JP2013208355A - 医療機器及び医療機器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平線等の非円形断面のワイヤからなるワイヤコイルを有する医療機器のワイヤコイルと樹脂層との界面における剥離を抑制する。
【解決手段】医療機器(例えばカテーテル10)は、長尺で可撓性を有し体腔内に挿入される医療機器本体300を有している。医療機器本体300は、長尺な樹脂管(シース16)と、横断面形状が非円形のワイヤ52を螺旋状に巻回することにより構成され樹脂管と同軸に樹脂管に埋設されているワイヤコイル50と、を有している。ワイヤ52の縦断面において、ワイヤ52の厚みをT、医療機器本体300の軸心からワイヤの外側表面52aまでの最大高低差をHとすると、H/Tの値が、医療機器本体300の長手方向における位置により異なる。
【選択図】図1
【解決手段】医療機器(例えばカテーテル10)は、長尺で可撓性を有し体腔内に挿入される医療機器本体300を有している。医療機器本体300は、長尺な樹脂管(シース16)と、横断面形状が非円形のワイヤ52を螺旋状に巻回することにより構成され樹脂管と同軸に樹脂管に埋設されているワイヤコイル50と、を有している。ワイヤ52の縦断面において、ワイヤ52の厚みをT、医療機器本体300の軸心からワイヤの外側表面52aまでの最大高低差をHとすると、H/Tの値が、医療機器本体300の長手方向における位置により異なる。
【選択図】図1
Description
本発明は、医療機器及び医療機器の製造方法に関する。
一般にカテーテルは耐キンク性に乏しい。カテーテルを体腔内に挿通してガイドワイヤに沿って屈曲させた後にガイドワイヤをカテーテルから引き抜いたときに、カテーテルの内腔(メインルーメン)が潰れてしまうことが問題となる。そのため、樹脂製の内側チューブの外周にワイヤコイルを配置して耐キンク性を向上したカテーテルが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1記載のカテーテルは、リボン状のワイヤ(いわゆる、平線)を巻回してなるワイヤコイルを内側の樹脂層(同文献の内側チューブ)の外周に備えている。特許文献1記載のカテーテルのワイヤコイルは、ワイヤの平坦面が内側の樹脂層の外周面に平行に当接するようにして巻回されている。内側の樹脂層の周囲には外側の樹脂層(同文献の外側チューブ)が積層されており、ワイヤコイルは外側の樹脂層に覆われている。ワイヤコイルを備えるカテーテルは、良好な屈曲性を維持しつつ、ワイヤコイルの保形性により耐キンク性が向上する。また、ワイヤとして平線を用いることにより、丸線を用いる場合に比べてワイヤコイルの薄型化が期待でき、その結果、内腔の断面積を十分に確保することが期待できる。このようなカテーテルは、たとえば、腎臓動脈のような多方向に屈曲した血管の手術にも好適に用いることができる。
ここで、体腔内に挿入されたカテーテルを引き抜く際にはカテーテルに抵抗力が作用する。この抵抗力は、内側の樹脂層とワイヤコイルとの層間の界面、及び、外側の樹脂層とワイヤコイルとの層間の界面に加わる。
上記のように、特許文献1記載のカテーテルのワイヤコイルは、ワイヤの平坦面が内側の樹脂層の外周面に平行に当接するようにして巻回されているため、ワイヤの内周面及び外周面がカテーテルの軸心に対して平行となっている。このため、カテーテルの引き抜きの際の抵抗力により、ワイヤコイルと内側の樹脂層との界面剥離、及び、ワイヤコイルと外側の樹脂層との界面剥離が発生する可能性がある。
このように、平線からなるワイヤコイルを有するカテーテルにおいて、層間の優れた密着性を確保することは困難であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、平線等の非円形断面のワイヤからなるワイヤコイルを有し、且つ、ワイヤコイルと樹脂層との界面における剥離を抑制することが可能な医療機器及び医療機器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、長尺で可撓性を有し、体腔内に挿入される医療機器本体を有し、
前記医療機器本体は、
長尺な樹脂管と、
横断面形状が非円形のワイヤを螺旋状に巻回することにより構成され、前記樹脂管と同軸に前記樹脂管に埋設されているワイヤコイルと、
を有し、
前記ワイヤの縦断面において、前記ワイヤの厚みをT、前記医療機器本体の軸心から前記ワイヤの外側表面までの最大高低差をHとすると、H/Tの値が、前記医療機器本体の長手方向における位置により異なることを特徴とする医療機器を提供する。
前記医療機器本体は、
長尺な樹脂管と、
横断面形状が非円形のワイヤを螺旋状に巻回することにより構成され、前記樹脂管と同軸に前記樹脂管に埋設されているワイヤコイルと、
を有し、
前記ワイヤの縦断面において、前記ワイヤの厚みをT、前記医療機器本体の軸心から前記ワイヤの外側表面までの最大高低差をHとすると、H/Tの値が、前記医療機器本体の長手方向における位置により異なることを特徴とする医療機器を提供する。
この医療機器によれば、H/Tの値が、医療機器本体の長手方向における位置により異なる。ここで、H/Tの値が大きいほど、ワイヤの単位厚み当たりの、樹脂管に対するワイヤのアンカー効果が大きい。よって、医療機器本体の長手方向において、部分的に樹脂管に対するワイヤのアンカー効果を大きくしたい位置にて、H/Tの値を大きくすることにより、ワイヤコイルと樹脂管(つまり樹脂層)との界面における剥離を抑制することができる。
また、本発明は、長尺で可撓性を有し、体腔内に挿入される医療機器本体を作成する工程を有し、
前記医療機器本体を作成する工程は、
長尺な内側樹脂管を形成する工程と、
横断面形状が非円形のワイヤを螺旋状に巻回することによりワイヤコイルを形成する工程と、
前記内側樹脂管の周囲に、前記ワイヤコイルを配置する工程と、
前記ワイヤコイルの周囲に長尺な外側樹脂管を形成し、前記外側樹脂管と前記内側樹脂管とを含む樹脂管に前記ワイヤコイルを埋設する工程と、
を有し、
前記ワイヤの縦断面において、前記ワイヤの厚みをT、前記医療機器本体の軸心から前記ワイヤの外側表面までの最大高低差をHとすると、
前記ワイヤコイルを形成する工程では、H/Tの値が、前記医療機器本体の長手方向における位置により異なるように、前記ワイヤコイルを形成することを特徴とする医療機器の製造方法を提供する。
前記医療機器本体を作成する工程は、
長尺な内側樹脂管を形成する工程と、
横断面形状が非円形のワイヤを螺旋状に巻回することによりワイヤコイルを形成する工程と、
前記内側樹脂管の周囲に、前記ワイヤコイルを配置する工程と、
前記ワイヤコイルの周囲に長尺な外側樹脂管を形成し、前記外側樹脂管と前記内側樹脂管とを含む樹脂管に前記ワイヤコイルを埋設する工程と、
を有し、
前記ワイヤの縦断面において、前記ワイヤの厚みをT、前記医療機器本体の軸心から前記ワイヤの外側表面までの最大高低差をHとすると、
前記ワイヤコイルを形成する工程では、H/Tの値が、前記医療機器本体の長手方向における位置により異なるように、前記ワイヤコイルを形成することを特徴とする医療機器の製造方法を提供する。
本発明によれば、平線等の非円形断面のワイヤからなるワイヤコイルを有する医療機器のワイヤコイルと樹脂層との界面における剥離を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
本明細書では、「医療機器の縦断面」とは、医療機器(各実施形態ではカテーテル)を、その中心軸を通って長手方向に平行に切断した断面をいう。「医療機器の横断面」とは、医療機器を径方向に平行に切断した断面をいう。カテーテルの一部材である医療機器本体、ワイヤコイル、内層等の縦断面に関しても同様である。また、「コイル状のワイヤ」の「縦断面における断面形状」とは、ワイヤをコイル状に巻回した状態での、医療機器の縦断面におけるワイヤの断面形状をいう。
これに対して、「横断面形状が非円形」のワイヤの横断面形状とは、コイル状とする前の、長尺なワイヤを、当該ワイヤの幅方向(ワイヤの延在方向に対する直交方向)に切断したときの断面形状をいう。
これに対して、「横断面形状が非円形」のワイヤの横断面形状とは、コイル状とする前の、長尺なワイヤを、当該ワイヤの幅方向(ワイヤの延在方向に対する直交方向)に切断したときの断面形状をいう。
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る医療機器の好適な一例としてのカテーテル10の医療機器本体300の模式的な縦断面図である。このうち図1(a)は先端部(遠位端部15)を示し、図1(b)は遠位端部15の基端側に隣接する中間部18を示す。図1の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
図2はワイヤ52の断面形状及び姿勢(傾斜または非傾斜)の例を示す模式図であり、このうち図2(a)は遠位端部15での断面形状及び姿勢を、図2(b)は中間部18での断面形状及び姿勢を、それぞれ示す。
図3は図1のA−A断面図である。なお、図3においては、ワイヤコイル50の図示を省略している。
図4はカテーテルの模式的な平面図である。このうち図4(a)は医療機器本体300の先端部の屈曲操作を行っていない状態を示し、図4(b)は医療機器本体300の先端部を一方向に屈曲させる操作を行っている状態を示し、図4(c)は医療機器本体300の先端部を反対方向に屈曲させる操作を行っている状態を示す。
