JP2007161694A - ベンズイミダゾール系化合物を含有する安定化された経口用組成物 - Google Patents

ベンズイミダゾール系化合物を含有する安定化された経口用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 消化性潰瘍治療剤に有用なベンズイミダゾール系化合物を含有する安定化された経口用組成物に関する。
【解決手段】 ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、及びpH調整剤を配合し、また、必要に応じ懸濁化剤を配合して油状懸濁液とした安定化された経口用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、消化性潰瘍治療剤に有用なベンズイミダゾール系化合物を含有する安定化された経口用組成物に関する。更に詳述すれば、ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、pH調整剤を配合し、また、必要に応じ懸濁化剤を配合して油状懸濁液とした安定化された経口用組成物に関する。
一般に、プロトンポンプ阻害作用を有し、消化性潰瘍治療剤に有用として知られているベンズイミダゾール系化合物は、現在では硬カプセル剤や錠剤として製剤化されているのが通常である。
これらの化合物は、固相状態においては特に湿度や酸性化合物との接触で不安定であるが、アルカリ性化合物によって安定化することが知られている。また、液性時でも同様に酸性から中性域ではpHが低いほど安定性は悪くなるが、アルカリ性下では安定である。
更に、製剤化に際して、賦形剤として汎用される他成分との相互作用も強いという欠点があった。
これらの欠点を解決するために、従来から多くの研究改良が提案されている。
例えば、マグネシウム、もしくはカルシウムの塩基性無機塩を均一に接触させることにより安定化する方法(特許文献1)、酸化マグネシウム、およびマンニトールを配合して安定化する方法(特許文献2)、酸化マグネシウムや無水ケイ酸などの水難溶性物質の微細粒子と、水難溶性被膜形成物質とで中間被膜を形成して安定化する方法(特許文献3)、マグネシウム、もしくはカルシウムの塩基性無機塩から成る安定化剤(特許文献4)、アルカリ化合物を含む核部と、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの不活性中間被膜層を構成して安定化する方法(特許文献5)などが提案されている。
特公平3−38247号公報 特公平7−37383号公報 特公平7−68125号公報 特公平8−25905号公報 特許第2740993号公報
解決しようとする問題点は、従来の安定化法において得られる組成物は、いずれも固形組成物であり、この固形組成物を打錠して錠剤に、或いは、顆粒化したものを硬カプセルに充填し、更には、腸溶被膜でコートして腸溶製剤として製剤化していたため、製造工程が煩雑となり、長時間を要し、製造工程の不安定因子となっていた。この従来の安定化法の、煩雑な製造工程の簡略化と、これに伴うコストダウンを図ることにある。
本発明者は、ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物の安定化のための至適pHが、約9前後であることに着目すると共に、そのpHを維持するための調整剤、基剤油、更には懸濁化剤などの最適な各々の基剤種との組み合わせを見出し、本発明を完成したのである。
即ち本発明は、
〔1〕 ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、及びpH調整剤を配合して油状懸濁液とした安定化された経口用組成物であり、
〔2〕 ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、pH調整剤、及び懸濁化剤を配合して油状懸濁液とした安定化された経口用組成物であり、
〔3〕 ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール、またはそれらの金属塩である上記〔1〕または〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔4〕 ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、ランソプラゾールである上記〔1〕または〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔5〕 基剤油が、中鎖脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及び植物油脂から選ばれる1種、またはそれ以上である上記〔1〕または〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔6〕 基剤油が、中鎖脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸C8〜C10のプロピレングリコールジエステル混合物、ダイズ油、小麦胚芽油、またはカカオ脂である上記〔1〕または〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔7〕 pH調整剤が、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素化物、リン酸のアルカリ金属塩、メタリン酸のアルカリ金属塩、ピロリン酸のアルカリ金属塩から選ばれる1種、またはそれ以上の混合物である上記〔1〕または〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔8〕 pH調整剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムから選ばれる1種、またはそれ以上の混合物である上記〔1〕または〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔9〕 