JP2007145704A - 多孔質セラミックス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】均質な細孔構造を有し、吸水性及び保水性の向上を図ることができる多孔質セラミックス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】多孔質セラミックスにおいては、半径が3000〜40000Åの狭い範囲内にある細孔が全細孔容量の90%以上を占めており、均質な細孔構造が得られている。この多孔質セラミックスは、廃棄物を主成分とし、骨材とバインダとを含有してなる原料を乾燥する第1工程と、同第1工程後において前記原料を混合する第2工程と、同第2工程により得られる混合物に水を加える第3工程と、同第3工程により得られる加水物を成形材料として押出成形を行う第4工程と、同第4工程により得られる中間成形体を焼成する第5工程とを経て製造される。
【選択図】なし
【解決手段】多孔質セラミックスにおいては、半径が3000〜40000Åの狭い範囲内にある細孔が全細孔容量の90%以上を占めており、均質な細孔構造が得られている。この多孔質セラミックスは、廃棄物を主成分とし、骨材とバインダとを含有してなる原料を乾燥する第1工程と、同第1工程後において前記原料を混合する第2工程と、同第2工程により得られる混合物に水を加える第3工程と、同第3工程により得られる加水物を成形材料として押出成形を行う第4工程と、同第4工程により得られる中間成形体を焼成する第5工程とを経て製造される。
【選択図】なし
Description
本発明は、廃棄物を主成分として製造され、例えば、道路等の舗装材、外壁を構成するレンガブロックやタイル、セラミック骨材等の材料として有用な多孔質セラミックス及びその製造方法に関するものである。
近年、急増する産業廃棄物やゴミ焼却灰等の処理に関しては大きな社会問題となっており、それらのリサイクル化の推進が急務となっている。そのため、このような産業廃棄物やゴミ焼却灰等を利用した多孔質セラミックスの検討が多々なされている。この種の多孔質セラミックスとしては、以下に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、特許文献1に開示の多孔質セラミックスは、Si,Al,Caを有する化合物を50質量%以上含有する粉体(廃棄物)、1000℃以上の耐火性を有する骨材、及びバインダよりなる原料に水を加えてこれらを混合する第1工程と、同第1工程で得られた混合物を所定形状に成形する第2工程と、同第2工程で得られた中間成形体を所定温度で焼成する第3工程とにより製造される。なお、前記第1工程における水の添加量は、混合物の質量に対して20〜30質量%とされている。
前記粉体(廃棄物)の具体例としては、例えば、河川や浄水場等に堆積した汚泥等の未焼成粉体、及び各種焼却灰、窯業廃土、火山灰等の焼成粉体が挙げられる。また、1000℃以上の耐火性を有する骨材の具体例としては、例えば、廃瓦等の陶器類を粉砕して得られるシャモットの他、砥石屑、高炉スラッグ、溶融スラッグ、火成岩等が挙げられる。バインダの具体例としては、例えば、各種粘土類や珪酸ソーダ等が挙げられる。そして、この多孔質セラミックスは、半径が数μm〜1mm程度の、不規則に連続した細孔を有している。
特開2004−217495号公報
ところで、例えば、こうした多孔質セラミックスを道路等の舗装材として利用する場合には、降雨による雨水を吸収してこれを内部に保持し、その保持した水の気化熱を利用して道路等の表面温度上昇を抑制するといった機能が要求されている。すなわち、吸水性及び保水性に優れた多孔質セラミックスが要求されているのである。
しかしながら、上記従来の多孔質セラミックスにおいては、充分な吸水性及び保水性を確保することが困難である。なぜならば、上記従来の多孔質セラミックスは、細孔の半径が数μm〜1mmという極めて広い範囲にわたっており、半径が過剰に大きくて(例えば、凡そ1mm)一旦吸収した水が透過されてしまう細孔が多数存在していると考えられるからである。
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸水性及び保水性の向上を図ることができる多孔質セラミックス及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の多孔質セラミックスは、内部に多数の細孔を有する多孔質セラミックスであって、水銀圧入法により測定した場合、半径3000〜40000Åの細孔が全細孔容量の90%以上を占める細孔分布を有してなることを要旨とする。
上記構成の多孔質セラミックスによれば、半径が3000〜40000Åの範囲内である細孔が全細孔容量の90%以上を占めており、その細孔半径の範囲は、上記従来の多孔質セラミックス(数μm〜1mm程度)よりも顕著に狭いものとなっている。そして、半径が3000〜40000Åの範囲内である細孔は、水の吸収量を充分に確保するとともに、一旦吸収した水がそのまま透過しやすくなるといったことがなく、その吸収した水を内部に保持する作用を有する。したがって、そのような作用を有する細孔が多数(全細孔容量の90%以上)形成されている本発明の多孔質セラミックスにおいては、充分な吸水性及び保水性を確保することができる。
請求項2に記載の発明の多孔質セラミックスは、請求項1に記載の発明において、水銀圧入法により測定した場合の、細孔容積は0.1〜0.15ml/gであり、比表面積は0.8〜1.5m2/gであることを要旨とする。
上記構成の多孔質セラミックスにおいては、細孔容積が0.1〜0.15ml/g、比表面積が0.8〜1.5m2/gとされており、従来の多孔質セラミックスに比べて細孔容積が増大している。そして、この細孔容積の増大に伴い、比表面積が低減している。これにより、本発明の多孔質セラミックスにおいては、内部に保持し得る水の容積が増大することとなり、従来の多孔質セラミックスと比較して吸水性及び保水性を確実に向上させることができる。なお、前記「細孔容積」は多孔質セラミックスにおける単位質量当たりの細孔の全容積を意味し、前記「比表面積」は単位質量中に含まれる全粒子の表面積を意味する。
請求項3に記載の発明の多孔質セラミックスは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、pHが10以上であることを要旨とする。
上記構成の多孔質セラミックスによれば、pHが10以上であることから、そのアルカリ度が高められている。したがって、こうした多孔質セラミックスを、例えば道路等の舗装材や、外壁を構成するレンガブロックやタイルとして使用した際には、その表面における苔やカビ等の繁殖を好適に抑制することができる。
上記構成の多孔質セラミックスによれば、pHが10以上であることから、そのアルカリ度が高められている。したがって、こうした多孔質セラミックスを、例えば道路等の舗装材や、外壁を構成するレンガブロックやタイルとして使用した際には、その表面における苔やカビ等の繁殖を好適に抑制することができる。
請求項4に記載の発明の多孔質セラミックスの製造方法は、原料としての、廃棄物、骨材及びバインダを乾燥する第1工程と、同第1工程後において加水することなく前記原料を混合する第2工程と、同第2工程により得られる混合物に水を加える第3工程と、同第3工程により得られる加水物を成形材料として押出成形を行う第4工程と、同第4工程により得られる中間成形体を焼成する第5工程とを備えることを要旨とする。
上記方法によれば、まず第1工程として廃棄物、骨材及びバインダの各成分を含有してなる原料を乾燥した後、これら各成分が第2工程において加水されることなく混合される。すなわち、各成分が乾式混合されることにより、均一な混合が可能となる。したがって、本発明によれば、原料に多量の水を加えた状態でこれらを混合する、所謂湿式混合が採用されている従来の製造方法のように各成分の混合が不均一となり、得られる多孔質セラミックスの吸水性及び保水性が低下するといった問題が回避される。すなわち、本発明の製造方法によれば、混合時において各成分が凝集することがなく均一な混合が可能となることで、焼成時における各成分の熱収縮率の差異が小さくなる。その結果、一旦吸収した水を好適に保持し得る所定の大きさの細孔を多数(全細孔容量の90%以上)有してなる多孔質セラミックスが得られる。よって、本発明の製造方法により得られる多孔質セラミックスによれば、吸水性及び保水性を確実に向上させることができる。
