JP2007283645A - サーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法およびプリンタ装置 - Google Patents

サーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法およびプリンタ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発熱部と空隙部との間に位置する蓄熱部を精度良く形成できるサーマルヘッドを提供する。
【解決手段】本発明に係るサーマルヘッド40は、発熱部43aと空隙部48との間に位置する蓄熱部49を、突部42の上面を覆うように基板41上に形成された被覆層(ガラス板)50で構成する。蓄熱部49の厚みを当該被覆層50の厚みで容易に調整することができ、蓄熱部49を精度よく形成することが可能となる。これにより、蓄熱部49の厚みバラツキに起因する印刷特性の変動を抑えることができるとともに、発熱部43aの直下に空隙部48を有するサーマルヘッドを容易かつ安定して製造することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクリボンの色材を印刷媒体に熱転写するサーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法およびプリンタ装置に関する。
印刷媒体に画像や文字を印刷するプリンタ装置としては、インクリボンの一方の面に設けられたインク層を形成する色材を紙等の印刷媒体に熱転写させてカラー画像や文字を印刷する熱転写型のプリンタ装置がある。このプリンタ装置は、インクリボンの色材を印刷媒体に熱転写させるサーマルヘッドと、このサーマルヘッドと対向する位置に設けられ、インクリボンおよび印刷媒体を支持するプラテンとを備えている。
図9は従来のサーマルヘッドの要部構成を模式的に示す断面図である。このサーマルヘッド10は、例えばガラス製の基板11の一方の面に突部12が形成されており、この突部12の上に発熱抵抗体13と、発熱抵抗体13を発熱させるための一対の電極14a,14bと、発熱抵抗体13および電極14a,14bを保護する保護層15とが順次設けられている。一対の電極14a,14b間で挟まれた発熱抵抗体13の露出領域は、発熱部13aとして構成されている。また、突部12は、発熱部13aをインクリボンおよび印刷媒体に対向させるために、略円弧状に形成されている。基板11の他方の面には、接着材料層16を介して放熱体17が接着されている。
図9に示した従来のサーマルヘッド10において、印刷媒体にインクリボンの色材を熱転写させるときは、発熱抵抗体13を通電することで発熱部13aを発熱させ、これによりインクリボンの色材を昇華させて印刷媒体に色材を転写する。基板11および突部12は、熱伝導率の比較的低いガラスで構成されているため蓄熱性に優れる。従って、発熱部13aを直ちに高温にでき、色材の昇華温度に必要な消費電力を下げることができる。
しかしながら、この従来のサーマルヘッド10においては、突部12aに蓄積された熱が放熱されにくいため、発熱抵抗体13の通電を遮断した後、直ちに発熱部13aの温度を下げることができない。このため、応答性が悪くなり、印刷速度の高速化が図れないという問題がある。
この問題を解決するため、図10に示した構成のサーマルヘッド20がある。なお、図において図9に示したサーマルヘッド10と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このサーマルヘッド20においては、突部12の内部であって発熱部13aの直下に空隙部28が設けられており、これら発熱部13aと空隙部28との間に所定厚みの蓄熱部29が形成されている。このサーマルヘッド20においては、空隙部28の内部の空気層がガラスよりも熱伝導率が低いため、インクリボン側への熱量が多くなり、色材を印刷媒体へ熱転写する際に、色材の昇華温度まで発熱部13aを昇温させるための消費電力を更に少なくできる。