pH調整剤が、リン酸二カリウムである上記〔1〕または〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔10〕懸濁化剤が、サラシミツロウ、硬化油、及びカカオ脂から選ばれる1種、またはそれ以上である上記〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔11〕ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、ランソプラゾールであり、基剤油が、中鎖脂肪酸トリグリセリドであり、pH調整剤が、リン酸二カリウムであり、懸濁化剤が、サラシミツロウまたは硬化油である上記〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔12〕ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、ランソプラゾールであり、基剤油が、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコールであり、pH調整剤が、リン酸二カリウムであり、懸濁化剤が、サラシミツロウまたは硬化油である上記〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔13〕ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、ランソプラゾールであり、基剤油が、カカオ脂であり、pH調整剤が、リン酸二カリウムである上記〔1〕または〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔14〕ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、及びpH調整剤を配合して構成される油状懸濁液が、カプセル基剤に封入されている上記〔1〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔15〕ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、pH調整剤、及び懸濁化剤を配合して構成される油状懸濁液が、カプセル基剤に封入されている上記〔2〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔16〕ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、及びpH調整剤を配合して構成される油状懸濁液を封入するカプセル基剤が、pH8.0〜9.5を維持するよう予めアルカリ処理などを施したゼラチン基剤である上記〔14〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔17〕ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、pH調整剤、及び懸濁化剤を配合して構成される油状懸濁液を封入するカプセル基剤が、pH8.0〜9.5を維持するよう予めアルカリ処理などを施したゼラチン基剤である上記〔15〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔18〕ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、及びpH調整剤を配合して構成される油状懸濁液を封入するカプセル基剤が、pH8.0〜9.5を維持するよう予めアルカリ処理などを施したゼラチン基剤であり、更に、腸溶性皮膜で被覆した上記〔14〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔19〕ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、pH調整剤、及び懸濁化剤を配合して構成される油状懸濁液を封入するカプセル基剤が、pH8.0〜9.5を維持するよう予めアルカリ処理などを施したゼラチン基剤であり、更に、腸溶性皮膜で被覆した上記〔15〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔20〕ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、1カプセル中に2.5mg〜30mg含有されている上記〔14〕〔15〕[16〕〔17〕〔18〕または〔19〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔21〕ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、1カプセル中に2.5mg〜30mg含有され、化合物1重量部に対してpH調整剤0.2〜10重量部である上記〔14〕〔15〕〔16〕〔17〕〔18〕または〔19〕に記載の安定化された経口用組成物であり、
〔22〕カプセル基剤が、軟カプセルである上記〔14〕〔15〕〔16〕〔17〕〔18〕または〔19〕に記載の安定化された経口用組成物である。
本発明の安定化された経口用組成物は、ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、長期間安定した状態で保たれるものであり、製造工程も融解、混合撹拌、充填、カプセル乾燥と極めてシンプルな一連工程となり、また、同一処方において、カプセル基剤への封入量を変更することによって、含有量の異なる経口用組成物を得ることもでき、従来の経口用組成物と比較しても、大幅なコスト低減に寄与することができる。
本発明に用いられるベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物としては、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾールが挙げられるが、より好ましくはランソプラゾールである。
ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物は、1カプセル中に2.5mg〜30mgを含有させることができるが、好ましくは2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、30mgであり、より好ましくは5mg、10mg、15mg、30mgを含有させることであって、これらのベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物、即ち、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾールは、いずれも公知であり、周知技術により容易に得られる。
