JP2014108010A - 電力補償システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の電力補償装置で、効率的に電力を補償することのできる電力補償システムを提供する。
【解決手段】三相を二相に変換する変圧器の二相側に設けられた複数の電力補償装置により電力を補償する電力補償システムであって、前記各電力補償装置は、前記変圧器の二相側の第1の箇所に流れる第1の二相電流の各相の有効電力成分を演算する第1の有効電力成分演算手段により演算された前記第1の二相電流の各相の有効電力成分に基づいて、前記電力補償装置毎に決められた第1の分担比率で、前記第1の二相電流の二相間の有効電力成分が平衡になるように補償する不平衡補償手段と、前記変圧器の二相側の第2の箇所に流れる第2の二相電流の各相の有効電力成分を演算する第2の有効電力成分演算手段により演算された前記第2の二相電流の各相の有効電力成分に基づいて、前記不平衡補償手段による補償量を補正する不平衡補償補正手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電力の不平衡成分および無効電力を補償する電力補償システムに関する。
一般的に、電気鉄道の交流き電系統に、電力補償装置(RPC:Railway Static Power Conditioner)を設けることが知られている。電力補償装置は、スコット巻線変圧器に代表される三相/二相変圧器の二相(M座、T座)側に接続される。例えば、このような電力補償装置は、2つの単相変換器により、独立にM座又はT座に無効電力を出力する。また、2つの単相変換器は、直流回路を介してM座とT座間で有効電力の融通を行う。このようにして、電力補償装置は、無効電力の補償と不平衡補償を行う。
特許第3316860号公報
しかしながら、電気鉄道の交流き電系統を複数の電力補償装置で運用する場合については知られていない。従って、複数の電力補償装置をどのように運転させるが問題となる。例えば、2つの電力補償装置が互いの運転状態を監視しながら運転するように構成した場合、それぞれの電力補償装置に通信機能が必要になり、かつ制御が複雑になる。
本発明の実施形態の目的は、複数の電力補償装置で、効率的に電力を補償することのできる電力補償システムを提供することにある。
本発明の実施形態の観点に従った電力補償システムは、三相を二相に変換する変圧器の二相側に設けられた複数の電力補償装置により電力を補償する電力補償システムであって、前記各電力補償装置は、前記変圧器の二相側の第1の箇所に流れる第1の二相電流の各相の有効電力成分を演算する第1の有効電力成分演算手段と、前記第1の有効電力成分演算手段により演算された前記第1の二相電流の各相の有効電力成分に基づいて、前記電力補償装置毎に決められた第1の分担比率で、前記第1の二相電流の二相間の有効電力成分が平衡になるように補償する不平衡補償手段と、前記変圧器の二相側の第2の箇所に流れる第2の二相電流の各相の有効電力成分を演算する第2の有効電力成分演算手段と、前記第2の有効電力成分演算手段により演算された前記第2の二相電流の各相の有効電力成分に基づいて、前記不平衡補償手段による補償量を補正する不平衡補償補正手段とを備える。
本発明の第1の実施形態に係る電力補償システムの構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る共通制御装置の構成を示す構成図。 本発明の第2の実施形態に係る電力補償システムの構成を示す構成図。 第2の実施形態に係る共通制御装置の構成を示す構成図。 本発明の第3の実施形態に係る電力補償システムの構成を示す構成図。 第3の実施形態に係る共通制御装置の構成を示す構成図。 本発明の第4の実施形態に係る電力補償システムの構成を示す構成図。 本発明の第5の実施形態に係る電力補償システムの構成を示す構成図。 第5の実施形態に係る共通制御装置の構成を示す構成図。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力補償システム10の構成を示す構成図である。図2は、本実施形態に係る共通制御装置11aの構成を示す構成図である。なお、以降の図における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。
電力補償システム10は、電気鉄道の交流き電系統に適用されるシステムである。電力補償システム10は、交流き電系統の無効電力補償及び不平衡補償を行う。交流き電系統は、スコット巻線変圧器2により三相交流電力を二相(M座、T座)の単相交流電力に変換して、M座き電回路5M及びT座き電回路5Tに電力を供給する。なお、ここでは、スコット巻線変圧器2を例に挙げて説明するが、三相を二相に変換する変圧器であれば、ウッドブリッジ巻線変圧器や変形ウッドブリッジ巻線変圧器などでもよいし、その他のどのような変圧器でもよい。
電力補償システム10は、2つの電力補償装置1a,1b及び4つの電流検出器3Mo,3To,3Mx,3Txを備えている。
4つの電流検出器3Mo,3To,3Mx,3Txは、スコット巻線変圧器2の二次側(き電回路5M,5T側)に設けられている。一方の2つの電流検出器3Mo,3Toは、2つの電力補償装置1a,1bの出力点とスコット巻線変圧器2の間に設置されている。2つの電流検出器3Mx,3Txは、2つの電力補償装置1a,1bの出力点とき電回路5M,5Tの間に設置されている。従って、2つの電流検出器3Mo,3Toは、もう一方の2つの電流検出器3Mx,3Txよりも上位系統(三相交流系統)側に設けられている。
4つの電流検出器3Mo,3To,3Mx,3Txは、スコット巻線変圧器2の二次側(き電回路5M,5T側)を流れる電流を検出する。2つの電流検出器3Mo,3Mxは、それぞれM座電流IMo,IMxを検出するように設けられている。2つの電流検出器3To,3Txは、それぞれT座電流ITo,ITxを検出するように設けられている。
2つの電力補償装置1a,1bは、4つの電流検出器3Mo,3To,3Mx,3Txにより検出された電流IMo,ITo,IMx,ITxに基づいて、それぞれ交流き電系統の無効電力補償及び不平衡補償を行う。ここで、電力補償装置1aの定格容量をa[MVA]とし、電力補償装置1bの定格容量をb[MVA]とする。
電力補償装置1aは、共通制御装置11a、M座制御装置12Ma、T座制御装置12Ta、M座変換器13Ma、T座変換器13Ta、直流回路14a、M座電流検出器15Ma、及びT座電流検出器15Taを備える。なお、電力補償装置1bは、電力補償装置1aと同様に構成されているため、説明を適宜省略する。
