JP2014013669A - 熱陰極蛍光ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、導電性マイエナイト化合物を電極とする熱陰極蛍光ランプにおいて、交流点灯時の陰極降下電圧が有意に改善された、熱陰極蛍光ランプを提供することを目的とする。
【解決手段】蛍光体が設置されたバルブと、該バルブの放電空間に充填された希ガスと、前記バルブの放電空間に配置された第1および第2の電極とを有する熱陰極蛍光ランプであって、前記第1の電極は、導電性マイエナイト化合物を含む本体部を有し、該本体部は、第1の部分および第2の部分が間隙を介して相互に対向するように構成された相互対向構造を有し、前記相互対向構造の前記第1の部分と第2の部分の間の最小距離(ゼロを除く)をD1(mm)とし、前記放電空間内の前記希ガスの全圧力をP(Torr)としたとき、
−0.9Log(D1)+0.70≦
Log(P)≦−0.3Log(D1)+1.57 (1)式
の関係を満たすことを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
【選択図】図7
【解決手段】蛍光体が設置されたバルブと、該バルブの放電空間に充填された希ガスと、前記バルブの放電空間に配置された第1および第2の電極とを有する熱陰極蛍光ランプであって、前記第1の電極は、導電性マイエナイト化合物を含む本体部を有し、該本体部は、第1の部分および第2の部分が間隙を介して相互に対向するように構成された相互対向構造を有し、前記相互対向構造の前記第1の部分と第2の部分の間の最小距離(ゼロを除く)をD1(mm)とし、前記放電空間内の前記希ガスの全圧力をP(Torr)としたとき、
−0.9Log(D1)+0.70≦
Log(P)≦−0.3Log(D1)+1.57 (1)式
の関係を満たすことを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
【選択図】図7
Description
本発明は、熱陰極蛍光ランプに関する。
蛍光ランプは、家庭用照明、表示装置のバックライト、および各種生産工程での光照射など、様々な用途に用いられている。
蛍光ランプには、大きく分けて、熱陰極蛍光ランプと、冷陰極蛍光ランプの2種類のものがある。熱陰極蛍光ランプとは、高温に加熱された陰極の熱電子放出によって放電を維持する蛍光ランプの総称である。電極には一般に、タングステンなどの高融点金属製フィラメントにアルカリ土類酸化物を主成分としたエミッタを塗布した電極が用いられている。一方、冷陰極蛍光ランプとは、主に陰極の二次電子放出によって放電を維持する蛍光ランプの総称である。電極には一般に、ニッケル、モリブデン、およびタングステンなどの融点の高い金属が用いられている。
なお、最近、熱陰極蛍光ランプ用の電極材料として、導電性マイエナイト化合物を使用することが提案されている(例えば、特許文献1)。導電性マイエナイト化合物は、仕事関数が2.4eVと比較的低く、さらに導電性を有すると言う特徴を有する。このため、導電性マイエナイト化合物を熱陰極蛍光ランプの電極材料に適用した場合、従来のフィラメントにエミッタを塗布した電極に比べて、電極の寿命が向上することが期待されている。
前述のように、特許文献1には、熱陰極蛍光ランプ用の電極材料として、ロッド状の導電性マイエナイト化合物を使用することが提案されている。
しかしながら、本願発明者らの実験によれば、ロッド状の導電性マイエナイト化合物を電極として使用した熱陰極蛍光ランプにおいて、しばしば、交流点灯時の陰極降下電圧が高くなる場合があることが見出されている。
交流点灯時の陰極降下電圧が高くなると、熱陰極蛍光ランプの消費電力が大きくなってしまう。また、陰極のスパッタ率が高くなり、電極の寿命が短くなってしまうという問題が生じ得る。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、導電性マイエナイト化合物を電極とする熱陰極蛍光ランプにおいて、交流点灯時の陰極降下電圧が有意に改善された、熱陰極蛍光ランプを提供することを目的とする。
本発明では、蛍光体が設置されたバルブと、該バルブの放電空間に充填された希ガスと、前記バルブの放電空間に配置された第1および第2の電極とを有する熱陰極蛍光ランプであって、
前記第1の電極は、導電性マイエナイト化合物を含む本体部を有し、該本体部は、第1の部分および第2の部分が間隙を介して相互に対向するように構成された相互対向構造を有し、
前記相互対向構造の前記第1の部分と第2の部分の間の最小距離(ゼロを除く)をD1(mm)とし、前記放電空間内の前記希ガスの全圧力をP(Torr)としたとき、
−0.9Log(D1)+0.70≦
Log(P)≦−0.3Log(D1)+1.57 (1)式
の関係を満たすことを特徴とする熱陰極蛍光ランプが提供される。
前記第1の電極は、導電性マイエナイト化合物を含む本体部を有し、該本体部は、第1の部分および第2の部分が間隙を介して相互に対向するように構成された相互対向構造を有し、
前記相互対向構造の前記第1の部分と第2の部分の間の最小距離(ゼロを除く)をD1(mm)とし、前記放電空間内の前記希ガスの全圧力をP(Torr)としたとき、
−0.9Log(D1)+0.70≦
Log(P)≦−0.3Log(D1)+1.57 (1)式
の関係を満たすことを特徴とする熱陰極蛍光ランプが提供される。
ここで、本発明による熱陰極蛍光ランプにおいて、前記最小距離D1(mm)は、0.05mm〜10mmの範囲であっても良い。
また、本発明による熱陰極蛍光ランプにおいて、前記本体部は、略円柱状の形状を有しても良い。
この場合、前記本体部は、第1および第2の底面、ならびに両底面をつなぐ側面を有し、前記第1の底面から、軸方向に沿って形成された孔を有し、
前記孔は、前記軸方向に垂直な方向において、略円状、略楕円状、または略矩形状の断面を有しても良い。
前記孔は、前記軸方向に垂直な方向において、略円状、略楕円状、または略矩形状の断面を有しても良い。
また、前記本体部の全長をL2(mm)とし、前記孔の深さをL1(mm)としたとき、
L2−L1>0 (2)式
を満たしても良い。
L2−L1>0 (2)式
を満たしても良い。
また、前記最小距離D1(mm)と前記孔の深さL1(mm)との間に、
L1/D1≧1.0 (3)式
が成立しても良い。
L1/D1≧1.0 (3)式
が成立しても良い。
また、本発明による熱陰極蛍光ランプにおいて、前記第1の底面は、略円形または略楕円形であり、前記第1の底面の直径または短軸の長さをD2(mm)としたとき、
0.5mm≦D2≦5.0mm (4)式
を満たしても良い。
0.5mm≦D2≦5.0mm (4)式
を満たしても良い。
また、本発明による熱陰極蛍光ランプにおいて、前記本体部の相互対向構造は、相互に対向する2つの平板状部分を有しても良い。
本発明では、導電性マイエナイト化合物を電極とする熱陰極蛍光ランプにおいて、交流点灯時の陰極降下電圧が有意に改善された、熱陰極蛍光ランプを提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施例による熱陰極蛍光ランプについて説明する。
図1には、本発明の一実施例による熱陰極蛍光ランプの概略的な一例を示す。
図1に示すように、本発明の一実施例による熱陰極蛍光ランプ100は、放電空間120を有するガラス等で構成された管状のバルブ130と、一組の電極140と、封止部151とを有する。
放電空間120内には、希ガスおよび水銀が充填される。希ガスの種類は、特に限られず、希ガスは、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、およびこれらの少なくとも2つを含む混合ガスであっても良い。
バルブ130の内表面には、保護膜160および蛍光体170が設置されている。保護膜160は、バルブ130に含まれるナトリウムの溶出を防ぎ、主として水銀とナトリウムの化合物が生成することを抑制することにより、蛍光ランプ内壁が黒化することを防ぐ役割を有する。ただし、保護膜160の設置は、任意である。
