JP2012143490A - 放射線画像撮影装置および放射線画像検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1の格子と第2の格子の2つの格子を所定の間隔で平行に配列し、この格子を用いて位相コントラスト画像を取得する放射線画像撮影装置において、1回の撮影によって高解像度な位相コントラスト画像を取得する。
【解決手段】第1の格子および第2の格子のいずれか一方の格子を、画素に対応する単位で構成された単位格子を複数配列したものとし、位相コントラスト画像を構成する1つの画素に対応する所定の範囲内における少なくとも3つの単位格子を、他方の格子の延伸方向に直交する方向についてその他方の格子に対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置するとともに、所定の範囲内において複数の列をなして配置されるものとし、所定の範囲内に配置された各単位格子に対応する画素から読み出された画素信号に基づいて、位相コントラスト画像を構成する1つの画素の信号を生成する。
【選択図】図6
【解決手段】第1の格子および第2の格子のいずれか一方の格子を、画素に対応する単位で構成された単位格子を複数配列したものとし、位相コントラスト画像を構成する1つの画素に対応する所定の範囲内における少なくとも3つの単位格子を、他方の格子の延伸方向に直交する方向についてその他方の格子に対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置するとともに、所定の範囲内において複数の列をなして配置されるものとし、所定の範囲内に配置された各単位格子に対応する画素から読み出された画素信号に基づいて、位相コントラスト画像を構成する1つの画素の信号を生成する。
【選択図】図6
Description
本発明は、格子を利用した放射線画像撮影装置およびその放射線画像撮影装置に用いられる放射線画像検出器に関するものである。
X線は、物質を構成する元素の原子番号と、物質の密度及び厚さとに依存して減衰するといった特性を有することから、被写体の内部を透視するためのプローブとして用いられている。X線を用いた撮影は、医療診断や非破壊検査等の分野において広く普及している。
一般的なX線撮影システムでは、X線を放射するX線源とX線画像を検出するX線画像検出器との間に被写体を配置して、被写体の透過像を撮影する。この場合、X線源からX線画像検出器に向けて放射された各X線は、X線画像検出器までの経路上に存在する被写体を構成する物質の特性(原子番号、密度、厚さ)の差異に応じた量の減衰(吸収)を受けた後、X線画像検出器に入射する。この結果、被写体のX線透過像がX線画像検出器により検出され画像化される。X線画像検出器としては、X線増感紙とフイルムとの組み合わせや輝尽性蛍光体(蓄積性蛍光体)のほか、半導体回路を用いたフラットパネル検出器(FPD:Flat Panel Detector)が広く用いられている。
しかし、X線吸収能は、原子番号が小さい元素からなる物質ほど低くなり、生体軟部組織やソフトマテリアルなどでは、X線吸収能の差が小さく、従ってX線透過像としての十分な画像の濃淡(コントラスト)が得られないといった問題がある。例えば、人体の関節を構成する軟骨部とその周辺の関節液は、いずれも殆どの成分が水であり、両者のX線の吸収量の差が小さいため、画像のコントラストが得られにくい。
近年、被検体の吸収係数の違いによるX線の強度変化に代えて、被検体の屈折率の違いによるX線の位相変化に基づいた位相コントラスト画像を得るX線位相イメージングの研究が行われている。この位相差を利用したX線位相イメージングでは、X線吸収能が低い弱吸収物体であっても高コントラストの画像を取得することができる。
このようなX線位相イメージングとして、たとえば、特許文献1および特許文献2においては、第1の格子と第2の格子の2つの格子を所定の間隔で平行に配列し、第1の格子によるタルボ干渉効果によって第2の格子の位置に第1の格子の自己像を形成し、この自己像を第2の格子によって強度変調することによって放射線位相コントラスト画像を取得する放射線位相画像撮影装置が提案されている。
そして、特許文献1や特許文献2に記載の放射線位相画像撮影装置においては、第1の格子に対して、第1の格子の面にほぼ平行に第2の格子を配置し、第1の格子または第2の格子を、格子方向にほぼ垂直な方向に、格子ピッチよりも細かい所定量ずつ、相対的に並進移動させながら、その並進移動毎に撮影を行って複数の画像を撮影し、これらの複数の画像に基づいて、被検体との相互作用によって発生したX線の位相変化量(位相シフト微分量)を取得する縞走査法が行われる。そして、この位相シフト微分量に基づいて被検体の位相コントラスト画像を取得することができる。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の放射線位相画像撮影装置においては、上述したように第1または第2の格子を、その格子ピッチよりも細かいピッチで精度よく移動させる必要がある。格子ピッチは典型的には数μmであり、格子の送り精度はさらに高い精度が要求されるため、非常に高精度な移動機構が必要となる結果、機構の複雑化とコストの増大をもたらす。また、格子の移動毎に撮影を行う場合、位相コントラスト画像を取得するための一連の撮影間で、被検体の動きや装置振動などの要因で被検体と撮影系の位置関係がズレることにより、被検体との相互作用で発生したX線の位相変化を正しく導くことができず、結果として、良好な位相コントラスト画像を得ることができないといった問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑み、高精度な移動機構を必要とすることなく、1回の撮影によって良好な位相コントラスト画像を取得することができる放射線画像撮影装置およびその放射線画像撮影装置において用いられる放射線画像検出器を提供することを目的とする。
本発明の放射線画像撮影装置は、格子構造が周期的に配置され、放射線源から射出された放射線を通過させて第1の周期パターン像を形成する第1の格子と、第1の格子により形成された周期パターン像を透過する部分と遮蔽する部分とからなる格子構造が周期的に配置され、第2の周期パターン像を形成する第2の格子と、第2の格子により形成された第2の周期パターン像を検出する画素が2次元状に配列された放射線画像検出器と、放射線画像検出器において検出された第2の周期パターン像を表す画像信号に基づいて位相コントラスト画像を生成する画像生成部とを備えた放射線画像撮影装置であって、第1の格子および第2の格子のいずれか一方の格子が、画素に対応する単位で構成された単位格子を複数配列したものであり、位相コントラスト画像を構成する1つの画素に対応する所定の範囲内における少なくとも3つの単位格子が、他方の格子の延伸方向に直交する方向についてその他方の格子に対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置されるとともに、所定の範囲内において複数の列をなして配置されるものであり、画像生成部が、所定の範囲内に配置された各単位格子に対応する画素から読み出された画素信号に基づいて、位相コントラスト画像を構成する1つの画素の信号を生成するものであることを特徴とする。
また、上記本発明の放射線画像撮影装置においては、所定の範囲内における単位格子を、2次元状に配置することができる。
また、所定の範囲内における単位格子を、3列以上をなして配置することができる。
また、所定の範囲における少なくとも4つの単位格子を、点対称に配置することができる。
また、所定の範囲内の複数の単位格子の像を、他方の格子に対してP/Mずつ平行にシフトして配列することができる。
ただし、Pは他方の格子のピッチ、Mは位相コントラスト画像を構成する1つの画素を生成するために用いられる予め設定された位相情報の数
また、単位格子を、矩形で形成することができる
また、第2の格子を、第1の格子からタルボ干渉距離の位置に配置し、第1の格子のタルボ干渉効果によって形成される第1の周期パターン像に強度変調を与えるものとできる。
また、単位格子を、矩形で形成することができる
また、第2の格子を、第1の格子からタルボ干渉距離の位置に配置し、第1の格子のタルボ干渉効果によって形成される第1の周期パターン像に強度変調を与えるものとできる。
また、第1の格子を、放射線を投影像として通過させて第1の周期パターン像を形成する吸収型格子とし、第2の格子を、第1の格子を通過した投影像としての第1の周期パターン像に強度変調を与えるものとできる。
また、第2の格子を、第1の格子から最小のタルボ干渉距離より短い距離に配置することができる。
本発明の放射線画像撮影装置は、格子構造が周期的に配置され、放射線源から射出された放射線を通過させて周期パターン像を形成する格子と、格子によって形成された周期パターン像を透過する第1の電極層と、第1の電極層を透過した周期パターン像の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、光導電層において発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光を透過する線状電極が多数配列された第2の電極層とがこの順に積層され、読取光によって走査されることによって各線状電極に対応する画素毎の画像信号が読み出される放射線画像検出器と、放射線画像検出器において検出された周期パターン像を表す画像信号に基づいて位相コントラスト画像を生成する画像生成部とを備えた放射線画像撮影装置であって、電荷蓄積層が、画素に対応する単位で構成された単位格子パターンを複数配列したものであり、位相コントラスト画像を構成する1つの画素に対応する所定の範囲内における少なくとも3つの単位格子パターンが、格子の延伸方向に直交する方向についてその格子に対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置されるとともに、所定の範囲内において複数の列をなして配置されるものであり、画像生成部が、所定の範囲内に配置された各単位格子パターンに対応する画素から読み出された画素信号に基づいて、位相コントラスト画像を構成する1つの画素の信号を生成するものであることを特徴とする。
また、上記本発明の放射線画像撮影装置においては、所定の範囲内における単位格子パターンを、2次元状に配置することができる。
また、所定の範囲内における単位格子パターンを、3列以上をなして配置することができる。
また、所定の範囲における少なくとも4つの単位格子パターンを、点対称に配置することができる。
また、所定の範囲内の複数の単位格子パターンを、格子の像に対してP/Mずつ平行にシフトして配列することができる。
ただし、Pは格子の像のピッチ、Mは位相コントラスト画像を構成する1つの画素を生成するために用いられる予め設定された位相情報の数
また、単位格子パターンを、矩形で形成することができる。
また、単位格子パターンを、矩形で形成することができる。
また、放射線画像検出器を、格子からタルボ干渉距離の位置に配置し、格子のタルボ干渉効果によって形成される周期パターン像に強度変調を与えるものとすることができる。
また、格子を、放射線を投影像として通過させて周期パターン像を形成する吸収型格子とし、放射線画像検出器を、格子を通過した投影像としての周期パターン像に強度変調を与えるものとできる。
また、放射線画像検出器を、格子から最小のタルボ干渉距離より短い距離に配置することができる。