共通制御装置11aには、4つの電流検出器3Mo,3To,3Mx,3Txにより検出された電流IMo,ITo,IMx,ITxが入力される。共通制御装置11aは、検出された4つの電流IMo,ITo,IMx,ITxに基づいて、M座有効電流指令値IdrefMa、M座無効電流指令値IqrefMa、T座有効電流指令値IdrefTa、及びT座無効電流指令値IqrefTaを演算する。共通制御装置11aは、演算した2つのM座電流指令値IdrefMa,IqrefMaをM座制御装置12Maに出力し、演算したもう2つのT座電流指令値IdrefTa,IqrefTaをT座制御装置12Taに出力する。ここで、共通制御装置11bの場合は、共通制御装置11aの、M座有効電流指令値IdrefMa、M座無効電流指令値IqrefMa、T座有効電流指令値IdrefTa、及びT座無効電流指令値IqrefTaを、それぞれM座有効電流指令値IdrefMb、M座無効電流指令値IqrefMb、T座有効電流指令値IdrefTb、及びT座無効電流指令値IqrefTbに置き換えるものとする。
M座電流検出器15Maは、M座変換器13Maの出力電流IMaを検出する。M座電流検出器15Maは、検出した出力電流IMaをM座制御装置12Maに出力する。
T座電流検出器15Taは、T座変換器13Taの出力電流ITaを検出する。T座電流検出器15Taは、検出した出力電流ITaをT座制御装置12Taに出力する。
M座制御装置12Maは、共通制御装置11aにより演算されたM座電流指令値IdrefMa,IqrefMaに一致するようにM座変換器13Maの出力電流IMaを制御する。M座制御装置12Maは、出力電流IMaの有効成分をM座有効電流指令値IdrefMaに、出力電流IMaの無効成分をM座無効電流指令値IqrefMaに、それぞれ一致させるように制御する。M座制御装置12Maは、制御するための制御指令をM座変換器13Maに出力する。
T座制御装置12Taは、共通制御装置11aにより演算されたT座電流指令値IdrefTa,IqrefTaに一致するようにT座変換器13Taの出力電流ITaを制御する。T座制御装置12Taは、出力電流ITaの有効成分をT座有効電流指令値IdrefTaに、出力電流ITaの無効成分をT座無効電流指令値IqrefTaに、それぞれ一致させるように制御する。M座制御装置12Taは、制御するための制御指令をT座変換器13Taに出力する。
M座変換器13Maは、M座制御装置12Maからの制御指令に従って、出力が制御される。
T座変換器13Taは、T座制御装置12Taからの制御指令に従って、出力が制御される。
直流回路14aは、M座変換器13MaとT座変換器13Taとの間で有効電力を融通するための主回路である。
次に、共通制御装置11aの構成について詳しく説明する。なお、共通制御装置11bは、共通制御装置11aと同様に構成されているため、主に共通制御装置11aについて説明する。
共通制御装置11aは、4つのdq軸変換部31Mx,31Tx,31Mo,31To、2つの減算器32dx,32do、6つのゲイン回路33dx,33qMx,33qTx,33do,33qMo,33qTo、ゲイン回路34、3つの比例積分回路35do,35qMo,35qTo、3つの加算器36d,36qM,36qT、3つのリミッタ回路37d,37qM,37qT、符号反転回路38、直流電圧制御回路39、及び加算器40を備えている。
dq軸変換部31Mxは、電流検出器3Mxにより検出された電流IMxを、その位相及び大きさからd軸成分IdMxとq軸成分IqMxに変換する。d軸成分は、有効電力成分である。q軸成分は、無効電力成分である。dq軸変換部31Mxは、変換したd軸成分IdMxを減算器32dxに出力する。dq軸変換部31Mxは、変換したq軸成分IqMxをゲイン回路33qMxを介して加算器36qMに出力する。
dq軸変換部31Txは、電流検出器3Txにより検出された電流ITxを、その位相及び大きさからd軸成分IdTxとq軸成分IqTxに変換する。dq軸変換部31Txは、変換したd軸成分IdTxを減算器32dxに出力する。dq軸変換部31Txは、変換したq軸成分IqTxをゲイン回路33qTxを介して加算器36qTに出力する。
dq軸変換部31Moは、電流検出器3Moにより検出された電流IMoを、その位相及び大きさからd軸成分IdMoとq軸成分IqMoに変換する。dq軸変換部31Moは、変換したd軸成分IdMoを減算器32doに出力する。dq軸変換部31Moは、変換したq軸成分IqMoをゲイン回路33qMoを介して比例積分回路35qMoに出力する。
dq軸変換部31Toは、電流検出器3Toにより検出された電流IToを、その位相及び大きさからd軸成分IdToとq軸成分IqToに変換する。dq軸変換部31Toは、変換したd軸成分IdToを減算器32doに出力する。dq軸変換部31Toは、変換したq軸成分IqToをゲイン回路33qToを介して比例積分回路35qToに出力する。
減算器32dxは、dq軸変換部31Mxにより演算された電流IMxのd軸成分IdMxからdq軸変換部31Txにより演算された電流ITxのd軸成分IdTxを減算した差分IdMx−IdTxを求める。減算器32dxは、演算した値をゲイン回路33dx及びゲイン回路34を介して、加算器36dに出力する。
減算器32doは、dq軸変換部31Moにより演算された電流IMoのd軸成分IdMoからdq軸変換部31Toにより演算された電流IToのd軸成分IdToを減算した差分IdMo−IdToを求める。減算器32doは、演算した値をゲイン回路33doを介して比例積分回路35doに出力する。
ゲイン回路33dx,33qMx,33qTx,33do,33qMo,33qToは、それぞれ入力された値を、2つの電力補償装置1a,1bの総和容量のうち自己の電力補償装置1aの容量分の割合になるようにゲインを掛けて出力する。自己の電力補償装置1aの定格容量がa[MVA]であり、他方の電力補償装置1bの定格容量がb[MVA]である場合、ゲインは、a/(a+b)になる。また、他方の電力補償装置1bのゲインは、b/(a+b)になる。
ゲイン回路34は、ゲイン回路33dxから入力された値にゲインとして1/2を掛けた値を出力する。
比例積分回路35do,35qMo,35qToは、それぞれ入力された値がゼロになるように比例積分制御による演算処理をする。比例積分回路35doは、演算した制御結果の値を加算器36dに出力する。比例積分回路35qMoは、演算した制御結果の値を加算器36qMに出力する。比例積分回路35qToは、演算した制御結果の値を加算器36qTに出力する。
加算器36dは、ゲイン回路33dx及びゲイン回路34を介して減算器32dxから入力された値と比例積分回路35doから入力された値とを加算する。加算器36dは、演算した値をM座有効電流指令値IdrefMaとして、リミッタ回路37dを介して共通制御装置11aからM座制御装置12Maに出力する。また、加算器36dは、演算した値をリミッタ回路37d及び符号反転回路38を介して加算器40に出力する。リミッタ回路37dは、電力補償装置1aの定格電流を超えないように制限する。
加算器36qMは、ゲイン回路33qMxを介してdq軸変換部31Mxから入力された電流IMxのq軸成分IqMxと比例積分回路35qMoから入力された値とを加算する。加算器36qMは、演算した値をM座無効電流指令値IqrefMaとして、リミッタ回路37qMを介して共通制御装置11aからM座制御装置12Maに出力する。リミッタ回路37qMは、電力補償装置1aの定格電流を超えないように制限する。