封止部151は、熱陰極蛍光ランプ100の両端に、バルブ130の放電空間を密閉するように設けられている。なお、図1の例では、封止部151は、バルブ130と一体化された単一の部材となっている。しかしながら、封止部151は、バルブ130とは異なる部材で構成されても良い。
電極140は、本体部141と、該本体部141を支持するための導電性支持体149とを有する。図1の例では、導電性支持体149は、収容口152を備えたカップ状の形状となっており、この収容口152内に本体部141を装着することにより、導電性支持体149で本体部141を支持することができる。ただし、この導電性支持体149の構成は、一例であって、導電性支持体149は、他の方法により、本体部141を支持しても良い。
電極140の本体部141は、導電性マイエナイト化合物で構成される。導電性マイエナイト化合物は、2.4eVと比較的仕事関数が低く、かつ導電性がある。このため、本体部141を導電性マイエナイト化合物で構成することにより、蛍光ランプ100の始動時に、小さな印加電圧でも、放電を開始させることができる。また、効率的に電子を放出することができる。
導電性支持体149の一部には、導電性のリード155の一端が接続される。リード155は、電極140に電圧を印加する際の端子として使用される。図1の例では、リード155の一端は、導電性支持体149の中央部に設けられた開口159内に挿入されている。ただし、これは一例であって、導電性支持体149とリード155の接続方法は、特に限られない。また、導電性支持体149とリード155とは、一体化物として構成されても良い。なお、リード155の他端は、封止部151を貫通して、熱陰極蛍光ランプ100の外部に導出される。
このように構成された熱陰極蛍光ランプ100は、以下のようにして作動される。
まず、リード155を介して両電極140に電圧が印加され、放電が開始する。ここで、陰極から放出された電子の一部は、バルブ130の放電空間120内に封入されている水銀原子と衝突する。これにより、水銀原子が励起され、励起された水銀が基底状態に戻る際に紫外線が放出される。
放出された紫外線は、バルブ130の蛍光体170に照射され、これにより蛍光体170から可視光線が発生する。
以上の一連の過程により、熱陰極蛍光ランプ100から可視光線を放射させることができる。
ところで、本願発明者らの実験によれば、ロッド状の導電性マイエナイト化合物を陰極の本体部として使用した熱陰極蛍光ランプにおいて、しばしば、交流点灯時の電圧が高くなる場合があることが見出されている。このような交流点灯時の電圧上昇が生じると、熱陰極蛍光ランプの消費電力が大きくなってしまう。また、陰極のスパッタ率が高くなり、電極の寿命が短くなってしまうという問題が生じ得る。
なお、このような問題に対処するため、陰極の本体部を、いわゆる「ホロー効果」が得られるような形状に調製することが考えられる。
ここで、「ホロー効果」とは、電極の本体部が例えば2枚の平行平板のような、相互に間隙を介して対向する構造を有する場合(以下、このような構造を「相互対向構造」と称する)に、「相互対向構造」の第1の平行平板(第1の部分)で生じた熱電子が第2の平行平板(第2の部分)に衝突することが繰り返され、電子が倍増される現象を意味する。この「ホロー効果」を利用すれば、導電性マイエナイト化合物製の陰極においても、交流点灯時の陰極降下電圧を有意に抑制できることが期待される。
しかしながら、導電性マイエナイト化合物製の陰極において、陰極の形状がホロー効果に及ぼす影響は、これまで十分に明らかにされていない。このため、どのような相互対向構造を形成すれば、交流点灯時の陰極降下電圧上昇を抑制し得るような、十分なホロー効果が生じるかは、不明である。
例えば、これまでの本願発明者等の実験によれば、導電性マイエナイト化合物製の陰極に、単に相互対向構造を形成しても、十分なホロー効果が生じない場合が観測されている。さらに、陰極が同一の相互対向構造を有する場合であっても、ランプの作動条件によって、十分なホロー効果が生じる場合と、生じない場合があることも観察されている。
本願発明者らは、このような導電性マイエナイト化合物製の陰極における新たな問題に対応すべく、鋭意研究を行ってきた。その結果、本願発明者らは、有効なホロー効果の発生有無は、電極本体部の形状、およびランプに含まれる希ガスの全圧力と相関があり、両者が所定の関係を満たす場合に、十分なホロー効果が生じることを見出し、本願発明に至った。
すなわち、本発明では、電極140の導電性マイエナイト化合物製の本体部141は、
第1の部分および第2の部分が間隙を介して相互に対向するように構成された相互対向構造を有し、
前記相互対向構造の前記第1の部分と第2の部分の間の最小距離(ゼロを除く)をD1(mm)とし、前記放電空間内の前記希ガスの全圧力をP(Torr)としたとき、
−0.9Log(D1)+0.70≦
Log(P)≦−0.3Log(D1)+1.57 (1)式
の関係を満たすことを特徴とする。
第1の部分および第2の部分が間隙を介して相互に対向するように構成された相互対向構造を有し、
前記相互対向構造の前記第1の部分と第2の部分の間の最小距離(ゼロを除く)をD1(mm)とし、前記放電空間内の前記希ガスの全圧力をP(Torr)としたとき、
−0.9Log(D1)+0.70≦
Log(P)≦−0.3Log(D1)+1.57 (1)式
の関係を満たすことを特徴とする。
導電性マイエナイト化合物製の本体部141を、(1)式を満たすように構成することにより、陰極に十分なホロー効果が生じるようになる。従って、本発明では、交流点灯時の電圧が有意に改善された熱陰極蛍光ランプを提供することが可能となる。
なお、最小距離D1は、0.05mm〜10mmの範囲であることが好ましい。
(相互対向構造について)
ここで、図面を参照して、本発明の一実施例において使用される相互対向構造について、詳しく説明する。
ここで、図面を参照して、本発明の一実施例において使用される相互対向構造について、詳しく説明する。
図2には、本発明の一実施例による熱陰極蛍光ランプにおいて、電極の本体部に使用される、相互対向構造の一例を模式的に示す。
図2には、電極の本体部241の部分拡大図が示されている。図2に示すように、本体部241は、相互対向構造242を有する。
この相互対向構造242は、第1の導電性平板250Aと、第2の導電性平板250Bとを、間隙270を介して相互に対向して配置させることにより構成される。なお、図2からは視認できないが、相互対向構造242のZ方向の負側の端面、すなわち、第1の導電性平板250Aの図示されない下側の端面と、第2の導電性平板250Bの図示されない下側の端面とは、相互に離れていても良く、あるいは接続されていても良い。
ここで、本発明の一実施例では、第1の導電性平板250Aと第2の導電性平板250Bの間の距離、すなわち間隙270の幅をD1としたとき、この幅D1(mm)は、前述の(1)式を満たすように選定される。
相互対向構造242をこのように構成することにより、前述のような効果、すなわち陰極に十分なホロー効果が生じるようになる。
なお、図2の例では、2枚の導電性平板250A、250Bを相互に平行に配置することにより構成される相互対向構造を示したが、本発明による熱陰極蛍光ランプに使用され得る相互対向構造の構成は、これに限られるものではない。
すなわち、相互対向構造は、相互に間隙を介して対向する第1および第2の2つの部分を有する限り、その構成は、特に限られない。
図3には、本発明の一実施例による熱陰極蛍光ランプに使用され得る別の相互対向構造の構成例を模式的に示す。
図3の例では、電極の本体部341の相互対向構造342は、4つの側面および2つの底面を有する直方体345で構成される。すなわち、この直方体345は、第1の底面355Aおよび第2の底面355Bと、第1〜第4の側面350A〜350Dとを有する。
直方体345は、全長がL2(mm)であり、第1の底面355Aの最小幅は、D2(mm)である。