請求項5に記載の発明の多孔質セラミックスの製造方法は、請求項4に記載の発明において、前記第1工程において乾燥された原料の含水率は7質量%以下であることを要旨とする。
上記方法によれば、原料の混合時における含水率を7質量%以下に抑えることで、各成分の均一な混合が一層容易となる。これにより、所定の大きさ(半径が3000〜40000Åの範囲内)の細孔を多数有する多孔質セラミックスが容易に得られ、充分な吸水性及び保水性を確保することができる。
請求項6に記載の発明の多孔質セラミックスの製造方法は、請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記原料は酸化カルシウムを含有してなることを要旨とする。
上記方法によれば、酸化カルシウムを含有させることで、アルカリ度が高められた(高pHの)多孔質セラミックスが得られる。その結果、こうした多孔質セラミックスを、例えば道路等の舗装材や、外壁を構成するレンガブロックやタイルとして使用した際には、その表面における苔やカビ等の繁殖を好適に抑制することができる。
上記方法によれば、酸化カルシウムを含有させることで、アルカリ度が高められた(高pHの)多孔質セラミックスが得られる。その結果、こうした多孔質セラミックスを、例えば道路等の舗装材や、外壁を構成するレンガブロックやタイルとして使用した際には、その表面における苔やカビ等の繁殖を好適に抑制することができる。
本発明の多孔質セラミックス及びその製造方法によれば、吸水性及び保水性の向上を図ることができる。
以下、本発明の、多孔質セラミックスを具体化した実施形態を説明する。
本実施形態の多孔質セラミックスは、廃棄物、骨材及びバインダを含有してなる原料より製造される。この多孔質セラミックスは、例えば、道路等の舗装材の他、各種外壁を構成するレンガブロックやタイル等として使用される。
本実施形態の多孔質セラミックスは、廃棄物、骨材及びバインダを含有してなる原料より製造される。この多孔質セラミックスは、例えば、道路等の舗装材の他、各種外壁を構成するレンガブロックやタイル等として使用される。
廃棄物は、多孔質セラミックスの原料における主成分として含有され、焼成による熱収縮によって多孔質セラミックス中に多数の細孔を生成させる。なお、ここでいう「主成分」とは、原料中における含有量が50質量%を超えるものを意味する。この種の廃棄物の具体例としては、例えば、製紙スラッジ、木屑等の焼却灰、河川や浄水場等に堆積した汚泥類、窯業廃土、火山灰等が挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、2種以上を組合せて使用されてもよい。
原料中における同廃棄物の含有量は、50〜70質量%であり、好ましくは50〜60質量%である。原料中における廃棄物の含有量が50質量%未満の場合には、多孔質セラミックス中における細孔の生成が不充分となり、吸水性及び保水性を確保することが困難となる。一方、原料中における廃棄物の含有量が70質量%を超える場合には、多孔質セラミックス中における細孔の生成が過剰なものとなり、多孔質セラミックスの強度が低下する可能性がある。
骨材は、多孔質セラミックスに強度及び耐火性を付与するために含有される。この種の骨材の具体例としては、例えば、シャモット、セルベン、鉄鋼スラグ、焼却処理スラグ、堆積岩質の砕石、変成岩質の砕石、火成岩質の砕石等が挙げられる。シャモットとしては、例えば、不良が生じた瓦製品を破砕した瓦シャモット等が挙げられる。セルベンとしては、例えば、タイルセルベン、瓦セルベン、碍子セルベン、衛生陶器セルベン等が挙げられる。鉄鋼スラグとしては、例えば、徐冷スラグ、水砕スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ等が挙げられる。焼却処理スラグとしては、例えば、下水汚泥溶融スラグ、各種廃棄物焼却処理スラグ、下水汚泥焼却処理スラグ等が挙げられる。堆積岩としては、例えば、レキ岩、砂岩、泥質岩、凝灰岩等が挙げられる。変成岩としては、例えば、ホルンフェルス、千枚岩、片岩、片麻岩、大理石等が挙げられる。火成岩としては、例えば、玄武岩、流紋岩、閃緑岩、ハンレイ岩、ヒン岩、輝緑岩、輝石安山岩、石英安山岩等が挙げられる。また、その他、骨材として、フライアッシュ、クリンカーアッシュ、下水道焼却灰、気泡コンクリート(ALC)の粉砕物等が挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、2種以上を組合せて使用されてもよい。
原料中における骨材の含有量は、20〜30質量%であり、好ましくは25〜30質量%である。原料中における骨材の含有量が20質量%未満の場合には、多孔質セラミックスの強度及び耐火性を充分に確保することが困難となる。一方、原料中における骨材の含有量が30質量%を超える場合には、原料の成形性が低下する可能性があり、好ましくない。
バインダは、原料中の各成分を接合するために含有される。この種のバインダの具体例としては、カオリナイト質粘土、モンモリロナイト質粘土、セリサイト質粘土、ハロイサイト質粘土、パイロフィライト質粘土、ベントナイト質粘土等の各種粘土類や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の樹脂類の他、各種セメント類、珪酸ソーダ、澱粉、グルテン等が挙げられる。
原料中におけるバインダの含有量は、5〜30質量%であり、好ましくは20〜30質量%である。原料中におけるバインダの含有量が5質量%未満の場合には、各成分の接合が不充分となることで材料の密度が低下し、充分な強度を有する多孔質セラミックスが得られない可能性が高い。一方、原料中におけるバインダの含有量が30質量%を超える場合には、各成分の接合に関してそれ以上の効果はみられず、材料の無駄を招き、経済的ではない。
また、前記原料には、その他の成分として、酸化カルシウムが含有されることが好ましい。この酸化カルシウムは、多孔質セラミックスのアルカリ度(pH)を高めて、その表面における苔やカビ等の繁殖を好適に抑制するといった観点から含有される。原料中における酸化カルシウムの含有量は、0.1〜1.0質量%であり、好ましくは0.4〜1.0質量%である。原料中における酸化カルシウムの含有量が0.1質量%未満の場合には、アルカリ度が充分に高まらず、苔やカビ等の繁殖を抑制する効果が低減する可能性が高い。一方、原料中における酸化カルシウムの含有量が1.0質量%を超える場合には、苔やカビ等の繁殖の抑制に関してそれ以上の効果が得られない可能性が高く、材料の無駄を招き、経済的でない。
さらに、本実施形態では、その他の成分として、顔料、発泡剤、焼結助剤等の各種添加剤が原料中に含有されてもよい。この種の顔料としては、例えば、酸化鉄系、酸化チタン系、酸化コバルト系等の粉末が挙げられる。発泡剤としては、例えば、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、イソヘプタン、ベンゼン、オクタン、トルエン等の揮発性有機溶剤が挙げられる。また、焼結助剤としては、例えば、周期律表の2A族の元素(カルシウム(Ca)等)、及び3A族の元素(イットリウム(Y)、ネオジウム(Nd)、イッテルビウム(Yb)等)の少なくとも1つを含む材料、例えば、Y2O3、Yb2O3、Nd2O3、CaO等が挙げられる。
次に、本実施形態の多孔質セラミックスの特性について詳細に説明する。
上述したように、本実施形態の多孔質セラミックスは、原料中に含有される廃棄物の熱収縮により、多数の細孔を有している。水銀圧入法により測定した場合、同多孔質セラミックスの細孔分布は、半径3000〜40000Åの細孔が全細孔容量の90%以上を占めている。すなわち、本実施形態の多孔質セラミックスにおいては、半径が3000Å未満の細孔、及び半径が40000Åを超える細孔は、それぞれ全細孔容量のうち10%未満を占めているにすぎない。ここで、半径が3000Å未満の細孔が全細孔容量のうち10%以上を占めている場合には、細孔容量の低減を招き、多孔質セラミックスの内部(細孔)への水の侵入量が低下して吸水性及び保水性の双方が低下する可能性が高い。一方、半径が40000Åを超える細孔が全細孔容量のうち10%以上を占めている場合には、多孔質セラミックスの内部(細孔)に一旦吸収された水が透過されてしまい、保水性が低下する可能性がある。