図1は第1の実施形態に係る医療機器の好適な一例としてのカテーテル10の医療機器本体300の模式的な縦断面図である。このうち図1(a)は先端部(遠位端部15)を示し、図1(b)は遠位端部15の基端側に隣接する中間部18を示す。図1の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
図2はワイヤ52の断面形状及び姿勢(傾斜または非傾斜)の例を示す模式図であり、このうち図2(a)は遠位端部15での断面形状及び姿勢を、図2(b)は中間部18での断面形状及び姿勢を、それぞれ示す。
図3は図1のA−A断面図である。なお、図3においては、ワイヤコイル50の図示を省略している。
図4はカテーテルの模式的な平面図である。このうち図4(a)は医療機器本体300の先端部の屈曲操作を行っていない状態を示し、図4(b)は医療機器本体300の先端部を一方向に屈曲させる操作を行っている状態を示し、図4(c)は医療機器本体300の先端部を反対方向に屈曲させる操作を行っている状態を示す。
本実施形態に係る医療機器(例えばカテーテル10)は、長尺で可撓性を有し体腔内に挿入される医療機器本体300を有している。医療機器本体300は、長尺な樹脂管(シース16)と、横断面形状が非円形のワイヤ52を螺旋状に巻回することにより構成され樹脂管と同軸に樹脂管に埋設されているワイヤコイル50と、を有している。ワイヤ52の縦断面において、ワイヤ52の厚みをT、医療機器本体300の軸心からワイヤの外側表面52aまでの最大高低差をHとすると、H/Tの値が、医療機器本体300の長手方向における位置により異なる。
以下、詳細に説明する。
以下、詳細に説明する。
図4に示すように、カテーテル10は、医療機器本体300と、医療機器本体300の先端部の屈曲操作を行うための操作機構と、を有している。
操作機構は、操作線40(図1、図3)と、この操作線40を牽引する操作を行うための操作部70と、を有している。操作線40は、医療機器本体300の長手方向に沿って該医療機器本体300に埋設されている。操作部70は、医療機器本体300の基端部に設けられている。操作部70には、操作線40の基端部が連結されており、操作部70に対して操作を行うことによって、医療機器本体300の先端部を屈曲させることができるようになっている。
カテーテル10の本体としての医療機器本体300は、長尺で可撓性を有しており、体腔内に挿入して用いられる。
カテーテル10は、血管内に挿通させて用いられる血管内カテーテルであることが好適な一例である。より具体的には、カテーテル10の医療機器本体300は、当該医療機器本体300を肝臓の8つの亜区域の何れにも進入させることが可能な寸法に形成されていることが好適な一例である。
なお、本明細書では、カテーテル10(並びに医療機器本体300)の遠位端(先端)DEを含む所定の長さ領域のことを、カテーテル10(並びに医療機器本体300)の遠位端部15という。同様に、カテーテル10(並びに医療機器本体300)の近位端(基端)(不図示)を含む所定の長さ領域のことを、カテーテル10(並びに医療機器本体300)の近位端部(基端部)17(図4)という。また、カテーテル10(並びに医療機器本体300)の長手方向において、遠位端部15の基端側に隣接する所定の長さ領域のことを、中間部18という。中間部18は、近位端部17よりも先端側に位置する。
図1及び図3に示すように、医療機器本体300の内部には、メインルーメン20と、サブルーメン30とが形成されている。メインルーメン20及びサブルーメン30は、医療機器本体300の(カテーテル10の)長手方向(図1における左右方向)に沿って延在している。メインルーメン20は、例えば、医療機器本体300の横断面(長手方向に直交する断面)における中央に配置され、サブルーメン30は、メインルーメン20の周囲に配置されている。より具体的には、例えば、横断面において、サブルーメン30どうしは、メインルーメン20の中心を基準として、回転対称位置に配置されている。
カテーテル10は、例えば、複数個のサブルーメン30を有している。各サブルーメン30は、メインルーメン20よりも小径である。
サブルーメン30どうし、並びに、メインルーメン20とサブルーメン30とは、互いに離間して個別に配置されている。複数のサブルーメン30は、例えば、メインルーメン20の周囲に分散して配置されている。図1及び図3の例では、サブルーメン30の数は2つであり、サブルーメン30は、メインルーメン20の周囲に180度間隔で配置されている。
これらサブルーメン30の内部には、それぞれ操作線40が挿通されている。すなわち、カテーテル10は、例えば、2本の操作線40を有する。
操作線40は、サブルーメン30の周壁に対して摺動することにより、サブルーメン30に対して相対的に、サブルーメン30の長手方向へ移動可能となっている。すなわち、操作線40は、サブルーメン30の長手方向に摺動可能となっている。
操作線40は、単一の線材により構成されていても良いが、複数本の細線を互いに撚りあわせることにより構成された撚り線であっても良い。
一本の撚り線を構成する細線の本数は特に限定されないが、3本以上であることが好ましい。細線の本数の好適な例は、3本又は7本である。
操作線40を構成する細線の本数が3本の場合、横断面において3本の細線が点対称に配置される。操作線40を構成する細線の本数が7本の場合、横断面において7本の細線が点対称にハニカム状に配置される。
操作線40の外形寸法(撚り線の外接円の直径)は、例えば、25〜55μmとすることができる。
一本の撚り線を構成する細線の本数は特に限定されないが、3本以上であることが好ましい。細線の本数の好適な例は、3本又は7本である。
操作線40を構成する細線の本数が3本の場合、横断面において3本の細線が点対称に配置される。操作線40を構成する細線の本数が7本の場合、横断面において7本の細線が点対称にハニカム状に配置される。
操作線40の外形寸法(撚り線の外接円の直径)は、例えば、25〜55μmとすることができる。
操作線40を構成する線材(或いは撚り線を構成する細線)の材料としては、低炭素鋼(ピアノ線)、ステンレス鋼(SUS)、チタンもしくはチタン合金などの可撓性の金属線のほか、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)もしくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ボロン繊維などの高分子ファイバーを用いることができる。
ここで、サブルーメン30の構造としては、例えば、以下の2通りの構造を例示することができる。
1つ目の構造では、図1及び図3に示すように、予め形成された中空管32を医療機器本体300の長手方向に沿って外層60(後述)内に埋設し、その中空管32の内腔をサブルーメン30とする。すなわち、これらの例では、サブルーメン30は、医療機器本体300内に埋設された中空管32の内腔により構成されている。
中空管32は、例えば、熱可塑性樹脂により構成することができる。その熱可塑性樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの低摩擦樹脂が挙げられる。
2つ目の構造では、外層60(後述)内に、医療機器本体300の長手方向に沿う長尺な中空を形成することによって、サブルーメン30を形成する。
医療機器本体300は、例えば、内層21と、内層21の周囲に積層して形成された外層60と、外層60の周囲に形成されたコート層64と、を含んで構成されたシース16を有する。
シース16は、例えば、樹脂材料からなる。すなわち、シース16は、それぞれ樹脂材料からなる外層60及び内層21を含んで構成されている。換言すれば、シース16は、外層60及び内層21を含む中空の樹脂層すなわち樹脂管である。
この樹脂管は、ワイヤコイル50(後述)と同軸に配置されてワイヤコイル50を被覆している。ワイヤコイル50には、この樹脂管が被着されている。
シース16は、例えば、樹脂材料からなる。すなわち、シース16は、それぞれ樹脂材料からなる外層60及び内層21を含んで構成されている。換言すれば、シース16は、外層60及び内層21を含む中空の樹脂層すなわち樹脂管である。
この樹脂管は、ワイヤコイル50(後述)と同軸に配置されてワイヤコイル50を被覆している。ワイヤコイル50には、この樹脂管が被着されている。
内層21は管状の樹脂材料からなる。内層21の中心には、メインルーメン20が形成されている。
外層60は、内層21と同種または異種の樹脂材料からなる。サブルーメン30は、外層60の内部に形成されている。
内層21の材料は、例えば、フッ素系の熱可塑性ポリマー材料であることが挙げられる。このフッ素系の熱可塑性ポリマー材料は、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、或いはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)である。
内層21をこのようなフッ素系樹脂により構成することによって、メインルーメン20を通じて造影剤や薬液などを患部に供給する際のデリバリー性が良好となる。
内層21をこのようなフッ素系樹脂により構成することによって、メインルーメン20を通じて造影剤や薬液などを患部に供給する際のデリバリー性が良好となる。