また、直方体345は、第1の底面355Aから長手軸の方向(Z方向)に沿って延在する孔370を有する。この孔370は、長手軸に垂直な方向の断面が略矩形状であり、該矩形の短辺の長さは、D1(mm)である。
ここで、孔370の長手軸に垂直な方向の断面における短辺の長さD1(mm)は、前述の(1)式を満たすように選定される。
この場合、直方体345の側面350Aの内面が第1の部分となり、側面350Cが第2の部分となり、両者の間で、有効なホロー効果が生じるようになる。このため、図3に示す相互対向構造342を有する電極を使用することにより、交流点灯時の電圧が有意に改善された熱陰極蛍光ランプを提供することができる。
なお、図3からは確認できないが、孔370は、深さL1(mm)を有する。この孔370の深さL1は、直方体345の全長L2(mm)と等しくても良い(この場合、孔370は貫通孔となる)が、孔370の深さL1は、
L2−L1>0 (2)式
を満たすことが好ましい。
L2−L1>0 (2)式
を満たすことが好ましい。
(2)式を満たす場合、本体部341は、いわゆる「有底形状」となる。この場合、孔370の底部の周囲においても、電子の衝突による電子倍増効果が得られるようになり、よりいっそう顕著なホロー効果が得られる。このため、熱陰極蛍光ランプの特性がさらに向上する。
なお、L2−L1の値の上限は、特に限られないが、L2−L1の値が大きくなり過ぎると、電極の「ホロー効果」にあまり寄与しない部分が多くなるおそれがある。このため、L2−L1の値の上限は、5mm以下であっても良い。
また、孔370は、
L1/D1≧1.0 (3)式
の関係を満たすことが好ましい。
また、孔370は、
L1/D1≧1.0 (3)式
の関係を満たすことが好ましい。
さらに、直方体345の第1の底面355Aの短辺の長さD2(mm)は、
0.5mm≦D2≦5.0mm (4)式
を満たすことが好ましい。D2が0.5mm以上である相互対向構造は、作製しやすい。また、D2が5.0mm以下であると、本体部の熱容量の上昇により熱電子放出の始動特性が劣化するのを防ぐことができる。
0.5mm≦D2≦5.0mm (4)式
を満たすことが好ましい。D2が0.5mm以上である相互対向構造は、作製しやすい。また、D2が5.0mm以下であると、本体部の熱容量の上昇により熱電子放出の始動特性が劣化するのを防ぐことができる。
なお、以上の記載では、孔370の長手軸に垂直な断面の形状が矩形状である場合を例に、相互接続構造の各種寸法について説明した。しかしながら、孔370の長手軸に垂直な断面の形状は、これに限られるものではなく、この形状は、例えば、円または楕円等であっても良い。
例えば、孔の断面形状が円の場合、孔の寸法は、円の直径をD1(mm)としたとき、このD1(mm)に関して前述の式(1)が満たされるように定められる。一方、孔の断面形状が楕円の場合、孔の寸法は、楕円の短軸の長さをD1(mm)としたとき、このD1(mm)に関して前述の(1)式が満たされるように定められる。これにより、有効なホロー効果を得ることができる。
従って、より一般的には、相互対向構造における間隙の寸法D1(mm)は、間隙の最小寸法、換言すれば、相互に対向する部分の間の最小距離となる。そして、前述の(1)式が満たされるようにこの最小距離D1(mm)を選定することにより、ランプにおいて、有効な「ホロー効果」を発生させることができる。
図4には、本発明の一実施例による熱陰極蛍光ランプに使用され得るさらに別の相互対向構造の構成例を模式的に示す。
図4の例では、電極の本体部441は、略円柱状の形状を有する。より具体的には、電極の本体部441は、第1の底面455A、第2の底面455B、および両底面をつなぐ側面450を有する。また、電極の本体部441は、第1の底面455Aから長手軸410の方向(Z方向)に沿って延在する孔470を有する。
第1の底面455Aおよび第2の底面455Bは、略円形状であり、直径D2(mm)を有する。また、側面450は、全長L2(mm)を有する。
ここで、孔470は、深さL1(mm)を有し、軸410に対して垂直な方向において、略円形の断面を有する。
このような構成の本体部441においても、孔470を区画する側壁450Wのある部分を第1の部分とし、側壁450Wのこの第1の部分に対向する部分を第2の部分とすれば、この構成を、2つの部分が孔470の直径分だけ離れて相互に対向するように構成された相互対向構造442と見なすことができる。
この場合、孔470の直径D1(mm)が前述の(1)式を満たすようにして、相互対向構造442を構成することにより、有効なホロー効果が生じる熱陰極蛍光ランプを得ることができる。
なお、図4のように構成される相互対向構造442においても、前述の図3を参照して示したものと同様の理由により、孔470の深さをL1(mm)とし、本体部442の全長をL2(mm)としたとき、
L2−L1>0 (2)式
を満たすことが好ましい。また、孔470の直径D1(mm)と深さL1(mm)との間には、
L1/D1≧1.0 (3)式
の関係が得られることが好ましい。比L1/D1が1より小さくなると、十分なホロー効果が得られ難くなるおそれがある。
さらに、第1の底面455Aの直径D2(mm)は、
0.5mm≦D2≦5.0mm (4)式
を満たすことが好ましい。
L2−L1>0 (2)式
を満たすことが好ましい。また、孔470の直径D1(mm)と深さL1(mm)との間には、
L1/D1≧1.0 (3)式
の関係が得られることが好ましい。比L1/D1が1より小さくなると、十分なホロー効果が得られ難くなるおそれがある。
さらに、第1の底面455Aの直径D2(mm)は、
0.5mm≦D2≦5.0mm (4)式
を満たすことが好ましい。
また、図4の例では、孔470は、長手軸410に垂直な断面の形状が略円形状になっている。しかしながら、孔470の長手軸に垂直な断面の形状は、これに限られるものではなく、この形状は、例えば、楕円または矩形等であっても良い。
孔470の断面形状が楕円の場合、楕円の短軸の長さをD1(mm)とし、前述の(1)式が満たされるように、孔470の形状を定めることにより、有効なホロー効果を得ることができる。同様に、孔470の断面形状が略矩形状の場合、矩形の短辺の長さをD1(mm)とし、前述の(1)式が満たされるように、孔470の形状を定めることにより、有効なホロー効果を得ることができる。孔470の断面形状がこの他の形状の場合も、断面の最小寸法をD1(mm)とし、前述の(1)式が満たされるように、孔470の形状を定めることにより、有効なホロー効果を得ることができる。
なお、図2〜図4に示した構成の他にも、様々な相互対向構造の構成が存在し得る。例えば、図4では、本体部441は、略円柱状の形状を有し、軸410方向に垂直な断面は、一定の寸法となっている。しかしながら、本体部441は、例えば、略円錐台状または略楕円錐台状などのように、長手軸方向に垂直な断面の寸法が、場所によって変化する形状を有しても良い。この場合、前述の(4)式において、長手軸方向に垂直な断面のうち、最小の断面の直径(または短軸)がD2(mm)として採用される。
(本発明の蛍光ランプの各部材の詳細について)
次に、再度図1を参照して、本発明の一実施例による熱陰極蛍光ランプ100の電極140および蛍光体170の仕様について、詳しく説明する。なお、バルブ130、封止部151、および保護膜160等の部材に関しては、その仕様は当業者には十分に明らかであるので、記載を省略する。
次に、再度図1を参照して、本発明の一実施例による熱陰極蛍光ランプ100の電極140および蛍光体170の仕様について、詳しく説明する。なお、バルブ130、封止部151、および保護膜160等の部材に関しては、その仕様は当業者には十分に明らかであるので、記載を省略する。
(電極140)
前述のように、電極140は、本体部141、導電性支持体149、およびリード155を有しても良い。
前述のように、電極140は、本体部141、導電性支持体149、およびリード155を有しても良い。
(本体部141)