加算器36qTは、ゲイン回路33qTxを介してdq軸変換部31Txから入力された電流ITxのq軸成分IqTxと比例積分回路35qToから入力された値とを加算する。加算器36qTは、演算した値をT座無効電流指令値IqrefTaとして、リミッタ回路37qTを介して共通制御装置11aからT座制御装置12Taに出力する。リミッタ回路37qTは、電力補償装置1aの定格電流を超えないように制限する。
直流電圧制御回路39は、直流回路14aの電圧を一定に維持するように制御するために、T座有効電流指令値IdrefTaを補正するための補正値を出力する。この補正値は、通常の運転状態では、回路損失分であり、無視できる程度の小さな値である。
符号反転回路38は、加算器36dからリミッタ回路37dを介して入力された値の符号を反転させて、加算器40に出力する。
加算器40は、符号反転回路38から入力された値に直流電圧制御回路39から出力された補正値を加算した値を、T座有効電流指令値IdrefTaとして、共通制御装置11aからT座制御装置12Taに出力する。
まず、2つの電力補償装置1a,1bが両方ともに運転している場合について説明する。
き電回路5M,5T側に設置された2つの電流検出器3Mx,3Txで検出される電流IMx,ITxは、負荷電力相当の値である。負荷電力には、M座有効電力PM、M座無効電力QM、T座有効電力PT、及びT座無効電力QTが含まれる。負荷電力PM,QM,PT,QTは、電力補償装置1Ba,1Bbの運転状態に関係なく一義的に決まる値である。従って、下位系統側の電流検出器3Mx,3Txにより検出される負荷電流IMx,ITxは、負荷電力PM,QM,PT,QT相当の値である。
電力補償装置1aの共通制御装置11aは、検出した負荷電流IMx,ITxをそれぞれdq軸変換部31Mx,31Txにより、有効電力相当(d軸成分)の電流値IdMx,IdTxと無効電力相当(q軸成分)の電流値IqMx,IqTxに変換する。変換した電流値IdMx,IdTx,IqMx,IqTxは、3つのゲイン回路33dx,33qMx,33qTxにより、電力補償装置1aの分担比率X=a/(a+b)倍される。共通制御装置11aは、X倍された電流値IdMx,IdTx,IqMx,IqTxに基づいて、M座制御装置12Maに与える電流指令値IdrefMa,IqrefMa及びT座制御装置12Taに与える電流指令値IdrefTa,IqrefTaを演算する。M座変換器13Ma及びT座変換器13Taがこれらの電流指令値IdrefMa,IqrefMa,IdrefTa,IqrefTaに基づいて動作することで、電力補償装置1aは、M座有効電力PMとT座有効電力PTの不平衡成分のX倍、及びM座無効電力QMとT座無効電力QTのそれぞれのX倍を補償するように、負荷電流IMx,ITxを制御する。
また、電力補償装置1bの共通制御装置10bも、電力補償装置1aと同様に、検出した負荷電流IMx,ITxに基づいて、M座制御装置12Mbに与える電流指令値IdrefMb,IqrefMb及びT座制御装置12Tbに与える電流指令値IdrefTb,IqrefTbを演算する。このとき、3つのゲイン回路33dx,33qMx,33qTxのゲインは、電力補償装置1bの分担比率Y=b/(a+b)である。これにより、電力補償装置1bは、M座有効電力PMとT座有効電力PTの不平衡成分のY倍、及びM座無効電力QMとT座無効電力QTのそれぞれのY倍を補償するように、負荷電流IMx,ITxを制御する。
ここで、X+Y=1である。このため、負荷電流IMx,ITxの有効電力不平衡成分と無効電力の皮相値が2つの電力補償装置1a,1bの定格容量の合計a+b[MVA]より小さければ、2つの電力補償装置1a,1bにより、100%の補償が行われる。
即ち、電力補償装置1aは、M座変換器13Maから有効電力X・(PM−PT)/2及び無効電力X・QMを出力し、T座変換器13Taから有効電力X・(PT−PM)/2及び無効電力X・QTを出力する。電力補償装置1bは、M座変換器13Mbから有効電力Y・(PM−PT)/2及び無効電力Y・QMを出力し、T座変換器13Tbから有効電力Y・(PT−PM)/2及び無効電力Y・QTを出力する。
これにより、スコット巻線変圧器2から電力補償装置1a,1bの接続点に向かって流れる有効電力は、M座側及びT座側ともに(PM+PT)/2となり平衡する。また、無効電力は、M座側及びT座側ともにゼロになる。
上位系統側に設けられた電流検出器3Mo,3Toにより検出されるM座電流IMo及びT座電流IToは、上述の制御により補償された電力相当の電流である。従って、共通制御装置10a,10bのdq軸変換部31Mo,31Toにより変換される検出電流IMo,IToのdq軸成分は、IdMo=IdTo、IqMo=0、IqTo=0である。また、IdMo=IdToであるため、減算器32dxの出力はゼロとなる。従って、電流検出器3Mo,3Toの検出電流IMo,IToに基づいて制御を行う比例積分回路35do,35qMo,35qToの入力は、全てゼロとなり、出力も全てゼロとなる。
よって、2つの電力補償装置1a,1bの電流指令値IdrefMa,IqrefMa,IdrefTa,IqrefTa,IdrefMb,IqrefMb,IdrefTb,IqrefTbは、下位系統側に設けられた電流検出器3Mx,3Txにより検出されるM座電流IMx及びT座電流ITxのみに基づいて決定される状態の値と同じである。従って、2つの電力補償装置1a,1bは、有効電力の不平衡成分と無効電力が100%補償された状態を維持する。
一方、負荷電流IMx,ITxの有効電力不平衡成分と無効電力の皮相値が2つの電力補償装置1a,1bの定格容量の合計a+b[MVA]より大きい場合、2つの電力補償装置1a,1bのみでは補償しきれない。
この場合、電流検出器3Mo,3Toにより検出されるM座電流IMo及びT座電流IToには、有効電力の不平衡成分及び無効電力成分が残る。このため、比例積分回路35do,35qMo,35qToの出力は、ゼロではなくなる。これらの出力は、加算器36d,36qM,36qTにより、電流指令値IdrefMa,IqrefMa,IdrefTa,IqrefTa,IdrefMb,IqrefMb,IdrefTb,IqrefTbを増加するように加算される。これにより、有効電力不平衡補償及び無効電力補償のそれぞれの補償量が増加するように補正される。しかし、このときは、リミッタ回路37d,37qM,37qTで、既に出力が制限された状態になっているため、共通制御装置11a,11bから出力される電流指令値IdrefMa,IqrefMa,IdrefTa,IqrefTa,IdrefMb,IqrefMb,IdrefTb,IqrefTbは変化しない。即ち、電力補償装置1a,1bは、完全には補償しきれていないが、定格容量で最大限の補償を行っている状態である。
次に、1つの電力補償装置1bが停止し、もう1つの電力補償装置1aで運転する場合について説明する。
電力補償装置1aは、電流検出器3Mx,3Txにより検出された負荷電流IMx,ITxに基づいて、2つの電力補償装置1a,1bが両方ともに運転している場合と同様に、負荷電流IMx,ITxの有効電力PM,PTの不平衡成分のX(電力補償装置1aの分担比率)倍、及びM座無効電力QMとT座無効電力QTのそれぞれのX倍を補償するように運転する。