本発明の放射線画像撮影装置は、格子構造が周期的に配置され、放射線源から射出された放射線を通過させて周期パターン像を形成する格子と、格子によって形成された周期パターン像を透過する第1の電極層と、第1の電極層を透過した周期パターン像の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、光導電層において発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光を透過する線状電極が多数配列された第2の電極層とがこの順に積層され、読取光によって走査されることによって各線状電極に対応する画素毎の画像信号が読み出される放射線画像検出器と、放射線画像検出器において検出された周期パターン像を表す画像信号に基づいて位相コントラスト画像を生成する画像生成部とを備えた放射線画像撮影装置であって、電荷蓄積層が、線状電極の配列ピッチよりも細かいピッチで格子状に形成されたものであり、格子が、画素に対応する単位で構成された単位格子を複数配列したものであり、位相コントラスト画像を構成する1つの画素に対応する所定の範囲内における少なくとも3つの単位格子が、電荷蓄積層の格子パターンの延伸方向に直交する方向についてその格子パターンに対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置されるとともに、所定の範囲内において複数の列をなして配置されるものであり、画像生成部が、所定の範囲内に配置された各単位格子に対応する画素から読み出された画素信号に基づいて、位相コントラスト画像を構成する1つの画素の信号を生成するものであることを特徴とする。
また、上記本発明の放射線画像撮影装置においては、所定の範囲内における単位格子を、2次元状に配置することができる。
また、所定の範囲内における単位格子を、3列以上をなして配置することができる。
また、所定の範囲における少なくとも4つの単位格子を、点対称に配置することができる。
また、所定の範囲内の複数の単位格子を、電荷蓄積層の格子パターンに対してP/Mずつ平行にシフトして配列することができる。
ただし、Pは電荷蓄積層の格子パターンのピッチ、Mは位相コントラスト画像を構成する1つの画素を生成するために用いられる予め設定された位相情報の数
また、単位格子を、矩形で形成することができる。
また、単位格子を、矩形で形成することができる。
また、放射線画像検出器を、格子からタルボ干渉距離の位置に配置し、格子のタルボ干渉効果によって形成される周期パターン像に強度変調を与えるものとできる。
また、格子を、放射線を投影像として通過させて周期パターン像を形成する吸収型格子とし、放射線画像検出器を、格子を通過した投影像としての周期パターン像に強度変調を与えるものとできる。
また、放射線画像検出器を、格子から最小のタルボ干渉距離より短い距離に配置することができる。
また、電荷蓄積層の格子パターンの配列ピッチP2および間隔d2を、下式を満たすように電荷蓄積層を形成することができる。
ただし、P1は格子の格子ピッチ、d1は格子の格子部材の間隔、Z1は放射線源の焦点から格子までの距離、Z2は格子から放射線画像検出器の検出面までの距離
また、格子の放射線を遮蔽する部分の延伸方向と平行となるように放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材が所定のピッチで複数延設されるとともに、放射線源と格子との間に配置され、放射線源から照射された放射線を領域選択的に遮蔽して多数の点光源とする吸収型格子からなるマルチスリットをさらに設け、このマルチスリットの所定のピッチP3が、下式を満たす大きさとし、かつ、電荷蓄積層の格子パターンの配列ピッチP2および間隔d2が、下式の関係を満たすように電荷蓄積層を形成することができる。
また、格子の放射線を遮蔽する部分の延伸方向と平行となるように放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材が所定のピッチで複数延設されるとともに、放射線源と格子との間に配置され、放射線源から照射された放射線を領域選択的に遮蔽して多数の点光源とする吸収型格子からなるマルチスリットをさらに設け、このマルチスリットの所定のピッチP3が、下式を満たす大きさとし、かつ、電荷蓄積層の格子パターンの配列ピッチP2および間隔d2が、下式の関係を満たすように電荷蓄積層を形成することができる。
ただし、Z3はマルチスリットから格子までの距離、Z2は格子から放射線画像検出器の検出面までの距離、P1は格子の格子ピッチ、d1は格子の格子部材の間隔
また、電荷蓄積層の積層方向の厚さを2μm以下とすることができる。
また、電荷蓄積層の積層方向の厚さを2μm以下とすることができる。
また、電荷蓄積層の誘電率を、光導電層の誘電率の2倍以内かつ1/2倍以上とすることができる。
本発明の放射線画像検出器は、放射線を透過する第1の電極層と、第1の電極層を透過した放射線の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、光導電層において発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光を透過する線状電極が多数配列された第2の電極層とがこの順に積層され、読取光によって走査されることによって各線状電極に対応する画素毎の画像信号が読み出される放射線画像検出器であって、電荷蓄積層が、画素に対応する単位で構成された単位格子パターンを複数配列したものであり、所定の範囲内における少なくとも3つの単位格子パターンが、線状電極の延伸方向に直交する方向についてその線状電極に対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置されるとともに、所定の範囲内において複数の列をなして配置されたものであることを特徴とする。
本発明の放射線画像撮影装置によれば、第1の格子および第2の格子のいずれか一方の格子を、画素単位の単位格子を複数配列したものとし、位相コントラスト画像を構成する1つの画素に対応する所定の範囲内における少なくとも3つの単位格子を、他方の格子の延伸方向に直交する方向についてその他方の格子に対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置するとともに、その所定の範囲内において複数の列をなして配置し、その所定の範囲内に配置された各単位格子に対応する画素から読み出された画素信号に基づいて、位相コントラスト画像を構成する1つの画素の信号を生成するようにしたので、従来のように第2の格子を移動させる高精度な移動機構を必要とすることなく、1回の撮影によって位相コントラスト画像を取得するための複数の縞画像を取得することができる。そして、さらに複数の上記単位格子を所定の範囲内において複数の列をなして配置するようにしたので、これらを一列に並べて配置した場合と比較すると位相コントラスト画像の解像度を向上させることができる。
また、放射線画像検出器の電荷蓄積層を格子状に形成することによって放射線画像検出器に第2の格子の機能を持たせるようにしてもよく、そのようにした場合、高アスペクト比で形成する必要があり製造が困難な格子を設けなくてもよく、より製造し易いものとなる。
さらに、放射線画像検出器の格子状に形成された電荷蓄積層を、上述した格子と同様に、画素単位の単位格子パターンを複数配列したものとし、位相コントラスト画像を構成する1つの画素に対応する所定の範囲内における少なくとも3つの単位格子パターンを、格子の延伸方向に直交する方向について互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置するとともに、その所定の範囲内において複数の列をなして配置するようにしてもよく、このようにした場合には、上述した格子より単位格子パターンを容易に製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の放射線画像撮影装置の第1の実施形態を用いた放射線位相画像撮影装置について説明する。図1に第1の実施形態の放射線位相画像撮影装置の概略構成を示す。図2に図1に示す放射線位相画像撮影装置の上面図(X−Z断面図)を示す。図2の紙面厚さ方向が図1のY方向である。
放射線位相画像撮影装置は、図1に示すように、放射線を被検体10に向かって照射する放射線源1と、放射線源1から射出された放射線を通過させて第1の周期パターン像を形成する第1の格子2と、第1の格子2により形成された第1の周期パターン像を強度変調して第2の周期パターン像を形成する第2の格子3と、第2の格子3により形成された第2の周期パターン像を検出する放射線画像検出器4と、放射線画像検出器4により検出された第2の周期パターン像に基づいて縞画像を取得し、その取得した縞画像に基づいて位相コントラスト画像を生成する画像生成部5とを備えている。
放射線源1は、被検体10に向けて放射線を射出するものであり、第1の格子2に放射線を照射したとき、タルボ干渉効果を発生させうるだけの空間的干渉性を有するものである。たとえば、放射線の発光点のサイズが小さいマイクロフォーカスX線管やプラズマX線源を利用することができる。また、通常の医療現場で用いられるような比較的放射線の発光点(いわゆる焦点サイズ)の大きな放射線源を用いる場合は、所定のピッチを有するマルチスリットを放射線の射出側に設置して使用することができる。この場合の詳細な構成は、たとえば、“Franz Pfeiffer, Timm Weikamp, Oliver Bunk, Christian David, Nature Physics 2, 258-261(01 Apr 2006)Letters, Phase retrieval and differential phase-contrast imaging with low-brilliance X-ray sources”に記されているが、そのスリットのピッチP0は以下の式を満たすような大きさとする必要がある。
なお、P2は第2の格子3のピッチ、Z1は放射線源1の焦点(マルチスリットを用いる場合はマルチスリットの位置)から第1の格子2までの距離、Z2は第1の格子2から第2の格子3までの距離である(図2参照)。
第1の格子2は、図3に示すように、放射線を主として透過する基板21と、基板21上に設けられた格子部材22とを備えている。そして、格子部材22は、矩形で形成された複数の単位格子部材22aから構成され、この複数の単位格子部材22aは、Y方向に配列されるとともに、X方向について所定のピッチずらされて配列されている。本実施形態においては、X方向は後述する放射線画像検出器4の画素行方向であり、Y方向は画素列方向である。なお、図3は、各単位格子部材22aを模式的に示したものであり、そのX方向についてのずらし量は正確ではないものとする。各単位格子部材22aのずらし量については後で詳述する。
格子部材22を構成する単位格子部材22aは、いずれも放射線の光軸に直交する面内の一方向(X方向およびZ方向に直交するY方向)に延伸した矩形の部材である。そして、各単位格子部材22aの素材としては、たとえば、金、白金などの金属を用いることができる。また、第1の格子2としては、照射される放射線に対して約90°または約180°の位相変調を与える、いわゆる位相変調型格子であることが望ましく、たとえば、単位格子部材22aを金とした場合、通常の医療診断用のX線エネルギー領域において必要なZ方向についての厚さは1μm〜数μm程度になる。また、振幅変調型格子を用いることもできる。この場合、単位格子部材22aは放射線を十分に吸収する厚さが必要である。たとえば、単位格子部材22aを金とした場合、通常の医療診断用のX線エネルギー領域において必要な厚さは10μm〜数10μm程度になる。
第2の格子3は、図4に示すように、第1の格子2と同様に、放射線を主として透過する基板31と、基板31に設けられた複数の格子部材32とを備えている。複数の格子部材32は放射線を遮蔽するものであり、いずれも放射線の光軸に直交する面内の一方向(X方向およびZ方向に直交するY方向)に延伸した線状の部材である。
図5は、図4に示す第2の格子3の5−5線断面図である。複数の格子部材32は、図5に示すように、X方向に一定の周期P2で、互いに所定の間隔d2を空けて配列されている。複数の格子部材32の素材としては、たとえば、金、白金などの金属を用いることができる。第2の格子3は、振幅変調型格子であることが望ましい。このとき、格子部材32は放射線を十分に吸収する厚さが必要である。たとえば、格子部材32を金とした場合、通常の医療診断用のX線エネルギー領域において必要な厚さは10μm〜数10μm程度になる。