前述のように、本発明による電極140の本体部141は、導電性マイエナイト化合物で構成される。
前述のように、本発明による電極140の本体部141は、導電性マイエナイト化合物で構成される。
ここで、「マイエナイト化合物」とは、ケージ(籠)構造を有する12CaO・7Al2O3(以下「C12A7」ともいう。)およびC12A7と同等の結晶構造を有する化合物(同型化合物)の総称である。
一般に、マイエナイト化合物は、ケージの中に酸素イオンを包接しており、この酸素イオンは、特に「フリー酸素イオン」と称される。
また、この「フリー酸素イオン」は、還元処理等により、その一部もしくは全てを電子で置換することができ、特に、電子密度が1.0×1015cm−3以上のものが「導電性マイエナイト化合物」と呼ばれる(従って、「マイエナイト化合物」には、「導電性マイエナイト化合物」と「非導電性マイエナイト化合物」が含まれる)。「導電性マイエナイト化合物」は、その名が示すように導電性を有するため、熱陰極傾向ランプ等の電極材料として使用することができる。
本発明では、「導電性マイエナイト化合物」の電子密度は、1.0×1018cm−3以上であることが好ましく、1.0×1019cm−3以上であることがより好ましく、1.0×1020cm−3以上であることがさらに好ましい。導電性マイエナイト化合物の電子密度が1.0×1018cm−3以上である場合、電極に使用した際の電極の電気抵抗が小さくなる。また、放電によって導電性マイエナイト化合物は、電子密度が増加し、包摂していた酸素を放出することがある。この酸素は、放電空間内の水銀と反応し酸化水銀を生成し、放電空間内の水銀ガスを枯渇させる恐れがあるが、導電性マイエナイト化合物の電子密度が1.0×1019cm−3以上である場合、その影響は小さい。電子密度が1.0×1020cm−3以上である場合、さらにその影響は小さくなる。
導電性マイエナイト化合物の電子密度と導電率の関係は、以下のようになる。本発明における導電性マイエナイト化合物の電気伝導率は、電子密度が1×1018/cm3のときに0.1S/cmであるため、0.1S/cm以上であることが好ましく、1.0S/cm以上であることがさらに好ましい。電気伝導率の最大値としては、単結晶では1500S/cm程度が可能である。
なお、本願において、導電性マイエナイト化合物の電子密度とは、電子スピン共鳴装置での測定により算出された、または吸収係数の測定により算出された、スピン密度の測定値を意味する。一般には、スピン密度の測定値が1019cm−3よりも小さい場合は、電子スピン共鳴装置(ESR装置)を用いて測定することが好ましく、1018cm−3を超える場合は、以下のようにして、電子密度を算定することが好ましい。まず分光光度計を用いて、導電性マイエナイトのケージ中の電子による光吸収の強度を測定し、2.8eVでの吸収係数を求める。次に、この得られた吸収係数が電子密度に比例することを利用して、導電性マイエナイトの電子密度を定量する。また、導電性マイエナイト化合物が粉末等であり、光度計によって透過スペクトルを測定することが難しい場合は、積分球を使用して光拡散スペクトルを測定し、クベルカムンク法によって得られた値から、導電性マイエナイト化合物の電子密度が算定される。
なお、本発明において導電性マイエナイト化合物は、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)および酸素(O)からなるC12A7結晶構造を有している限り、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)および酸素(O)の中から選ばれた少なくとも1種の原子の一部または全部が、他の原子や原子団に置換されていても良い。例えば、カルシウム(Ca)の一部は、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、セリウム(Ce)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)および/または銅(Cu)などの原子で置換されていても良い。また、アルミニウム(Al)の一部は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、スカンジウム(Sc)、ランタン(La)、イットリウム(Y)、ヨーロピウム(Eu)、イットリビウム(Yb)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)および/またはテリビウム(Tb)などで置換されても良い。また、ケージの骨格の酸素は、窒素(N)などで置換されていても良い。
また、導電性マイエナイト化合物は、12CaO・7Al2O3化合物、12SrO・7Al2O3化合物、これらの混晶化合物、またはこれらの同型化合物であることが好ましい。
本発明では、これらに限定されるものではないが、導電性マイエナイト化合物として、例えば下記の(1)〜(4)に示す化合物が考慮される。
(1)C12A7化合物の骨格を構成するカルシウム(Ca)の一部が、マグネシウム(Mg)またはストロンチウム(Sr)に置換された、カルシウムマグネシウムアルミネート(Ca1−yMgy)12Al14O33、またはカルシウムストロンチウムアルミネート(Ca1−zSrz)12Al14O33。なお、yおよびzは0.1以下であることが好ましい。
(2)シリコン置換型マイエナイトであるCa12Al10Si4O35。
(3)ケージ中のフリー酸素イオンがH−、H2 −、H2−、O−、O2 −、OH−、F−、Cl−、Br−、S2−またはAu−などの陰イオンによって置換された、例えば、Ca12Al14O32:2OH−またはCa12Al14O32:2F−。
(4)陽イオンと陰イオンがともに置換された、例えばワダライトCa12Al10Si4O32:6Cl−。
なお、電極140の本体部141は、導電性マイエナイト化合物単独で構成されても良いが、さらに別の添加物質を含んでも良い。別の添加物質は、例えば、酸化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(SrO)または酸化カルシウム(CaO)等であっても良い。電極本体部141が導電性マイエナイト化合物とこのような酸化物を同時に含む場合、低温域(〜800℃程度)から高温域(〜1300℃程度)までの広い温度範囲にわたって、優れた熱電子放出特性が得られる。
別の添加物質は、本体部141の全重量に対して、例えば1wt%〜50wt%の範囲で添加される。
導電性マイエナイト化合物の導電率は、還元性雰囲気での熱処理により、調整することができる。従って、本体部141の抵抗値も、制御することができる。また、抵抗値は、焼結体の緻密さによっても制御することが可能である。
ここで、本体部141は、前述のように、第1の部分および第2の部分が間隙を介して相互に対向するように構成された相互対向構造を有する。また、この相互対向構造の第1の部分と第2の部分の間の最小距離D1(mm)は、ランプの放電空間120内の希ガスの全圧力をP(Torr)としたとき、
−0.9Log(D1)+0.70≦
Log(P)≦−0.3Log(D1)+1.57 (1)式
の関係を満たすように選定される。
−0.9Log(D1)+0.70≦
Log(P)≦−0.3Log(D1)+1.57 (1)式
の関係を満たすように選定される。
(導電性支持体149)
導電性支持体149の材料には、通常、コバールなどの鉄基合金、ニッケル、モリブデンまたはタングステンが使用される。なお、導電性支持体149は、いかなる形状であっても良い。
導電性支持体149の材料には、通常、コバールなどの鉄基合金、ニッケル、モリブデンまたはタングステンが使用される。なお、導電性支持体149は、いかなる形状であっても良い。
(リード155)
リード155の材質は、導電性を示す材料である限り、特に限られない。また、リード155の寸法、形状等も、特に限られない。なお、前述のように、リード155は、導電性支持体149と一体化構成されても良い。