一方、電力補償装置1bは停止しているため、有効電力PM,PTの不平衡成分や無効電力QM,QTの補償は行われない。従って、上位系統側に設けられた電流検出器3Mo,3Toにより検出される電流IMo,IToには、有効電力PM,PTの不平衡成分や無効電力QM,QTの成分が含まれる。
電力補償装置1aは、電流検出器3Mo,3Toにより検出された負荷電流IMo,IToに基づいて、次のように動作する。例えば、M座有効電流IdMoがT座有効電流IdToよりも大きい不平衡成分が含まれている場合、加算器32doの出力が正の値となり、比例積分回路35doの出力が正方向に増加する。比例積分回路35doの出力が加算器36dにより加算されることで、有効電力不平衡補償の補償量が増加するように補正される。従って、M座有効電流指令値IdrefMは、正方向に増加する。これにより、T座変換器13TaからM座変換器13Tbへ融通される電力が増加する。従って、M座電流検出器3Moにより検出されるM座電流IMoの有効成分が減少し、T座電流検出器3Toにより検出されるT座電流IToの有効成分が増加する。
この動作により、M座有効電流IdMoとT座有効電流IdToが一致すると、加算器32doの出力がゼロとなるため、比例積分回路35doの出力は、その時点で一定に維持される。
また、無効電力QM,QTについても同様に、M座無効電流IqMoとT座無効電流IqToが増加することにより、2つの比例積分回路35qMo,35qToの出力が正方向に増加する。比例積分回路35qMo,35qToの出力が加算器36qM,36qTにより加算されることで、無効電力補償の補償量が増加するように補正される。M座無効電力QM及びT座無効電力QTが共にゼロになった時点で、それぞれ比例積分回路35qMo,35qToの出力が一定に維持される。これにより、変圧器2の下位系統側で、M座有効電力PMとT座有効電力PTが等しく、M座無効電力QM及びT座無効電力QTがゼロの状態で、1つの電力補償装置1aによる運転が行われる。
本実施形態によれば、2つの電力補償装置1a,1bが運転している場合には、各電力補償装置1a,1bの容量に応じて分担して、負荷有効電力の不平衡成分と無効電力成分を補償する。また、1つの電力補償装置1bが、停止した場合又はリミッタにより出力制限された運転をしている場合には、残りの1つの電力補償装置1aにより、負荷有効電力の不平衡成分と無効電力成分を、運転している電力補償装置1aの容量内で最大限に補償する。
これにより、電力補償装置1a,1bが故障などで突然停止した場合や、停止していた電力補償装置1a,1bが運転を開始した場合にも、2つの電力補償装置1a,1b間での通信などを必要とせずに、2つの電力補償装置1a,1bの容量を最大限に活用する効率的な電力補償をすることができる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る電力補償システム10Aの構成を示す構成図である。
電力補償システム10Aは、図1に示す第1の実施形態に係る電力補償システム10において、電力補償装置1a,1bをそれぞれ電力補償装置1Aa,1Abに代え、2つの電圧検出器4M,4Tを追加したものである。その他の点は、第1の実施形態に係る電力補償システム10と同様である。
2つの電圧検出器4M,4Tは、スコット巻線変圧器2の二次側の電力補償装置1a,1bの出力点とスコット巻線変圧器2の間に設置されている。M座電圧検出器4Mは、M座電圧VMを検出する。T座電圧検出器4Tは、T座電圧VTを検出する。
電力補償装置1Aa,1Abは、図1に示す第1の実施形態に係る電力補償装置1a,1bにおいて、共通制御装置11a,11bをそれぞれ共通制御装置11Aa,11Abに代えたものである。電力補償装置1Aaには、2つの電圧検出器4M,4Tにより検出された電圧VM,VTが入力される。その他の点は、第1の実施形態に係る電力補償装置1a,1bと同様である。
図4は、第2の実施形態に係る共通制御装置11Aa,11Abの構成を示す構成図である。
電力補償装置1Aaの共通制御装置11Aaは、図2に示す第1の実施形態に係る共通制御装置11aにおいて、4つのゲイン回路33qMx,33qTx,33qMo,33qTo及び2つの比例積分回路35qMo,35qToを取り除き、2つの減算器41M,41T及び2つの交流電圧制御回路42M,42Tを追加した構成である。その他の点は、第1の実施形態に係る共通制御装置11aと同様である。
減算器41Mは、M座電圧指令値VMrefからM座電圧検出器4Mにより検出されたM座電圧VMを減算した差分VMref−VMを求める。減算器41Mは、演算した値を交流電圧制御回路42Mに出力する。
減算器41Tは、T座電圧指令値VTrefからT座電圧検出器4Tにより検出されたT座電圧VTを減算した差分VTref−VTを求める。減算器41Tは、演算した値を交流電圧制御回路42Tに出力する。
交流電圧制御回路42Mは、減算器41Mにより演算された差分がゼロに近づくように、制御値を演算する。交流電圧制御回路42Mは、演算した制御値をリミッタ回路37qMを介して出力する。リミッタ回路37qMから出力された制御値は、M座無効電流指令値IqrefMaとして、M座制御装置12Maに入力される。
交流電圧制御回路42Tは、減算器41Tにより演算された差分がゼロに近づくように、制御値を演算する。交流電圧制御回路42Tは、演算した制御値をリミッタ回路37qTを介して出力する。リミッタ回路37qTから出力された制御値は、T座無効電流指令値IqrefTaとして、T座制御装置12Taに入力される。
交流電圧制御回路42M,42Tは、例えば、積分回路、比例積分回路又は一次遅れ回路などである。
電力補償装置1Abの共通制御装置11Abは、第1の実施形態に係る共通制御装置11bにおいて、4つのゲイン回路33qMx,33qTx,33qMo,33qTo、2つの比例積分回路35qMo,35qTo及び2つの加算器36qM,36qTを取り除いた構成である。その他の点は、第1の実施形態に係る共通制御装置11bと同様である。
dq軸変換部31Mxにより変換されたM座電流IMxのq軸成分IqMxは、リミッタ回路37qMを介して出力される。リミッタ回路37qMから出力された値は、M座無効電流指令値IqrefMbとして、M座制御装置12Mbに入力される。
dq軸変換部31Txにより変換されたT座電流ITxのq軸成分IqTxは、リミッタ回路37qTを介して出力される。リミッタ回路37qTから出力された値は、T座無効電流指令値IqrefTbとして、T座制御装置12Tbに入力される。
まず、2つの電力補償装置1Aa,1Abが両方ともに運転している場合について説明する。なお、有効電力PM,PTの不平衡補償については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
