JP2012169412A - 回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 配線基板への組み込み応用が容易で、高周波帯域における近傍界での単位面積あたりの電磁波ノイズ抑制効果が高く、長期間安定した電磁波ノイズ抑制効果を維持できるカバーレイフィルムを備えた回路基板を提供する。
【解決手段】 回路基板100は、基材101及び該基材101上に形成された配線層102を有する配線基板110と、接着剤層111、カバーレイ用フィルム材層112及び電磁波ノイズ抑制層113を有するカバーレイフィルム120とを備え、接着剤層111によって、配線層102が被覆されるとともに、前記配線基板110と前記カバーレイフィルム120とが貼り合わされている。電磁波ノイズ抑制層113は、前記カバーレイ用フィルム材層112の表面に形成された金属薄膜であり、該金属薄膜の表面抵抗が10〜90Ω/□の範囲内にあり、配線基板110の配線層102との間隔が30〜70μmの範囲内にある。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば0.1〜20GHzの高周波帯域における電子機器の半導体素子又は高周波電子部品で問題となる近傍界電磁波ノイズを抑制する目的で利用可能なカバーレイフィルム用いた回路基板に関する。
近年、パーソナルコンピューター(PC)、携帯電話器、携帯情報端末(PDA)、情報家電、高速道路情報システム等、0.1〜20GHzの高いクロック周波数を利用した電子機器、情報通信機器が普及している。特に、PCではCPUでの動作周波数は1GHzを超え、通信機器においては、例えば携帯電話器では0.9GHz、1.5GHz、1.9GHzが用いられ、無線LANでは2.45GHz、5.0GHz、19.0GHzが用いられるようになっており、このような背景から、今後ますますGHz帯域での高速な半導体集積素子の利用は増加することが予想される。一方、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等のモバイル電子機器や、液晶テレビ、ブルーレイディスクレコーダー、ゲーム機等の情報家電では、小型化、軽量化、薄型化、高機能化の要求に伴い、これら電子機器内部に搭載されているCPU、LSI、周辺半導体等の電子部品の高密度化、高集積化、およびプリント配線基板への電子部品の高密度実装化が進んでいる。その結果、過密に集積、実装された電子部品や配線はお互いに近接する状況となり、前述の高周波化と融合して電磁波の不要輻射が発生しやすい状態となる。すなわち、このことが機器の誤作動等の問題を引き起こし、電子機器の不具合の発生および小型化や高機能化を阻害する重大な要因となっている。
このような問題に対して、最近では、不要輻射などの電磁波障害(EMI)が指摘されており、その総合的な対策として電磁両立性(EMC)が重視され、この分野での研究が盛んに行われている。例えば、駆動周波数が低周波〜数MHzまでの電子機器では、筐体などを軟磁性材料で覆う方法がなされており、1〜2GHz程度の電子機器では、シート状の複合磁性体を電子部品や電磁波ノイズ発生源に直接貼り付ける対策が施されている。さらに、前述の電子機器の小型化、高機能化等の要求に対して、これらに用いられる電磁波シールド材、電磁波吸収体、電磁波ノイズ抑制体においても、電磁波障害を抑制する効果が高いことに加え、薄くて軽い材料が望まれている。また、電磁波ノイズ抑制効果と軽薄化を兼ね備えた材料は、半導体素子の集積回路、半導体パッケージのサブストレート、多層回路基板等への実装作業の簡便さという点でも有効であり、さらに、フレキシブルプリント基板等のフレキシブル性が必要な部分には、薄くて軽い特徴に加え、屈曲性に富んだ材料が待望されている。
従来、プリント配線板の電磁波障害を防止する方法として、例えば特許文献1では、電磁波を反射させる金属薄膜を有するシールドフィルムが提案されている。このような金属薄膜は、導電性接着剤層とグランド回路との接続を必要とすることや、電磁波シールド機能を有するものの、プリント配線板の導体層を伝導する伝導ノイズを抑制することは困難であった。また、特許文献2では、伝導ノイズ抑制機能を有するプリント配線板が提案されている。この特許文献によると、プリント配線板における導体層を流れる伝導ノイズを抑制するため、抵抗体層をエッジ部の近傍に配置するとともに、2対の抵抗体層が対向するように配置する必要があった。
特開2007−294918号公報 特開2010−50166号公報
