12に設けられた開口部16C);並びに、開口部16の底部に位置するカソード電極11の部分の上に設けられた扁平の電子放出部(電子放出層17B)から成る。ここで、電子放出層17Bは、図面の紙面垂直方向に延びたストライプ状のカソード電極11上に形成されている。また、ゲート電極13は、図面の紙面左右方向に延びている。カソード電極11及びゲート電極13はクロムから成る。電子放出層17Bは、具体的には、グラファイト粉末から成る薄層から構成されている。図21の(A)に示した扁平型電界放出素子においては、カソード電極11の表面の全域に亙って、電子放出層17Bが形成されているが、このような構造に限定するものではなく、要は、少なくとも開口部16の底部に電子放出層17Bが設けられていればよい。
【0216】
[平面型電界放出素子]
平面型電界放出素子の模式的な一部断面図を、図21の(B)に示す。この平面型電界放出素子は、例えばガラスから成る支持体10上に形成されたストライプ状のカソード電極11;支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12;絶縁層12上に形成されたストライプ状のゲート電極13;ゲート電極13及び絶縁層12上に形成された絶縁膜14;絶縁膜14上に形成された収束電極15;収束電極15、絶縁膜14、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部16(収束電極15及び絶縁膜14に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16B、並びに、絶縁層12に設けられた開口部16C)から成る。開口部16の底部にはカソード電極11が露出している。カソード電極11は、図面の紙面垂直方向に延び、ゲート電極13は、図面の紙面左右方向に延びている。カソード電極11及びゲート電極13はクロム(Cr)から成り、絶縁層12はSiO2から成る。ここで、開口部16の底部に露出したカソード電極11の部分が電子放出部17Cに相当する。
【0217】
[アノードパネル及び表示装置の製造方法]
以下、基板等の模式的な一部断面図である図22の(A)〜(F)を参照して、アノードパネルAPの製造方法を説明する。
【0218】
[工程−100]
先ず、ガラス基板から成る基板30上に隔壁33を形成する(図22の(A)参照)。隔壁33の平面形状は格子形状(井桁形状)である。具体的には、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着色した鉛ガラス層を約50μmの厚さで形成した後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によって鉛ガラス層を選択的に加工することにより、格子形状(井桁形状)の隔壁33(例えば図3を参照)を得ることができる。尚、場合によっては、低融点ガラスペーストをスクリーン印刷法にて基板30上に印刷し、次いで、かかる低融点ガラスペーストを焼成することによって隔壁を形成してもよいし、感光性ポリイミド樹脂層を基板30の全面に形成した後、かかる感光性ポリイミド樹脂層を露光、現像することによって、隔壁を形成してもよい。1画素における隔壁33の大きさを、およそ、縦×横×高さが200μm×100μm×50μmとした。隔壁の一部は、スペーサ34を保持するためのスペーサ保持部としても機能する。尚、隔壁33の形成前に、隔壁33を形成すべき基板30の部分の表面にブラックマトリックス(図22には図示せず)を形成することが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。
【0219】
[工程−110]
次に、赤色発光蛍光体層31Rを形成するために、例えばポリビニルアルコール(PVA)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラリーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体スラリーを乾燥する。その後、基板30側から赤色発光蛍光体層31Rを形成すべき赤色発光蛍光体スラリーの部分に紫外線を照射し、赤色発光蛍光体スラリーを露光する。赤色発光蛍光体スラリーは基板30側から徐々に硬化する。形成される赤色発光蛍光体層31Rの厚さは、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射量により決定される。ここでは、例えば、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射時間を調整して、赤色発光蛍光体層31Rの厚さを約8μmとした。その後、赤色発光蛍光体スラリーを現像することによって、所定の隔壁33の間に赤色発光蛍光体層31Rを形成することができる(図22の(B)参照)。以下、緑色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって緑色発光蛍光体層31Gを形成し、更に、青色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって青色発光蛍光体層31Bを形成する(図22の(C)参照)。尚、蛍光体層31の表面は、微視的には、複数の蛍光体粒子により凹凸となっている。蛍光体層の形成方法は、以上に説明した方法に限定されず、赤色発光蛍光体スラリー、緑色発光蛍光体スラリー、青色発光蛍光体スラリーを順次塗布した後、各蛍光体スラリーを順次露光、現像して、各蛍光体層を形成してもよいし、スクリーン印刷法等により各蛍光体層を形成してもよい。
【0220】
[工程−120]
その後、隔壁33及び蛍光体層31が形成された基板30を、処理槽内に満たされた液体(具体的には、水)中に、蛍光体層31が液面側を向くように浸漬する。尚、処理槽の排出部は閉じておく。そして、液面上に、実質的に平坦な表面を有する中間膜60を形成する。具体的には、中間膜60を構成する樹脂(ラッカー)を溶解した有機溶剤を液面に滴下する。即ち、液面上に、中間膜60を形成するための中間膜材料を展開する。中間膜60を構成する樹脂(ラッカー)は、広義のワニスの一種で、セルロース誘導体、一般にニトロセルロースを主成分とした配合物を低級脂肪酸エステルのような揮発性溶剤に溶かしたもの、あるいは、他の合成高分子を用いたウレタンラッカー、アクリルラッカーから構成される。続いて、中間膜材料を液面に浮遊させた状態において、例えば2分間程度乾燥させる。これによって、中間膜材料が成膜され、液面上に中間膜60が平坦に形成される。中間膜60を形成する際には、例えば、その厚さが約30nmとなるように中間膜材料の展開量を調整する。