また、このサーマルヘッド20においては、空隙部28を設けることによって、蓄熱部29の厚みを薄くできるので、蓄熱部29の放熱を短時間で行うことができ、発熱抵抗体13への通電を遮断した後、直ちに発熱部13aの温度を下げることができる。これにより、応答性が良好となり、印刷速度の高速化を図ることが可能となる。
特開平2−45163号公報
ところで、上述した従来のサーマルヘッド20においては、発熱部13aの熱効率および放熱特性は、発熱部13aと空隙部29との間に位置する蓄熱部29の厚さd(図10参照)で制御される。従来のサーマルヘッド20においては、基板11の突部12形成面とは反対側の面から砥石加工やエッチング加工等により空隙部29を形成することによって、蓄熱部29の所定の厚み(例えば数十μm)を得るようにしている。
しかしながら、基板11の反り等による加工バラツキや、加工後における突部12の強度不足による蓄熱部の破損が発生し易いため、空隙部29を高精度に形成することが困難な場合が多い。このため、蓄熱部29の厚さを精度良く制御することができず、印刷特性にバラツキが生じるという問題がある。また、発熱部13aの直下に空隙部29を有するサーマルヘッドを高い歩留まりで製造することができないという問題がある。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、発熱部と空隙部との間に位置する蓄熱部を精度良く形成することができるサーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法および当該サーマルヘッドを備えたプリンタ装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明のサーマルヘッドは、一方の面に突部を有する基板と、突部の上部に形成された発熱部と、突部に形成された空隙部と、発熱部と空隙部との間に形成された蓄熱部とを備え、蓄熱部は、突部の上面を覆うように基板上に形成された被覆層で構成されている。
また、本発明のサーマルヘッドの製造方法は、一方の面に突部を有する基板を準備する工程と、突部に対して一方の面側から空隙部を形成する工程と、空隙部を覆うように基板上に被覆層を形成する工程と、被覆層を挟んで空隙部の直上に発熱部を形成する工程とを有している。
本発明は、発熱部と空隙部との間に位置する蓄熱部を、突部の上面を覆うように基板上に形成された被覆層で構成しているので、蓄熱部の厚みを当該被覆層の厚みで容易に調整することができ、蓄熱部を精度よく形成することが可能となる。これにより、蓄熱部の厚みバラツキに起因する印刷特性の変動を抑えることができるとともに、発熱部の直下に空隙部を有するサーマルヘッドを容易かつ安定して製造することができる。
蓄熱部を構成する被覆層としては、必要とする蓄熱部の厚さを備えた板部材、特に、上記突部と同種の材料からなる板部材、例えば、ガラス板が好適である。被覆層と突部とを同種材料の組合せで構成することによって両者の熱膨張係数の整合が可能となり、サーマルヘッドの破損を防ぐことができる。
また、蓄熱部を構成する被覆層を、必要とする蓄熱部の厚さで成膜された被膜、例えばスパッタ膜で構成することもできる。この場合、被膜は単層でもよいし多層膜構造を有していてもよい。被膜を構成する材料は特に制限されず、必要とする強度、伝熱特性等を有する材料を適宜選択すればよい。なお、被膜の形成に際しては、突部に設けた空隙部をレジスト等の充填材を用いてあらかじめ充填しておき、成膜後に充填材を除去する処理を施すようにする。
また、本発明においては、突部に対する空隙部の形成を、当該突部が形成される基板の一方の面側から行うようにしているので、基板の機械的強度を大きく損なうことなく空隙部を形成することが可能となる。これにより、空隙部形成時あるいは空隙部形成後の基板のハンドリング時等における基板の破損を抑制できる。
以上述べたように、本発明によれば、発熱部と空隙部との間に位置する蓄熱部を精度良く形成することができる。これにより、蓄熱部の厚みバラツキに起因する印刷特性の変動を抑えることができるとともに、発熱部の直下に空隙部を有するサーマルヘッドを容易にかつ安定して製造することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の説明に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
