JP2014141043A - 水圧転写フィルム - Google Patents
水圧転写フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014141043A JP2014141043A JP2013011971A JP2013011971A JP2014141043A JP 2014141043 A JP2014141043 A JP 2014141043A JP 2013011971 A JP2013011971 A JP 2013011971A JP 2013011971 A JP2013011971 A JP 2013011971A JP 2014141043 A JP2014141043 A JP 2014141043A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- transfer film
- region
- hydraulic transfer
- pattern
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Decoration By Transfer Pictures (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
【課題】後工程である転写工程において絵柄曲がり等の転写不良が生じにくいインクジェット印刷した水圧転写フィルム水圧転写フィルムを提供する。
【解決手段】水圧転写フィルム1のインク層は、被転写物に転写するための絵柄31と、被転写物に転写されない領域でありかつ絵柄31の濃度よりも薄い濃度を有する薄い印刷33とを有する。これにより、絵柄31の歪みが低減されて、正確な位置決め転写も可能となる。
【選択図】図3
【解決手段】水圧転写フィルム1のインク層は、被転写物に転写するための絵柄31と、被転写物に転写されない領域でありかつ絵柄31の濃度よりも薄い濃度を有する薄い印刷33とを有する。これにより、絵柄31の歪みが低減されて、正確な位置決め転写も可能となる。
【選択図】図3
Description
この発明は、例えば、凹凸のある立体面や曲面を有する成形品に絵柄を転写させることで意匠を付与する水圧転写工法において使用される水圧転写フィルムに関する。
水圧転写工法は、意匠性に富む絵柄を凹凸のある立体面や曲面を有する成形品に付与させることができる技術として知られている(例えば、特許第2757346号公報(特許文献1))。
従来、水圧転写工法で用いられる水圧転写フィルムの製造には、支持体であるポリビニルアルコールフィルムなどの水溶性または水膨潤性フィルムの上に、グラビア印刷等の印刷手段によって絵柄を形成する方法が採用されていた。
しかし、近年の多品種小ロット生産の要求増加に伴い、インクジェット工法により絵柄を形成する方法が注目を集めている(例えば、特許第3952748号公報(特許文献2))。
また、ユーザーニーズの多様化に伴い、所定の絵柄を被対象物の定められた部分につける(いわゆる、位置決め転写)要望が増えており、これを可能にするために、転写されるワークと水面上のフィルムの双方のズレを検知して、転写位置を補正する手法が提案されている(例えば、特開2008−213428号公報(特許文献3))。
ところで、上記従来のインクジェット工法により絵柄を形成する場合、インクジェット工法で使用するインクの粘度、表面張力、固形分濃度、乾燥速度等の関係から、支持体であるポリビニルアルコールフィルムに、直接に、インクを着弾させて絵柄を形成することは困難である。このため、ポリビニルアルコールフィルム上にインクの溶媒を吸収させるためのインク吸収層を形成することが一般的である。
インク吸収層としては、ポリビニルアルコールフィルム上に形成する必要があるため、ポリビニルアルコールフィルムを溶解しない非水系溶媒を用いる必要がある。この非水系溶媒をポリビニルアルコールフィルムに塗工後に乾燥させることで、インク吸収層を形成する。そして、インク吸収層に適したインク溶媒からなり、各種着色顔料が分散されたインクジェットインクを用いて任意の絵柄を描画し、絵柄付きの水圧転写フィルムを得る。
本願の発明者らは、ポリビニルアルコールフィルム上のインク吸収層にインクジェット印刷した水圧転写フィルムを用いて、転写検討を行った結果、インクジェット印刷により得られた水圧転写フィルムは、従来のグラビア印刷で作成したフィルムと異なる挙動を発現することが明らかとなった。
具体的には、インクジェット印刷では、絵柄を印刷している部分と印刷していない部分を任意に作成することができるが、通常、転写工程において被転写物が付かない部分については、インク節約のために絵柄を描画しない。そして、発明者等は、印刷している部分と印刷していない部分が大きなエリアとして区切られている場合には、転写工程において当該部分の伸び性が異なり、結果として良好な転写品を安定して製作できないことがわかった。
そこで、この発明の課題は、後工程である転写工程において絵柄曲がり等の転写不良が生じにくいインクジェット印刷した水圧転写フィルムを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の水圧転写フィルムは、
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体シートと、
この支持体シートの片面にコートされ、溶剤系インクジェットインクの溶媒を吸収するインク吸収層と、
このインク吸収層に上記インクジェットインクを吸収して形成されたインク層と
を備え、
上記インク層は、
被転写物に転写するための絵柄に相当する第1の領域と、
上記被転写物に転写されない領域であり、かつ、上記第1の領域の濃度よりも薄い濃度を有する第2の領域と
を有することを特徴としている。
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体シートと、
この支持体シートの片面にコートされ、溶剤系インクジェットインクの溶媒を吸収するインク吸収層と、
このインク吸収層に上記インクジェットインクを吸収して形成されたインク層と
を備え、
上記インク層は、
被転写物に転写するための絵柄に相当する第1の領域と、
上記被転写物に転写されない領域であり、かつ、上記第1の領域の濃度よりも薄い濃度を有する第2の領域と
を有することを特徴としている。
また、一実施形態の水圧転写フィルムでは、上記第1の領域は、上記第2の領域に囲まれている。
また、一実施形態の水圧転写フィルムでは、
上記支持体シートは、帯状に形成され、
上記第1の領域と上記第2の領域とは、それぞれ、上記支持体シートの長手方向に延在し、
上記第1の領域と上記第2の領域とは、上記支持体シートの幅方向に隣り合っている。
上記支持体シートは、帯状に形成され、
