JP2004343286A - スピーカ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】音響信号に対して振動板の振幅動作を忠実に行わせることができるとともに、キャビネットの振動を低減させることができ、従来よりも音質を一層向上させることのできるスピーカ装置を提供すること。
【解決手段】第1の開口部11と第2の開口部12とが第1の空間14を隔てて配置されるように形成されたキャビネット10と、第1の開口部11に振動板面が外方向に向けて配設されるメインスピーカ20と、第2の開口部12に振動板面が外方向に向けて配設されるサブスピーカ30とを備え、第1の開口部11と第2の開口部12とが、メインスピーカ20の中心軸とサブスピーカ30の中心軸との外方向に対する向きが正反対とならない位置に形成されるとともに、メインスピーカ20とサブスピーカ30とに同じ信号が逆相で供給され、第1の空間14内の圧力変化が生じないようにメインスピーカ20とサブスピーカ30とが駆動される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスピーカ装置に関し、より詳細には音質の改善を図ることのできるスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来のスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。
スピーカ装置100は、内部が2つの空間101、102に分割されたキャビネット103と、振動板面が外方向に向けて空間101内に収容配置されたメインスピーカ(放音用)105と、振動板面が空間101に向けて空間102内に収容配置されたサブスピーカ(気圧制御用)106とを含んで構成されている。
【0003】
信号源(図示せず)からの音響信号は、パワーアンプ(図示せず)を介して両スピーカ105、106に供給され、両スピーカ105、106が同相駆動されるようになっている。すなわち、メインスピーカ105の振動板が外方向(実線矢印方向)に移動するときは、サブスピーカ106の振動板も空間101の方向(実線矢印方向)に移動して空間101の容積増大が抑えられるようになっている。また、メインスピーカ105の振動板が空間102の方向(破線矢印方向)に移動するときは、サブスピーカ106の振動板は空間102の方向(破線矢印方向)に移動して空間101の容積減少が抑えられるようになっている。
このような、スピーカ装置100によれば、キャビネット内空間の等価容積が拡大されて、低音再生特性が向上するとしている(下記の特許文献1参照)。
【0004】
また図9は、従来の別のスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。
スピーカ装置110は、中空で円柱状のキャビネット111と、キャビネット111の両端部に互いに背中合わせになるように配置された2つのスピーカ112、113と、スピーカ112の磁気回路112aの背面とスピーカ113の磁気回路113aの背面とを固定するリブ114とを含んで構成されている。
【0005】
各スピーカ112、113には、同相の音響信号が供給されるようになっており、同相の音響信号を各スピーカ112、113に供給することにより、スピーカ112の振動板が外方向(実線矢印方向)に移動するときは、スピーカ113の振動板も外方向(実線矢印方向)に移動し、またスピーカ112の振動板が内方向(破線矢印方向)に移動するときには、スピーカ113の振動板も内方向(破線矢印方向)に移動することとなり、スピーカの磁気回路を構成するヨークの振動がリブ114を介して相殺されるようになっている。
このようなスピーカ装置110によれば、ヨーク(磁気回路部分)の振動を効率よく抑えて、振動板の音響変換効率を高めることが可能になるとされている(下記の特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
実開平5−97197号公報
【特許文献2】
特開2001−352592号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1記載のスピーカ装置100によれば、メインスピーカ105の振動板背面の空気抵抗を小さくすることができ、すなわち、メインスピーカ105の振動板が前後面で受ける圧力不均衡を小さくすることができ、音響信号に対するメインスピーカ105の振動板の振幅動作の忠実度を高めることが可能になるが、メインスピーカ105とサブスピーカ106とが、同一軸上に向きを同じくして配置され、同相駆動されるので、各スピーカ105、106からキャビネット103に伝わる振動が倍加されて、スピーカ105、106からキャビネット103へ伝わる不要振動による音質低下が大きくなってしまうという課題があった。
【0008】