外層60の材料は、例えば、熱可塑性ポリマーであることが挙げられる。この熱可塑性ポリマーとしては、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ナイロンエラストマー、ポリウレタン(PU)、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリプロピレン(PP)を挙げることができる。
シース16を構成する樹脂材料は、無機フィラーを含有していても良い。例えば、シース16の肉厚の大部分を占める外層60を構成する樹脂材料として、無機フィラーを含有するものを用いることができる。
この無機フィラーは、例えば、硫酸バリウム、或いは次炭酸ビスマスであることが挙げられる。このような無機フィラーを外層60に混入することにより、X線造影性が向上する。
コート層64は、医療機器本体300の最外層を構成するものであり、親水性の材料からなる。なお、コート層64は、医療機器本体300の遠位端部15の一部長さに亘る領域にのみ形成されていても良いし、医療機器本体300の全長に亘って形成されていても良い。
コート層64は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドンなどの親水性の樹脂材料で成形することによって、親水性となっている。なお、コート層64は、外層60の外表面に潤滑処理を施して少なくとも外層60の外表面を親水性とすることによって形成されていても良い。
コート層64は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドンなどの親水性の樹脂材料で成形することによって、親水性となっている。なお、コート層64は、外層60の外表面に潤滑処理を施して少なくとも外層60の外表面を親水性とすることによって形成されていても良い。
カテーテル10は、内層21の周囲に巻回されたワイヤコイル50を更に有している。ワイヤコイル50は、例えば、弾性体により構成された単数又は複数のワイヤ(線材)52を螺旋状に巻回することにより構成されている。ワイヤコイル50を構成するワイヤ52の材料としては、例えば、金属を用いることが好ましい一例であるが、この例に限らず、内層21及び外層60よりも高剛性で弾性を有する材質であれば、その他の材質(例えば樹脂等)を用いても良い。具体的には、ワイヤ52の金属材料として、例えば、ステンレススチール(SUS)、ニッケルチタン系合金、鋼、チタン或いは銅合金を用いることができる。ワイヤ52の断面形状の例については後述する。
ワイヤコイル50は、外層60に内包されている。
本実施形態においては、サブルーメン30は、外層60の内部において、ワイヤコイル50の外側に形成されている。
ワイヤコイル50は、外層60に内包されている。
本実施形態においては、サブルーメン30は、外層60の内部において、ワイヤコイル50の外側に形成されている。
ここで、本実施形態のカテーテル10の各構成要素の代表的な寸法について説明する。
メインルーメン20の半径は200〜300μm程度、内層21の厚さは10〜30μm程度、外層60の厚さは50〜150μm程度、ワイヤコイル50の外径は直径500〜860μm、ワイヤコイル50の内径は直径420〜660μmとすることができる。
医療機器本体300の軸心からサブルーメン30の中心までの半径(距離)は300〜450μm程度、サブルーメン30の内径(直径)は40〜100μmとする。そして、操作線40の太さは30〜60μm程度とする。
医療機器本体300の最外径(半径)は350〜490μm程度、すなわち外径が直径1mm未満である。これにより、本実施形態の医療機器本体300は腹腔動脈などの血管に挿通可能である。
メインルーメン20の半径は200〜300μm程度、内層21の厚さは10〜30μm程度、外層60の厚さは50〜150μm程度、ワイヤコイル50の外径は直径500〜860μm、ワイヤコイル50の内径は直径420〜660μmとすることができる。
医療機器本体300の軸心からサブルーメン30の中心までの半径(距離)は300〜450μm程度、サブルーメン30の内径(直径)は40〜100μmとする。そして、操作線40の太さは30〜60μm程度とする。
医療機器本体300の最外径(半径)は350〜490μm程度、すなわち外径が直径1mm未満である。これにより、本実施形態の医療機器本体300は腹腔動脈などの血管に挿通可能である。
医療機器本体300の遠位端部15には、X線等の放射線が不透過な材料からなるリング状のマーカー66が設けられている。具体的には、マーカー66は白金などの金属材料により構成されている。マーカー66は、例えば、メインルーメン20の周囲、且つ、外層60の内部に設けられている。
操作線40の先端部41は、医療機器本体300の遠位端部15に固定されている。操作線40の先端部41を遠位端部15に固定する態様は特に限定されない。たとえば、操作線40の先端部41をマーカー66に溶接或いは締結してもよく、医療機器本体300の遠位端部15に溶着してもよく、または接着剤によりマーカー66または医療機器本体300の遠位端部15に接着固定してもよい。
サブルーメン30は、少なくともカテーテル10の近位端部17側において開口している。各操作線40の基端部は、サブルーメン30の開口から近位端側に突出している。各操作線40の基端部は、医療機器本体300の近位端部17に設けられた操作部70に連結されている。
図4に示すように、操作部70は、例えば、本体ケース700と、本体ケース700に対して回転可能に設けられたホイール操作部760と、を有している。
医療機器本体300の基端部は、本体ケース700内に導入されている。本体ケース700の後端部には、ハブ790が取り付けられている。シース16の基端は、ハブ790の前端部に固定されている。
ハブ790は、当該ハブ790を前後に貫通する中空が内部に形成された筒状体である。ハブ790の中空は、医療機器本体300のメインルーメン20と連通している。
ハブ790には、その後方から、図示しない注入器(シリンジ)を挿入できるようになっている。この注入器によって、ハブ790内に薬液等の液体を注入することにより、メインルーメン20を介してその液体を医療機器本体300の先端へ供給し、該液体を医療機器本体300の先端から患者の体腔内へ供給することができる。
例えば、操作線40及び中空管32は、本体ケース700の前端部においてシース16から分岐している。
中空管32は、その基端部が開口しており、操作線40の基端部は、中空管32の基端部の開口から近位端側に突出している。
各操作線40の基端部は、ホイール操作部760に対して、直接的又は間接的に連結されている。ホイール操作部760を何れかの方向に回転操作することにより、操作線40を個別に基端側に牽引して、医療機器本体300の遠位端部15を屈曲させることができるようになっている。
図4(b)に示すようにホイール操作部760をその回転軸周りにおいて一方向に回転させる操作を行うと、一方の操作線40が基端側に牽引される。すると、医療機器本体300の遠位端部15には、当該一方の操作線40を通じて引張力が与えられる。これにより、医療機器本体300の軸心を基準として、当該一方の操作線40が挿通されているサブルーメン30の側に向かって、医療機器本体300の遠位端部15は屈曲する。すなわち、医療機器本体300の遠位端部15が一方向に屈曲する。
また、図4(c)に示すようにホイール操作部760をその回転軸周りにおいて他方向に回転させる操作を行うと、他方の操作線40が基端側に牽引される。すると、医療機器本体300の遠位端部15には、当該他方の操作線40を通じて引張力が与えられる。これにより、医療機器本体300の軸心を基準として、当該他方の操作線40が挿通されているサブルーメン30の側に向かって、医療機器本体300の遠位端部15は屈曲する。すなわち、医療機器本体300の遠位端部15が他方向に屈曲する。
ここで、医療機器本体300が屈曲するとは、医療機器本体300が「くの字」状に折れ曲がる態様と、弓なりに湾曲する態様とを含む。
このように、操作部70のホイール操作部760に対する操作によって、2本の操作線40を選択的に牽引することにより、医療機器本体300の遠位端部15を第1の方向と、その反対方向である第2の方向と、に屈曲させることができる。第1の方向と、第2の方向は、互いに同一平面に含まれる。
カテーテル10の全体を軸回転させるトルク操作と、牽引操作と、を組み合わせて行うことにより、医療機器本体300の遠位端DEの向きを自在に制御することが可能となる。
更に、操作線40の牽引量を調節することにより、医療機器本体300の遠位端DEの屈曲量を調節することができる。
このため、本実施形態のカテーテル10の医療機器本体300は、たとえば分岐する血管等の体腔に対して、所望の方向に進入させることが可能である。
すなわち、遠位端部15を屈曲させる操作を行うことにより、体腔への進入方向を変更可能である。
更に、操作線40の牽引量を調節することにより、医療機器本体300の遠位端DEの屈曲量を調節することができる。
このため、本実施形態のカテーテル10の医療機器本体300は、たとえば分岐する血管等の体腔に対して、所望の方向に進入させることが可能である。
すなわち、遠位端部15を屈曲させる操作を行うことにより、体腔への進入方向を変更可能である。
次に、図1及び図2を参照して、医療機器本体300についてより詳細に説明する。