【0221】
続いて、処理槽の排出部を開き、処理槽から液体を排出して液面を降下させることにより、液面上に形成されていた中間膜60が隔壁33に近づく方向に移動し、中間膜60が隔壁33に接触し、最終的に、中間膜60が蛍光体層31と接する状態となり、中間膜60が蛍光体層31上に残される(図22の(D)参照)。
【0222】
[工程−130]
次に、中間膜60を乾燥させる。即ち、基板30を処理槽内から取り出し、基板30を乾燥炉内に搬入し、所定の温度環境中にて乾燥させる。中間膜60の乾燥温度は例えば30°C〜60°Cの範囲内とすることが好ましく、中間膜60の乾燥時間は例えば数分〜数十分の範囲内とすることが好ましい。勿論、乾燥温度の高低に伴い、乾燥時間は減増する。
【0223】
[工程−140]
その後、中間膜60上にアノード電極35を形成する。具体的には、蒸着法又はスパッタリング法により、中間膜60を覆うように、アルミニウム(Al)やクロム(Cr)等の導電材料から成るアノード電極35を形成する(図22の(E)参照)。
【0224】
[工程−150]
次いで、400゜C程度で中間膜60を焼成する(図22の(F)参照)。この焼成処理により中間膜60が燃焼して焼失し、アノード電極35が蛍光体層31上及び隔壁33上に残される。尚、中間膜60の燃焼により生じたガスは、例えば、アノード電極35のうち、隔壁33の形状に沿って折れ曲がっている領域に生じる微細な孔を通じて外部に排出される。この孔は微細なため、アノード電極の構造的な強度や画像表示特性に深刻な影響を及ぼすものではない。
【0225】
[工程−160]
その後、アノード電極35上に、例えばITOから成る抵抗体層36をスパッタリング法にて形成する。こうして、アノードパネルAPを完成することができる。
【0226】
[工程−170]
電界放出素子が形成されたカソードパネルCPを準備する。そして、表示装置の組み立てを行う。具体的には、例えば、アノードパネルAPの有効領域に設けられたスペーサ保持部にスペーサ34を取り付け、蛍光体層31と電界放出素子とが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基板30と支持体10)とを、セラミックスやガラスから作製された高さ約1mmの枠体40を介して、周縁部において接合する。接合に際しては、枠体40とアノードパネルAPとの接合部位、及び、枠体40とカソードパネルCPとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体40とを貼り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜30分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体40とフリットガラス(図示せず)とによって囲まれた空間を、貫通孔(図示せず)及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力が10−4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体40とに囲まれた空間を真空にすることができる。あるいは又、例えば、枠体40とアノードパネルAPとカソードパネルCPとの貼り合わせを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に依っては、枠体無しで、接着層のみによってアノードパネルAPとカソードパネルCPとを貼り合わせてもよい。その後、必要な外部回路との配線接続を行い、表示装置を完成させる。
【0227】
以上、本発明を、発明の実施の形態に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。発明の実施の形態にて説明したアノードパネルやカソードパネル、表示装置や電界放出素子の構成、構造は例示であり、適宜変更することができるし、アノードパネルやカソードパネル、表示装置や電界放出素子の製造方法も例示であり、適宜変更することができる。更には、アノードパネルやカソードパネルの製造において使用した各種材料も例示であり、適宜変更することができる。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示とすることもできる。
【0228】
実施の形態1にあっては、収束電極を備えた電界放出素子を説明したが、収束電極を省略することもできる。このような構成の表示装置の模式的な一部端面図を図23に示す。一般に、このような電界放出素子は、
(a)支持体10上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極11、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、
(c)絶縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極13、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12に形成された開口部(ゲート電極13に設けられた開口部16B及び絶縁層12に設けられた開口部16C)、並びに、
(e)開口部16Cの底部に露出した電子放出部17、
から構成されている。尚、図23に示す電界放出素子をスピント型電界放出素子としたが、電界放出素子はこれに限定するものではない。
【0229】
本発明の冷陰極電界電子放出表示装置として、実施の形態2にて説明したように、
▲1▼本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置と第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の組み合わせ、
▲2▼本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置と第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の組み合わせ、