上述したように、本実施形態の多孔質セラミックスは、原料中に含有される廃棄物の熱収縮により、多数の細孔を有している。水銀圧入法により測定した場合、同多孔質セラミックスの細孔分布は、半径3000〜40000Åの細孔が全細孔容量の90%以上を占めている。すなわち、本実施形態の多孔質セラミックスにおいては、半径が3000Å未満の細孔、及び半径が40000Åを超える細孔は、それぞれ全細孔容量のうち10%未満を占めているにすぎない。ここで、半径が3000Å未満の細孔が全細孔容量のうち10%以上を占めている場合には、細孔容量の低減を招き、多孔質セラミックスの内部(細孔)への水の侵入量が低下して吸水性及び保水性の双方が低下する可能性が高い。一方、半径が40000Åを超える細孔が全細孔容量のうち10%以上を占めている場合には、多孔質セラミックスの内部(細孔)に一旦吸収された水が透過されてしまい、保水性が低下する可能性がある。
水銀圧入法により測定される多孔質セラミックスの細孔容積は、0.1〜0.15ml/gであることが好ましい。この細孔容積が0.1ml/g未満である場合には、細孔容積が低いために細孔への水の侵入量が低下し、吸水性及び保水性が低下する可能性がある。一方、細孔容積が0.15ml/gを超える場合には、多孔質セラミックスの強度が著しく低下する可能性がある。また、水銀圧入法により測定される多孔質セラミックスの比表面積は0.8〜1.5m2/gであることが好ましい。この比表面積が0.8m2/g未満の場合には、多孔質セラミックスの強度が著しく低下する可能性がある。一方、比表面積が1.5m2/gを超える場合には、細孔容積が低くなることで細孔への水の侵入量が低下し、吸水性及び保水性が低下する可能性がある。
本実施形態の多孔質セラミックスにおいては、その表面における苔やカビ等の繁殖を好適に抑制するといった観点からアルカリ性であることが好ましく、pHが10以上であることがより好ましい。なお、多孔質セラミックスのpHは、蒸留水中に多孔質セラミックスを12時間浸漬した後に、その蒸留水のpHを測定することにより求められる。
次に、本実施形態の多孔質セラミックスの製造方法について説明する。
本実施形態の多孔質セラミックスは、第1工程から第5工程を経て製造される。第1工程は、前記原料を乾燥する工程である。第2工程は、第1工程後の原料を、加水することなく混合する工程である。第3工程は、第2工程により得られた混合物に水を加える工程である。第4工程は、第3工程により得られた加水物を成形材料として押出成形を行う工程である。第5工程は、第4工程により得られた中間成形体を焼成する工程である。以下、各工程について詳細に記載する。
本実施形態の多孔質セラミックスは、第1工程から第5工程を経て製造される。第1工程は、前記原料を乾燥する工程である。第2工程は、第1工程後の原料を、加水することなく混合する工程である。第3工程は、第2工程により得られた混合物に水を加える工程である。第4工程は、第3工程により得られた加水物を成形材料として押出成形を行う工程である。第5工程は、第4工程により得られた中間成形体を焼成する工程である。以下、各工程について詳細に記載する。
第1工程においては、100〜400℃にて前記原料が乾燥されて、同原料中に含まれる水分が蒸発される。乾燥温度が100℃未満である場合には、乾燥時間が長くなり、生産効率が悪化する。そして、原料中に含まれる水分を充分に蒸発させることが困難となる可能性もある。一方、乾燥温度が400℃を超える場合には、原料中に含まれる水分の蒸発に関しては高い効果が得られるが、上記バインダの分解を招き、同バインダの接合能力が損なわれる可能性がある。
この第1工程後における原料の含水率は7質量%以下であることが好ましい。同原料中における含水率が7質量%を超える場合には、後述する第2工程において均一な混合が困難となり、半径が過剰に大きい細孔(例えば、半径が40000Åを超える細孔)や、半径が過剰に小さい細孔(例えば、半径が3000Å未満の細孔)が多数形成されるといった問題が生じ得る。その結果、多孔質セラミックスにおける充分な吸水性及び保水性を確保することが困難となる。なお、こうした原料を乾燥する方法としては特に限定されるものではない。そして、この第1工程を経た原料(各成分)は、所定の大きさ(均一な大きさ)に粉砕される。
第2工程においては、加水されることなく各成分が均一に混合され、バインダによりこれらの成分が接合される。なお、これら各成分の混合においては、従来公知のボールミル、ヘンシェルミキサー、シェイカー、タンブラー、雷潰機等が用いられる。
第3工程においては、第2工程で得られた混合物に水が加えられることで、加水物が得られる。その際の水の添加量は、混合物の質量に対して20〜30質量%であることが好ましい。混合物の質量に対する水の添加量が20質量%未満の場合には、原料の流動性が著しく悪化することとなり、後述する第4工程においての成形性が低下する可能性がある。一方、混合物の質量に対する水の添加量が30質量%を超える場合には、例えば、各成分の粒度や比重の相違に起因して各成分の分離を招くこととなり、これらを均等に混合することが困難となる。さらに、後述する第4工程において成形材料の充填密度を高めることが困難となる。
第4工程においては、第3工程により得られた加水物を成形材料として所定の成形をすることで中間成形体が得られる。その際の成形方法としては、例えば、押出成形、プレス成形、ドクターブレード法、CIP(Cold Isostatical Press)法等が挙げられるが、これらの中でも、多孔質セラミックスの圧縮強度を高めることが容易であるといった観点から、真空押出成形が好ましい。また、この真空押出成形に際しての押出圧力は、前記加水物(成形材料)の充填密度を高めるといった観点から、250kg/cm2以上であることが好ましい。なお、押出圧力の上限に関しては、用いる成形機により適宜異なるため、特に限定されるものではない。
本実施形態では、上記成形後において、中間成形体における充分な強度が発現されるまで、同中間成形体を養生することが好ましい。この養生方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、気中養生、水中養生、蒸気養生等が挙げられる。これらの中でも、コストが安価であるといった点から、気中養生が好ましい。なお、こうした養生における、温度、湿度、時間等の諸条件は、中間成形体の大きさに応じて適宜異なるため、特に限定されるものではない。
第5工程においては、第4工程によって得られた中間成形体を、例えば連続焼成炉を用いて焼成する。この種の連続焼成炉としては、ロータリーキルン、ハウスローラキルン、トンネル釜等が挙げられる。その際の焼成温度は、1000〜1200℃であり、好ましくは1100〜1200℃である。焼成温度が1000℃未満の場合には、高い強度を備えた多孔質セラミックスを製造することが困難となる可能性が高い。一方、焼成温度が1200℃を超える場合には、焼成温度が過剰に高いことに起因して焼締めが発生し、多孔質セラミックスが収縮して細孔の一部が埋まるおそれがある。なお、この第5工程における焼成時間は、中間成形体全体が設定された焼成温度に達する条件であれば特に限定されるものではない。
次に、本実施形態の多孔質セラミックスの作用について説明する。
上述したように、本実施形態の多孔質セラミックスを製造する場合、まず第1工程として廃棄物、骨材、バインダ等の各成分を含有してなる原料を乾燥した後、これら各成分が第2工程において混合される。すなわち、本実施形態では、各成分の混合を不均一なものとする最大の要因となり得る水の含有量を極力低減した状態(含水率:7質量%以下)で、第2工程において各成分が乾式混合される。これにより、混合時において各成分が凝集することがなく、均一な混合が可能となるのである。その結果、第5工程の焼成時における各成分の熱収縮率の差異が小さくなり、半径が所定範囲内(3000〜40000Åの範囲内)にある細孔が全細孔容量の90%以上を占めている細孔構造を有する多孔質セラミックスが得られる。このように半径が3000〜40000Åの範囲内にある細孔は、水の吸収量を充分に確保するとともに、一旦吸収した水がそのまま透過するといったことがなく、その吸収した水を内部に保持する作用を有する。したがって、このような作用を奏する細孔を多数(全細孔容量の90%以上)有している本発明の多孔質セラミックスによれば、充分な吸水性及び保水性を確保することができる。そして、この多孔質セラミックスを、例えば、道路の舗装材に使用した場合には、充分な量の雨水を長期にわたって保持することが可能となり、その多孔質セラミックスの内部に保持された雨水が気化することにより、道路の表面温度の上昇を好適に抑制することができるのである。