上記第1の領域と上記第2の領域とは、それぞれ、上記支持体シートの長手方向に延在し、
上記第1の領域と上記第2の領域とは、上記支持体シートの幅方向に隣り合っている。
また、一実施形態の水圧転写フィルムでは、
上記インク吸収層は、イソシアネート架橋処理されたアクリル樹脂からなり、
上記インクジェットインクは、グリコールエステルおよびグリコールエーテルの混合溶媒を、主溶媒とする。
上記インク吸収層は、イソシアネート架橋処理されたアクリル樹脂からなり、
上記インクジェットインクは、グリコールエステルおよびグリコールエーテルの混合溶媒を、主溶媒とする。
この発明の水圧転写フィルムによれば、上記インク層は、被転写物に転写するための絵柄に相当する第1の領域と、被転写物に転写されない領域であり、かつ、上記第1の領域の濃度よりも薄い濃度を有する第2の領域とを有するので、転写工程において絵柄曲がり等の転写不良が生じにくい。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態の水圧転写フィルムを示す概略構成図である。図1に示すように、この水圧転写フィルム1は、支持体シート10と、この支持体シート10の片面にコートされたインク吸収層20と、このインク吸収層20に形成されたインク層30とを備える。
図1は、この発明の第1実施形態の水圧転写フィルムを示す概略構成図である。図1に示すように、この水圧転写フィルム1は、支持体シート10と、この支持体シート10の片面にコートされたインク吸収層20と、このインク吸収層20に形成されたインク層30とを備える。
上記支持体シート10は、水溶性または水膨潤性を有するシートであれば良く、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デキストリン、ゼラチン、にかわ、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、アセチルブチルセルロース等の樹脂をシート状に形成したものが用いられる。支持体シート10の厚さとしては、10〜100μmが好ましい。本実施の形態では、厚さ30μmのポリビニルアルコール樹脂からなるシートを使用している。
上記インク吸収層20は、アクリル樹脂を非水系溶媒に溶解した塗工液を支持体シート10上に塗工し、非水系溶媒を蒸発させることで形成する。インク吸収層20に用いられるアクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体などの1種単独または2種以上の混合物が用いられる。本実施の形態では、アクリル酸ブチルと(メタ)アクリル酸メチルとの共重合体を用いた。
なお、アクリル樹脂溶解する非水系溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の1価アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、エチレングリコール・モノ・メチルエーテル、エチレングリコール・モノ・エチルエーテル、エチレングリコール・モノ・ブチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・メチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・エチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコール・モノ・エチルエーテル・アセテート、エチレングリコール・モノ・ブチルエーテル・アセテート、ジエチレングリコール・モノ・メチルエーテル・アセテート、ジエチレングリコール・モノ・エチルエーテル・アセテート、ジエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル・アセテート等の酢酸エステル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類が単独あるいは混合溶剤として使用させる。本実施の形態では、非水系溶媒の主成分(主溶媒)として酢酸エチルを使用している。
我々の検討の結果では、上記支持体シート10としては、転写の安定性の面で、水溶性ポリビニルアルコールが良い。そして、樹脂成分としては、アクリル酸ブチルと(メタ)アクリル酸メチルとの共重合体を用い酢酸エチルを溶媒とした塗工液を用いることで、水溶性ポリビニルアルコール表面に対し、2〜7μm厚の薄層コートであっても安定したコートが可能となり好適であった。
また、アクリル樹脂を非水系溶媒に溶解した塗工液を支持体シート10上に塗工させる方法としては、グラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート等のコーティング手段を用いることができるが、支持体シート10は、一般的にロール形状で梱包されており、ロール・ツー・ロールと呼ばれる処理方法が好ましく、グラビアコート、ロールコート、ダイコート等のコーティング手段が好ましい。
また、他用途に用いられるインク吸収層20は、一般的に10〜30μmの厚みがあるが、水圧転写フィルムにおいては、印刷性と転写性を両立させるためにはインク吸収層20の厚みが2〜7μmであることが望ましい。2μm以下では、インク量が多いとインク吸収層20に層厚み全域に亘るひび割れが発生してしまい転写品質が悪化する一方、7μm以上では、転写時にシワが発生する可能性が高くなる。なお、転写時のシワの発生を更に低減するには、インク吸収層20の厚みは、2〜5μmの範囲であることが望ましい。
また、塗工液を支持体シート10上に塗工した後、オーブン等の乾燥手段により加熱乾燥されることでインク吸収層20が形成されるが、加熱乾燥することにより支持体シート10が水圧転写工程において、着水後の軟化、溶解、膨潤する時間に変化が起きないよう、加熱する温度は40〜80℃、加熱時間は1分〜10分であることが好ましい。本実施の形態では、80℃のオーブンにより1分加熱乾燥している。
印字性の観点からは、重量平均分子量50000以上が好ましく、インク層30の解像度を高めるために着弾径が小さくなる重量平均分子量100000以上がさらに好ましいが、高分子化すると塗工液の粘度が高くなり、塗工が困難になる。このため、取り扱いを考えると粘度1Pa・s以下となる重量平均分子量500000以下がさらに好ましい。
<インクジェットインク>
本発明による非水系インクジェットインクの組成物は、顔料と、顔料を分散させる分散剤と、樹脂と、溶媒の成分が少なくとも含まれている。以下、各成分について説明する。
本発明による非水系インクジェットインクの組成物は、顔料と、顔料を分散させる分散剤と、樹脂と、溶媒の成分が少なくとも含まれている。以下、各成分について説明する。
(顔料)
非水系インクジェットインクの組成物に使用される顔料は、特に限定されるものではなく、無機顔料でも有機顔料でも適宜選択できる。
