以下、本発明の複数の実施形態による制御装置を図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による制御装置を図1、2に示す。制御装置10は、エンジンシステム1に適用され、エンジンシステム1を構成する各部を制御可能である。
エンジンシステム1は、内燃機関としてのエンジン20、および、点火装置11等を備えている。
エンジン20は、例えばガソリンを燃料として駆動する予混合燃焼式の4気筒エンジンである。エンジン20は、気筒21、エンジンヘッド22、吸気弁25、排気弁26、ピストン27、クランクシャフト29等を有している。
気筒21は筒状に形成されている。本実施形態では、気筒21は、エンジン20に4つ形成されている。エンジンヘッド22は、気筒21の一端を塞ぐよう設けられている。エンジンヘッド22には、気筒21の内側空間に連通する吸気ポート23および排気ポート24が形成されている。
吸気弁25は、吸気ポート23と気筒21の内側空間との間を開閉可能に設けられている。排気弁26は、排気ポート24と気筒21の内側空間との間を開閉可能に設けられている。
ピストン27は、気筒21の内側で軸方向に往復移動可能に設けられている。気筒21の内壁とエンジンヘッド22とピストン27とにより燃焼室28が形成されている。燃料と空気とが混合した気体、すなわち、混合気が燃焼室28で燃焼すると、燃焼室28の容積が増大しピストン27がエンジンヘッド22とは反対側へ移動する。なお、燃焼室28で混合気が燃焼するとき、燃焼ガスが生じる。
クランクシャフト29は、ピストン27の往復移動により回転可能に設けられている。燃焼室28で燃料が燃焼し、気筒21内でピストン27が往復移動すると、クランクシャフト29が回転し、クランクシャフト29からトルクが出力される。クランクシャフト29から出力されるトルクは、図示しない車両の車輪に伝達される。これにより、車両が走行する。
エンジンヘッド22の吸気ポート23には、吸気管31が接続されている。吸気管31の内側には、吸気通路32が形成されている。吸気通路32は、一端が大気に開放され、他端が吸気ポート23に接続している。これにより、大気(空気)は、吸気通路32および吸気ポート23を経由して燃焼室28に供給される。以下、適宜、大気側からエンジン20の燃焼室28に供給される空気を吸気という。
吸気通路32には、スロットル弁2が設けられている。スロットル弁2は、アクチュエータ3により回転駆動されることで、吸気通路32を開閉可能である。すなわち、スロットル弁2は、吸気通路32を開閉することにより、燃焼室28に供給する吸気の量を変更可能である。
吸気管31のエンジンヘッド22近傍には、燃料噴射弁4が設けられている。燃料噴射弁4は、燃料を吸気ポート23に噴射可能である。これにより、燃料と吸気(空気)との混合気が燃焼室28に供給される。燃料噴射弁4は、噴孔の開閉を制御されることにより、噴射する燃料の量を変更可能である。すなわち、燃料噴射弁4は、燃焼室28に供給する燃料の量を変更可能である。
エンジンヘッド22の排気ポート24には、排気管33が接続されている。排気管33の内側には、排気通路34が形成されている。排気通路34は、一端が排気ポート24に接続し、他端が大気に開放されている。これにより、燃焼室28で生じた燃焼ガスを含む空気は、排気ポート24および排気通路34を経由して大気側に排出される。以下、適宜、エンジン20の燃焼室28から排出される、燃焼ガスを含む空気を排気という。本実施形態では、排気通路34に三元触媒35が設けられている。三元触媒35は、排気中の炭化水素、一酸化炭素および窒素酸化物を酸化または還元することにより、大気側に排出される排気を浄化する。
本実施形態では、エンジンシステム1は、吸気管31と排気管33とを接続するEGR管36を有している。EGR管36の内側には、EGR通路37が形成されている。EGR通路37は、排気通路34と吸気通路32とを連通している。これにより、排気通路34の排気は、EGR通路37を経由して吸気通路32に還流可能である。
EGR管36には、EGR弁装置5が設けられている。EGR弁装置5は、図示しないEGR弁によりEGR通路37を開閉可能である。すなわち、EGR弁装置5は、EGR通路37を開閉することにより、排気通路34から吸気通路32に還流される排気の量を変更可能である。
ここで、EGR管36およびEGR弁装置5は、エンジン20の燃焼室28から排出された排気を吸気とともに燃焼室28に再び供給する排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)システムを構成している。排気を吸気とともに燃焼室28に再び供給することにより、大気に排出される排気中の窒素酸化物の低減、および、燃費の向上等を図ることができる。
点火装置11は、燃焼室28に導入された混合気に点火するために設けられている。図2に示すように、点火装置11は、点火プラグ40、点火コイル50、イグナイタ部60、エネルギ投入部70等を備えている。
点火プラグ40は、4つの気筒21のそれぞれに対応するよう4つ設けられている。点火プラグ40は、放電部41を有している。放電部41は、中心電極42および接地電極43を有している。中心電極42と接地電極43とは、間に所定のギャップを形成している。点火プラグ40は、放電部41が燃焼室28に露出するようエンジンヘッド22に設けられている(図1参照)。接地電極43は、エンジンヘッド22に電気的に接続されている。すなわち、接地電極43は接地されている。点火プラグ40は、印加される電圧により放電部41の中心電極42と接地電極43との間で放電し、燃焼室28の混合気に点火可能である。
点火コイル50は、4つの点火プラグ40(気筒21)のそれぞれに対応するよう4つ設けられている。点火コイル50は、一端が点火プラグ40の放電部41とは反対側に接続するようエンジンヘッド22に設けられている(図1参照)。点火コイル50は、一次コイル51、二次コイル52、コア53およびダイオード54を有している(図2参照)。
