本発明に係る放射線撮像装置の好適な実施形態について、図1〜図25を参照しながら以下詳細に説明する。
[第1実施形態に係る放射線撮像装置の構成の説明]
先ず、第1実施形態に係る放射線撮像装置としての電子カセッテ20Aについて、図1〜図21を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る電子カセッテ20Aが適用される放射線撮像システム10の構成図である。
放射線撮像システム10は、ベッド等の撮影台12に横臥した被写体14である患者に対して、放射線16を照射する放射線源18と、被写体14を透過した放射線16を検出して放射線画像に変換する電子カセッテ20Aと、放射線源18及び電子カセッテ20Aを制御するコンソール22と、放射線画像を表示する表示装置24とを備える。
コンソール22と電子カセッテ20Aと表示装置24との間では、例えば、UWB(Ultra Wide Band)、IEEE802.60.a/b/g/n等の無線LAN(Local Area Network)、又は、ミリ波等を用いた無線通信により信号の送受信が行われる。なお、ケーブルを用いた有線通信により信号の送受信を行ってもよい。
コンソール22には、病院内の放射線科において取り扱われる放射線画像やその他の情報を統括的に管理する放射線科情報システム(RIS)26が接続され、RIS26には、病院内の医事情報を統括的に管理する医事情報システム(HIS)28が接続されている。
図2は、図1に示す電子カセッテ20Aの斜視図である。
電子カセッテ20Aは、撮影台12と被写体14との間に配置される略矩形状の筐体29を有する。
筐体29は、中空の角筒状のハウジング本体30と、ハウジング本体30の開口部分を両側から閉塞する2つの蓋部材32、34とを有するモノコック構造の筐体であり、外部からの応力(例えば、筐体29の落下、被写体14からの荷重、外部からの衝撃)を筐体29全体として受ける構造となっている。また、筐体29(のハウジング本体30及び蓋部材32、34)は、放射線16を透過可能で且つ導電性及び防水性を備えるマグネシウムやアルミニウム等の金属(導電部分)からなる。
被写体14が横臥する筐体29の上面は、放射線16が照射される照射面36とされている。照射面36には、被写体14の撮像領域及び撮像位置を示すガイド線38が形成され、ガイド線38の外枠は、放射線16の最大照射範囲(照射野)を示す撮像可能領域40とされている。また、ガイド線38の中心位置(十字状に交差する2本のガイド線38の交点)は、該撮像可能領域40の中心位置である。
図2及び図3に示すように、ハウジング本体30を構成する4つの側面42a〜42dのうち、側面42aと側面42bとの間にはx方向に沿って中空部41が形成され、中空部41に連通する側面42aの開口部44aを蓋部材32で閉塞すると共に、中空部41に連通する側面42bの開口部44bを蓋部材34で閉塞することにより、筐体29が構成される。従って、筐体29は、照射面36と、蓋部材32の側面52と、蓋部材34の側面81と、ハウジング本体30の2つの側面42c、42dを含む2つの側面43、45と、ハウジング本体30の底面47を含む底面46とを有する六面体として構成される。
蓋部材32のx2方向側の側面52には、電子カセッテ20Aを起動するための電源スイッチ54、各種情報を表示するディスプレイ56、外部から充電を行なうためのACアダプタの入力端子58、外部機器との間で情報の送受信が可能なインターフェース手段としてのUSB(Universal Serial Bus)端子60、PCカード等のメモリカード62を装填するためのカードスロット64、及び、電子カセッテ20Aの各種の状況等を表示するLED等のインジケータ66が配設されている。
また、電子カセッテ20Aでは、インジケータ66とディスプレイ56とが配設されているが、インジケータ66の表示機能をディスプレイ56が代行することで、インジケータ66を不要にすることができる。また、ディスプレイ56での一部の表示機能をインジケータ66が代行することで、ディスプレイ56を不要にすることもできる。
蓋部材32は、側面52を備え且つ電源スイッチ54、ディスプレイ56、入力端子58、USB端子60、カードスロット64及びインジケータ66が配設された蓋本体68と、該蓋本体68のx1方向側に形成され、開口部44aに嵌合可能な挿入部70と、該挿入部70の側面に配設されたゴムや樹脂等からなる防水性のシール部材(第1防水部材)400と、挿入部70のy方向に沿った両端から開口部44aに向かって突出し且つ導電性を有する係合片(第1導電部材)72とから構成されている。また、2つの係合片72の外側面(図3の左側の係合片72ではy1方向の側面、及び、右側の係合片72ではy2方向の側面)には係合凸部74が形成され、ハウジング本体30内壁の開口部44a側には、係合凸部74に係合可能な係合凹部76が形成されている。
従って、蓋部材32をx1方向に進行させて、ハウジング本体30内壁の開口部44a側と挿入部70とを嵌合させ、且つ、ハウジング本体30の中空部41に進入した2つの係合片72の係合凸部74と係合凹部76とをそれぞれ係合させると、開口部44aが蓋部材32により閉塞され、蓋部材32とハウジング本体30とを一体化させることができる。
また、ハウジング本体30、蓋部材32及び2つの係合片72が導電性の部材であるため、2つの係合片72の係合凸部74と係合凹部76とがそれぞれ係合することにより、ハウジング本体30と蓋部材32とが2つの係合片72を介して電気的に接続される。さらに、シール部材400が防水部材であるため、ハウジング本体30の内壁の開口部44a側と挿入部70とが嵌合して、該内壁に設けられた凹部にシール部材400が嵌合することにより、前記内壁と挿入部70との嵌合部分(接続部分)がシールされ、外部から該嵌合部分の隙間を介した中空部41への水分(例えば、被写体14である患者の血液を含む体液)の浸入を阻止することができる。