非水系インクジェットインクの組成物に使用される顔料は、特に限定されるものではなく、無機顔料でも有機顔料でも適宜選択できる。
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、カオリナイト、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、べんがら、クロムバーミリオン、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、コバルトグリーン、コバルトブルー、群青、紺青などが挙げられる。
有機顔料としては、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、ジアゾ縮合顔料、アゾメチン顔料などのアゾ顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、キノフタロン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、イミダゾロン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、オキサジン顔料、ジオキサジン顔料、フタロシアニン顔料などの多環式顔料などが挙げられる。
具体的には、例えば、ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、34、35、37、42、53、65、74、81、83、93、94、95、110、111、128、129、138、150、151、153、154、155、157、175、180、ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、17:1、27、29、60、ピグメントグリーン7、36、ピグメントレッド5、17、22、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、53:1、57:1、101、112、122、146、177、178、179、185、202、254,255、ピグメントバイオレット、19、23、50、ピグメントオレンジ13、16、ピグメントブラック7、ピグメントホワイト6、18、21などが挙げられる。これらの顔料は1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
分散処理後の顔料の平均一次粒子径は、分散性と吐出性を考慮すると50〜200nmであることが好ましく、さらには60〜150nmであることがより好ましい。顔料の平均一次粒子径が上記範囲より小さい場合、凝集性が高まったり、発色性が悪くなったりする。また、逆に上記範囲より大きい場合、ノズルの目詰まりが起こりやすくなり、吐出性が不安定化する。
インク組成物に占める配合量として、好ましくは1〜15重量%であり、より好ましくは、2〜10重量%である。顔料の配合量が上記範囲より少ない場合、発色性が悪くなり、淡い色目しか表現できず、逆に上記範囲より多い場合、インク組成物自体の粘度安定性が悪くなり、インク品質が十分に保てなくなる。
これらの顔料を顔料分散剤にて効果的に有機溶剤中に安定に分散させるためには、顔料の表面に反応性の官能基(ヒドロキシル基、カルボキシ基、スルホン酸基等)を備えているほうが、顔料分散剤との相互作用が高まり好適である。反応性の官能基がない場合でも、酸素プラズマ処理、UV照射処理などの表面処理を行えば、反応性の官能基を導入できる。
(顔料分散剤)
非水系インクジェットインクの組成物に使用される顔料分散剤としては、イオン性の界面活性剤や、アニオン性、もしくはカチオン性の高分子化合物等が使用できる。特に、塩基性官能基が分子鎖中に含まれる高分子化合物が、有機溶媒中での顔料表面に吸着性がよく、安定した分散効果が得られるので好ましい。
非水系インクジェットインクの組成物に使用される顔料分散剤としては、イオン性の界面活性剤や、アニオン性、もしくはカチオン性の高分子化合物等が使用できる。特に、塩基性官能基が分子鎖中に含まれる高分子化合物が、有機溶媒中での顔料表面に吸着性がよく、安定した分散効果が得られるので好ましい。
具体的には、市販の商品として、BYKChemie社製Disperbyk−161、162、163、166、182、183、184、185、2000、2050、2150、味の素ファインテクノ株式会社製アジスパーPB−821、822、881、楠本化成株式会社製ディスパロンDA−703−50などが挙げられる。
顔料分散剤は、顔料の種類、使用する有機溶剤の種類に応じて適宜選択する必要がある。顔料分散剤のインク組成物に占める配合量として、有機顔料に対しては好ましくは10〜100重量%、より好ましくは15〜80重量%で、無機顔料に対しては、好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは1〜5重量%で添加される。上記範囲より小さい場合、目的の分散性能が発揮されず凝集性が高くなり、逆に上記範囲より大きい場合、粘度が高くなるために吐出性が不安定化もしくはノズル目詰まりを引き起こす。
(バインダー樹脂)
本発明に用いる非水系インクジェットインクの組成物に含まれる樹脂としては、インクジェット吐出性の観点から求められる制約条件と水圧転写フィルム1上への描画性の観点から求められる制約条件とを両立させることが不可欠である。
本発明に用いる非水系インクジェットインクの組成物に含まれる樹脂としては、インクジェット吐出性の観点から求められる制約条件と水圧転写フィルム1上への描画性の観点から求められる制約条件とを両立させることが不可欠である。
吐出性について、まずインクジェット装置に見合った吐出するのにふさわしい粘度範囲で、なおかつ、吐出状態のばらつきが少なく、経時安定性も高くなくてはならない。そのためには、分子量が高過ぎず、なおかつ、分子構造や重合度のばらつきが少ない樹脂であることが望ましい。
描画性について、柔軟なインク吸収層20の伸展挙動に対して着弾形状も追従性を高めるためには、分子量が高過ぎず、なおかつ、分子設計の自由度が高い樹脂であることが重要である。
柔軟なインク吸収層20として、構造設計性に優れるアクリル樹脂を対象とする場合、インク組成物の分子設計の必要性を考慮した上で、本発明に用いる樹脂としてはアクリル樹脂がもっとも好適である。
アクリル樹脂としては、単体のモノマーもしくは複数のモノマーを公知のラジカル重合によって共重合させることで得られる。モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
ル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