本発明は、配線基板への組み込み応用が容易で、さらに、高周波帯域における近傍界での単位面積あたりの電磁波ノイズ抑制効果が高く、長期間安定した電磁波ノイズ抑制効果を維持できるカバーレイフィルムを備えた回路基板を提供することを目的とする。また、他の目的は、薄く、軽量で、可撓性があり、電磁波ノイズ抑制層をグランド層などの導体層に接続させる必要がない回路基板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意努力して検討を進めた結果、所望の構成を有する回路基板は、上記要求を満たすものであることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の回路基板は、基材及び該基材上に形成された配線層を有する配線基板と、
接着剤層、カバーレイ用フィルム材層及び電磁波ノイズ抑制層を有するカバーレイフィルムと、
を備え、前記接着剤層によって、前記配線層が被覆されるとともに、前記配線基板と前記カバーレイフィルムとが貼り合わされた回路基板であって、
前記電磁波ノイズ抑制層は、前記カバーレイ用フィルム材層の表面に形成された金属薄膜であり、該金属薄膜の表面抵抗が10〜90Ω/□の範囲内にあり、前記配線基板の配線層との間隔が30〜70μmの範囲内にあることを特徴とする。
本発明の回路基板において、前記カバーレイフィルムは、接着剤層と、カバーレイ用フィルム材層と、電磁波ノイズ抑制層とが、この順序で積層されたカバーレイフィルムであってもよい。
また、本発明の回路基板は、前記電磁波ノイズ抑制層が、ニッケル−クロム合金を含む金属薄膜であってもよい。
本発明の回路基板は、特定の表面抵抗を有する金属薄膜が、配線層との間隔を特定の範囲内に保持した状態で位置しているため、回路基板における配線層で生じる電磁波エネルギーを導電損失として熱に変換しやすく、電磁波ノイズ抑制効果が高く、かつ薄く、軽量であり、可撓性・屈曲性に優れる。さらに、本発明によれば、電磁波を効率よく熱に変換して吸収できるため、電磁波ノイズ抑制層をグランド回路に接続させる必要がない回路基板を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態の回路基板を説明する要部断面図である。 本発明の第2の実施の形態の回路基板を説明する要部断面図である。 実施例1、2及び参考例1、2の回路基板のS11(反射損失)を示すグラフである。 実施例1、2及び参考例1、2の回路基板のS21(挿入損失)を示すグラフである。
[回路基板]
本発明の回路基板100は、基材101及び該基材101上に形成された配線層102を有する配線基板110と、接着剤層111、カバーレイ用フィルム材層112及び電磁波ノイズ抑制層113を有するカバーレイフィルム120とが、カバーレイフィルム120の接着剤層111によって、配線基板110の配線層102を被覆して貼り合わされたものである。本発明の第1の実施の形態の回路基板100Aは、図1に示したように、カバーレイフィルム120Aは、接着剤層111と、カバーレイ用フィルム材層112と、電磁波ノイズ抑制層113とが、この順序で積層されている。また、本発明の第2の実施の形態の回路基板100Bは、図2に示したように、カバーレイフィルム120Bは、接着剤層111と、電磁波ノイズ抑制層113と、カバーレイ用フィルム材層112とが、この順序で積層されている。本明細書では、第1の実施の形態の回路基板100Aと第2の実施の形態の回路基板100Bを区別しない場合は、「回路基板100」と記載する。同様に、カバーレイフィルム120Aとカバーレイフィルム120Bとを区別しない場合は、「カバーレイフィルム120」と記載する。
[基材]
基材101は、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、カルド樹脂(フルオレン樹脂)、ポリシロキサン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、液晶ポリマーなどの絶縁性の樹脂材料によって形成することができる。これらの樹脂材料の1種又は2種以上で構成されてもよく、単層又は複数層であってもよい。また、出来るだけ耐熱性の高い絶縁材料を用いることが好ましい。このような観点から、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。基材101の厚みは、例えば5μm〜200μmの範囲内が好ましく、屈曲性の観点から、例えば5μm〜50μmの範囲内が好ましく、15μm〜40μmの範囲内がより好ましい。
[配線層]
配線層102は、例えば銅、アルミニウム、ステンレス、鉄、銀、金、パラジウム、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、タングステン、ベリリウム、亜鉛、インジウム、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、マグネシウム、マンガン又はそれらの合金を構成する金属種によって構成され、この中でも銅又は銅合金が好ましい。配線層102の厚みは、例えば5μm〜150μmの範囲内が好ましく、回路基板100に屈曲性を付与する観点から、5〜35μmの範囲内がより好ましく、9〜18μmの範囲内が更に好ましい。また、配線層102の表面には、接着力等の向上を目的として、その表面に化学的又は機械的な表面処理を施してもよい。