上述したように、本実施形態の多孔質セラミックスを製造する場合、まず第1工程として廃棄物、骨材、バインダ等の各成分を含有してなる原料を乾燥した後、これら各成分が第2工程において混合される。すなわち、本実施形態では、各成分の混合を不均一なものとする最大の要因となり得る水の含有量を極力低減した状態(含水率:7質量%以下)で、第2工程において各成分が乾式混合される。これにより、混合時において各成分が凝集することがなく、均一な混合が可能となるのである。その結果、第5工程の焼成時における各成分の熱収縮率の差異が小さくなり、半径が所定範囲内(3000〜40000Åの範囲内)にある細孔が全細孔容量の90%以上を占めている細孔構造を有する多孔質セラミックスが得られる。このように半径が3000〜40000Åの範囲内にある細孔は、水の吸収量を充分に確保するとともに、一旦吸収した水がそのまま透過するといったことがなく、その吸収した水を内部に保持する作用を有する。したがって、このような作用を奏する細孔を多数(全細孔容量の90%以上)有している本発明の多孔質セラミックスによれば、充分な吸水性及び保水性を確保することができる。そして、この多孔質セラミックスを、例えば、道路の舗装材に使用した場合には、充分な量の雨水を長期にわたって保持することが可能となり、その多孔質セラミックスの内部に保持された雨水が気化することにより、道路の表面温度の上昇を好適に抑制することができるのである。
さて、このように、内部に充分な量の雨水を長期にわたって保持することができる多孔質セラミックス(舗装材)においては、湿り気が顕著なものとなり、その表面においてカビや苔等が繁殖しやすくなる。そこで、本実施形態においては、多孔質セラミックスの原料中に酸化カルシウムを含有させることが好ましい。この場合、アルカリ度が高められた多孔質セラミックス(舗装材)が得られ、酸化カルシウムとカビや苔等との相互作用により、そうしたカビや苔等の繁殖を好適に抑制することができる。
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) 本実施形態の多孔質セラミックスにおいては、半径が3000〜40000Åの狭い範囲内にある細孔が全細孔容量の90%以上を占めており、吸水性及び保水性の向上が図られている。そして、このような多孔質セラミックスを、例えば道路の舗装材に使用した場合には、充分な量の雨水を長期にわたって保持することが可能となり、その多孔質セラミックスの内部に保持された雨水が気化することにより、道路の表面温度の上昇を好適に抑制することができる。
(1) 本実施形態の多孔質セラミックスにおいては、半径が3000〜40000Åの狭い範囲内にある細孔が全細孔容量の90%以上を占めており、吸水性及び保水性の向上が図られている。そして、このような多孔質セラミックスを、例えば道路の舗装材に使用した場合には、充分な量の雨水を長期にわたって保持することが可能となり、その多孔質セラミックスの内部に保持された雨水が気化することにより、道路の表面温度の上昇を好適に抑制することができる。
(2) 本実施形態の多孔質セラミックスは、水銀圧入法により測定された細孔容積が0.1〜0.15ml/gであり、比表面積が0.8〜1.5m2/gである。したがって、この多孔質セラミックスによれば、内部に保持し得る水の容積が充分に確保されることとなり、吸水性及び保水性を確実に向上させることができる。
(3) 本実施形態の多孔質セラミックスは、pHが10以上であり、アルカリ度が高められている。したがって、このような多孔質セラミックスを、例えば道路の舗装材に使用した場合、その表面におけるカビや苔等の繁殖が抑制され、良好な景観を維持することができる。
(4) 本実施形態の多孔質セラミックスを製造する際には、まず第1工程として廃棄物、骨材、バインダ等の各成分を含有してなる原料を乾燥した後、これら各成分が第2工程において乾式混合される。したがって、本実施形態では、湿式混合が採用されている従来の製造方法のように各成分の混合が不均一となり、得られる多孔質セラミックスの吸水性及び保水性が低下するといった問題が回避される。すなわち、混合時において各成分が凝集することがなく、均一な混合が可能となる。これにより、第5工程の焼成時における各成分の熱収縮率の差異が小さくなり、一旦吸収した水を好適に保持し得る所定の大きさ(半径が3000〜40000Åの範囲内)の細孔を多数(全細孔容量の90%以上)有してなる多孔質セラミックスが得られる。その結果、多孔質セラミックスの吸水性及び保水性の向上を図ることができる。
また、第5工程の焼成時における各成分の熱収縮率の差異が小さくなることで、焼成時における変形やクラックの生成が効果的に抑制される。したがって、本実施形態においては、寸法精度及び強度の双方が高められた多孔質セラミックス(例えば、舗装材、ブロック、レンガブロック、セラミック骨材等)を得ることができる。
(5) 第1工程後における原料の含水率は7質量%以下であるため、各成分の均一な混合が容易となる。これにより、所定の大きさ(半径が3000〜40000Åの範囲内)の細孔を多数有する多孔質セラミックスが容易に得られ、充分な吸水性及び保水性を確保することができる。
(6) 原料中に酸化カルシウムを含有させることが好ましい。この場合、多孔質セラミックスのアルカリ度(pH)が高まり、その表面における苔やカビ等の繁殖を好適に抑制することができる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 原料としての、廃棄物、骨材、バインダ及び酸化カルシウムを乾燥する第1工程と、同第1工程後において前記原料を混合する第2工程と、同第2工程により得られる混合物に水を加える第3工程と、同第3工程により得られる加水物を成形材料として押出成形を行う第4工程と、同第4工程により得られる中間成形体を焼成する第5工程とを備えることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。この方法によれば、苔やカビ等の繁殖を抑制すること容易な多孔質セラミックスが得られる。
・ 原料としての、廃棄物、骨材、バインダ及び酸化カルシウムを乾燥する第1工程と、同第1工程後において前記原料を混合する第2工程と、同第2工程により得られる混合物に水を加える第3工程と、同第3工程により得られる加水物を成形材料として押出成形を行う第4工程と、同第4工程により得られる中間成形体を焼成する第5工程とを備えることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。この方法によれば、苔やカビ等の繁殖を抑制すること容易な多孔質セラミックスが得られる。
・ 廃棄物、骨材、バインダ及び酸化カルシウムを含有してなる原料に水を加えてこれらを混合する第1工程と、同第1工程により得られる混合物を成形材料として押出成形を行う第2工程と、同第2工程により得られる中間成形体を焼成する第3工程とを備えることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。この方法によれば、苔やカビ等の繁殖を抑制すること容易な多孔質セラミックスが得られる。
・ 前記原料中における前記酸化カルシウムの含有量は0.1〜1.0質量%であることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。この方法によれば、酸化カルシウムの作用効果が充分に発揮され、苔やカビ等の繁殖を容易に抑制することができる。
次に、試験例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
(試験例1及び比較例1)
<レンガブロックの製造>
(試験例1)