ワイヤコイル50を構成するワイヤ52は、横断面形状が非円形のものである。本実施形態の場合、ワイヤ52は、例えば、横断面形状が扁平な矩形状のいわゆる平線である。ワイヤ52の横断面形状において、長径寸法にあたる幅寸法は、短径寸法にあたる厚さ寸法よりも長い。厚さ寸法に対する幅寸法の比、すなわち厚さ寸法を1としたときの幅寸法は、1.1以上5以下が好ましく、1.5以上4以下がより好ましく、2以上4以下が更に好ましい。ワイヤ52の幅寸法の実寸法としては、1mm以下、好ましくは0.5mmである。ワイヤ52は、医療機器本体300の縦断面におけるワイヤ52の断面形状が、厚さが幅に対して薄肉となるよう巻回される。
なお、ワイヤ52を螺旋状に巻回する際に適切な張力で、且つ、適切な角度でワイヤ52を巻回することにより、ワイヤ52の横断面形状及び縦断面形状が湾曲し、例えば図1に示すような凹形状となる。
ここで、この形状についてより詳しく説明すると、例えば、図2に示すように、外側表面52aが凹曲面となり、内側表面52bが凸曲面となっている。また、先端側及び基端側の端面52c、52dがそれぞれ先端側及び基端側に突出する凸曲面となっていることが挙げられる。
ここで、この形状についてより詳しく説明すると、例えば、図2に示すように、外側表面52aが凹曲面となり、内側表面52bが凸曲面となっている。また、先端側及び基端側の端面52c、52dがそれぞれ先端側及び基端側に突出する凸曲面となっていることが挙げられる。
図1(a)に示すように、例えば、医療機器本体300の遠位端部15においては、ワイヤ52は、医療機器本体300の長手方向に対して傾斜している。すなわち、図2(a)に示すように、ワイヤ52の縦断面において、ワイヤ52の断面形状における最大幅方向Wが、医療機器本体300の長手方向Xに対して傾斜している。長手方向Xに対する最大幅方向Wの傾斜角度は、0度よりも大きく45度未満である。好ましくは5度以上30度以下である。
なお、ワイヤ52の外側表面52a及び内側表面52bも、長手方向Xに対して傾斜している。
なお、ワイヤ52の外側表面52a及び内側表面52bも、長手方向Xに対して傾斜している。
長手方向Xに対して最大幅方向Wが傾斜するようにワイヤ52を巻回する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)ワイヤ52が長手方向Xに対する傾斜方向にワイヤ52の軸心周りに変形するようにワイヤ52に捻りを加えながらワイヤ52を巻回する方法
この方法の一例として、ワイヤ52が塑性変形するように捻りを加えてワイヤ52を巻回する方法が挙げられる。また、この方法の他の一例として、ワイヤ52が弾性変形するように捻りを加えながらワイヤ52を巻回した後、熱処理によってワイヤ52の形状を弾性変形後の形状で安定化させる方法が挙げられる。
(2)ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが医療機器本体300の長手方向において部分的に互いに重なり合うように巻回する方法
なお、巻回前の元々のワイヤ52の形状が、長手方向Xに対する傾斜面を持つ形状、特に、外側表面52aが長手方向Xに対して傾斜した形状となっていても良い。
(1)ワイヤ52が長手方向Xに対する傾斜方向にワイヤ52の軸心周りに変形するようにワイヤ52に捻りを加えながらワイヤ52を巻回する方法
この方法の一例として、ワイヤ52が塑性変形するように捻りを加えてワイヤ52を巻回する方法が挙げられる。また、この方法の他の一例として、ワイヤ52が弾性変形するように捻りを加えながらワイヤ52を巻回した後、熱処理によってワイヤ52の形状を弾性変形後の形状で安定化させる方法が挙げられる。
(2)ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが医療機器本体300の長手方向において部分的に互いに重なり合うように巻回する方法
なお、巻回前の元々のワイヤ52の形状が、長手方向Xに対する傾斜面を持つ形状、特に、外側表面52aが長手方向Xに対して傾斜した形状となっていても良い。
一方、図1(b)に示すように、例えば、医療機器本体300の長手方向において、遠位端部15の基端側に隣接する中間部18においては、ワイヤ52は、医療機器本体300の長手方向に対して平行となっている。すなわち、図2(b)に示すように、ワイヤ52の縦断面において、ワイヤ52の断面形状における最大幅方向Wが、医療機器本体300の長手方向Xに対して平行となっている。
図2に示すように、ワイヤ52の厚みをT、医療機器本体300の軸心からワイヤ52の外側表面52aまでの最大高低差をHとする。最大高低差Hは、医療機器本体300の軸心から外側表面52aまでの距離のうち、最も長いものと、最も短いものとの差を意味する。本実施形態の場合、H/Tの値が、医療機器本体300の長手方向における位置により異なる。つまり、本実施形態の場合、医療機器本体300の遠位端部15におけるH/Tの値の方が、医療機器本体300の中間部18におけるH/Tの値よりも大きい。
その結果、ワイヤ52の形状因子の、シース16に対するワイヤ52のアンカー効果であって、且つ、ワイヤ52の単位厚み当たりのアンカー効果(以下、形状因子単位アンカー効果と称する)が、医療機器本体300の長手方向における位置に応じて異なる。つまり、本実施形態の場合、医療機器本体300の遠位端部15における形状因子単位アンカー効果が、医療機器本体300の中間部18における形状因子単位アンカー効果よりも大きい。
ここで、形状因子とは、ワイヤ52の形状と姿勢(シース16に対する傾斜)を含む因子を意味する。形状因子単位アンカー効果は、ワイヤ52が断面矩形等の形状で且つ医療機器本体300の長手方向に対して傾斜していない場合と比べて、ワイヤ52の形状または姿勢に起因して増大する、ワイヤ52の単位厚み当たりの、ワイヤ52とシース16との医療機器本体300の長手方向における相対移動に対するアンカー効果である。アンカー効果が高いほど、体腔からの医療機器本体300の抜去時に、ワイヤコイル50とシース16(特に外層60)との剥離を良好に抑制することができる。
ここで、形状因子とは、ワイヤ52の形状と姿勢(シース16に対する傾斜)を含む因子を意味する。形状因子単位アンカー効果は、ワイヤ52が断面矩形等の形状で且つ医療機器本体300の長手方向に対して傾斜していない場合と比べて、ワイヤ52の形状または姿勢に起因して増大する、ワイヤ52の単位厚み当たりの、ワイヤ52とシース16との医療機器本体300の長手方向における相対移動に対するアンカー効果である。アンカー効果が高いほど、体腔からの医療機器本体300の抜去時に、ワイヤコイル50とシース16(特に外層60)との剥離を良好に抑制することができる。
ここで、例えば、遠位端部15におけるワイヤ52の厚みと、中間部18におけるワイヤ52の厚みとが互いに等しい場合、上記Hの値が、医療機器本体300の長手方向における位置により異なる。つまり、この場合、医療機器本体300の遠位端部15におけるHの値の方が、医療機器本体300の中間部18におけるHの値よりも大きい。
その結果、ワイヤ52の形状因子の、シース16に対するワイヤ52のアンカー効果(以下、形状因子アンカー効果と称する)が、医療機器本体300の長手方向における位置に応じて異なる。つまり、本実施形態の場合、医療機器本体300の遠位端部15における形状因子アンカー効果が、医療機器本体300の中間部18における形状因子アンカー効果よりも大きい。
形状因子アンカー効果は、ワイヤ52が断面矩形等の形状で且つ医療機器本体300の長手方向に対して傾斜していない場合と比べて、ワイヤ52の形状または姿勢に起因して増大する、ワイヤ52とシース16との医療機器本体300の長手方向における相対移動に対するアンカー効果である。
その結果、ワイヤ52の形状因子の、シース16に対するワイヤ52のアンカー効果(以下、形状因子アンカー効果と称する)が、医療機器本体300の長手方向における位置に応じて異なる。つまり、本実施形態の場合、医療機器本体300の遠位端部15における形状因子アンカー効果が、医療機器本体300の中間部18における形状因子アンカー効果よりも大きい。
形状因子アンカー効果は、ワイヤ52が断面矩形等の形状で且つ医療機器本体300の長手方向に対して傾斜していない場合と比べて、ワイヤ52の形状または姿勢に起因して増大する、ワイヤ52とシース16との医療機器本体300の長手方向における相対移動に対するアンカー効果である。
なお、本実施形態の場合、図2(a)及び図2(b)の何れの場合においても、図2(a)に示すように、ワイヤ52の外側表面52aにおいて、医療機器本体300の軸心から最も遠くに位置する頂部Pが、医療機器本体300の長手方向においてワイヤ52の中心位置Cからずれている。
ただし、遠位端部15においては、ワイヤ52が傾斜していることにより、図2(a)に示すように、頂部Pは、医療機器本体300の長手方向においてワイヤ52の中心位置Cを基準とする一方の側にのみ存在している。
ただし、遠位端部15においては、ワイヤ52が傾斜していることにより、図2(a)に示すように、頂部Pは、医療機器本体300の長手方向においてワイヤ52の中心位置Cを基準とする一方の側にのみ存在している。
図1(a)に示すように、遠位端部15においては、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが、医療機器本体300の長手方向において部分的に互いに重なり合っている。
一方、図1(b)に示すように、中間部18においては、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが互いに重なり合っていない。