リード155の材質は、導電性を示す材料である限り、特に限られない。また、リード155の寸法、形状等も、特に限られない。なお、前述のように、リード155は、導電性支持体149と一体化構成されても良い。
リード155の断面積は、例えば、0.01mm2〜400mm2の範囲である。
(蛍光体170)
蛍光体170としては、例えば、ユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体、セリウムテルビウム付活燐酸ランタン蛍光体、ユーロピウム付活ハロ燐酸ストロンチウム蛍光体、ユーロピウム付活バリウムマグネシウムアルミネート蛍光体、ユーロピウムマンガン付活バリウムマグネシウムアルミネート蛍光体、テルビウム付活セリウムアルミネート蛍光体、テルビウム付活セリウムマグネシウムアルミネート蛍光体、およびアンチモン付活ハロ燐酸カルシウム蛍光体などを単独、または混合して使用できる。
蛍光体170としては、例えば、ユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体、セリウムテルビウム付活燐酸ランタン蛍光体、ユーロピウム付活ハロ燐酸ストロンチウム蛍光体、ユーロピウム付活バリウムマグネシウムアルミネート蛍光体、ユーロピウムマンガン付活バリウムマグネシウムアルミネート蛍光体、テルビウム付活セリウムアルミネート蛍光体、テルビウム付活セリウムマグネシウムアルミネート蛍光体、およびアンチモン付活ハロ燐酸カルシウム蛍光体などを単独、または混合して使用できる。
なお、熱陰極蛍光ランプ100において、形状、サイズ、ワット数、ならびに蛍光ランプが放つ光色および演色性などは、特に限定されない。形状については、図1に示すような直管に限られず、例えば、丸形、二重環形、ツイン形、コンパクト形、U字形、電球形などの形状で合っても良い。サイズについては、例えば4形〜110形などであっても良い。ワット数については、例えば数ワット〜百数十ワットなどであっても良い。光色については、例えば、昼光色、昼白色、白色、温白色、および電球色などがある。
作動中(放電中)に、熱陰極蛍光ランプ100の両電極間に流れるランプ電流は、例えば0.010A〜1Aの範囲であっても良い。
(電極の本体部の製造方法)
次に、前述のような特徴を有する電極の本体部の製造方法の一例について説明する。なお、以下の記載では、一例として、図4に示した電極の本体部441を製造する場合について説明する。ただし、その他の構成の電極の本体部も、同様の方法により製造することができることは明らかであろう。
次に、前述のような特徴を有する電極の本体部の製造方法の一例について説明する。なお、以下の記載では、一例として、図4に示した電極の本体部441を製造する場合について説明する。ただし、その他の構成の電極の本体部も、同様の方法により製造することができることは明らかであろう。
電極の本体部441を製作する方法は、マイエナイト化合物を含む粉末を調製するステップ(ステップ110)と、前記粉末を含む成形体を形成するステップ(ステップ120)と、前記成形体を脱脂し脱脂体を得るステップ(ステップ130)と、得られた脱脂体を焼結しつつ、導電性を付与するステップ(ステップ140)とを有する。以下、各ステップについて詳しく説明する。
(ステップ110)
まず、平均粒径1μm〜10μm程度のマイエナイト化合物粉末が準備される。特に、粉末の平均粒径は、2μm以上6μm以下であることが好ましい。なお、平均粒径が1μm以上であると、粉末の凝集を防ぐことができ、10μm以下であると、焼結が進みやすい。
まず、平均粒径1μm〜10μm程度のマイエナイト化合物粉末が準備される。特に、粉末の平均粒径は、2μm以上6μm以下であることが好ましい。なお、平均粒径が1μm以上であると、粉末の凝集を防ぐことができ、10μm以下であると、焼結が進みやすい。
通常の場合、マイエナイト化合物粉末は、マイエナイト化合物原料を粗粉化し、さらにこの粗粉を微細まで粉砕することにより調製される。原料の粗粉化には、スタンプミル、自動乳鉢等が使用され、まず平均粒径が約20μm程度になるまで粉砕される。粗粉を前述の平均粒径の微細粉まで粉砕するには、ボールミル、ビーズミルなどが使用される。
(ステップ120)
次に、マイエナイト化合物粉末を含む成形体が製作される。
次に、マイエナイト化合物粉末を含む成形体が製作される。
成形体の製作方法は、特に限られず、ペースト(またはスラリー。以下同じ)を介して、あるいは粉末またはペーストの加圧成形により、成形体を製作しても良い。例えば、前述の調製粉末をバインダとともに溶媒中に添加、撹拌することにより、ペーストを調製しても良い。
ここで、成形体は、後に本体部441の相互接続構造442を構成するための部分を含むことが好ましい。成形体のこのような部分は、例えば、ペーストの射出成形の際に直接形成しても良い。あるいは、このような部分は、例えば成形体に孔開け加工等を行うことにより、形成しても良い。
(ステップ130)
次に、得られた成形体が脱脂される。なお、成形体が溶媒を含む場合は、予め成形体を50℃〜200℃の温度範囲で20〜30分程度保持し、溶媒を揮発除去しても良い。また、成形体がバインダを含む場合は、予め成形体を200〜800℃の温度範囲で20分〜100時間程度保持し、バインダを除去しても良い。あるいは、両者の処理を同時に行っても良い。
次に、得られた成形体が脱脂される。なお、成形体が溶媒を含む場合は、予め成形体を50℃〜200℃の温度範囲で20〜30分程度保持し、溶媒を揮発除去しても良い。また、成形体がバインダを含む場合は、予め成形体を200〜800℃の温度範囲で20分〜100時間程度保持し、バインダを除去しても良い。あるいは、両者の処理を同時に行っても良い。
(ステップ140)
次に、得られた脱脂体を還元性雰囲気下で熱処理し、焼結反応を進行させると同時に、焼結体に導電性を付与する。
次に、得られた脱脂体を還元性雰囲気下で熱処理し、焼結反応を進行させると同時に、焼結体に導電性を付与する。
ここで、還元性雰囲気とは、雰囲気中に還元剤が存在し、かつ酸素分圧が10−3Pa以下の不活性ガス雰囲気、または減圧環境を意味する。還元剤は、例えばカーボンやアルミニウムの粉末を原料に混ぜた状態で提供しても良い。あるいは、雰囲気中に、カーボン、カルシウム、アルミニウム、またはチタンを設置することにより、導入しても良い。カーボンの場合は、成形体をカーボン容器に入れて真空下で焼成する方法が例示される。
酸素分圧は、10−5Pa以下であることが好ましく、10−10Paであることがより好ましく、10−15Pa以下であることがさらに好ましい。酸素分圧が10−3Pa以下であると、マイエナイト化合物に十分な導電性を付与することができる。
熱処理温度は、例えば1200℃〜1415℃の範囲であり、1250℃〜1350℃の範囲であることが好ましい。1200℃以上であると、焼結が十分に進行し、得られる焼結体の強度を高くできる。また、熱処理温度が1415℃以下であると、粉末の溶融を防ぎ、焼結体の形状を維持できる。
前記温度に保持する時間は、焼結が完了するように調整すれば良いが、好ましくは5分以上、さらに好ましくは10分以上、さらにより好ましくは15分以上である。保持時間が5分以上であると、焼結を十分に進行できる。また、保持時間を長くしても、特性上は特に問題はないが、作製コストを考えると、保持時間は、6時間以内が好ましい。
なお、成形体の段階で、後に本体部441の相互接続構造442となる部分を形成していなかった場合は、この(ステップ140)の工程で得られた焼結体が、所望の形状に加工される。例えば、ロッド状の焼結体の底面に、軸方向に沿って、孔が加工形成されることにより、相互接続構造442が構成される。
以上の工程により、相互接続構造442を有する、導電性マイエナイト化合物製の本体部441を製造することができる。
なお、前述の製造方法では、電極の本体部441が導電性マイエナイト化合物のみで構成される場合を例に、本体部441の製造方法について説明した。
