JP2014180251A - 防鳥シート - Google Patents

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Abstract

【課題】防鳥性と臭気抑制性を共に有し、人間の目で見た際に透視性を有する防鳥シートの提供。
【解決手段】繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布と、前記基布の両面上に形成された可撓性樹脂層とを有し、25〜70%の空隙率を有する可撓性のメッシュシートであって、前記可撓性のメッシュシートの片面側が、少なくとも硫酸バリウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、および酸化ジルコニウム粒子から選ばれた無機粒子を含有する可撓性樹脂層と、該可撓性樹脂層上にアクリル系樹脂および/またはフッ素系樹脂から形成された防汚性樹脂層とを含んで紫外線散乱面を形成し、前記可撓性のメッシュシートの反対面側が、少なくとも消臭剤を含有する可撓性樹脂層を最外層に含む臭気抑制面であり、前記紫外線散乱面側の可撓性樹脂層の質量に対して、前記無機粒子の含有量を10〜50質量%とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、鳥類の視線を遮ることで鳥類を寄せ付けない防鳥シートに関するものである。より詳しく述べるならば、本発明は、通気性および消臭性を有し、このシートで隔てられた向こう側が人間の目には透視する事ができ、かつ、鳥類の目には透視しにくいメッシュ状のシートであって、特にゴミ収集所のカバーに用いてカラスによるゴミの食い散らかしを防止し、集合住宅や戸建住宅のベランダ、送電線の鉄塔、および携帯電話の基地局アンテナなどに用いてハト、カラス、その他鳥類の飛来や営巣を防止することのできる、防鳥シートに関するものである。
我々の住環境において、さまざまな鳥害が問題視されている。例えば、ゴミ収集所におけるカラスの食い散らかしは、ゴミが散らばってゴミ収集の妨げとなり、周辺環境を汚染したり、悪臭を撒き散らすなどの弊害をもたらしている。また、集合住宅や戸建住宅のベランダへのハトやカラスの飛来および営巣は、糞による汚染や悪臭、鳴き声による騒音などの問題を引き起こし、送電線鉄塔へのカラス他鳥類の営巣は、巣の素材として針金ハンガーなど導電性の素材が使われる事があり、短絡事故・地絡事故を引き起こして、経済的損失を蒙る恐れがある。これらの問題への対策として、これまでさまざまな提案がなされてきた。
カラスによるゴミの食い散らかしは、かつて黒いゴミ袋が用いられていた頃は、あまり問題にはなっていなかった。しかし、分別収集を徹底するために透視性のあるゴミ袋が用いられる様になると、カラスによりゴミを食い散らかされる被害が急激に増え、社会問題となった。これは、カラスが食物を主に視覚で認識するために、透視性のある袋により中の食物が見える様になったために生じた問題である。この問題に対して、ゴミ袋に有機・無機の顔料を加えて着色し、300〜600nmの光の透過率を50%以下にしてやることでカラスの可視領域の一部を遮って、内部の食物の識別を妨げる方法が提案されている。(例えば特許文献1参照)カラスやハトを含めた鳥類の多くは、320〜780nmが可視領域であり、その内320〜380nmの紫外線領域の光は、獲物(食物)や外敵の識別、仲間の性別の判定など、鳥類にとって重要な情報を判断する際に大きな役割を担っている。このゴミ袋を鳥類が見た場合、内部に何かがあることは認識できても、紫外線領域の光が多く遮られるため、食物であるとは認識できず、食い散らかし防止に一定の効果を上げている。しかし、ゴミ袋は破れやすく、好奇心からカラスがつついて破くなどして、中身を直接見てしまえば食物の存在に気付き、以後は学習により内部に食物があることを知ってしまい、食い散らかしの被害が発生してしまうことがあった。また、黄色に着色したゴミカバーメッシュシートでゴミ置き場を覆う方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。この方法も、カラスの色覚を狂わせる事を期待したものであるが、メッシュシートにより物理的にカラスを遮る効果はあるものの、目視による食物の識別を阻害することはできず、重石や枠などで充分に固定されていない場合には食い散らかしを防止することはできなかった。これは、黄色に着色することで紫外線領域から緑色(波長320〜570nm)にかけての光が吸収されたためであると考えられる。つまり、空隙部を有さないゴミ袋の場合、例えばアゾ系顔料などを用いて黄色く着色すれば、紫外線領域を含む光の透過が阻まれ、食物の識別を妨げる事ができるが、メッシュシートの様に空隙部を有する場合、黄色く着色されたことでメッシュシート充実部表面での波長320〜570nmの光の散乱が抑えられ、空隙部を通過する光だけを見ることができる様になり、却ってメッシュシートの向こう側を視認しやすくなってしまうのである。
集合住宅や戸建住宅のベランダへのハトの飛来および営巣については、猛禽類の目玉模様を配した部材で威嚇したり、ハトの嫌いな臭いや音で追い払うなど、さまざまな対策が行われているが、これらは何れもハトが慣れてしまえば効果を失う事が多く、実際に行われている対策中最も効果が高いのは、ベランダの外側にメッシュシートを展張してハトの侵入を物理的に遮る方法であった(例えば特許文献3参照)。しかし、メッシュシートの周縁部と建物との間には多少の隙間を生じ、いつの間にかハトに入り込まれてしまうことがあった。ハトは目的の場所に行く前に、その場所を見渡せる位置から安全を確認した上で目的の場所に移動する習性がある。この際、確認地点からメッシュシートで覆った内側を見通すことができ、安全な場所であると判断すると、隙間を捜して何とかして入り込もうとするため、メッシュシートで覆っていても、完全に侵入を阻むことは困難であった。送電線の鉄塔についても同様であり、ハト、カラス、その他鳥類の飛来や営巣を防ぐ為にメッシュシートを展張する方法が採られる事があるが、ベランダの場合と同様、内部を見通せる情況で侵入を完全に阻むことは困難であった。
空隙がなく透視性の無いシートで目隠ししてしまえば、鳥類の視線を遮ることができ、これらの問題を解決する事が可能になる。しかし、ゴミ置き場のカバーにこのシートを用いた場合、人間が内部を見ることができなくなるだけでなく、風通しが無い為夏季には内部温度の上昇に伴い腐敗が進んで悪臭を発生させる恐れがある。また、ベランダに用いた場合には、採光、通風という窓の機能が損なわれてしまい、送電線の鉄塔に用いた場合は風の影響を受け易く、強風時には風を孕んで鉄塔が揺れたり、シートが損傷する恐れがある。
さらに、これら従来の鳥害対策は、臭気対策については特に配慮されておらず、ゴミ置き場のカバーとしては、ゴミの臭気が周辺に拡散されるのを防ぐことができなかった。
以上述べてきた様に、鳥類の飛来や、鳥類によるゴミの食い散らかしを防止し、かつ臭気の拡散を抑制することのできるシートは、これまで提案されていない。
特開2005−200147号公報 特開2003−252401号公報 特開2002−186404号公報
本発明は、ゴミ置き場に用いてカラスによるゴミの食い散らかしを防止し、集合住宅や戸建住宅のベランダや送電線の鉄塔などに用いて、鳥類が内部を見通しにくくして、飛来や営巣を防止することができ、しかも通気性と消臭性を有し、人間の目には内部を見通すことのできる、防鳥シートを提供しようとするものである。