一方、蓋部材34は、電源スイッチ54、ディスプレイ56、入力端子58、USB端子60、カードスロット64及びインジケータ66が配設されていない点を除いては、前述の蓋部材32と略同じ構成である。すなわち、蓋部材34は、蓋本体68と略同一形状であり且つ側面52と対向するx1方向の側面81を有する蓋本体80と、該蓋本体80のx2方向側に形成され、開口部44bに嵌合可能な挿入部82と、該挿入部82の側面に配設され且つシール部材400と同じ材質からなる防水性のシール部材(第1防水部材)402と、挿入部82のy方向に沿った両端から開口部44bに向かって突出し且つ導電性を有する係合片(第1導電部材)84とから構成されている。また、2つの係合片84の外側面(図3の左側の係合片84ではy1方向の側面、及び、右側の係合片84ではy2方向の側面)にも係合凸部86が形成され、ハウジング本体30内壁の開口部44b側には、係合凸部86に係合可能な係合凹部88が形成されている。
従って、蓋部材32の場合と同様に、蓋部材34をx2方向に進行させて、ハウジング本体30の内壁の開口部44b側と挿入部82とを嵌合させ、且つ、ハウジング本体30の中空部41に進入した2つの係合片84の係合凸部86と係合凹部88とをそれぞれ係合させると、開口部44bが蓋部材34により閉塞され、蓋部材34とハウジング本体30とを一体化させることができる。
また、蓋部材34及び2つの係合片84も導電性の部材であるため、2つの係合片84の係合凸部86と係合凹部88とがそれぞれ係合することにより、ハウジング本体30と蓋部材34とが2つの係合片84を介して電気的に接続される。さらに、シール部材402も防水部材であるため、ハウジング本体30の内壁の開口部44b側と挿入部82とが嵌合して、該内壁に設けられた凹部にシール部材402が嵌合することにより、前記内壁と挿入部82との嵌合部分(接続部分)がシールされ、外部から該嵌合部分の隙間を介した中空部41への水分の浸入を阻止することができる。
図4〜図6は、筐体29内を図示した電子カセッテ20Aの断面図である。
ハウジング本体30の開口部44a、44bを2つの蓋部材32、34でそれぞれ閉塞することにより、筐体29内には、中空部41である室110が形成される。
室110の中央部には基台112が配置され、該基台112の表面114(照射面36側の面)には、ハウジング本体30の照射面36側を透過して室110に入射した放射線16を放射線画像に変換する放射線変換パネル116が配置されている。
放射線変換パネル116は、図4の平面視で、基台112よりも僅かに小さな平面積を有し、撮像可能領域40に対応する程度の大きさであることが望ましい。なお、基台112は、図示しない支持部材によって室110の中央部で支持されている。また、放射線変換パネル116は、図示しない固定手段によって基台112に固定されてもよいし、ハウジング本体30の照射面36側の内壁に接着されてもよい。
放射線変換パネル116は、放射線16を可視光等の他の波長の電磁波に変換するシンチレータ118と、該シンチレータ118により変換された電磁波を電気信号に変換する光電変換層120とから構成された、いわゆる間接変換型の放射線検出器である。
また、シンチレータ118と光電変換層120とは、熱による反りの発生を考慮して、分離可能な状態で積層してもよい。あるいは、シンチレータ118に光電変換層120を直接形成するか、又は、光電変換層120にシンチレータ118を直接形成してもよい。
なお、図5及び図6では、放射線16の照射方向に沿って光電変換層120とシンチレータ118との順に配置された表面読取方式としてのISS(Irradiation Side Sampling)方式の放射線検出器を図示しているが、放射線16の照射方向に沿ってシンチレータ118と光電変換層120との順に配置された、裏面読取方式であるPSS(Penetration Side Sampling)方式の放射線検出器であってもよい。また、シンチレータ118としては、例えば、ヨウ化セシウム(CsI)又はガドリニウム・オキサイド・サルファ(GOS)から構成されるシンチレータを用いればよい。さらに、第1実施形態では、上述した間接変換型の放射線検出器に代えて、シンチレータ118を用いずに放射線16を電気信号に直接変換する、いわゆる直接変換型の放射線検出器を使用することも可能である。以下の説明では、ISS方式の放射線変換パネル116を用いた場合について説明する。
また、放射線変換パネル116(の光電変換層120)のy1方向の側面には、光電変換層120を駆動するための制御信号を光電変換層120に供給するための複数のフレキシブル基板122が所定間隔毎に配置され、各フレキシブル基板122には、前記制御信号を生成する駆動用IC124がそれぞれ配置されている。一方、放射線変換パネル116(の光電変換層120)のx1方向の側面には、制御信号の供給によって駆動された光電変換層120から放射線画像に応じた電気信号を読み出すための複数のフレキシブル基板126が所定間隔毎に配置され、各フレキシブル基板126には、前記電気信号を読み出して所定の信号処理を行う読出用IC128がそれぞれ配置されている。
基台112の裏面129(筐体29の底面46側の面)には、電源部94が配置されている。この場合、電源部94は、基台112と接触するように配置されてもよいし、基台112の裏面129側に設けられた図示しない連結部材に連結されてもよい。また、基台112の裏面129における電源部94の周囲には、該電源部94を取り囲むように(避けるように)、複数の回路基板130が取り付けられ、該回路基板130には電子部品132が配設されている。図5に示すように、一部の回路基板130には、フレキシブル基板126が接続され、一方で、図6に示すように、他の回路基板130には、フレキシブル基板122が接続されている。
なお、放射線16の照射による電源部94と回路基板130及び電子部品132との劣化を防止するために、基台112は、放射線16を遮蔽可能な鉛板で構成されてもよいし、あるいは、鉛を含むように構成されてもよい。
