JP2014193545A - 凹面鏡及びその加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂基板32、接着剤34、及び、樹脂基材32と金属を含む反射層と保護層とをこの順に有するフィルムミラー36をこの順に重ねた重層体30を、凸面を加工面として有する金型12Aを含む一対の加工型12A、14Aの間に、前記フィルムミラー36が前記凸面と接触するように配置し、熱プレス処理を行なう凹面鏡の加工方法である。
【選択図】図1
Description
このような方法を利用した技術として、アルミニウム合金薄板材を凹面金型と凸面金型からなる一対の金型を用いてプレス加工し押圧変形させて凹型に成型後、凹面を有する基台にのせるか、あるいはアルミニウム合金薄板材を基台の凹面に載置し凹面に対応する凸面を有する金型で凹状に変形させて基台に固定する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、積層体の光学的機能膜形成面を変形可能な温度以上に加熱しながら、型部材の転写面を積層体の光学的機能膜に向けて押圧し、変形させるプラスチック積層体の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。また、成形用の型を、反射部を介して可塑性の材料に押し付けることにより変形させて凹面を形成する太陽光集光用ミラーの製造方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
<1> 樹脂基板、接着剤、及び、樹脂基材と金属を含む反射層と保護層とをこの順に有するフィルムミラーをこの順に重ねた重層体を、凸面を加工面として有する金型を含む一対の加工型の間に、前記フィルムミラーが前記凸面と接触するように配置し、熱プレス処理を行なう凹面鏡の加工方法である。
<2> 凸面を加工面として有する金型は、曲率半径が10m以上の凸面を加工面として有する金型である<1>に記載の凹面鏡の加工方法である。
<3> 一対の加工型は、一方の金型が、曲率半径が10m以上の凸面を加工面として有する型であり、他方の金型が、平面を加工面として有する型である<1>又は<2>に記載の凹面鏡の加工方法である。
<4> 樹脂基板は、接着剤と対向する側に、曲率半径が10m以上の凹面を有する<3>に記載の凹面鏡の加工方法である。
<5> 樹脂基板、接着剤、及びフィルムミラーを構成する各々の樹脂のうち、最も高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂のガラス転移温度(℃)をTg(maxA)としたとき、熱プレス処理時の最高温度Tmax(℃)が、下記式(1)を満たす<1>〜<3>のいずれか1つに記載の凹面鏡の加工方法である。
Tg(maxA) < Tmax < Tg(maxA) +50℃ ・・・(1)
Tg(maxB) < Tmax < Tg(maxB) +50℃ ・・・(2)
<7> 熱プレス処理時における最大圧力が、0.5MPa以上である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の凹面鏡の加工方法である。
<8> 樹脂基板、接着剤、樹脂層、金属を含む反射層、及び保護層をこの順に有し、曲率半径が10m以上である凹面鏡である。
本発明の凹面鏡の加工方法及びこれにより加工形成される凹面鏡の第1実施形態を図1を参照して説明する。図1は、熱プレスする際の加工金型10及び重層体30の断面形状を示す概略断面図である。
本実施形態では、凸状の加工面(凸面)を有する金型と凹状の加工面(凹面)を有する金型とからなる一対の加工金型で凹面鏡を加工形成するものである。
曲率半径は、フィルムミラー36と共に樹脂基板32が設けられた重層体30中の、特に樹脂基材、保護層の厚みが不均一になるのを防ぐ観点から、15m以上であることが好ましい。また、曲率半径の上限は、集光効率の観点から、300m以下が望ましく、100m以下がより好ましい。
なお、本発明において、算術表面粗さ(Ra)とは、JIS B 0601−2001に規定されたものである。
一対の加工金型10の一方の金型12及び他方の金型14は、それぞれ同一の又は異なる温度に加熱されてもよい。
Tg(maxA) < Tmax < Tg(maxA) +50℃ ・・・(1)
ここで、Tg(maxA)は、重層体30を構成する樹脂基板、接着剤、及びフィルムミラーに含有されている各々の樹脂のうち、最も高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂のガラス転移温度(℃)を表す。