本発明者は、上記課題を解決するためにはメッシュシートにより鳥類を物理的に遮る事に加え、そのメッシュシートの向こう側が鳥類には見通し難い状態にすることで、鳥類の飛来をも防ぎ、より効果的に鳥害を防止できると考え、鋭意検討を行った結果、カバーに用いるメッシュシートが紫外線散乱面と臭気抑制面とを有し、紫外線散乱面側の充実部で紫外線領域の光が散乱されると、この散乱光が、空隙部を透過した紫外線と混合されて、紫外線領域の光を鮮明に見通すことができず、鳥類が食物や外敵の有無を判断できなくなり、鳥類の飛来を防止したり、内部への侵入を防止したりできること、および、臭気抑制面を有することで、このシートで覆われた内部の悪臭を低減し、臭気の拡散を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の防鳥シートは、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布と、前記基布の両面上に形成された可撓性樹脂層とを有し、25〜70%の空隙率を有する可撓性のメッシュシートであって、前記可撓性のメッシュシートの片面側が、少なくとも硫酸バリウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、および酸化ジルコニウム粒子から選ばれた1種または2種以上の無機粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる可撓性樹脂層と、該可撓性樹脂層上にアクリル系樹脂および/またはフッ素系樹脂から形成された防汚性樹脂層とを含んで紫外線散乱面を形成しており、前記可撓性のメッシュシートの反対面側が、少なくとも消臭剤を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる可撓性樹脂層を最外層に含む臭気抑制面であり、前記紫外線散乱面側の可撓性樹脂層の質量に対して、前記無機粒子の含有量が10〜50質量%であることを特徴とする。
本発明の防鳥シートにおいて、前記無機粒子が200〜1200nmの平均粒子径を有することが好ましい。
本発明の防鳥シートにおいて、前記紫外線散乱面側の可撓性樹脂層が、有機顔料を更に含んで明度(JISZ8721)2〜6に着色されており、かつ、前記紫外線散乱面の紫外線(波長360nm)に対する反射率が60%以上であることが好ましい。
本発明の防鳥シートにおいて、前記有機顔料が、シアン系有機顔料、および、マゼンタ系有機顔料から選ばれる1種または2種以上を含むことが好ましい。
本発明の防鳥シートを用いることで、鳥類を物理的に妨げる事に加え、鳥類が防鳥シートの向こう側の食物や外敵の有無を判断できない様にして飛来や侵入を防ぎ、鳥害を有効に防ぎ、しかも、臭気を抑制することができる。本発明の防鳥シートは、ゴミ置き場に用いてカラスによるゴミの食い散らかしや臭気の拡散を防止することができる。また、集合住宅や戸建住宅のベランダに用いてハト、カラス、その他鳥類の飛来や営巣を防止し、しかも内部にこもるにおいを低減したり、周辺環境からの臭いの侵入を抑制することができる。更に、送電線の鉄塔や携帯電話基地局アンテナなどに用いれば、鳥類の飛来や営巣を防止する事に加え、防鳥シートで覆った内部での塗装作業などで発生する臭気を抑制することができる。
本発明の防鳥シートの一例を示す図 本発明の防鳥シートの一例を示す断面図 本発明の防鳥シートの一例を示す断面図 本発明の防鳥シートの構成例を示す断面図
本発明の防鳥シートにおいて、粗目状編織物には、経糸および緯糸を直交して含む織布および編布から選択して用いることができる。織布を用いる場合は、長さ方向に平行に配された経糸に対して直交する緯糸を挿入して製織した、平織、綾織、繻子織、紗織、絽織などの織布の他、平行に並べた経糸と緯糸とを直交するように重ね、これらを絡み糸で押えて構成した絡み織などの織布から適宜選択して用いる事ができる。また、編布を用いる場合はタテ方向に整経された糸をループで絡み合わせるタテ編み編布の内、緯糸挿入トリコット編布が好ましく用いられる。これら編織布は、少なくともそれぞれ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸を含む糸条により構成された粗目状の編織布(空隙率20〜85%)である。粗目状編織物の質量には格別の制限は無いが、取り扱い性と耐久性の観点から50〜500g/mであることが好ましく、65〜300g/mであることがより好ましい。粗目状編織物を構成する繊維糸条にも特に限定はなく、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ビニロン繊維、芳香族ヘテロ環ポリマー繊維などの合成繊維、木綿、麻、ケナフなどの天然繊維、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維などの無機繊維から選ばれた1種または2種以上を混用して用いることができ、これらの繊維からなるマルチフィラメント糸条、モノフィラメント糸条、スプリットヤーン、テープヤーン、短繊維紡績糸条など、いずれの形状の糸条を用いることもできる。糸条の繊度は、83〜3333dtex(デシテックス:綿番手に換算すると1.7〜70番手)であることが好ましい。繊度が83dtexよりも細いと、防鳥シートの耐久性が不充分となることがある。繊度が3333dtexを超えると、防鳥シートが剛直となり、取り扱い性が悪くなることがある。また、糸条が太くなることで、充実部の1単位が太くなり、空隙率25〜70%とした場合相対的に空隙部の1単位が大きくなって、空隙部を通して鳥類が向こう側を見通し易くなり、鳥害を充分に防止する事ができなくなってしまうことがある。
本発明において、可撓性樹脂層に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、軟質塩化ビニル樹脂(塩化ビニル樹脂に可塑剤、安定剤等を配合した軟質塩化ビニル樹脂および半硬質塩化ビニル樹脂)、塩化ビニル系共重合体樹脂、オレフィン樹脂、オレフィン系共重合体樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、アクリル樹脂、アクリル系共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル系共重合体樹脂、スチレン樹脂、スチレン系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル系共重合体樹脂、フッ素樹脂、フッ素含有共重合体樹脂などから選択した1種、もしくは2種以上を併用して用いることができる。可撓性樹脂層を粗目状編織物上に形成する方法としては、例えば、有機溶剤に可溶化した熱可塑性樹脂、水中で乳化重合された熱可塑性樹脂エマルジョン(ラテックス)、あるいは熱可塑性樹脂を水中に強制分散させ安定化したディスパージョン樹脂などの水分散樹脂、軟質ポリ塩化ビニル樹脂ペーストゾル、未硬化の熱硬化性樹脂組成物液などを用いるディッピング加工(粗目状編織物への両面加工)、及びコーティング加工(粗目状編織物への片面加工、または両面加工)等が例示され、この内コーティング加工としては、例えばロールコート法が好ましい。
本発明の防鳥シートは、紫外線散乱面と臭気抑制面とを有し、紫外線散乱面側においては、後述する防汚性樹脂層を最外層に有し、その防汚性樹脂層と基布の間に形成される可撓性樹脂層には、硫酸バリウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、および酸化ジルコニウム粒子から選ばれたいずれか1種または2種以上の無機粒子を、可撓性樹脂層の質量に対して10〜50質量%必須として含んでいる。これらの無機粒子は、320〜380nmの紫外線領域の光に対して吸収が少なく、かつ、上述の熱可塑性樹脂、および、防汚性樹脂層を形成するアクリル系樹脂、フッ素系樹脂に比べて屈折率が大きい。そのため、この無機粒子を含む可撓性樹脂層が形成されたメッシュシートの紫外線散乱面の充実部では紫外線領域の光が散乱され、この散乱光が、空隙部を透過した紫外線と混合されて、鳥類が紫外線領域の光を見通しにくくなり、食物や外敵の有無を判断できなくして、飛来や侵入を防止する事ができる。なお、本発明においては、熱可塑性樹脂組成物への分散性を増す為に、表面がシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、高級脂肪酸などで表面が被覆された無機粒子を用いても良い。