電力補償装置1Abは、電流検出器3Mx,3Txにより検出された負荷電流IMx,ITxの無効電力成分IqMx,IqTxを補償するように動作する。無効電力成分IqMx,IqTxが電力補償装置1Abの定格容量よりも小さい場合は、電力補償装置1Abによる無効電力補償のみで、無効電力QM,QTが完全に補償される。このとき、電力補償装置1Aaと電力補償装置1Abとの間を流れる無効電力は、M座無効電力がQM−QbM=0となり、T座無効電力がQT−QbT=0となる。ここで、電力QbMは、電力補償装置1Abにより補償されるM座無効電力を示し、電力QbTは、電力補償装置1Abにより補償されるT座無効電力を示している。
電力補償装置1Abによる無効電力補償でも、電圧検出器4M,4Tにより検出されたき電回路電圧VM,VTが電圧指令値VMref,VTrefと一致しない場合には、電力補償装置1Aaは、交流電圧制御回路42M,42Tにより、き電回路電圧VM,VTが電圧指令値VMref,VTrefに追従するように無効電力QM,QTを制御する。これにより、き電回路5M,5Tの電圧変動が抑制される。
電力補償装置1Abにより無効電力補償が行われていても、き電回路電圧VM,VTは、電圧指令値VMref,VTrefと必ずしも一致していない。M座き電回路電圧VMがM座電圧指令値VMrefよりも低ければ、電力補償装置1Aaの交流電圧制御回路42Mの出力が正方向に増加し、M座変換器13MaのM座制御装置12Maに与えられる無効電流指令値IqrefMaが正の値となる。これにより、M座変換器13Maから無効電力QMaが出力され、M座き電回路電圧VMが高くなり、M座電圧指令値VMrefに近づく。M座き電回路電圧VMが上昇して、M座電圧指令値VMrefよりも高くなれば、交流電圧制御回路42Mの出力が負方向に増加し、M座変換器13MaのM座制御装置12Maに与えられる無効電流指令値IqrefMaが負の値となる。これにより、M座変換器13Maが無効電力QMaを消費することで、M座き電回路電圧VMが低くなり、M座電圧指令値VMrefに近づく。T座き電回路電圧VTについてもM座き電回路電圧VMと同様である。
これにより、電力補償装置1Abにより負荷電流IMx,ITxの無効電力成分IqMx,IqTxが完全に補償された状態でも、き電回路電圧VM,VTが電圧指令値VMref,VTrefと一致していない場合は、電力補償装置1Aaの交流電圧制御42M,42Tにより、き電回路電圧VM,VTを一定に保つように動作する。
また、負荷電流IMx,ITxの無効電力成分IqMx,IqTxが大きく、電力補償装置1Abでは、無効電力補償が完全に行えない場合、き電回路電圧VM,VTの電圧低下又は電圧上昇などの電圧変動が生じる。電力補償装置1Aaは、このような電圧変動を交流電圧制御42M,42Tにより補償することで、き電回路電圧VM,VTを一定に保つように動作する。
次に、電力補償装置1Abが停止した場合の電力補償装置1Aaの動作について説明する。
電力補償装置1Abが停止すると、電流検出器3Mx,3Txにより検出された負荷電流IMx,ITxによる無効電力補償は行われない。この場合、電力補償装置1Aaと電力補償装置1Abとの間を流れる無効電力は、それぞれ負荷電力QM,QTと等しくなる。
電力補償装置1Abによる無効電力補償が行われなくなることにより、無効電流が増減して、き電回路電圧VM,VTの電圧変動が大きくなる。電力補償装置1Aaは、交流電圧制御回路42M,42Tにより、き電回路電圧VM,VTの変動を抑制するような無効電力を変換器13Ma,13Taから出力する。電力補償装置1Abが運転している場合に比べて、電力補償装置1Aaの無効電力による電圧補償量は、大きくなる。これにより、き電回路電圧VM,VTの変動を抑制する。
次に、電力補償装置1Aaが停止した場合の電力補償装置1Abの動作について説明する。
電力変換装置1Abは、電力変換装置1Aaの停止又は運転に関係なく、電流検出器3Mx,3Txにより検出された負荷電流IMx,ITxの無効電力成分IqMx,IqTxを補償するように動作する。この補償対象とする無効電力成分IqMx,IqTxには、第1の実施形態と異なり、電力補償装置1bの分担比率Yを掛けていない。電力補償装置1bは、自己の容量bの範囲内で、無効電力QM,QTを100%補償するように動作する。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果に加え、き電回路電圧VM,VTに基づいて、交流電圧制御をすることで、き電回路電圧VM,VTの変動をより抑制することができる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る電力補償システム10Bの構成を示す構成図である。
電力補償システム10Bは、図1に示す第1の実施形態に係る電力補償システム10において、電力補償装置1a,1bをそれぞれ電力補償装置1Ba,1Bbに代えたものである。2つの電力補償装置1Ba,1Bbの出力は、それぞれ別々に、スコット巻線変圧器2の二次側に接続されている。2つの電力補償装置1Ba,1Bbは、それぞれ異なる箇所を流れる電流IMo,ITo,IMx,ITxに基づいて動作する。その他の点は、第1の実施形態に係る電力補償システム10と同様である。
電力補償装置1aは、上位系統側に設けられた2つの電流検出器3Mo,3Toにより検出された電流IMo,IToに基づいて、交流き電系統の無効電力補償及び不平衡補償を行う。
電力補償装置1bは、下位系統側に設けられた2つの電流検出器3Mx,3Txにより検出された電流IMx,ITxに基づいて、交流き電系統の無効電力補償及び不平衡補償を行う。
図6は、第3の実施形態に係る共通制御装置11Baの構成を示す構成図である。共通制御装置11Bbは、共通制御装置11Baと同一の構成であるため、主に共通制御装置11Baについて説明する。
共通制御装置11Baは、2つのdq軸変換部31Mo,31To、減算器32do、ゲイン回路34、3つのリミッタ回路37d,37qM,37qT、符号反転回路38、直流電圧制御回路39、及び加算器40を備えている。
dq軸変換部31Moは、変換したq軸成分IqMoをM座無効電流指令値IqrefMaとして、リミッタ回路37qMを介して共通制御装置11BaからM座制御装置12Maに出力する。
dq軸変換部31Toは、変換したq軸成分IqToをT座無効電流指令値IqrefTaとして、リミッタ回路37qTを介して共通制御装置11BaからT座制御装置12Taに出力する。
その他の点については、共通制御装置11Ba,11Bbは、第1の実施形態に係る共通制御装置11a,11bと同様である。
まず、2つの電力補償装置1Ba,1Bbが両方ともに運転している場合について説明する。
電力補償装置1Bbの共通制御装置11Bbには、負荷電流IMx,ITxが入力される。電力補償装置1Bbは、負荷電力PM,QM,PT,QTの有効電力不平衡成分と無効電力成分を補償するような電流IMb,ITbを出力する。
補償する電流IMb,ITbが、電力補償装置1Bbの定格容量よりも小さければ、1つの電力補償装置1Bbで完全に無効電力補償及び不平衡補償が行われる。