一次コイル51は、例えば銅線をコア53に所定回数巻くことにより形成され、一端が電源12の正極に接続されている。電源12は、正極から十数V程度の電圧を出力可能な低圧バッテリであり、負極が接地(ボディアース)されている。一次コイル51は、他端が接地側である。
二次コイル52は、例えば銅線をコア53に所定回数巻くことにより形成され、一端が点火プラグ40の中心電極42に接続され、他端が接地されている。ここで、二次コイル52の巻回数は、一次コイル51よりも多くなるよう設定されている。
コア53は、例えば鉄等、透磁率が所定値以上の材料により形成されている。
ダイオード54は、二次コイル52に対し点火プラグ40とは反対側に設けられている。ダイオード54は、アノード側が二次コイル52に接続し、カソード側が接地されるよう設けられている。これにより、二次コイル52からダイオード54を経由した接地側への電流の流れは許容され、接地側からダイオード54を経由した二次コイル52側への電流の流れは遮断されている。
イグナイタ部60は、4つの点火コイル50(気筒21)のそれぞれに対応するよう4つ設けられている。イグナイタ部60は、点火コイル50の一次コイル51に対し電源12とは反対側に設けられている(図2参照)。イグナイタ部60は、スイッチング素子61およびダイオード62を有している。
スイッチング素子61は、本実施形態では、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)である。スイッチング素子61は、コレクタが一次コイル51に接続され、エミッタが接地されるようにして設けられている。スイッチング素子61は、ゲートに入力される信号に基づき、オン状態またはオフ状態になるようスイッチング作動する。スイッチング素子61は、オン状態のとき、一次コイル51からスイッチング素子61を経由した接地側への電流の流れを許容し、オフ状態のとき、一次コイル51からスイッチング素子61を経由した接地側への電流の流れを遮断する。
ダイオード62は、アノード側がスイッチング素子61のエミッタに接続、すなわち、接地されている。ダイオード62は、カソード側がスイッチング素子61のコレクタに接続、すなわち、一次コイル51に接続されている。これにより、接地側からダイオード62を経由した一次コイル51側への電流の流れは許容され、一次コイル51側からダイオード62を経由した接地側への電流の流れは遮断されている。
イグナイタ部60のスイッチング素子61がオン状態のとき、電源12からの電流は、点火コイル50の一次コイル51およびスイッチング素子61を経由して接地側へ流れる。このとき、コア53は磁化し磁気エネルギが蓄えられ、周囲に磁界が形成される。一次コイル51を電流が流れているとき、スイッチング素子61がオフ状態になると、一次コイル51から接地側への電流の流れが遮断され、コア53の周囲の磁界が変化し、自己誘導作用により一次コイル51に数百V程度の電圧が生じる。このとき、磁気回路および磁束を共有する二次コイル52にも数十kV程度の高電圧が生じる。このとき、二次コイル52に生じる電圧は、一次コイル51と二次コイル52の巻回数に比例した大きさとなる。二次コイル52に高電圧が生じると、点火プラグ40の中心電極42と接地電極43との電位差が所定値以上になる。その結果、中心電極42と接地電極43との間で絶縁破壊が生じ、点火プラグ40は、中心電極42と接地電極43との間で放電する。
以下、適宜、一次コイル51に流れる電流を一次電流I1、二次コイル52に流れる電流を二次電流I2、二次コイル52の電圧を二次電圧V2という。また、電源12側からイグナイタ部60側へ向かう方向を一次電流I1の正方向とし、ダイオード54側から点火プラグ40側へ向かう方向を二次電流I2の正方向とする。また、二次コイル52に正方向の二次電流I2が流れるときの二次電圧V2を正の電圧とする。
本実施形態では、点火プラグ40が放電するとき、二次電圧V2は負の電圧であり、二次コイル52には負方向の二次電流I2が流れる。
エネルギ投入部70は、本実施形態では、4つの点火コイル50に対し1つ設けられている。エネルギ投入部70は、電源12とイグナイタ部60との間に一次コイル51と並列に設けられている(図2参照)。エネルギ投入部70は、コイル71、スイッチング素子72、73、ダイオード74、75、コンデンサ76、ドライバ回路77、78を有している。
コイル71は、例えば銅線を所定回数巻くことにより形成され、一端が電源12と一次コイル51との間に接続するよう設けられている。
スイッチング素子72、73は、本実施形態では、電界効果トランジスタの一種のMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)である。スイッチング素子72は、ドレインがコイル71の他端に接続され、ソースが接地されるようにして設けられている。スイッチング素子73は、ドレインがコンデンサ76に接続し、ソースが点火コイル50の一次コイル51とイグナイタ部60との間にダイオード75を介して接続するよう設けられている。本実施形態では、スイッチング素子73は、4つの点火コイル50(気筒21)のそれぞれに対応し4つ設けられているが、これに限らない。
スイッチング素子72、73は、ゲートに入力される信号に基づき、オン状態またはオフ状態になるようスイッチング作動する。スイッチング素子72は、オン状態のとき、コイル71からスイッチング素子72を経由した接地側への電流の流れを許容し、オフ状態のとき、コイル71からスイッチング素子72を経由した接地側への電流の流れを遮断する。スイッチング素子73は、オン状態のとき、コンデンサ76からスイッチング素子73を経由した一次コイル51およびイグナイタ部60側への電流の流れを許容し、オフ状態のとき、コンデンサ76からスイッチング素子73を経由した一次コイル51およびイグナイタ部60側への電流の流れを遮断する。