本発明において無機粒子の粒径は、平均粒子径10〜3000nmであることが好ましく、特に紫外線領域の光の散乱を大きくする観点から、200〜1200nmである事がより好ましい。無機粒子の平均粒子径が10nm未満であると、粒子同士が凝集しやすく、熱可塑性樹脂への分散がうまく行えなえず、紫外線の散乱が弱くなることがある。また、平均粒子径が3000nmを超えると、液状の熱可塑性樹脂組成物に添加した際に、液中で沈降してしまい、均一な分散が得られない事がある。平均粒子径10〜3000nmの無機粒子を用いることで均一な可撓性樹脂層とすることができ、特に200〜1200nmの無機粒子を用いれば、紫外線領域の光の散乱が大きくなり、鳥類の飛来および侵入をより効果的に防止する事ができる。なお、この粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば(株)堀場製作所製LA300等)で測定することができる。無機粒子は、全てが可撓性樹脂層内部に埋没していると、樹脂およびその他の添加物による紫外線吸収により、充分な紫外線散乱を得られない事があり、少なくとも一部は表面に露出している事が好ましい。そのため、無機粒子の含有量は、これを含む可撓性樹脂層の質量に対して10〜50質量%である必要がある。無機粒子の含有量が10質量%未満では、可撓性樹脂層表面での無機粒子の露出が少なく、紫外線領域の光の散乱が充分に行われず、鳥類の飛来および侵入を充分に防止することができなくなる事がある。50質量%を超えると、可撓性樹脂層が剛直になって、防鳥シートの取り扱い性が悪くなると共に、樹脂層が脆くなり、防鳥シートの耐摩耗性や耐屈曲性が劣る事がある。
本発明において、少なくとも消臭剤と熱可塑性樹脂とを含む可撓性樹脂層が、臭気抑制面側の最外層を形成する。可撓性樹脂層に含まれる消臭剤としては、活性炭、添着活性炭、白竹炭、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、セピオライト、シラス、シリカ、シリカ−マグネシア、活性アルミナ、モレキュラーシーブ、酸化亜鉛などの物理的吸着性を有する無機多孔性物質、電気石(トルマリン鉱石)、金属フタロシアニン錯体、金属フタロシアニン錯体テトラカルボン酸、などの化学反応性を有する酸化・還元性物質、および、無機多孔性物質に酸化・還元性物質を担持させた複合消臭剤、から1種または2種以上選択して用いることができる。本発明の防鳥シートが、臭気抑制面側の最外層に消臭剤を含む可撓性樹脂層を有することで、ゴミ置き場のカバーに用いた場合の周辺への悪臭の拡散を低減させることができ、また、ベランダに用いた場合には、内部にこもる臭いを低減したり、周辺環境からの臭いの侵入を抑制する事ができ、送電線の鉄塔や携帯電話基地局アンテナなどに用いれば、防鳥シートで覆った内部での塗装作業などで生じる臭気を抑制し、作業者や周辺環境への負担を軽減することができる。
本発明において、消臭剤の含有量は、これを含む可撓性樹脂層の質量に対して1〜30質量%であることが好ましい。消臭剤の含有量が1質量%未満だと、得られるシートの消臭効果が不十分となることがあり、また30質量%を越えると可撓性樹脂層が剛直となって、防鳥シートの取り扱い性が悪くなると共に、樹脂層が脆くなり、防鳥シートの耐摩耗性や耐屈曲性が劣る事がある。本発明において、可撓性樹脂層が、消臭剤と上述の無機粒子とを共に含む場合、消臭剤と無機粒子を合わせた含有量は、これらを含む可撓性樹脂層の質量に対して11〜50質量%であることが好ましい。
本発明の可撓性樹脂層は、上述の無機顔料、消臭剤の他に、有機顔料を含んで、明度(JISZ8721)2〜6に着色され、かつ、前記紫外線散乱面の紫外線(波長360nm)に対する反射率が60%以上であることが好ましい。可撓性樹脂層が明度2〜6に着色されていることで、人間の可視領域である380〜780nmの光の散乱が抑えられ、人間が見た場合に、防鳥シートの向こう側をより透視し易くなる。明度が2未満であれば、人間は見た場合の透視性はより高くなるが、明度が2未満となるまで着色するには多量の有機顔料を添加する必要があり、有機顔料による紫外線吸収が大きくなって、紫外線の散乱が妨げられ、防鳥性が損なわれる事がある。明度が6を超えると、人間が見た場合の透視性がほとんど向上しない事がある。本発明に用いる有機顔料には特に限定は無く、例えば、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、イソインドリン顔料、アントラキノン顔料、キサンテン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、キナクリドン顔料、インジゴイド顔料、フタロシアニン顔料(金属フタロシアニン顔料、塩素化金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料)、ジオキサジン顔料、などの多環顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、縮合ジスアゾ顔料などのアゾ顔料、およびレーキ顔料など、従来公知の有機顔料から1種または2種以上を選択して用いることができる。ただし、これらの有機顔料の内から1種を単独で用いる場合には、シアン系(紫、青)またはマゼンタ系(赤)の色相を有するジオキサジン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、インジゴイド顔料、アントラキノン顔料、キサンテン顔料、フタロシアニン顔料(金属フタロシアニン顔料、塩素化金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料)、アゾメチン顔料などから1種を選択して用いる事が好ましい。シアン系、およびマゼンタ系の色相を有するこれらの有機顔料は、紫外線領域の光の吸収が比較的少ないため、紫外線の散乱をさほど妨げずに着色する事ができる。一方、イエロー系の色相を有する顔料は、単独で明度が6以下になる様添加すると紫外線領域の光の吸収が大きくなり、紫外線の散乱が妨げられて防鳥性が損なわれる事があるため、単独で用いるには適さない。顔料を2種以上組み合わせて用いる場合には、シアン系とマゼンタ系の顔料を組み合わせる事が好ましく、この組み合わせにより、比較的少量の顔料添加で2〜6の明度を得る事ができ、かつ、紫外線の散乱がさほど妨げられない。更にシアン系とマゼンタ系の組み合わせに、イエロー系の顔料を組み合わせて用いる場合には、明度の低い濃いグレーの色相が得られ、かつイエロー系の顔料については少量の添加で済むため、人間の目で見た場合の透視性が非常に向上し、しかも、紫外線の散乱が妨げられない。
本発明において、可撓性樹脂層における有機顔料の添加量には特に限定は無く、顔料それぞれの着色性に応じて、可撓性樹脂層の明度(JISZ8721)が2〜6になる様に、適宜添加量を調整すればよいが、顔料を含む可撓性樹脂層の質量に対して、0.05〜5質量%となる様添加することが好ましい。添加量が0.05%未満では、明度を6以下にできない事があり、5質量%を超えると、紫外線領域の光の吸収が大きくなり、紫外線の散乱が妨げられて防鳥性が損なわれる事がある。
本発明において、可撓性樹脂層には、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、この他に可塑剤、安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填材、抗菌剤、防黴剤、相溶化剤、帯電防止剤、湿潤剤、分散剤、接着剤、架橋剤などの添加剤を含んでもよい。