一方、導電性マイエナイト化合物とアルカリ土類金属酸化物の混合物を含む本体部441を形成する場合は、前述の(ステップ110)の段階で、マイエナイト化合物粉末に、例えば、所望のアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を添加し、混合粉末を調製すれば良い。
ただし、このような混合粉末を出発物質として使用する場合は、反応の過程で生じるCO2を除去する処置が必要となる。CO2が残留すると、熱陰極蛍光ランプ中の水銀が劣化され、発光効率が低下してしまうからである。CO2の除去は、例えば窒素雰囲気または真空下で、成形体に対して、予め800℃〜1200℃の温度に20〜30分間程度保持することにより行われても良い。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
以下の方法により、熱陰極蛍光ランプを作製し、その特性について評価した。
以下の方法により、熱陰極蛍光ランプを作製し、その特性について評価した。
(電極の作製)
電極は、モリブデン製の支持体と、導電性マイエナイト化合物からなる本体部とで構成した。
電極は、モリブデン製の支持体と、導電性マイエナイト化合物からなる本体部とで構成した。
まず、以下のようにして、本体部を作製した。
313.5gの炭酸カルシウム(CaCO3)粉末と、186.5gの酸化アルミニウム(Al2O3)粉末とを混合した後、この混合粉末を耐熱容器に入れ、大気中、1350℃まで加熱し、この温度に6時間保持した。昇温速度は、300℃/時間とした。その後、耐熱容器を300℃/時間の冷却速度で、室温まで降温した。これにより、約362gの白色塊体を得た。
次に、アルミナ製スタンプミルにより、この白色塊体を、寸法が約5mmの破片になるように解砕した。さらに、これをアルミナ製自動乳鉢で粗粉砕し、白色粉末を得た。この白色粉末350gと、直径5mmのジルコニアボール3kgと、粉砕溶媒としての工業用ELグレードのイソプロピルアルコール350mlとを、2リットルのジルコニア製容器に入れ、容器にジルコニア製の蓋を載せてから、回転速度94rpmで、16時間、ボールミル粉砕処理を実施した。処理後、得られたスラリーを吸引ろ過により粉砕溶媒を除去した。その後、得られた粉末を80℃のオーブンで10時間乾燥させた。
これにより、粉末A1を得た。X線回折分析の結果、得られた粉末A1は、C12A7単相であること(すなわちマイエナイト化合物であること)が確認された。
前述の方法で得られたマイエナイト化合物粉末A1を79.8g、成形用バインダとしてのポリエチレンオキサイドを13.0g、可塑剤としての脂肪酸エステルを0.2g、潤滑剤としてのステアリン酸を7.0gずつ配合し、成形体原料を調合した。
次に、この成形体原料を射出成形し、ロッド形状の成形体を得た。さらに、このロッド形状の成形体の一方の底面のほぼ中央部分に、精密ドリルで非貫通孔(約0.6mmφ)を形成し、成形体C1を得た。
次に、以下のようにして、成形体C1の脱脂を行った。
成形体C1をアルミナ板上に置き、この状態のまま電気炉内に設置した。電気炉を昇温し、大気下で、成形体C1を、40分間で200℃まで加熱した。次に、成形体C1を8時間で600℃まで加熱した後、2時間で室温まで冷却させた。
これにより、脱脂体D1が得られた。
次に、脱脂体D1と、チタン粉末とを両者が直接触れないようにして、カーボンるつぼ(外径50mm×内径40mm×高さ60mm)内に配置した。このカーボンるつぼを、0.1Pa以下の減圧下において、1300℃で6時間保持した。
この熱処理により、脱脂体D1が焼結され、本体部E1が得られた。得られた本体部E1の外径(D2)は1.75mmであり、全長(L2)は5mmであった。また、孔の最小直径(D1)は、0.5mmであり、孔の深さ(L1)は2.5mmであった。
本体部E1の各種分析を行い、本体部E1が導電性マイエナイト化合物で構成されていることを確認した。より具体的には、本体部E1は、C12A7単相であり、相対密度は96.6%であり、電子密度は1.6×1021cm−3であった。
また、他方の電極を作製するため、前記ロッド形状の成形体に孔開け加工をせずに、同様の処理を行い、ロッド形状の本体部E'1を作製した。
次に、底部にφ0.6mmのデュメット線が溶接された内径φ1.8mm、外径φ2.0mm、深さ5mmのモリブデン製カップに、前述の方法で作製した本体部E1を挿入し、電極F1を作製した。
同様に、モリブデン製カップにロッド形状の本体部E'1を挿入し、電極F'1を作製した。
(蛍光ランプの作製)
次に、前述の方法で作製した電極F1およびF'1を用いて、以下のようにして、蛍光ランプを作製した。
次に、前述の方法で作製した電極F1およびF'1を用いて、以下のようにして、蛍光ランプを作製した。
まず、外径φ6mm、内径φ4mmのガラスチューブの両端に、それぞれ、電極F1およびF'1を封着した。電極間隔は、213mmであった。ガラスチューブは、中央部でT字型に分岐しており、この分岐部は、排気台に接続されている。
次に、前記ガラスチューブの内部を、10−3Pa(7.5×10−6Torr)まで真空排気した状態で、前記ガラスチューブを400℃に加熱し、30分間真空排気処理を行った。その後、ガラスチューブの内部に、ネオン90%、アルゴン10%の混合ガスを圧力が10Torrとなるように充填した。さらに、ガラスチューブ内に水銀アマルガムを配置した。チップオフした後、水銀アマルガムを誘導加熱にて加熱し、水銀をランプ内に導入した。
以上の工程により、実施例1に係る蛍光ランプ(以下、「ランプ1」と称する)が構成された。なお、ランプ1において、電極F1の本体部E1の孔の最小直径、すなわちD1は0.5mmであり、混合ガス圧力Pは、10Torrであるため、両者は、前述の(1)式を満たす。
作製したランプ1を用いて、以下のような評価試験を行った。
(点灯試験)
ランプ1を用いて、50kHzでの点灯試験を実施した。
ランプ1を用いて、50kHzでの点灯試験を実施した。
図5には、点灯試験の際に得られた電流電圧波形(横軸は時間)を示す。図5において、横軸は、時間である。
縦軸の値が正になっている波形部分は、陰極が電極F'1の場合に相当し、縦軸の値が負になっている波形部分は、陰極が電極F1の場合に相当する。
この結果から、縦軸の値が負の場合、すなわち電極F1が陰極の場合、縦軸の値が正の場合、すなわち電極F'1が陰極の場合に比べて、ランプ電圧が低下していることがわかる。
この結果は、電極F1によって、有効なホロー効果が生じ、放電に必要な電圧が低下したことを示唆するものである。
図6には、電極F1および電極F'1のそれぞれにおける電流−電圧の関係を示す。この図6は、ランプ1を50kHzで点灯した際の、陰極の電流実効値とランプ電圧の実効値の関係をプロットしたものである。
この図6から、陰極に電極F1を使用した場合、陰極に電極F'1を使用した場合に比べて、ランプ電圧実効値が50V程度低下することがわかる。この低下量は、例えば80mAの電流値において、消費電力が4W低下したことに相当する。
このように、陰極に電極F1を使用した蛍光ランプでは、陰極に電極F'1を使用した蛍光ランプに比べて、放電電圧が有意に抑制されることがわかった。
(実施例2)
次に、以下に示すように、電極本体部の相互対向構造における最小距離D1(mm)、および全希ガス圧力を変えて、各種蛍光ランプを作製し、これらのパラメータがホロー効果に及ぼす影響について評価した。なお、相互対向構造における最小距離D1(mm)は、電極本体部に形成する孔の直径を変化させることにより、変化させた。
次に、以下に示すように、電極本体部の相互対向構造における最小距離D1(mm)、および全希ガス圧力を変えて、各種蛍光ランプを作製し、これらのパラメータがホロー効果に及ぼす影響について評価した。なお、相互対向構造における最小距離D1(mm)は、電極本体部に形成する孔の直径を変化させることにより、変化させた。
(電極の本体部の作製)
前述の実施例1に示した方法と同様の方法で、導電性マイエナイト化合物製の本体部を作製した。ただし、ここでは、ロッド形状の成形体の底面に形成する非貫通孔の寸法を変えることにより、最終的に得られる相互対向構造の寸法が異なる本体部を作製した。