熱プレスするにあたっては、いずれの樹脂のTgに合わせて熱制御するかが重要であり、式(1)の温度関係を満たす範囲で熱プレスすることで、含まれる樹脂の全てが軟化したとしても、溶融状態に至って面方向における樹脂量が不均一になるのを防ぎ、光の反射率の部分的な低下を抑制することができる。これにより、凹面鏡の集光性を効果的に高めることができる。
熱プレス機については、公知の真空熱加圧装置などを用い、型を所望により選択したものを使用することができる。具体的な装置として、例えば、ミカドテクノス社製の真空熱加圧装置バキュームエースVA30−4535を挙げることができる。
樹脂基板32は、シート形状(平面形状)を有する樹脂製の基材である。樹脂基板を構成する樹脂は特に限定されず、目的に応じて適宜選択される。
支持体を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリエーテルサルフォン系樹脂;ポリエチレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;スチレン系樹脂;セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;等が挙げられる。
これらのうち、透明性や耐候性が良好である点で、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などが好ましい。
このような樹脂基板を用いることで、凹面鏡は、金属基材と接着させることなく、必要な強度と耐久性とを達成しながら、可撓性をもそなえる。
接着剤34は、樹脂基板32とフィルムミラー36とを接着する。具体的には、接着剤は、樹脂基材とフィルムミラーを構成する樹脂基材とを接着するものである。
接着剤としては、特に制限されるものではないが、ホットメルト接着剤(常温固形タイプ)、液状接着剤(好ましくは高粘度液状タイプ)などのいずれでもよい。接着剤の例として、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ニトリルゴム等を主成分とするものが好ましく、耐光性及び接着性の観点から、アクリル系樹脂又はウレタン系樹脂を主成分とする接着剤が特に好ましい。
フィルムミラー36は、入射する太陽光を集光するための鏡材であり、少なくとも、樹脂基材と、金属を含む反射層と、保護層と、をこの順に設けて構成されている。
樹脂基材を構成する樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリエーテルサルフォン系樹脂;ポリエチレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;スチレン系樹脂;セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;等が挙げられる。
これらのうち、フィルムミラーの透明性や耐候性が良好である点で、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などが好ましい。
樹脂基材を備えていることで、フィルムミラーは、金属基材と接着させることなく、必要な強度と耐久性とを実現すると共に、可撓性をも有する。
本発明のフィルムミラーは、保護層の下層(樹脂基材が配置されている側の層)として、金属を含む反射層(金属反射層)を備えている。この金属反射層によって、上記した保護層を通過して入射した光を反射する。
ここで、入射角とは、膜面に対して垂直な線に対する角度を意味する。
めっき法は、真空蒸着法やスパッタ法などの気相成膜法やゾルゲル法や溶剤塗布法などに比べて、成膜対象の表面形状に対応した成膜が可能であることから、均一な膜厚で金属反射層を形成できるので好ましい。
めっき法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程のめっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、フィルムミラーの初期反射性の観点から、銀が好ましい。
めっき下塗りポリマー層が電極としての機能を有する場合、めっき下塗りポリマー層に対して電気めっきを行なうことにより、金属反射層を形成することができる。
また、電気めっき法により得られる金属反射層の膜厚は、めっき浴中に含まれる金属濃度、又は、電流密度を調整することで制御することができる。適切な厚みの下地金属層を入れることで、表面平滑化による反射率向上やピンホール低減が可能となる。
変色防止剤層は、金属反射層の変色防止に機能する。変色防止剤としては、チオエーテル系、チオール系、Ni系有機化合物系、ベンゾトリアゾール系、イミダゾール系、オキサゾール系、テトラザインデン系、ピリミジン系、チアジアゾール系等の変色防止剤が挙げられる。