ダイオード74は、アノード側がコイル71とスイッチング素子72との間に接続し、カソード側がコンデンサ76に接続するよう設けられている。これにより、コイル71およびスイッチング素子72側からダイオード74を経由したコンデンサ76への電流の流れは許容され、コンデンサ76からダイオード74を経由したコイル71およびスイッチング素子72側への電流の流れは遮断されている。
ダイオード75は、アノード側がスイッチング素子73のソースに接続し、カソード側が一次コイル51とイグナイタ部60との間に接続するよう設けられている。これにより、スイッチング素子73側からダイオード75を経由した一次コイル51およびイグナイタ部60側への電流の流れは許容され、一次コイル51およびイグナイタ部60側からダイオード75を経由したスイッチング素子73側への電流の流れは遮断されている。本実施形態では、ダイオード75は、4つのスイッチング素子73のそれぞれに対応し4つ設けられている。
ドライバ回路77は、入力される信号に基づき、スイッチング素子72のスイッチング作動に関するスイッチング信号SWcを生成し、生成したスイッチング信号SWcをスイッチング素子72のゲートに出力する。ここで、スイッチング信号SWcは、オフ(Lo)またはオン(Hi)を示す信号である。スイッチング信号SWcがオフのとき、スイッチング素子72はオフ状態になり、スイッチング信号SWcがオンのとき、スイッチング素子72はオン状態になる。このように、スイッチング素子72は、ドライバ回路77から入力されるスイッチング信号SWcに基づき、スイッチング作動する。
ドライバ回路78は、入力される信号に基づき、スイッチング素子73のスイッチング作動に関するスイッチング信号SWdを生成し、生成したスイッチング信号SWdをスイッチング素子73のゲートに出力する。ここで、スイッチング信号SWdは、オフ(Lo)またはオン(Hi)を示す信号である。スイッチング信号SWdがオフのとき、スイッチング素子73はオフ状態になり、スイッチング信号SWdがオンのとき、スイッチング素子73はオン状態になる。このように、スイッチング素子73は、ドライバ回路78から入力されるスイッチング信号SWdに基づき、スイッチング作動する。本実施形態では、ドライバ回路78は、4つのスイッチング素子73のそれぞれに対応し4つ設けられている。
スイッチング素子73がオフ状態でスイッチング素子72がオン状態のとき、電源12からの電流は、コイル71およびスイッチング素子72を経由して接地側へ流れる。このとき、コイル71には電気エネルギが蓄えられる。コイル71を電流が流れているとき、スイッチング素子72がオフ状態になると、コイル71から接地側への電流の流れが遮断される。これにより、コイル71から電気エネルギが放出され、ダイオード74を経由してコンデンサ76に電気エネルギが供給される。そのため、スイッチング素子73がオフ状態でスイッチング素子72がオン状態またはオフ状態を交互に繰り返すようスイッチング作動すると、コイル71からコンデンサ76に電気エネルギが徐々に蓄積される。このとき、コンデンサ76の一端側の電圧Vdcは、徐々に高くなる。コンデンサ76に電気エネルギが蓄積された状態、かつ、イグナイタ部60のスイッチング素子61がオフ状態で、スイッチング素子73がオン状態になると、コンデンサ76の電気エネルギがスイッチング素子73およびダイオード75を経由して、対応する点火コイル50の一次コイル51に供給(投入)される。このように、エネルギ投入部70は、電源12からの電気エネルギをコンデンサ76に蓄積し、点火コイル50に対し投入可能である。本実施形態では、エネルギ投入部70は、点火プラグ40が放電するときに二次コイル52に流れる二次電流I2の極性と同じ、すなわち、負方向の二次電流I2が重畳されるよう、点火コイル50に対し電気エネルギを投入する。
本実施形態では、上述したイグナイタ部60およびエネルギ投入部70は、点火回路ユニット13の筐体に収容されている(図2参照)。
図2に示すように、制御装置10は、制御部81、電流検出回路91、異常検出部93等を備えている。
制御部81は、本実施形態では、電子制御ユニット(以下、「ECU」という)80の筐体に収容されている。
制御部81は、例えばマイコンであり、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROM、RAM、時間計測手段としてのタイマ、入出力手段としてのI/O等を有している。制御部81は、車両の各部に設けられたセンサからの信号等に基づき、ROMに格納されたプログラムに従い演算を行い、車両の各部の装置および機器の作動を制御することで、車両を統合的に制御可能である。
図1に示すように、本実施形態では、吸気管31のスロットル弁2の近傍にスロットル開度センサ6が設けられている。スロットル開度センサ6は、吸気通路32におけるスロットル弁2の開度を検出し、検出した開度に相関する信号を制御部81に出力する。これにより、制御部81は、スロットル弁2の開度を検出することができる。
また、吸気管31のスロットル弁2に対しエンジン20とは反対側にエアフローメータ7が設けられている。エアフローメータ7は、吸気通路32を流れる吸気の量、すなわち、エンジン20の燃焼室28に供給される吸気の量を検出し、検出した吸気の量に相関する信号を制御部81に出力する。これにより、制御部81は、燃焼室28に供給される吸気の量を検出することができる。
また、吸気管31のスロットル弁2とエンジン20との間のサージタンクに吸気圧センサ8が設けられている。吸気圧センサ8は、吸気通路32を流れる吸気の圧力(吸気圧)を検出し、検出した圧力に相関する信号を制御部81に出力する。これにより、制御部81は、吸気圧を検出することができる。
また、エンジンヘッド22のカムシャフトの近傍にカムポジションセンサ9が設けられている。カムポジションセンサ9は、排気弁26または吸気弁25を開閉駆動するカムシャフトの回転位置を検出し、検出した回転位置に相関する信号を制御部81に出力する。これにより、制御部81は、カムシャフトの回転位置を検出することができる。そのため、制御部81は、カム角度の算出、および、気筒判別等を行うことができる。