他には、官能基を持つモノマーも用いることができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有モノマー、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有アクリル酸エステル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、フマル酸アミド等のアミド基含有モノマー、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の3級アミノ基含有モノマーなどが挙げられる。これらのモノマーは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせても使用できる。
本発明に用いられるインクジェット用インク組成物に含まれるアクリル樹脂の重量平均分子量は、5000〜20000の範囲であることが好ましく、さらには、7000〜15000の範囲であることがより好ましい。インクジェット用インク組成物に含まれるアクリル樹脂の重量平均分子量がこの範囲より小さい場合、造膜性、色の定着性、光沢性のないインクジェット用インクになってしまう。また、逆に、インクジェット用インク組成物に含まれるアクリル樹脂の重量平均分子量が上記範囲より大きい場合、ノズルの目詰まりが起こりやすくなり、吐出性が不安定になる。
また、インクのバインダー樹脂の重量平均分子量は、インク吸収層20のアクリル樹脂の重量平均分子量に比べ低いことが望ましい。上記水圧転写フィルム1のインク層30およびインク吸収層20は、転写工程において、有機溶剤からなる活性剤をコートすることで軟化される。しかし、インク層30のバインダー樹脂の重量平均分子量の方がインク吸収層20のアクリル樹脂の重量平均分子量に比べ高い場合、インク層30の部分が活性剤で軟化されにくくなるだけでなく、インク層30の下に位置するインク吸収層20に活性剤が均一に浸透するのを阻害してしまい、絵柄濃度の違いで場所毎に柔軟性(転写時の付き回り)の差が大きくなってしまうためである。なお、この有機溶剤は、水圧転写フィルムの特性により適宜選択することが可能である。
上記インクジェット用インク組成物に占めるアクリル樹脂の配合量は、好ましくは、2〜8重量%の範囲である。アクリル樹脂の配合量がこの範囲より少ない場合、インク吸収層20への着弾後の形状保持力が弱くなったり、顔料の定着性が悪くなったりという問題が生じ、逆に上記範囲より多い場合、インクジェット用インク組成物の粘度が高くなり、インクジェットの吐出安定性が悪くなる。
なお、吐出性能や描画性能が低下しない範囲で、上記アクリル樹脂以外にも、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ロジン系樹脂、アルキッド系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、セルロース系樹脂などを少量添加することで、着弾形状や発色性などの特性を補完することも可能である。
(有機溶剤)
本発明の非水系インクジェット用インク組成物に含まれる有機溶媒の主溶媒は、グリコールエステル系およびグリコールエーテル系溶媒を用いている。このグリコールエステル系およびグリコールエーテル系溶媒は、上記の顔料、顔料を分散させる分散剤、アクリル樹脂を溶解することができ、かつ、インクジェット吐出に適した溶液特性を与えることができる。
本発明の非水系インクジェット用インク組成物に含まれる有機溶媒の主溶媒は、グリコールエステル系およびグリコールエーテル系溶媒を用いている。このグリコールエステル系およびグリコールエーテル系溶媒は、上記の顔料、顔料を分散させる分散剤、アクリル樹脂を溶解することができ、かつ、インクジェット吐出に適した溶液特性を与えることができる。
グリコールエステル系溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。グリコールエステル系溶媒の溶剤は樹脂溶解性が良いため、分子量が高いアクリル樹脂であっても均一に溶解分散させやすく、アクリル樹脂の適用範囲が広がる。
更に、グリコールエステル系溶媒は、前述のインク吸収層20に単に吸収されるだけでなく、その表層の一部を溶解させることで、インク中のバインダー樹脂とインク吸収層20の密着性を高める効果も有するため、溶剤中にグリコールエステル系溶媒が含まれていることは好適である。中でも、バインダー樹脂を安定的に分散させるとともに、インク吸収層20との密着性の効果が高い、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
グリコールエーテル系溶媒は、インクジェット用インクの溶媒として良く用いられている。これは、乾燥によるインクジェットノズルの詰まり等の不具合に関連する沸点およびインクジェットヘッドから安定的に微小液滴を吐出させるための指標となる粘度が異なる複数の溶媒があり、その混合性が良いため、複数のグリコールエーテル溶媒を混ぜ合わせ、インクジェットヘッドの特性、使用環境に沿った形にブレンドすることが多いからである。
上記インクジェット用インク組成物全体の粘度低下に寄与することができる低沸点のグリコールエーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル(124℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(135℃)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(144℃)、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル(152℃)、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(171℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(121℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(133℃)、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル(150℃)、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(170℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(171℃)などが挙げられる(溶剤名の後の括弧の数値は沸点を示す)。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルが好ましい。