▲3▼本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置と第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の組み合わせ、
▲4▼本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置と第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の組み合わせ、
とすることもできる。
【0230】
電界放出素子においては、専ら1つの開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明したが、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもできる。あるいは又、ゲート電極に複数の開口部を設け、絶縁層にかかる複数の開口部に連通した複数の開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形態とすることもできる。
【0231】
実施の形態における電界放出素子においては、専ら、収束電極15及び絶縁膜14に設けられた1つの開口部16Aにゲート電極13に設けられた1つの開口部16Bが対応する形態を説明したが、電界放出素子の構造に依っては、収束電極15及び絶縁膜14に設けられた1つの開口部16Aにゲート電極13に設けられた複数の開口部16Bが対応した形態とすることができる。即ち、収束電極15及び絶縁膜14に設けられた1つの開口部16Aは、各電子放出領域毎(各重複領域毎)に設けられている。図24及び図25に、このような形態を図示する。尚、図24は、このような表示装置の模式的な一部端面図である。また、図25は、収束電極15、収束電極15に設けられた開口部16A、ゲート電極13に設けられた開口部16Bの配置状態を示す図であり、表示装置を構成する電子放出領域を上から眺めた模式図である。図25において、収束電極15の下方に位置するゲート電極13を点線で表し、カソード電極11を一点鎖線で示す。尚、電界放出素子として、スピント型電界放出素子を示したが、その他の構成を有する電界放出素子を適用することもできる。
【0232】
収束電極は、実施の形態にて説明した方法にて形成するだけでなく、例えば、厚さ数十μmの42%Ni−Feアロイから成る金属板の両面に、例えばSiO2から成る絶縁膜を形成した後、各画素に対応した領域にパンチングやエッチングすることによって開口部を形成することで収束電極を作製することもできる。そして、カソードパネル、金属板、アノードパネルを積み重ね、両パネルの外周部に枠体を配置し、加熱処理を施すことによって、金属板の一方の面に形成された絶縁膜と絶縁層12とを接着させ、金属板の他方の面に形成された絶縁膜とアノードパネルとを接着し、これらの部材を一体化させ、その後、真空封入することで、表示装置を完成させることもできる。
【0233】
ゲート電極を、有効領域を1枚のシート状の導電材料(開口部を有する)で被覆した形式のゲート電極とすることもできる。この場合には、かかるゲート電極に正の電圧を印加する。そして、各画素を構成するカソード電極とカソード電極制御回路との間に、例えば、TFTから成るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング素子の作動によって、各画素を構成する電子放出部への印加状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
【0234】
あるいは又、カソード電極を、有効領域を1枚のシート状の導電材料で被覆した形式のカソード電極とすることもできる。この場合には、かかるカソード電極に電圧を印加する。そして、各画素を構成する電子放出部とゲート電極制御回路との間に、例えば、TFTから成るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング素子の作動によって、各画素を構成するゲート電極への印加状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
【0235】
【発明の効果】
本発明の表示装置においては、抵抗体層の蒸発に必要とされる総計エネルギーQと、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間の静電容量Cと、アノード電極への印加電圧VAとの関係を規定することによって、あるいは又、抵抗体層の厚さtRと、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間の静電容量Cと、アノード電極への印加電圧VAとの関係を規定することによって、冷陰極電界電子放出素子あるいは収束電極とアノード電極との間で放電が生じた場合であっても、抵抗体層やアノード電極、冷陰極電界電子放出素子の構成要素に損傷が発生することを確実に抑制することができる。しかも、抵抗体層を設けることによって、放電電流のピーク値の低減を図ることができる。そして、以上の結果として、動作の安定性や信頼性に優れ、長寿命の冷陰極電界電子放出表示装置を得ることができる。
【0236】
更には、アノード電極を有効領域のほぼ全面に亙って形成する代わりに、より小さい面積を有するアノード電極ユニットに分割した形式で形成すれば、アノード電極ユニットと冷陰極電界電子放出素子との間の静電容量を減少させ、発生エネルギーを低減することができる。その結果、放電による抵抗体層やアノード電極、冷陰極電界電子放出素子の構成要素における損傷の大きさをより効果的に小さくすることが可能となる。
【0237】