ここで、本実施形態においては、放射線画像検出器4によって検出された第2の周期パターン像に基づいて互いに異なる複数の位相情報を取得し、その複数の位相情報に基づいて位相コントラスト画像を生成するが、本実施形態においては、第2の周期パターン像に基づいて4つの位相情報を生成し、その4つの位相情報に基づいて位相コントラスト画像を生成するものとする。
そして、このように4つの位相情報を生成するための第1の格子2の詳細な構成について、以下に説明する。
本実施形態においては、X方向およびY方向に2行×2列で隣接した単位格子を構成する単位格子部材22aの自己像がそれぞれ第2の格子3を透過することによって、4つの位相情報の各画素信号が生成されるように単位格子部材22aが配置される。図6は、上述した2行×2列で隣接した単位格子UG1〜UG4を示しており、図7は、放射線が4つの単位格子UG1〜UG4を透過して第2の格子3の位置に形成された自己像と、第2の格子3の各格子部材32との位置関係を示している。
図7に示す実線四角内にそれぞれ配置された4つの自己像G1_1〜G1_4が、各単位格子UG1〜UG4を構成する単位格子部材22aの自己像である。そして、図7に示す4つの実線四角内の4つの自己像G1_1〜G1_4は、それぞれ第2の格子3の格子部材32からX方向について互いに異なる距離で配置されている。
具体的には、4つの自己像のうちの左上の自己像G1_1は、第2の格子3の格子部材32からの距離をゼロとして配置され、右上の自己像G1_2は格子部材32からの距離をP2/4として配置され、左下の自己像G1_3は格子部材32からの距離をP2/2として配置され、右下の自己像G1_4は格子部材32からの距離を(3×P2)/4として配置されている。なお、P2は、第2の格子3の格子部材32の配列方向(X方向)の周期である。このように配置された4つの単位格子UG1〜UG4の単位格子部材22aの自己像G1_1〜G1_4を放射線画像検出器4の後述する各画素回路40によってそれぞれ検出することによって4つの位相情報の各画素信号をそれぞれ検出することができる。
なお、上記説明では、4つの単位格子UG1〜UG4とその自己像G1_1〜G1_4との配置について説明したが、実際には、この4つの単位格子UG1〜UG4とその自己像G1_1〜G1_4との配置がX方向およびY方向について多数繰り返される。
ここで、放射線源1から照射される放射線が、平行ビームではなく、コーンビームである場合には、第1の格子2を通過して形成される第1の格子2の自己像は、放射線源1からの距離に比例して拡大される。したがって、図2に示すように、放射線源1の焦点から第1の格子2までの距離をZ1、第1の格子2から第2の格子3までの距離をZ2とした場合、図6に示す第1の格子ピッチP1および間隔d1と、図5および図7に示す第2の格子ピッチP2および間隔d2は、次式(2)および次式(3)の関係を満たすように決定される。
なお、放射線源1から照射される放射線が平行ビームである場合には、P2=P1,d2=d1を満たすように決定される。
そして、上述したような放射線源1、第1の格子2、第2の格子3および放射線画像検出器4によって位相コントラスト画像を取得可能な放射線位相画像撮影装置が構成されるが、本構成をタルボ干渉計として機能させるためには、さらにいくつかの条件をほぼ満たさねばならない。その条件について以下に説明する。
まず、第1の格子2と第2の格子3とのグリッド面が、図1に示すX−Y平面に平行であることが必要である。
そして、さらに、第1の格子2と第2の格子3との距離Z2は、第1の格子2が90°の位相変調を与える位相変調型格子である場合、次の条件をほぼ満たさなければならない。
ただし、λは放射線の波長(通常はピーク波長)、mは0か正の整数、P1は上述した第1の格子2の単位格子部材22aのX方向のピッチ、P2は上述した第2の格子3の格子ピッチである。
また、第1の格子2が180°の位相変調を与える位相変調型格子である場合には、次の条件をほぼ満たさなければならない。
ただし、λは放射線の波長(通常はピーク波長)、mは0か正の整数、P 1は上述した第1の格子2の単位格子部材22aのX方向のピッチ、P2は上述した第2の格子3の格子ピッチである。
さらに、第1の格子2が振幅変調型格子である場合には、次の条件をほぼ満たさなければならない。
ただし、λは放射線の波長(通常はピーク波長)、mは正の整数、P1は上述した第1の格子2の単位格子部材22aのX方向のピッチ、P2は上述した第2の格子3の格子ピッチである。
なお、上式(4),(5),(6)は、放射線源1により照射される放射線がコーンビームである場合であり、放射線が平行ビームである場合には、上式(4)に代えて下式(7)、上式(5)に代えて下式(8)、上式(6)に代えて下式(9)となる。
放射線画像検出器4は、第1の格子2に入射した放射線が形成する第1の格子2の自己像が第2の格子3によって強度変調された像を画像信号として検出するものである。このような放射線画像検出器4として、本実施形態においては、図8に示すような、TFT(thin film transistor)スイッチ41を備えた画素回路40が2次元上に多数配列された、いわゆるTFT読取方式の放射線画像検出器を用いる。
放射線画像検出器4は、各画素回路40のTFTスイッチ41をオンオフするための走査信号が出力される多数のゲート走査線43と、各画素回路40からTFTスイッチ41を介して読み出された画素信号が出力される多数のデータ線44とが直交して設けられている。そして、ゲート走査線43は画素回路行毎に設けられており、データ線44は画素回路列毎に設けられている。
多数のゲート走査線43には各画素回路40のTFTスイッチ41をオンオフするための走査信号を出力する走査駆動回路45が接続されており、多数のデータ線44には信号検出部46が接続されている。信号検出部46はデータ線44に出力された画素信号を検出して画像生成部5に出力するものである。
そして、上述したように、図7に示す4つの単位格子UG1〜UG4の自己像G1_1〜G1_4が、図8において点線四角で示す隣接する2行×2列の4つの画素回路40によってそれぞれ検出されるように配置されている。すなわち、図8の点線四角で示す4つの画素回路40_1〜40_4によってそれぞれ検出された画素信号に基づいて、位相コントラスト画像の1つの画素の画素信号が生成される。なお、図8においては、位相コントラスト画像の1つの画素に対応する4つの画素回路40の組を1つだけ点線四角で示しているが、この組がX方向およびY方向に繰り返されるものとする。
画素回路40_1〜40_4は、それぞれ光電変換素子と、光電変換素子によって変換された電荷を蓄積する蓄電部と、蓄電部に蓄積された電荷信号を読み出すために用いられるTFTスイッチ41とを備えている。なお、図8においては図示省略したが、図8に示す画素回路40上には、放射線の照射を可視光に変換する波長変換層が設けられており、上述した光電変換素子は、この波長変換層から発せられた光を光電変換して電荷を発生するものである。
画像生成部5は、放射線画像検出器4の4つの画素回路40_1〜40_4によってそれぞれ検出された4つの位相情報の画素信号に基づいて、位相コントラスト画像を構成する1つの画素の画素信号を生成するものである。位相コントラスト画像の生成方法については、後で詳述する。
次に、本実施形態の放射線位相画像撮影装置の作用について説明する。
まず、図1に示すように、放射線源1と第1の格子2との間に、被検体10が配置された後、放射線源1から放射線が射出される。そして、その放射線は被検体10を透過した後、第1の格子2に照射される。第1の格子2に照射された放射線は、第1の格子2で回折されることにより、第1の格子2から放射線の光軸方向において所定の距離において、タルボ干渉像を形成する。
これをタルボ効果と呼び、光波が第1の格子2を通過したとき、第1の格子2から所定の距離において、第1の格子2の自己像を形成する。たとえば、第1の格子2が、90°の位相変調を与える位相変調型格子の場合、上式(4)または上式(7)(180°の位相変調型格子の場合は上式(5)または上式(8)、強度変調型格子の場合は上式(6)または上式(9))で与えられる距離において第1の格子2の自己像を形成する一方、被検体10によって、第1の格子2に入射する放射線の波面は歪むため、第1の格子2の自己像はそれに従って変形している。すなわち、上述した第1の格子2の各単位格子UG1〜UG4の自己像G1_1〜G1_4が被検体10によって変形する。
続いて、放射線は、第2の格子3を通過する。その結果、上記の変形した第1の格子2の各単位格子UG1〜UG4の自己像G1_1〜G1_4は第2の格子3との重ね合わせにより、強度変調を受け、上記波面の歪みを反映した画像信号として放射線画像検出器4により検出される。
ここで、放射線画像検出器4における画像検出と読出しの作用について説明する。
上記のようにして第2の格子3による強度変調によって変形した第1の格子2の各単位格子UG1〜UG4の自己像G1_1〜G1_4は、図8に示す放射線画像検出器4の各画素回路40_1〜40_4によってそれぞれ検出され、各画素回路40_1〜40_4の光電変換素子によって光電変換された後、その電荷が蓄電部に蓄積される。
次に、走査駆動回路45からY方向に配列されたゲート走査線43に走査信号が順次出力され、画素回路40_1および画素回路40_2を含む画素回路行の画素信号と、画素回路40_3および画素回路40_4を含む画素回路行の画素信号とが交互に読み出され、信号検出部46によって検出された後、画像生成部5に出力される。
そして、画像生成部5は、多数の画素回路40_1から出力された画素信号をまとめて第1の縞画像信号として取得し、多数の画素回路40_2から出力された画素信号をまとめて第2の縞画像信号として取得し、多数の画素回路40_3から出力された画素信号をまとめて第3の縞画像信号として取得し、多数の画素回路40_4から出力された画素信号をまとめて第4の縞画像信号として取得する。
そして、画像生成部5において、上述したようにして取得した第1〜第4の縞画像信号に基づいて位相コントラスト画像が生成される。
次に、画像生成部5において位相コントラスト画像を生成する方法について説明するが、まず、本実施形態における位相コントラスト画像の生成方法の原理について説明する。
図9は、被検体10のX方向に関する位相シフト分布Φ(x)に応じて屈折される1つの放射線の経路を例示している。符号X1は、被検体10が存在しない場合に直進する放射線の経路を示しており、この経路X1を進む放射線は、第1および第2の格子2,3を通過して放射線画像検出器4に入射する。符号X2は、被検体10が存在する場合に、被検体10により屈折されて偏向した放射線の経路を示している。この経路X2を進む放射線は、第1の格子2を通過した後、第2の格子3により遮蔽される。
被検体10の位相シフト分布Φ(x)は、被検体10の屈折率分布をn(x,z)、放射線の進む方向をzとして、次式(10)で表される。ここで、説明の簡略化のため、y座標は省略している。
第1の格子2から第3の格子3の位置に形成された自己像G1は、被検体10での放射線の屈折により、その屈折角ψに応じた量だけx方向に変位する。この変位量Δxは、放射線の屈折角ψが微小であることに基づいて、近似的に次式(11)で表される。
ここで、屈折角ψは、放射線の波長λと被検体10の位相シフト分布Φ(x)を用いて、次式(12)で表される。
このように、被検体10での放射線の屈折による自己像G1の変位量Δxは、被検体10の位相シフト分布Φ(x)に関連している。そして、この変位量Δxは、放射線画像検出器4で検出される各画素の強度変調信号の位相ズレ量Ψ(被検体10がある場合とない場合とでの各画素の強度変調信号の位相ズレ量)に、次式(13)のように関連している。
したがって、各画素の強度変調信号の位相ズレ量Ψを求めることにより、上式(13)から屈折角ψが求まり、上式(12)を用いて位相シフト分布Φ(x)の微分量が求まる。この微分量をxについて積分することにより、被検体10の位相シフト分布Φ(x)、すなわち被検体10の位相コントラスト画像を生成することができる。