変色防止剤層は、大別して、金属を吸着する吸着基を有するものや、酸化防止剤が好ましく用いられる。
既述の反射層と樹脂基材との間には、樹脂中間層が設けられていることが好ましい。樹脂中間層を設けることで、樹脂基材と反射層との間の密着性を向上させることができる。
本発明においては、樹脂基材と金属反射層との接着性を向上させるために易接着層を設けてもよい。また、易接着層上にめっき下塗りポリマー層を設ける場合には、易接着層により樹脂基材とめっき下塗りポリマー層との接着性が向上し、結果、樹脂基材と金属反射層との接着性をより向上させることができる。
易接着層に含まれる樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもまたそれらの混合物でもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、イソシアネート系樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。2種以上の樹脂の併用は、それぞれの欠点が補うことでより優れた効果を発現させる目的で行われる。
架橋剤の添加量は、熱可塑性樹脂が有する官能基と架橋剤の反応性基とが等量となるように調合することが好ましいが、適切な膜物性を得るために、架橋剤の添加量を適宜増減してもよい。
重合開始可能な官能基を有する樹脂からなる層としては、例えば、特開2005−307140号公報の段落[0018]〜[0078]に記載の重合開始部位を骨格中に有するポリイミドが挙げられる。
本発明における易接着層の厚みは、一般に、0.1μm〜10μmの範囲でが好ましく、0.2μm〜5μmの範囲がより好ましい。
本発明におけるめっき下塗りポリマー層は、めっき下塗りポリマーと、還元された金属粒子とを少なくとも有する。本発明におけるめっき下塗りポリマー層は、金属反射層を湿式法であるめっき法により形成する際に好適に用いられる。
めっき下塗りポリマーは、金属前駆体と相互作用する官能基(以後、適宜「相互作用性基」と称する。)を少なくとも有するとともに、耐水性、耐薬品性の観点から、必要に応じて、重合性基を有することが好ましい。
めっき下塗りポリマーの主骨格としては、アクリルポリマー、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリイミド、メタクリルポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、エチレンアクリル酸共重合体等が好ましいが、アクリルポリマーであることがより好ましい。
めっき下塗りポリマーは、目的に応じて、重合性基を含む構成単位、及び相互作用性基を含む構成単位以外の構成単位を含んでいてもよい。重合性基を含む構成単位、及び相互作用性基を含む構成単位以外の構成単位(以下、適宜、他の構成単位と称する。)を含むことによって、めっき下塗り組成物としたときに、水又は有機溶剤への溶解性に優れ、均一なめっき下塗り層を形成することができる。
以下、めっき下塗りポリマーに含まれる重合性基、相互作用性基、及びその特性等について詳述する。
めっき下塗りポリマーが有する重合性基は、コロナ処理、プラズマ処理などのエネルギー付与により、ポリマー同士、又は、ポリマーと下地層(樹脂基材若しくは樹脂基材上に設けられた易接着層又は下塗り層)との間で化学結合を形成し得る官能基であればよい。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基等が挙げられる。なかでも、反応性の観点から、ラジカル重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基等が挙げられる。なかでも、メタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、及びメタクリルアミド基が好ましく、中でも、ラジカル重合反応性、及び合成汎用性の点から、メタクリロイル基、アクリロイル基、アクリルアミド基、及びメタクリルアミド基が好ましく、耐アルカリ性の観点からアクリルアミド基、及びメタクリルアミド基が更に好ましい。
なかでも、アクリルポリマーに導入される重合性基としては、(メタ)アクリレート基又は(メタ)アクリルアミド基等の(メタ)アクリル基、カルボン酸のビニルエステル基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基等の各種重合性基が好ましい。
めっき下塗りポリマーが有する相互作用性基は、金属前駆体と相互作用する官能基(例えば、配位性基、金属イオン吸着性基等)であり、金属前駆体と静電相互作用を形成可能な官能基、あるいは、金属前駆体と配位形成可能な含窒素官能基、含硫黄官能基、含酸素官能基等を使用することができる。