また、沸点が高くノズル詰まりの原因となる乾燥性を遅くできるグリコールエーテル系溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(202℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(189℃)、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(230℃)、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(212℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(256℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(249℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(216℃)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(256℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(189℃)、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル(212℃)、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル(229℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(242℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(215℃)などが挙げられる(溶剤名の後の括弧の数値は沸点を示す)。中でも、インク吸収層20がアクリル樹脂の場合、インク吸収層20への浸透性の点で、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルが好ましい。
本発明では、このようなグリコールエーテル系溶媒を単独でまたは複数を組み合わせて用いることで、インクジェット用インクが、インク吸収層20へ十分に浸透し、かつ、溶解によりインク吸収層20を損傷させることがない。そのため、インクジェット用インクとインク吸収層20とは相性がよく、薄い吸収層であっても割れや滲みが生じにくく、印刷性と転写性を安定して両立させることができ、印刷性および転写性に適したインクジェット用インクを調合することが可能となる。
(インク製造方法)
本発明の非水系インクジェット用インク組成物は、上述した材料成分を、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル等の分散機を用いて撹拌・分散し、粘度を3〜10mPa・sとなるように調整することで得ることができる。撹拌・分散されたインク組成物は、メンブレンフィルター、カートリッジフィルター等のフィルターで濾過し、大きな粒子を除去することで、目的の非水系インクジェット用インク組成物が得られる。
本発明の非水系インクジェット用インク組成物は、上述した材料成分を、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル等の分散機を用いて撹拌・分散し、粘度を3〜10mPa・sとなるように調整することで得ることができる。撹拌・分散されたインク組成物は、メンブレンフィルター、カートリッジフィルター等のフィルターで濾過し、大きな粒子を除去することで、目的の非水系インクジェット用インク組成物が得られる。
次に、上記非水系インクジェット用インク組成物を用いて、未印刷の原水圧転写フィルムの上へ、インクジェット印刷を行う方法を説明する。インクジェット印刷は、インクジェット装置によりインク組成物の微小液滴を吐出し、インク吸収層上に着弾させることで形成される。インクジェット装置としては、静電吸引型、圧電方式、バブルジェット方式等、種々のインクジェット駆動方式を採用することができる。
図2は、未印刷の原水圧転写フィルムにインクジェット印刷を行う概念図である。この実施形態では、支持体シート10とインク吸収層20により形成された未印刷でロール状に巻かれた原水圧転写フィルム11を、市販のロール紙プリンター(例えばミマキエンジニアリング社製JV33)を用いて印刷を行う。未印刷の原水圧転写フィルム11は、先ず巻き出しローラー40に搭載されており、中間ローラー41を経て、巻き取りローラー42に巻かれていく。巻き出しローラー40と中間ローラー41の間には、予めプリンターに搭載されているインクジェットヘッド50より、黒・青・赤・黄の4色のインク滴51を画像データに応じて描画し、原水圧転写フィルム11のインク吸収層20側に着弾し着色する。中間ローラー41を経たのち、巻き取りローラー42にて順次巻き取られる前に、温風発生機60により40〜50℃の温風61がインク吸収層20側に当てられ、インク滴51は乾燥される。
図3は、インクジェット印刷済みの水圧転写フィルム1の模式図である。図3に示すように、ロール状の水圧転写フィルム1には、被転写物に転写すべき絵柄31と、この絵柄31との相対位置関係を表す枠印刷32とが、各々、印刷されている。また、被転写物に転写されない領域には、薄い印刷33が行われている。
言い換えると、上記水圧転写フィルム1の上記インク層30は、第1の領域としての絵柄31と、この絵柄31の濃度よりも薄い濃度を有する第2の領域としての薄い印刷33とを有する。絵柄31は、薄い印刷33に島状に囲まれている。
図4は、被転写物としての樹脂キャビネット80とインクジェット印刷された水圧転写フィルム1との関係を示す図である。図4(a)は、断面図を示し、図4(b)は、平面図を示す。図4に示すように、水圧転写フィルム1には、樹脂キャビネット80より少し大きいサイズで、樹脂キャビネット80に転写する絵柄31が印刷されている。絵柄31以外の領域には、薄い印刷33が印刷されている。薄い印刷33の周囲には、図示しない枠印刷が印刷されている。
図4に示す水圧転写フィルム1を得るには、図3に示すインクジェット印刷したロール状の水圧転写フィルム1を巻き出して、枠印刷32の内側に沿って和紙製のマスキングテープ(外形規制テープ)70を四辺に貼り、枠印刷32に沿ってカッターナイフで切断することで、外形規制テープ70が貼られた水圧転写フィルム1を得る。
図5は、外形規制テープ70が貼られた水圧転写フィルム1を用いた転写工程を示す図である。図5(a)に示すように、絵柄31を上にして水圧転写フィルム1を水面100上に浮かべたのち、汎用塗装ガン110を矢印A方向に走査しながら、有機溶剤からなり水圧転写フィルム1を軟化させる活性剤111を、汎用塗装ガン110から、水圧転写フィルム1上に適量塗布する。