本発明において、防汚性樹脂層は紫外線散乱面側の最外層を形成する。本発明の防汚性樹脂層には、アクリル系樹脂およびフッ素系樹脂から1種または2種以上選択して用いられる。これらの樹脂は、紫外線散乱面への汚れの付着を防止すると共に、紫外線領域の光に対する吸収が少ないため紫外線の散乱を妨げず、しかも耐候性に優れているため、得られる防鳥シートの特性を長期に亘って維持する事ができる。防汚性樹脂層に用いるアクリル系樹脂、およびフッ素系樹脂には特に限定は無いが、例えばアクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル類を主構成モノマーとして製造されたものを用いることができ、これらの単独重合体、およびこれらと共重合可能なモノマー(例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びこれらのエステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル類、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類、エチレン及びプロピレン等のα−オレフィン類、塩化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等の含ハロゲンα、β−不飽和モノマー類、(メタ)アクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル等のグリシジルエステル類、アリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ポリシロキサン基含有(メタ)アクリレート類など)との共重合体が例示される。また、フッ素系樹脂としては、(a)炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、または−CO−、−CO−および−CFO−からなる群から選択された少なくとも一種の繰り返し単位を有するフルオロエーテル基を有し、炭素−炭素2重結合を有する重合性単量体(例えば、パーフルオロアルキルアクリレート、パーフルオロアルキルメタアクリレート、パーフルオロポリエーテルアクリレートなど)、(b)炭素数1〜6のパーフルオロアルケニル基を有する重合性単量体、(c)重合性基を有する含フッ素シルセスキオキサン単量体、(d)フッ化ビニリデン単量体、の、いずれかからなる単独重合体、これらの内2種以上の単量体を含む共重合体、あるいは、これらの単量体と共重合可能でフッ素原子を有さない重合性単量体(例えばアルキルアクリレート、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、α−オレフィン類、塩素含有不飽和モノマー、などの炭素−炭素2重結合を有する重合性単量体)との共重合体、およびこれらのフッ素系樹脂主鎖にポリシロキサンをグラフト重合したシリコーン変性フッ素樹脂などが例示される。
本発明において、防汚性樹脂層の形成方法には特に限定は無いが、水または溶剤に可溶化されたアクリル系樹脂もしくはフッ素系樹脂の少なくとも1種または2種以上の混合からなる樹脂溶液、あるいは、水または溶剤にアクリル系樹脂もしくはフッ素系樹脂を分散した樹脂分散液を、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、キスコート法などにより表面塗布して形成した塗膜が例示される。
また、本発明においては、これらの塗膜に親水性の非晶性シリカ微粒子、またはコロイダルシリカを含んでも良い。防汚性樹脂層がこれらの親水性粒子を含むことで、防汚性樹脂層表面に汚れが付着した場合でも、降雨時に汚れが自然に洗い流される。防汚性樹脂層にこれらの親水性粒子を含む場合、防汚性樹脂層の総質量に対して5〜70質量%の割合で含む事が好ましく、10〜60質量%であることがより好ましい。5質量%未満では、親水性粒子を添加した効果が充分に得られない事があり、70質量%を超えると防汚性樹脂層が脆くなり、ゴミ置き場カバーとしての取り扱い(かけたりはずしたりの繰返し)や、ベランダや送電線鉄塔に展張した場合の風によるはためきなどで、ひび割れや脱落を生じやすくなることがある。
本発明の防汚性樹脂層にはこの他、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、架橋剤、接着剤、抗菌剤、防黴剤、相溶化剤、帯電防止剤、湿潤剤、分散剤などを含んでも良い。また、本発明において、防汚性樹脂層と紫外線散乱面側の可撓性樹脂層との間には、必要に応じて、接着性を付与するための接着層、可撓性樹脂層に含まれる添加剤が防汚性樹脂層に移行するのを妨げるための添加剤移行防止層、等が形成されていてもよい。
ここで、本発明の防鳥シートについて図を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は本発明の防鳥シート(1)の一例を示す図である。図1の破線で囲まれた領域Aは、防鳥シートの空隙部(1−1)と充実部(1−2)の最小単位であり、本発明において、防鳥シートの空隙率とは、空隙部(1−1)の面積と充実部(1−2)の面積の和(領域Aの面積)に占める空隙部の面積(1−1)の割合を表す。本発明において、防鳥シートの空隙率は25〜70%であることが好ましく、40〜65%であることがより好ましい。防鳥シートの空隙率が25%未満であると、人間が見た場合の透視性が損なわれ、ゴミ置き場のカバーに用いた場合に内部を確認し難く、外から見てゴミが適正に分別されているか判断できないことがあり、ベランダに用いた場合は採光性や通風性が劣って居住性が損なわれたり、視界が遮られて居住者に圧迫感を与えることがある。また、送電線の鉄塔や携帯電話基地局アンテナに用いた場合は、防鳥シートで覆われた内部で作業する際に、周囲が見えないと安全作業に支障をきたす事がある。更に、送電線鉄塔での使用では、空隙率が低いと風の影響を受け易く、強風時にはシートが風を孕んで鉄塔を揺らしたり、風によってシートが損傷し、送電線に巻きつくなどの傷害を発生させることがある。一方、防鳥シートの空隙率が70%を超えると、鳥類が空隙部を通して向こう側を見通し易くなり、鳥害を充分に防げなくなる事があり、また、臭気抑制面の充実部が少なくなり、空隙部分を臭気が通り抜けてしまい、臭気の拡散を抑制できなくなる事がある。
図2は、本発明の防鳥シートの構成の一例を示す断面図であり、図1におけるB−B’部分の断面を示す図である。図2の防鳥シートは、粗目編織物からなる基布(2)と、この両面に無機粒子と消臭剤とを含む可撓性樹脂層(3−1)が被覆され、一方の面側の可撓性樹脂層上のみに防汚性樹脂層(4)が形成された構成を有している。図2において、基布の両面に形成された可撓性樹脂層(3−1)が、無機粒子と消臭剤を共に含んでいることで、一方の面側では、無機粒子(と消臭剤)を含有する可撓性樹脂層(3−1)と、可撓性樹脂層(3−1)上に形成された防汚性樹脂層(4)とで紫外線散乱面を形成し、もう一方の面側では、(無機粒子と)消臭剤を含有する可撓性樹脂層(3−1)を最外層に含んで臭気抑制面を形成している。
図3は図1におけるC−C’部分の断面を示す図である。本発明の防鳥シートは、紫外線散乱面と臭気抑制面を有し、紫外線散乱面側の充実部(1−2)表面では、紫外線が多方面に散乱される(破線矢印で表した散乱紫外線)。この散乱紫外線が、空隙部を透過した紫外線(実践の矢印で表した透過紫外線)と混合されることで、鳥類が紫外線領域の光を鮮明に見通すことができなくなる。鳥類は、目的の場所に飛来する前に、目的地が見通せる場所から食物の存在や外敵の有無を確認する習性があり、これらの識別には紫外線領域の光が重要な役割を担っている。したがって、紫外線領域の光を鮮明に見通すことができないと、食物の存在や外敵の有無を判断できなくなるため、鳥類の飛来や侵入を防止できるのである。