これにより、電力補償装置1Baと電力補償装置1Bbの間を流れる有効電力は、M座有効電力がPM−Pb=(PM+PT)/2となり、T座有効電力がPT+Pb=(PM+PT)/2となる。即ち、M座有効電力とT座有効電力は、等しくなるため、三相系統側から見た三相電流は、三相平衡する。ここで、電力Pbは、電力補償装置1Bbから出力される有効電力を示している。
また、電力補償装置1Baと電力補償装置1Bbの間を流れる無効電力は、M座無効電力がQM−QbM=0となり、T座側無効電力がQT−QbT=0となる。従って、負荷電力の無効電力成分はゼロとなる。ここで、電力QbMは、電力補償装置1Bbから出力されるM座無効電力を示し、電力QbTは、電力補償装置1Bbから出力されるT座無効電力を示している。
このとき、上位系統側に設けられた電流検出器3Mo,3Toにより検出される電流IMo,IToは、電力補償装置1Baと電力補償装置1Bbとの間を流れる電力相当の値である。即ち、電流検出器3Mo,3Toにより検出される電流IMo,IToは、電力補償装置1Bbにより無効電力補償及び不平衡補償が完全に行われた電力に相当するものである。従って、電力補償装置1Baには、無効電力補償及び不平衡補償が完全に行われた電流IMo,IToが入力されるため、電力補償装置1Baは、出力をしない。
一方、負荷電力の不平衡成分又は無効電力成分が大きく、補償すべき電力量が電力補償装置1Bbの定格容量を超える場合には、電力補償装置1Bbの出力は、100%となる。
補償しきれない不平衡成分又は無効電力成分は、電力補償装置1Baと電力補償装置1Bbの間を流れる有効電力PM−Pb,PT+Pb及び無効電力QM−QbM,QT−QbTに現れる。従って、上位系統側に設けられた電流検出器3Mo,3Toにより検出される電流IMo,IToには、電力補償装置1Bbにより補償しきれない不平衡成分又は無効電力成分が含まれる。
電力補償装置1Baは、電流検出器3Mo,3Toにより検出された電流IMo,ITo基づいて制御することで、電力補償装置1Bbにより補償しきれない不平衡成分又は無効電力成分を補償するように動作する。
次に、電力補償装置1Bbが停止した場合について説明する。
電力補償装置1Bbが停止すると、上位系統側に設けられた電流検出器3Mo,3Toにより検出される電流IMo,IToは、負荷電力PM,PT,QM,QTと等しくなる。従って、電力補償装置1Baは、電流検出器3Mo,3Toにより検出された電流IMo,IToに基づいて制御を行うことにより、電力補償装置1Baの容量aの範囲内で、不平衡成分又は無効電力成分を補償するように動作する。
次に、電力補償装置1Baが停止した場合について説明する。
下位系統側に設けられた電流検出器3Mx,3Txにより検出される電流IMx,ITxは、電力補償装置1Bbの運転及び停止に関係なく、負荷電力PM,PT,QM,QTに相当する。従って、電力補償装置1Bbは、電流検出器3Mx,3Txにより検出された電流IMx,ITxに基づいて制御を行うことにより、電力補償装置1Bbの容量bの範囲内で、不平衡成分又は無効電力成分を補償するように動作する。
本実施形態によれば、2つの電力補償装置1Ba,1Bbが運転している場合には、1つの電力補償装置の容量内で補償しきれない分の負荷電力の有効電力不平衡成分と無効電力成分をもう1つの電力補償装置により補償する。また、1つの電力補償装置が停止した場合には、もう1つの電力補償装置により、不平衡成分と無効電力成分を、自己の容量の範囲内で最大限に補償する。これにより、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、2つの電力補償装置1Ba,1Bbは、同一の構成であるため、製造コストを低減することができる。さらに、負荷容量に合わせて、電力補償装置1Ba,1Bbを容易に追加することができる。例えば、列車本数の増加などの電力補償装置1Ba,1Bbを設置後に負荷容量が増加した場合でも、容易に負荷容量に合わせた改造をすることができる。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る電力補償システム10Cの構成を示す構成図である。
電力補償システム10Cは、図5に示す第3の実施形態に係る電力補償システム10Bにおいて、スコット巻線変圧器2とき電回路5M,5Tを接続する電力系統の構成を容易に変更できるようにしたものである。その他の点は、第3の実施形態に係る電力補償システム10Bと同様である。
電力補償システム10Cは、4組の母線61M,61T,62M,62T,63M,63T,64M,64T、8組の遮断器51M,51T,52M,52T,53M,53T,54M,54T,55M,55T,56M,56T,57M,57T,58M,58T及び第3の実施形態に係る電力補償装置1Ba,1Bbを備えている。
スコット巻線変圧器2の二次側には、M座母線61M及びT座母線61Tが接続されている。母線61M,61Tの上方は、M座遮断器51M及びT座遮断器51Tを介して、M座母線62M及びT座母線62Tに接続されている。母線61M,61Tの下方は、M座遮断器55M及びT座遮断器55Tを介して、M座母線63M及びT座母線63Tに接続されている。
母線62M,62Tは、電力補償装置1Baが接続される母線である。母線62M,62Tの母線61M,61Tとの接続点の下側は、M座遮断器52M及びT座遮断器52Tを介して、M座母線64M及びT座母線64Tに接続されている。母線62M,62Tの遮断器52M,52Tとの接続点の下側には、電力補償装置1Baの出力点が接続されている。母線62M,62Tの電力補償装置1Baの出力点との接続点の下側には、電力補償装置1Baの制御に用いる電流検出器3Mo,3Toが設けられている。母線62M,62Tの電流検出器3Mo,3Toが設けられている箇所の下側は、M座遮断器53M及びT座遮断器53Tを介して、M座母線65M及びT座母線65Tに接続されている。母線65M,65Tは、き電回路5M,5Tに接続されている。母線62M,62Tの遮断器53M,53Tとの接続点の下側は、M座遮断器54M及びT座遮断器54Tを介して、母線64M,64Tに接続されている。
母線63M,63Tは、電力補償装置1Bbが接続される母線である。母線63M,63Tの母線61M,61Tとの接続点の下側は、M座遮断器56M及びT座遮断器56Tを介して、母線64M,64Tに接続されている。母線63M,63Tの遮断器56M,56Tとの接続点の下側には、電力補償装置1Bbの出力点が接続されている。母線63M,63Tの電力補償装置1Bbの出力点との接続点の下側には、電力補償装置1Bbの制御に用いる電流検出器3Mx,3Txが設けられている。母線63M,63Tの電流検出器3Mx,3Txが設けられている箇所の下側は、M座遮断器57M及びT座遮断器57Tを介して、M座母線65M及びT座母線65Tに接続されている。母線63M,63Tの遮断器57M,57Tとの接続点の下側は、M座遮断器58M及びT座遮断器58Tを介して、母線64M,64Tに接続されている。
電力補償システム10Cの動作について説明する。
