JP2004278445A - エンジン用燃料供給装置 - Google Patents

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Katsuhiro Horigome
勝博 堀篭
Toshihiko Naito
敏彦 内藤
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Abstract

【課題】エンジン用燃料供給装置において,燃料タンク内の燃料液面から燃料ポンプの吸入ポートまでの落差の変化に極力影響されることなく,燃料ポンプの吐出量を安定させる。
【解決手段】燃料タンクTの下方に,該タンクT内の燃料を吸入してエンジンEに供給すべく吐出すると共に,その吐出燃料の余剰分を燃料タンクTに還流させる燃料ポンプPを配置した,エンジン用燃料供給装置において,燃料タンクTと燃料ポンプPの吸入ポート2との間を接続する供給流路L1に,余剰燃料の流れにより作動して燃料タンクT内の燃料を該供給流路L1に引き込むエジェクタ48を配設した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,自動二輪車等のように,エンジンの上方に燃料タンクを配置した車両におけるエンジン用燃料供給装置に関し,特に,燃料タンクの下方に,該タンク内の燃料を吸入してエンジンに供給すべく吐出すると共に,その吐出燃料の余剰分を前記燃料タンクに還流させる燃料ポンプを配置したものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝるエンジン用燃料供給装置は,例えば下記特許文献1に開示されているように既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−168155号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かゝるエンジン用燃料供給装置では,燃料タンク内の燃料は重力により燃料ポンプまで供給されるので,燃料タンク内の燃料残量の変化や車両の姿勢変化等により,燃料タンク内の燃料液面から燃料ポンプの吸入ポートまでの落差が変化すると,燃料ポンプの吐出量に多少とも変化が生じることになる。そこで従来では,上記落差の変化を見込んで,エンジンに常に燃料を安定供給し得るよう,燃料ポンプのポンプ容量を大きめに設定しているが,これが燃料ポンプの小型化を妨げている。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,燃料タンク内の燃料液面から燃料ポンプの吸入ポートまでの落差の変化に極力影響されることなく,燃料ポンプの吐出量を安定させることができて,燃料ポンプの小型化を可能にする,前記エンジン用燃料供給装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,燃料タンクの下方に,該タンク内の燃料を吸入してエンジンに供給すべく吐出すると共に,その吐出燃料の余剰分を前記燃料タンクに還流させる燃料ポンプを配置した,エンジン用燃料供給装置において,前記燃料タンクと前記燃料ポンプの吸入ポートとの間を接続する供給流路に,前記余剰燃料の流れにより作動して前記燃料タンク内の燃料を該供給流路に引き込むエジェクタを配設したことを第1の特徴とする。
【0007】
この第1の特徴によれば,燃料ポンプが余剰燃料を排出すると,その流れによってエジェクタが作動され,燃料タンク内の燃料が供給流路に引き込まれ,供給流路下流側の減圧を防ぐことができ,燃料タンク内の燃料液面から燃料ポンプの吸入ポートまでの落差が変化しても,それに殆ど影響されることなく,燃料ポンプの吐出量を安定させ,エンジンへの燃料の安定供給が可能となる。しかも上記落差の変化を見込んで燃料ポンプの容量を特別に大きく設定する必要がなく,その小型を図ることができ,さらにエジェクタの作動に余剰燃料のエネルギを利用することで,エンジンの動力損失を招くこともない。