また、エンジン20には、クランクシャフト29の近傍にクランクポジションセンサ14が設けられている。クランクポジションセンサ14は、クランクシャフト29の回転位置を検出し、検出した回転位置に相関する信号を制御部81に出力する。これにより、制御部81は、クランクシャフト29の回転位置を検出することができる。そのため、制御部81は、クランク角の算出、および、クランクシャフト29の回転数、すなわち、エンジン20の回転数の算出等を行うことができる。
また、エンジン20には、気筒21に水温センサ15が設けられている。水温センサ15は、気筒21を冷却する冷却水の温度(水温)を検出し、検出した温度に相関する信号を制御部81に出力する。これにより、制御部81は、冷却水の温度を検出することができる。
また、排気管33のエンジン20と三元触媒35との間にA/Fセンサ16が設けられている。A/Fセンサ16は、排気通路34を流れる排気中の酸素濃度と未燃焼ガス濃度とから、エンジン20内の空燃比を検出し、検出した空燃比に相関する信号を制御部81に出力する。これにより、制御部81は、エンジン20内の空燃比を検出することができる。
また、排気管33の三元触媒35に対しエンジン20とは反対側にO2センサ17が設けられている。O2センサ17は、大気中の酸素濃度と排気通路34を流れる排気中の酸素濃度との差で発生する起電力から、エンジン20内の空燃比が理論空燃比(ストイキオメトリ)に対し濃い(リッチ)状態か薄い(リーン)状態かを検出し、検出した状態に対応する信号(リッチ信号またはリーン信号)を制御部81に出力する。これにより、制御部81は、エンジン20内の空燃比が理論空燃比に対し濃い状態か薄い状態かを検出することができる。
また、電源12には、電圧センサ18が設けられている。電圧センサ18は、電源12の電圧を検出し、検出した電圧に相関する信号を制御部81に出力する。これにより、制御部81は、電源12の電圧を検出することができる。
なお、EGR弁装置5は、EGR通路37におけるEGR弁の開度に相関する信号を制御部81に出力する。これにより、制御部81は、EGR弁の開度を検出することができる。
制御部81は、上述した各種センサからの信号等に基づき、点火プラグ40および点火コイル50を含む点火装置11、スロットル弁2のアクチュエータ3、燃料噴射弁4、および、EGR弁装置5等の作動を制御することで、エンジン20の運転を制御することができる。
電流検出回路91は、本実施形態では、点火回路ユニット13の筐体に収容されている(図2参照)。点火回路ユニット13には、抵抗92が設けられている。抵抗92は、一端が点火コイル50のダイオード54のカソード側に接続し、他端が接地されるよう設けられている。電流検出回路91は、ダイオード54と抵抗92との間に接続するよう設けられている。これにより、電流検出回路91は、ダイオード54から接地側に流れる電流、すなわち、二次コイル52を流れる二次電流I2を検出することができる。ここで、電流検出回路91は、特許請求の範囲における「電流検出手段」に対応する。
異常検出部93は、本実施形態では、点火回路ユニット13の筐体に収容されている(図2参照)。異常検出部93には、電流検出回路91により検出した二次電流I2に対応する電流値が入力される。
次に、制御部81による点火装置11の制御、および、燃焼室28の混合気の点火制御について説明する。
制御部81は、一次コイル51から接地側への電流の流れを遮断するようイグナイタ部60を制御することにより二次コイル52に高電圧を生じさせ、点火プラグ40が放電するよう点火プラグ40を制御する。具体的には、制御部81は、点火信号IGtをイグナイタ部60のスイッチング素子61のゲートに出力することにより、点火プラグ40を制御する。ここで、点火信号IGtは、オフ(Lo)またはオン(Hi)を示す信号である。点火信号IGtがオフのとき、スイッチング素子61はオフ状態になり、一次コイル51からスイッチング素子61を経由した接地側への電流(一次電流I1)の流れは遮断される。一方、点火信号IGtがオンのとき、スイッチング素子61はオン状態になり、一次コイル51からスイッチング素子61を経由した接地側への電流の流れは許容される。
点火信号IGtがオンからオフに変化すると、一次コイル51を流れていた一次電流I1の流れが遮断され、二次コイル52に高電圧が生じる。これにより、点火プラグ40は、放電部41の中心電極42と接地電極43との間で放電(点火)する。その結果、燃焼室28の混合気に火がつく(着火する)。
このように、制御部81は、点火信号IGtを生成しイグナイタ部60のスイッチング素子61に出力することにより、点火信号IGtのオンからオフへの立ち下りのタイミングで点火プラグ40が放電するよう点火プラグ40を制御可能である。ここで、制御部81は、特許請求の範囲における「放電制御手段」に対応する。なお、点火信号IGtがオンからオフに立ち下がるタイミングを、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始時(制御期間の始期)とする。
また、制御部81は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始後、点火コイル50に対し電気エネルギを投入するようエネルギ投入部70を制御する。具体的には、制御部81は、エネルギ投入期間信号IGwをドライバ回路78に出力することによりスイッチング素子73を制御することでエネルギ投入部70を制御する。ここで、エネルギ投入期間信号IGwは、オフ(Lo)またはオン(Hi)を示す信号である。エネルギ投入期間信号IGwは、点火信号IGtがオンからオフに立ち下がった後、すなわち、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始後、オフからオンに立ち上がるよう生成される。
ドライバ回路78は、エネルギ投入期間信号IGwがオンの期間、スイッチング信号SWdをスイッチング素子73のゲートに出力する。これにより、スイッチング素子73は、エネルギ投入期間信号IGwがオンの期間、オン状態またはオフ状態になるようスイッチング作動する。