遮断器51M,51T,54M,54T,56M,56T,57M,57Tを投入し、残りの遮断器52M,52T,53M,53T,55M,55T,58M,58Tを開放すると、電力補償装置1Baが電力補償装置1Bbよりも電気的に上位系統側に設けられた構成となる。即ち、第3の実施形態に係る電力補償システム10Bと同一の構成になる。
遮断器52M,52T,53M,53T,55M,55T,58M,58Tを投入し、残りの遮断器51M,51T,54M,54T,56M,56T,57M,57Tを開放すると、電力補償装置1Bbが電力補償装置1Baよりも電気的に上位系統側に設けられた構成となる。即ち、電力補償システム10Cの2つの電力補償装置1Ba,1Bbの電気的な位置は、第3の実施形態に係る電力補償システム10Bの2つの電力補償装置1Ba,1Bbと逆の構成になる。
上記2つの構成を、週又は日などで定期的に交互に切り替えて、電力補償システム10Cを運用する。電力補償システム10Cでは、き電回路5M,5T(負荷)側に位置する電力補償装置の方が出力(負担)が大きくなる。従って、電力補償システム10Cの系統構成を定期的に交互に切り替えて、2つの電力補償装置1Ba,1Bbの出力量が一定期間において均等化するように運用する。また、特定の電力補償装置が常にき電回路5M,5T側に位置することがないように、系統構成を切り替えて、2つの電力補償装置1Ba,1Bbの位置を適宜変更する。
本実施形態によれば、第3の実施形態の作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
電力補償システム10Cは、遮断器51M,51T〜58M,58Tを操作することで、2つの電力補償装置1Ba,1Bbの電気回路上の位置を容易に入れ替えることができる。従って、定期的に系統構成を切り替えて、電気的に負荷(き電回路5M,5T)に最も近くに位置する電力補償装置1Ba,1Bbを替えることで、2つの電力補償装置1Ba,1Bbに掛かる負担を均等化することができる。これにより、電力補償装置1Ba,1Bbのそれぞれの負担を分散させ、特定の電力補償装置1Ba,1Bbに負担が掛からないようにすることができる。
(第5の実施形態)
図8は、本発明の第5の実施形態に係る電力補償システム10Dの構成を示す構成図である。
電力補償システム10Dは、図5に示す第3の実施形態に係る電力補償システム10Bにおいて、電力補償装置1Baを電力補償装置1Daに代え、第2の実施形態に係る2つの電圧検出器4M,4Tを追加したものである。その他の点は、第3の実施形態に係る電力補償システム10Bと同様である。
電力補償装置1Daは、図5に示す第3の実施形態に係る電力補償装置1Baにおいて、共通制御装置11Baを共通制御装置11Daに代えたものである。電力補償装置1Daには、2つの電圧検出器4M,4Tにより検出された電圧VM,VTが入力される。その他の点は、第3の実施形態に係る電力補償装置1Baと同様である。
図9は、第5の実施形態に係る共通制御装置11Daの構成を示す構成図である。
共通制御装置11Daは、図6に示す第3の実施形態に係る共通制御装置11Baにおいて、2つの減算器41M,41T及び2つの交流電圧制御回路42M,42Tを追加した構成である。その他の点は、第3の実施形態に係る共通制御装置11Baと同様である。
共通制御装置11Daは、第2の実施形態と同様に、2つの減算器41M,41T及び2つの交流電圧制御回路42M,42Tによる構成で、2つの電圧検出器4M,4Tにより検出された電圧VM,VTに基づいて、それぞれ無効電流指令値IqrefM,IqrefTを演算する。
電力補償システム10Dによる無効電力QM,QTを補償する動作は、第2の実施形態に係る電力補償システム10Aと同様である。電力補償システム10Dによる有効電力PM,PTの不平衡を補償する動作については、第3の実施形態に係る電力補償システム10Bと同様である。
本実施形態によれば、第3の実施形態と同様の作用効果に加え、き電回路電圧VM,VTに基づいて、交流電圧制御をすることで、き電回路電圧VM,VTの変動をより抑制することができる。
なお、各実施形態では、電力補償装置を2つで説明したが、複数であれば、いくつあってもよい。また、各電力補償装置について分担比率を決定する必要のある実施形態については、分担比率を、全ての電力補償装置の総和の容量に対する自己の電力補償装置の容量の割合としてもよいし、単に全ての電力補償装置で等分した比率としてもよいし、これら以外でもよい。さらに、1つの電力補償装置において、有効電力不平衡補償と無効電力補償で、異なる分担比率を用いてもよい。
また、各実施形態において、制御に用いる回路は示したものに限らない。例えば、制御に用いる回路は、比例回路、積分回路、比例積分回路、一次遅れ回路、又は微分回路などでもよいし、これらを組み合わせた回路でもよいし、その他の回路でもよい。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1a,1b…電力補償装置、2…スコット巻線変圧器、3Mo,3To,3Mx,3Tx…電流検出器、5M…M座き電回路、5T…T座き電回路、10…電力補償システム、11a…共通制御装置、12Ma…M座制御装置、12Ta…T座制御装置、13Ma…M座変換器、13Ta…T座変換器、14a…直流回路、15Ma…M座電流検出器、15Ta…T座電流検出器。

Claims (16)

  1. 三相を二相に変換する変圧器の二相側に設けられた複数の電力補償装置により電力を補償する電力補償システムであって、
    前記各電力補償装置は、
    前記変圧器の二相側の第1の箇所に流れる第1の二相電流の各相の有効電力成分を演算する第1の有効電力成分演算手段と、
    前記第1の有効電力成分演算手段により演算された前記第1の二相電流の各相の有効電力成分に基づいて、前記電力補償装置毎に決められた第1の分担比率で、前記第1の二相電流の二相間の有効電力成分が平衡になるように補償する不平衡補償手段と、
    前記変圧器の二相側の第2の箇所に流れる第2の二相電流の各相の有効電力成分を演算する第2の有効電力成分演算手段と、
    前記第2の有効電力成分演算手段により演算された前記第2の二相電流の各相の有効電力成分に基づいて、前記不平衡補償手段による補償量を補正する不平衡補償補正手段とを備えること
    を特徴とする電力補償システム。
  2. 前記複数の電力補償装置のうち少なくとも2つの電力補償装置は、
    前記変圧器の二相側の前記第1の箇所に流れる第1の二相電流の各相の無効電力成分を演算する第1の無効電力成分演算手段と、
    前記第1の無効電力成分演算手段により演算された前記第1の二相電流の各相の無効電力成分に基づいて、前記電力補償装置毎に決められた第2の分担比率で、前記変圧器の二相側の各相の無効電力を補償する無効電力補償手段と、
    前記変圧器の二相側の前記第2の箇所に流れる第2の二相電流の各相の無効電力成分を演算する第2の無効電力成分演算手段と、
    前記第2の無効電力成分演算手段により演算された前記第2の二相電流の各相の無効電力成分に基づいて、前記無効電力補償手段による補償量を補正する無効電力補償補正手段とを備えること
    を特徴とする請求項1に記載の電力補償システム。