相互作用性基としてより具体的には、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、トリアゾール環、イミダゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アルキルアミン構造を含む基、シアノ基、シアネート基(R−O−CN)等の含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、N−ヒドロキシ構造を含む基等の含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、スルホキシド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル構造を含む基等の含硫黄官能基;ホスフォート基、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、リン酸エステル構造を含む基等の含リン官能基;塩素、臭素等のハロゲン原子を含む基等が挙げられ、塩構造をとり得る官能基においては、それらの塩も使用することができる。
相互作用性基としては、非解離性官能基であっても、イオン性極性基であってもよく、これらが同時に含まれていてもよいが、イオン性極性基が好ましい。
以下、本発明の使用されるめっき下塗りポリマーの好適な構成については、ラジカル重合性基と非解離性官能基からなる相互作用性基を有するポリマーとして、特開2009−007540号公報の段落[0106]〜[0112]に記載のポリマー等が使用できる。また、ラジカル重合性基とイオン性極性基からなる相互作用性基とを有するポリマーとしては、特開2006−135271号公報の段落[0065]〜[0070]に記載のポリマー等が使用できる。ラジカル重合性基と、非解離性官能基からなる相互作用性基と、イオン性極性基からなる相互作用性基とを有するポリマーとしては、特開2010−248464号公報の段落[0010]〜[0128]、特開2010−84196号公報、及び米国特許出願公開2010−080964号明細書の段落[0030]〜[0108]に記載のポリマー等が使用できる。
但し、エネルギー付与により、めっき下塗りポリマーが樹脂基材や易接着層と相互作用する活性点を生成し得る場合、即ち、上述したポリマー骨格中に重合開始部位を有するポリマーを用いるような場合には、これらのラジカル重合開始剤を添加しなくてもよい。
金属イオンとしては、配位可能な官能基の種類、数、及び触媒能の点で、Agイオン、Cuイオン、Pdイオンが好ましい。
Agイオンとしては、以下に示す銀化合物が解離したものを好適に用いることができる。銀化合物の具体例としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀が挙げられる。この中でも、水溶性の観点から硝酸銀が好ましい。
Cuイオンを用いる場合、以下に示すような銅化合物が解離したものを好適に用いることができる。銅化合物の具体例としては、硝酸銅、酢酸銅、硫酸銅、シアン化銅、チオシアン酸銅、塩化銅、臭化銅、クロム酸銅、クロラニル酸銅、サリチル酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミド酸銅、p−トルエンスルホン酸銅が挙げられる。この中でも、水溶性の観点から硫酸銅が好ましい。
付与の方法としては、例えば、めっき下塗りポリマーを含む組成物を用いて樹脂基材上にめっき下塗りポリマーを含むポリマー層を形成した後、このめっき下塗りポリマーを含むポリマー層上に金属前駆体を含む組成物(分散液又は溶液)を塗布する方法、あるいは、上めっき下塗りポリマーを含む記ポリマー層が形成された樹脂基材を、金属前駆体を含む組成物(分散液又は溶液)に浸漬する方法が挙げられる。
上記のように、金属前駆体を含む分散液又は溶液を上記ポリマー層に接触させることで、めっき下塗りポリマー中の相互作用基に、ファンデルワールス力のような分子間力による相互作用、又は、孤立電子対による配位結合による相互作用を利用して、金属前駆体を吸着させることができる。
金属前駆体の分散液及び溶液に用いる溶媒には、水や有機溶媒が用いられる。水や有機溶剤を含有することで、ポリマー層に対する金属前駆体の浸透性が向上し、相互作用性基に効率よく金属前駆体を吸着させることができる。
なお、ここで粒子径とは、平均1次粒子径(体積換算)のことであり、SEM(S−5200、(株)日立ハイテクマニファクチャ&サービス製)の画像から読み取ったものである。