また、上記特許文献2記載のスピーカ装置110では、各スピーカ112、113からキャビネット111へ伝わる振動を低減させる効果を高めることができるものの、各スピーカ112、113の振動板が受ける背圧負荷が大きくなり、音響信号に対して忠実な振動板の振幅動作を再現させることが難しくなり、音響特性を向上させることが難しいという課題があった。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、音響信号に対して振動板の振幅動作を忠実に行わせることができるとともに、キャビネットの振動を低減させることができ、従来よりも音質を一層向上させることのできるスピーカ装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するために本発明に係るスピーカ装置(1)は、第1の開口部と第2の開口部とが第1の空間を隔てて配置されるように形成された第1のキャビネットと、前記第1の開口部に振動板面が外方向に向けて配設されるメインスピーカと、前記第2の開口部に振動板面が外方向に向けて配設されるサブスピーカとを備え、前記第1の開口部と前記第2の開口部とが、前記メインスピーカの中心軸と前記サブスピーカの中心軸との外方向に対する向きが正反対とならない位置に形成されるとともに、前記メインスピーカと前記サブスピーカとに同じ信号が逆相で供給され、前記第1の空間内の圧力変化が生じないように前記メインスピーカと前記サブスピーカとが駆動されることを特徴としている。
【0011】
上記スピーカ装置(1)によれば、前記メインスピーカと前記サブスピーカとに同じ信号が逆相で供給され、前記第1の空間内の圧力変化が生じないように前記メインスピーカと前記サブスピーカとが駆動される。したがって、前記メインスピーカが受ける背圧負荷がなくなり、前記メインスピーカの振動板の振幅動作が音響信号に対してリニアに行われるようになり、音響信号に対する振動板の振幅動作の忠実度を高めることができ、音響特性の向上を図ることができる。
【0012】
また前記メインスピーカから前記第1のキャビネットへ伝わる振動と、前記サブスピーカから前記第1のキャビネットへ伝わる振動との位相が逆になっているので、各スピーカからの振動が前記第1のキャビネットを伝わる段階で相殺される。したがって、各スピーカの駆動時に前記第1のキャビネットに伝達された振動が即座に消滅することとなり、前記第1のキャビネットの振動に伴う不要音の発生を抑制し、音質の劣化を防止することができる。
つまり、前記各スピーカの振動板の振幅動作特性の向上(背圧負荷をなくすこと)による音質向上と前記第1のキャビネットに伝達される振動の消滅による音質向上とを同時に実現することができ、一層の音質向上を図ることができる。
【0013】
また本発明に係るスピーカ装置(2)は、上記スピーカ装置(1)において、前記第1の開口部と前記メインスピーカとの間、及び前記第2の開口部と前記サブスピーカとの間に緩衝部材が介装されていることを特徴としている。
【0014】
上記スピーカ装置(2)によれば、前記緩衝部材により前記メインスピーカと前記サブスピーカとが前記第1のキャビネットに対してフローティング状態で支持されるので、前記メインスピーカや前記サブスピーカから前記キャビネットへ伝わる振動を大幅に低減することができる。したがって、前記第1のキャビネットに伝達された振動をより速やかに消滅させることができ、前記第1のキャビネットからの不要音の発生を阻止して、音質の劣化を防止することができる。
【0015】
また本発明に係るスピーカ装置(3)は、上記スピーカ装置(2)において、前記メインスピーカの磁気回路部を前記第1の空間内で支持する第1の支持部材と、前記サブスピーカの磁気回路部を前記第1の空間内で支持する第2の支持部材とを備え、前記メインスピーカの磁気回路部と前記第1の支持部材との間、及び/又は前記第1の支持部材と前記第1のキャビネットとの間に緩衝部材が介装され、さらに前記サブスピーカの磁気回路部と前記第2の支持部材との間、及び/又は前記第2の支持部材と前記第1のキャビネットとの間に緩衝部材が介装されていることを特徴としている。
【0016】
上記スピーカ装置(3)によれば、前記第1の支持部材により前記メインスピーカの磁気回路部が支持され、また前記第2の支持部材により前記サブスピーカの磁気回路部が支持されるので、前記磁気回路部が支持されていない場合にスピーカの振動板の振幅動作に伴い発生する前記磁気回路部の振動を低減することができ、各スピーカの振動板から空気へのエネルギ伝達効率の低下を防止することができ、音質特性を向上させることができる。
また、前記緩衝部材により、各スピーカの磁気回路部から前記第1のキャビネットへ伝わる振動を大幅に低減することができ、前記第1のキャビネットの振動による音質の低下を防止することができる。
【0017】