本実施形態においては、位相コントラスト画像の各画素について、それぞれ4種類の第1〜第4の縞画像信号が取得されている。以下に、この4種類の第1〜第4の縞画像信号から位相コントラスト画像の各画素の強度変調信号の位相ズレ量Ψを算出する方法を説明する。なお、ここでは4種類の縞画像信号に限定せず、M種類の縞画像信号に基づいて位相ズレ量Ψを算出する方法を説明する。
まず、M種類の縞画像信号を取得するには、第2の格子3の格子部材32に対するX方向についての距離が互いに異なるM種類の単位格子の自己像を形成する必要があるが、このM種類の各単位格子の格子部材32に対する位置をk=0〜M−1とすると、第k位置における放射線画像検出器4の各画素回路40の画素信号Ik(x)は、次式(14)で表される。
ここで、xは、画素回路のx方向に関する座標であり、A0は入射放射線の強度であり、Anは強度変調信号のコントラストに対応する値である(ここで、nは正の整数である)。また、ψ(x)は、上記屈折角ψを放射線画像検出器4の画素回路の座標xの関数として表したものである。
次いで、次式(15)の関係式を用いると、上記屈折角ψ(x)は、式(16)のように表される。
ここで、arg[]は、偏角の抽出を意味しており、位相コントラスト画像の各画素の位相ズレ量Ψに対応する。したがって、位相コントラスト画像の各画素について取得されたM種類の縞画像信号の画素信号から、式(16)に基づいて位相コントラスト画像の各画素の強度変調信号の位相ズレ量Ψを算出することにより、屈折角ψ(x)が求められる。
具体的には、位相コントラスト画像の各画素を構成するM個の画素回路40についてそれぞれ取得されたM個の画素信号は、図10に示すように、M種類の各単位格子の格子部材32に対する位置kに対して、第2の格子3の格子部材32のピッチP2の周期で周期的に変化する。したがって、このM個の画素信号列を、たとえば正弦波でフィッティングし、被検体があるときと被検体なしのときのフィッティングカーブの位相ズレ量Ψを取得し、上式(12)、(13)により位相シフト分布Φ(x)の微分量を算出し、この微分量をxについて積分することにより被検体10の位相シフト分布Φ(x)、すなわち被検体10の位相コントラスト画像を生成する。
なお、フィッティングカーブについては、典型的には上述したように正弦波を用いることができるが、矩形波や三角波形状を用いるようにしてもよい。
また、上記のようにして位相コントラスト画像を生成する際、各画素回路40によって検出される画素信号がどの自己像に対応するものであるか、すなわち、その画素信号に対応する単位格子の格子部材32に対する位置kの情報が必要となるが、この対応関係については各画素回路40について予め設定しておくようにすればよい。
もしくは、このような対応関係を予め設定しておくのではなく、位相コントラスト画像の1つの画素を構成する複数の画素回路40の範囲を予め設定しておき、その範囲内の画素回路40によって検出された画素信号のうちの最大値と最小値を求め、この最大値と最小値とを上述したフィッティングカーブの最大値と最小値とに設定するとともに、それ以外の画素信号を上記フィッティングカーブの最大値と最小値との間の値に設定することによって位相コントラスト画像を生成するようにしてもよい。
また、上記説明では、位相コントラスト画像の画素のy方向に関するy座標を考慮していないが、各y座標についても同様の演算を行うことにより、屈折角の2次元分布ψ(x,y)が得られ、これをx軸に沿って積分することにより、2次元的な位相シフト分布Φ(x,y)を得ることができる。
また、屈折角の2次元分布ψ(x,y)に代えて、位相ズレ量の2次元分布Ψ(x,y)をx軸に沿って積分することにより位相コントラスト画像を生成するようにしてもよい。
屈折角の2次元分布ψ(x,y)や位相ズレ量Ψ(x,y)は、位相シフト分布Φ(x,y)の微分値に対応するものであるため位相微分像と呼ばれるが、この位相微分像を位相コントラスト画像として生成するようにしてもよい。
上記実施形態の放射線画像撮影装置によれば、画素単位の4つの単位格子UG1〜UG4を、第2の格子3の延伸方向に直交する方向について第2の格子3に対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置するとともに、複数の列をなして配置し、その各単位格子UG1〜UG4に対応する画素から読み出された画素信号に基づいて、位相コントラスト画像を構成する1つの画素の信号を生成するようにしたので、従来のように第2の格子を移動させる高精度な移動機構を必要とすることなく、1回の撮影によって位相コントラスト画像を取得するための複数の縞画像を取得することができる。そして、さらに複数の上記単位格子を所定の範囲内において複数の列をなして配置するようにしたので、これらを一列に並べて配置した場合と比較すると位相コントラスト画像の解像度を向上させることができる。
また、上記実施形態においては、2行×2列の隣接する単位格子の自己像G1_1〜G1_4を4つの画像回路40によって検出して4つの縞画像信号を取得し、これに基づいて位相コントラスト画像を生成するようにしたが、縞画像信号の数は、上述したとおり、4つに限らず、たとえば、5つの縞画像信号に基づいて位相コントラスト画像を生成するようにしてもよい。
そして、5つの縞画像信号に基づいて位相コントラスト画像を生成する場合には、5つの位相情報の各画素信号が各画素回路40によって検出されるように単位格子部材22aを配置する必要があるが、たとえば、図11に示すように5つの単位格子の自己像G1_1〜G1_5が第2の格子3の位置に形成されるように単位格子を配置するようにしてもよい。なお、図11においては図示省略しているが、図11における各実線四角内には、図7で示したような単位格子を構成する多数の単位格子部材22aの自己像がそれぞれ配置されているものとする。
そして、図11に示す自己像G1_1は、第2の格子3の格子部材32からの距離をゼロとして配置され、自己像G1_2は格子部材32からの距離をP2/5として配置され、自己像G1_3は格子部材32からの距離を(2×P2)/5として配置され、自己像G1_4は格子部材32からの距離を(3×P2)/5として配置され、自己像G1_5は格子部材32からの距離を(4×P2)/5として配置されるものとする。
第1の格子2は、上述したような自己像G1_1〜自己像G1_5を形成するような単位格子から構成される。
そして、図11に示すように配置された5つの自己像G1_1〜G1_5を放射線画像検出器4の各画素回路40によってそれぞれ検出することによって5つの位相情報の各画素信号をそれぞれ検出することができるが、図11に示すように自己像G1_1〜G1_5を配置するようにした場合、自己像G1_5については、位相コントラスト画像の2つの画素を構成するために用いることができる。すなわち、図11の左半分に示す太実線内の5つの自己像G1_1〜G1_5に基づいて5つの位相情報の各画素信号を取得することができるとともに、図11の右半分に示す太破線内の5つの自己像G1_1〜G1_5に基づいて5つの位相情報の各画素信号を取得することができる。
図11に示すように位相コントラスト画像の2つの画素を構成する自己像を3行×3列の配列とするとともに自己像G1_5を共有することによって、位相コントラスト画像の2つの画素を構成するために必要な自己像の範囲をより小さくまとめることができ、より解像度の高い位相コントラスト画像を取得することができる。比較例として、たとえば、位相コントラスト画像の1つの画素を構成するための自己像G1_1〜G1_5を単純にY方向に並べたたけでは、5つの画素回路の幅が位相コントラスト画像の1つの画素のY方向の解像度となるので解像度が低下してしまうことになる。
また、5つの自己像G1_1〜G1_5を3行×3列で配置する例としては、図11に示す例に限らず、たとえば、図12に示すように配置するようにしてもよい。このように自己像G1_5を中心として点対称に自己像G1_1〜自己像G1_4を配置することによって、自己像間の位相差がより小さいものを隣接させることができる。本実施形態においては、複数の自己像を複数の画素回路40によって検出した画素信号に基づいて位相コントラスト画像の1つの画素を演算によって構成するので、隣接する自己像間の位相差を小さくする方が画質の面ではより好ましい。
また、自己像G1_1〜G1_5の配置方法としては、図11や図12の配置方法に限らず、図13(a)に示すように自己像G1_1〜G1_5が十字に配置されるようにしてもよい。このように配置することによって、位相コントラスト画像の1画素を構成する範囲をより小さくすることができるので、より解像度の高い位相コントラスト画像を得ることができる。また、図13(b)〜(f)に示すような配置としてもよい。図13(a)〜(f)の配置についても、X方向およびY方向について繰り返して配置されるものとする。
また、図11および図12に示した配置方法のように、1つの自己像G1_5を共有する配置する方法としては、図14(a)〜(b)に示すような配置方法でもよい。
また、上記実施形態のように4つの自己像G1_1〜G1_4に応じた画素信号に基づいて位相コントラスト画像の1つの画素を構成する場合の配置方法としては、図15(a)〜(d)に示すような配置方法でもよい。
そして、複数の自己像を配置する方法としては、位相コントラスト画像の1つの画素を構成するために使用する複数の自己像が、点対称の形状で配置する方が解像度の点では好ましい。
次に、本発明の放射線画像撮影装置の第2の実施形態を用いた放射線位相画像撮影装置について説明する。上記第1の実施形態の放射線位相画像撮影装置は、第1の格子2から第2の格子3までの距離Z2がタルボ干渉距離となるように、上式(4)〜上式(9)を満たすようにしたが、第2の実施形態の放射線位相画像撮影装置は、第1の格子2が入射放射線を回折せずに投影させる構成としたものである。これにより第1の格子2を通過して射影される投影像が、第1の格子2の後方の全ての位置で相似的に得られるため、第1の格子2から第2の格子3までの距離Z2を、タルボ干渉距離を無関係に設定することができる。
具体的には、第2の実施形態の放射線位相画像撮影装置においては、第1の格子2と第2の格子3とが、ともに吸収型(振幅変調型)格子として構成されるとともに、タルボ干渉効果の有無に関わらず、スリット部を通過した放射線を幾何学的に投影するように構成されている。より詳細には、第1の格子2の間隔d1と第2の格子3の間隔d2とを、放射線源1から照射される放射線のピーク波長より十分大きな値とすることで、照射放射線に含まれる大部分をスリット部で回折せずに、直進性を保ったまま通過するように構成する。たとえば、放射線源のターゲットとしてタングステンを用い、管電圧を50kVとした場合には、放射線のピーク波長は約0.4Åである。この場合には、第1の格子2の間隔d1と第2の格子3の間隔d2を、1μm〜10μm程度とすればスリット部で大部分の放射線が回折されずに幾何学的に投影される。
なお、第1の格子2の格子ピッチP1と第2の格子3の格子ピッチP2との関係と、第1の格子2の間隔d1と第2の格子3の間隔d2との関係とについては、上記第1の実施形態と同様である。また、第2の格子3に対する第1の格子2を構成する単位格子部材22aの配置についても、上記第1の実施形態と同様である。
そして、第2の実施形態においては、第1の格子2と第2の格子3との距離Z2を、上式(6)においてm=1とした場合の最小のタルボ干渉距離より短い値に設定することができる。すなわち、上記距離Z2が、次式(17)を満たす範囲の値に設定する。
なお、第1の格子2の単位格子部材22aと第2の格子3の格子部材32とは、コントラストの高い周期パターン像を生成するためには、放射線を完全に遮蔽(吸収)することが好ましいが、上述した放射線吸収に優れる材料(金、白金等)を用いたとしても、吸収されずに透過する放射線が少なからず存在する。このため、放射線の遮蔽性を高めるためには、格子部材22,32のそれぞれの厚みを、可能な限り厚くすることが好ましい。単位格子部材22aおよび格子部材32による遮蔽は、照射放射線の90%以上であることが好ましく、たとえば、放射線源1の管電圧が50kVの場合には、厚みは、金(Au)換算で30μm以上であることが好ましい。