これにより、遠位端部15における上記H/Tの値及びHの値が、中間部18における上記H/Tの値及びHの値よりも増大している。
すなわち、医療機器本体300の長手方向における一部区間(例えば遠位端部15)において、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが、長手方向において部分的に重なり合っている。そして、その一部区間(例えば遠位端部15)でのH/Tの値及びHの値が、一部区間と隣接する区間(例えば中間部18)でのH/Tの値及びHの値よりも大きい。
一方、図1(b)に示すように、中間部18においては、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが互いに重なり合っていない。
これにより、遠位端部15における上記H/Tの値及びHの値が、中間部18における上記H/Tの値及びHの値よりも増大している。
すなわち、医療機器本体300の長手方向における一部区間(例えば遠位端部15)において、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが、長手方向において部分的に重なり合っている。そして、その一部区間(例えば遠位端部15)でのH/Tの値及びHの値が、一部区間と隣接する区間(例えば中間部18)でのH/Tの値及びHの値よりも大きい。
具体的には、図1(a)の例では、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部のうち、先端側の巻回部の後部(基端部)の外周側に、基端側の巻回部の前部(先端部)が乗り上げている。これにより、遠位端部15では、ワイヤ52は、その縦断面において、ワイヤ52の先端側が医療機器本体300の軸心から遠ざかる方向に傾斜している。
ただし、ワイヤ52の傾斜方向は、図1(a)とは反対方向であっても良い。すなわち、ワイヤ52の縦断面において、ワイヤ52の基端側が医療機器本体300の軸心から遠ざかる方向に傾斜していても良い。
ただし、ワイヤ52の傾斜方向は、図1(a)とは反対方向であっても良い。すなわち、ワイヤ52の縦断面において、ワイヤ52の基端側が医療機器本体300の軸心から遠ざかる方向に傾斜していても良い。
なお、図1に示すように、ワイヤコイル50は、例えば、複数のワイヤ52(複数条のワイヤ52)が巻回軸方向に並ぶ並列状態となるように螺旋状に巻回されることにより構成された多条コイルであることが挙げられる。図1では、ワイヤコイル50を構成するワイヤ52の本数(条数)が4本(4条)である例を示しているが、ワイヤコイル50を構成するワイヤ52の本数は4本以外の複数本であっても良い。
本実施形態の場合、上記H/Tの値は、例えば、医療機器本体300の先端側ほど大きい。また、例えば、上記Hの値も、例えば、医療機器本体300の先端側ほど大きい。
次に、本実施形態に係る医療機器の製造方法を説明する。
この製造方法は、長尺で可撓性を有し、体腔内に挿入される医療機器本体300を作成する工程を有している。
この工程は、以下の工程を有している。
1)長尺な内側樹脂管(内層21)を形成する工程
2)横断面形状が非円形のワイヤ52を螺旋状に巻回することによりワイヤコイル50を形成する工程
3)内側樹脂管(内層21)の周囲に、ワイヤコイル50を配置する工程
4)ワイヤコイル50の周囲に長尺な外側樹脂管(外層60)を形成し、外側樹脂管と内側樹脂管とを含む樹脂管(シース16)にワイヤコイル50を埋設する工程
ここで、ワイヤ52の縦断面において、ワイヤ52の厚みをT、医療機器本体300の軸心からワイヤ52の外側表面までの最大高低差をHとする。
ワイヤコイル50を形成する工程では、H/Tの値が、医療機器本体300の長手方向における位置により異なるように、ワイヤコイル50を形成する。
以下、詳細に説明する。
この工程は、以下の工程を有している。
1)長尺な内側樹脂管(内層21)を形成する工程
2)横断面形状が非円形のワイヤ52を螺旋状に巻回することによりワイヤコイル50を形成する工程
3)内側樹脂管(内層21)の周囲に、ワイヤコイル50を配置する工程
4)ワイヤコイル50の周囲に長尺な外側樹脂管(外層60)を形成し、外側樹脂管と内側樹脂管とを含む樹脂管(シース16)にワイヤコイル50を埋設する工程
ここで、ワイヤ52の縦断面において、ワイヤ52の厚みをT、医療機器本体300の軸心からワイヤ52の外側表面までの最大高低差をHとする。
ワイヤコイル50を形成する工程では、H/Tの値が、医療機器本体300の長手方向における位置により異なるように、ワイヤコイル50を形成する。
以下、詳細に説明する。
例えば、以下に説明するように、カテーテル10の各部を別個に作成し、それらを組み合わせることによって、カテーテル10を製造する。
外層60は、例えば、押出成形装置(図示略)により、成形材料としての樹脂材料を押出成形することによって作成する。この押出成形の際には、樹脂材料とともに芯線(マンドレル)を押し出すことにより、この芯線の周囲に、外層60となる樹脂材料を被着させる。
芯線の材質は特に限定されないが、一例として、銅または銅合金、炭素鋼やSUS等の合金鋼、ニッケルまたはニッケル合金を挙げることができる。
芯線の表面には、任意で離型処理を施してもよい。離型処理としては、フッ素系やシリコン系などの離型剤の塗布のほか、光学的または化学的な表面処理をおこなってもよい。
芯線の材質は特に限定されないが、一例として、銅または銅合金、炭素鋼やSUS等の合金鋼、ニッケルまたはニッケル合金を挙げることができる。
芯線の表面には、任意で離型処理を施してもよい。離型処理としては、フッ素系やシリコン系などの離型剤の塗布のほか、光学的または化学的な表面処理をおこなってもよい。
ここで、外層60において後に中空管32が埋設されることによりサブルーメン30が形成される位置の各々に、長手方向に沿う長尺な中空が形成されるように、例えば、その位置にガスなどの流体を供給しながら押出成形する。この中空の内径は、中空管32の外径よりも大きい。これは、後にこの中空内に中空管32を差し込む工程を容易にするためである。
押出成形後、芯線を引き抜くことにより、中空形状の外層60を作成することができる。なお、外層60の成形に用いられる芯線の線径は、ワイヤコイル50の外径よりも大きい。これは、後にワイヤコイル50(及び内層21)の周囲に外層60を被せる工程を容易にするためである。
押出成形後、芯線を引き抜くことにより、中空形状の外層60を作成することができる。なお、外層60の成形に用いられる芯線の線径は、ワイヤコイル50の外径よりも大きい。これは、後にワイヤコイル50(及び内層21)の周囲に外層60を被せる工程を容易にするためである。
内層21は、外層60を作成するための押出成形装置とは別の押出成形装置(図示略)により樹脂材料を押出成形することによって作成する。この押出成形の際には、樹脂材料とともに芯線(外層60の作成用とは別の芯線)を押し出すことにより、この芯線の周囲に、内層21となる樹脂材料を被着させる。芯線の線径は、メインルーメン20の径に相当する。なお、内層21は、ディスパージョン成形装置により成形しても良い。
芯線の材質は、十分な引っ張り強度を持つ弾性体であれば特に限定されないが、一例として、銅または銅合金、炭素鋼やSUS等の合金鋼、ニッケルまたはニッケル合金(ニッケル−チタン合金等)を挙げることができる。
芯線の表面には、任意で離型処理を施してもよい。離型処理としては、フッ素系やシリコン系などの離型剤の塗布のほか、光学的または化学的な表面処理をおこなってもよい。
芯線の材質は、十分な引っ張り強度を持つ弾性体であれば特に限定されないが、一例として、銅または銅合金、炭素鋼やSUS等の合金鋼、ニッケルまたはニッケル合金(ニッケル−チタン合金等)を挙げることができる。
芯線の表面には、任意で離型処理を施してもよい。離型処理としては、フッ素系やシリコン系などの離型剤の塗布のほか、光学的または化学的な表面処理をおこなってもよい。
また、別途、中空管32を作成する。中空管32は、内層21を作成するための押出成形装置、並びに、外層60を作成するための押出成形装置とは別の押出成形装置(図示略)により、樹脂材料を押出成形することによって作成する。ここで、押出成形装置の押出口(ノズル)の中心に配置された吐出管から、ガスなどの流体を吐出しながら押出成形を行うことによって、中空管32の中心に中空を形成する。
また、中空管32内に挿通されるダミー芯線を別途準備し、このダミー芯線を中空管32内に挿通する。
また、別途、ワイヤコイル50を作成する。
ワイヤコイル50は、例えば、互いに曲げ剛性及びねじり剛性が異なる複数のワイヤコイルを長手方向に連接することにより構成されている。
これら複数のワイヤコイルは、それぞれ、芯線(内層21の作成用、外層60の作成用とは別の芯線)の周囲に、巻線機を用いてワイヤ52を螺旋状に巻回する工程などを経て別個に作成する。その後、各ワイヤコイル内の芯線を引き抜く。更に、その後、これらワイヤコイルを共通の芯線に外挿した状態で、これらワイヤコイルをレーザ溶接などにより接合して長手方向に連結することにより、ワイヤコイル50を作成する。その後、ワイヤコイル50内の芯線を引き抜く。
ここで、上記のように、ワイヤ52の傾斜は、医療機器本体300の長手方向における位置に応じて異なる。具体的には、例えば、遠位端部15においては、ワイヤ52の最大幅方向Wが医療機器本体300の長手方向に対して傾斜しているのに対し、中間部18においては、ワイヤ52の最大幅方向Wが医療機器本体300の長手方向に対して平行となっている。