ここでは、まず、表1に示す成分よりなる原料を200℃で乾燥し(第1工程)、同原料をミキサーで混合した(第2工程)。なお、第1工程後における原料の含水率は5質量%である。次いで、ここで得られた混合物に水を加え(第3工程)、その加水物を成形材料として真空押出成形を行った(第4工程)。なお、第3工程において、前記混合物に対する水の添加量は凡そ23質量%である。その後、第4工程で得られた中間成形体を養生した後、所定条件(焼成温度:1100〜1200℃、焼成時間:48時間)で焼成することにより200×100×60mmの直方体状をなすレンガブロックを製造した。そして、ここで得られたレンガブロックに関し、以下に示す物性評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
ここでは、試験例1における第1工程(原料乾燥工程)を省略してレンガブロックを製造した。すなわち、まず、表1に示す成分よりなる原料に水を加えた後、これらを混合した。なお、その際の原料に対する水の添加量は凡そ30質量%である。その後、ここで得られた混合物を成形材料として真空押出成形を行った。次に、ここで得られた中間成形体を養生した後、所定条件(焼成温度:1100〜1200℃、焼成時間:48時間)で焼成することにより200×100×60mmの直方体状をなすレンガブロックを製造した。そして、ここで得られたレンガブロックに関し、以下に示す物性評価を行った。その結果を表1に示す。
<吸水性の評価>
JIS R 1250に準拠して吸水率を測定した。
<保水性の評価>
ここでは、保水性インターロッキングブロックの品質規格に準拠して、以下の式(1)に基づき保水量を測定した。なお、式(1)における「湿潤質量」及び「絶乾質量」の測定方法に関しては、以下に示す。
(試験例1及び比較例1)
<レンガブロックの製造>
(試験例1)
ここでは、まず、表1に示す成分よりなる原料を200℃で乾燥し(第1工程)、同原料をミキサーで混合した(第2工程)。なお、第1工程後における原料の含水率は5質量%である。次いで、ここで得られた混合物に水を加え(第3工程)、その加水物を成形材料として真空押出成形を行った(第4工程)。なお、第3工程において、前記混合物に対する水の添加量は凡そ23質量%である。その後、第4工程で得られた中間成形体を養生した後、所定条件(焼成温度:1100〜1200℃、焼成時間:48時間)で焼成することにより200×100×60mmの直方体状をなすレンガブロックを製造した。そして、ここで得られたレンガブロックに関し、以下に示す物性評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
ここでは、試験例1における第1工程(原料乾燥工程)を省略してレンガブロックを製造した。すなわち、まず、表1に示す成分よりなる原料に水を加えた後、これらを混合した。なお、その際の原料に対する水の添加量は凡そ30質量%である。その後、ここで得られた混合物を成形材料として真空押出成形を行った。次に、ここで得られた中間成形体を養生した後、所定条件(焼成温度:1100〜1200℃、焼成時間:48時間)で焼成することにより200×100×60mmの直方体状をなすレンガブロックを製造した。そして、ここで得られたレンガブロックに関し、以下に示す物性評価を行った。その結果を表1に示す。
<吸水性の評価>
JIS R 1250に準拠して吸水率を測定した。
<保水性の評価>
ここでは、保水性インターロッキングブロックの品質規格に準拠して、以下の式(1)に基づき保水量を測定した。なお、式(1)における「湿潤質量」及び「絶乾質量」の測定方法に関しては、以下に示す。
湿潤質量(g)−絶乾質量(g)
保水量(g/cm3)=――――――――――――――――― ・・・(1)
試料の体積(cm3)
「湿潤質量(g)」:15〜25℃の水に試料を24時間浸して吸水した後、試料を取り出し、これを密閉容器の内部に配置した。そして、15〜30℃の室内において30分間水を切り、目視できる水滴をウエスで拭き取った後、試料の質量を計測した。
「絶乾質量(g)」:乾燥器(温度:105±5℃)の内部において試料を一定質量になるまで乾燥させた後、これを常温まで冷却した。そして、このときの試料の質量を計測した。
<強度の評価>
JIS A 5363に準拠して曲げ強度を測定した。
<細孔分布の測定>
各試料を乾燥した後、水銀ポリシメータ(Carlo Erba Instruments社製 Porosimeter Series 2000型)を用いた水銀圧入法により、細孔半径分布を測定するとともに、この細孔半径分布より平均細孔半径(Å)、細孔容積(mL/g)及び比表面積(m2/g)を求めた。なお、試験例1のレンガブロックに関する細孔半径分布を図1に、比較例1のレンガブロックに関する細孔半径分布を図2に示す。
保水量(g/cm3)=――――――――――――――――― ・・・(1)
試料の体積(cm3)
「湿潤質量(g)」:15〜25℃の水に試料を24時間浸して吸水した後、試料を取り出し、これを密閉容器の内部に配置した。そして、15〜30℃の室内において30分間水を切り、目視できる水滴をウエスで拭き取った後、試料の質量を計測した。
「絶乾質量(g)」:乾燥器(温度:105±5℃)の内部において試料を一定質量になるまで乾燥させた後、これを常温まで冷却した。そして、このときの試料の質量を計測した。
<強度の評価>
JIS A 5363に準拠して曲げ強度を測定した。
<細孔分布の測定>
各試料を乾燥した後、水銀ポリシメータ(Carlo Erba Instruments社製 Porosimeter Series 2000型)を用いた水銀圧入法により、細孔半径分布を測定するとともに、この細孔半径分布より平均細孔半径(Å)、細孔容積(mL/g)及び比表面積(m2/g)を求めた。なお、試験例1のレンガブロックに関する細孔半径分布を図1に、比較例1のレンガブロックに関する細孔半径分布を図2に示す。
表1に示すように、試験例1のレンガブロックにおいては、比較例1に比べ、細孔容量が顕著に増加していることが確認された。また、図1及び図2より、試験例1のレンガブロックに関しては、比較例1に比べ、全細孔容量の大部分を占める細孔の半径分布が顕著に狭くなっており、半径3000〜40000Åの細孔が全細孔容量の90%以上を占めている細孔構造を有することが確認された。これらの結果、試験例1のレンガブロックにおいては、吸水性(吸水量)及び保水性(保水量)の向上が実現されている。特に、保水量に関しては、保水性インターロッキングブロックの品質規格に規定されている基準値である0.15g/cm3の2倍以上と顕著に高い値が得られていることがわかる。これは、試験例1においては、廃棄物、骨材、バインダ等の各成分が乾式混合されることで、均一な混合が可能となり、一旦吸収した水を好適に保持し得る所定の大きさ(半径3000〜40000Å)の細孔が多数(全細孔容量の90%以上)形成されたことに起因するものと考えられる。
これに対し、比較例1のレンガブロックにおいては、図2に示すように、全細孔容量の大部分(90%以上)を占める細孔の半径分布が広範囲(40〜40000Å)にわたっていることが確認された。詳述すると、比較例1のレンガブロックにおいては、半径が過剰に小さい細孔(例えば、半径が3000Å未満の細孔)が多数(全細孔容量の60%以上)存在しており、細孔容量が著しく低減していることがわかる。したがって、比較例1においては、多孔質セラミックスの内部(細孔)への水の侵入量が低下し、これに伴って、吸水性(吸水量)及び保水性(保水量)の双方が低下しているものと思われる。
また、試験例1のレンガブロックにおいては、比較例1に比べ、曲げ強度の向上が図られていることも確認された。より詳しくは、試験例1の曲げ強度に関しては、保水性インターロッキングブロックの品質規格に規定されている基準値である5.0N/mm2の凡そ1.5倍と顕著に高い値が得られていることがわかる。これは、混合時において各成分の均一な混合が可能となったことで、焼成時における各成分の熱収縮率の差異が小さくなり、クラックの発生が抑制されたことに起因するものと考えられる。
次に、上記に示した理論的な裏付けに加え、試験例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに配合、製法について具体的に説明する。