金属活性化液全体に対する還元剤の濃度は、0.05質量%〜50質量%であることが好ましく、0.1質量%〜30質量%であることがより好ましい。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸等の還元剤を用いることが可能である。特に、ホルムアルデヒドを含有するアルカリ水溶液で還元することが好ましい。
pH調整剤としては、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用することが可能である。
還元時の温度は、10℃〜100℃が好ましく、20℃〜70℃が更に好ましい。
これら濃度や温度範囲は、還元の際の、金属前駆体の粒子径、ポリマー層の表面粗さ、導電性(表面抵抗値)、還元液の劣化の観点からこの範囲であることが好ましい。
なお、粒子径とは、SEM(日立ハイテクマニファクチャ&サービス社製 S−5200)画像から読み取ったものである。
フィルムミラーには、太陽光、雨水、砂塵等による金属反射層、樹脂基材、及び必要により設けられるめっき下塗りポリマー層の劣化や破損を防止し、鏡面性を安定的に保つ観点から、金属反射層の入射光側に保護層を有する。
保護層の形成に用いられる樹脂材料としては、フィルム又は層を形成しうる樹脂であって、形成されたフィルム又は層の強度、耐久性、空気や水分の遮断性、さらには、保護層と隣接する層、例えば、腐食防止層等との密着性に加え、透明性、特にフィルムミラーが必要とする波長の光に対する高い透過性を達成しうる樹脂を選択することが好ましい。
中でも、カーボネート系樹脂、エステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、アクリル樹脂、フッ素系樹脂(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF))、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂等が好ましい。具体的な好ましい例としては、ポリフッ化ビニリデン及びポリメチルメタクリレートであり、光透過性の観点からは、PMMAが更に好ましい。
本発明の凹面鏡の加工方法及びこれにより加工形成される凹面鏡の第2実施形態を図2を参照して説明する。図2は、熱プレスする際の加工金型20及び重層体30の断面形状を示す概略断面図である。
本実施形態では、加工金型として、凸状の加工面(凸面)を有する金型と、平面状の加工面(平面)を有する金型と、からなる一対の加工金型を用いて、凹面鏡を加工形成するものである。
このようにして、フィルムミラーの表面が凹面に成形された凹面鏡が得られる。
なお、本発明において、算術表面粗さ(Ra)とは、JIS B 0601−2001に規定されたものである。
一対の加工金型20の一方の金型12及び他方の金型16は、それぞれ同一の又は異なる温度に加熱されてもよい。
Tg(maxA) < Tmax < Tg(maxA) +50℃ ・・・(1)
ここで、Tg(maxA)は、重層体30を構成する樹脂基板、接着剤、及びフィルムミラーに含有されている各々の樹脂のうち、最も高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂のガラス転移温度(℃)を表す。
熱プレスにあたっては、いずれの樹脂のTgに合わせて熱制御するかが重要であり、式(1)の温度関係を満たす範囲で熱プレスすることで、含まれる樹脂の全てが軟化したとしても、溶融状態に至って面方向における樹脂量が不均一になるのを防ぎ、光の反射率の部分的な低下を抑制することができる。これにより、凹面鏡の集光性を効果的に高めることができる。
本発明の凹面鏡の加工方法及びこれにより加工形成される凹面鏡の第3実施形態を図3を参照して説明する。図3は、熱プレスする際の加工金型20及び重層体40の断面形状を示す概略断面図である。
一対の加工金型20の一方の金型12及び他方の金型16は、それぞれ同一の又は異なる温度に加熱されてもよい。
熱プレス時の圧力については、第1実施形態における場合の圧力と同様であり、好ましい態様も同様である。
Tg(maxB) < Tmax < Tg(maxB) +50℃ ・・・(2)
ここで、Tg(maxB)は、樹脂基材、接着剤、及びフィルムミラーを構成する各々の樹脂のうちの樹脂基材のガラス転移温度(Tg)が最も高い場合に、接着剤及びフィルムミラーを構成する各々の樹脂のうち、最も高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂のガラス転移温度(℃)を表す。
本実施形態での熱プレスするにあたっては、プレス成形の型をなす樹脂基板の除き、フィルムミラー及び接着剤に含まれるいずれの樹脂のTgに合わせて熱制御するかが重要である。上記の式(2)の温度関係を満たす範囲で熱プレスすることで、含まれる樹脂の全てが軟化したとしても、溶融状態に至って面方向における樹脂量が不均一になるのが防止され、光の反射率の部分的な低下の抑制に有利である。これにより、凹面鏡の集光性を効果的に高めることができる。