  3. 前記複数の電力補償装置のうち第1の電力補償装置は、
    前記変圧器の二相側の二相電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段により検出された前記二相電圧に基づいて、前記変圧器の二相側の各相の電圧を電圧指令値に追従するように制御する電圧制御手段とを備え、
    前記複数の電力補償装置のうち第2の電力補償装置は、
    前記変圧器の二相側の前記第1の箇所に流れる第1の二相電流の各相の無効電力成分を演算する第1の無効電力成分演算手段と、
    前記第1の無効電力成分演算手段により演算された前記第1の二相電流の各相の無効電力成分に基づいて、前記変圧器の二相側の各相の無効電力を補償する無効電力補償手段とを備えること
    を特徴とする請求項1に記載の電力補償システム。
  4. 前記第1の分担比率は、前記複数の電力補償装置のそれぞれの容量に基づいて決定されたこと
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力補償システム。
  5. 三相を二相に変換する変圧器の二相側に設けられた複数の電力補償装置により電力を補償する電力補償システムであって、
    前記各電力補償装置は、
    前記変圧器の二相側の前記電力補償装置毎に異なる箇所に流れる二相電流の各相の有効電力成分を演算する有効電力成分演算手段と、
    前記有効電力成分演算手段により演算された前記二相電流の各相の有効電力成分に基づいて、前記変圧器の二相側の前記電力補償装置毎に異なる箇所に流れる二相電流の二相間の有効電力成分が平衡になるように補償する不平衡補償手段とを備えること
    を特徴とする電力補償システム。
  6. 前記複数の電力補償装置のうち少なくとも1つの電力補償装置は、
    前記変圧器の二相側の二相電流の各相の無効電力成分を演算する無効電力成分演算手段と、
    前記無効電力成分演算手段により演算された前記二相電流の各相の無効電力成分に基づいて、前記変圧器の二相側の各相の無効電力を補償する無効電力補償手段とを備えること
    を特徴とする請求項5に記載の電力補償システム。
  7. 電気的に負荷に最も近くに位置する電力補償装置を替えるように系統構成を切り替える系統構成切り替え手段
    を備えることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電力補償システム。
  8. 前記複数の電力補償装置のうち少なくとも1つの電力補償装置は、
    前記変圧器の二相側の二相電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段により検出された前記二相電圧に基づいて、前記変圧器の二相側の各相の電圧を電圧指令値に追従するように制御する電圧制御手段とを備えること
    を特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電力補償システム。
  9. 三相を二相に変換する変圧器の二相側に設けられた複数の電力補償装置により電力を補償する電力補償方法であって、
    前記各電力補償装置が、
    前記変圧器の二相側の第1の箇所に流れる第1の二相電流の各相の有効電力成分を演算し、
    演算した前記第1の二相電流の各相の有効電力成分に基づいて、前記電力補償装置毎に決められた第1の分担比率で、前記第1の二相電流の二相間の有効電力成分が平衡になるようにする不平衡補償をし、
    前記変圧器の二相側の第2の箇所に流れる第2の二相電流の各相の有効電力成分を演算し、
    演算した前記第2の二相電流の各相の有効電力成分に基づいて、前記不平衡補償の補償量を補正すること含むこと
    を特徴とする電力補償方法。
  10. 前記複数の電力補償装置のうち少なくとも2つの電力補償装置が、
    前記変圧器の二相側の前記第1の箇所に流れる第1の二相電流の各相の無効電力成分を演算し、
    演算した前記第1の二相電流の各相の無効電力成分に基づいて、前記電力補償装置毎に決められた第2の分担比率で、前記変圧器の二相側の各相の無効電力を補償する無効電力補償をし、
    前記変圧器の二相側の前記第2の箇所に流れる第2の二相電流の各相の無効電力成分を演算し、
    演算した前記第2の二相電流の各相の無効電力成分に基づいて、前記無効電力補償の補償量を補正すること含むこと
    を特徴とする請求項9に記載の電力補償方法。
  11. 前記複数の電力補償装置のうち第1の電力補償装置が、
    前記変圧器の二相側の二相電圧を検出し、
    検出した前記二相電圧に基づいて、前記変圧器の二相側の各相の電圧を電圧指令値に追従するように制御することを含み、
    前記複数の電力補償装置のうち第2の電力補償装置が、
    前記変圧器の二相側の前記第1の箇所に流れる第1の二相電流の各相の無効電力成分を演算し、
    演算した前記第1の二相電流の各相の無効電力成分に基づいて、前記変圧器の二相側の各相の無効電力を補償することを含むこと
    を特徴とする請求項9に記載の電力補償方法。
  12. 前記第1の分担比率は、前記複数の電力補償装置のそれぞれの容量に基づいて決定されたこと
    を特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の電力補償方法。
  13. 三相を二相に変換する変圧器の二相側に設けられた複数の電力補償装置により電力を補償する電力補償方法であって、
    前記各電力補償装置が、
    前記変圧器の二相側の前記電力補償装置毎に異なる箇所に流れる二相電流の各相の有効電力成分を演算し、
    演算した前記二相電流の各相の有効電力成分に基づいて、前記変圧器の二相側の前記電力補償装置毎に異なる箇所に流れる二相電流の二相間の有効電力成分が平衡になるように補償すること含むこと
    を特徴とする電力補償方法。
  14. 前記複数の電力補償装置のうち少なくとも1つの電力補償装置が、
    前記変圧器の二相側の二相電流の各相の無効電力成分を演算し、
    演算した前記二相電流の各相の無効電力成分に基づいて、前記変圧器の二相側の各相の無効電力を補償することを含むこと
    を特徴とする請求項13に記載の電力補償方法。
  15. 電気的に負荷に最も近くに位置する電力補償装置を替えるように系統構成を切り替えること
    を含むことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の電力補償方法。
  16. 前記複数の電力補償装置のうち少なくとも1つの電力補償装置が、
    前記変圧器の二相側の二相電圧を検出し、
    前記電圧検出手段により検出された前記二相電圧に基づいて、前記変圧器の二相側の各相の電圧を電圧指令値に追従するように制御することを含むこと
    を特徴とする請求項13又は請求項14に記載の電力補償方法。
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