前述の実施例1に示した方法と同様の方法で、導電性マイエナイト化合物製の本体部を作製した。ただし、ここでは、ロッド形状の成形体の底面に形成する非貫通孔の寸法を変えることにより、最終的に得られる相互対向構造の寸法が異なる本体部を作製した。
より具体的には、孔の直径が約0.1mmの本体部E2、孔の直径が約0.3mmの本体部E3、孔の直径が約0.5mmの本体部E4、孔の直径が約1mmの本体部E5、孔の直径が約2mmの本体部E6を、それぞれ作製した。
なお、なお孔の深さL1(mm)と、孔の直径D1(mm)の比(L1/D1)は、いずれのサンプルにおいても5で一定とした。
本体部E2〜E6において、外径D2(mm)は、いずれも2.9mmであり、全長L2(mm)は、いずれも10mmであった。
この他、各本体部E2〜E6と同様の形状を有するが、非貫通孔を加工形成しなかったロッド形状の本体部(以下、それぞれ、「E'2〜E'6」と称する)を準備した。
(電極の作製)
前述の本体部E2を、外径φ3.2mm、内径φ2.9mm、長さ15mmのニッケル製の管内に挿入した。この際には、本体部E2の孔の開口を有する側の底面が、管の先端位置と一致するようにして、本体部E2を管内に挿入した。
前述の本体部E2を、外径φ3.2mm、内径φ2.9mm、長さ15mmのニッケル製の管内に挿入した。この際には、本体部E2の孔の開口を有する側の底面が、管の先端位置と一致するようにして、本体部E2を管内に挿入した。
次に、管の反対側の端面にコバール製の線をスポット溶接し、リード部を形成した。
これにより、ニッケル製の管を導電性支持体とし、この管内に導電性マイエナイト化合物製の本体部E2を有する電極F2が作製された。
同様の方法で、ニッケル製の管を導電性支持体とし、この管内に導電性マイエナイト化合物製の本体部E'2を有する電極F'2を作製した。
他の本体部E3〜E6およびE'3〜E'6も同様の方法で使用し、それぞれ、電極F3〜F6および電極F'3〜F'6が得られた。
(蛍光ランプの作製)
次に、前述の方法で作製した電極F2〜F6およびF'2〜F'6を用いて、以下のようにして、蛍光ランプを作製した。
次に、前述の方法で作製した電極F2〜F6およびF'2〜F'6を用いて、以下のようにして、蛍光ランプを作製した。
まず、外径φ30mm、内径φ27mmのガラスチューブの一端に、電極F2を封着した。また、ガラスチューブの他端に、電極F'2を封着した。電極間隔は、10mmとした。ガラスチューブは、中央部でT字型に分岐しており、この分岐部は、排気台に接続されている。
次に、ガラスチューブの内部を、10−3Pa(7.5×10−6Torr)まで真空排気した状態で、前記ガラスチューブを400℃に加熱し、30分間真空排気処理を行った。次に、ガラスチューブの内部に、純度99.9999%のアルゴンを充填した。充填圧力は、1Torr〜60Torrの範囲で変化させた。
これにより、本体部E2を有する電極F2および本体部E'2を有する電極F'2を含み、アルゴンの充填圧力の異なる複数の蛍光ランプ(以下、まとめて「ランプ2」と称する)が得られた。
同様の方法により、本体部E3を有する電極F3および本体部E'3を有する電極F'3を含み、アルゴンの充填圧力の異なる複数の蛍光ランプ(以下、まとめて「ランプ3」と称する)が得られた。また、本体部E4を有する電極F4および本体部E'4を有する電極F'4を含み、アルゴンの充填圧力の異なる複数の蛍光ランプ(以下、まとめて「ランプ4」と称する)が得られた。また、本体部E5を有する電極F5および本体部E'5を有する電極F'5を含み、アルゴンの充填圧力の異なる複数の蛍光ランプ(以下、まとめて「ランプ5」と称する)が得られた。さらに、本体部E6を有する電極F6および本体部E'6を有する電極F'6を含み、アルゴンの充填圧力の異なる複数の蛍光ランプ(以下、まとめて「ランプ6」と称する)が得られた。
(放電試験)
各ランプ2〜6を用いて、放電試験を実施した。
各ランプ2〜6を用いて、放電試験を実施した。
放電試験は、各ランプ2〜6を、2kΩのバラスト抵抗で、200mAの直流電流で点灯することにより実施した。なお、放電試験の際には、相互対向構造を有する本体部(E3〜E6)を有する電極(F3〜F6)の側を陰極とした。
放電の際に、陰極の放電発生箇所を目視で観察した。
図7には、各ランプ2〜6において得られた、陰極における主要な放電発生箇所の観察結果を示す。
図7において、横軸は、陰極の本体部(E2〜E6)の孔の直径D1(mm)の対数を示し、縦軸は、アルゴンガスの圧力P(Torr)の対数を示している。
また、図において、プロットの「○」は、主に本体部の孔の内部で放電が生じた場合を示しており、プロットの「×」は、本体部の孔の内部で顕著な放電が生じなかった場合を示している。換言すれば、プロットの「○」は、陰極の本体部の相互対向構造内で、有効な「ホロー効果」が得られた場合を示し、プロットの「×」は、陰極の本体部の相互対向構造内で、有効な「ホロー効果」が得られなかった場合を示している。
この図7から、陰極における主要な放電発生箇所は、本体部の孔の直径D1(mm)と、希ガスの圧力P(Torr)によって変化する傾向にあることがわかる。すなわち、陰極の本体部の孔の直径D1(mm)と、希ガスの圧力P(Torr)の関係が特定の範囲内(図のハッチで示した領域)にある場合に、有効な「ホロー効果」が得られることが確認された。
図7において、ハッチで示した領域の上側を区画する直線Aは、
log(P)=−0.3Log(D1)+1.57 (5)式
で表され、ハッチで示した領域の下側を区画する直線Bは、
log(P)=−0.9Log(D1)+0.70 (6)式
で表される。
log(P)=−0.3Log(D1)+1.57 (5)式
で表され、ハッチで示した領域の下側を区画する直線Bは、
log(P)=−0.9Log(D1)+0.70 (6)式
で表される。
従って、ハッチで示した有効な「ホロー効果」が得られる領域は、
−0.9Log(D1)+0.70≦Log(P)
≦−0.3Log(D1)+1.57 (1)式
で表されることがわかる。
−0.9Log(D1)+0.70≦Log(P)
≦−0.3Log(D1)+1.57 (1)式
で表されることがわかる。
なお、D1(mm)とP(Torr)の関係が直線Aよりも上側の領域に含まれるランプの場合、陰極での主要な放電は、本体部の先端の一点で生じる傾向にあることが観察された。このような放電形態の場合、放電のための電圧を低下させることは難しい上、陰極の本体部が局部的に溶融し、ランプの寿命が短くなる可能性がある。
また、D1(mm)とP(Torr)の関係が直線Bよりも下側の領域に含まれるランプの場合、陰極において、本体部だけでなく導電性支持体およびリードからも等しく放電が発生している様子が観察された。この場合も、有効な「ホロー効果」が生じていないため、放電のための電圧を低下させることは難しくなる。また、導電性支持体やリードが異常グロー放電により著しく加熱されるおそれがある。
これに対して、D1(mm)とP(Torr)の関係が直線AとBの間の領域に含まれるランプの場合、陰極における主要な放電発生箇所は、相互対向構造内となる。従って、この場合、ホロー効果により、放電のための電圧の低下が可能となり、電極の寿命も有意に改善することができる。
図8には、D1=0.3mm、P=10Torrのランプ3(以下、「ランプ3−1」と称する)を用いて、交流電圧を印加した際に得られた陰極の電流−電圧関係のリサージュ図を示す。白丸のプロットは、陰極がE3、すなわち相互対向構造を有する場合を示しており、黒丸のプロットは、陰極がE'3、すなわち相互対向構造を有しない場合を示している。
図8から明らかなように、このランプ3−1において、相互対向構造を有する本体部E3を有する電極F3を陰極として使用した場合と、相互対向構造を有しない本体部E'3を有する電極F'3を陰極として使用した場合とで、電流−電圧の関係は、ほとんど変化していないことがわかる。