このため、遠位端部15に配置されるワイヤコイルについては、ワイヤ52の最大幅方向Wが医療機器本体300の長手方向に対して傾斜するように、ワイヤ52を巻回する。また、中間部18に配置されるワイヤコイルについては、ワイヤ52の最大幅方向Wが医療機器本体300の長手方向に対して平行となるように、ワイヤ52を巻回する。
このため、遠位端部15に配置されるワイヤコイルについては、ワイヤ52の最大幅方向Wが医療機器本体300の長手方向に対して傾斜するように、ワイヤ52を巻回する。また、中間部18に配置されるワイヤコイルについては、ワイヤ52の最大幅方向Wが医療機器本体300の長手方向に対して平行となるように、ワイヤ52を巻回する。
ここで、ワイヤ52の厚みをT、医療機器本体300の軸心からワイヤ52の外側表面52aまでの最大高低差をHとすると、H/Tの値を、医療機器本体300の長手方向における位置により異ならせる。具体的には、遠位端部15に配置されるワイヤコイルにおけるH/Tの値を、中間部18に配置されるワイヤコイルにおけるH/Tの値よりも大きくする。
また、一例として、上記Hの値を、医療機器本体300の長手方向における位置により異ならせる。具体的には、遠位端部15に配置されるワイヤコイルにおけるHの値を、中間部18に配置されるワイヤコイルにおけるHの値よりも大きくする。
例えば、遠位端部15に配置されるワイヤコイルについては、そのワイヤコイルの互いに隣接する巻回部どうしが、医療機器本体300の長手方向において部分的に互いに重なり合うように、ワイヤ52を巻回する。
一方、中間部18に配置されるワイヤコイルについては、そのワイヤコイルの互いに隣接する巻回部どうしが互いに重なり合わないように、ワイヤ52を巻回する。
一方、中間部18に配置されるワイヤコイルについては、そのワイヤコイルの互いに隣接する巻回部どうしが互いに重なり合わないように、ワイヤ52を巻回する。
芯線付きの内層21を作成し、且つ、ワイヤコイル50を作成した後、芯線付きの内層21にワイヤコイル50を外挿する。
更に、外層60をワイヤコイル50に外挿する。
これにより、中心側から順に、芯線、内層21、ワイヤコイル50及び外層60が同心状に配置された状態となる。
更に、外層60をワイヤコイル50に外挿する。
これにより、中心側から順に、芯線、内層21、ワイヤコイル50及び外層60が同心状に配置された状態となる。
次に、外層60の中空の各々に対し、中空管32(ダミー芯線入り)を挿通する。
次に、外層60の周囲に熱収縮チューブを被せる。次に、加熱により熱収縮チューブを収縮させて、外層60を周囲から締め付けるとともに、外層60を加熱する。なお、この加熱温度は、外層60の溶融温度よりも高く、内層21の溶融温度よりも低い。この加熱により、外層60を溶融させて、外層60をワイヤコイル50及び内層21に被着する(溶着により接合する)。このとき、外層60を構成する樹脂材料が、ワイヤコイル50を内包し、該樹脂材料がワイヤコイル50に含浸する。
こうして、ワイヤコイル50に対し、ワイヤコイル50と同軸の管状に外層60を被着することができる。
こうして、ワイヤコイル50に対し、ワイヤコイル50と同軸の管状に外層60を被着することができる。
その後、外層60を冷却させ固化させる。その後、熱収縮チューブに切り込みを入れ、該熱収縮チューブを引き裂くことによって、熱収縮チューブを外層60から取り除く。
次に、中空管32からダミー芯線を引き抜き、中空管32内に操作線40を挿通する。
次に、中空管32からダミー芯線を引き抜き、中空管32内に操作線40を挿通する。
また、別途、マーカー66を準備し、マーカー66に対して各操作線40を固定する。
次に、医療機器本体300の先端部にマーカー66を固定する。このためには、例えば、医療機器本体300の先端部の外層60を切除し、医療機器本体300の先端部において、内層21を露出させる。このとき、中空管32も外層60とともに切除する。次に、操作線40の先端部を中空管32の先端より先端側に突出させた状態とする。
次に、マーカー66を医療機器本体300の先端部において内層21の周囲に外挿し、マーカー66を内層21の周囲に対してかしめ固定する。
次に、医療機器本体300の先端部の周囲を、予め筒状に成形した被覆樹脂(図示略)で覆い、上記熱収縮チューブとは別の熱収縮チューブを用いて、被覆樹脂を外層60及び内層21に対して溶着により接合する。なお、外層60と被覆樹脂とは、例えば、溶融し互いに一体化する。なお、マーカー66の先端側の面も、溶融した外層60又は被覆樹脂により覆われる。
次に、医療機器本体300の基端部に対し、ハブ790を接続する。
次に、内層21内の芯線を引き抜く。芯線の引き抜きは、芯線の長手方向両端を引っ張ることにより芯線が塑性変形するまで芯線を細径化した状態で行う。これにより、内層21の中心には、メインルーメン20となる中空が形成される。
次に、別途作成した操作部70のホイール操作部760に対し、直接的又は間接的に、操作線40の基端部を連結する。更に、操作部70の本体ケース700とホイール操作部760とを組み立てるとともに、本体ケース700にハブ790を取り付ける。
こうして、操作線40に対する牽引操作により医療機器本体300が屈曲する状態とする。
次に、薄くコート層64を形成する。
こうして、カテーテル10を製造することができる。
以上のような第1の実施形態によれば、H/Tの値が、医療機器本体300の長手方向における位置により異なる。ここで、H/Tの値が大きいほど、ワイヤ52の単位厚み当たりの、シース16(特に外層60)に対するワイヤ52のアンカー効果が大きい。よって、医療機器本体300の長手方向において、部分的にシース16に対するワイヤ52のアンカー効果を大きくしたい位置にて、H/Tの値を大きくすることにより、ワイヤコイル50と外層60との界面における剥離を抑制することができる。
具体的には、上記のように、遠位端部15において、H/Tの値を大きくすることができる。これにより、体腔からカテーテル10を抜去する際に、遠位端部15においてワイヤコイル50とシース16の外層60との剥離を抑制することができる。
また、中間部18においてはワイヤコイル50の配置領域の厚みを抑制できるので、中間部18において、医療機器本体300の大径化の抑制と、メインルーメン20の十分な内腔面積の確保とを実現できる。
具体的には、上記のように、遠位端部15において、H/Tの値を大きくすることができる。これにより、体腔からカテーテル10を抜去する際に、遠位端部15においてワイヤコイル50とシース16の外層60との剥離を抑制することができる。
また、中間部18においてはワイヤコイル50の配置領域の厚みを抑制できるので、中間部18において、医療機器本体300の大径化の抑制と、メインルーメン20の十分な内腔面積の確保とを実現できる。
一例としては、上記Hの値が、医療機器本体300の長手方向における位置により異なる構成とすることができる。例えば、遠位端部15におけるHの値を、中間部18におけるHの値よりも大きくすることにより、遠位端部15においてワイヤコイル50とシース16との界面における剥離を一層抑制できる。また、中間部18においてはワイヤコイル50の配置領域の厚みを一層抑制でき、中間部18において、医療機器本体300の大径化の更なる抑制と、メインルーメン20の更に十分な内腔面積の確保とを実現できる。
〔第2の実施形態〕
図5は第2の実施形態に係るカテーテル10の医療機器本体300の模式的な縦断面図である。このうち図5(a)は遠位端部15を示し、図5(b)は中間部18を示す。図5の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
図5は第2の実施形態に係るカテーテル10の医療機器本体300の模式的な縦断面図である。このうち図5(a)は遠位端部15を示し、図5(b)は中間部18を示す。図5の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
本実施形態に係るカテーテル10は、以下に説明する点でのみ、上記の第1の実施形態と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態と同様に構成されている。
本実施形態の場合、遠位端部15におけるワイヤ52の傾斜と、中間部18におけるワイヤ52の傾斜とが、上記の第1の実施形態とは逆転している。すなわち、図5(a)に示すように、例えば、遠位端部15においては、ワイヤ52は、医療機器本体300の長手方向に対して平行となっている。一方、図5(b)に示すように、中間部18においては、ワイヤ52は、医療機器本体300の長手方向に対して傾斜している。
本実施形態の場合、医療機器本体300の遠位端部15におけるH/Tの値の方が、医療機器本体300の中間部18におけるH/Tの値よりも小さい。
また、一例として、医療機器本体300の遠位端部15におけるHの値の方が、医療機器本体300の中間部18におけるHの値よりも小さい。
図5(a)に示すように、遠位端部15においては、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが互いに重なり合っていない。
一方、図5(b)に示すように、中間部18においては、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが、医療機器本体300の長手方向において部分的に互いに重なり合っている。