そして、第2の実施形態の放射線位相画像撮影装置においても、図1に示すように、放射線源1と第1の格子2との間に、被検体10が配置された後、放射線源1から放射線が射出される。そして、その放射線は被検体10を透過した後、第1の格子2に照射される。
そして、第1の格子2を通過して射影された投影像が第2の格子3を通過し、その結果、上記投影像は、第2の格子3との重ね合わせにより強度変調を受け、画像信号として放射線画像検出器4により検出される。
そして、放射線画像検出器4により検出された画像信号は、上記第1の実施形態と同様にして読み出され、複数の縞画像信号が画像生成部5において取得された後、画像生成部5は、その複数の縞画像信号に基づいて、上記第1の実施形態と同様にして、位相コントラスト画像を生成する。
第2の実施形態の放射線位相画像撮影装置によれば、第1の格子2と第2の格子3との距離Z2をタルボ干渉距離よりも短くすることができるので、一定のタルボ干渉距離を確保しなければならない第1の実施形態の放射線位相画像撮影装置と比較すると、撮影装置をより薄型化することができる。
また、上記第1の実施形態および第2の実施形態においては、放射線源1から放射線画像検出器4までの距離を、一般的な病院の撮影室で設定されるような距離(1m〜2m)とした場合に、放射線源1の焦点サイズが、たとえば、一般的な0.1mm〜1mm程度である場合には、第1の格子2のタルボ干渉効果による自己像や第1の格子2の投影像にボケが生じ、位相コントラスト画像の画質の低下をもたらす恐れがある。
そこで、放射線源1として上述したような焦点サイズのものを用いる場合には、放射線源1の焦点の直後にピンホールを設置して実効的に焦点サイズを小さくすることが考えられるが、実効的な焦点サイズを縮小するためにピンホールの開口面積を小さくすると放射線強度が低下してしまう。
したがって、上述したようなピンホールを設けるのではなく、放射線源1の焦点の直後にマルチスリットを配置するようにしてもよい。
この場合、マルチスリットは、第2の実施形態の第1および第2の格子2,3と同様な構成の吸収型格子であり、Y方向に延伸した複数の放射線遮蔽部が、第1の格子2の単位格子部材22aと第2の格子3の格子部材32と同一方向(X方向)に周期的に配置されている。このマルチスリットは、放射線源1の焦点から放射される放射線を部分的に遮蔽することにより、X方向に関する実効的な焦点サイズを縮小することができるとともに、X方向に多数の点光源(分散光源)を形成することができる。
このマルチスリットの格子ピッチP3は、マルチスリットから第1の格子2までの距離をZ3として、次式(18)を満たすように設定する必要がある。
また、実質的にマルチスリットの位置が放射線の焦点位置となるため、第2の格子3の格子ピッチP2および間隔d2は、次式(19)および次式(20)の関係を満たすように決定される。
また、上記第1および第2の実施形態においては、TFT読取方式の放射線画像検出器を用いるようにしたが、CMOSスイッチを用いた放射線画像検出器や光読取方式の放射線画像検出器を用いるようにしてもよい。以下、光読取方式の放射線画像検出器について説明する。
図16(A)は、光読取方式の放射線画像検出器50の斜視図、図16(B)は図16(A)に示す放射線画像検出器のXZ面断面図、図16(C)は図16(A)に示す放射線画像検出器のYZ面断面図である。
光読取方式の放射線画像検出器50は、図16(A)〜(C)に示すように、放射線を透過する第1の電極層51、第1の電極層51を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層52、記録用光導電層52において発生した電荷のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用し、且つ他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷蓄積層53、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層54、および第2の電極層55をこの順に積層してなるものである。なお、上記各層は、ガラス基板56上に第2の電極層55から順に形成されている。
第1の電極層51としては、放射線を透過するものであればよく、たとえば、ネサ皮膜(SnO2)、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、アモルファス状光透過性酸化膜であるIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))などを50〜200nm厚にして用いることができ、また、100nm厚のAlやAuなども用いることもできる。
記録用光導電層52は、放射線の照射を受けることにより電荷を発生するものであればよく、放射線に対して比較的量子効率が高く、また暗抵抗が高いなどの点で優れているa−Seを主成分とするものを使用する。厚さは10μm以上1500μm以下が適切である。また、特にマンモグラフィ用途である場合には、150μm以上250μm以下であることが好ましく、一般撮影用途である場合には、500μm以上1200μm以下であることが好ましい。
電荷蓄積層53は、蓄積したい極性の電荷に対して絶縁性の膜であれば良く、アクリル系有機樹脂、ポリイミド、BCB、PVA、アクリル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド等のポリマーやAs2S3、Sb2S3、ZnS等の硫化物、その他に酸化物、フッ化物より構成される。更には、蓄積したい極性の電荷に対して絶縁性であり、それと逆の極性の電荷に対しては導電性を有する方がより好ましく、移動度×寿命の積が、電荷の極性により3桁以上差がある物質が好ましい。
好ましい化合物としては、As2Se3、As2Se3にCl、Br、Iを500ppmから20000ppmまでドープしたもの、As2Se3のSeをTeで50%程度まで置換したAs2(SexTe1−x)3(0.5<x<1)、As2Se3のSeをSで50%程度まで置換したもの、As2Se3からAs濃度を±15%程度変化させたAsxSey(x+y=100、34≦x≦46)、アモルファスSe−Te系でTeを5−30wt%のもの等が挙げられる。
なお、電荷蓄積層53の材料としては、第1の電極層51と第2の電極層55との間に形成される電気力線が曲がらないようにするため、その誘電率が、記録用光導電層52と読取用光導電層54の誘電率の1/2倍以上2倍以下のものを用いることが望ましい。
読取用光導電層54としては、読取光の照射を受けることにより導電性を呈するものであればよく、たとえば、a−Se、Se−Te、Se−As−Te、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine)、CuPc(Cupper phtalocyanine)などのうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。厚さは5〜20μm程度が適切である。
第2の電極層55は、読取光を透過する複数の透明線状電極55aと読取光を遮光する複数の遮光線状電極55bとを有するものである。透明線状電極55aと遮光線状電極55bとは、放射線画像検出器50の画像形成領域の一方の端部から他方の端部まで連続して直線状に延びるものである。そして、透明線状電極55aと遮光線状電極55bとは、図16(A),(B)に示すように、所定の間隔を空けて交互に平行に配列されている。
透明線状電極55aは読取光を透過するとともに、導電性を有する材料から形成されている。たとえば、第1の電極層51と同様に、ITO、IZOやIDIXOを用いることができる。そして、その厚さは100〜200nm程度である。
遮光線状電極55bは読取光を遮光するとともに、導電性を有する材料から形成されている。たとえば、上記の透明導電材料とカラーフィルターを組み合せて用いることができる。透明導電材料の厚さは100〜200nm程度である。
そして、上述した光読取方式の放射線画像検出器50においては、後で詳述するが、隣接する透明線状電極55aと遮光線状電極55bとの1組を用いて画像信号が読み出される。すなわち、図16(B)に示すように、1組の透明線状電極55aと遮光線状電極55bとによって1画素の画像信号が読み出されることになる。すなわち、1組の透明線状電極55aと遮光線状電極55bが、上記第1の実施形態の放射線画像検出器4における画素回路40の列に相当することになる。ここでは、1画素が略50μmとなるように透明線状電極55aと遮光線状電極55bとが配置されているものとする。
そして、本実施形態の放射線位相画像撮影装置は、図16(A)に示すように、透明線状電極55aと遮光線状電極55bの延伸方向に直交する方向(X方向)に延設された線状読取光源60を備えている。本実施形態の線状読取光源60は、LED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)などの光源と所定の光学系とから構成され、略10μmの幅の線状の読取光を放射線画像検出器50に照射するように構成されている。そして、この線状読取光源60は、所定の移動機構(図示省略)によって透明線状電極55aおよび遮光線状電極55bの延伸方向(Y方向)について移動するものであり、この移動により線状読取光源60から発せられた線状の読取光によって放射線画像検出器50が走査されて画像信号が読み出される。
したがって、この線状の読取光による読取ラインが、上記第1の実施形態の放射線画像検出器4の画素回路40の行に相当することになる。そして、上述したように1組の透明線状電極55aと遮光線状電極55bとが上記第1の実施形態の放射線画像検出器4の画素回路40の列に相当するので、上記光読取方式の放射線画像検出器50においては、読取ラインと1組の透明線状電極55aと遮光線状電極55bとによって画素が形成され、第1の格子2の単位格子はこの画素の単位で形成されるものとする。
次に、上記光読取方式の放射線画像検出器50における画像検出と読出しの作用について説明する。
まず、図17(A)に示すように高圧電源100によって放射線画像検出器50の第1の電極層51に負の電圧を印加した状態において、第1の格子2の自己像と第2の格子3との重ね合わせによって強度変調された放射線が、放射線画像検出器50の第1の電極層51側から照射される。
そして、放射線画像検出器50に照射された放射線は、第1の電極層51を透過し、記録用光導電層52に照射される。そして、その放射線の照射によって記録用光導電層52において電荷対が発生し、そのうち正の電荷は第1の電極層51に帯電した負の電荷と結合して消滅し、負の電荷は潜像電荷として電荷蓄積層53に蓄積される(図17(B)参照)。
次に、図18に示すように、第1の電極層51が接地された状態において、線状読取光源60から発せられた線状の読取光L1が第2の電極層55側から照射される。読取光L1は透明線状電極55aを透過して読取用光導電層54に照射され、その読取光L1の照射により読取用光導電層54において発生した正の電荷が電荷蓄積層53に蓄積された潜像電荷と結合するとともに、負の電荷が、透明線状電極55aに接続されたチャージアンプ200を介して遮光線状電極55bに帯電した正の電荷と結合する。
そして、読取用光導電層54において発生した負の電荷と遮光線状電極55bに帯電した正の電荷との結合によって、チャージアンプ200に電流が流れ、この電流が積分されて画像信号として検出される。
そして、線状読取光源60が、Y方向に移動することによって線状の読取光L1によって放射線画像検出器50が走査され、線状の読取光L1の照射された読取ライン毎に上述した作用によって画像信号が順次検出され、その検出された読取ライン毎の画像信号が画像生成部5に順次入力されて記憶される。