本発明に用いられる基剤油としては、中鎖脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、植物油、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート60、ポリソルベート80など)、セスキオレイン酸ソルビタン、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられるが、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、植物油である。
中鎖脂肪酸トリグリセリドとは、中鎖脂肪酸とグリセリンとのエステルを意味し、ここで中鎖脂肪酸とは炭素数6〜12の飽和脂肪酸を意味する。より好ましくは、炭素数8〜10の飽和脂肪酸とグリセリンとのエステル、または、それらの混合物であり、具体的にはトリカプリリン、カプリル酸カプリン酸トリグリセリドである。
プロピレングリコール脂肪酸エステルとは、脂肪酸とプロピレングリコールとのエステル、または油脂とプロピレングリコールとのエステル交換物を意味し、より好ましくは炭素数8〜10の脂肪酸とプロピレングリコールとの混合物であるジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコールである。植物油としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格、および食品添加物公定書などに記載されているものであれば種類を選ばないが、例えば、ダイズ油、ゴマ油、カカオ脂、小麦胚芽油、ダイズ油不ケン化油、サフラワー油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油が挙げられる。より好ましくは、ダイズ油、カカオ脂である。また、このカカオ脂は、常温で固体であり、懸濁化剤としての作用も併せ持っている。
基剤油は、ベンズイミダソール系プロトンポンプ阻害化合物1重量部に対して、1〜100重量部を加えることであるが、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは2〜10重量部加えることである。
本発明に用いられるpH調整剤としては、pHを8.0〜9.5に調整できるものであれば種類を選ばないが、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、アルカリ金属の炭酸水素化物(例えば、炭酸水素ナトリウムなど)、リン酸のアルカリ金属塩(例えば、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二ナトリウムなど)、メタリン酸のアルカリ金属塩(例えば、メタリン酸ナトリウムなど)、ピロリン酸のアルカリ金属塩(例えば、ピロリン酸ナトリウムなど)から選ばれる1種またはそれ以上の混合物が用いられる。好ましくは、リン酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウムと水酸化ナトリウム、リン酸二カリウムとリン酸二ナトリウム、リン酸一カリウムと水酸化カリウム、リン酸一ナトリウムと水酸化ナトリウムが挙げられ、より好ましくは、リン酸二カリウムである。
pH調整剤は、ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物1重量部に対して、0.2〜10重量部を加えることであるが、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは1〜2重量部加えることである。
本発明の安定化された経口用組成物には、懸濁化剤を配合することができる。この懸濁化剤は、ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物と、基剤油、さらにはpH調整剤との混合、撹拌から得られた油状懸濁液を、カプセル基剤に封入するまでの間に生じる経時的な相分離や、一部沈降の不都合を抑制し、また、品質均一な経口用組成物を得ることを目的として配合されるのである。
本発明に用いられる懸濁化剤としては、サラシミツロウ、モノステアリン酸グリセリン、硬化油、グリセリン脂肪酸エステル、カカオ脂が挙げられ、好ましくは、サラシミツロウ、硬化油である。
懸濁化剤は、ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物1重量部に対して、0〜20重量部を加えることができるが、好ましくは0〜10重量部、より好ましくは0〜3重量部加えることである。
本発明の安定化された経口用組成物は、ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物と、基剤油、pH調整剤、更に必要に応じて懸濁化剤を混合、撹拌して得られた油状懸濁液を、カプセル基剤に封入することにより製造される。
本発明の安定化された経口用組成物は、カプセル剤であれば軟カプセル剤、硬カプセル剤を問わないが、好ましくは、軟カプセル剤である。
本発明の安定化された上記軟カプセル剤は、特に大きさや形状に制限はなく、平板法、ロータリー法、シームレス法など公知の製造方法から適宜製造方法が選択できる。
ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物と、基剤油、pH調整剤、更に必要に応じて懸濁化剤を混合、撹拌して得られた油状懸濁液を封入するカプセル基剤は、予め水酸化ナトリウムなどでアルカリ処理して至適pH近くに調整したゼラチンを主材料とし、他に可塑剤としてグリセリン、ソルビトールなどを加えた基剤から成り、これをカプセル基剤として油状懸濁液を封入する工程によって、カプセル自体をアルカリ性下に維持することでより一層の安定要因を付加することができる。
従来からの通常のカプセル基剤は、酸性ゼラチンを用いてカプセルに成型、又はカプセル剤とするが、該当カプセル剤は酸性側で不安定となるため、前記工程を付加することによって、より安定したカプセル剤を得ることができる。
以下に実施例、及び実験例を挙げて本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限り変化させてもよい。