【0008】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記エジェクタと前記燃料ポンプの吸入ポートとの間を接続する供給流路に,該流路内の燃料からベーパを分離して前記燃料タンクへ排出するベーパセパレータ室を配設したことを第2の特徴とする。
【0009】
この第2の特徴によれば,エジェクタ内で燃料中にベーパが発生しても,そのベーパをベーパセパレータ室で捕捉,排出して,燃料ポンプへの浸入を防ぐことができ,これにより燃料ポンプはベーパを含まない良好な燃料をエンジンに供給することができる。
【0010】
さらに本発明は,第2の特徴に加えて,前記ベーパセパレータ室を,これが前記燃料ポンプを囲繞するように構成したことを第3の特徴とする。
【0011】
この第3の特徴によれば,燃料ポンプの姿勢変化によっても,燃料ポンプの吸入ポート周辺に存在するベーパを常に確実に捕捉することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明の実施例に係るエンジン用燃料供給装置の要部を縦断した全体図,図2は図1中の燃料ポンプモジュールの拡大縦断面図,図3は図2の要部拡大図である。
【0014】
先ず図1において,自動二輪車等の車両において,燃料タンクTの下方に燃料ポンプモジュールAが配設され,これらの間には,燃料タンクT内の燃料を燃料ポンプモジュールAに流下させる供給流路L1と,燃料ポンプモジュールA内で発生した余剰燃料を燃料タンクTに還流させる戻し流路L2とが設けられる。燃料ポンプモジュールAでは,燃料ポンプが供給流路L1から吸入した燃料を昇圧して,エンジンEの燃料噴射弁Iに供給するようになっており,これについては後に詳述する。
【0015】
供給流路L1に途中には,燃料ポンプモジュールAに供給される燃料を濾過する外部フィルタ44が着脱可能に介装される。
【0016】
燃料タンクTの底壁に形成される出口管Taに燃料ジョイント45がナット28により連結される。燃料ジョイント45は,出口管Taにナット28で直接連結される有底円筒状の第1ジョイント管45aと,この第1ジョイント管45aの下端部の両側面から互いに反対方向に突出する第2ジョイント管45b及び第3ジョイント管45cとからなるもので,全体として逆T字形をなしており,第1ジョイント管45aには,出口管Taを貫通して燃料タンクT内に突入する燃料ストレーナ46が付設される。第2ジョイント管45bには,燃料ポンプモジュールAの燃料入口管63に連なる供給パイプ66が接続され,この供給パイプ66の途中に前記外部フィルタ44が着脱可能に介装される。第3ジョイント管45cには,燃料ポンプモジュールAの燃料戻し管81に連なる戻しパイプ83が接続される。
【0017】
而して,第1ジョイント管45a,第2ジョイント管45b及び供給パイプ66により前記供給流路L1が構成され,戻しパイプ83,第3ジョイント管45c及び第1ジョイント管45aにより前記戻し流路L2が構成される。
【0018】
第2ジョイント管45bは,その管路に,第1ジョイント管45a寄りの中間の絞り部49と,この絞り部49から内端に向かって急角度で拡径する流入路50と,絞り部49から外端に向かって緩角度で拡径する流出路50を設けることでディフューザ管に構成される。一方,第3ジョイント管45cは,第1ジョイント管45aの側壁に,それを貫通するようにして固着され,この第3ジョイント管45cの,第1ジョイント管45aに突入した先端部は,先細りのノズル47に形成され,このノズル47は,前記絞り部49を指向するように前記流入路50に配置される。
【0019】
而して,ディフューザ管45b及びノズル47により,燃料タンクTから供給流路L1に燃料を引き出すエジェクタ48が構成される。
【0020】
図2及び図3において,燃料ポンプモジュールAは,電動モータMと,それに給電するためのカプラ55と,電動モータMにより駆動されるウエスコ型の燃料ポンプPと,この燃料ポンプPの吸入燃料を濾過する低圧燃料フィルタF1と,燃料ポンプPの吐出燃料を濾過する高圧燃料フィルタF2と,燃料の出口圧力を調整する圧力レギュレータRと,燃料ポンプPから吐出された燃料をエンジンEに噴射する燃料噴射弁Iとを備える。
【0021】