この結果は、先に示した放電発生箇所の目視観察結果と一致する。すなわち、D1(mm)とP(Torr)の関係が、前述の(1)式を満たさないランプ3−1では、有効なホロー効果が得られず、その結果、相互対向構造を有する本体部E3を有する電極F3を陰極として使用しても、有意な電圧低下効果が得られなかったものと考えられる。
図9には、D1=2mm、P=40Torrのランプ6(以下、「ランプ6−1」と称する)を用いて、交流電圧を印加した際に得られた陰極の電流−電圧関係のリサージュ図を示す。白丸のプロットは、陰極がE6、すなわち相互対向構造を有する場合を示しており、黒丸のプロットは、陰極がE'6、すなわち相互対向構造を有しない場合を示している。
図9から明らかなように、このランプ6−1においても、相互対向構造を有する本体部E6を有する電極F6を陰極として使用した場合と、相互対向構造を有しない本体部E'6を有する電極F'6を陰極として使用した場合とで、電流−電圧の関係は、ほとんど変化していないことがわかる。
一方、図10には、D1=2mm、P=10Torrのランプ6(以下、「ランプ6−2」と称する)を用いて、交流電圧を印加した際に得られた陰極の電流−電圧関係のリサージュ図を示す。白丸のプロットは、陰極がE6、すなわち相互対向構造を有する場合を示しており、黒丸のプロットは、陰極がE'6、すなわち相互対向構造を有しない場合を示している。
図10から、このランプ6−2の場合、相互対向構造を有する本体部E6を有する電極F6を陰極として使用することにより、相互対向構造を有しない本体部E'6を有する電極F'6を陰極として使用した場合に比べて、電流−電圧曲線が低電圧側にシフトしていることがわかる。
この結果は、先に示した放電発生箇所の目視観察結果と一致する。すなわち、D1(mm)とP(Torr)の関係が、前述の(1)式を満たすランプ6−2では、放電のほとんどが相互対抗構造内で生じ、有効なホロー効果が生じる。その結果、相互対向構造を有する本体部E6を有する電極F6を陰極とすることにより、相互対向構造を有しない本体部E'6を有する電極F'6を陰極とした場合に比べて、有意な電圧低下効果が生じたものと考えられる。
以上のように、熱陰極蛍光ランプにおいて、相互対向構造を有する本体部を備える陰極を使用し、この際に、相互対向構造の間隙の最小寸法D1(mm)と希ガス圧力P(Torr)の関係が図7に示した直線AとBの間の領域に含まれるようにして本体部を設計することにより、電極内で有効なホロー効果が生じ、これにより、ランプの放電電圧の低減が可能となることが確認された。
本発明は、放電用の電極を有する蛍光ランプ等に適用することができる。
100 熱陰極蛍光ランプ
120 放電空間
130 バルブ
140 電極
141 本体部
149 導電性支持体
151 封止部
152 収容口
155 リード
159 開口
160 保護膜
170 蛍光体
241 本体部
242 相互対向構造
250A 第1の導電性平板
250B 第2の導電性平板
270 間隙
341 本体部
342 相互対向構造
345 直方体
355A 第1の底面
355B 第2の底面
350A〜350D 側面
370 孔
410 長手軸
441 本体部
442 相互対向構造
450 側面
450W 側壁
455A 第1の底面
455B 第2の底面
470 孔
120 放電空間
130 バルブ
140 電極
141 本体部
149 導電性支持体
151 封止部
152 収容口
155 リード
159 開口
160 保護膜
170 蛍光体
241 本体部
242 相互対向構造
250A 第1の導電性平板
250B 第2の導電性平板
270 間隙
341 本体部
342 相互対向構造
345 直方体
355A 第1の底面
355B 第2の底面
350A〜350D 側面
370 孔
410 長手軸
441 本体部
442 相互対向構造
450 側面
450W 側壁
455A 第1の底面
455B 第2の底面
470 孔
Claims (8)
- 蛍光体が設置されたバルブと、該バルブの放電空間に充填された希ガスと、前記バルブの放電空間に配置された第1および第2の電極とを有する熱陰極蛍光ランプであって、
前記第1の電極は、導電性マイエナイト化合物を含む本体部を有し、該本体部は、第1の部分および第2の部分が間隙を介して相互に対向するように構成された相互対向構造を有し、
前記相互対向構造の前記第1の部分と第2の部分の間の最小距離(ゼロを除く)をD1(mm)とし、前記放電空間内の前記希ガスの全圧力をP(Torr)としたとき、
−0.9Log(D1)+0.70≦
Log(P)≦−0.3Log(D1)+1.57 (1)式
の関係を満たすことを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。 - 前記最小距離D1(mm)は、0.05mm〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の熱陰極蛍光ランプ。
- 前記本体部は、略円柱状の形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱陰極蛍光ランプ。
- 前記本体部は、第1および第2の底面、ならびに両底面をつなぐ側面を有し、前記第1の底面から、軸方向に沿って形成された孔を有し、
前記孔は、前記軸方向に垂直な方向において、略円状、略楕円状、または略矩形状の断面を有することを特徴とする請求項3に記載の熱陰極蛍光ランプ。 - 前記本体部の全長をL2(mm)とし、前記孔の深さをL1(mm)としたとき、
L2−L1>0 (2)式
を満たすことを特徴とする請求項4に記載の熱陰極蛍光ランプ。 - 前記最小距離D1(mm)と前記孔の深さL1(mm)との間に、
L1/D1≧1.0 (3)式
が成り立つことを特徴とする請求項5に記載の熱陰極蛍光ランプ。 - 前記第1の底面は、略円形または略楕円形であり、前記第1の底面の直径または短軸の長さをD2(mm)としたとき、
0.5mm≦D2≦5.0mm (4)式
を満たすことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一つに記載の熱陰極蛍光ランプ。 - 前記本体部の相互対向構造は、相互に対向する2つの平板状部分を有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱陰極蛍光ランプ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2012149964A JP2014013669A (ja) | 2012-07-03 | 2012-07-03 | 熱陰極蛍光ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2012149964A JP2014013669A (ja) | 2012-07-03 | 2012-07-03 | 熱陰極蛍光ランプ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2014013669A true JP2014013669A (ja) | 2014-01-23 |
Family
ID=50109244
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2012149964A Pending JP2014013669A (ja) | 2012-07-03 | 2012-07-03 | 熱陰極蛍光ランプ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2014013669A (ja) |
-
2012
- 2012-07-03 JP JP2012149964A patent/JP2014013669A/ja active Pending
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