活性剤111を塗布した後、図5(b)に示すように、転写を行う転写水槽に予め設置されているX方向(図左右方向)及びY方向(図奥行き方向)の位置決めプレート120に対して、水圧転写フィルム1を、図示しないフィルムスライド機構により、矢印B方向に押し当てて、転写水槽内で水圧転写フィルム1が所定の位置に来るように位置決めを行う。なお、図5(b)では、水圧転写フィルム1を、左右方向にスライドさせているが、奥行き方向に同様の処理を行う。
そして、図5(c)に示すように、転写水槽に対して移動位置が定められている図示しないスライド機構により、樹脂キャビネット80を矢印C方向にスライドさせることで、樹脂キャビネット80を水圧転写フィルム1の絵柄31に押し当てて、樹脂キャビネット80への絵柄31の転写が完了する。
その後、表面に残存し水溶性の支持体シート10を水洗により洗い流し、オーブンで乾燥させたのち、汎用のトップコートを行うことで加飾転写品が完成する。
ここで、比較例として、従来の水圧転写フィルム150を説明する。図6は、被転写物としての樹脂キャビネット80と従来の水圧転写フィルム150との関係を示す図である。図6(a)は、断面図を示し、図6(b)は、平面図を示し、図6(c)は、作用説明図を示す。
図6(a)(b)に示すように、従来の水圧転写フィルム150は、絵柄31以外の領域については印刷していない。つまり、従来の水圧転写フィルム150には、本発明の水圧転写フィルム1の薄い印刷33がない。そして、この従来の水圧転写フィルム150に対して、活性剤を塗布すると、図6(c)に示すように、絵柄31を印刷した領域が優先的に伸び、絵柄31に歪みが発生してしまうことが、発明者らの検討により明らかとなった。
そこで、本発明のように、絵柄31以外の領域にも薄く印刷を行っておくことで、このような不具合が改善されることがわかった。
従来のグラビア印刷工法を用いて製造する水圧転写フィルムでは、ロールフィルムの全体に亘って連続的な絵柄しか印刷できず、被転写物が接する部分だけに絵柄を印刷することは不可能であった。本発明のようにインクジェット印刷工法で水圧転写フィルムを製造する場合、必要な部分だけに絵柄を印刷することを初めて可能としたため、これらの課題が顕在化し、今回の発明に至っている。
なお、インクジェット印刷された領域の方が活性剤塗布時に伸びやすい理由は、インク吸収層20にインクが浸み込む過程で、表面に微小なクラックを発生し、このクラックを起点に伸びが促進されていることが要因と考えられ、インク吸収層20を設けた構成に起因する現象である。この表面のみに発生する微小クラックは、インク滴量が少なくても発生するものであるため、薄い印刷でも生じる。すなわち、薄い印刷33については、濃度は薄くても効果があり、不要なインク消費を抑える点で絵柄31よりも薄い濃度で印刷することが望ましく、複数のインク色からなるベタ印刷であることが更に望ましい。また、特にイソシアネート架橋を施しているインク吸収層20を用いた場合は、この効果が顕著であった。
なお、支持体シート10の片面に、インク吸収層20を略全面に均一塗布した水圧転写フィルム1では、外周にマスキングテープ70を貼るだけで外形形状が保持することができ、この外形形状を基準にすることで被転写物の位置決め転写が可能となる。従来のインク吸収層の無い水圧転写フィルムでは、外形規制テープが外側に撓んでしまい、不適であった。
すなわち、上記水圧転写フィルム1の上記インク層30は、被転写物に転写するための絵柄31(第1の領域)と、被転写物に転写されない領域でありかつ絵柄31の濃度よりも薄い濃度を有する薄い印刷33(第2の領域)とを有するので、絵柄31の歪みが低減されて、正確な位置決め転写も可能となる。
また、上記絵柄31は、上記薄い印刷33に囲まれている。これにより、枚葉式フィルムを用いた水圧転写加飾において、絵柄歪みの少ない加飾が可能となる。
本発明の水圧転写フィルム1は、
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体シート10と、
この支持体シート10の片面にコートされ、溶剤系インクジェットインクの溶媒を吸収するインク吸収層20と、
このインク吸収層20に上記インクジェットインクを吸収して形成されたインク層30と
を備え、
上記インク層30は、
被転写物80に転写するための絵柄に相当する第1の領域31と、
上記被転写物80に転写されない領域であり、かつ、上記第1の領域31の濃度よりも薄い濃度を有する第2の領域33と
を有することを特徴としている。
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体シート10と、
この支持体シート10の片面にコートされ、溶剤系インクジェットインクの溶媒を吸収するインク吸収層20と、
このインク吸収層20に上記インクジェットインクを吸収して形成されたインク層30と
を備え、
上記インク層30は、
被転写物80に転写するための絵柄に相当する第1の領域31と、
上記被転写物80に転写されない領域であり、かつ、上記第1の領域31の濃度よりも薄い濃度を有する第2の領域33と
を有することを特徴としている。
この発明の水圧転写フィルム1によれば、上記インク層30は、被転写物80に転写するための絵柄に相当する第1の領域31と、被転写物80に転写されない領域であり、かつ、上記第1の領域31の濃度よりも薄い濃度を有する第2の領域33とを有する。
これにより、水圧転写フィルム1の絵柄を被転写物80に転写する工程において、支持体シート10が溶解し、かつ、インク吸収層20が軟化する際に、第1の領域31の伸びと第2の領域33の伸びとの差を小さくすることができる。
したがって、第1の領域31(絵柄)の歪みを低減できて、被転写物80の所定の位置に所望の絵柄を転写できる。
また、上記第1の領域31は、上記第2の領域33に囲まれている。
したがって、枚葉式フィルムを用いた水圧転写加飾において、絵柄歪みの少ない加飾が可能となる。
(第2の実施形態)
図7は、この発明の第2実施形態の水圧転写フィルムを示す模式図である。この第2の実施形態は、上記第1の実施形態とは、絵柄と薄い印刷との相対的な位置のみが相違する。この相違する構成のみを以下に説明する。なお、この第2の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の符号は、上記第1の実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図7は、この発明の第2実施形態の水圧転写フィルムを示す模式図である。この第2の実施形態は、上記第1の実施形態とは、絵柄と薄い印刷との相対的な位置のみが相違する。この相違する構成のみを以下に説明する。なお、この第2の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の符号は、上記第1の実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図7(a)に示すように、この実施形態の水圧転写フィルム1Aによれば、支持体シート10は、帯状に形成されている。絵柄(第1の領域)34と薄い印刷35(第2の領域)とは、それぞれ、支持体シート10の長手方向に延在している。絵柄34と薄い印刷35とは、支持体シート10の幅方向に隣り合っている。つまり、支持体シート10の幅方向に沿って、順に、薄い印刷35と絵柄34と薄い印刷35とが配列している。