ここで、上述したとおり線状の読取ラインが、上記第1の実施形態の放射線画像検出器4の画素回路40の行に相当するので、たとえば、上記第1の実施形態の第1の格子2と同様のものを用いた場合には、上述したような線状の読取光L1による走査によって、自己像G1_1および自己像G1_2に応じた画素信号と、自己像G1_3および自己像G1_4に応じた画素信号とが交互に読み出されて画像生成部5に出力される。
そして、画像生成部5は、多数の自己像G1_1に応じた画素信号をまとめて第1の縞画像信号として取得し、多数の自己像G1_2に応じた画素信号をまとめて第2の縞画像信号として取得し、多数の自己像G1_3に応じた画素信号をまとめて第3の縞画像信号として取得し、多数の自己像G1_4に応じた画素信号をまとめて第4の縞画像信号として取得する。
そして、画像生成部5において、上記第1の実施形態の同様にして第1〜第4の縞画像信号に基づいて位相コントラスト画像が生成される。
なお、上述した光読取方式の放射線画像検出器60を用いる場合においても、図11〜図15に示したような種々の自己像(単位格子)の配置方法を採用することができる。
また、上記実施形態においては、位相コントラスト画像を取得することによりこれまで描出が難しかった画像を得ることができるが、従来のX線画像診断学は吸収画像に基づいているため、位相コントラスト画像と対応して吸収画像が参照できると読影の助けになる。たとえば、吸収画像と位相コントラスト画像を重み付けや階調、周波数処理などの適当な処理によって重ね合わせることにより吸収画像が表現できなかった部分を位相コントラスト画像の情報で補うことは有効である。
しかし、位相コントラスト画像とは別に吸収画像を撮影することは、位相コントラスト画像の撮影と吸収画像の撮影との間の撮影肢体のズレによって良好な重ね合わせを困難にするのに加え、撮影回数が増えることにより被検体の負担となる。また、近年、位相コントラスト画像や吸収画像の他に、小角散乱画像が注目されている。小角散乱画像は、被検体組織内部の微細構造に起因する組織性状を表現可能であり、たとえば、ガンや循環器疾患といった分野での新しい画像診断のための表現方法として期待されている。
そこで、画像生成部5において、位相コントラスト画像を生成するために取得した複数枚の縞画像に基づいて吸収画像や小角散乱画像を生成するようにしてもよい。
具体的には、画素毎に得られる画素信号Ik(x,y)を、図19に示すようにkについて平均化して平均値を算出して画像化することにより吸収画像を生成することができる。なお、平均値の算出は、画素信号Ik(x,y)をkについて単純に平均化することにより行ってもよいが、Mが小さい場合には誤差が大きくなるため、画素信号Ik(x,y)を正弦波でフィッティングした後、フィッティングした正弦波の平均値を求めるようにしてもよい。また、正弦波に限らず、矩形波や三角波形状を用いるようにしてもよい。
また、吸収画像の生成には、平均値に限られず、平均値に対応する量であれば、画素信号Ik(x,y)をkについて加算した加算値等を用いることが可能である。
また、画素毎に得られる画素信号Ik(x,y)の振幅値を算出して画像化することにより小角散乱画像を生成することができる。なお、振幅値の算出は、画素信号Ik(x,y)の最大値と最小値との差を求めることによって行ってもよいが、Mが小さい場合には誤差が大きくなるため、画素信号Ik(x,y)を正弦波でフィッティングした後、フィッティングした正弦波の振幅値を求めるようにしてもよい。また、小角散乱画像の生成には、振幅値に限られず、平均値を中心としたばらつきに対応する量として、分散値や標準偏差などを用いることができる。
また、位相コントラスト画像は、第1および第2の格子2,3の格子部材22,32の周期配列方向(X方向)のX線の屈折成分に基づくものとなり、格子部材22,32の延伸方向(Y方向)の屈折成分は反映されない。すなわち、XY面である格子面を介して、X方向に交差する方向(直交する場合はY方向)に沿った部位輪郭がX方向の屈折成分に基づく位相コントラスト画像として描出されるのであり、X方向に交差せずにX方向に沿っている部位輪郭はX方向の位相コントラスト画像として描出されない。すなわち、被検体とする部位の形状と向きによっては描出できない部位が存在する。例えば、膝等の関節軟骨の荷重面の方向を格子の面内方向であるXY方向のうちY方向に合わせると、Y方向にほぼ沿った荷重面(YZ面)近傍の部位輪郭は十分に描出されるが、荷重面に交差しX方向にほぼ沿って延びる軟骨周辺組織(腱や靭帯など)については描出が不十分になると考えられる。被検体を動かすことにより、描出が不十分な部位を再度撮影することは可能ではあるが、被検体及び術者の負担が増えることに加え、再度撮影した画像との位置再現性を担保することが難しいといった問題がある。
そこで、他の例として、図20に示すように、第1および第2の格子2,3の格子面の中心に直交する仮想線(X線の光軸A)を中心として、第1および第2の格子2,3を、図22(a)に示すような第1の向きから任意の角度で回転させて、図20(b)に示すような第2の向きとする回転機構180を設け、第1の向きと第2の向きとのそれぞれにおいて位相コントラスト画像を生成するように構成することも好適である。なお、図20(a),(b)においては、図面を見やすくするために第1の格子2の格子部材22については直線状に表しているが、実際には、上記実施形態のように複数の単位格子部材22aがX方向にずらされて配置されているものとする。
こうすることで、上述した位置再現性の問題をなくせる。なお、図20(a)には、第2の格子3の格子部材32の延伸方向がY方向に沿う方向となるような第1および第2の格子2,3の第1の向きを示し、図20(b)には、図20(a)の状態から90度回転させ、第2の格子3の格子部材32の延伸方向がX方向に沿う方向となるような第1および第2の格子2,3の第2の向きを示したが、第1の格子2と第2の格子3との間の傾き関係を維持した状態であれば、第1および第2の格子2,3の回転角度は任意である。また、第1の向きおよび第2の向きに加えて、第3の向き、第4の向きなど、2回以上の回転操作を行って、それぞれの向きでの位相コントラスト画像を生成するように構成してもよい。
また、上記実施形態の放射線位相画像撮影装置においては、第1の格子2と第2の格子3との2つの格子を用いるようにしたが、第2の格子3の機能を放射線画像検出器にもたせることによって第2の格子3を用いないようにすることができる。以下、第2の格子3の機能を有する放射線画像検出器の構成について説明する。
第2の格子3の機能を有する放射線画像検出器は、放射線が第1の格子2を通過することによって第1の格子2によって形成された第1の格子2の自己像を検出するとともに、その自己像に応じた電荷信号を後述する格子状に分割された電荷蓄積層に蓄積することによって自己像に強度変調を施して縞画像を生成し、その生成した縞画像を画像信号として出力するものである。
図21(A)は、第2の格子3の機能を有する放射線画像検出器400の斜視図、図21(B)は図21(A)に示す放射線画像検出器のXZ面断面図、図21(C)は図21(A)に示す放射線画像検出器のYZ面断面図である。
放射線画像検出器400は、図21(A)〜(C)に示すように、放射線を透過する第1の電極層410、第1の電極層410を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層420、記録用光導電層420において発生した電荷のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用し、且つ他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷蓄積層430、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層440、および第2の電極層450をこの順に積層してなるものである。なお、上記各層は、ガラス基板460上に第2の電極層450から順に形成されている。
そして、第2の格子3の機能を有する放射線画像検出器400は、第1の電極層410、記録用光導電層420、電荷蓄積層430、読取用光導電層440および第2の電極層450の材料については、上記実施形態における放射線画像検出器50の第1の電極層51、記録用光導電層52、電荷蓄積層53、読取用光導電層54および第2の電極層55と同様である。
そして、第2の格子3の機能を有する放射線画像検出器400は、上記実施形態の放射線画像検出器4と電荷蓄積層430の形状が異なる。放射線画像検出器400の電荷蓄積層430は、図21(A)〜(C)に示すように、第2の電極層450の透明線状電極450aおよび遮光線状電極450bの延伸方向に平行となるように線状に分割されている。
また、電荷蓄積層430は、透明線状電極450aもしくは遮光線状電極450bの配列ピッチよりも細かいピッチで分割されるが、その配列ピッチP2と間隔d2は、上記実施形態の第2の格子3の条件と同様である。
また、電荷蓄積層430は、積層方向(Z方向)について2μm以下の厚さで形成される。
そして、電荷蓄積層430は、たとえば、上述したような材料と金属板に穴を空けたメタルマスクやファイバーなどによって形成されたマスクとを用いて抵抗加熱蒸着によって形成することができる。また、フォトリソグラフィを用いて形成するようにしてもよい。
なお、タルボ干渉計として機能させるための第1の格子2と放射線画像検出器400との距離の条件については、放射線画像検出器400が第2の格子3として機能するものであるので、第1の格子2と第2の格子3との距離の条件と同様である。また、上記第2の実施形態のように第1の格子2が入射放射線を回折せずに投影させる構成とし、第1の格子2から放射線画像検出器400までの距離Z2を、タルボ干渉距離を無関係に設定するようにしてもよく、上式(17)を満たすような距離としてもよい。
次に、上記のように構成された放射線画像検出器400の作用について説明する。
まず、図22(A)に示すように高圧電源100によって放射線画像検出器400の第1の電極層410に負の電圧を印加した状態において、タルボ効果によって形成された第1の格子2の自己像を担持した放射線が、放射線画像検出器400の第1の電極層410側から照射される。
そして、放射線画像検出器400に照射された放射線は、第1の電極層410を透過し、記録用光導電層420に照射される。そして、その放射線の照射によって記録用光導電層420において電荷対が発生し、そのうち正の電荷は第1の電極層410に帯電した負の電荷と結合して消滅し、負の電荷は潜像電荷として電荷蓄積層430に蓄積される(図22(B)参照)。
ここで、電荷蓄積層430は、上述したような配列ピッチで線状に分割されているので、記録用光導電層420において第1の格子2の自己像に応じて発生した電荷のうちその直下に電荷蓄積層430が存在する電荷のみが電荷蓄積層430によってトラップされて蓄積され、それ以外の電荷については線状の電荷蓄積層430の間を通過し、読取用光導電層440を通過した後、透明線状電極450aと遮光線状電極450bとに流れ出してしまう。
このように記録用光導電層420において発生した電荷のうち、その直下に線状の電荷蓄積層430が存在する電荷のみを蓄積することによって、第1の格子2の各単位格子の自己像は電荷蓄積層430の線状のパターンとの重ね合わせにより強度変調を受け、被検体による自己像の波面の歪みを反映した縞画像の画像信号が電荷蓄積層430に蓄積されることになる。すなわち、電荷蓄積層430は、上記実施形態の第2の格子3と同等の機能を果たすことになる。
そして、次に、図23に示すように、第1の電極層410が接地された状態において、線状読取光源60から発せられた線状の読取光L1が第2の電極層450側から照射される。読取光L1は透明線状電極450aを透過して読取用光導電層440に照射され、その読取光L1の照射により読取用光導電層440において発生した正の電荷が電荷蓄積層430における潜像電荷と結合するとともに、負の電荷が、透明線状電極450aに接続されたチャージアンプ200を介して遮光線状電極450bに帯電した正の電荷と結合する。