図3に明示するように,燃料ポンプPのポンプハウジング1は,吸入ポート2を下面に開口するアルミ合金製の第1ポンプハウジング半体1aと,吐出ポート3を上面に開口して第1ポンプハウジング半体1aと結合される,同じくアルミ合金製の第2ポンプハウジング半体1bとからなっている。第2ポンプハウジング半体1bには,吸入ポート2及び吐出ポート3の各内端が開口するポンプ室5が形成され,このポンプ室5にポンプインペラ6が回転自在に嵌装される。
【0022】
電動モータMは,ステータコア12及びステータコイル13からなるステータ10と,このステータ10を囲繞する有底円筒状のロータ本体14及びその内周面に付設した永久磁石15からなるアウタロータ11と,ロータ本体14の端壁中心部のハブ14aに固着された出力軸16とでブラシレス型に構成される。
【0023】
ステータコア12は,前記第2ポンプハウジング半体1bに一体成形されて,その上面から突出する中空円筒状のモータ支持部20の外周面に圧入により固定される。
【0024】
上記モータ支持部20の基部及び先端部の内周面には第1及び第2軸受ハウジング21,22が形成され,これらに第1及び第2軸受23,24がそれぞれ圧入により装着され,これら第1及び第2軸受23,24によって前記出力軸16の両端部が支承される。図示例の場合,第1及び第2軸受23,24にはメタル軸受が使用される。
【0025】
出力軸16は,断面半月状の先端部16aを有しており,これを前記ポンプインペラ6中心部の半月状の連結孔6aに嵌合することにより,ポンプインペラ6と連結される。
【0026】
ロータ本体14の端壁には,その内外を連通する複数の透孔17が穿設されている。
【0027】
第2ポンプハウジング半体1bの,ポンプ室5に開口する凹部25において,出力軸16には,出力軸16の第1及び第2軸受23,24からの抜け出しを阻止する抜け止め部材26が圧入される。
【0028】
カプラ55は,電動モータM及び燃料ポンプP間に配設される環状のカプラベース56の一側面からの張り出し部56aに,接続口55aを上方に向けて一体に形成される。これらカプラベース56,張り出し部56a及びカプラ55は,合成樹脂により一体成形されるものであり,その成形時に,カプラベース56からカプラ55にかけて接続端子57が埋設される。
【0029】
カプラベース56は,その中心部から上方に突出する円筒状の中心嵌合部56bと,その外周部から上方に突出する円筒状の上向き嵌合部56cと,同外周部から下方に突出する円筒状の下向き嵌合部56dとを有しており,その上向き嵌合部56cの内周面から前記接続端子57の内端が突出し,その内端にステータコイル13から延びるリード線13aが接続される。
【0030】
カプラベース56の中心嵌合部56b及び下向き嵌合部56dは,前記モータ支持部20及び第2ポンプハウジング半体1bの外周面に嵌合され,その下向き嵌合部56dと,第1及び第2ポンプハウジング半体1a,1bの三者はかしめリング58により結合される。
【0031】
カプラベース56の上向き嵌合部56cの外周面には,電動モータMを収容する有底円筒状の上部アウタハウジング半体37aがシール部材59を介して嵌合される。カプラベース56の張り出し部56aに対応して上部アウタハウジング半体37aに側方張り出し部が形成されており,それに設けられたカプラ孔61にカプラ55が挿入され,カプラ孔61を囲繞するシール部材62がカプラベース56の張り出し部56aと上部アウタハウジング半体37aの張り出し部との間に介装される。
【0032】
上部アウタハウジング半体37aの下端面には,それと協働してカプラベース56を挟持しながら燃料ポンプPを収容する下部アウタハウジング半体37bの上端面がシール部材60を介して接合される。これら上部及び下部アウタハウジング半体37a,37bにより,電動モータM及び燃料ポンプPを収容,保持するアウタハウジング37が構成される。
【0033】
再び図2において,上記アウタハウジング37内は,カプラベース56によって,燃料ポンプPを収容する低圧燃料室40と,電動モータMを収容する高圧燃料室41とに仕切られ,低圧燃料室40に燃料ポンプPの吸入ポート2が開口し,また高圧燃料室41には,燃料ポンプPの吐出ポート3がカプラベース56の通孔84を通して開口する。