上記の説明では、筐体29のハウジング本体30及び2つの蓋部材32、34が金属(導電性部材)からなる場合について説明したが、第1実施形態では、図7及び図8に示すように筐体29を構成してもよい。
図7は、ハウジング本体30及び2つの蓋部材32、34が放射線16を透過可能で且つ防水性を備える樹脂からなり、金属板、又は、カーボンや金属粉体等の導電性フィラーからなる導電性部材(導電部分)404、406、408を前記樹脂に含有させた場合を図示したものである。
前記樹脂は、電気絶縁材料であるため、2つの係合片72を介して各導電性部材404と各導電性部材406とを電気的に接続する目的で、ハウジング本体30の係合片72側の導電性部材404を露出させて係合片72に接触させると共に、蓋部材32の係合片72側の導電性部材406を露出させて係合片72に接触させている。一方、2つの係合片84を介して各導電性部材404と各導電性部材408とを電気的に接続する場合にも、ハウジング本体30の係合片84側の導電性部材404を露出させて係合片84に接触させると共に、蓋部材34の係合片84側の導電性部材408を露出させて係合片84に接触させればよい。
なお、導電性部材404、406、408の露出方法としては、例えば、ハウジング本体30の係合片72、84側の内壁(樹脂)を削ることにより、導電性部材404を露出させると共に、蓋部材32、34の係合片72、84側の表面(樹脂)をそれぞれ削ることにより導電性部材406、408を露出させればよい。あるいは、ハウジング本体30の係合片72、84側の内壁に導電性部材404が露出するように該ハウジング本体30を成形すると共に、蓋部材32、34の係合片72、84側の表面に導電性部材406、408がそれぞれ露出するように蓋部材32、34を成形すればよい。
図8は、ハウジング本体30及び2つの蓋部材32、34が前記樹脂からなり、ハウジング本体30及び2つの蓋部材32、34の各外表面を放射線16を透過可能で且つ防水性を備える導電性部材(導電部分)410、412、414でそれぞれ被覆した場合を図示したものである。
この場合、ハウジング本体30のシール部材400側まで導電性部材410を延在させて係合片72及びシール部材400と接触可能な状態にすると共に、係合片72にまで導電性部材410を延在させて係合片72と導電性部材410とを電気的に接続させることにより、2つの係合片72を介して導電性部材410と導電性部材412とを電気的に接続させることができる。また、ハウジング本体30のシール部材402側まで導電性部材410を延在させて係合片84及びシール部材402と接触可能な状態にすると共に、係合片84にまで導電性部材414を延在させて係合片84と導電性部材414とを電気的に接続させることにより、2つの係合片84を介して導電性部材410と導電性部材414とを電気的に接続させることができる。
なお、導電性部材410、412、414におけるハウジング本体30及び蓋部材32、34の外表面の薄肉部分は、例えば、導電塗装等により形成された導電性のコーティング膜からなることが望ましい。
図9は、電子カセッテ20Aのブロック構成図である。
光電変換層120は、放射線16(図1、図2、図5及び図6参照)を電荷に変換して蓄積可能なpin型のフォトダイオードやフォトトランジスタ等の光電変換素子140と、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(Thin Film Transitor;TFT)142とを有する。なお、図9では、光電変換素子140がpin型のフォトダイオードである場合を図示している。
この場合、光電変換層120では、ガラス又は樹脂からなる基板の一面に複数の信号線144とゲート線146とを互いに交差させるように配設し、各ゲート線146と各信号線144とにより区画された小領域に光電変換素子140とTFT142とをそれぞれ設けることで、前記基板に複数の光電変換素子140及び複数のTFT142を二次元マトリクス状に配列させている。また、1つの光電変換素子140には1本のバイアス線148が接続され、各バイアス線148は、1本の結線150を介してバイアス電源172に接続されている。
ここで、光電変換素子140のアノード電極は、バイアス線148に接続され、カソード電極は、TFT142のソース電極Sに接続されている。一方、TFT142のゲート電極Gは、ゲート線146を介してゲート駆動回路152に接続され、ドレイン電極Dは、信号線144を介して信号読出回路154に接続されている。この場合、ゲート駆動回路152は、複数の駆動用IC124に対応する放射線変換パネル116を駆動するための駆動回路部であり、一方で、信号読出回路154は、複数の読出用IC128に対応する放射線画像に応じた電気信号を読み出す読出回路部である。
バイアス電源172は、結線150及び各バイアス線148を介して各光電変換素子140に逆方向にバイアス電圧(逆バイアス電圧)を印加する。なお、図9では、pin型の光電変換素子140のp層側にアノード電極を介してバイアス線148が接続されているので、バイアス電源172からは、光電変換素子140のアノード電極に結線150及びバイアス線148を介して逆バイアス電圧として負の電圧(カソード電極よりも所定電圧以上低い電圧であればよい。)が印加されるようになっている。なお、光電変換素子140のpin型の積層順を逆に形成して(光電変換素子140の極性が逆となるように形成して)カソード電極にバイアス線148を接続する場合には、バイアス電源172からはカソード電極に逆バイアス電圧として正の電圧(アノード電極よりも所定電圧以上高い電圧であればよい。)が印加される。その場合には、図9における光電変換素子140のバイアス電源172に対する接続の向きが逆向きになる。
ゲート駆動回路152からゲート線146を介してTFT142のゲート電極Gに信号読み出し用の電圧(制御信号)が印加されると、TFT142のゲートが開き、光電変換素子140に蓄積された電荷、すなわち、電気信号(放射線画像信号)が、TFT142のソース電極Sを介してドレイン電極Dから信号線144に読み出される。