そして、ロール状の水圧転写フィルム1Aを準備し、この水圧転写フィルム1Aを転写水槽に連続的に漬けながら水面上で活性剤を塗布し、図7(b)に示すように、樹脂キャビネット80を水圧転写フィルム1Aの絵柄34に順次当接させて、樹脂キャビネット80に絵柄34を転写する。
したがって、ロール状に連続印刷された水圧転写フィルム1Aにおいて、着水後にロール幅方向への伸展性を安定化させることが可能となり、絵柄34の歪みを少なくすることが可能となる。すなわち、絵柄34の位置決め転写を必要としない場合において、絵柄34の歪みを少なくしつつ生産性を高めることが可能となる。
なお、薄い印刷35については、濃度は薄くても効果があり、不要なインク消費を抑える点で絵柄34よりも薄い濃度で印刷することが望ましい。また、特にイソシアネート架橋を施しているインク吸収層20を用いた場合は、この効果が顕著であった。
ここで、比較例として、従来の水圧転写フィルム150Aを説明する。絵柄34以外の領域において薄い印刷35が無い場合、図8に示すように、絵柄34が優先的に伸びてしまい、また、その伸び量が一定にならず、不均一のため絵柄34が歪んでしまう。
この実施形態の水圧転写フィルム1Aでは、
上記支持体シート10は、帯状に形成され、
上記第1の領域(絵柄)34と上記第2の領域(薄い印刷)35とは、それぞれ、上記支持体シート10の長手方向に延在し、
上記第1の領域34と上記第2の領域35とは、上記支持体シート10の幅方向に隣り合っている。
上記支持体シート10は、帯状に形成され、
上記第1の領域(絵柄)34と上記第2の領域(薄い印刷)35とは、それぞれ、上記支持体シート10の長手方向に延在し、
上記第1の領域34と上記第2の領域35とは、上記支持体シート10の幅方向に隣り合っている。
したがって、ロール状に連続印刷された水圧転写フィルム1Aにおいて、着水後にロール幅方向への伸展性を安定化させることが可能となり、絵柄歪みを少なくすることが可能となる。すなわち、絵柄の位置決め転写を必要としない場合において、絵柄歪みを少なくしつつ生産性を高めることが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、この発明の第3実施形態の水圧転写フィルムについて説明する。この第3実施形態では、樹脂成分として前述のアクリル樹脂を用い酢酸エチルを溶媒とした塗工液に対して、酢酸エチル溶媒で希釈したイソシアネート溶液を少量(〜1%)添加したのち、水溶性ポリビニルアルコール表面に塗工し乾燥させることで、印刷性と転写工程での柔軟性を更に兼ね備えた水圧転写フィルムを得ることが可能となる。
次に、この発明の第3実施形態の水圧転写フィルムについて説明する。この第3実施形態では、樹脂成分として前述のアクリル樹脂を用い酢酸エチルを溶媒とした塗工液に対して、酢酸エチル溶媒で希釈したイソシアネート溶液を少量(〜1%)添加したのち、水溶性ポリビニルアルコール表面に塗工し乾燥させることで、印刷性と転写工程での柔軟性を更に兼ね備えた水圧転写フィルムを得ることが可能となる。
イソシアネート溶液の添加により、インク吸収層は、イソシアネート基により部分的に三次元網目構造を形成することができる。このイソシアネート溶液の最適添加量は、アクリル樹脂成分及び後述する活性剤成分により異なるが、印刷性と転写性を更に高めるためには、実験により導出された量のイソシアネート溶液を添加することが望ましい。
すなわち、イソシアネート架橋されたアクリル樹脂をインク吸収層として用いることで、被転写物に転写するための絵柄としての第1の領域と、第1の領域以外の領域において第1の領域に比べて薄く印刷されている第2の領域との間の、転写時の伸びの均一性が高まり、より安定した転写が可能となる。
なお、比較実験として、インク吸収層の材料として、一般的に良く用いられているポリウレタン樹脂を用いて酢酸エチル溶媒からなる塗工液を試作し検討を行ったが、ゴムのような弾性があり、成形品をフィルムに押し当てた際に伸びようとするものの、その弾性力により元の形に戻ろうとするため、結果的にフィルムにシワが入ったまま転写されてしまい不適であった。
また、他の比較実験としては、アクリル樹脂からなる塗工液に、イソシアネート溶液を添加しない場合、グリコールエステル及びグリコールエーテル混合溶媒からなるインクを用いたインクジェット印刷において、絵柄の濃淡によりインク吸収層に発生するクラックの度合いの違いが大きくなってしまい、絵柄毎に活性剤の量を調整するなどして、絵柄の歪みを抑える必要があった。
この実施形態の水圧転写フィルムでは、
上記インク吸収層は、イソシアネート架橋処理されたアクリル樹脂からなり、
上記インクジェットインクは、グリコールエステルおよびグリコールエーテルの混合溶媒を、主溶媒とする。
上記インク吸収層は、イソシアネート架橋処理されたアクリル樹脂からなり、
上記インクジェットインクは、グリコールエステルおよびグリコールエーテルの混合溶媒を、主溶媒とする。
したがって、第1の領域(絵柄)と第2の領域(薄い印刷)の間の転写時の伸びの均一性が高まり、より安定した転写が可能となる。
なお、この発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
1,1A 水圧転写フィルム
10 支持体シート
20 インク吸収層
30 インク層
31 絵柄(第1の領域)
32 枠印刷
33 薄い印刷(第2の領域)
34 絵柄(第1の領域)
35 薄い印刷(第2の領域)
70 マスキングテープ
80 樹脂キャビネット(被転写物)
10 支持体シート
20 インク吸収層
30 インク層
31 絵柄(第1の領域)
32 枠印刷
33 薄い印刷(第2の領域)
34 絵柄(第1の領域)
35 薄い印刷(第2の領域)
70 マスキングテープ
80 樹脂キャビネット(被転写物)
Claims (4)
- 水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体シートと、
この支持体シートの片面にコートされ、溶剤系インクジェットインクの溶媒を吸収するインク吸収層と、
このインク吸収層に上記インクジェットインクを吸収して形成されたインク層と
を備え、
上記インク層は、