本発明の防鳥シートは、一方の面側が、紫外線散乱面であり、もう一方の面側が、臭気抑制面である。本発明において、紫外線散乱面は、少なくとも無機粒子を含む可撓性樹脂層と、この可撓性樹脂層上に形成された防汚性樹脂層(4)とを有しており、紫外線散乱面の最外層は防汚性樹脂層(4)である。紫外線散乱面側の少なくとも無機粒子を含む可撓性樹脂層は、基布上に直接形成されてもよく、その他の可撓性樹脂層を介して積層されていてもよい。また、本発明において、臭気抑制面は、少なくとも消臭剤を含む可撓性樹脂層を最外層に有している。臭気抑制面側の少なくとも消臭剤を含む可撓性樹脂層は、基布上に直接形成されてもよく、その他の可撓性樹脂層を介して積層されていてもよい。図4に、本発明の防鳥シートにおける紫外線拡散面と臭気抑制面の構成の例を示す。なお、図4は、図1におけるD−D’部分の断面を示す図であり、基布を構成する繊維糸条(2)と、可撓性樹脂層(3)と、防汚性樹脂層(4)の層構造を図式化したものである。
図4−aは、図2と同じ構成を示したもので、基布を構成する繊維糸条(2)の全周面が、無機粒子と消臭剤とを含む可撓性樹脂層(3−1)によって被覆されており、一方の面側の可撓性樹脂層上のみに形成された防汚性樹脂層(4)を有している。
図4−bは、本発明の防鳥シートの別の構成を示す例であり、基布を構成する繊維糸条(2)の全周面が、消臭剤を含む可撓性樹脂層(3−2)によって被覆されており、その一方の面上に無機粒子を含む可撓性樹脂層(3−3)が形成され、更にその可撓性樹脂層(3−3)上にのみ防汚性樹脂層(4)が形成されている。すなわち、防汚性樹脂層が形成された側には、最外層から順に防汚性樹脂層(4)と、無機粒子を含む可撓性樹脂層(3−3)とを有して紫外線散乱面となり、もう一方の側が、消臭剤を含む可撓性樹脂層(3−2)が最外層となって臭気抑制面を形成している。
図4−cの例は、基布を構成する繊維糸条(2)の全周面が無機粒子を含む可撓性樹脂層(3−3)によって被覆されており、その一方の面上に消臭剤と熱可塑性樹脂を含む可撓性樹脂層(3−2)が形成され、その反対面側の可撓性樹脂層(3−3)上に防汚性樹脂層(4)が形成されている。すなわち、防汚性樹脂層が形成された側には、最外層から順に防汚性樹脂層(4)と、無機粒子を含む可撓性樹脂層(3−3)とを有して紫外線散乱面を形成し、もう一方の側は、消臭剤を含む可撓性樹脂層(3−2)が最外層になって臭気抑制面を形成している。
図4−dの例は、基布を構成する繊維糸条(2)の一方の側が、消臭剤を含む可撓性樹脂層(3−2)で被覆され、もう一方の側が、無機粒子を含む可撓性樹脂層(3−3)で被覆され、更にその可撓性樹脂層(3−3)上にのみ防汚性樹脂層(4)が形成された構成である。すなわち、防汚性樹脂層(4)が形成された側には、最外層から順に防汚性樹脂層(4)と、無機粒子を含む可撓性樹脂層(3−3)とを有して紫外線散乱面となり、もう一方の側が、消臭剤を含む可撓性樹脂層(3−2)が最外層になって臭気抑制面を形成している。
なお、本発明において有機顔料添加により明度(JISZ8721)2〜6に着色する可撓性樹脂層が紫外線散乱面側(図4−aの可撓性樹脂層3−1、図4−b〜dの可撓性樹脂層3−3)の場合、人間が紫外線散乱面側から見た場合の透視性が良くなり、ゴミ置き場のカバーに用いれば、外から見てゴミが適正に分別されているかがより判断しやすくなり、送電線の鉄塔や携帯電話の基地局アンテナなどに用いれば、外部から見て防鳥シートで覆った内部の状況を確認しやすくなる。一方、着色する可撓性樹脂層が臭気抑制面側(図4−aの可撓性樹脂層3−1、図4−b〜dの可撓性樹脂層3−2)の場合、人間が臭気抑制面側から見た場合の透視性が良くなり、ベランダに用いれば、視界が改善されて居住者が感じる圧迫感を軽減し、送電線の鉄塔や携帯電話の基地局アンテナなどに用いれば、防鳥シートで覆った内部で作業する場合に周辺を見通すことができ、安全に作業を行うことができる。
以下、本発明について実施例、および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例および比較例において、以下の評価を行った。
(1)紫外線散乱面の紫外線(波長360nm)反射率
厚さ100μmのポリエステルフィルムの一方の面上に、実施例・比較例で紫外線散
乱面側の可撓性樹脂層を形成した組成物で0.2mm厚の樹脂層を形成し、更に最外
層に防汚性樹脂層を形成して、紫外線反射率評価用サンプルとした。このサンプルの
防汚性樹脂層側の面に対して、波長360nmの紫外線反射率を、積分球付き分光側
色計CM−3600d(コニカミノルタ(株)製)を使用して測定した。測定は、初
期と屋外曝露(埼玉県草加市にて、南側に向けて傾斜角30度に設置)1年後のそれ
ぞれについて行った。
(2)防鳥性
試験環境:外径40mmのアルミパイプを用いて、幅および奥行きが1mで高さ1.5
mの枠を作成し、この枠に実施例および比較例で作成した防鳥シートを紫外線散乱面
を外側にして固定し、上部および側面部が防鳥シートで覆われたケージを作成した。
この時、側面部の内1面については、下部を高さ20cmまで固定せず、カラスやハ
トなどの侵入を可能とした。ただし、未固定部左右両下端に、それぞれ100gの錘
を取り付け、風でめくれない様にした。
このケージを、周辺に高い建物の無い3階建てのビル(埼玉県草加市)屋上(コンク
リート床面)に、防鳥シートの下部を固定しなかった面を南側に向けて設置した。
なお、このケージの周囲2m以内の屋上床面には、屋上の手すりを含めて何も無い状
態とした。
試験:幅・奥行き・高さがそれぞれ30cmの台を用意してケージの中央に配置し、台
の上に、餌として質量10gの豚の脂身を20切れ乗せた皿と、パンの耳を100g
乗せた皿とを置いた。ついで、ケージ内部に1台、ケージ周辺を監視できる位置に1
台、それぞれカメラを設置し、午前5時から午後7時にかけて鳥類の飛来およびケー
ジ内部への侵入を監視し以下の様に評価して1と2を合格とした。
1:ケージの周囲2m以内への鳥類の飛来が5羽以内で、ケージ内への侵入なし
2:ケージの周囲2m以内への鳥類の飛来が5羽を越えたが、ケージ内部への
侵入は無し
3:ケージ内部に鳥類が侵入した
なお試験は、初期(防鳥シート製造直後)と、同じ防鳥シートを1年間屋外曝露(埼
玉県草加市にて、南側に向けて傾斜角30度に設置)した後、それぞれについて、
晴天で、10m/s以上の風が吹かない日を選んで行った。また、飛来数のカウント
は、カラスとハトのみ対象とした。
(3)人による透視性評価
A4サイズの白色コピー用紙に、MSゴシック体フォントを使用して、たて100m
m、よこ80mmの大きさで黒字印刷した識別サンプルとして、文字「囲」と文字
「回」の2文字を並べて印刷した。次に、実施例・比較例で作成した防鳥シートを用
いて、高さ2m幅3mの衝立を作成し、その一方の側から1m離れた位置に人(観察
者)を配した。ついで、観察者から見て衝立の反対側に、観察者の目線と同じ高さ
(地上から1.6m)に識別サンプルを垂直に配置し、防鳥シートと識別サンプルの
距離を変えながら「囲」と「回」の違いを識別可能な距離を測定し、以下の様に評価
した。なお、この評価は、観察者の側に紫外線散乱面を向けた場合と、臭気抑制面を
向けた場合のそれぞれに対して行った。
1:1m以上で識別可能であり、透視性に優れる
2:1mでは識別できないが、0.5mを超えて識別でき、透視性を有する
3:0.5mで識別できず、透視性に劣る
(4)臭気抑制性
a)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズの試験シ
ートを入れ、濃度10ppmに調整したアンモニアガスを3L注入し、2時間後の
ガス濃度を検知管で測定した。
b)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズの試験シ
ートを入れ、濃度10ppmに調整したメチルメルカプタンガスを3L注入し、
2時間後のガス濃度を検知管で測定した。
c)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズの試験シ
ートを入れ、濃度10ppmに調整したホルムアルデヒドガスを3L注入し、2時間