<実験の目的> この研究は、保水性の高いセラミックスを得ることを目的に開発がはじめられた。従来は、高強度高保水が最も理想であるが、保水性を高めれば高めるほど強度は低下し、強度と保水は相反する性能といえるものと考えられていた。しかし、本発明者らは、配合や製法などを改良することにより高い保水性を持ちながら必要な強度を持ち合わせることが可能と考えた。
<実験の目的> この研究は、保水性の高いセラミックスを得ることを目的に開発がはじめられた。従来は、高強度高保水が最も理想であるが、保水性を高めれば高めるほど強度は低下し、強度と保水は相反する性能といえるものと考えられていた。しかし、本発明者らは、配合や製法などを改良することにより高い保水性を持ちながら必要な強度を持ち合わせることが可能と考えた。
また、道路舗装用のレンガのように高い強度が要求される場合もあるが、一方、用途によって強度は要求されないが、高い保水性のみが求められている場合もある。例えば、植物を育成する保水材としての活用である。具体的には、強度が要求されない屋上緑化に用いる植物育成用の保水剤には軽量であり最適なものができる。特に、土壌と混合し或いは単独で使用される破砕された形状や、最初から粒状に形成されたものには適当である。さらに、植物の特性に合わせpHを調整することで不要な微生物の発生を抑制することもできる。
そこで、この2つの性能をそれぞれの目的に応じてバランス良く併せ持つセラミックスを、廃棄物を原料として製造する方法を以下に示す。この実施例では、焼成温度の設定はレンガ製法を前提に時間設定している。
<試験体の作成方法>
試験体の作成方法を図3のフローチャートに沿って説明する。
(1) まず、100〜400℃にて原料を十分に乾燥させて、乾燥状態の原料の計量を行う(S1)。ここでは、乾燥後の原料の含水率は7質量%以下とする。
(2) 続いて、乾燥状態の各種原料を配合率に従い配合し、十分混合する(S2)。粘土は、例えば乾燥させた粘土板のようなものを混合時に粉砕する。或いは、細かい粒を同じぐらいの粒になるように加工した粘土であるスプレー粉を用いれば粉砕にする工程が不要となる。メッシュ(粒径)がおよそ0.1mm程度以下(手にざらざら感が無い程度)になるように粉砕する。この程度のメッシュが好ましいのは、配合においてバインダが少ない粘土によっているため、成型する場合に細かいほど混合物の中での分散が良好になることからである。逆に言えば、分散が良好であれば粒径は限定されない。
<試験体の作成方法>
試験体の作成方法を図3のフローチャートに沿って説明する。
(1) まず、100〜400℃にて原料を十分に乾燥させて、乾燥状態の原料の計量を行う(S1)。ここでは、乾燥後の原料の含水率は7質量%以下とする。
(2) 続いて、乾燥状態の各種原料を配合率に従い配合し、十分混合する(S2)。粘土は、例えば乾燥させた粘土板のようなものを混合時に粉砕する。或いは、細かい粒を同じぐらいの粒になるように加工した粘土であるスプレー粉を用いれば粉砕にする工程が不要となる。メッシュ(粒径)がおよそ0.1mm程度以下(手にざらざら感が無い程度)になるように粉砕する。この程度のメッシュが好ましいのは、配合においてバインダが少ない粘土によっているため、成型する場合に細かいほど混合物の中での分散が良好になることからである。逆に言えば、分散が良好であれば粒径は限定されない。
廃棄物、特にPS灰は、一般に細かく粉砕する必要はないが、あまり粗いようであれば、場合によっては粉砕する。
骨材は、特にレンガなどでは意匠の関係で粒径が変わるため、粒径は限定されない。また、骨材自体には細孔は生じにくいと考えられるので、全体に均質に分散され成形に問題が生じなければ、粒径は適宜選択できる。
骨材は、特にレンガなどでは意匠の関係で粒径が変わるため、粒径は限定されない。また、骨材自体には細孔は生じにくいと考えられるので、全体に均質に分散され成形に問題が生じなければ、粒径は適宜選択できる。
なお、粒子の大きさ自体は、細孔の大きさがこれらの粒子よりはるかに小さいものであることから問題とはならない。多孔質の形状は各原料の性質の組み合わせと焼成温度で作っているので、原料の粒子の大きさ自体はそれほど影響がなく、粒子の大きさは、むしろ成型時に重視される。
いずれにしてもこの段階では、一切加水しないことが本発明の特徴である。また、加水しなくても前段階での乾燥が十分でなければ、粘土や廃棄物が破砕機、ミキサーなどに付着したり、粘土や廃棄物自体が凝集(いわゆるダマの状態)となり、均質な混合ができなくなる。このような理由から、十分に乾燥した状態で行う。なお、実験において手作業で行う場合も、大規模な装置により製造する場合もこの点についてはまったく同じ事情である。
(3) 上記混合が十分に完了した時点で、適量の水(12〜26質量%)を加水する(S3)。
(4) 攪拌して混練する(S4)。
(5) (3)の混合物を直径2cm×高さ4cmの円柱型の金型にいれ、成型する(S5)。この場合、実験であるので、実際のレンガ製造における成形真空押出成形より圧力は低いが、配合の差における物性の比較には問題がない。
(6) 金型から成型体を抜き取る。
(7) (5)を24時間、110℃で乾燥する(S6)。
(8) 21.5時間各設定焼成温度で焼成する(S7)。
(3) 上記混合が十分に完了した時点で、適量の水(12〜26質量%)を加水する(S3)。
(4) 攪拌して混練する(S4)。
(5) (3)の混合物を直径2cm×高さ4cmの円柱型の金型にいれ、成型する(S5)。この場合、実験であるので、実際のレンガ製造における成形真空押出成形より圧力は低いが、配合の差における物性の比較には問題がない。
(6) 金型から成型体を抜き取る。
(7) (5)を24時間、110℃で乾燥する(S6)。
(8) 21.5時間各設定焼成温度で焼成する(S7)。
焼成は、図4,図5に示すように、最初の焼成温度は、900℃で270分、次に目標となる設定温度に960分かけて上昇させていき、最後の60分はその設定温度を維持する。
設定される温度は、1120℃、1150℃、1200℃、1230℃である。
<試験項目>
図6に試験項目を示す。1120℃,1150℃,1200℃,1230℃の各温度について、成型時の寸法cmと重量(質量)g、乾燥時の寸法cmと重量(質量)g、焼成後の寸法cmと重量(質量)gを測定した。さらに、焼成時の一軸圧縮強度N/mm2(以下本実施例では、「一軸強度」、「強度」と略記することがある。)、含水比%(質量比)、体積含水比%(以下、単に「保水性」ということがある。)、かさ比重g/cm3をそれぞれ測定した。
<スタンダードな配合による焼成テスト>
通常保水性を高めるためには、焼締めにより多孔質セラミックが収縮して細孔が埋まらないように(i)焼成温度を低下させるか、もしくは(ii)耐火性のよい材料を配合するか、(iii)低温で焼結する原料を配合するかである。
<試験項目>
図6に試験項目を示す。1120℃,1150℃,1200℃,1230℃の各温度について、成型時の寸法cmと重量(質量)g、乾燥時の寸法cmと重量(質量)g、焼成後の寸法cmと重量(質量)gを測定した。さらに、焼成時の一軸圧縮強度N/mm2(以下本実施例では、「一軸強度」、「強度」と略記することがある。)、含水比%(質量比)、体積含水比%(以下、単に「保水性」ということがある。)、かさ比重g/cm3をそれぞれ測定した。
<スタンダードな配合による焼成テスト>
通常保水性を高めるためには、焼締めにより多孔質セラミックが収縮して細孔が埋まらないように(i)焼成温度を低下させるか、もしくは(ii)耐火性のよい材料を配合するか、(iii)低温で焼結する原料を配合するかである。
そこで、まずスタンダードとなる比較例(配合No.1)として従来のレンガの配合で粘土と骨材を混合し、上述の各温度で焼成した。そして焼成温度を調整し、強度、保水性との関係を調べた。以下配合を質量%で示すが、単に「%」と略記することがある。
図7に配合No.1の配合を示す。この配合は、骨材として8目のシャモット60gに(24質量%)に、バインダの粘土としての白土180g(72質量%)、木節粘土を10g(4質量%)に水30gを加えたものである。ここには、本願発明の特徴となる廃棄物としての製紙廃棄物焼却灰(以下「PS灰」と略記する場合がある。)は含まれていない。