図1は本実施形態によるプリンタ装置30の概略構成図、図2はプリンタ装置30の要部の断面斜視図である。以下、このプリンタ装置30の構成について概略的に説明する。
プリンタ装置30は、熱転写型あるいは昇華型のプリンタ装置であり、本発明に係るサーマルヘッド40を備え、このサーマルヘッド40でインクリボン1の色材を昇華させて印刷媒体2へ色材を転写させることで、カラー画像や文字を印刷する。
ここで用いられるインクリボン1は、長尺状の樹脂フィルムからなり、一端が供給側スプール3aに、他端が巻取側スプール3bにそれぞれ支持され、これらに巻回された状態でインクカートリッジに収納されている。このインクリボン1は、樹脂フィルムの一方の面に、イエローの色材で形成されたインク層と、マゼンタの色材で形成されたインク層と、シアンの色材で形成されたインク層のほか、印刷媒体2上に印刷された画像や文字の保存性を向上するために印刷媒体2上に熱転写させるラミネートフィルムからなるラミネート層が設けられている。
プリンタ装置30は、サーマルヘッド40と、このサーマルヘッド40と対向する位置に設けられたプラテン60と、装着されたインクリボン1の走行をガイドする複数のリボンガイド61a,61bと、インクリボン1とともにサーマルヘッド40とプラテン60との間に印刷媒体2を走行させるピンチローラ62aおよびキャプスタンローラ62b等を備えている。
このような構成のプリンタ装置30においては、プラテン60をサーマルヘッド40に押圧しながら、サーマルヘッド40とプラテン60との間において、巻取側スプール3bを巻取方向に回転させることでインクリボン1を巻取方向に走行させるとともに、ピンチローラ62aとキャプスタンローラ62bを排紙方向(図1中矢印A方向)に回転させることで排紙方向に印刷媒体2を走行させる。
印刷する際には、先ず、サーマルヘッド40からインクリボン1のイエローのインク層に対して熱エネルギーを印加し、イエローの色材をインクリボン1と重なり合って走行している印刷媒体2に熱転写する。次に、イエローの色材が熱転写された画像や文字を形成する画像形成部にマゼンタの色材を熱転写するため、図1中矢印B方向に印刷媒体2をサーマルヘッド40側に逆走させ、画像形成部の始端をサーマルヘッド40と対向させるとともに、インクリボン1のマゼンタのインク層をサーマルヘッド40と対向させる。そして、マゼンタのインク層に対しても熱エネルギーを印加して、マゼンタの色材を印刷媒体2の画像形成部に熱転写させる。シアンの色材およびラミネートフィルムについても、同様の方法で印刷媒体2に順次熱転写して、カラー画像を印刷する。
このようなプリンタ装置30に用いられるサーマルヘッド40は、印刷媒体2の走行方向に対して直交方向に配置されており、印刷媒体2の幅方向の両端まで色材を熱転写できるように、図3中矢印L方向で示す長さが印刷媒体2の幅よりも長くなっている。
次に、サーマルヘッド40の構成の詳細について説明する。
図3はサーマルヘッド40の全体斜視図、図4はサーマルヘッド40のヘッド部40Aの断面構造を示す部分破断斜視図である。
サーマルヘッド40は、放熱体47の上に接着材料層46を介して接着された基板41を有しており、この基板41の幅方向中心部に長さ方向Lに沿ってヘッド部40Aが形成されている。ヘッド部40Aは外形が略円弧状を有しており、その頂部には発熱部43aが長さ方向Lに所定ピッチで直線的に配列されている。ヘッド部40Aは、基板41から外方へ突出形成されることによって、インクリボン1に対する当たりを良好にし、発熱部43aで発生させた熱エネルギーをインクリボン1に適切に印加できるようにしている。ヘッド部40Aの表面は、保護層45で覆われている。
発熱部43aは、一対の電極44a,44bで挟まれた構成を有しており、これら電極間44a,44bに電流が供給されたときの抵抗加熱作用によって発熱する。一方の電極44aは、個々の発熱体43a毎に形成された個別配線部52に接続されており、フレキシブル配線基板53を介して、電源供給用の制御基板55に電気的に接続されている。また、他方の電極44bは、すべての発熱体43aに対して共通の共通配線部51に接続されており、フレキシブル配線基板54を介して制御基板55に電気的に接続されている。制御基板55は、放熱体47に固定されており、外部接続用配線部材56を介して、プリンタ装置30の制御部(図示略)に接続されている。フレキシブル配線基板53には半導体素子(図示略)が実装されており、この半導体素子は、制御基板55から送られた印刷データに対応して各発熱部43aの発熱動作を個別に制御する。