スイッチング素子73がオン状態のとき、コンデンサ76に蓄積されていた電気エネルギがスイッチング素子73およびダイオード75を経由して点火コイル50の一次コイル51の接地側に投入される。ここで、制御部81は、特許請求の範囲における「エネルギ投入制御手段」に対応する。
「エネルギ投入制御手段」によりエネルギ投入部70を制御し、点火コイル50の一次コイル51の接地側に電気エネルギを投入すると、点火コイル50の二次コイル52に誘導電流(二次電流I2)が生じる。この誘導電流は、「放電制御手段」の制御により生じた点火プラグ40の放電状態を維持可能な電気エネルギに対応する。すなわち、「エネルギ投入部70は、点火プラグ40に対し電気エネルギを投入する」と考えることもできる。
なお、本実施形態では、オン状態のスイッチング素子73がオフ状態に変化した後、コンデンサ76からの電気エネルギの投入は遮断されるが、所定期間は、一次コイル51のインダクタンスによりダイオード62を経由して接地側から電流が流れることにより、一次電流I1は遮断されず、二次電流I2も遮断されない。よって、このとき(オン状態のスイッチング素子73がオフ状態に変化した後、所定期間が経過するまで)、点火プラグ40の放電状態を維持可能である。
本実施形態では、「エネルギ投入制御手段」は、電流検出回路91により検出される二次電流I2の値をフィードバックすることにより、所定の電流値である電流狙い値IGaに対応する電流が二次コイル52を流れるよう、例えばスイッチング信号SWdのデューティー比(スイッチング周期に対するオン期間の割合)等を制御することによりエネルギ投入部70を制御する。これにより、エネルギ投入部70が点火コイル50に電気エネルギを投入する期間、二次コイル52には、概ね電流狙い値IGaに対応する二次電流I2が流れる。
なお、制御部81は、「エネルギ投入制御手段」により点火コイル50に電気エネルギを投入するのに先立ち、ドライバ回路77を経由してスイッチング素子72を制御することにより、コンデンサ76に電気エネルギを蓄積する。具体的には、ドライバ回路77は、エネルギ投入期間信号IGwがオンになる前の、例えば点火信号IGtがオンの期間等、スイッチング信号SWcをスイッチング素子72のゲートに出力する。これにより、スイッチング素子72は、例えば点火信号IGtがオンの期間、オン状態またはオフ状態になるようスイッチング作動する。その結果、コンデンサ76に電気エネルギが蓄積される。
本実施形態では、制御部81は、「放電制御手段」により点火プラグ40を制御することのみによって、燃焼室28の混合気の点火を制御する「通常点火制御手段」を有している。「通常点火制御手段」による混合気の点火制御では、エネルギ投入部70による点火コイル50に対する電気エネルギの投入は行われないため、点火プラグ40の放電は比較的短時間で終了する。よって、「通常点火制御手段」による混合気の点火制御は、燃焼室28の混合気に火がつき(着火し)易い状況の場合に適している。
また、制御部81は、「放電制御手段」により点火プラグ40を制御し、かつ、「エネルギ投入制御手段」によりエネルギ投入部70を制御することによって、燃焼室28の混合気の点火を制御する「特定点火制御手段」を有している。「特定点火制御手段」による混合気の点火制御では、エネルギ投入部70による点火コイル50に対する電気エネルギの投入が行われるため、点火プラグ40の放電は比較的長時間持続する。よって、「特定点火制御手段」による混合気の点火制御は、燃焼室28の混合気に火がつき(着火し)難い状況の場合に適している。
制御部81は、例えばエンジン20の運転状態や環境条件等に応じて燃焼室28における混合気の着火し易さを判定し、判定結果に基づき、「通常制御手段」による混合気の点火制御と「特定点火制御手段」による混合気の点火制御とを切り替え可能である。
次に、制御部81および異常検出部93によるイグナイタ部60、点火コイル50またはエネルギ投入部70の異常検出について説明する。
制御部81(異常検出部93)は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始後、第1の所定期間である第1所定期間Tp1が経過したとき、第1の閾値である第1閾値Th1と、このとき電流検出回路91により検出した電流(二次電流I2)に対応する値である第1電流値Id1とに基づき、イグナイタ部60または点火コイル50の異常を検出可能である。具体的には、異常検出部93は、電流検出回路91から入力された第1電流値Id1の絶対値が第1閾値Th1より小さい場合、イグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じていることを示す異常検出信号IGfを制御部81に出力する。この場合、制御部81は、イグナイタ部60または点火コイル50の異常を検出する。
また、制御部81(異常検出部93)は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始後、第1所定期間Tp1より長い第2の所定期間である第2所定期間Tp2が経過したとき、第2の閾値である第2閾値Th2と、このとき電流検出回路91により検出した電流(二次電流I2)に対応する値である第2電流値Id2とに基づき、エネルギ投入部70の異常を検出可能である。具体的には、異常検出部93は、電流検出回路91から入力された第2電流値Id2の絶対値が第2閾値Th2より小さい場合、エネルギ投入部70に異常が生じていることを示す異常検出信号IGfを制御部81に出力する。この場合、制御部81は、エネルギ投入部70の異常を検出する。
ここで、制御部81および異常検出部93は、特許請求の範囲における「異常検出手段」に対応する。
なお、本実施形態では、第2閾値Th2は、第1閾値Th1より大きく、電流狙い値IGaより小さい値に設定されている。
次に、制御部81による燃焼室28の混合気の点火制御について図3〜5に基づき説明する。