信号読出回路154では、各信号線144に対して、増幅器160、サンプルホールド回路162、マルチプレクサ164及びAD変換器166が順に接続されている。従って、各信号線144を介して読み出された電気信号は、チャージアンプからなる増幅器160によって増幅され、サンプルホールド回路162によってサンプリングされた後、マルチプレクサ164を介してAD変換器166に順次供給され、デジタル信号(デジタル値)に変換される。AD変換器166は、デジタル値に変換された各光電変換素子140の電気信号を後述するカセッテ制御部174に順次出力する。
また、電子カセッテ20Aは、装置全体を制御するための制御部170を有する。
制御部170は、前述した電源スイッチ54、ディスプレイ56、入力端子58、USB端子60、カードスロット64、インジケータ66、電源部94及びバイアス電源172に加え、放射線変換パネル116、ゲート駆動回路152及び信号読出回路154等を制御するカセッテ制御部174と、コンソール22との間で無線通信により信号の送受信を行う通信部176とを有する。
電源部94は、電源回路178と電源180とを有する。電源180は、バッテリ又はキャパシタ(例えば、電気二重層キャパシタ)等の蓄電手段である。また、電源回路178は、電源180の電圧を所望の電圧に変換して電子カセッテ20A内の各部に供給可能なDC/DCコンバータ等の電力変換回路である。
カセッテ制御部174は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、図示しないCPUがROMに記録されているプログラムを読み出し実行することで各種機能を実現する。
具体的に、カセッテ制御部174は、画像メモリ182及び記憶部186を有する。画像メモリ182は、放射線変換パネル116から信号読出回路154を介して取得した放射線画像を記憶する。記憶部186は、電子カセッテ20Aを特定するためのカセッテID情報を記憶する。
なお、制御部170中、バイアス電源172、カセッテ制御部174及び通信部176は、前述した回路基板130に搭載される電子部品132によって実現される。
[第1実施形態に係る放射線撮像装置の動作]
次に、第1実施形態に係る電子カセッテ20Aを含む放射線撮像システム10の動作について、図10のフローチャートに従って説明する。なお、この動作説明では、必要に応じて、図1〜図9も参照しながら説明する。
先ず、ステップS1において、ユーザは、病院内の放射線科等の所定の保管場所から撮影台12(図1参照)にまで電子カセッテ20Aを運搬する。この場合、電子カセッテ20Aは、電源部94(図5、図6及び図9参照)がカセッテ制御部174にのみ電力供給を行って、該カセッテ制御部174のみが動作しているスリープ状態である。
次に、ユーザは、照射面36を上方に向けた状態で電子カセッテ20Aを撮影台12に配置した後に、電源スイッチ54を投入する。これにより、先ず、カセッテ制御部174は、該カセッテ制御部174に加え、ディスプレイ56、インジケータ66及び通信部176にも電力供給を行うように電源部94を制御する。この結果、ディスプレイ56は、電子カセッテ20Aの起動を画面表示する。また、インジケータ66は、LED等によって電子カセッテ20Aの起動を示す発光を行う。ユーザは、ディスプレイ56の画面表示又はインジケータ66の発光を視認することにより、電子カセッテ20Aが起動したことを把握することができる。さらに、通信部176は、コンソール22との間での無線による信号の送受信が可能となる。
次に、ユーザは、コンソール22を操作することにより、撮像対象である被写体14に関わる被写体情報等の撮像条件(例えば、放射線源18の管電圧や管電流、放射線16の曝射時間)を含めた撮影オーダを登録する。なお、撮像枚数や撮像部位や撮像方法が予め決まっている場合に、ユーザは、これらの条件も撮影オーダに含めて登録しておく。前述のように、コンソール22と通信部176との間は、無線による信号の送受信が可能であるため、カセッテ制御部174は、通信部176を介して無線通信によりコンソール22に撮影オーダの送信を要求し、コンソール22は、電子カセッテ20Aからの送信要求に応じて、前記撮影オーダを無線通信により電子カセッテ20Aに送信する。通信部176で受信された前記撮影オーダは、記憶部186に記憶される。
次のステップS2において、ユーザ及び電子カセッテ20Aは、撮影準備を行う。
この場合、カセッテ制御部174は、ディスプレイ56、インジケータ66、カセッテ制御部174及び通信部176以外の電子カセッテ20A内の各部にも電力供給を行うように、電源部94を制御する。これにより、電源部94からの電力供給を受けたバイアス電源172は、逆バイアス電圧を各光電変換素子140に印加し、該各光電変換素子140は、電荷蓄積が可能な状態に至る。また、カセッテ制御部174は、ゲート駆動回路152を制御して、全てのTFT142をオフ状態とする。
一方、ユーザは、放射線源18と放射線変換パネル116との間の距離をSID(線源受像画間距離)に調整すると共に、照射面36に被写体14を配置させて、該被写体14の撮像部位が撮像可能領域40に入り、且つ、該撮像部位の中心位置が撮像可能領域40の中心位置と略一致するように、該被写体14のポジショニングを行う。
このようにして撮影準備が完了した後のステップS3において、ユーザがコンソール22又は放射線源18に備わる図示しない曝射スイッチを投入する。コンソール22に曝射スイッチが備わっている場合には、曝射スイッチの投入後、コンソール22から無線通信によって撮像条件が放射線源18に送信される。また、放射線源18に曝射スイッチが備わっている場合には、曝射スイッチの投入後、放射線源18から無線通信によりコンソール22に対して撮像条件の送信が要求され、該コンソール22は、放射線源18からの送信要求に応じて、前記撮像条件を無線通信により放射線源18に送信する。