また、通常、完成直後の冷陰極電界電子放出表示装置にエージング処理を行っている。このエージング処理は、電子放出領域から徐々に電子を放出させ、電子放出領域の表面を電子が放出し易い状態とする処理である。具体的には、カソード電極、ゲート電極、アノード電極に印加する電圧を徐々に、実際の冷陰極電界電子放出表示装置の動作電圧に近づけていく。このようなエージング処理によって、カソードパネルやアノードパネルを構成する各要素から徐々に残留ガスを放出させることができ、これらの要素から一度に多量の残留ガスが放出されることを防止し得る。このようなエージング処理時、アノード電極と収束電極との間に異常放電が発生し易い。本発明の冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、このエージング処理時におけるアノード電極と収束電極との間での異常放電によって、冷陰極電界電子放出表示装置を構成する要素の損傷発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図2】図2は、発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示装置を構成するカソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図である。
【図3】図3は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。
【図4】図4は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。
【図5】図5は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。
【図6】図6は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。
【図7】図7は、発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示装置における放電電流パス中に抵抗体層を形成したときの放電状態を模式的に示す図である。
【図8】図8は、発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示装置におけるアノード電極と収束電極との間で放電が生じたときの等価回路である。
【図9】図9は、図8に示した等価回路において、放電電流制御用の抵抗体層の電気抵抗値Rを0.9Ωとしたときの放電電流を計算にて求めた結果を示すグラフである。
【図10】図10は、発明の実施の形態2の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図11】図11は、発明の実施の形態3の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図12】図12は、発明の実施の形態4の冷陰極電界電子放出表示装置におけるアノード電極の模式的な平面図である。
【図13】図13の(A)及び(B)は、それぞれ、図12の線A−Aに沿ったアノードパネルの模式的な一部端面図、及び、図12の線B−Bに沿ったアノードパネルAPの模式的な一部端面図である。
【図14】図14は、発明の実施の形態4の冷陰極電界電子放出表示装置において、抵抗体層が設けられていない場合の、アノード電極ユニットと収束電極との間で放電が発生したときの等価回路である。
【図15】図15は、発明の実施の形態4の冷陰極電界電子放出表示装置において、アノード電極ユニットの面積SAUを9000mm2,3000mm2,450mm2としたときの、異常放電電流iの変化のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図16】図16は、発明の実施の形態4の冷陰極電界電子放出表示装置において、アノード電極ユニットの面積SAUを9000mm2,3000mm2,450mm2としたときの、異常放電時の発生エネルギーの積算値のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図17】図17の(A)及び(B)は、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図18】図18の(A)及び(B)は、図17の(B)に引き続き、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図19】図19の(A)及び(B)は、扁平型冷陰極電界電子放出素子(その1)の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図である。
【図20】図20の(A)及び(B)は、図19の(B)に引き続き、扁平型冷陰極電界電子放出素子(その1)の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図である。
【図21】図21の(A)及び(B)は、それぞれ、扁平型冷陰極電界電子放出素子(その2)の模式的な一部断面図、及び、平面型冷陰極電界電子放出素子の模式的な一部断面図である。
【図22】図22の(A)〜(F)は、アノードパネルの製造方法を説明するための基板等の模式的な一部断面図である。
【図23】図23は、冷陰極電界電子放出表示装置の変形例の模式的な一部端面図である。
【図24】図24は、冷陰極電界電子放出表示装置の別の変形例の模式的な一部端面図である。
【図25】図25は、図24に示した冷陰極電界電子放出表示装置の別の変形例における収束電極、収束電極に設けられた開口部、ゲート電極に設けられた開口部の配置状態を示す図であり、電子放出領域を上から眺めた模式図である。
【図26】図26は、特開平9−90898の図2に開示された電界放出素子を模式的な一部端面図である。
【図27】図27は、抵抗体層が設けられていない場合の、アノード電極と収束電極との間で放電が生じたときの等価回路である。
【図28】図28は、図27に示した等価回路において、RA=100キロΩとしたときの放電電流を計算にて求めた結果を示すグラフである。
【図29】図29は、図27に示した等価回路において、RA=1キロΩとしたときの放電電流を計算にて求めた結果を示すグラフである。
【符号の説明】
CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネル、10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14・・・絶縁膜、15・・・収束電極、16,16A,16B,16C・・・開口部、17,17A,17B,17C・・・電子放出部、18・・・抵抗体層、20・・・マトリックス、21・・・カーボン・ナノチューブ、22・・・マスク層、30・・・基板、31,31R,31G,31B・・・蛍光体層、32・・・ブラックマトリックス、33・・・隔壁、34・・・スペーサ、35・・・アノード電極、36・・・抵抗体層、40・・・枠体、41・・・カソード電極制御回路、42・・・ゲート電極制御回路、43・・・収束電極制御回路、44・・・アノード電極制御回路、50・・・給電線、51・・・隙間、52・・・抵抗部材、60・・・中間膜