ヘッド部40Aの内部には、発熱部43aの直下位置に空隙部48が設けられている。ヘッド部40Aは、後述するように、ガラス材料を主体として形成されており、空隙部48は、発熱部43aの列と対向するように長さ方向Lに沿って連続的に形成されている。
上記のように、ヘッド部40Aの内部に発熱部43aと対向するように空隙部48を設けることによって、ガラスよりも熱伝導率が低いという空気の特性により、発熱部43aで発生させた熱が放熱されにくくなり、発熱部43aと空隙部48との間の蓄熱部49に熱エネルギーが蓄熱しやすくなる。これにより、インクリボン1に対する熱の印加効率が高くなり、サーマルヘッド40の熱効率を良好にすることができる。
また、ヘッド部40Aの内部に空隙部48を設けることによって、発熱部43a直下の蓄熱部49の厚みが薄くなり、発熱部43aの発熱動作を解除したときの蓄熱部49の放熱性を高め、当該発熱部43aの温度を速やかに低下させる。これにより、発熱/非発熱動作の応答性が高まり、印刷速度の高速化を図ることができる。
以下、ヘッド部40Aの詳細について説明する。図5は、サーマルヘッド40のヘッド部40Aの構成の詳細を示す断面図である。
基板41の一方の面(表面)には、外面が略円弧状の突部42が設けられている。この突部42は、いわゆるグレーズ層に対応し、ホウケイ酸ガラス等のガラス質材料で形成されている。本実施形態では、基板41として、表面に突部42が設けられたアルミナ基板が用いられている。なお、基板41の構成は上記に限らず、表面に突部42が一体形成されたガラス基板(図9参照)を用いてもよい。
突部42には、空隙部48が設けられている。この空隙部48は、突部42の上面を覆う被覆層50によって上部が閉塞された空気層を形成している。突部42の上には、被覆層50を介して、発熱抵抗体43と、発熱抵抗体43を発熱させるための一対の電極44a,44bと、発熱抵抗体43および電極44a,44bを保護する保護層45とが順次設けられている。
本実施形態において、被覆層50は、突部42を構成するガラス材料と同種のガラス板からなる。この種のガラス材料としては、例えばホウケイ酸ガラスが用いられる。被覆層50を突部42と同種の材料で構成することにより、両者の熱膨張係数の整合を図って発熱時の破損を防ぐことができる。被覆層50は、突部42の上面を覆うように基板41上に接合されており、発熱部43aと空隙部48との間において蓄熱部49を構成する。
発熱抵抗体43は、例えばTa−NやTa−SiO2等の高抵抗で耐熱性のある材料で形成されている。一対の電極44a,44b間で挟まれた発熱抵抗体43の露出領域は、発熱部43aとして構成されており、例えばドットサイズよりもやや大きく、略矩形または正方形状に形成されている。この発熱抵抗体43は、被覆層50の上にフォトリソグラフィ技術を用いてパターン形成される。
発熱抵抗体43の両側に設けられる一対の電極44a,44bは、例えばアルミニウムや銅、金などの電気伝導性の良い材料で形成されている。図4に示したように、一方の電極44aは個別配線部52に接続され、他方の電極44bは共通配線部51に接続されている。これら電極44a,44b、共通配線部51および個別配線部52は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成される。なお、これら電極44a,44b、共通配線部51および個別配線部52は、同一材料で同時にパターニングされてもよいし同種または異種材料で別々にパターニングされてもよい。
保護層45は、発熱部43a、電極44a,44b、供給配線部51および個別配線部52を覆い、サーマルヘッド40とインクリボン1が接した際に生じる摩擦等から発熱部43a、電極44a,44b等を保護する。この保護層45は、高温下で高強度、耐摩耗性等の機械的特性および耐熱性、耐熱衝撃性、熱伝導性等の熱的特性に優れた金属を含む無機材料で形成され、例えば、炭化ケイ素や窒化ケイ素等で形成されている。