放射線源18は、撮像条件を受信すると、該撮像条件に従って、所定の線量からなる放射線16を所定の曝射時間だけ被写体14に照射する。放射線16は、被写体14を透過してハウジング本体30内の放射線変換パネル116に至る。この場合、シンチレータ118は、放射線16の強度に応じた強度の可視光を発光し、光電変換層120を構成する各光電変換素子140は、可視光を電気信号に変換し、電荷として蓄積する(ステップS4)。
次のステップS5において、カセッテ制御部174は、ゲート駆動回路152を制御して、ゲート駆動回路152から1本のゲート線146に信号読み出し用の電圧(制御信号)を印加させる。これにより、該ゲート線146にゲート電極Gが接続されている全てのTFT142のゲートが開き、これらのTFT142が接続されている各光電変換素子140に蓄積された電荷(図9のpin型の光電変換素子140では電子)が、電気信号として各信号線144にそれぞれ読み出される。各増幅器160は、読み出された電気信号を増幅し、各サンプルホールド回路162は、増幅後の電気信号をサンプリングし、マルチプレクサ164を介してAD変換器166に順次供給する。AD変換器166は、順次供給された電気信号に対するAD変換を行い、デジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された電気信号に応じた放射線画像は、カセッテ制御部174の画像メモリ182に一旦記憶される(ステップS6)。
このようにして、1本のゲート線146に接続された各光電変換素子140に対する電気信号(に応じた放射線画像)の読み出しの完了後、カセッテ制御部174は、ゲート駆動回路152を制御して、信号読み出し用の電圧を印加するゲート線146を順次切り替え、切り替えたゲート線146に接続された各光電変換素子140に対する電気信号の読み出しを順次行う。従って、電子カセッテ20Aでは、全てのゲート線146に接続された各光電変換素子140からの放射線画像の読み出しが完了するまで、ステップS5及びS6の処理を繰り返し行う。
このようにして、全ての光電変換素子140からの放射線画像の読み出しが完了し、被写体14の放射線画像が画像メモリ182に記憶された後のステップS7において、カセッテ制御部174は、画像メモリ182に記憶された放射線画像をディスプレイ56に表示させると共に、当該放射線画像と、記憶部186に記憶されたカセッテID情報とを共に通信部176を介して無線通信によりコンソール22に送信する。コンソール22は、受信した放射線画像に対して所定の画像処理を行い、画像処理後の放射線画像を無線通信により表示装置24に送信する。表示装置24は、受信した放射線画像を表示する。従って、ユーザは、ディスプレイ56に表示された放射線画像、又は、表示装置24に表示された放射線画像を視認することにより、被写体14に対して撮影オーダに応じた適切な撮像が行われたか否かを容易に判断することができる。
そして、ステップS8において、被写体14に対する撮像が完了した場合(ステップS8:YES)、ユーザは、被写体14を解放して撮像を終了させ(ステップS9)、次に、電源スイッチ54を押して、電子カセッテ20Aをスリープ状態に移行させる。その後、ユーザは、電子カセッテ20Aを所定の保管場所まで運搬する(ステップS10)。
一方、被写体14に対して複数枚の撮像を行う場合であって、全ての撮像が完了していない場合には(ステップS8:NO)、ステップS2又はステップS3に戻り、次の撮像、又は、次の撮像のための撮影準備が行われる。
[第1実施形態に係る放射線撮像装置の効果]
以上説明したように、第1実施形態に係る電子カセッテ20Aによれば、導電性及び防水性を備えた金属でハウジング本体30及び蓋部材32、34を構成するか(図4〜図6参照)、防水性を備えた樹脂内に導電性部材404、406、408を含有させてハウジング本体30及び蓋部材32、34を構成するか(図7参照)、あるいは、防水性を備えた樹脂の外表面を防水性を備える導電性部材410、412、414で被覆してハウジング本体30及び蓋部材32、34を構成する(図8参照)。
また、ハウジング本体30と蓋部材32、34との接続部分(ハウジング本体30の開口部44a、44b側の内壁と蓋部材32、34の挿入部70、82との嵌合部分)では、導電性を有する係合片72、84を介してハウジング本体30(の導電部分)と蓋部材32、34(の導電部分)とが電気的に接続されていると共に、防水部材としてのシール部材400、402によりシールされている。
そのため、電子カセッテ20Aでは、筐体29全体が電磁シールド機能と防水機能とを兼ね備えていることになる。
また、ハウジング本体30の開口部44a、44bを蓋部材32、34で閉塞して筐体29を構成することにより、電子カセッテ20Aの落下や、外部からの衝撃があっても蓋部材32、34のみの破損で済ませることが可能となる。この結果、筐体29の修理時には、蓋部材32、34のみ交換すればよく、電子カセッテ20Aの修理コストを大幅に削減することができる。このように、蓋部材32、34のみの破損で済むため、ハウジング本体30の中空部41(室110)に収容された放射線変換パネル116や、電源部94、フレキシブル基板122、126、駆動用IC124、読出用IC128、回路基板130及び電子部品132等の各種の電子部品を適切に保護することができる。
従って、第1実施形態によれば、電磁シールド機能及び防水機能を兼ね備え、且つ、耐落下性や耐衝撃性も考慮した筐体29を有する電子カセッテ20Aを実現することができる。
また、前述のように、導電性を有する係合片72、84を介してハウジング本体30(の導電部分)と蓋部材32、34(の導電部分)とが電気的に接続されているので、筐体29全体に対して電磁シールドを一体的に施すことができ、この結果、電子カセッテ20Aの電磁シールド機能のさらなる向上を図ることができる。
さらに、上述のように、筐体29がモノコック構造であるため、装置全体の軽量化を実現できると共に、外部からの応力(例えば、筐体29の落下、被写体14からの荷重、外部からの衝撃)を筐体29全体として受けることができるので、該筐体29の機械的強度(耐落下性、耐荷重性、耐衝撃性)を向上させることができる。