<フィルムミラーの作製>
[樹脂中間層の形成]
(1)易接着層の形成
樹脂基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(コスモシャインA−4300、厚さ:100μm、東洋紡社製、ガラス転移温度(Tg):70℃)を準備し、その一方の面に、730J/m2の条件でコロナ放電処理を施した後、下記の易接着層形成用塗布液を乾燥重量が124mg/m2となるようにバーコート法により塗布した。そして、これを180℃で1分間乾燥することにより、易接着層を形成した。
・ポリエステル樹脂水分散物 ・・・ 48部
(バイロナール1245、固形分:30質量%、東洋紡(株)製;バインダー)
・PMMA樹脂微粒子 ・・・ 0.5部
(MP−1000、固形分:100質量%、綜研化学(株)製;マット材)
・オキサゾリン化合物 ・・・ 3部
(エポクロスWS−700、固形分:25質量%、日本触媒(株)製;架橋剤)
・カルボジイミド化合物 ・・・ 17部
(カルボジライトV−02−L2、固形分:40質量%、日清紡(株)製;架橋剤)
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル ・・・0.15質
(ナロアクティーCL−95、固形分:100質量%、三洋化成工業(株)製)
下記構造のアクリルポリマー1を7部、1−メトキシ−2プロパノール74部、及び水19部の混合溶液に、光重合開始剤(エサキュアKTO−46、ランベルディー社製)0.35部を添加し、攪拌することにより、めっき下塗りポリマー層形成用塗布液(アクリルポリマー溶液)を調製した。
以上のようにして、PETフィルム上の易接着層の表面に、樹脂中間層として、厚み0.5μmのめっき下塗りポリマー層を形成した。
金属前駆体を含む溶液として、硝酸銀の1質量%水溶液を調製した。上記のようにめっき下塗りポリマー層が形成されたPETフィルムを、25℃に温調した1質量%の硝酸銀水溶液に5分間浸漬させた。その後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、金属前駆体の付与を行なった。
続いて、還元液として、0.14質量%の水酸化ナトリウムを含有する0.25質量%のホルムアルデヒド水溶液を調製した。金属前駆体が付与されたPETフィルムを、25℃に温調した上記の還元液に1分間浸漬させた。その後、純水で1分間掛け流しにより洗浄、金属前駆体を還元し、金属皮膜(導電皮膜)を形成した。
還元後の表面抵抗値を、表面抵抗計を用いて測定したところ、約10Ω/□であった。また、表面粗さ(Ra)を、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定したところ、約7nmであった。さらに、還元後の金属の粒子径を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、約50nmであった。
電気めっきの前処理として、上記にて得られた還元された金属の粒子を含むめっき下塗りポリマー層を表面に有するPETフィルムを、25℃に温調したダインクリーナーAC100(大和化成(株)製)の10質量%水溶液に30秒間浸漬させた。その後、数回洗浄した。続けて、同じく電気めっきの前処理として、ダインシルバーACC(主成分:メタンスルホン酸、大和化成(株)製)の10質量%水溶液に10秒間浸漬させ、数回洗浄した。
以上のようにして、厚み100nmの銀反射層を形成した。
下記組成中の各成分を混合し、保護層形成用塗布液を調製した。続いて、この保護層形成用塗布液を、銀反射層のめっき処理面に乾燥質量が10g/m2となるようにバーコート法により塗布し、130℃で1分間乾燥させることにより、厚み20μmの保護層(ガラス転移温度:90℃)を形成した。
<保護層形成用塗布液の組成>
・アクリル樹脂 ・・・21部
(ダイヤナールBR−102、三菱レーヨン(株)製;バインダー)
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 ・・・4部
(Sumisorb250、住友化学(株)製;紫外線吸収剤)
・シクロヘキサノン(溶剤) ・・・5部
・メチルエチルケトン(溶剤) ・・・70部
・フッ素系界面活性剤 ・・・0.04部
(メガファックF−780F(固形分:30質量%)、DIC(株)製;塗布助剤)
上記で作製したフィルムミラーと、下記表1に示す樹脂基材、接着剤を用い、真空熱加圧装置(バキュームエースVA30−4535、ミカドテクノス社製)により、下記表1に示す加工金型(図1〜図3に示す加工金型)及びプレス条件にて熱プレスを行なって、12種類の凹面鏡(集光ミラー)を作製した。