[カバーレイフィルム]
カバーレイフィルム120は、カバーレイ用フィルム材層112、電磁波ノイズ抑制層113及び接着剤層111、を備えている。このカバーレイフィルム120は、0.1GHz〜20GHzの準マイクロ波のノイズ抑制能力に優れており、動作駆動周波数が主にGHz帯域の電子部品に好適に使用できるが、これに限定されるものではない。
[カバーレイ用フィルム材層]
カバーレイ用フィルム材層112は、任意の合成樹脂により形成することができ、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリメタアクリル酸エステル樹脂、メタアクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、無水マレイン酸−スチレン共重合体樹脂、無水マレイン酸−スチレン共重合体樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアセタール樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ポリシロキサン樹脂、液晶ポリマー(LCP)、カルド樹脂(フルオレン樹脂)、フッ素樹脂等が挙げられるが、これに限定されない。これらの樹脂中でも、耐熱性に優れ、適度な可とう性を有するポリイミド樹脂が好ましい。
カバーレイ用フィルム材層112の厚みTは、回路基板100に可とう性を付与する観点から、好ましくは3μm〜100μmの範囲内、より好ましくは5μm〜50μmの範囲内がよい。
カバーレイ用フィルム材層112としては、市販の合成樹脂フィルムを用いることができる。ポリイミド樹脂を用いる場合は、例えば東レ・デュポン株式会社製のカプトンEN、カプトンH、カプトンV(いずれも商品名)、鐘淵化学株式会社製のアピカルNPI(商品名)、宇部興産株式会社製のユーピレックスS(商品名)、三菱ガス化学社製のネオプリム(商品名)、東洋紡社製のゼノマックス(商品名)、クラボウ社製のミドフィル(商品名)、三井化学社製のオーラム(商品名)等を使用することが可能である。
また、カバーレイ用フィルム材層112は、電磁波ノイズ抑制層113との接着性を強固なものにするために、電磁波ノイズ抑制層113を形成する前に、電磁波ノイズ抑制層113を積層する側の表面にプラズマ処理を施してもよい。また、電磁波ノイズ抑制体からの放熱を促進したり、機能性や意匠性を向上させたりするために、電磁波ノイズ抑制性能を損なわない範囲で、例えばカバーレイ用フィルム材層112内に、強磁性フィラー、導電性フィラー、熱伝導性フィラー、補強性フィラー、難燃剤、酸化防止剤、着色剤、耐熱向上材などを添加してもよい。
[電磁波ノイズ抑制層]
電磁波ノイズ抑制層113は、カバーレイ用フィルム材層112の表面に形成された金属薄膜であり、該金属薄膜の表面抵抗が10〜90Ω/□の範囲内にある。表面抵抗が、このような範囲内にあるので、該金属薄膜の導電損失によって電磁波エネルギーは熱に変換されやすいと考えられる。また、電磁波ノイズ抑制層113を有し、電磁波ノイズ発生源の配線層102との間隔が制御されているので、入射してきた電磁波を反射させる機能(シールド機能)が抑えられ、電磁波ノイズ抑制層113の背面に抜けるのを抑制する機能(抑制機能)を有する。このように制御された電磁波ノイズ抑制層113は、電磁波エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が高いので、グランド回路に接続する必要がなく、回路基板100への装着を容易に行うことができる。
電磁波ノイズ抑制層113に含まれる金属材料は、電磁波ノイズ抑制層113の耐酸化性及び耐熱性を考慮し、ニッケルを主成分とするニッケル合金であることが好ましい。また、電磁波ノイズ抑制層113を加熱処理した後においても電磁波ノイズ抑制効果低下の影響を殆ど受けないニッケル合金として、より好ましくはニッケル−クロム合金がよい。特に、ニッケル−クロム合金である場合は、金属薄膜が高温加熱処理後においても脆化しにくく、しかも好適な発熱素子として機能し、効率よく電磁波エネルギーを熱エネルギーに変換できるものと考えられる。このような電磁波ノイズ抑制層113の特徴は、カバーレイフィルム120を配線基板110に貼り合わせる際に、例えば熱プレス装置などを用いて熱圧着する場合においても、電磁波ノイズ抑制効果を低下させることがないので、特に有利である。