基剤油としてのダイズ油585mgに、懸濁化剤としての硬化油15mgを加えて加温融解したのち放冷し、これにベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物であるランソプラゾール200mg,及びpH調整剤としてリン酸二カリウム200mgを加えて混合撹拌し、油状懸濁液を得た。
基剤油としてのジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール550mgに,懸濁化剤としてサラシミツロウ50mgを加えて加温融解したのち放冷し、これにベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物であるランソプラゾール200mg,及びpH調整剤としてリン酸二カリウム200mgを加えて混合撹拌し、油状懸濁液を得た。
基剤油としてのカカオ脂600mgを加温融解したのち放冷し、これにベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物であるランソプラゾール200mg,及びpH調整剤としてリン酸二カリウム200mgを加えて混合撹拌し、油状懸濁液を得た。
基剤油としてのトリカプリリン5500mgに、懸濁化剤としてサラシミツロウ500mgを加えて加温融解したのち放冷し、これにベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物であるランソプラゾール2000mg,及びpH調整剤としてリン酸二カリウム2000mgを加えて混合撹拌し、油状懸濁液を得た。これを予めアルカリ処理した豚皮由来のゼラチン皮膜片と接触させた。
基剤油としてのジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール5850mgに、懸濁化剤としての硬化油150mgを加えて加温融解したのち放冷し、これにベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物であるランソプラゾール2000mg,及びpH調整剤としてリン酸二カリウム2000mgを加えて混合撹拌し、油状懸濁液を得た。これを予めアルカリ処理した牛皮由来のゼラチン皮膜片と接触させた。
基剤油としてのカプリル酸カプリン酸トリグリセリド553gに、懸濁化剤としての硬化油7gを加えて加温融解したのち放冷し、これにベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物であるランソプラゾール210g、及びpH調整剤としてリン酸二カリウム210gを加えて混合撹拌し、粘度2840mPa・s、比重1.21の油状懸濁液980gを得た。これをロータリー式充填機によって、予めアルカリ処理した豚皮由来のゼラチンを主原料としたカプセル基剤に油状懸濁液140mgを充填し、ランソプラゾール30mgを含有する球形軟カプセル剤とした経口組成物を得た。
基剤油としてのカカオ脂800gを加温融解し、これにベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物であるランソプラゾール75g、及びpH調整剤としてリン酸二カリウム25gを加えて混合撹拌し、粘度450mPa・s、比重1.22の油状懸濁液900gを得た。これをロータリー式充填機によって、予めアルカリ処理した豚皮由来のゼラチンを主原料としたカプセル基剤に油状懸濁液60mgを充填し、ランソプラゾール5mgを含有する球形軟カプセル剤とした経口組成物を得た。
基剤油としてのカプリル酸カプリン酸トリグリセリド536gに、懸濁化剤としてサラシミツロウ24gを加えて加温融解したのち放冷し、これにベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物であるランソプラゾール210g,及びpH調整剤としてリン酸二カリウム210gを加えて混合撹拌し、粘度3880mPa・s、比重1.21の油状懸濁液980gを得た。これをロータリー式充填機によって、予めアルカリ処理した豚皮由来のゼラチンを主原料としたカプセル基剤に油状懸濁液70mgを充填し、ランソプラゾール15mgを含有する球形軟カプセル剤とした経口組成物を得た。
基剤油としてのカカオ脂600gを加温融解し、これにベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物であるランソプラゾール300g、及びpH調整剤としてリン酸二カリウム300gを加えて混合撹拌し、油状懸濁液1200gを得た。これをロータリー式充填機によって、予めアルカリ処理した牛皮由来のゼラチンを主原料としたカプセル基剤に油状懸濁液120mgを充填し、ランソプラゾール30mgを含有する球形軟カプセル剤とした経口組成物を得た。
〔実験例1〕
実施例1から5で得られた経口用組成物を、ガラス瓶に入れて密閉し、40℃条件下で3週間保存した。比較対照として、同一の経口用組成物を冷所(5℃以下)で3週間保存した。3週間経過後、各試料の外観変化を観察し、ランソプラゾールの残存量を定量し、結果は比較対照群に対する残存率として表1に示した。
Figure 2007161694
いずれも外観に変化は認められず、且つ、ランソプラゾールの残存率もほぼ100%であり、経口用組成物としての油状懸濁液の、安定性が高いことが実証された。
〔実験例2〕
実施例6から8で得られた球形軟カプセル剤とした経口用組成物を、プリスター包装し、更に、アルミピロー包装した後、40℃、75%RH条件下で保存した。比較対照として同一の球形軟カプセル剤とした経口用組成物を冷所(5℃以下)で保存した。
経時的に、各試料の外観変化、及びランソプラゾールの残存量を定量し、結果は比較対照群に対する残存率として表2に示した。
Figure 2007161694
いずれの球形軟カプセル剤とした経口用組成物も、外観に変化は認められず、且つ、ランソプラゾールの残存率もほぼ100%であり、油状懸濁液を封入して球形軟カプセル剤とした経口用組成物の、安定性が高いことが実証された。
本発明の油状懸濁液とした経口用組成物は、ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物を、長期間安定に保つこのできる優れた剤形であるため、消化性潰瘍治療剤として有効に利用することができる。