そして、読取用光導電層440において発生した負の電荷と遮光線状電極450bに帯電した正の電荷との結合によって、チャージアンプ200に電流が流れ、この電流が積分されて画像信号として検出される。
そして、線状読取光源60が、副走査方向(Y方向)に移動することによって線状の読取光L1によって放射線画像検出器400が走査され、線状の読取光L1の照射された読取ライン毎に上述した作用によって画像信号が順次検出され、その検出された読取ライン毎の画像信号が画像生成部5に順次入力されて記憶される。
そして、放射線画像検出器400の全面が読取光L1に走査されて1フレーム全体の画像信号が画像生成部5に出力され、画像生成部5は、その入力された画像信号に基づいて、上述した光読取方式の放射線画像検出器50の場合と同様にして複数の縞画像信号をする。そして、画像生成部5は、その複数の縞画像信号に基づいて位相コントラスト画像を生成する。
また、上述した第2の格子3の機能を有する放射線画像検出器400おいては、電極間に、記録用光導電層420、電荷蓄積層430および読取用光導電層440の3層を設ける構成としたが、必ずしもこの層構成である必要はなく、たとえば、図24に示すように、読取用光導電層440を設けることなく、第2の電極層の透明線状電極450aおよび遮光線状電極450b上に直接接触するように線状の電荷蓄積層430を設け、その電荷蓄積層430の上に記録用光導電層420を設けるようにしてもよい。なお、この記録用光導電層420は、読取用光導電層としても機能するものである。
この放射線画像検出器401の構造は、読取用光導電層440なしに第2の電極層450に直接電荷蓄積層430を設ける構造であり、線状の電荷蓄積層430の形成を容易にする。すなわち、この線状の電荷蓄積層430は、蒸着で形成することができる。この蒸着工程において、選択的に線状パターンを形成するためにメタルマスクなどを用いるが、読取用光導電層440の上に線状の電荷蓄積層430を設ける構成では、読取用光導電層440の蒸着後のメタルマスクをセットする工程のため、読取用光導電層440の蒸着工程と記録用光導電層420の蒸着工程の間で大気中操作により、読取用光導電層440に劣化や、光導電層間に異物が混入して品質の劣化をもたらす虞がある。上述した読取用光導電層440を設けない構造とすることで、光導電層の蒸着後の大気中操作を減らすことができるため、上述の品質劣化の懸念を低減することができる。
記録用光導電層420および電荷蓄積層430の材料については、上述した放射線画像検出器400と同様である。また、電荷蓄積層430の線状構成についても、上述した放射線画像検出器と同様である。
以下に、この放射線画像検出器401の放射線画像の記録と読み出しの作用について説明する。
まず、図25(A)に示すように高圧電源100によって放射線画像検出器401の第1の電極層410に負の電圧を印加した状態において、第1の格子2の自己像を担持した放射線が、放射線画像検出器401の第1の電極層410側から照射される。
そして、放射線画像検出器401に照射された放射線は、第1の電極層410を透過し、記録用光導電層420に照射される。そして、その放射線の照射によって記録用光導電層420において電荷対が発生し、そのうち正の電荷は第1の電極層410に帯電した負の電荷と結合して消滅し、負の電荷は潜像電荷として電荷蓄積層430に蓄積される(図25(B)参照)。なお、第2の電極層450に接した線状の電荷蓄積層430は絶縁性の膜であるから、この電荷蓄積層430に到達した電荷はそこに捕えられ、第2の電極層450へ行くことができず、蓄積されて留まる。
ここでも、上述した放射線画像検出器400と同様に、記録用光導電層420において発生した電荷のうち、その直下に線状の電荷蓄積層430が存在する電荷のみを蓄積することによって、第1の格子2の自己像は電荷蓄積層430の線状のパターンとの重ね合わせにより強度変調を受け、被検体による自己像の波面の歪みを反映した縞画像の画像信号が電荷蓄積層430に蓄積されることになる。
そして、図26に示すように、第1の電極層410が接地された状態において、線状読取光源60から発せられた線状の読取光L1が第2の電極層450側から照射される。読取光L1は、透明線状電極450aを透過して電荷蓄積層430近傍の記録用光導電層420に照射され、その読取光L1の照射により発生した正の電荷が線状の電荷蓄積層430へ引き寄せられて再結合する。そして、もう一方の負の電荷は、透明線状電極450aへ引き寄せられ、透明線状電極450aに帯電した正の電荷および透明線状電極450aに接続されたチャージアンプ200を介して遮光線状電極450bに帯電した正の電荷と結合する。これによりチャージアンプ200に電流が流れ、この電流が積分されて画像信号として検出される。
また、上述した放射線画像検出器400,401においては、電荷蓄積層430を、完全に線状に分離して形成するようにしたが、これに限らず、たとえば、図27に示す放射線画像検出器402のように、平板形状の上に線状のパターンを形成することによって格子状の電荷蓄積層430を形成するようにしてもよい。
また、上述した放射線画像検出器400〜402においては、電荷蓄積層430を、上記実施形態における第2の格子3と同様に直線状の格子状に形成するようにしたが、これに限らず、上記実施形態における第1の格子2の構成を電荷蓄積層430に採用し、図28に示すように複数の単位格子形状の電荷蓄積層430を、X方向について所定のピッチずつずらしながらY方向に配列して形成するようにしてもよい。そして、電荷蓄積層430をこのような構成とした場合には、第1の格子2については、図5に示す第2の格子3のように、直線状の格子部材22から形成することになる。
また、上記実施形態の放射線画像撮影装置においては、1回の撮影で複数種類の位相情報の画像信号を取得することができるので、上述したような即座に繰り返し使用可能な半導体の検出器に限らず、蓄積性蛍光体シートや銀塩フイルムなども利用することができる。なお、この場合、蓄積性蛍光体シートや現像された銀塩フイルムなどを読み取る際の読取画素が請求項における画素部に相当するものとする。
また、上記実施形態の放射線画像撮影装置については、乳房画像を撮影する乳房画像撮影表示システムや、被検者を立位状態で撮影する放射線画像撮影システムや、被検者を臥位状態で撮影する放射線画像撮影システムや、被検者を立位状態および臥位状態で撮影可能な放射線画像撮影システムや、長尺撮影を行う放射線画像システムなどに適用可能である。
さらに、上記実施形態の放射線画像撮影装置については、3次元画像を取得する放射線位相CT装置や、立体視が可能なステレオ画像を取得するステレオ撮影装置や、断層画像を取得するトモシンセシス撮影装置などにも適用することも可能である。
1 放射線源
2 第1の格子
3 第2の格子
4 放射線画像検出器
5 画像生成部
21 基板
22 格子部材
22a 単位格子部材
31 基板
32 格子部材
40 画素回路
41 スイッチ
43 ゲート走査線
44 データ線
45 走査駆動回路
46 信号検出部
50 放射線画像検出器
60 線状読取光源
2 第1の格子
3 第2の格子
4 放射線画像検出器
5 画像生成部
21 基板
22 格子部材
22a 単位格子部材
31 基板
32 格子部材
40 画素回路
41 スイッチ
43 ゲート走査線
44 データ線
45 走査駆動回路
46 信号検出部
50 放射線画像検出器
60 線状読取光源
Claims (32)
- 格子構造が周期的に配置され、放射線源から射出された放射線を通過させて第1の周期パターン像を形成する第1の格子と、
該第1の格子により形成された周期パターン像を透過する部分と遮蔽する部分とからなる格子構造が周期的に配置され、第2の周期パターン像を形成する第2の格子と、
該第2の格子により形成された第2の周期パターン像を検出する画素が2次元状に配列された放射線画像検出器と、
前記放射線画像検出器において検出された前記第2の周期パターン像を表す画像信号に基づいて位相コントラスト画像を生成する画像生成部とを備えた放射線画像撮影装置であって、
前記第1の格子および前記第2の格子のいずれか一方の前記格子が、前記画素に対応する単位で構成された単位格子を複数配列したものであり、
前記位相コントラスト画像を構成する1つの画素に対応する所定の範囲内における少なくとも3つの前記単位格子が、他方の前記格子の延伸方向に直交する方向について該他方の格子に対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置されるとともに、前記所定の範囲内において複数の列をなして配置されるものであり、
前記画像生成部が、前記所定の範囲内に配置された各単位格子に対応する前記画素から読み出された画素信号に基づいて、前記位相コントラスト画像を構成する1つの画素の信号を生成するものであることを特徴とする放射線画像撮影装置。 - 前記所定の範囲内における前記単位格子が、2次元状に配置されるものであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影装置。
- 前記所定の範囲内における前記単位格子が、3列以上をなして配置されるものであることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像撮影装置。
- 前記所定の範囲における少なくとも4つの前記単位格子が、点対称に配置されたものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
- 前記所定の範囲内の複数の前記単位格子の像が、前記他方の格子に対してP/Mずつ平行にシフトして配列されたものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
ただし、Pは前記他方の格子のピッチ、Mは前記位相コントラスト画像を構成する1つの画素を生成するために用いられる予め設定された位相情報の数 - 前記単位格子が、矩形で形成されたものであることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
- 前記第2の格子が、前記第1の格子からタルボ干渉距離の位置に配置され、
前記第1の格子のタルボ干渉効果によって形成される前記第1の周期パターン像に強度変調を与えるものであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。 - 前記第1の格子が、前記放射線を投影像として通過させて前記第1の周期パターン像を形成する吸収型格子であり、
前記第2の格子が、前記第1の格子を通過した前記投影像としての前記第1の周期パターン像に強度変調を与えるものであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。 - 前記第2の格子が、前記第1の格子から最小のタルボ干渉距離より短い距離に配置されていることを特徴とする請求項8記載の放射線画像撮影装置。
- 格子構造が周期的に配置され、放射線源から射出された放射線を通過させて周期パターン像を形成する格子と、
該格子によって形成された周期パターン像を透過する第1の電極層と、該第1の電極層を透過した前記周期パターン像の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、該光導電層において発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光を透過する線状電極が多数配列された第2の電極層とがこの順に積層され、前記読取光によって走査されることによって前記各線状電極に対応する画素毎の画像信号が読み出される放射線画像検出器と、
該放射線画像検出器において検出された前記周期パターン像を表す画像信号に基づいて位相コントラスト画像を生成する画像生成部とを備えた放射線画像撮影装置であって、
前記電荷蓄積層が、前記画素に対応する単位で構成された単位格子パターンを複数配列したものであり、