さらにまた、ハウジング本体30には、2つの開口部44a、44bが形成されているので、どちらの開口部44a、44bからも室110内の放射線変換パネル116及び各種の電子部品の出し入れが可能となり、これらの構成要素の交換作業等を容易に行うことができる。
また、筐体29は、落下や外部からの衝撃に対して蓋部材32、34のみの損傷で済むような構造であるため、筐体29の上面である照射面36と底面46との損傷を回避することができる。
[第1実施形態に係る放射線撮像装置の変形例の説明]
次に、第1実施形態に係る電子カセッテ20Aの変形例について、図11〜図17を参照しながら説明する。
図11は、PSS方式の放射線変換パネル116を収容した場合を示す断面図であり、この場合であっても、上述したISS方式の放射線変換パネル116と同様の効果が得られることは勿論である。
図12は、断面逆U字状の上側ケース30aと、該上側ケース30aを支持する断面U字状の下側ケース30bと、上側ケース30aの上面に形成された凹部に装着された上板30cとからハウジング本体30が構成されている。上側ケース30a及び下側ケース30bは、放射線16を透過可能で且つ導電性及び防水性を備えた金属からなり、上板30cは、放射線16を透過可能で且つ防水性を備えた樹脂からなる。
また、上側ケース30aと下側ケース30bとの接触部分(接続部分)には、前述したシール部材400、402と同じ材質のシール部材420が配設されている。さらに、上側ケース30aの側部の内壁には、係合片72、84と同じ材質の2つの係合片(第1導電部材)422が下方に向かうように配設され、2つの係合片72の外側面には係合凸部424が形成されている。さらにまた、下側ケース30bの側部の内壁には、係合凸部424に係合可能な係合凹部426が形成されている。そして、図12の場合には、筐体本体部としての下側ケース30bに対し、蓋部としての上側ケース30a及び上板30cが連結されることにより、ハウジング本体30(を含む筐体29)が構成される。
すなわち、上板30cが装着された上側ケース30aをz1方向に進行させて、2つの係合片422の係合凸部424と係合凹部426とをそれぞれ係合させると、上側ケース30aと下側ケース30bとが一体化され、ハウジング本体30内に中空部41(室110)を形成することができる。また、2つの係合片422の係合凸部424と係合凹部426とがそれぞれ係合することにより、上側ケース30aと下側ケース30bとが2つの係合片422を介して電気的に接続される。さらに、防水部材としてのシール部材420によって上側ケース30aと下側ケース30bとの接続部分がシールされ、外部から該接続部分の隙間を介した中空部41への水分等の浸入を阻止することができる。
さらにまた、上板30cが照射面36を形成するため、被写体14が接触する可能性のある照射面36に汚れや傷がついた場合には、該上板30cのみ交換すればよいので、修理コストを抑制しつつ、筐体29を清潔にした状態で被写体14に対する撮像を行うことができる。なお、上板30cが装着された上側ケース30aに汚れや傷がついた場合には、該上側ケース30aのみ交換し、上板30cや下側ケース30bは、そのまま利用できることは勿論である。
図13は、上板30cが存在せず、上側ケース30aの上面が略面一となっている場合を図示したものである。従って、図13の場合には、上側ケース30aのみが蓋部として機能する。図13でも、照射面36に汚れや傷がついた場合には、上側ケース30aのみ交換すればよいため、この場合でも、修理コストを抑制できると共に、筐体29を清潔にした状態で被写体14に対する撮像を行うことができる。
図14は、上側ケース30aの側部が底面46近傍まで延在すると共に、該上側ケース30aと同じ材質の底板30dにより上側ケース30aを支持する場合を図示したものである。従って、シール部材420は、上側ケース30aと底板30dとの接触部分に配設されている。また、底板30dには、係合片72、84、422と同じ材質の2つの係合片(第1導電部材)430が上方に向かうように配設され、2つの係合片430の外側面には係合凸部432が形成されている。さらに、上側ケース30aの側部の内壁には、係合凸部432に係合可能な係合凹部434が形成されている。
従って、この場合でも、上側ケース30aをz1方向に進行させて、2つの係合片430の係合凸部432と係合凹部434とをそれぞれ係合させると、上側ケース30aと底板30dとが一体化され、ハウジング本体30内に中空部41(室110)を形成することができる。また、2つの係合片430の係合凸部432と係合凹部434とがそれぞれ係合することにより、上側ケース30aと底板30dとが2つの係合片430を介して電気的に接続される。さらに、シール部材420によって上側ケース30aと底板30dとの接続部分がシールされることにより、外部から該接続部分の隙間を介した中空部41への水分等の浸入を阻止することができる。
図14においては、撮影台12上で筐体29の底面46を摺動させることにより、該底面46に汚れや傷がついた場合に、底板30dのみ交換すればよいため、この場合でも、修理コストを抑制できると共に、筐体29を清潔にした状態で被写体14に対する撮像を行うことができる。
図15は、下側ケース30bの側部が照射面36近傍まで延在すると共に、該下側ケース30bと同じ材質の上板(天板)30eが下側ケース30bによって支持されている場合を図示したものである。従って、シール部材420は、上板30eと下側ケース30bとの接触部分に配設されている。また、上板30eには、係合片422が下方に向かうように配設され、下側ケース30bの側部の内壁には、係合凸部424に係合可能な係合凹部426が形成されている。