また本発明に係るスピーカ装置(4)は、上記スピーカ装置(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記第1の開口部に配設された前記メインスピーカを外方向に向けて配置するための第3の開口部を有し、前記第1の開口部を除く前記第1のキャビネット全体を第2の空間を隔てて覆う第2のキャビネットと、前記第1のキャビネットを前記第2のキャビネット内で支持する第3の支持部材とを備え、前記第1の開口部と前記第3の開口部との間、前記第1のキャビネットと前記第3の支持部材との間、及び/又は前記第3の支持部材と前記第2のキャビネットとの間に緩衝部材が介装されていることを特徴としている。
【0018】
上記スピーカ装置(1)〜(3)では、前記メインスピーカから出力される音と、前記サブスピーカから出力される音との位相が逆になっているので、特に指向性の広い低音域においては音が打ち消されてしまうこともあるが、上記スピーカ装置(4)によれば、前記第2のキャビネットにより前記メインスピーカが配設される前記第1の開口部を除く前記第1のキャビネット全体が前記第2の空間を隔てて覆われる構成となっているので、前記第2のキャビネット前面に対しては前記メインスピーカからのみ音が出力され、前記サブスピーカの前面から出た音は、前記第2のキャビネット内で位相を反転させて出力させることも可能になり、低音再生限度の拡大を図ることができる。
【0019】
また、前記第3の支持部材により前記第1のキャビネットが前記第2のキャビネット内に支持され、前記緩衝部材により、前記第1のキャビネットの振動が前記第2のキャビネットへ伝わることを防止することができ、前記第2のキャビネットの不要振動による音質低下を防止することができる。
【0020】
また本発明に係るスピーカ装置(5)は、上記スピーカ装置(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記第1のキャビネットの前記第1の開口部を含む所定部分を外部に露出させて配置するための第4の開口部を有し、前記第1のキャビネットの前記第2の開口部を含む所定部分を第3の空間を隔てて覆う第3のキャビネットを備え、前記第4の開口部と前記第1のキャビネットとの間に緩衝部材が介装されていることを特徴としている。
【0021】
上記スピーカ装置(5)によれば、上記スピーカ装置(4)と略同様の効果を得ることができるとともに、前記第3の支持部材が必要なく、前記第1のキャビネットと前記第3のキャビネットとの組み付けを簡単に行うことができる。
【0022】
また本発明に係るスピーカ装置(6)は、上記スピーカ装置(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記第1のキャビネットの前記第2の開口部の前方から後方にわたる第4の空間を有する第4のキャビネットを備え、前記第4の空間が前記第1の空間の容積と略同容積となるように形成されていることを特徴としている。
【0023】
上記スピーカ装置(6)によれば、前記第4の空間が前記第1の空間の容積と略同容積となるように形成されているので、前記サブスピーカに作用していた背圧負荷をなくすことができ、よりリニアにスピーカを駆動させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスピーカ装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態(1)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。
【0025】
図中10は、スピーカが収容されるキャビネットを示しており、キャビネット10前面には、円形の第1の開口部11と第2の開口部12とが形成されている。キャビネット10前面の略中央部分からは、キャビネット10内を上下に部分的に仕切る仕切り板13が水平方向に延設されており、キャビネット10の後方部分は断面視円弧状に形成され、第1の開口部11と第2の開口部12とが第1の空間14を隔てて配置されるように形成されている。
【0026】
第1の開口部11には、振動板21、ボイスコイル(図示せず)、磁気回路部22、及びこれらを連結するフレーム23等を含んで構成されるメインスピーカ20が振動板面を外方向に向けて配設されており、第2の開口部12には、メインスピーカ20と同じ構成のサブスピーカ30が振動板面を外方向に向けて配設されており、キャビネット10とメインスピーカ20とサブスピーカ30とを含んでスピーカ装置1が構成されている。
【0027】
メインスピーカ20とサブスピーカ30とには、同じ音響信号が逆相で供給されるようにアンプ(図示せず)の出力端子が接続されるようになっている(すなわち、アンプの出力端子の極性(+、−)をメインスピーカ20とサブスピーカ30とで逆になるように接続する)。
【0028】
このようなスピーカ装置1において、メインスピーカ20とサブスピーカ30とに同じ信号が逆相で供給されると、メインスピーカ20の振動板21が外方向(実線矢印方向)に移動するときは、サブスピーカ30の振動板は第1の空間14方向(実線矢印方向)に移動し、また、メインスピーカ20の振動板21が第1の空間14方向(破線矢印方向)に移動するときは、サブスピーカ30の振動板は外方向(破線矢印方向)に移動する。