一方、基板41の他方の面(裏面)には、接着材料層46を介して放熱体47が接着されている。接着材料層46には、熱伝導性、耐熱性に優れた熱硬化性材料が用いられ、例えば基板41よりも伝熱性に優れたシリコーン系接着剤が用いられる。放熱体47としてはアルミニウム、銅等の熱伝導性の高い金属材料が用いられている。
以上のように、本実施形態のサーマルヘッド40、特にヘッド部40Aにおいては、一方の面に突部42を有する基板41と、突部42の上部に形成された発熱部43aと、突部42に形成された空隙部48と、発熱部43aと空隙部48との間に形成された蓄熱部49とを備え、この蓄熱部49が、突部42の上面を覆うように基板41上に形成された被覆層50で構成されている。蓄熱部49を被覆層50で構成することにより、蓄熱部49の厚みD(図5参照)を当該被覆層50の厚みで容易に調整することができ、蓄熱部49を精度良く形成することが可能となる。これにより、蓄熱部49の厚みバラツキに起因する印刷特性の変動を抑えることができる。
続いて、以上のように構成されるサーマルヘッド40、特にヘッド部40Aの製造方法について説明する。図6および図7は、ヘッド部40Aの製造工程を説明する工程断面図である。
まず、一方の面に突部42を有する基板41を準備する(図6A)。
本実施形態では、アルミナ基板41上にガラス突部42が形成されたグレーズ基板が用いられる。なお、これに限らず、突部42が一方の面に一体形成されたガラス基板を用いてもよい。また、基板41は、ウェーハ状態で作製されるのが好ましい。各工程をウェーハレベルで実施できるので作業性がよく生産性も高いからである。
次に、基板41上の突部42に対して上記一方の面側から溝状の空隙部28を形成する(図6B)。
突部42に対する空隙部48の形成方法としては、ダイサーあるいは砥石を用いた研削加工、フッ酸水溶液などによるエッチング加工、イオンビーム加工、ブラスト加工などの方法が挙げられる。空隙部28の形状、大きさ、形成深さ等は特に限定されないが、本実施形態では、空隙部48の側面が基板41に対して垂直で、空隙部48の底面が基板41の表面とほぼ一致するように形成される。加工後は、空隙部48の内面にフッ酸処理を施して、加工時に生じたマイクロクラックを除去するのが好ましい。
また、本実施形態においては、空隙部48の形成を、基板41の突部42形成面側から行うようにしているので、基板41の機械的強度を大きく損なうことなく空隙部48を形成することが可能となる。これにより、空隙部48の形成時あるいは空隙部48形成後の基板のハンドリング時における基板の破損を抑制することができる。
続いて、空隙部48を覆うように被覆層50を基板41上に形成する(図6C,D)。
本実施形態において被覆層50にはガラス板が用いられており、このガラス板50を図6Cに示すガラス成形機を用いて基板41上に接合する。ガラス成形機は、基板41の裏面側を支持する固定金型21と、基板41の表面に対向する可動金型22とを備えている。可動金型22の内面側には、基板41上の突部42の形成領域に対応して凹所42aが設けられている。
ガラス板50の接合時は、基板41にガラス板50を重ね合わせた後、ガラス板50のガラス転移点以上の所定温度に加熱して所定圧力でプレスする。これにより、ガラス板50は、基板41の表面形状にならって変形し、突部42および空隙部48を覆うようにして基板41上に接合される。
ガラス板50は、ヘッド部40Aにおいて蓄熱部49を構成するため、ガラス板50の板厚によって蓄熱部49の厚さD(図5)が決定される。従って、蓄熱部49の形成厚が一定のサーマルヘッド40を安定して製造することができる。ガラス板50の厚さは、目的とする蓄熱部49の形成厚によって定まり、例えば30μmである。
ガラス板50は、予め高精度に板厚が制御されたものを用いるのが好ましい。このようなガラス板の製造方法は、特に限定されず、ダウンドロー法や研磨法、フッ酸水溶液を用いたエッチング加工などがある。例えば、ガラス板50の面内をフッ酸処理などでエッチング加工し目的とする厚みに調整した後、上述した熱プレス処理で基板41に接合する。