制御部81は、図3〜5に示す一連の処理S100を実行することにより、燃焼室28の混合気の点火制御を行う。また、制御部81は、一連の処理S100を実行することにより、燃焼室28の混合気の点火制御を行いつつ、異常検出部93によりイグナイタ部60、点火コイル50またはエネルギ投入部70の異常を検出可能である。一連の処理S100は、例えば車両のイグニッションキーがオンになると開始される。
S101では、制御部81は、点火コイル50の一次コイル51への通電を開始すべきか否かを判断する。一次コイル51への通電を開始すべきと判断した場合(S101:YES)、処理はS102へ移行する。一方、一次コイル51への通電を開始すべきでないと判断した場合(S101:NO)、処理はS101に戻る。すなわち、S101は、一次コイル51への通電を開始すべきと判断するまで繰り返される処理である。
S102では、制御部81は、イグナイタ部60のスイッチング素子61に出力する点火信号IGtをオンにする。これにより、スイッチング素子61がオン状態になり、点火コイル50の一次コイル51への通電(一次電流I1)が開始される。S102の後、処理はS103へ移行する。
S103では、制御部81は、混合気に点火すべきタイミングか否かを判断する。具体的には、制御部81は、例えばクランクポジションセンサ14からの信号に基づき、クランク角を算出し、混合気に点火すべきタイミングを判断する。混合気に点火すべきタイミングであると判断した場合(S103:YES)、処理はS104へ移行する。一方、混合気に点火すべきタイミングでないと判断した場合(S103:NO)、処理はS103に戻る。すなわち、S103は、混合気に点火すべきタイミングであると判断するまで繰り返される処理である。
S104では、制御部81は、点火信号IGtをオフにする。これにより、スイッチング素子61がオフ状態になり、一次コイル51から接地側への電流の流れが遮断される。これにより、二次コイル52に高電圧が生じ、点火プラグ40の放電が開始される。すなわち、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御が開始される。その結果、混合気に火がつき(着火し)、混合気の燃焼が開始される。S104の後、処理はS105へ移行する。
S105では、制御部81は、エネルギ投入部70による点火コイル50に対する電気エネルギの投入が必要か否かを判断する。具体的には、制御部81は、例えばエンジン20の運転状態や環境条件等に応じて燃焼室28における混合気の着火し易さを判定し、判定結果に基づき、点火コイル50に対する電気エネルギの投入の要否を判断する。点火コイル50に対する電気エネルギの投入が必要であると判断した場合(S105:YES)、処理はS106へ移行する。この場合、制御部81は、「特定点火制御手段」による混合気の点火制御を行う。一方、点火コイル50に対する電気エネルギの投入は必要ないと判断した場合(S105:NO)、処理はS120へ移行する。この場合、制御部81は、「通常点火制御手段」による混合気の点火制御を行う。
S106では、制御部81は、点火コイル50に対する電気エネルギの投入期間、すなわち、エネルギ投入期間を設定する。具体的には、制御部81は、例えばエンジン20の運転状態や環境条件等に基づき、エネルギ投入期間信号IGwのオンの期間(オン状態の幅)を設定する。S106の後、処理はS107へ移行する。
S107では、制御部81(異常検出部93)は、第1閾値Th1および第2閾値Th2を設定する。ここで、制御部81は、第2閾値Th2を、第1閾値Th1より大きい値に設定する。S107の後、処理はS108へ移行する。
S108では、制御部81(異常検出部93)は、第1所定期間Tp1および第2所定期間Tp2を設定する。ここで、制御部81は、第2所定期間Tp2を、第1所定期間Tp1より長い期間に設定する。S108の後、処理はS109へ移行する。
S109では、制御部81は、エネルギ投入期間信号IGwをオンにする。これにより、スイッチング素子73がスイッチング作動し、エネルギ投入部70から点火コイル50に対する電気エネルギの投入が開始される。すなわち、「エネルギ投入制御手段」によるエネルギ投入部70の制御が開始される。これにより、以降、「放電制御手段」の制御により生じた点火プラグ40の放電状態が維持される。S109の後、処理はS110へ移行する。
S110では、制御部81(異常検出部93)は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御を開始してから、すなわち、S104を実行してから第1所定時間Tp1が経過したか否かを判断する。第1所定時間Tp1が経過したと判断した場合(S110:YES)、処理はS111へ移行する。一方、第1所定時間Tp1は経過していないと判断した場合(S110:NO)、処理はS110に戻る。すなわち、S110は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御を開始してから第1所定時間Tp1が経過したと判断するまで繰り返される処理(ディレイ処理)である。
S111では、異常検出部93は、このとき電流検出回路91により検出した電流(二次電流I2)に対応する値、すなわち、第1電流値Id1の絶対値が第1閾値Th1の絶対値以上か否かを判断する。第1電流値Id1の絶対値は第1閾値Th1の絶対値以上であると判断した場合(S111:YES)、処理はS112へ移行する。一方、第1電流値Id1の絶対値は第1閾値Th1の絶対値より小さいと判断した場合(S111:NO)、異常検出部93はイグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じていることを示す異常検出信号IGfを制御部81に出力し、処理はS118へ移行する。