【0029】
したがって、第1の空間14内の圧力変化が生じないようにメインスピーカ20とサブスピーカ30とが駆動されることとなり、メインスピーカ20の振動板21が受ける背圧負荷がなくなり、メインスピーカ20の振動板21の振幅動作が音響信号に対してリニアに行われるようになり、音響信号に対する振動板の振幅動作の忠実度が高められ、音質が向上することとなる。
【0030】
また、スピーカ装置1の駆動時にメインスピーカ20で発生した振動は、フレーム23を介してキャビネット10の第1の開口部11から後方へ伝わり、またサブスピーカ30で発生した振動は、フレームを介してキャビネットの第2の開口部12から後方へ伝わる。
【0031】
スピーカ装置1では、メインスピーカ20からキャビネット10へ伝わる振動と、サブスピーカ30からキャビネット10へ伝わる振動との位相が逆になっているので、各スピーカ20、30からの振動がキャビネット10を伝わっていく段階で相殺され、キャビネット10に伝達された振動が即座に消滅することとなり、キャビネット10からの不要音の発生が抑制される。
【0032】
上記実施の形態(1)に係るスピーカ装置1によれば、メインスピーカ20に作用していた背圧負荷をなくすことによる(すなわち、振動板の振幅動作特性の向上による)音質向上と、メインスピーカ20とサブスピーカ30とから伝わる振動がキャビネット10で相殺されることによる(すなわち、キャビネット10に伝達される振動の消滅による)音質向上とを同時に実現することができ、従来より一層の音質向上を図ることができる。
【0033】
なお、上記実施の形態(1)に係るスピーカ装置1では、第1の開口部11と第2の開口部12とが、同一平面に形成されている場合について説明したが、第1の開口部11と第2の開口部12とは、メインスピーカ20の中心軸とサブスピーカ30の中心軸との外方向に対する向きが正反対とならない位置に形成されるようになっていればよく、種々の形態のキャビネットに適用することができる。
【0034】
図2は実施の形態(2)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。但し実施の形態(2)に係るスピーカ装置1Aについては、キャビネット10の第1の開口部11及び第2の開口部12と、メインスピーカ20及びサブスピーカ30との間に緩衝部材40が介装されている点を除いて図1に示したスピーカ装置1と略同様であるため、ここでは同一機能を有する構成部品には同一符号を付して、その説明を省略することとする。
【0035】
キャビネット10の第1の開口部11周縁部とメインスピーカ20のフレーム23外周部との間、及びキャビネット10の第2の開口部12周縁部とサブスピーカ30のフレーム外周部との間に、それぞれ断面L字形の環状の緩衝部材40が介装されている。
【0036】
緩衝部材40は、クッション性を有し、振動吸収性に優れた材質のものであればよく、例えば、不織布などの合成繊維の圧縮体や発泡ウレタンなどの発泡性樹脂等を使用することができる。
【0037】
キャビネット10の第1の開口部11周縁部と緩衝部材40とメインスピーカ20のフレーム23外周部とは、数カ所でねじ止めされるようになっており、同様にキャビネット10の第2の開口部12周縁部と緩衝部材40とサブスピーカ30のフレーム外周部とは、数カ所でねじ止めされるようになっている。
【0038】
上記実施の形態(2)に係るスピーカ装置1Aによれば、緩衝部材40によりメインスピーカ20とサブスピーカ30とがキャビネット10に対してフローティング状態で支持されるので、メインスピーカ20やサブスピーカ30からキャビネット10へ伝わる振動を大幅に低減することができる。したがって、キャビネット10に伝達された振動をより速やかに消滅させることができ、キャビネット10からの不要音の発生を阻止して、音質の劣化を効果的に防止することができる。
【0039】
図3は実施の形態(3)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。但し実施の形態(3)に係るスピーカ装置1Bの構成については、各スピーカの磁気回路部を支持する支持部材50A、50Bが設けられている点を除いて図2に示したスピーカ装置1Aと略同様であるため、ここでは同一機能を有する構成部品には同一符号を付して、その説明を省略することとする。
【0040】
キャビネット10の第1の空間14内における第1の開口部11の後方位置には、メインスピーカ20の磁気回路部22を支持する支持部材50Aが設けられている。図4は、支持部材50Aを模式的に示した(a)正面図、(b)側面図である。
【0041】