【0034】
上記低圧燃料室40には,カプラベース56に設けられた開口部52を通して前記接続端子57の中間部が露出させてある。
【0035】
第1ポンプハウジング半体1aには,上記吸入ポート2を覆うようにして低圧燃料フィルタF1が装着される。
【0036】
下部アウタハウジング半体37bは,低圧燃料室40に開口する燃料入口管63を底壁に備えており,前記供給パイプ66の下流端が接続され,その途中に1次燃料ストレーナ67が介装される。燃料タンクT内の燃料は,重力により低圧燃料室40に流下するようになっており,したがって低圧燃料室40は略大気圧力に保持される。
【0037】
下部アウタハウジング半体37b及び上部アウタハウジング半体37aには,低圧燃料室40から上方に延びて燃料ポンプPを囲繞し,更に一側部を上方に延ばすベーパセパレータ室65が形成される。
【0038】
上部アウタハウジング半体37aの天井壁には高圧燃料室41に開口する燃料出口管69が一体に形成され,この燃料出口管69の開口部を覆うようにして高圧高圧燃料フィルタF2が高圧燃料室41に配設される。
【0039】
燃料出口管69には,燃料噴射弁Iを保持する噴射弁ホルダ70が結合される。噴射弁ホルダ70は,燃料出口管69及び燃料噴射弁I間を連通する燃料通路71を有し,この燃料通路71に,燃料の逆流を阻止する残圧保持弁Cが設けられる。
【0040】
また上部アウタハウジング半体37aには高圧燃料室41の圧力を規定値に調整する圧力レギュレータRが取り付けられる。この圧力レギュレータRは,上部アウタハウジング半体37aの天井壁に取り付けられる弁ケース72と,この弁ケース72を,燃料室41に連通する円筒状の弁室73と大気に連通する大気室74との間を仕切るダイヤフラム75とを備えており,弁室73の下端には弁座76が4成される。弁室73には,弁座76に着座し得る球状の弁体68が配設される一方,ダイヤフラム75の中心部には,この弁体68に接する作動部材77が設けられ,この作動部材77を介して弁体68を所定の荷重をもって弁座76側に押圧する調圧ばね78が大気室74に縮設される。また弁ケース72には,弁体68を弁座76から離座させる方向に,調圧ばね78より遙に弱い荷重をもって付勢する開きばね79が装着される。
【0041】
また上部アウタハウジング半体37aには,弁座76の下流側に連通する逃がし孔80が設けられると共に,この逃がし孔80に連なる燃料戻し管81が外側面に突設され,それに,燃料タンクTに開放される燃料戻し導管83が接続される。
【0042】
前記ベーパセパレータ室65の上部は,ベーパ排出孔82を介して上記逃がし孔80に開放される。
【0043】
次に,この実施例の作用について説明する。
【0044】
燃料タンクT内の燃料は,通常,重力により供給流路L1を流下して燃料ポンプモジュールAの低圧燃料室40を満たしている。
【0045】
いま,電動モータMが作動すると,その出力軸16によりポンプインペラ6が回転駆動されることにより,低圧燃料室40の燃料が低圧燃料フィルタF1を経て吸入ポート2からポンプ室5に吸入され,ポンプインペラ6により昇圧されて吐出ポート3から高圧燃料室41に吐出され,そして高圧燃料フィルタF2により濾過され,残圧保持弁Cを開いて燃料噴射弁Iに供給され,その開弁時に,エンジンEの吸入ポートへ向けて噴射される。
【0046】
この間,高圧燃料室41では,流動する燃料により電動モータMの各部及び第2軸受24が冷却され,第2ポンプハウジング半体1bの凹部25では,第1軸受23がポンプ室5の燃料により冷却される。
【0047】
高圧燃料室41の圧力が規定値以上に上昇すると,ダイヤフラム75が調整ばね78の荷重に抗して上動し,弁体68が開きばね79の付勢力で開弁する。したがって,高圧燃料室41の燃料は余剰圧力分だけ逃がし孔80から戻し流路L2へ排出され,これによって高圧燃料室41の圧力は一定に調整される。
【0048】