Claims (14)
- 冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、蛍光体層上に形成されたアノード電極、及び、アノード電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層から構成されており、以下の式(1)を満足することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置。
Q>(1/2)C・VA 2 (1)
但し、
であり、
C :冷陰極電界電子放出素子とアノード電極との間の静電容量(F)
VA :アノード電極への印加電圧(V)
rR :抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)
dR :抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
Cm_S:固体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TL :抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
QS_L:抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
Cm_L:液体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TG :抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1) - 冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、蛍光体層上に形成されたアノード電極、及び、アノード電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層から構成されており、以下の式(1)を満足することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置。
Q>(1/2)C・VA 2 (1)
但し、
であり、
C :冷陰極電界電子放出素子とアノード電極との間の静電容量(F)
VA :アノード電極への印加電圧(V)
rR :抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)
dR :抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
Cm_S:固体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
Tr :室温(゜C)
TG :抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱と溶解熱の和(J・g−1) - 冷陰極電界電子放出素子は、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(d)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜、
(e)絶縁膜上に形成された収束電極、
(f)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(g)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。 - 冷陰極電界電子放出素子は、更に、
(h)収束電極上に形成された厚さt’R(単位:μm)の放電電流制御用の第2の抵抗体層、
から構成されていることを特徴とする請求項3に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。 - 冷陰極電界電子放出素子は、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(d)ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(e)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。 - 冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、蛍光体層上に形成されたアノード電極、及び、アノード電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層から構成されており、以下の式(2)を満足することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置。
tR×10−2>(1/2)C・VA 2 (2)
ここで、
C :冷陰極電界電子放出素子とアノード電極との間の静電容量(F)
VA:アノード電極への印加電圧(V) - 冷陰極電界電子放出素子は、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(d)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜、
(e)絶縁膜上に形成された収束電極、
(f)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(g)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されていることを特徴とする請求項6に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。 - 冷陰極電界電子放出素子は、更に、
(h)収束電極上に形成された厚さt’R(単位:μm)の放電電流制御用の第2の抵抗体層、