支持部材50Aは、アルミニウムや亜鉛等の非磁性体の金属から形成されており、メインスピーカ20の磁気回路部22を嵌め込むための嵌込孔51が形成された嵌め込み部52と、嵌め込み部52から延設された3本の角柱状の支柱53とから構成されており、嵌め込み部52の嵌込孔51の内壁には、緩衝部材40と同じ機能を有する緩衝部材41が設けられるようになっている。
各支柱53の先端面は、緩衝部材40と同じ機能を有する緩衝部材42を介してキャビネット10内壁及び仕切り板13に固定されるようになっている。
【0042】
また、キャビネット10の第1の空間14内における第2の開口部12の後方位置にも、支持部材50Aと同様のサブスピーカ30の磁気回路部32を支持する支持部材50Bが設けられている。
【0043】
上記実施の形態(3)に係るスピーカ装置1Bによれば、支持部材50Aによりメインスピーカ20の磁気回路部22が第1の空間14内で支持され、また支持部材50Bによりサブスピーカ30の磁気回路部32が第1の空間14内で支持されることとなり、各スピーカ20、30の磁気回路部22、32が支持されていない場合にスピーカの振動板の振幅動作に伴い発生する磁気回路部の振動を低減することができ、各スピーカ20、30の振動板から空気へのエネルギ伝達効率の低下を防止することができ、音質の特性(音の過渡特性)を向上させることができる。なお、支持部材50A、50Bの重量を、それぞれメインスピーカ20、サブスピーカ30の重量の2倍以上とすることにより上記効果を一層高めることができる。
また、緩衝部材41、42により、メインスピーカ20、サブスピーカ30の磁気回路部22、32からキャビネット10へ伝わる振動を大幅に低減することができ、キャビネット10の振動による音質の低下を防止することができる。
【0044】
図5は実施の形態(4)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。但し、図2に示したスピーカ装置1Aと同一機能を有する構成部品には同一符号を付して、その説明を省略することとする。
【0045】
半楕円球形状をしたキャビネット10A前面には、メインスピーカ20を配設する第1の開口部11と、サブスピーカ30を配設する第2の開口部12とが段差を有して形成されており、第1の開口部11と第2の開口部12とが第1の空間14を隔てて配置されるように形成されている。そして、メインスピーカ20とサブスピーカ30とには、同じ音響信号が逆相で供給されるようにアンプの出力端子が接続されるようになっている。
【0046】
また、キャビネット10Aの第1の開口部11内壁部とメインスピーカ20のフレーム外周部との間、及びキャビネット10Aの第2の開口部12内壁部とサブスピーカ30のフレーム外周部との間に、それぞれ断面L字形の環状の緩衝部材40が介装されている。
【0047】
また、キャビネット10Aは、第1の開口部11に配設されたメインスピーカ20を外方向に向けて配置するための開口部15を有し、第1の開口部11を除くキャビネット10A全体を第2の空間16を隔てて覆う略楕円球状をしたキャビネット17内に収容されるようになっている。
【0048】
キャビネット17の第2の空間16内における所定位置には、キャビネット10Aを支持する支持部材60が設けられている。支持部材60は、図4に示したスピーカの磁気回路部を支持する支持部材50Aをキャビネット10A支持用に形成されたものであり、支持部材60は、例えば金属等から形成され、キャビネット10Aを嵌め込むための嵌込孔61が形成された嵌め込み部62と、嵌め込み部62から延設された3本の角柱状の支柱63とから構成されており、嵌め込み部62の嵌込孔61の内壁には、緩衝部材40と同じ機能を有する緩衝部材43が設けられるようになっている。
【0049】
また、各支柱63の先端面は、緩衝部材40と同じ機能を有する緩衝部材44を介してキャビネット17内壁に固定されるようになっている。また、キャビネット10Aの第1の開口部11とキャビネット17の開口部15との間にも、緩衝部材40と同じ機能を有する環状の緩衝部材45が介装されている。
また、キャビネット17の底面略中央部分には、スタンド19が接続されている。
【0050】
このようなスピーカ装置1Cにおいて、メインスピーカ20とサブスピーカ30とに同じ音響信号が逆相で供給されると、第1の空間14内の圧力変化が生じないようにメインスピーカ20とサブスピーカ30とが駆動されるとともに、キャビネット17前面からは、メインスピーカ20からのみ音が出力され、サブスピーカ30から出力された音は、キャビネット17内で位相が反転されてポート18から出力される。
【0051】
また、スピーカ装置1Cでは、メインスピーカ20からキャビネット10Aへ伝わる振動と、サブスピーカ30からキャビネット10Aへ伝わる振動との位相が逆になっているので、各スピーカ20、30からの振動がキャビネット10Aを伝わる段階で相殺され、キャビネット10Aに伝達された振動が即座に消滅することとなり、さらに、支持部材60によりキャビネット10Aが緩衝部材43を介してキャビネット17内に支持されることにより、キャビネット10Aの振動がキャビネット17へ一層伝わりにくくなり、キャビネット17の不要振動による音質低下が防止される。