後のガス濃度を検知管で測定した。
(5)明度
実施例および比較例で作成した防鳥シートの、紫外線散乱面、臭気抑制面それぞれに
ついて、JISZ8721.6(2)「標準色票との直接比較により定める方法」に
より明度を評価した。(JISZ8723.6.3に定める人工昼光D65照明による
ブースでの色比較)
[実施例1]
<基布>
ポリエステルマルチフィラメント糸条からなる下記組織の粗目状織布(もじり織)を基布1として用いた。
611dtex/2 × 1111dtex
6.8 × 6.8(本/インチ) 質量70g/m
<可撓性樹脂層および防汚性樹脂層の形成>
基布1を下記配合1の加工液中に浸漬してからマングルで絞り、180℃で2分間加熱して、基布1の両面(繊維糸条全周面)に無機粒子と消臭剤を共に含む可撓性樹脂層(3−1)が形成されたシートを得た。可撓性樹脂層(3−1)の付着量は100g/mであった。次に、このシートの一方の面上に、下記配合2の加工液をグラビアコート法により10g/mとなる様塗布した後、120℃で1分間乾燥して、2g/mの防汚性樹脂層(4)を形成し、実施例1の防鳥シートを得た。実施例1の防鳥シートは、防汚性樹脂層を形成した側(紫外線散乱面)、防汚性樹脂層を形成しなかった側(臭気抑制面)共に白色外観(明度8.5)で、空隙率65%のメッシュシートであった。この防鳥シートについて、各種評価を行った結果を表1に示す。
(配合1)無機粒子と消臭剤を共に含む熱可塑性樹脂組成物
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
硫酸バリウム(無機粒子) 平均粒子径300nm 30質量部
(シリカ−アルミナ表面処理)
白竹炭(消臭剤) 10質量部
鉄電気石:NaFeAl(BO)Si18(OH)(消臭剤)
5質量部
※可撓性樹脂層(3−1)の質量に対して無機粒子13.5質量%、消臭剤6.7質量%

(配合2)防汚性樹脂層用組成物
PMMA 20質量部
商標:アクリプレン ペレット HBS001(三菱レイヨン(株)製)
トルエン−MEK(50/50重量比) (溶剤) 80質量部
[実施例2]
<基布>
ポリエステルマルチフィラメント糸条からなる下記組織の粗目状織布(平織)を基布2として用いた。
555dtex × 555dtex
19 × 20(本/インチ) 質量70g/m
<被覆樹脂層および防汚性樹脂層の形成>
基布2を下記配合3の加工液中に浸漬してからマングルで絞り、180℃で2分間加熱して、基布2の両面(繊維糸条全周面)に無機粒子と消臭剤を含む可撓性樹脂層(3−1)が形成されたシートを得た。可撓性樹脂層(3−1)の付着量は100g/mであった。次に、このシートの1面上に、下記配合4の加工液をグラビアコート法により25g/mとなる様塗布した後、120℃で1分間乾燥して、2.5g/mの防汚性樹脂層(4)を形成し、実施例2の防鳥シートを得た。実施例2の防鳥シートは、防汚性樹脂層を形成した側(紫外線散乱面)、防汚性樹脂層を形成しなかった側(臭気抑制面)共に白色外観(明度8.5)で、空隙率41%のメッシュシートであった。この防鳥シートについて、各種評価を行った結果を表1に示す。
(配合3)無機粒子と消臭剤を共に含む熱可塑性樹脂組成物
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化マグネシウム(無機粒子) 粒子径500nm 30質量部
白竹炭(消臭剤) 10質量部
鉄電気石:NaFeAl(BO)Si18(OH)(消臭剤)
5質量部
※可撓性樹脂層(3−1)の質量に対して無機粒子13.5質量%、消臭剤6.7質量%

(配合4)防汚性樹脂層用組成物
ZX−007−C(固形分35%) 30質量部
シリコーン変性フッ素樹脂((株)ティーアンドケイ東華社製)
キシレン/酢酸ブチル (50/50重量比) (溶剤) 70質量部
[実施例3]
<基布>
ポリエステルマルチフィラメント糸条からなる下記組織の粗目状織布(もじり織)を基布3として用いた。
3333dtex/2 × 3333dtex/2
5 × 5(本/インチ) 質量275g/m
<被覆樹脂層および防汚性樹脂層の形成>
基布3を下記配合5の加工液中に浸漬してからマングルで絞り、180℃で2分間加熱して、基布3の両面(繊維糸条全周面)に消臭剤を含む可撓性樹脂層(3−2)を形成した。可撓性樹脂層(3−2)の付着量は160g/mであった。次に、この可撓性樹脂層(3−2)の一方の面側に、下記配合6の加工液をロールコート方によりコーティングし、180℃で2分間加熱して、110g/mの無機粒子を含む可撓性樹脂層(3−3)を形成し、更に可撓性樹脂層(3−3)上に、下記配合7の加工液をグラビアコート法により20g/mとなる様塗布した後、120℃で1分間乾燥して、2g/mの防汚性樹脂層(4)を形成し、実施例3の防鳥シートを得た。実施例3の防鳥シートは、防汚性樹脂層を形成した側(紫外線散乱面)が明度9の白色外観で、防汚性樹脂層を形成しなかった側(臭気抑制面)は明度8の明灰色外観であり、空隙率55%のメッシュシートであった。この防鳥シートについて、各種評価を行った結果を表1に示す。この防鳥シートについて、各種評価を行った結果を表1に示す。
(配合5)消臭剤を含む熱可塑性樹脂組成物
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
白竹炭(消臭剤) 10質量部
鉄電気石:NaFeAl(BO)Si18(OH)(消臭剤)
5質量部
※可撓性樹脂層(3−2)の質量に対して消臭剤7.7質量%

(配合6)無機粒子を含む熱可塑性樹脂組成物
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化アルミニウム(無機粒子) 平均粒子径1000nm 30質量部
※可撓性樹脂層(3−3)の質量に対して無機粒子14.4質量%

(配合7)防汚性樹脂層用組成物
フッ化ビニリデン重合体樹脂 8質量部
ヘキサメチレンジイソシアネート 0.5質量部
湿式法シリカ微粒子 2質量部
(平均粒子径:2.7μm、BET比表面積:275m/g)
メチルエチルケトン(溶剤) 90質量部
[実施例4]
配合3の代わりに、下記配合8の加工液を使用した以外は実施例2と同様にして、基布2の両面(繊維糸条全周面)に無機粒子と消臭剤と有機顔料を含む可撓性樹脂層(3−1)が形成されたシートを得た。可撓性樹脂層(3−1)の付着量は120g/mであった。次に、このシートの1面上に、配合4の加工液をグラビアコート法により25g/mとなる様塗布した後、120℃で1分間乾燥して、2.5g/mの防汚性樹脂層(4)を形成し、実施例4の防鳥シートを得た。実施例4の防鳥シートは、防汚性樹脂層を形成した側(紫外線散乱面)、防汚性樹脂層を形成しなかった側(臭気抑制面)共に紺色(明度5)の外観で、空隙率41%のメッシュシートであった。この防鳥シートについて、各種評価を行った結果を表1に示す。
(配合8)無機粒子と消臭剤を共に含む熱可塑性樹脂組成物(有機顔料含有)
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 80質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化ジルコニウム(無機粒子) 平均粒子径600nm 60質量部
白竹炭(消臭剤) 10質量部
鉄電気石:NaFeAl(BO)Si18(OH)(消臭剤) 5質量部
マゼンタ系有機顔料 0.8質量部
C.I.ピグメントレッド209(キナクリドン系)
シアン系有機顔料 1.0質量部
C.I.ピグメントブルー15:3(フタロシアニン系)
※可撓性樹脂層(3−1)の質量に対して無機粒子22.2質量%、消臭剤5.5質量%
可撓性樹脂層(3−1)の質量に対して有機顔料0.7質量%
[実施例5]
<被覆樹脂層および防汚性樹脂層の形成>