なお、上述のように、乾燥状態の各種原料を配合率に従い配合し、十分混合する(S2)手順の後で、適量の水(20〜30質量%)を加水し(S3)、攪拌して混練する(S4)手順で試験体を作成しているが、この配合の場合は、仮に従来のレンガ製法のとおり、乾燥状態の各種原料を配合率に従い配合し、十分混合する(S2)手順を省略して加水しても同様の試験体が成形できる。これは、粘土と骨材の比重(密度)が近いため湿潤な状態でも均一な混合が可能であるからである。
<結果> 図8に、配合No.1の物性試験の結果を示す。この物性試験結果を見るかぎり、白土は耐火性の高い原料であることから、焼成温度を上げていっても保水性は大きく低下せず、体積含水率が24.6〜27.6%の範囲の保水性を示しているが、特に高い数値にもならなかった。したがって、この配合では焼成温度の調整で保水性を高くすることはできない。
<結果> 図8に、配合No.1の物性試験の結果を示す。この物性試験結果を見るかぎり、白土は耐火性の高い原料であることから、焼成温度を上げていっても保水性は大きく低下せず、体積含水率が24.6〜27.6%の範囲の保水性を示しているが、特に高い数値にもならなかった。したがって、この配合では焼成温度の調整で保水性を高くすることはできない。
一方、強度は温度を上昇させていくと8.76N/mm2から11.03N/mm2と、多少上昇するが、大きな上昇はなく、特に低温の場合は比較的強度が低い。
そこで、次に、保水性を高められる材料としてPS灰を配合して焼成テストを行ない、この配合No.1の物性試験の結果を参照して性能を検証した。
<PS灰14%配合により吸水性が上がるか>
まず、配合No.2では、PS灰14%配合し、スタンダード配合(配合No.1)と同じように4つの焼成温度で焼成した。
そこで、次に、保水性を高められる材料としてPS灰を配合して焼成テストを行ない、この配合No.1の物性試験の結果を参照して性能を検証した。
<PS灰14%配合により吸水性が上がるか>
まず、配合No.2では、PS灰14%配合し、スタンダード配合(配合No.1)と同じように4つの焼成温度で焼成した。
図9に配合No.2の配合内容を示す。この配合は、骨材として12目のセルベン40gに(16質量%)に、バインダの粘土としての黄土125g(50質量%)、白土35g(14質量%)、木節粘土を15g(6質量%)に、廃棄物としての製紙廃棄物焼却灰(PS灰)を35g(14質量%)を混合した。そして、混合後に水30gを加えたものである。
試験体の作成は、上述の手順にしたがった。ただし、PS灰は粘土に比べ比重(密度)が小さいため、比重が大きな粘土が湿潤状態では均一な混合が困難である。したがって、加水前の乾燥状態時に全ての原料を均一になるまで混合し、その後に加水しなければならない。この方法を取れば、粘りが無いPS灰を均一に配合していくことができる。従来の配合である配合No.1では、上述のとおり加水のタイミングは問題となりにくいが、配合No.2を含め、特にPS灰を高い配合率とした配合No.3〜No.7の場合は十分な混合後の加水が必須であることを発明者は確認をした。結果は示していないが、No.2〜No.7の場合は十分な混合前に加水すれば本発明の目標とする均質な細孔は形成できない。
<結果> 図10に配合No.2の物性試験の結果を示す。焼成した結果を低温側から順次比較すると、1120〜1150℃までは、体積含水率は、33.7%〜32.4%となり、良好な保水性を示すことがわかったが、1200〜1230℃では22.0%〜13.5%と、低下することがわかった。
<結果> 図10に配合No.2の物性試験の結果を示す。焼成した結果を低温側から順次比較すると、1120〜1150℃までは、体積含水率は、33.7%〜32.4%となり、良好な保水性を示すことがわかったが、1200〜1230℃では22.0%〜13.5%と、低下することがわかった。
強度に関しては、低温側から順次比較すると、1120℃の18.88N/mm2から、1200℃の15.77N/mm2と低下するが、1230℃では、19.67N/mm2と再び強度が上昇している。
スタンダードの配合No.1の同温度と比べ一軸圧縮強度が1.48〜2.16倍となり、いずれの温度でも、強度も向上した。
スタンダードの配合No.1の同温度と比べ保水性は、1200℃を超える焼成温度では却って保水性が下がる。保水性を保つためには1200℃以下で焼成することが必要である。
スタンダードの配合No.1の同温度と比べ保水性は、1200℃を超える焼成温度では却って保水性が下がる。保水性を保つためには1200℃以下で焼成することが必要である。
つまり、PS灰を配合すると全体に強度は上がるが耐火性が下がる傾向がある。1200℃以下で焼成する場合は、保水性を高めながら強度も上げられることがわかった。
<PS灰の高配合と焼成試験>
次にPS灰をどの程度まで高配合できるか試験を行った。
<PS灰の高配合と焼成試験>
次にPS灰をどの程度まで高配合できるか試験を行った。
焼成温度はスタンダード配合(配合No.1)と同じ4つの焼成温度で行い、PS灰を50%から80%まで配合した。ここでは、どのくらいまでPS灰を配合すると、どの温度で焼成するのが最適か確認する。
ここで、図11は、PS灰の配合率を変えた配合No.3〜No.7の配合を示す。
配合No.3からNo.7の順序で、PS灰の配合率を、50%、50%、60%、72%、80%として、PS灰の配合率を上げている。
配合No.3からNo.7の順序で、PS灰の配合率を、50%、50%、60%、72%、80%として、PS灰の配合率を上げている。
また、配合No.3からNo.7の順序で、粘土(白土、木節粘土)の配合率を、50%、30%、20%、20%、20%として、粘土の配合率を下げている。
骨材(12目セルベン、8目シャモット)は、配合N0.4、配合No.5については、20%、配合6には8%の配合とした。配合No.3と配合No.7には、骨材は含まれない。
骨材(12目セルベン、8目シャモット)は、配合N0.4、配合No.5については、20%、配合6には8%の配合とした。配合No.3と配合No.7には、骨材は含まれない。
加水する水の量は、原料に対し、配合No.3からNo.7の順序で、20%、24%、24%、26%、26%として、加水量が増加している。
これらの配合を上記の方法で試験体を形成して物性試験を行った。
これらの配合を上記の方法で試験体を形成して物性試験を行った。
<結果> 図12は、配合No.3からNo.7の順序で、物性試験の結果を示す表である。
まず、強度の点のみに着目して配合No.1の11.03〜8.76N/mm2を基準として比較する。
まず、強度の点のみに着目して配合No.1の11.03〜8.76N/mm2を基準として比較する。
1230℃で焼成した場合は配合No.3からNo.7のすべてが著しく高い強度を示した。
また、1200℃の場合は、配合No.5,6,7で著しく高く、配合No.3,No.4でやや良好な強度を示した。
また、1200℃の場合は、配合No.5,6,7で著しく高く、配合No.3,No.4でやや良好な強度を示した。
また、1150℃、1120℃においては、配合No.4においては、略同等の強度を示した。
1120℃では、配合No.6,7において強度の低下が見受けられた。
1120℃では、配合No.6,7において強度の低下が見受けられた。
次に、保水性について、配合No.1の24.6〜27.6%を基準に比較する。
1230℃で焼成した場合は、いずれの配合も保水性は低下した。
1200℃で焼成した場合は、配合No.4〜5では、略同等の保水性を確保できた。配合No.6、7ではやや保水性が劣った。
1230℃で焼成した場合は、いずれの配合も保水性は低下した。
1200℃で焼成した場合は、配合No.4〜5では、略同等の保水性を確保できた。配合No.6、7ではやや保水性が劣った。
1200℃の配合No.3では、保水性がやや高い。
1120℃、1150℃のすべての配合において、保水性が著しく向上した。
<まとめ>
PS灰を配合した場合、1150℃以下の焼成温度で焼成すればPS灰を14〜80%配合しても、保水性の高い焼成物を得ることができた。
1120℃、1150℃のすべての配合において、保水性が著しく向上した。
<まとめ>
PS灰を配合した場合、1150℃以下の焼成温度で焼成すればPS灰を14〜80%配合しても、保水性の高い焼成物を得ることができた。
さらに1200℃での焼成であっても、PS灰が60%以下の配合であれば略同等か高い保水性を得られる。また、72%ではやや劣る。80%の配合では保水性は劣る。