従って、この場合でも、上板30eをz1方向に進行させて、2つの係合片422の係合凸部424と係合凹部426とをそれぞれ係合させると、上板30eと下側ケース30bとが一体化され、ハウジング本体30内に中空部41(室110)を形成することができる。また、2つの係合片422の係合凸部424と係合凹部426とがそれぞれ係合することにより、上板30eと下側ケース30bとが2つの係合片422を介して電気的に接続される。さらに、シール部材420によって上板30eと下側ケース30bとの接続部分がシールされることにより、外部から該接続部分の隙間を介した中空部41(室110)への水分等の浸入を阻止することができる。
図15の構成では、照射面36を形成する上板30eに汚れや傷がついた場合には、上板30eのみ交換すればよいため、図12及び図13の構成と同様の効果が得られる。
図16は、下側ケース30bに対して上側ケース30aを被せることによりハウジング本体30が構成される場合を図示したものである。従って、上側ケース30aの側部の内側に下側ケース30bの側部が配置されることになる。この場合、上側ケース30aの側部と下側ケース30bの側部との隙間には、シール部材400、402、420と同じ材質のシール部材440が介挿されている。また、上側ケース30aの天板部分(照射面36を構成する上板部分)には、係合片422が下方に向かうように配設され、下側ケース30bの側部の内壁には、係合凹部426が形成されている。
図16の場合、下側ケース30bに対して上側ケース30aを被せるように該上側ケース30aをz1方向に進行させると、2つの係合片422の係合凸部424と係合凹部426とがそれぞれ係合されて、上側ケース30aと下側ケース30bとが一体化され、ハウジング本体30内に中空部41(室110)を形成することができる。また、2つの係合片422の係合凸部424と係合凹部426とがそれぞれ係合することにより、上側ケース30aと下側ケース30bとが2つの係合片422を介して電気的に接続される。さらに、シール部材440によって、上側ケース30aの側部と下側ケース30bの側部との隙間部分や、上側ケース30aと下側ケース30bとの接続部分がシールされるので、外部からこれらの部分を介した中空部41(室110)への水分等の浸入を阻止することができる。さらにまた、図16の構成においても、照射面36を形成する上側ケース30aに汚れや傷がついた場合には、上側ケース30aのみ交換すればよいことは勿論である。
図17は、下側ケース30bに対して上側ケース30aを被せてハウジング本体30を構成したときに、上側ケース30aの天板部分及び側部と、下側ケース30bの側部と、係合片422との間に形成される空間にシール部材420が介挿されている点で、図16の場合とは異なる。この場合でも、前記空間がシールされることにより、外部から該空間を介した中空部41(室110)への水分等の浸入を阻止することができるので、図16の構成と同様の効果が得られる。
図18は、筐体29の側面43がy1方向に向かって円弧状に膨出すると共に、側面45がy2方向に向かって円弧状に膨出している点で、図1〜図17の場合とは異なる。この場合、開口部44a、44b及び中空部41(室110)は、y方向に沿って長円状となる。
筐体29の側面43、45を円弧状に膨出する形状とすることで、筐体29が丸みを帯びた形状となるため、各蓋部材32、34とハウジング本体30との接続部分にシール部材400、402を配置しやすくなる。また、2つの側面43、45を円孤状とすることで、筐体29の製造が容易になると共に、機械的強度が増加する。また、側面43、45の形状をy方向にテーパ状に膨出する形状としてもよい。この場合でも、筐体29の製造が容易になると共に、機械的強度が増加する。
図19A〜図20Bは、代表的に、外部からの衝撃を吸収する緩衝部材442、444、446を蓋部材34に設けた場合を図示したものであるが、蓋部材32も同様に設けることが可能であることは勿論である。
図19Aは、蓋部材34の側面全体をゴム、ゲル、スポンジ等の緩衝部材442で被覆した場合を図示したものであり、図19Bは、蓋部材34の角部に緩衝部材442と同じ材質の緩衝部材444を設けた場合を図示したものである。また、図20Aは、防水性を有するゴムやゲル等の緩衝部材446を挿入部82の側面に設けた場合を図示したものであり、該緩衝部材446は、前述したシール部材402を含み構成されている。さらに、図20Bは、緩衝部材444と緩衝部材446とを蓋部材34に設けた場合を図示したものである。
いずれの場合においても、電子カセッテ20Aの落下や外部からの衝撃に対して、ハウジング本体30に収容された放射線変換パネル116及び各種の電子部品を適切に保護することができる。
また、図20A及び図20Bの場合には、シール部材402の機能も有する緩衝部材446を用いているので、電子カセッテ20Aを落下させたり、又は、外部から筐体29に衝撃が加わることにより蓋部材34が損傷した場合でも、ハウジング本体30に収容された放射線変換パネル116及び各種の電子部品を適切に保護することができる。また、ハウジング本体30そのものが損傷した場合でも、緩衝部材446による衝撃吸収機能により、放射線変換パネル116及び各種の電子部品を適切に保護することができる。
なお、図1〜図20Bにおいて、ハウジング本体30と蓋部材32、34との電気的な接続は、導電性の板状部材(板バネ)である係合片72、84、422、430により行われているが、第1実施形態は、これらの説明に限定されるものではなく、ハウジング本体30と蓋部材32、34とを電気的に接続できるものであれば、いかなる構成であってもよい。例えば、ハウジング本体30と蓋部材32、34との接続部分に金属網や金属箔を介挿させてもよい。
また、図21に示すように、ゴム又は樹脂からなるシール部材400、402に代えて、導電性と防水性とを兼ね備えた導電性ゴムやメタルシール等のシール部材(第2防水部材、第2導電部材)450、452を配設してもよい。これにより、蓋部材32、34の挿入部70、82とハウジング本体30の内壁の開口部44a、44b側とを嵌合させれば、前記内壁と挿入部70、82との接続部分がシールされ、外部からの中空部41への水分の浸入が阻止されると共に、シール部材450、452を介してハウジング本体30と蓋部材32、34とが電気的に接続される。なお、図21の場合、係合片72、84は、樹脂からなる板状部材であればよい。但し、蓋部材32、34とハウジング本体30とが強固に嵌合していれば、係合片72、84は不要である。