基布3の一方の面に、下記配合9の加工液をロールコート方によりコーティングし、180℃で2分間加熱して、無機粒子を含む可撓性樹脂層(3−3)を形成した。可撓性樹脂層(3−3)の付着量は150g/mであった。次に、基布3のもう一方の面側に下記配合10の加工液をロールコート方によりコーティングし、180℃で2分間加熱して、消臭剤を含む可撓性樹脂層(3−2)を形成した。可撓性樹脂層(3−2)の付着量は120g/mであった。更に可撓性樹脂層(3−3)上に、配合7の加工液をグラビアコート法により20g/mとなる様塗布した後、120℃で1分間乾燥して、2g/mの防汚性樹脂層(4)を形成し、実施例5の防鳥シートを得た。実施例5の防鳥シートは、防汚性樹脂層を形成した側(紫外線散乱面)が明度3.5の濃灰色外観で、防汚性樹脂層を形成しなかった側(臭気抑制面)は明度8の明灰色外観であり、空隙率55%のメッシュシートであった。この防鳥シートについて、各種評価を行った結果を表1に示す。
(配合9)無機粒子を含む熱可塑性樹脂組成物(有機顔料含有)
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 80質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化ジルコニウム(無機粒子) 平均粒子径600nm 30質量部
酸化アルミニウム(無機粒子) 平均粒子径1000nm 30質量部
マゼンタ系有機顔料 0.8質量部
C.I.ピグメントレッド209(キナクリドン系)
シアン系有機顔料 1.0質量部
C.I.ピグメントブルー15:3(フタロシアニン系)
イエロー系有機顔料 0.6質量部
C.I.ピグメントイエロー155(縮合ジスアゾ系)
※可撓性樹脂層(3−3)の質量に対して無機粒子23.4質量%
可撓性樹脂層(3−3)の質量に対して有機顔料0.9質量%

(配合10)消臭剤を含む熱可塑性樹脂組成物
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
白竹炭(消臭剤) 20質量部
鉄電気石:NaFeAl(BO)Si18(OH)(消臭剤)
5質量部
※可撓性樹脂層(3−2)の質量に対して消臭剤12.3質量%
実施例1〜5の防鳥シートは、何れも本発明の要件を満たしており、初期および1年曝露後ともに防鳥性を示しながらも、シートの向こう側を人が透視することができ、臭気抑制性も有していたことから、ゴミ置き場のカバーや、ベランダ・送電線鉄塔・携帯電話基地局アンテナなどの防鳥カバーに適して用いることのできるシートであった。実施例1の防鳥シートは、初期の防鳥性の試験において、ケージ周辺2m以内にカラス・ハトが合わせて7羽飛来したのみで、ケージ内部を伺うそぶりは見せたものの、内部への侵入は無かった。暴露1年後は、ケージ周辺2m以内への飛来数はカラス・ハトを合わせて12羽となったが、やはり内部への侵入は無く、防鳥性を示していた。実施例1の防鳥シートは空隙率が65%と高く、人による透視性評価では1mを超えて識別が可能で、透視性に優れていた。鳥類も人の可視領域の光を見ることはできるので、ケージ内部の様子は見えているはずであるが、充実部での紫外線散乱が空隙部を透過した紫外線と混合されて、紫外線領域の光を鮮明に見通すことができず、内部におかれた物が、餌であるかどうか判断できなかったために、ケージ内部に侵入しなかったものと思われる。実施例2および3の防鳥シートは、空隙率が41%、55%と実施例1よりも低く、そのため人による透視性はやや劣っていたものの、初期および曝露1年後の防鳥性の試験において、鳥類の飛来が5羽以下となり、優れた防鳥性を示していた。実施例4の防鳥シートは、実施例2と同じ41%の空隙率であるが、無機粒子および消臭剤を含む可撓性樹脂層(3−1)が有機顔料を含み、明度5に着色されていることで、人による透視性が向上していた。一方、防鳥性については、初期および曝露1年後ともに、カラス・ハトを合わせた飛来数が5羽を超えたが、内部への侵入は無かった。配合8で着色に用いた有機顔料が、紫外線領域に吸収の少ないシアン系色の顔料とマゼンタ色の顔料であり、また、無機粒子の含有量も22.2質量%と、実施例1〜3より多かったため、紫外線散乱面の紫外線(360nm)の反射率が初期66%、1年間曝露後64%と、有機顔料を加えなかった実施例1〜3と同等の値を示しており、充実部での紫外線散乱が充分に行われたものと考えられる。実施例5は、実施例3と同じ55%の空隙率であるが、無機粒子および消臭剤を含む可撓性樹脂層(3−1)が有機顔料を含み、明度3.5に着色されていることで、人による透視性が向上していた。一方、防鳥性については、初期および曝露1年後ともに、カラス・ハトを合わせた飛来数が5羽を超えたが、内部への侵入は無かった。配合9で着色に用いたシアン系色の顔料とマゼンタ系色の顔料は紫外線領域の吸収が少なく、また、紫外線領域に吸収を有するイエロー色の顔料は含むものの、無機粒子の含有量が23.4質量%と、実施例1〜3より多かったため、紫外線散乱面の紫外線(360nm)の反射率が初期および1年間曝露後で60%以上であり、充実部での紫外線散乱が充分に行われたものと考えられる。これらの内、臭気抑制面側からの人による透視性が優れていた実施例1および実施例4は、特にベランダの防鳥シートに用いれば、視界が得られて居住者が感じる圧迫感を軽減し、送電線の鉄塔や携帯電話の基地局アンテナなどに用いれば、防鳥シートで覆った内部で作業する場合に周辺を見通すことができ、安全に作業を行うことができる。
[比較例1]
<基布>
ポリエステルマルチフィラメント糸条からなる下記組織の粗目状織布(模紗織)を基布4として用いた。
833dtex/3 × 833dtex/3
11 × 11(本/インチ) 質量225g/m
<被覆樹脂層および防汚性樹脂層の形成>
基布4を配合1の加工液中に浸漬してからマングルで絞り、180℃で2分間加熱して、基布4の両面(繊維糸条全周面)に無機粒子と消臭剤を共に含む可撓性樹脂層(3−1)が形成されたシートを得た。可撓性樹脂層(3−1)の付着量は250g/mであった。次に、このシートの一方の面上に、配合4の加工液をグラビアコート法により30g/mとなる様塗布した後、120℃で1分間乾燥して、3g/mの防汚性樹脂層を形成し、比較例1の防鳥シートを得た。比較例1の防鳥シートは、防汚性樹脂層を形成した側(紫外線散乱面)、防汚性樹脂層を形成しなかった側(臭気抑制面)共に白色外観(明度8.5)で、空隙率10%のメッシュシートであった。この防鳥シートについて、各種評価を行った結果を表2に示す。
比較例1の防鳥シートは空隙率が10%であり、防鳥性は優れていたものの、人による透視性が劣り、ゴミ置き場のカバーに用いた場合に内部を確認し難く、外から見てゴミが適正に分別されているか判断しにくいシートであった。また、ベランダに用いた場合は視界が遮られて居住者に圧迫感を与えるものであった。
[比較例2]
<基布>
ポリエステルマルチフィラメント糸条からなる下記組織の粗目状織布(模紗織)を基布5として用いた。
833dtex/2 × 1667dtex
4.5 × 4.5(本/インチ) 質量60g/m
<被覆樹脂層および防汚性樹脂層の形成>
基布5を配合1の加工液中に浸漬してからマングルで絞り、180℃で2分間加熱して、基布5の両面(繊維糸条全周面)に無機粒子と消臭剤を共に含む可撓性樹脂層(3−1)が形成されたシートを得た。可撓性樹脂層(3−1)の付着量は100g/mであった。次に、このシートの一方の面上に、配合2の加工液をグラビアコート法により7g/mとなる様塗布した後、120℃で1分間乾燥して、1.5g/mの防汚性樹脂層を形成し、比較例2の防鳥シートを得た。比較例2の防鳥シートは、防汚性樹脂層を形成した側(紫外線散乱面)、防汚性樹脂層を形成しなかった側(臭気抑制面)共に白色外観(明度8.5)で、空隙率76%のメッシュシートであった。この防鳥シートについて、各種評価を行った結果を表2に示す。