【0052】
上記実施の形態(1)〜(3)に係るスピーカ装置では、メインスピーカ20から出力される音と、サブスピーカ30から出力される音との位相が逆になっているので、特に指向性の広い低音域においては音が打ち消されてしまうこともあるが、上記実施の形態(4)に係るスピーカ装置1Cによれば、キャビネット17によりメインスピーカ20が配設される第1の開口部11を除くキャビネット10A全体が第2の空間16を隔てて覆われる構成となっているので、前面に対してはメインスピーカ20からのみ音が出力され、サブスピーカ30の前面から出た音は、キャビネット17内で位相を反転させて出力されることなり、低音再生限度の拡大を図ることができる。
また、支持部材60によりキャビネット10Aがキャビネット17内に支持され、緩衝部材43、44により、キャビネット10Aの振動がキャビネット17へ伝わるのを防止することができ、キャビネット17の不要振動による音質低下を防止することができる。
【0053】
図6は実施の形態(5)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。但し図2に示したスピーカ装置1Aと同一機能を有する構成部品には同一符号を付して、その説明を省略することとする。
【0054】
断面視略コ字形状をした円筒形状のキャビネット10B両端面には、メインスピーカ20を配設する第1の開口部11と、サブスピーカ30を配設する第2の開口部12とが形成されており、第1の開口部11と第2の開口部12とが第1の空間14を隔てて配置されるように形成されている。メインスピーカ20とサブスピーカ30とには、同じ音響信号が逆相で供給されるようにアンプの出力端子が接続されるようになっている。
【0055】
また、キャビネット10Bの第1の開口部11内壁部とメインスピーカ20のフレーム外周部との間、及びキャビネット10Bの第2の開口部12内壁部とサブスピーカ30のフレーム外周部との間に、断面凹形状の環状の緩衝部材40aが介装されている。
【0056】
また、図中70は、キャビネットを示しており、略箱形状をしたキャビネット70の上面後方位置にはキャビネット10Bを配設するための円形の開口部71が形成されている。キャビネット70の開口部71には、第1の開口部11に配設されたメインスピーカ20を含むキャビネット10B上部が環状の緩衝部材46を介装させて露出するように配置され、キャビネット70内には、サブスピーカ30を含むキャビネット10B下部が、第4の空間72を隔てて配設されるようになっている。
【0057】
上記実施の形態(5)に係るスピーカ装置1Dによれば、上記実施の形態(4)に係るスピーカ装置1Cと略同様の効果を得ることができるとともに、支持部材60等が必要なく、キャビネット10Bとキャビネット70とを簡単に組み付けることができる。
【0058】
図7は実施の形態(6)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。但し図2に示したスピーカ装置と同一機能を有する構成部品には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0059】
半楕円球形状をしたキャビネット10C前面には、メインスピーカ20を配設する第1の開口部11と、サブスピーカ30を配設する第2の開口部12とが段差を有して形成されており、第1の開口部11と第2の開口部12とが第1の空間14を隔てて配置されるように形成されている。メインスピーカ20とサブスピーカ30とには、同じ音響信号が逆相で供給されるようにアンプの出力端子が接続されるようになっている。
【0060】
また、キャビネット10Cの第1の開口部11内壁部とメインスピーカ20のフレーム外周部との間、及びキャビネット10Cの第2の開口部12内壁部とサブスピーカ30のフレーム外周部との間に、それぞれ断面凹形状の環状の緩衝部材40aが介装されている。
【0061】
また、キャビネット10Cの下方には、キャビネット10Cの第2の開口部12の前方から後方にわたる第4の空間74を有するキャビネット73が設けられており、第4の空間74の容積が第1の空間14の容積と同じになるように形成されている。また、キャビネット73の後方は開放部75となっている。
【0062】
上記実施の形態(6)に係るスピーカ装置1Eによれば、第4の空間74の容積が第1の空間14の容積と同容積となるように形成されているので、サブスピーカ30に作用していた背圧負荷をなくすことができ、よりリアルにスピーカを駆動させることができる。