から構成されていることを特徴とする請求項7に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。 - 冷陰極電界電子放出素子は、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(d)ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(e)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されていることを特徴とする請求項6に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。 - アノード電極は、N個(但し、N≧2)のアノード電極ユニットから構成されており、前記Cは、冷陰極電界電子放出素子とアノード電極ユニットとの間の静電容量(単位:F)であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
- 冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、及び、蛍光体層上に形成されたアノード電極から構成され、
冷陰極電界電子放出素子は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(D)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜、
(E)絶縁膜上に形成された収束電極、
(F)収束電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層、
(G)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(H)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されており、
以下の式(3)を満足することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置。
Q>(1/2)C・VA 2 (3)
但し、
であり、
C :収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
VA :アノード電極への印加電圧(V)
rR :抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)
dR :抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
Cm_S:固体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TL :抵抗体層を構成する材料の融点(゜C)
Tr :室温(゜C)
QS_L:抵抗体層を構成する材料の溶解熱(J・g−1)
Cm_L:液体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
TG :抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱(J・g−1) - 冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、及び、蛍光体層上に形成されたアノード電極から構成され、
冷陰極電界電子放出素子は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(D)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜、
(E)絶縁膜上に形成された収束電極、
(F)収束電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層、
(G)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(H)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されており、
以下の式(3)を満足することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置。
Q>(1/2)C・VA 2 (3)
但し、
であり、
C :収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
VA :アノード電極への印加電圧(V)
rR :抵抗体層の蒸発が許容され得る領域の半径(mm)
dR :抵抗体層を構成する材料の密度(g・cm−3)
Cm_S:固体状態における抵抗体層を構成する材料の比熱(J・g−1・K−1)
Tr :室温(゜C)
TG :抵抗体層を構成する材料の沸点(゜C)
QL_G:抵抗体層を構成する材料の気化熱と溶解熱の和(J・g−1) - 冷陰極電界電子放出素子を複数備えたカソードパネルと、アノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
アノードパネルは、基板、基板上に形成された蛍光体層、及び、蛍光体層上に形成されたアノード電極から構成され、
冷陰極電界電子放出素子は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(D)ゲート電極及び絶縁層上に形成された絶縁膜、
(E)絶縁膜上に形成された収束電極、
(F)収束電極上に形成された厚さtR(単位:μm)の放電電流制御用の抵抗体層、
(G)収束電極、絶縁膜、ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(H)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されており、
以下の式(4)を満足することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置。
tR×10−2>(1/2)C・VA 2 (4)
ここで、
C :収束電極とアノード電極との間の静電容量(F)
VA:アノード電極への印加電圧(V) - アノード電極は、N個(但し、N≧2)のアノード電極ユニットから構成されており、前記Cは、収束電極とアノード電極ユニットとの間の静電容量(単位:F)であることを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれか1項に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
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