戻し流路L2へ排出された余剰燃料は比較的高圧であるから,戻し流路L2を上昇し,その下流側の第3ジョイント管45cのノズル47から,第2ジョイント管45b即ちディフューザ管の絞り部49に向けて噴出する。したがって,ノズル47から絞り部49にかけて燃料が高速で流れ,その周囲が低圧となるため,燃料タンクT内の燃料が第1ジョイント管45a側に引き込まれる。こうしたエジェクタ48の作動により,燃料タンクT内の燃料は供給流路L1に積極的に圧送され,燃料ポンプPの作動中は常に低圧燃料室40の減圧を防ぐことになるから,燃料タンクT内の燃料液面から燃料ポンプPの吸入ポート2までの落差が変化しても,それに殆ど影響されることなく,燃料ポンプPの吐出量を安定させ,燃料噴射弁Iに燃料を安定供給することができる。したがって,上記落差の変化を見込んで燃料ポンプPの容量を特別に大きく設定する必要がなく,その小型を図ることができ,しかも低圧燃料室40の減圧を防ぐために,余剰燃料のエネルギを利用してエジェクタ48を作動するもので,エンジンEの動力損失を招くこともなく,またそのエジェクタ48は,燃料ジョイント45の第2ジョイント管45bをディフューザ管にすると共に,第3ジョイント管45cの先端部をノズル47にすることで構成されるので,その構成は極めて簡単で安価に提供することができる。
【0049】
ところで,エジェクタ48の作動により,比較的低圧となるディフューザ管45b内では燃料中にベーパが発生し易くなるが,もしベーパが発生しても,そのベーパは,燃料と共に低圧燃料室40に導入されたとき,低圧燃料フィルタF1により吸入ポート2への移行を阻止され,上昇して燃料ポンプPを囲むベーパセパレータ室65に移り,更に上昇してベーパ排出孔82から逃がし孔80に排出され,逃がし孔80を通る余剰燃料と共に,戻し流路L2へ排出され,燃料タンクTへと導かれる。したがって,燃料ポンプPは,ベーパを含まない良好な燃料を吸入することができる。またベーパセパレータ室65からのベーパを圧力レギュレータRの逃がし孔82に排出することで,ベーパの燃料タンクTへの排出に戻し流路L2の利用が可能となり,燃料ポンプモジュールA及び燃料タンクT間の配管の簡素化に寄与し得る。
【0050】
また上記ベーパセパレータ室65は,燃料ポンプPが燃料を吸入する低圧燃料室40から燃料ポンプPを囲繞するように上方に延びているから,燃料ポンプモジュールAの姿勢変化によっても,低圧燃料室40に存在するベーパを常に確実に捕捉して,戻し流路L2側へ排出することができる。
【0051】
カプラ55の接続端子57の内端は高圧燃料室41に露出することになるが,該端子57はカプラベース56からカプラ55にかけて,それらの成形時に埋設されているので,カプラベース56及びカプラ55との密着が良好で,高圧燃料室41の燃料の接続端子57周りへの浸入を防ぐことができる。
【0052】
また万一,接続端子57とカプラベース56との間に高圧燃料室41の燃料が浸入したとしても,接続端子57の中間部がカプラベース56の開口部52を通して低圧燃料室40に臨んでいるので,上記浸入燃料は,低圧の開口部52側へ移行して,低圧燃料室40に排出される。したがって,カプラ55の接続口55aへの燃料リークを防ぐことができる。
【0053】
しかも開口部52からのリーク燃料を受ける低圧燃料室40は,燃料タンクTから受け入れた燃料を燃料ポンプPに吸入させるところであるから,リーク燃料を貯留する特別な場所を用意する必要がないばかりか,そのリーク燃料は再び燃料ポンプPに吸入されることになるから,無駄がない。
【0054】
またポンプ室5を有する第2ポンプハウジング半体1bにはモータ支持部20が一体成形され,このモータ支持部20の外周に電動モータMのステータ10が固定されると共に,その内周でアウタロータ11の出力軸16の両端部が一対の軸受23,24を介して支承されるので,ポンプ室5に嵌装されるポンプインペラ6及び出力軸16の,集積製作誤差による同軸性の狂いを防ぐことができ,したがって製作を容易にしつゝポンプインペラ6及び出力軸16の同軸精度を高めて,ポンプインペラ6の連結孔6aと出力軸16の先端部16aとの嵌合隙間を小さくし,その嵌合部の叩き摩耗や振動を防ぐことができ,同時に出力軸16の支持を安定させてアウタロータ11の回転振動や軸受23,24の偏摩耗を防ぐことができる。
【0055】