S112では、制御部81(異常検出部93)は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御を開始してから、すなわち、S104を実行してから第2所定時間Tp2が経過したか否かを判断する。第2所定時間Tp2が経過したと判断した場合(S112:YES)、処理はS113へ移行する。一方、第2所定時間Tp2は経過していないと判断した場合(S112:NO)、処理はS112に戻る。すなわち、S112は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御を開始してから第2所定時間Tp2が経過したと判断するまで繰り返される処理(ディレイ処理)である。
S113では、異常検出部93は、このとき電流検出回路91により検出した電流(二次電流I2)に対応する値、すなわち、第2電流値Id2の絶対値が第2閾値Th2の絶対値以上か否かを判断する。第2電流値Id2の絶対値は第2閾値Th2の絶対値以上であると判断した場合(S113:YES)、処理はS114へ移行する。一方、第2電流値Id2の絶対値は第2閾値Th2の絶対値より小さいと判断した場合(S113:NO)、異常検出部93はエネルギ投入部70に異常が生じていることを示す異常検出信号IGfを制御部81に出力し、処理はS117へ移行する。
S114では、制御部81は、「イグナイタ部60、点火コイル50およびエネルギ投入部70はいずれも正常である」と判定する。S114の後、処理はS115へ移行する。
S115では、制御部81は、「エネルギ投入制御手段」によるエネルギ投入部70の制御を開始してから、すなわち、S109でエネルギ投入期間信号IGwをオンにしてから、S106で設定したエネルギ投入期間が経過したか否かを判断する。エネルギ投入期間が経過したと判断した場合(S115:YES)、処理はS116へ移行する。一方、エネルギ投入期間は経過していないと判断した場合(S115:NO)、処理はS115に戻る。すなわち、S115は、「エネルギ投入制御手段」によるエネルギ投入部70の制御を開始してからエネルギ投入期間が経過したと判断するまで繰り返される処理(ディレイ処理)である。
S117では、制御部81は、「エネルギ投入部70に異常が生じている」と判定、すなわち、エネルギ投入部70の異常を検出する。S117の後、処理はS116へ移行する。
S118では、制御部81は、「イグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じている」と判定、すなわち、イグナイタ部60または点火コイル50の異常を検出する。S118の後、処理はS116へ移行する。
S115、S117、S118の後に実行されるS116では、制御部81は、エネルギ投入期間信号IGwをオフにする。これにより、スイッチング素子73のスイッチング作動が停止し、エネルギ投入部70から点火コイル50に対する電気エネルギの投入が停止する。すなわち、「エネルギ投入制御手段」によるエネルギ投入部70の制御が停止する。S116の後、処理は一連のS100を抜ける。
S120では、制御部81(異常検出部93)は、第1閾値Th1を設定する。S120の後、処理はS121へ移行する。
S121では、制御部81(異常検出部93)は、第1所定期間Tp1を設定する。S121の後、処理はS122へ移行する。
S122では、制御部81(異常検出部93)は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御を開始してから、すなわち、S104を実行してから第1所定時間Tp1が経過したか否かを判断する。第1所定時間Tp1が経過したと判断した場合(S122:YES)、処理はS123へ移行する。一方、第1所定時間Tp1は経過していないと判断した場合(S122:NO)、処理はS122に戻る。すなわち、S122は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御を開始してから第1所定時間Tp1が経過したと判断するまで繰り返される処理(ディレイ処理)である。
S123では、異常検出部93は、このとき電流検出回路91により検出した電流(二次電流I2)に対応する値、すなわち、第1電流値Id1の絶対値が第1閾値Th1の絶対値以上か否かを判断する。第1電流値Id1の絶対値は第1閾値Th1の絶対値以上であると判断した場合(S123:YES)、処理はS124へ移行する。一方、第1電流値Id1の絶対値は第1閾値Th1の絶対値より小さいと判断した場合(S123:NO)、異常検出部93はイグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じていることを示す異常検出信号IGfを制御部81に出力し、処理はS125へ移行する。
S124では、制御部81は、「イグナイタ部60および点火コイル50は正常である」と判定する。S124の後、処理は一連の処理S100を抜ける。
S125では、制御部81は、「イグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じている」と判定、すなわち、イグナイタ部60または点火コイル50の異常を検出する。S125の後、処理は一連の処理S100を抜ける。
S116、S124またはS125の後、一連の処理S100を抜けたとき、イグニッションキーがオンの場合、一連の処理S100が再び開始される。すなわち、一連の処理S100は、イグニッションキーがオンの間、繰り返し実行される処理である。
上述のように、S105で点火コイル50に対する電気エネルギの投入が必要であると判断された場合(S105:YES)、「特定点火制御手段」による混合気の点火制御が行われる。一方、S105で点火コイル50に対する電気エネルギの投入は必要ないと判断された場合(S105:NO)、「通常点火制御手段」による混合気の点火制御が行われる。
また、制御部81(異常検出部93)は、「特定点火制御手段」による混合気の点火制御が行われるときは、イグナイタ部60または点火コイル50の異常、または、エネルギ投入部70の異常を区別して検出することができる。一方、制御部81(異常検出部93)は、「通常点火制御手段」による混合気の点火制御が行われるときは、イグナイタ部60または点火コイル50の異常を検出することができる。