また、本実施形態のように基板41がガラスと異なる材料で構成されている場合には、図6Cに示したように、基板41上にあらかじめSiO2膜58を成膜してもよい。これにより、界面におけるガラス板50の融着作用によって接合強度の向上を図ることができる。
更に、基板41に対するガラス板50の接合方法は、上述したガラス成形機を用いた熱プレス法だけに限らず、例えば、基板41とガラス板50との間にフッ酸水溶液を浸透させ200℃程度の温度と適度な圧力を付与して接合する方法のほか、陽極接合法も採用可能である。
続いて、基板41の上にガラス板(被覆層)50を接合した後、発熱抵抗体43を成膜するとともに、成膜した発熱抵抗体43を所定形状にパターン形成する(図7E)。次いで、アルミニウムや銅などの導体層を発熱抵抗体43の上に成膜し、これを所定形状にパターニングすることで、電極44a,44b、共通配線部51および個別配線部52を形成する(図7F)。以上の各工程によって、蓄熱部49を挟んで空隙部48と対向する発熱部43aが形成される。
最後に保護層45を形成するとともに、基板41の裏面を放熱体47に接着することによって、本実施形態のサーマルヘッド40が作製される(図7G,H)。なお、基板41を放熱体47に接着する工程は、基板41を個々の素子毎に分割、個片化した後に行ってもよいし、個片化する前のウェーハ状態で行ってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、基板41上の突部42に対して空隙部48を形成した後、この空隙48を所定厚のガラス板50で被覆した構造を有しているので、発熱部43aと空隙部48との間に位置する蓄熱部49の形成厚をガラス板50の板厚で高精度に制御することができる。これにより、蓄熱部49の厚みバラツキに起因する印刷特性の変動を効果的に抑えることができる。また、蓄熱部49の形成厚を±1μm以下のオーダーで容易に制御することが可能となるので、蓄熱部49の形成厚が高度に制御されたサーマルヘッド40を容易にかつ安定して製造することができる。
蓄熱部49を構成する被覆層50は、上述したガラス板に限定されない。例えば、突部42を構成するガラスと同様な熱膨張係数を有し、所定の伝熱特性および機械的特性を備えた材料、例えばセラミックス、各種酸化物、金属材料等から適宜選択することができる。また、これらの材料を適度に複合化させて所定の熱的特性、機械的特性をもたせるようにしてもよい。
また、被覆層50はガラス板等の板材に限らず、例えば、スパッタ法や真空蒸着法等の真空薄膜形成法で成膜される被膜で構成してもよい。図8にその一例を示す。
まず、基板41表面の突部42に対して、上述したような方法で空隙部48を形成する(図8A)。次に、形成した空隙部48を充填材64で充填する(図8B)。充填材64には、例えば感光性レジスト材料等、所定の処理で除去可能な材料を用いるのが好適である。
続いて、基板41の上に、突部42を被覆するように被膜65をスパッタ法で成膜する(図8C)。被膜65は、単層は勿論、多層構造としてもよい。被膜65を構成する材料としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、アルミナ膜など、熱的特性および機械的特性を考慮して適宜選択することができる。また、金属層を含めて伝熱性を制御するようにしてもよい。
被覆層を真空薄膜形成法、特にスパッタ法で成膜した被膜65で形成することにより、成膜対象基板41に対する密着性を高くでき、膜質も良好で、必要とする膜厚を高精度に得ることができる。
被膜65の形成後、空隙部48に充填された充填材64を除去する(図8D)。充填材64の除去方法としては、現像液を用いたレジスト剤の溶解除去のほか、材料の種類によっては加熱による昇華作用で消失させることができる。これにより、空隙部48の上部を閉塞する蓄熱部49を被膜65で形成することができる。以降、図7E〜Hと同様な工程を実施することで、上述した作用効果を有する本発明に係るサーマルヘッドを得ることができる。