しかも電動モータMは,これをポンプハウジング1のモータ支持部20に取り付けたとき,燃料ポンプPとの連結が完了するので,その時点で電動モータM及び燃料ポンプPの性能検査を行うことができ,合理的である。
【0056】
本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を変更することなく種々の設計変更が可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,燃料タンクの下方に,該タンク内の燃料を吸入してエンジンに供給すべく吐出すると共に,その吐出燃料の余剰分を前記燃料タンクに還流させる燃料ポンプを配置した,エンジン用燃料供給装置において,前記燃料タンクと前記燃料ポンプの吸入ポートとの間を接続する供給流路に,前記余剰燃料の流れにより作動して前記燃料タンク内の燃料を該供給流路に引き込むエジェクタを配設したので,燃料ポンプが余剰燃料を排出すると,その流れによってエジェクタが作動され,燃料タンク内の燃料が供給流路に引き込まれ,供給流路下流側の減圧を防ぐことができ,燃料タンク内の燃料液面から燃料ポンプの吸入ポートまでの落差が変化しても,それに殆ど影響されることなく,燃料ポンプの吐出量を安定させ,エンジンへの燃料の安定供給が可能となる。しかも上記落差の変化を見込んで燃料ポンプの容量を特別に大きく設定する必要がなく,その小型を図ることができ,さらにエジェクタの作動に余剰燃料のエネルギを利用することで,エンジンの動力損失を招くこともない。
【0058】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記エジェクタと前記燃料ポンプの吸入ポートとの間を接続する供給流路に,該流路内の燃料からベーパを分離して前記燃料タンクへ排出するベーパセパレータ室を配設したので,エジェクタ内で燃料中にベーパが発生しても,そのベーパをベーパセパレータ室で捕捉して,燃料ポンプへの浸入を防ぐことができ,これにより燃料ポンプはベーパを含まない良好な燃料をエンジンに供給することができる。
【0059】
さらに本発明の第3の特徴によれば,第2の特徴に加えて,前記ベーパセパレータ室を,これが前記燃料ポンプを囲繞するように構成したので,燃料ポンプの姿勢変化によっても,燃料ポンプの吸入ポート周辺に存在するベーパを常に確実に捕捉することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るエンジン用燃料供給装置の要部を縦断した全体図
【図2】図1中の燃料ポンプモジュールの拡大縦断面図
【図3】図2の要部拡大図
【符号の説明】
A・・・・・燃料ポンプモジュール
E・・・・・エンジン
I・・・・・燃料噴射弁
L1・・・・供給流路
L2・・・・戻し流路
M・・・・・電動モータ
P・・・・・燃料ポンプ
T・・・・・燃料タンク
2・・・・・吸入ポート
3・・・・・吐出ポート
65・・・・ベーパセパレータ室

Claims (3)

  1. 燃料タンク(T)の下方に,該タンク(T)内の燃料を吸入してエンジン(E)に供給すべく吐出すると共に,その吐出燃料の余剰分を前記燃料タンク(T)に還流させる燃料ポンプ(P)を配置した,エンジン用燃料供給装置において,
    前記燃料タンク(T)と前記燃料ポンプ(P)の吸入ポート(2)との間を接続する供給流路(L1)に,前記余剰燃料の流れにより作動して前記燃料タンク(T)内の燃料を該供給流路(L1)に引き込むエジェクタ(48)を配設したことを特徴とする,エンジン用燃料供給装置。
  2. 請求項1記載のエンジン用燃料供給装置において,
    前記エジェクタ(48)と前記燃料ポンプ(P)の吸入ポート(2)との間を接続する供給流路(L1)に,該流路(L1)内の燃料からベーパを分離して前記燃料タンク(T)へ排出するベーパセパレータ室(65)を配設したことを特徴とする,エンジン用燃料供給装置。
  3. 請求項2記載のエンジン用燃料供給装置において,
    前記ベーパセパレータ室(65)を,これが前記燃料ポンプ(P)を囲繞するように構成したことを特徴とする,エンジン用燃料供給装置。
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