上記のようにして作製した凹面鏡について、下記の測定、評価を行なった。測定及び評価の結果は、下記表1に示す。
各凹面鏡について、下記の評価基準に従って凹面鏡を熱プレスして成形する際の加工性を評価した。
AA:凹面鏡の曲率半径の設計値に対する誤差が、±3%未満の範囲にあり、シワなどの加工ムラも無い。
A:曲率半径の設計値に対する誤差が、±3%以上±10%未満の範囲にあり、シワなどの加工ムラも少ない。
B:曲率半径の設計値に対する誤差が、±10%以上±30%未満の範囲にあり、所々にシワなどの加工ムラが見られる。
C:曲率半径が設計値に対する誤差が、±30%以上であり、シワなどの加工ムラが散見される。
各凹面鏡について、曲率半径等によって決まる焦点距離(fm)を算出し、凹面鏡で反射された太陽光の光量(エネルギー)をフォトダイオードで計測した。
具体的には、図4に示すように、太陽光が凹面鏡で反射された反射光が受光面に垂直に入射するように受光板を配置した測定系を組み上げ、光量を計測した。このとき、入射する太陽光(入射光)と凹面鏡の法線方向とのなす角度θ1、及び反射鏡の法線方向と受光板の法線方向とのなす角度θ2を、それぞれ10°に固定した。受光板には、その受光面の中心部にフォトダイオードが配置されており、このフォトダイオードに反射光が入射される。
計測された値を指標に下記の評価基準に従って凹面鏡の集光性を評価した。
<評価基準>
AA:測定された光量が、太陽光エネルギーの800%以上である。
A:測定された光量が、太陽光エネルギーの400%以上である。
B:測定された光量が、太陽光エネルギーの200%以上である。
C:測定された光量が、太陽光エネルギーの200%未満である。
これに対し、比較例では、成形加工時に樹脂基板、接着剤、及びフィルムミラー中における樹脂の存在量に不均一が生じてしまい、結果、光反射率の低下に起因して集光率も低下した。
12A,14A,16A・・・加工面
30,40・・・重層体
32,42・・・樹脂基材
34・・・接着剤
36・・・フィルムミラー
Claims (8)
- 樹脂基板、接着剤、及び、樹脂基材と金属を含む反射層と保護層とをこの順に有するフィルムミラーをこの順に重ねた重層体を、凸面を加工面として有する金型を含む一対の加工型の間に、前記フィルムミラーが前記凸面と接触するように配置し、熱プレス処理を行なう凹面鏡の加工方法。
- 前記金型は、曲率半径が10m以上の凸面を加工面として有する金型である請求項1に記載の凹面鏡の加工方法。
- 前記一対の加工型は、一方の金型が、前記曲率半径が10m以上の凸面を加工面として有する型であり、他方の金型が、平面を加工面として有する型である請求項1又は請求項2に記載の凹面鏡の加工方法。
- 前記樹脂基板は、前記接着剤と対向する側に、曲率半径が10m以上の凹面を有する請求項3に記載の凹面鏡の加工方法。
- 前記樹脂基板、前記接着剤、及び前記フィルムミラーを構成する各々の樹脂のうち、最も高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂のガラス転移温度(℃)をTg(maxA)としたとき、熱プレス処理時の最高温度Tmax(℃)が、下記式(1)を満たす請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の凹面鏡の加工方法。
Tg(maxA) < Tmax < Tg(maxA) +50℃ ・・・(1) - 前記樹脂基材、前記接着剤、及び前記フィルムミラーを構成する各々の樹脂のうちの前記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)が最も高い場合に、前記接着剤及び前記フィルムミラーを構成する各々の樹脂のうち、最も高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂のガラス転移温度(℃)をTg(maxB)としたとき、熱プレス処理時の最高温度Tmax(℃)が、下記式(2)を満たす請求項4に記載の凹面鏡の加工方法。
Tg(maxB) < Tmax < Tg(maxB) +50℃ ・・・(2) - 熱プレス処理時における最大圧力が、0.5MPa以上である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の凹面鏡の加工方法。
- 樹脂基板、接着剤、樹脂層、金属を含む反射層、及び保護層をこの順に有し、曲率半径が10m以上である凹面鏡。
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