金属材料がニッケル−クロム合金である場合、電磁波ノイズ抑制層113の平均厚さTは、例えば35〜160nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは40〜150nmの範囲内である。この場合は、電磁波ノイズ抑制層113の平均厚さTを35nm以上にすることにより、電磁波の透過を抑制し、充分な電磁波ノイズ抑制効果を発揮することができる。一方、電磁波ノイズ抑制層113の平均厚さTが160nmを超えると、表面抵抗が20Ω/□よりも小さくなり、その結果、電磁波ノイズ抑制層113の表面で電磁波の反射機能が強まることで電磁波ノイズ抑制効果が小さくなる。ここで、電磁波ノイズ抑制層113の平均厚さTとは、電磁波ノイズ抑制層113の膜厚方向断面のTEM画像をもとにして、5箇所の電磁波ノイズ抑制層113の厚さをTEM画像上で測定し、平均した厚さである。
金属薄膜の形成方法としては、例えば物理的蒸着法、湿式還元法等が挙げられる。量産性の観点から、物理的蒸着法による形成方法を適用することが好ましい。物理的蒸着法は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法等が挙げられ、製造コスト面のメリットから、スパッタリング法を適用することが特に好ましい。このスパッタリング法は、2極型、3極型、4極型、対抗ターゲット型、DCスパッタ、RFスパッタ、DCマグネトロンスパッタ、RFマグネトロンスパッタ、ECスパッタ、レーザービームスパッタ、ミラートロンスパッタ、イオンビームスパッタ、デュアルイオンビームスパッタ、ECRスパッタ、PEMSスパッタ等の各種手法が挙げられる。また、スパッタリングに使用するガス種としては、例えばアルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン、窒素、酸素等を用いることができる。特に、アルゴンガスはスパッタリングの効率が高いため、好適に用いられる。これらのガスは2種類以上混合して使用することもできる。スパッタリング法による金属薄膜の成膜条件については、例えば、アルゴンガスをスパッタガスとして使用し、圧力は好ましくは1×10−2〜1Pa、より好ましくは5×10−2〜5×10−1Paであり、スパッタの電力は、好ましくは10〜1000W、より好ましくは20〜600Wの条件で行う方法がよい。
金属材料が、例えばニッケル−クロム合金である場合、金属薄膜の形成は物理的蒸着法の適用が好ましく、スパッタリング法の適用が特に好ましい。ニッケル−クロム合金をスパッタリングのターゲットとして用いる場合は、クロム含有率が好ましくは5重量%以上35重量%以下の範囲内、より好ましくは15重量%以上25重量%以下の範囲内がよい。このような範囲内とすることで優れた電磁波ノイズ抑制効果を持つ金属薄膜を形成することができる。
電磁波ノイズ抑制層113は、配線層102との間隔Tが30〜70μmの範囲内、好ましくは35〜65μmの範囲内、より好ましくは35〜45μmの範囲内にあることがよい。電磁波ノイズ抑制層113と配線層102との間隔Tは、カバーレイフィルム120の接着剤層111及びカバーレイ用フィルム材層112の合計厚み、又はカバーレイフィルム120の接着剤層111の厚みによって制御することができる。すなわち、図1に示したように、カバーレイフィルム120が、接着剤層111と、カバーレイ用フィルム材層112と、電磁波ノイズ抑制層113とが、この順序で積層されたもの(カバーレイフィルム120A)である場合には、電磁波ノイズ抑制層113と配線層102との間隔Tは、接着剤層111及びカバーレイ用フィルム材層112によって制御することができる。また、図2に示したように、カバーレイフィルム120が、接着剤層111と、電磁波ノイズ抑制層113と、カバーレイ用フィルム材層112とが、この順序で積層されたもの(カバーレイフィルム120B)である場合には、電磁波ノイズ抑制層113と配線層102との間隔Tは、接着剤層111のみによって制御することができる。
[接着剤層]
接着剤層111は、配線基板110の配線を被覆し、且つ配線層102と電磁波ノイズ抑制層113との間隔を制御する機能を有する。従って、配線基板110に貼り合わせる前の接着剤層111の厚みは、配線基板110全体又は単位面積当たりに存在する配線層102の占有面積比率などを考慮して設定することが好ましい。接着剤層111の厚みは、配線基板110に貼り合わせる前であれば、例えば10〜85μmの範囲内が好ましく、25〜50μmの範囲内がより好ましい。