これにより、遠位端部15における上記H/Tの値及びHの値が、中間部18における上記H/Tの値及びHの値よりも減少している。
すなわち、医療機器本体300の長手方向における一部区間(中間部18)において、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが、長手方向において部分的に重なり合っている。そして、その一部区間(中間部18)でのH/Tの値及びHの値が、一部区間と隣接する区間(遠位端部15)でのH/Tの値及びHの値よりも大きい。
一方、図5(b)に示すように、中間部18においては、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが、医療機器本体300の長手方向において部分的に互いに重なり合っている。
これにより、遠位端部15における上記H/Tの値及びHの値が、中間部18における上記H/Tの値及びHの値よりも減少している。
すなわち、医療機器本体300の長手方向における一部区間(中間部18)において、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが、長手方向において部分的に重なり合っている。そして、その一部区間(中間部18)でのH/Tの値及びHの値が、一部区間と隣接する区間(遠位端部15)でのH/Tの値及びHの値よりも大きい。
本実施形態の場合、H/Tの値は、例えば、医療機器本体300の先端側ほど小さい。また、例えば、Hの値も、例えば、医療機器本体300の先端側ほど小さい。
以上のような第2の実施形態によれば、シース16に対するワイヤコイル50のアンカー効果を、中間部18では相対的に大きく、遠位端部15では相対的に小さくすることができる。これにより、遠位端部15では、外層60とワイヤコイル50とが適度に相対移動可能となり、ワイヤコイル50の可動性及び遠位端部15の屈曲性が良好となる。
〔第3の実施形態〕
図6は第3の実施形態に係るカテーテル10の医療機器本体300の模式的な縦断面図である。このうち図6(a)は遠位端部15を示し、図6(b)は中間部18を示す。図6の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
図6は第3の実施形態に係るカテーテル10の医療機器本体300の模式的な縦断面図である。このうち図6(a)は遠位端部15を示し、図6(b)は中間部18を示す。図6の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
本実施形態に係るカテーテル10は、以下に説明する点でのみ、上記の第1の実施形態と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態と同様に構成されている。
本実施形態の場合、中間部18におけるワイヤ52の厚み(太さ)よりも、遠位端部15におけるワイヤ52の厚み(太さ)が薄い(細い)。
すなわち、医療機器本体300の長手方向における一部区間(遠位端部15)において、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが、医療機器本体300の長手方向において部分的に互いに重なり合っている。そして、その一部区間(遠位端部15)でのH/Tの値が、その一部区間と隣接する区間(中間部18)でのH/Tの値よりも大きい。そして、ワイヤ52は、医療機器本体300の先端側ほど厚みが薄い。
すなわち、医療機器本体300の長手方向における一部区間(遠位端部15)において、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが、医療機器本体300の長手方向において部分的に互いに重なり合っている。そして、その一部区間(遠位端部15)でのH/Tの値が、その一部区間と隣接する区間(中間部18)でのH/Tの値よりも大きい。そして、ワイヤ52は、医療機器本体300の先端側ほど厚みが薄い。
なお、ワイヤコイル50を構成するワイヤ52の本数(条数)は、遠位端部15より中間部18の方が少なくなっている。例えば、図6(b)の例では、中間部18では、1本(1条)のワイヤ52をピッチ巻きすることによりワイヤコイル50を構成している。
第3の実施形態によれば、遠位端部15でのワイヤ52の厚みが薄いことにより、遠位端部15でのワイヤコイル50ひいては医療機器本体300の曲げ剛性を抑制できる。しかも、遠位端部15において、ワイヤコイル50の互いに隣接する巻回部どうしが、医療機器本体300の長手方向において部分的に互いに重なり合っていることによって、上記H/Tの値を確保することができる。
〔第4の実施形態〕
図7は第4の実施形態に係るカテーテル10の医療機器本体300の模式的な縦断面図である。このうち図7(a)は遠位端部15を示し、図7(b)は中間部18を示す。図7の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
図7は第4の実施形態に係るカテーテル10の医療機器本体300の模式的な縦断面図である。このうち図7(a)は遠位端部15を示し、図7(b)は中間部18を示す。図7の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
本実施形態に係るカテーテル10は、以下に説明する点でのみ、上記の第2の実施形態と相違し、その他の点では、上記の第2の実施形態と同様に構成されている。
本実施形態の場合、中間部18においてワイヤコイル50を構成するワイヤ52の本数(条数)が、遠位端部15においてワイヤコイル50を構成するワイヤ52の本数(条数)よりも多い。
すなわち、医療機器本体300の長手方向における一部区間(中間部18)において、ワイヤコイル50を構成するワイヤ52の条数が、一部区間と隣接する区間(遠位端部15)においてワイヤコイル50を構成するワイヤ52の条数よりも多い。例えば、中間部18での条数が12条となっている。
すなわち、医療機器本体300の長手方向における一部区間(中間部18)において、ワイヤコイル50を構成するワイヤ52の条数が、一部区間と隣接する区間(遠位端部15)においてワイヤコイル50を構成するワイヤ52の条数よりも多い。例えば、中間部18での条数が12条となっている。
中間部18においては、ワイヤ52の条数を多くすることにより、ワイヤ52の断面形状における最大幅方向Wを医療機器本体300の長手方向に対して傾斜させやすくしている。つまり、ワイヤ52のピッチ角α(医療機器本体300の長手方向とワイヤ52の軸心方向とのなす角度)が、医療機器本体300の長手方向における位置により異なっており、具体的には、中間部18におけるピッチ角αが、遠位端部15におけるピッチ角αよりも大きくなっている。これにより、中間部18において、ワイヤ52の断面形状における最大幅方向Wを医療機器本体300の長手方向に対して傾斜させやすくなっている。
〔第5の実施形態〕
図8は第5の実施形態に係るカテーテル10の医療機器本体300の模式的な縦断面図である。このうち図8(a)は遠位端部15を示し、図8(b)は近位端部17を示す。図8の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
図8は第5の実施形態に係るカテーテル10の医療機器本体300の模式的な縦断面図である。このうち図8(a)は遠位端部15を示し、図8(b)は近位端部17を示す。図8の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
本実施形態に係るカテーテル10は、以下に説明する点でのみ、上記の第1の実施形態と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態と同様に構成されている。
本実施形態の場合、シース16において、ワイヤコイル50よりも外側の部分の肉厚をTPとすると、TPの値は、医療機器本体300の先端側ほど薄くなっている。すなわち、近位端部17における肉厚TPよりも、遠位端部15における外層60の肉厚TPの方が薄い。
より具体的には、例えば、医療機器本体300の先端側ほど、H/TPの値が大きくなっている。
例えば、図8のように、遠位端部15におけるH/Tの値が、近位端部17におけるH/Tの値よりも大きい。この場合、遠位端部15においては、薄肉の外層60に対して、ワイヤコイル50のアンカー効果を十分に得ることができる。
また、図示はしないが、遠位端部15におけるH/Tの値を、近位端部17におけるH/Tの値よりも小さくても良い。この場合、遠位端部15においては、薄肉の外層60に対応して、H/Tの値が小さいことにより、外層60の厚さ低減が可能である。
〔第6の実施形態〕
図9は第6の実施形態に係るカテーテル10の医療機器本体300の近位端部17の模式的な縦断面図である。図9の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
図9は第6の実施形態に係るカテーテル10の医療機器本体300の近位端部17の模式的な縦断面図である。図9の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。
本実施形態に係るカテーテル10は、以下に説明する点でのみ、上記の第1の実施形態と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態と同様に構成されている。