なお、上記実施の形態(6)では、同一の空間容積を有する2つのキャビネット10C、73とによりスピーカ装置1Eを構成するようになっているが、別の実施の形態では、同一容積となるように2つの空間が内部で区切られた1つのキャビネットにより構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態(1)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。
【図2】実施の形態(2)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。
【図3】実施の形態(3)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。
【図4】実施の形態(3)に係るスピーカ装置の支持部材を模式的に示した図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図5】実施の形態(4)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。
【図6】実施の形態(5)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。
【図7】実施の形態(6)に係るスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。
【図8】従来のスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。
【図9】従来の別のスピーカ装置を模式的に示した側面断面図である。
【符号の説明】
1、1A〜1E スピーカ装置
10、10A〜10C キャビネット
11、12 開口部
14 第1の空間
20 メインスピーカ
30 サブスピーカ

Claims (6)

  1. 第1の開口部と第2の開口部とが第1の空間を隔てて配置されるように形成された第1のキャビネットと、
    前記第1の開口部に振動板面が外方向に向けて配設されるメインスピーカと、
    前記第2の開口部に振動板面が外方向に向けて配設されるサブスピーカとを備え、
    前記第1の開口部と前記第2の開口部とが、前記メインスピーカの中心軸と前記サブスピーカの中心軸との外方向に対する向きが正反対とならない位置に形成されるとともに、
    前記メインスピーカと前記サブスピーカとに同じ信号が逆相で供給され、前記第1の空間内の圧力変化が生じないように前記メインスピーカと前記サブスピーカとが駆動されることを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記第1の開口部と前記メインスピーカとの間、及び前記第2の開口部と前記サブスピーカとの間に緩衝部材が介装されていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
  3. 前記メインスピーカの磁気回路部を前記第1の空間内で支持する第1の支持部材と、
    前記サブスピーカの磁気回路部を前記第1の空間内で支持する第2の支持部材とを備え、
    前記メインスピーカの磁気回路部と前記第1の支持部材との間、及び/又は前記第1の支持部材と前記第1のキャビネットとの間に緩衝部材が介装され、さらに前記サブスピーカの磁気回路部と前記第2の支持部材との間、及び/又は前記第2の支持部材と前記第1のキャビネットとの間に緩衝部材が介装されていることを特徴とする請求項2記載のスピーカ装置。
  4. 前記第1の開口部に配設された前記メインスピーカを外方向に向けて配置するための第3の開口部を有し、前記第1の開口部を除く前記第1のキャビネット全体を第2の空間を隔てて覆う第2のキャビネットと、
    前記第1のキャビネットを前記第2のキャビネット内で支持する第3の支持部材とを備え、
    前記第1の開口部と前記第3の開口部との間、前記第1のキャビネットと前記第3の支持部材との間、及び/又は前記第3の支持部材と前記第2のキャビネットとの間に緩衝部材が介装されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のスピーカ装置。
  5. 前記第1のキャビネットの前記第1の開口部を含む所定部分を外部に露出させて配置するための第4の開口部を有し、前記第1のキャビネットの前記第2の開口部を含む所定部分を第3の空間を隔てて覆う第3のキャビネットを備え、
    前記第4の開口部と前記第1のキャビネットとの間に緩衝部材が介装されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のスピーカ装置。
  6. 前記第1のキャビネットの前記第2の開口部の前方から後方にわたる第4の空間を有する第4のキャビネットを備え、
    前記第4の空間が前記第1の空間の容積と略同容積となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のスピーカ装置。
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