Claims (22)

  1. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、及びpH調整剤を配合して油状懸濁液とした安定化された経口用組成物。
  2. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、pH調整剤、及び懸濁化剤を配合して油状懸濁液とした安定化された経口用組成物。
  3. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール、またはそれらの金属塩である請求項1または2に記載の安定化された経口用組成物。
  4. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、ランソプラゾールである請求項1または2に記載の安定化された経口用組成物。
  5. 基剤油が、中鎖脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及び植物油脂から選ばれる1種、またはそれ以上である請求項1または2に記載の安定化された経口用組成物。
  6. 基剤油が、中鎖脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸C8〜C10のプロピレングリコールジエステル混合物、ダイズ油、小麦胚芽油、またはカカオ脂である請求項1または2に記載の安定化された経口用組成物。
  7. pH調整剤が、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素化物、リン酸のアルカリ金属塩、メタリン酸のアルカリ金属塩、ピロリン酸のアルカリ金属塩から選ばれる1種、またはそれ以上の混合物である請求項1または2に記載の安定化された経口用組成物。
  8. pH調整剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムから選ばれる1種、またはそれ以上の混合物である請求項1または2に記載の安定化された経口用組成物。
  9. pH調整剤が、リン酸二カリウムである請求項1または2に記載の安定化された経口用組成物。
  10. 懸濁化剤が、サラシミツロウ、硬化油、及びカカオ脂から選ばれる1種、またはそれ以上である請求項2に記載の安定化された経口用組成物。
  11. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、ランソプラゾールであり、基剤油が、中鎖脂肪酸トリグリセリドであり、pH調整剤が、リン酸二カリウムであり、懸濁化剤が、サラシミツロウまたは硬化油である請求項2に記載の安定化された経口用組成物。
  12. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、ランソプラゾールであり、基剤油が、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコールであり、pH調整剤が、リン酸二カリウムであり、懸濁化剤が、サラシミツロウまたは硬化油である請求項2に記載の安定化された経口用組成物。
  13. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、ランソプラゾールであり、基剤油が、カカオ脂であり、pH調整剤が、リン酸二カリウムである請求項1または2に記載の安定化された経口用組成物。
  14. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、及びpH調整剤を配合して構成される油状懸濁液が、カプセル基剤に封入されている請求項1に記載の安定化された経口用組成物。
  15. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、pH調整剤、及び懸濁化剤を配合して構成される油状懸濁液が、カプセル基剤に封入されている請求項2に記載の安定化された経口用組成物。
  16. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、及びpH調整剤を配合して構成される油状懸濁液を封入するカプセル基剤が、pH8.0〜9.5を維持するよう予めアルカリ処理などを施したゼラチン基剤である請求項14に記載の安定化された経口用組成物。
  17. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、pH調整剤、及び懸濁化剤を配合して構成される油状懸濁液を封入するカプセル基剤が、pH8.0〜9.5を維持するよう予めアルカリ処理などを施したゼラチン基剤である請求項15に記載の安定化された経口用組成物。
  18. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、及びpH調整剤を配合して構成される油状懸濁液を封入するカプセル基剤が、pH8.0〜9.5を維持するよう予めアルカリ処理などを施したゼラチン基剤であり、更に、腸溶性皮膜で被覆した請求項14に記載の安定化された経口用組成物。
  19. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物に、基剤油、pH調整剤、及び懸濁化剤を配合して構成される油状懸濁液を封入するカプセル基剤が、pH8.0〜9.5を維持するよう予めアルカリ処理などを施したゼラチン基剤であり、更に、腸溶性皮膜で被覆した請求項15に記載の安定化された経口用組成物。
  20. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、1カプセル中に2.5mg〜30mg含有されている請求項14、15、16、17、18または19に記載の安定化された経口用組成物。
  21. ベンズイミダゾール系プロトンポンプ阻害化合物が、1カプセル中に2.5mg〜30mg含有され、化合物1重量部に対してpH調整剤0.2〜10重量部である請求項14、15、16、17、18または19に記載の安定化された経口用組成物。
  22. カプセル基剤が、軟カプセルである請求項14、15、16、17、18または19に記載の安定化された経口用組成物。
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