PS灰を配合した場合、1230℃では、十分な強度が得られるが、保水性は劣っている。これは、PS灰が焼締まりして細孔が埋まったものと見られる。
1200℃では、良好な強度を得られ、特にPS灰の配合率が60%〜80%のものには著しい強度が見られた。
PS灰を配合した場合、1230℃では、十分な強度が得られるが、保水性は劣っている。これは、PS灰が焼締まりして細孔が埋まったものと見られる。
1200℃では、良好な強度を得られ、特にPS灰の配合率が60%〜80%のものには著しい強度が見られた。
一方、1120〜1150℃では、全体に強度が低下した。十分な焼結が進まなかったものと考えられる。これは、細孔が多く強度が出なかったものと思われる。
なお、PS灰が50%配合されたものでも、粘土30%、骨材20%の配合のものは、粘土50%に比べて強度が高く、配合No.1と略同等の強度を示した。
なお、PS灰が50%配合されたものでも、粘土30%、骨材20%の配合のものは、粘土50%に比べて強度が高く、配合No.1と略同等の強度を示した。
これらの結果から、予想されたように強度と保水性はトレードオフの関係が見られるが、配合と焼成温度を選択することで、強度を確保しながら高い保水性を持ったものもできることがわかった。
さらに、PS灰を高率で配合されたものは、焼成温度の調整で極めて高い保水率を達成できることもわかった。
また、PS灰と粘土を配合して、骨材を配合しないものは、骨材を配合したものと比較して保水性が高い。骨材を配合したものと比較して細孔密度が高いからであると思われる。
また、PS灰と粘土を配合して、骨材を配合しないものは、骨材を配合したものと比較して保水性が高い。骨材を配合したものと比較して細孔密度が高いからであると思われる。
最も良い配合と焼成温度は、具体的には以下の通りである。
<高い保水性と強度を得る具体例>
○ PS灰50%〜60%配合の場合、1200℃の焼成が最も良い。
<高い保水性と強度を得る具体例>
○ PS灰50%〜60%配合の場合、1200℃の焼成が最も良い。
○ PS灰50%%配合の場合、1120℃〜1200℃の焼成が最も良い。
<非常に高い保水性を得る具体例>
○ 1150℃焼成の場合、PS灰14〜80%の配合が良い。
<非常に高い保水性を得る具体例>
○ 1150℃焼成の場合、PS灰14〜80%の配合が良い。
○ 特に、PS灰50%、粘土50%の配合は、著しい保水性を示す。
○ 1120℃焼成の場合、PS灰14〜80%の配合が良い。
○ 特に、PS灰50〜80%で骨材を含まない配合が良い。
○ 1120℃焼成の場合、PS灰14〜80%の配合が良い。
○ 特に、PS灰50〜80%で骨材を含まない配合が良い。
○ さらに、PS灰80%、粘土20%の配合は極めて良い。
なお、本実験は廃棄物としてPS灰を、粘土として黄土、白土、木節粘土を、骨材としてセルベン、シャモットを用いたが、これらと同じ特性を示すものであれば、別の原料でも配合できることは言うまでもない。
なお、本実験は廃棄物としてPS灰を、粘土として黄土、白土、木節粘土を、骨材としてセルベン、シャモットを用いたが、これらと同じ特性を示すものであれば、別の原料でも配合できることは言うまでもない。
以下に上記実施形態から導かれる技術的思想について付記する。
[付記1]原料としての、廃棄物、骨材及びバインダを乾燥する第1工程と、同第1工程後において加水することなく前記原料を混合する第2工程と、同第2工程により得られる混合物に水を加える第3工程と、同第3工程により得られる加水物を成形材料として押出成形を行う第4工程と、同第4工程により得られる中間成形体を焼成する第5工程とを備える多孔質セラミックスの製造方法であって、前記廃棄物は、製紙スラッジ焼却灰からなることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。
[付記1]原料としての、廃棄物、骨材及びバインダを乾燥する第1工程と、同第1工程後において加水することなく前記原料を混合する第2工程と、同第2工程により得られる混合物に水を加える第3工程と、同第3工程により得られる加水物を成形材料として押出成形を行う第4工程と、同第4工程により得られる中間成形体を焼成する第5工程とを備える多孔質セラミックスの製造方法であって、前記廃棄物は、製紙スラッジ焼却灰からなることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。
この方法によれば、工程が決まった製紙において排出される製紙スラッジ焼却灰を用いると材質が均質であるとともに、灰の粒子が微細で均質なものが得られるため、特に微細で均質な細孔を備えた多孔質セラミックスを製造することができる。
この範囲の焼成温度であれば、高い保水性を備えた多孔質セラミックスを製造することができる。このため、特に強度が要求されない植物育成用の保水剤には最適なものができる。特に、土壌と混合する破砕された形状や、粒状に形成されたものには適当である。
[付記2]原料としての、廃棄物及びバインダを乾燥する第1工程と、同第1工程後において加水することなく前記原料を混合する第2工程と、同第2工程により得られる混合物に水を加える第3工程と、同第3工程により得られる加水物を成形材料として押出成形を行う第4工程と、同第4工程により得られる中間成形体を焼成する第5工程とを備える多孔質セラミックスの製造方法であって、前記廃棄物は、製紙スラッジ焼却灰からなることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。
骨材を含まないため、骨材を含むものと比較してより高い保水性を得られるという効果がある。
[付記3]請求項3、付記1、付記2において、前記バインダは、粘土からなることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。
[付記3]請求項3、付記1、付記2において、前記バインダは、粘土からなることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。
バインダが微細な粒子から構成されることにより均質で微細な細孔を形成することができる。
[付記4]請求項3、付記1〜3において、前記第5工程での焼成は1120℃乃至1200℃で行われることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。
[付記4]請求項3、付記1〜3において、前記第5工程での焼成は1120℃乃至1200℃で行われることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。
Claims (6)
- 内部に多数の細孔を有する多孔質セラミックスであって、
水銀圧入法により測定した場合、半径3000〜40000Åの細孔が全細孔容量の90%以上を占める細孔分布を有してなることを特徴とする多孔質セラミックス。 - 水銀圧入法により測定した場合の、細孔容積は0.1〜0.15ml/gであり、比表面積は0.8〜1.5m2/gであることを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミックス。
- pHが10以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多孔質セラミックス。
- 原料としての、廃棄物、骨材及びバインダを乾燥する第1工程と、
同第1工程後において加水することなく前記原料を混合する第2工程と、
同第2工程により得られる混合物に水を加える第3工程と、
同第3工程により得られる加水物を成形材料として押出成形を行う第4工程と、
同第4工程により得られる中間成形体を焼成する第5工程と
を備えることを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。 - 前記第1工程において乾燥された原料の含水率は7質量%以下であることを特徴とする請求項4に記載の多孔質セラミックスの製造方法。
- 前記原料は酸化カルシウムを含有してなることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の多孔質セラミックスの製造方法。
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