接着剤層111の材質は、特に限定されるものではないが、例えばポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂や、フェノール系、エポキシ系、シロキサン系、ウレタン系、メラミン系、アルキッド系などの熱硬化性樹脂等を挙げることができる。耐熱性や可撓性が要求される場合においては、信頼性が高く好ましいものとして、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。なお、エポキシ系の熱硬化性樹脂を使用する場合には、熱プレス時のにじみ出し(リフロー)の小さいものが好ましい。ここで、ポリイミド樹脂としては、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリイミドエステル、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、テトラメチルビスフェノールA型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等のような芳香族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を挙げることができる。なお、接着剤層111は、フィルム状の接着シートであってもよく、市販のボンディングシートも利用できる。
また、接着剤層111には、強磁性フィラー、導電性フィラー、熱伝導性フィラー、補強性フィラー、難燃剤、酸化防止剤、着色剤、耐熱向上材などを添加してもよい。
なお、本発明の回路基板100は、配線基板110において基材101及び配線層102以外に、任意の層を設けてもよく、また、カバーレイフィルム120において接着剤層111、カバーレイ用フィルム材層112及び電磁波ノイズ抑制層113以外に、任意の層を設けてもよい。
[製造方法]
本発明の回路基板100は、配線基板110及びカバーレイフィルム120をそれぞれ作製し、配線基板110の配線層102にカバーレイフィルム120の接着剤層111を重ね、例えば熱プレス等の手段で張り合わせることによって製造できる。また、カバーレイ用フィルム材層112と電磁波ノイズ抑制層113との積層体を作製し、この積層体と配線基板110を、間に接着剤層111となる接着剤フィルムを介在させた状態で、例えば熱プレス等の手段で張り合わせることによって製造することも可能である。
以上説明したように、本発明の回路基板100は、電磁波ノイズ抑制層113として、表面抵抗が10〜90Ω/□である金属薄膜が、配線層102との間隔Tを30〜70μmの範囲内に保持した状態で位置している。このため、回路基板100における配線層102で生じる電磁波エネルギーを導電損失として熱に変換しやすく、電磁波ノイズ抑制効果が高く、かつ薄く、軽量であり、可撓性・屈曲性に優れる。さらに、本発明によれば、電磁波を効率よく熱に変換して吸収できるため、電磁波ノイズ抑制層113をグランド回路に接続させる必要がない。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、本発明の実施例において特にことわりのない限り、各種測定、評価は下記によるものである。
[金属薄膜の厚みの測定]
金属薄膜の厚みは、試料の断面をミクロトーム(ライカ社製、商品名;ウルトラカットUTCウルトラミクロトーム)を用いて厚さ100nmの超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子社製、商品名;JEM−2000EX)により観察し、5箇所の電磁波ノイズ抑制層の厚さを画像上で測定し、平均した値を算出した。
[金属薄膜の表面抵抗の測定]
金属薄膜の表面抵抗は、抵抗率計(三菱化学社製、商品名;MCP−T610)を用い、4探針プローブ(三菱化学社製、商品名;MCP−TP03P)により測定した。
[電磁波ノイズ抑制効果の評価]
特性インピーダンスを50Ωとしたマイクロストリップ線路を回路加工した評価サンプルを使用し、回路加工した側(伝送線路側)の電磁波ノイズ抑制効果を評価した。TRL法(Thru−Reflect−Line)にて校正したベクトルネットワークアナライザにより、50MHzから10GHzの周波数帯域でSパラメータを測定することにより、S11(反射損失)及びS21(挿入損失)で評価を行った。
[実施例1]
1)配線基板の作製
15mm×120mmの銅張積層板(新日鐵化学社製、商品名;エスパネックスMB12−38−12SEQ、銅箔層厚み;12μm、絶縁層厚み;38μm)を用いて、一方の面の銅箔層をエッチング加工することにより、線幅が80μmの線路を形成し、配線基板1を作製した。
2)カバーレイフィルムの作製
カバーレイ用フィルム材として、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名;カプトンEN、15mm×104mm×厚さ25μm)を用意し、このフィルムをバッチ式スパッタリング装置(ANELVA社製、商品名;SPF−332HS)へセットし、真空ポンプ及びターボモレキュラーポンプを用いて、3.0×10−4Paまで減圧し、アルゴンガスを導入して、2.0×10−1Paの圧力になるよう調整した。次に、Ni80重量%/Cr20重量%の合金(Ni−Cr合金として99.9重量%以上)のターゲットを用いて、スパッタリングを行い、15mm×104mm×厚さ100nmの金属薄膜(表面抵抗;35Ω/□)を形成し、金属薄膜形成フィルム1を得た。