比較例2の防鳥シートは人による透視性は優れていた。しかし、防鳥性の試験では、試験開始後周囲が明るくなる(午前6時頃)とまもなくカラスが飛来し、しばらく内部の様子を伺った後、南側の防鳥シートの下端を潜り抜けて侵入して豚の脂身を数切れ持ち去った。その後、数羽のカラスと十数羽のハトが内部に侵入(同じ個体が度々侵入したのか、別の個体なのかは不明)し、午前11時には全ての餌が無くなっていた。空隙率が76%であるため、紫外線散乱面の充実部で紫外線領域の光が散乱しても、空隙部を透過した紫外線との混合が充分になされず、鳥類がケージ内部の安全性や餌の有無を認識する事ができたものと思われる。また、各実施例に比べて充実部が少ない為、各実施例に比べると臭気抑制性がやや劣っていた。
[比較例3]
配合3の代わりに下記配合11を用いた以外は実施例2と同様にして、比較例3の防鳥シートを得た。配合11からなる樹脂層の付着量は100g/mであり、シートの1面上に形成された防汚性樹脂層は2g/mであった。比較例3の防鳥シートは、防汚性樹脂層を形成した側、防汚性樹脂層を形成しなかった側共に白色外観(明度9.5)で、空隙率65%のメッシュシートであった。この防鳥シートについて、各種評価を行った結果を表2に示す。なお、防鳥性評価においては、防汚性樹脂層を設けた側を外側としてケージを作成した。
(配合11)無機粒子、消臭剤の何れも含まない熱可塑性樹脂組成物
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化チタン粒子 平均粒子径300nm 30質量部
(シリカ−アルミナ表面処理)
比較例3の防鳥シートは、空隙率65%であり人による透視性を有していた。しかし、防鳥性の試験では、試験開始後周囲が明るくなると(午前6時頃)まもなくカラスが飛来し、内部の様子を伺うまでもなく侵入路を探す動作を示した後、南側の防鳥シートの下端を潜り抜けて侵入し、豚の脂身を持ち去った。その後、カラスとハトが入れ替わり立ち代り内部に侵入し、午前8時半には全ての餌が無くなっていた。配合11は、無機粒子として硫酸バリウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子のいずれも含まず、代わりに酸化チタン粒子を含むものである。酸化チタンは、可視領域の光を良く散乱するため、白色顔料として一般的に用いられているが、紫外線領域においては逆に吸収が大きく、紫外線反射率の評価において、初期で8%と非常に低い値を示していた。そのため、充実部での紫外線領域の光の散乱が抑えられ、鳥類が空隙部を透過した紫外線を明瞭に見る事ができる様になり、鳥類にとってケージ内部の安全性や餌の有無を認識し易かったものと考えられる。また、配合11は消臭剤も含まない為、臭気抑制性も劣っていた。
[比較例4]
防汚性樹脂層を設けなかった以外は実施例2と同様にして、比較例4の防鳥シートを得た。このシートは表裏とも白色外観(明度8.5)で、空隙率41%のメッシュシートであった。なお、表裏の構成が同じであるため、防鳥性の評価では表裏を特定せず一方の面を外側にしてケージを作成して評価し、人による透視性の評価も、一方の面からのみ行った。また、紫外線反射率の評価は、配合3から形成した可撓性樹脂層の上に防汚性樹脂層を設けずに行った。結果を表2に示す。
比較例4の防鳥シートは、製造直後には優れた防鳥性を示したが、1年間屋外曝露後には防鳥性が失われていた。屋外曝露後には、汚れの付着により明度が7となっており、紫外線反射率が32%と大きく損なわれていたため、鳥類がケージ内部の安全性やえさの有無を認識し易くなったものと考えられる。
[比較例5]
配合3の代わりに下記配合12を用いた以外は実施例2と同様にして、比較例5の防鳥シートを得た。可撓性樹脂層(3−1)の付着量は100g/mであり、シートの1面上に形成された防汚性樹脂層は2g/mであった。比較例5の防鳥シートは、防汚性樹脂層を形成した側、防汚性樹脂層を形成しなかった側共に白色外観(明度8.5)で、空隙率65%のメッシュシートであった。この防鳥シートについて、各種評価を行った結果を表2に示す。
(配合12)無機粒子と消臭剤を共に含む熱可塑性樹脂組成物
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化マグネシウム(無機粒子) 粒子径500nm 10質量部
白竹炭(消臭剤) 10質量部
鉄電気石:NaFeAl(BO)Si18(OH)(消臭剤)
5質量部
※可撓性樹脂層(3−1)の質量に対して無機粒子4.8質量%、消臭剤7.3質量%
比較例5の防鳥シートは、防鳥性が劣っていた。可撓性樹脂層(3−1)の質量に対して無機粒子の含有量が4.8質量%と10質量%未満であり、可撓性樹脂層(3−1)表面への無機粒子の露出が少なく、紫外線散乱面の紫外線反射率初期で42%であったためであると考えられる。防鳥性の試験では、午前7時に最初のカラスが飛来し、しばらく内部の様子を伺った後、南側の防鳥シートの下端を潜り抜けて侵入して豚の脂身を数切れ持ち去った。その後もカラスとハトが合わせて12羽飛来し、その内カラス3羽とハト4羽が内部に侵入した。(豚の脂身は午後2時には全てなくなったが、パンの耳は約60g残っていた。)
本発明の防鳥シートは、空隙部を有する可撓性のメッシュシートであり、紫外線散乱面と臭気抑制面を有するものである。紫外線散乱面では、メッシュシートの充実部が紫外線領域の光を散乱して、鳥類が食物や外敵の有無を判断できなくする一方、人間には、メッシュシートの空隙部を通して向こう側を透視することができる。また、臭気抑制面を有することで、このシートで覆われた内部の悪臭を低減し、臭気の拡散を抑制することができる。そのため、ゴミ収集所のカバー、一般家屋や集合住宅ベランダの防鳥カバー、高圧送電線鉄塔や携帯電話基地局アンテナ向けの防鳥カバーなどに好適に用いることができ、物理的に鳥類の侵入を妨げるばかりでなく、周辺への飛来をも防ぐことができ、更に、悪臭の拡散を抑制することもできる。
1:防鳥シート
1-1:空隙部
1-2:充実部
2:粗目状編織物(繊維糸条)
3:被覆樹脂層
3−1:無機粒子と消臭剤を共に含む層
3−2:消臭剤を含む層
3−3:無機粒子を含む層
4:防汚性樹脂層

Claims (4)

  1. 繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布と、前記基布の両面上に形成された可撓性樹脂層とを有し、25〜70%の空隙率を有する可撓性のメッシュシートであって、前記可撓性のメッシュシートの片面側が、少なくとも硫酸バリウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、および酸化ジルコニウム粒子から選ばれた1種または2種以上の無機粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる可撓性樹脂層と、該可撓性樹脂層上にアクリル系樹脂および/またはフッ素系樹脂から形成された防汚性樹脂層とを含んで紫外線散乱面を形成しており、前記可撓性のメッシュシートの反対面側が、少なくとも消臭剤を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる可撓性樹脂層を最外層に含む臭気抑制面であり、前記紫外線散乱面側の可撓性樹脂層の質量に対して、前記無機粒子の含有量が10〜50質量%であることを特徴とする、防鳥シート。
  2. 前記無機粒子が200〜1200nmの平均粒子径を有する、請求項1に記載の防鳥シート。
  3. 前記紫外線散乱面側の可撓性樹脂層が、有機顔料を更に含んで明度(JISZ8721)2〜6に着色されており、かつ、前記紫外線散乱面の紫外線(波長360nm)に対する反射率が60%以上である、請求項1または2に記載の防鳥シート。
  4. 前記有機顔料が、シアン系有機顔料、および、マゼンタ系有機顔料から選ばれる1種または2種以上を含む、請求項3に記載の防鳥シート。
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