このように、図21の場合には、導電性と防水性とを兼ね備えたシール部材450、452を用いることにより、電子カセッテ20Aの部品点数やコストを削減することができる。
また、上述したシール部材400、402、420、440、450、452は、防水機能を有しているが、緩衝材として機能させてもよいことは勿論である。さらに、上述した係合片72、84、422、430は、導電性を有する板バネであるが、緩衝材として機能させてもよい。この場合でも、筐体29を落下させたり、又は、外部から筐体29に衝撃が加わっても、ハウジング本体30に収容された放射線変換パネル116及び各種の電子部品を適切に保護することができる。また、ハウジング本体30が損傷した場合でも、緩衝材による衝撃吸収機能により、放射線変換パネル116及び各種の電子部品を適切に保護することができる。
[第2実施形態に係る放射線撮像装置の説明]
次に、第2実施形態に係る電子カセッテ20Bについて図22及び図23を参照しながら説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素については、同じ参照符号を付けて、その詳細な説明を省略し、以下同様とする。
第2実施形態に係る電子カセッテ20Bでは、筐体29におけるx2方向側が薄板状の蓋部材32とされ、x1方向側がユーザが把持可能な把持部206とされている。従って、ユーザは、把持部206の取っ手208を把持した状態で電子カセッテ20Bを運搬することが可能である。
また、図23に示すように、蓋部材32には、図1〜図20Bの係合片72、84、422、430と同じ材質の2つの係合片462が配設され、ハウジング本体30の開口部44a側の内壁には、図示しないヒンジ部材を中心として蓋部材32を開口部44a側に回動させたときに、係合片462の係合凸部464と係合可能な2つの係合凹部466が形成されている。さらに、側面42aには、開口部44aを囲繞するように、図1〜図20Bのシール部材400、402、420、440と同じ材質のシール部材460が配設されている。
従って、前記ヒンジ部材を中心として蓋部材32を開口部44a側に回動させると、係合凸部464と係合凹部466とが係合して蓋部材32により開口部44aが閉塞され、筐体29が構成される。
この場合でも、2つの係合片462を介してハウジング本体30と蓋部材32とが電気的に接続される。また、シール部材460により側面42aと蓋部材32との隙間がシールされ、外部から該隙間を介した中空部41への水分の浸入を阻止することができる。そのため、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2実施形態では、蓋部材32を下にした状態で取っ手208を把持して電子カセッテ20Bを運搬するので、運搬中に筐体29を落下させても、蓋部材32のみの損傷で済ませることができる。
なお、第2実施形態においても、シール部材460を図21のシール部材450に代替すれば、図21と同様の効果が得られる。また、シール部材460及び/又は係合片462を緩衝材として機能させてもよい。
[第3実施形態に係る放射線撮像装置の説明]
次に、第3実施形態に係る電子カセッテ20Cについて図24及び図25を参照しながら説明する。
第3実施形態に係る電子カセッテ20Cは、筐体29の厚みが全体的に薄く、ハウジング本体30の側面42aが湾曲面となっていると共に、該湾曲面に合わせて、蓋部材32も湾曲形状となっている。この場合、側面42aの中央部は、x1方向に向かって凹み、蓋部材32の中央部は、側面42aの凹部に対応してx1方向に膨出した凸部となっている。この凸部に取っ手220が設けられている。
一方、ハウジング本体30のx1方向の2つの角部226(側面42bと側面42c、42dとを連結する2つの角部)は、ハウジング本体30の中心に向かって凹んでおり、この凹部にはL字状の緩衝部材222が嵌合している。
なお、電子カセッテ20Cは、筐体29が薄厚であるため、ディスプレイ56は、照射面36における撮像可能領域40外に配置され、電源スイッチ54、入力端子58、USB端子60及びカードスロット64は、側面42dに配置されている。
そして、第3実施形態では、湾曲状で且つ薄厚の開口部44aを埋めるようにシール部材470が蓋部材32に配設されている。また、蓋部材32には、図1〜図20Bの係合片72、84、422、430や、図23の係合片462と同じ材質の2つの係合片472が配設され、ハウジング本体30の開口部44a側の内壁には、係合片472の係合凸部474と係合可能な2つの係合凹部476が形成されている。
従って、蓋部材32と開口部44aとを嵌合させると、係合凸部474と係合凹部476とが係合して蓋部材32により開口部44aが閉塞され、筐体29が構成される。そのため、この場合でも、2つの係合片472を介してハウジング本体30と蓋部材32とが電気的に接続される。また、シール部材470により側面42aと蓋部材32との隙間がシールされることにより、外部から該隙間を介した中空部41への水分の浸入を阻止することができる。そのため、第3実施形態においても、第1及び第2実施形態と同様の効果が得られる。
また、第3実施形態では、蓋部材32に取っ手220が設けられているので、蓋部材32を上にした状態で取っ手220を把持して電子カセッテ20Cを運搬することになるが、この場合でも、電子カセッテ20Cを容易に運搬することができる。
なお、第3実施形態においても、シール部材470を図21のシール部材450に代替すれば、図21と同様の効果が得られる。また、シール部材470及び/又は係合片472を緩衝材として機能させてもよい。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。