本実施形態の場合、近位端部17において、ワイヤコイル50の外側表面50aが平坦となっている。例えば、外側表面50a(ワイヤ52の外側表面52a)を研磨することにより、外側表面50aが平坦化されている。
これにより、近位端部17におけるワイヤコイル50の層厚を抑制することができる。
上記の各実施形態では、ワイヤ52の横断面形状が矩形状である例を説明したが、ワイヤ52の横断面形状は、非円形であれば特に限定されない。ここで、非円形としては、長円形、楕円形、半円形、扇形(1本の孤をもつ扇形、または外孤と内孤をもつ扇形(地紙形))、曲玉形、紡錘形、水玉形または多角形を例示的に挙げることができる。多角形は、長方形、台形、菱形または平行四辺形などの凸多角形のほか、180度を超える内角をもつ凹多角形でもよい。また、この非円形は、上記形状を複合した形状でもよく、具体的には、弧状に突出する辺を有する角丸多角形や、弧状に凹陥する辺を有する凹レンズ形でもよい。この非円形は、これに外接する最小面積の長方形を想定した場合にその長辺と短辺の長さが異なるものでもよい。そして、これらの形状のワイヤ52のうち、H/Tの値が互いに異なるワイヤ52を、医療機器本体300の長手方向における位置に応じて選択すると良い。
また、上記においては、操作機構を有する能動タイプのカテーテル10を例示したが、本発明はこの例に限らず、操作機構を有していない非能動タイプのカテーテルにも適用することができる。
10 カテーテル
15 遠位端部
16 シース
17 近位端部
18 中間部
20 メインルーメン
21 内層
30 サブルーメン
32 中空管
40 操作線
41 先端部
50 ワイヤコイル
50a 外側表面
52 ワイヤ
52a 外側表面
52b 内側表面
52c 先端側の端面
52d 基端側の端面
60 外層
64 コート層
66 マーカー
70 操作部
300 医療機器本体
700 本体ケース
760 ホイール操作部
790 ハブ
DE 遠位端
W 最大幅方向
X 長手方向
TP 肉厚
P 頂部
C 中心位置
15 遠位端部
16 シース
17 近位端部
18 中間部
20 メインルーメン
21 内層
30 サブルーメン
32 中空管
40 操作線
41 先端部
50 ワイヤコイル
50a 外側表面
52 ワイヤ
52a 外側表面
52b 内側表面
52c 先端側の端面
52d 基端側の端面
60 外層
64 コート層
66 マーカー
70 操作部
300 医療機器本体
700 本体ケース
760 ホイール操作部
790 ハブ
DE 遠位端
W 最大幅方向
X 長手方向
TP 肉厚
P 頂部
C 中心位置
Claims (14)
- 長尺で可撓性を有し、体腔内に挿入される医療機器本体を有し、
前記医療機器本体は、
長尺な樹脂管と、
横断面形状が非円形のワイヤを螺旋状に巻回することにより構成され、前記樹脂管と同軸に前記樹脂管に埋設されているワイヤコイルと、
を有し、
前記ワイヤの縦断面において、前記ワイヤの厚みをT、前記医療機器本体の軸心から前記ワイヤの外側表面までの最大高低差をHとすると、H/Tの値が、前記医療機器本体の長手方向における位置により異なることを特徴とする医療機器。 - 前記ワイヤの外側表面において、前記医療機器本体の軸心から最も遠くに位置する頂部が、前記長手方向において前記ワイヤの中心位置からずれていることを特徴とする請求項1に記載の医療機器。
- 前記ワイヤの縦断面において、前記ワイヤの断面形状における最大幅方向が、前記長手方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療機器。
- 前記Hの値が、前記長手方向における位置により異なることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の医療機器。
- 前記H/Tの値が、前記医療機器本体の先端側ほど大きいことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の医療機器。
- 前記H/Tの値が、前記医療機器本体の基端側ほど大きいことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の医療機器。
- 前記医療機器本体の長手方向における一部区間において、前記ワイヤコイルの互いに隣接する巻回部どうしが、前記長手方向において部分的に互いに重なり合っており、
前記一部区間での前記H/Tの値が、前記一部区間と隣接する区間での前記H/Tの値よりも大きいことを特徴とする請求項5又は6に記載の医療機器。 - 前記医療機器本体の長手方向における一部区間において、前記ワイヤコイルの互いに隣接する巻回部どうしが、前記長手方向において部分的に互いに重なり合っており、
前記一部区間での前記H/Tの値が、前記一部区間と隣接する区間での前記H/Tの値よりも大きく、
前記ワイヤの厚みは、前記医療機器本体の先端側ほど薄いことを特徴とする請求項5に記載の医療機器。 - 前記一部区間において前記ワイヤコイルを構成する前記ワイヤの条数が、
前記一部区間と隣接する区間において前記ワイヤコイルを構成する前記ワイヤの条数よりも多いことを特徴とする請求項7又は8に記載の医療機器。 - 前記樹脂管において、前記ワイヤコイルよりも外側の部分の肉厚をTPとすると、TPの値は、前記医療機器本体の先端側ほど薄いことを特徴とする請求項5乃至9の何れか一項に記載の医療機器。
- 前記医療機器本体の先端側ほどH/TPの値が大きいことを特徴とする請求項10に記載の医療機器。
- 前記ワイヤのピッチ角が、前記医療機器本体の長手方向における位置により異なることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の医療機器。
- 前記医療機器本体の基端部においては、前記ワイヤコイルの外側表面が平坦であることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の医療機器。
- 長尺で可撓性を有し、体腔内に挿入される医療機器本体を作成する工程を有し、
前記医療機器本体を作成する工程は、
長尺な内側樹脂管を形成する工程と、
横断面形状が非円形のワイヤを螺旋状に巻回することによりワイヤコイルを形成する工程と、
前記内側樹脂管の周囲に、前記ワイヤコイルを配置する工程と、
前記ワイヤコイルの周囲に長尺な外側樹脂管を形成し、前記外側樹脂管と前記内側樹脂管とを含む樹脂管に前記ワイヤコイルを埋設する工程と、
を有し、
前記ワイヤの縦断面において、前記ワイヤの厚みをT、前記医療機器本体の軸心から前記ワイヤの外側表面までの最大高低差をHとすると、
前記ワイヤコイルを形成する工程では、H/Tの値が、前記医療機器本体の長手方向における位置により異なるように、前記ワイヤコイルを形成することを特徴とする医療機器の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2012081665A JP2013208355A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | 医療機器及び医療機器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2012081665A JP2013208355A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | 医療機器及び医療機器の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2013208355A true JP2013208355A (ja) | 2013-10-10 |
Family
ID=49526849
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2012081665A Pending JP2013208355A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | 医療機器及び医療機器の製造方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2013208355A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016002162A (ja) * | 2014-06-14 | 2016-01-12 | 朝日インテック株式会社 | カテーテル |
| JP2023049725A (ja) * | 2021-09-29 | 2023-04-10 | 株式会社東海メディカルプロダクツ | カテーテル |
-
2012
- 2012-03-30 JP JP2012081665A patent/JP2013208355A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016002162A (ja) * | 2014-06-14 | 2016-01-12 | 朝日インテック株式会社 | カテーテル |
| JP2023049725A (ja) * | 2021-09-29 | 2023-04-10 | 株式会社東海メディカルプロダクツ | カテーテル |
| JP7763461B2 (ja) | 2021-09-29 | 2025-11-04 | 株式会社東海メディカルプロダクツ | カテーテル |
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