金属薄膜形成フィルム1の金属薄膜を形成していない側の面に、厚さ25μmのBステージ状のエポキシ樹脂層(フェノールノボラック系硬化剤を含むビスフェノールF型エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ系接着剤を成膜後、乾燥させたもの)を形成し、カバーレイフィルム1を作製した。
3)回路基板の作製
配線基板1の線路側の表面に、カバーレイフィルム1のエポキシ樹脂層を、配線基板1の線路が被覆されるように重ね合わせ、170℃、圧力4MPa、時間60分の条件でプレスし、回路基板1を作製した。このときの回路基板1における線路と金属薄膜層との間隔は、39μmであった。
電磁波ノイズ抑制効果について評価を行ったところ、S11は、4GHz〜8GHz領域において、−20dB以下に抑えられていた。S11の結果を図3に示す。また、S21は、出力信号が入力信号に対して半分になる周波数領域(−3dB)が2GHz付近に存在した。S21の結果を図4に示す。
参考例1
実施例1と同様にして、配線基板2及び金属薄膜形成フィルム2を作製した。金属薄膜形成フィルム2の金属薄膜を形成している側の面に、厚さ25μmのBステージ状のエポキシ樹脂層(フェノールノボラック系硬化剤を含むビスフェノールF型エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ系接着剤を成膜後、乾燥させたもの)を形成し、カバーレイフィルム2を作製したのち、実施例1と同様にして、回路基板2を作製した。このときの回路基板2における線路と金属薄膜層との間隔は、14μmであった。S11及びS21の結果をそれぞれ図3及び図4に示す。
実施例2
実施例1と同様にして、配線基板3及び金属薄膜形成フィルム3を作製した。配線基板3の線路側の表面に、15mm×104mmのカバーレイフィルム3(有沢製作所社製、商品名;CEA0525、カバーレイ用フィルム材の厚さ;12.5μm、接着剤層の厚さ;25μm)の接着剤層を、配線基板3の線路が被覆されるように重ね合わせ、170℃、圧力4MPa、時間60分の条件でプレスし、回路基板3’を作製した。この回路基板3のカバーレイフィルムの上に、フィルム両面テープ(寺岡製作所社製、商品名;7070、厚さ;10μm)を重ね、更にその上に、金属薄膜形成フィルム3の金属薄膜側の面を重ね合わせ、貼り合わせることによって、回路基板3を作製した。このときの回路基板3における線路と金属薄膜層との間隔は、36μmであった。S11及びS21の結果をそれぞれ図3及び図4に示す。
参考例2
実施例1と同様にして、配線基板4及び金属薄膜形成フィルム4を作製した。金属薄膜形成フィルム4の金属薄膜を形成している側の面に、厚さ25μmのBステージ状のエポキシ樹脂層(フェノールノボラック系硬化剤を含むビスフェノールF型エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ系接着剤を成膜後、乾燥させたもの)を形成し、このエポキシ樹脂層の表面にフィルム両面テープ(寺岡製作所社製、商品名;705、厚さ;30μm)を2枚重ね、配線基板4の線路側の表面に貼り合わせることによって、回路基板4を作製した。このときの回路基板4における線路と金属薄膜層との間隔は、85μmであった。S11及びS21の結果をそれぞれ図3及び図4に示す。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
100,100A,100B…回路基板、101…基材、102…配線層、110…配線基板、111…接着剤層、112…カバーレイ用フィルム材層、113…電磁波ノイズ抑制層、120,120A,120B…カバーレイフィルム

Claims (3)

  1. 基材及び該基材上に形成された配線層を有する配線基板と、
    接着剤層、カバーレイ用フィルム材層及び電磁波ノイズ抑制層を有するカバーレイフィルムと、
    を備え、前記接着剤層によって、前記配線層が被覆されるとともに、前記配線基板と前記カバーレイフィルムとが貼り合わされた回路基板であって、
    前記電磁波ノイズ抑制層は、前記カバーレイ用フィルム材層の表面に形成された金属薄膜であり、該金属薄膜の表面抵抗が10〜90Ω/□の範囲内にあり、前記配線基板の配線層との間隔が30〜70μmの範囲内にあることを特徴とする回路基板。
  2. 前記カバーレイフィルムは、接着剤層と、カバーレイ用フィルム材層と、電磁波ノイズ抑制層とが、この順序で積層されたカバーレイフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記電磁波ノイズ抑制層が、ニッケル−クロム合金を含む金属薄膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路基板。
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