被転写物に転写するための絵柄に相当する第1の領域と、
上記被転写物に転写されない領域であり、かつ、上記第1の領域の濃度よりも薄い濃度を有する第2の領域と
を有することを特徴とする水圧転写フィルム。 - 請求項1に記載の水圧転写フィルムにおいて、
上記第1の領域は、上記第2の領域に囲まれていることを特徴とする水圧転写フィルム。 - 請求項1に記載の水圧転写フィルムにおいて、
上記支持体シートは、帯状に形成され、
上記第1の領域と上記第2の領域とは、それぞれ、上記支持体シートの長手方向に延在し、
上記第1の領域と上記第2の領域とは、上記支持体シートの幅方向に隣り合っていることを特徴とする水圧転写フィルム。 - 請求項1から3の何れか一つに記載の水圧転写フィルムにおいて、
上記インク吸収層は、イソシアネート架橋処理されたアクリル樹脂からなり、
上記インクジェットインクは、グリコールエステルおよびグリコールエーテルの混合溶媒を、主溶媒とすることを特徴とする水圧転写フィルム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013011971A JP2014141043A (ja) | 2013-01-25 | 2013-01-25 | 水圧転写フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013011971A JP2014141043A (ja) | 2013-01-25 | 2013-01-25 | 水圧転写フィルム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2014141043A true JP2014141043A (ja) | 2014-08-07 |
Family
ID=51422792
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2013011971A Pending JP2014141043A (ja) | 2013-01-25 | 2013-01-25 | 水圧転写フィルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2014141043A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110356129A (zh) * | 2019-06-18 | 2019-10-22 | 鹏码实业(上海)有限公司 | 一种热转印色带及其制备方法 |
| JP2020023141A (ja) * | 2017-11-15 | 2020-02-13 | 株式会社リコー | 積層体、積層体の製造方法、及び積層体の製造装置 |
-
2013
- 2013-01-25 JP JP2013011971A patent/JP2014141043A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2020023141A (ja) * | 2017-11-15 | 2020-02-13 | 株式会社リコー | 積層体、積層体の製造方法、及び積層体の製造装置 |
| CN110356129A (zh) * | 2019-06-18 | 2019-10-22 | 鹏码实业(上海)有限公司 | 一种热转印色带及其制备方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US20220289996A1 (en) | Pretreatment liquid for impermeable medium printing, method of producing base material for printing, image recording method, and ink set | |
| JP6409354B2 (ja) | 記録方法 | |
| JP7206293B2 (ja) | インクジェット用水性インク、印刷物の製造方法、及びインクセット | |
| EP3322761A1 (en) | Method for printing on water-soluble material | |
| JP2004114675A (ja) | 画像形成方法及び画像形成装置 | |
| JP2019002089A (ja) | 転写捺染方法および捺染物 | |
| JP2012179825A (ja) | インクジェット記録方法 | |
| JP2013158938A (ja) | 油性インクジェット印刷方法及びインクセット | |
| WO2023195274A1 (ja) | 記録液セット、印刷物の製造方法、及び、印刷物 | |
| JP2012052041A (ja) | インクジェットインク及びインクジェット記録方法 | |
| JP2018203794A (ja) | 調湿基材用水性インクジェットインクセット及び加飾された調湿基材の製造方法 | |
| CN109689392B (zh) | 可吸收喷墨的组合物及其方法 | |
| US8851650B2 (en) | Method of producing transfer medium, set of ink and adhesive liquid used for the method, transfer medium, and apparatus for producing the transfer medium | |
| CN114701275B (zh) | 可数码打印水披覆膜、墨水、水转印方法及水转印产品 | |
| JP2014141043A (ja) | 水圧転写フィルム | |
| JP2015104872A (ja) | 油性インクジェット印刷方法及びインクセット | |
| JP6496436B1 (ja) | 受理溶液、この受理溶液を含有するインクセット及びインクセットを用いた印刷物の製造方法 | |
| JP2014069337A (ja) | 水圧転写フィルムおよび水圧転写体 | |
| US20140192104A1 (en) | Image forming apparatus and image forming method | |
| JP7222253B2 (ja) | 画像形成装置及び画像形成方法 | |
| JP2014233957A (ja) | 画像記録方法 | |
| JP6104645B2 (ja) | 水圧転写向け非水系インクジェット用インク組成物およびこれを用いた印刷物 | |
| JP2014019000A (ja) | 水圧転写用フィルム | |
| JP2014213517A (ja) | 水圧転写フィルム及びこれを用いた水圧転写方法 | |
| WO2014136356A1 (ja) | 水圧転写用フィルムおよびそれを用いた転写被写体 |