本発明の実施形態によるプリンタ装置の概略構成図である。 本発明の実施形態によるプリンタ装置の要部の断面斜視図である。 本発明の実施形態によるサーマルヘッドの全体斜視図である。 本発明の実施形態によるサーマルヘッドの要部の構成を示す部分破断斜視図である。 本発明の実施形態によるサーマルヘッドの要部の構成を示す要部断面図である。 本発明の実施形態によるサーマルヘッドの製造方法を説明する工程断面図である。 本発明の実施形態によるサーマルヘッドの製造方法を説明する工程断面図である。 本発明の他の実施形態によるサーマルヘッドの製造方法を説明する工程断面図である。 従来のサーマルヘッドの要部の構成を示す断面図である。 従来の他のサーマルヘッドの要部の構成を示す断面図である。
符号の説明
1…インクリボン、2…印刷媒体、30…プリンタ装置、40…サーマルヘッド、40A…ヘッド部、41…基板、42…突部、43…発熱抵抗体、43a…発熱部、44a,44b…電極、45…保護層、46…接着材料層、47…放熱体、48…空隙部、49…蓄熱部、50…ガラス板(被覆層)、51…共通配線部、52…個別配線部、53,54…フレキシブル配線基板、55…制御基板、60…プラテン、61a,61b…リボンガイド、64…充填材、65…被膜(被覆層)

Claims (10)

  1. 一方の面に突部を有する基板と、
    前記突部の上部に形成された発熱部と、
    前記突部に形成された空隙部と、
    前記発熱部と前記空隙部との間に配置された蓄熱部とを備え、
    前記蓄熱部は、前記突部の上面を覆うように前記基板上に形成された被覆層からなる
    ことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記被覆層は、前記基板上に接合されたガラス板である
    ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記被覆層は、前記基板上に成膜された多層被膜である
    ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記突部は、ガラス材料からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  5. 前記基板の他方の面には、放熱体が接着されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  6. 一方の面に突部を有する基板を準備する工程と、
    前記突部に対して前記一方の面側から空隙部を形成する工程と、
    前記空隙部を覆うように前記基板上に被覆層を形成する工程と、
    前記被覆層を挟んで前記空隙部の直上に発熱部を形成する工程とを有する
    ことを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
  7. 前記被覆層を形成する工程は、前記基板上に所定厚のガラス基板を接合する工程である
    ことを特徴とする請求項6に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  8. 前記被覆層を形成する工程は、
    前記空隙部に充填材を充填する工程と、
    前記基板上に真空薄膜形成法で被膜を成膜する工程と、
    前記空隙部に充填した充填材を除去する工程とを有する
    ことを特徴とする請求項6に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  9. 前記発熱部を形成した後、当該発熱部を通電するための電極を形成する工程を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  10. 一方の面に突部を有する基板と、
    前記突部の上部に形成された発熱部と、
    前記突部に形成された空隙部と、
    前記発熱部と前記空隙部との間に配置された蓄熱部とを備えたサーマルヘッドを有するプリンタ装置であって、
    前記蓄熱部は、前記突部の上面を覆うように前記基板上に形成された被覆層からなる
    ことを特徴とするプリンタ装置。

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