前記位相コントラスト画像を構成する1つの画素に対応する所定の範囲内における少なくとも3つの前記単位格子パターンが、前記格子の延伸方向に直交する方向について該格子に対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置されるとともに、前記所定の範囲内において複数の列をなして配置されるものであり、
前記画像生成部が、前記所定の範囲内に配置された各単位格子パターンに対応する前記画素から読み出された画素信号に基づいて、前記位相コントラスト画像を構成する1つの画素の信号を生成するものであることを特徴とする放射線画像撮影装置。 - 前記所定の範囲内における前記単位格子パターンが、2次元状に配置されるものであることを特徴とする請求項10記載の放射線画像撮影装置。
- 前記所定の範囲内における前記単位格子パターンが、3列以上をなして配置されるものであることを特徴とする請求項10または11記載の放射線画像撮影装置。
- 前記所定の範囲における少なくとも4つの前記単位格子パターンが、点対称に配置されたものであることを特徴とする請求項10から12いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
- 前記所定の範囲内の複数の前記単位格子パターンが、前記格子の像に対してP/Mずつ平行にシフトして配列されたものであることを特徴とする請求項10から13いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
ただし、Pは前記格子の像のピッチ、Mは前記位相コントラスト画像を構成する1つの画素を生成するために用いられる予め設定された位相情報の数 - 前記単位格子パターンが、矩形で形成されたものであることを特徴とする請求項10から14いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
- 前記放射線画像検出器が、前記格子からタルボ干渉距離の位置に配置され、
前記格子のタルボ干渉効果によって形成される前記周期パターン像に強度変調を与えるものであることを特徴とする請求項10から15いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。 - 前記格子が、前記放射線を投影像として通過させて前記周期パターン像を形成する吸収型格子であり、
前記放射線画像検出器が、前記格子を通過した前記投影像としての前記周期パターン像に強度変調を与えるものであることを特徴とする請求項10から15いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。 - 前記放射線画像検出器が、前記格子から最小のタルボ干渉距離より短い距離に配置されていることを特徴とする請求項17記載の放射線画像撮影装置。
- 格子構造が周期的に配置され、放射線源から射出された放射線を通過させて周期パターン像を形成する格子と、
該格子によって形成された周期パターン像を透過する第1の電極層と、該第1の電極層を透過した前記周期パターン像の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、該光導電層において発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光を透過する線状電極が多数配列された第2の電極層とがこの順に積層され、前記読取光によって走査されることによって前記各線状電極に対応する画素毎の画像信号が読み出される放射線画像検出器と、
該放射線画像検出器において検出された前記周期パターン像を表す画像信号に基づいて位相コントラスト画像を生成する画像生成部とを備えた放射線画像撮影装置であって、
前記電荷蓄積層が、前記線状電極の配列ピッチよりも細かいピッチで格子状に形成されたものであり、
前記格子が、前記画素に対応する単位で構成された単位格子を複数配列したものであり、
前記位相コントラスト画像を構成する1つの画素に対応する所定の範囲内における少なくとも3つの前記単位格子が、前記電荷蓄積層の格子パターンの延伸方向に直交する方向について該格子パターンに対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置されるとともに、前記所定の範囲内において複数の列をなして配置されるものであり、
前記画像生成部が、前記所定の範囲内に配置された各単位格子に対応する前記画素から読み出された画素信号に基づいて、前記位相コントラスト画像を構成する1つの画素の信号を生成するものであることを特徴とする放射線画像撮影装置。 - 前記所定の範囲内における前記単位格子が、2次元状に配置されるものであることを特徴とする請求項19記載の放射線画像撮影装置。
- 前記所定の範囲内における前記単位格子が、3列以上をなして配置されるものであることを特徴とする請求項19または20記載の放射線画像撮影装置。
- 前記所定の範囲における少なくとも4つの前記単位格子が、点対称に配置されたものであることを特徴とする請求項19から21いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
- 前記所定の範囲内の複数の前記単位格子の像が、前記電荷蓄積層の格子パターンに対してP/Mずつ平行にシフトして配列されたものであることを特徴とする請求項19から22いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
ただし、Pは前記電荷蓄積層の格子パターンのピッチ、Mは前記位相コントラスト画像を構成する1つの画素を生成するために用いられる予め設定された位相情報の数 - 前記単位格子が、矩形で形成されたものであることを特徴とする請求項19から23いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
- 前記放射線画像検出器が、前記格子からタルボ干渉距離の位置に配置され、
前記格子のタルボ干渉効果によって形成される前記周期パターン像に強度変調を与えるものであることを特徴とする請求項19から24いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。 - 前記格子が、前記放射線を投影像として通過させて前記周期パターン像を形成する吸収型格子であり、
前記放射線画像検出器が、前記格子を通過した前記投影像としての前記周期パターン像に強度変調を与えるものであることを特徴とする請求項19から24いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。 - 前記放射線画像検出器が、前記格子から最小のタルボ干渉距離より短い距離に配置されていることを特徴とする請求項26記載の放射線画像撮影装置。
- 前記電荷蓄積層の格子パターンの配列ピッチP2および間隔d2が、下式を満たすように前記電荷蓄積層が形成されたものであることを特徴とする請求項19から27いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
ただし、P1は前記格子の格子ピッチ、d1は前記格子の格子部材の間隔、Z1は前記放射線源の焦点から前記格子までの距離、Z2は前記格子から前記放射線画像検出器の検出面までの距離 - 前記格子の前記放射線を遮蔽する部分の延伸方向と平行となるように前記放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材が所定のピッチで複数延設されるとともに、前記放射線源と前記格子との間に配置され、前記放射線源から照射された放射線を領域選択的に遮蔽して多数の点光源とする吸収型格子からなるマルチスリットをさらに備え、
前記マルチスリットの前記所定のピッチP3が、下式を満たす大きさであり、
かつ、前記電荷蓄積層の格子パターンの配列ピッチP2および間隔d2が、下式の関係を満たすように前記電荷蓄積層が形成されたものであることを特徴とする請求項19から27いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
ただし、Z3は前記マルチスリットから前記格子までの距離、Z2は前記格子から前記放射線画像検出器の検出面までの距離、P1は前記格子の格子ピッチ、d1は前記格子の格子部材の間隔 - 前記電荷蓄積層の前記積層方向の厚さが2μm以下であることを特徴とする請求項19から29いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
- 前記電荷蓄積層の誘電率が、前記光導電層の誘電率の2倍以内かつ1/2倍以上であることを特徴とする請求項19から30いずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
- 放射線を透過する第1の電極層と、該第1の電極層を透過した放射線の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、該光導電層において発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光を透過する線状電極が多数配列された第2の電極層とがこの順に積層され、読取光によって走査されることによって前記各線状電極に対応する画素毎の画像信号が読み出される放射線画像検出器であって、
前記電荷蓄積層が、前記画素に対応する単位で構成された単位格子パターンを複数配列したものであり、
所定の範囲内における少なくとも3つの前記単位格子パターンが、前記線状電極の延伸方向に直交する方向について該線状電極に対して互いに異なる距離だけ平行にシフトして配置されるとともに、前記所定の範囲内において複数の列をなして配置されたものであることを特徴とする放射線画像検出器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2011005911A JP2012143490A (ja) | 2011-01-14 | 2011-01-14 | 放射線画像撮影装置および放射線画像検出器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2011005911A JP2012143490A (ja) | 2011-01-14 | 2011-01-14 | 放射線画像撮影装置および放射線画像検出器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2012143490A true JP2012143490A (ja) | 2012-08-02 |
Family
ID=46787693
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2011005911A Withdrawn JP2012143490A (ja) | 2011-01-14 | 2011-01-14 | 放射線画像撮影装置および放射線画像検出器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2012143490A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015166735A (ja) * | 2014-02-14 | 2015-09-24 | キヤノン株式会社 | X線トールボット干渉計及びx線トールボット干渉計システム |
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2011
- 2011-01-14 JP JP2011005911A patent/JP2012143490A/ja not_active Withdrawn
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015166735A (ja) * | 2014-02-14 | 2015-09-24 | キヤノン株式会社 | X線トールボット干渉計及びx線トールボット干渉計システム |
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