次に、制御装置10、および、制御装置10により制御される点火装置11の作動例を図6〜8に基づき説明する。
図6に1つめの作動例(第1作動例)を示す。第1作動例は、イグナイタ部60、点火コイル50およびエネルギ投入部70がいずれも正常である場合の作動例である。
時刻t11で制御部81が点火コイル50の一次コイル51への通電を開始すべきと判断すると(S101:YES)、点火信号IGtがオンになる(S102)。これにより、一次コイル51への通電(一次電流I1)が開始される。また、本実施形態では、エネルギ投入部70のドライバ回路77は、点火信号IGtがオンの期間(時刻t11〜12)、オンまたはオフに変化するスイッチング信号SWcをスイッチング素子72に出力する。そのため、スイッチング素子72は、点火信号IGtがオンの期間、オン状態またはオフ状態になるようスイッチング作動する。これにより、コンデンサ76に電気エネルギが蓄積される。
時刻t12で制御部81が混合気に点火すべきタイミングであると判断すると(S103:YES)、点火信号IGtがオフになる(S104)。これにより、二次コイル52には負の電圧である二次電圧V2が生じ、二次電圧V2の絶対値が所定値以上になり、点火プラグ40は、放電部41の中心電極42と接地電極43との間で放電する。これにより、燃焼室28の混合気に火がつく(着火する)。このとき、二次コイル52には負方向の二次電流I2が流れ、二次電流I2の絶対値は、所定値以上になる。なお、時刻t12で点火プラグ40が放電すると、これに伴い、二次電圧V2の絶対値は、速やかに所定値以下になる。点火プラグ40の放電に伴い、時刻t12から時刻t13まで、二次電流I2の絶対値は、徐々に小さくなる。
時刻t13で制御部81がエネルギ投入期間信号IGwをオンにすると(S109)、エネルギ投入部70のドライバ回路78は、オンまたはオフに変化するスイッチング信号SWdをスイッチング素子73に出力する。これにより、エネルギ投入部70から点火コイル50に対する電気エネルギの投入が開始される。スイッチング素子73は、エネルギ投入期間信号IGwがオンの期間(時刻t13〜16)、オン状態またはオフ状態になるようスイッチング作動する。そのため、時刻t13〜16の期間、エネルギ投入部70から点火コイル50に対し電気エネルギが投入される。これにより、点火プラグ40が放電するときに二次コイル52に流れる二次電流I2の極性と同じ、すなわち、負方向の二次電流I2が重畳される。その結果、時刻t12で生じた点火プラグ40の放電状態が維持される。
本実施形態では、「エネルギ投入制御手段」が、電流検出回路91により検出される二次電流I2の値をフィードバックすることにより、電流狙い値IGaに対応する電流が二次コイル52を流れるようエネルギ投入部70を制御するため、図6に示すように、エネルギ投入期間信号IGwがオンの期間(時刻t13〜16)、二次コイル52には、概ね電流狙い値IGaに対応する二次電流I2(平均値がIGa)が流れる。
「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始時である時刻t12から第1所定期間Tp1が経過したとき(時刻t14)、制御部81および異常検出部93は、第1閾値Th1と、このとき電流検出回路91により検出した二次電流I2に対応する第1電流値Id1とに基づき、イグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じているか否かを判定する。図6に示す第1作動例では、第1電流値Id1の絶対値は第1閾値Th1の絶対値以上のため、「イグナイタ部60または点火コイル50に異常は生じていない」、すなわち、「イグナイタ部60および点火コイル50は正常である」と判定する。
「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始時である時刻t12から第2所定期間Tp2が経過したとき(時刻t15)、制御部81および異常検出部93は、第2閾値Th2と、このとき電流検出回路91により検出した二次電流I2に対応する第2電流値Id2とに基づき、エネルギ投入部70に異常が生じているか否かを判定する。図6に示す第1作動例では、第2電流値Id2の絶対値は第2閾値Th2の絶対値以上のため、「エネルギ投入部70に異常は生じていない」、すなわち、「エネルギ投入部70は正常である」と判定する。
時刻t16で制御部81がエネルギ投入期間信号IGwをオフにすると(S116)、スイッチング素子73のスイッチング作動が停止し、エネルギ投入部70から点火コイル50に対する電気エネルギの投入が停止する。これにより、時刻t17で点火プラグ40の放電が停止し、二次電流I2および二次電圧V2が0になる。
図7に2つめの作動例(第2作動例)を示す。第2作動例は、エネルギ投入部70のみに異常が生じている場合の作動例である。
時刻t21〜23までは、第1作動例の時刻t11〜13と同様のため、説明を省略する。
時刻t23で制御部81がエネルギ投入期間信号IGwをオンにすると(S109)、エネルギ投入部70のドライバ回路78は、オンまたはオフに変化するスイッチング信号SWdをスイッチング素子73に出力する。しかしながら、第2作動例では、エネルギ投入部70に異常が生じているため、エネルギ投入部70から点火コイル50に対する電気エネルギの投入は開始されない。スイッチング素子73は、エネルギ投入期間信号IGwがオンの期間(時刻t23〜26)、二次電流I2が電流狙い値IGaに到達しないためにオン状態のままになるものの、時刻t23〜26の期間、エネルギ投入部70から点火コイル50に対し電気エネルギは投入されない。そのため、時刻t23以降、二次電流I2の絶対値は徐々に小さくなり、時刻t25で点火プラグ40の放電が停止し、二次電流I2が0になる。
「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始時である時刻t22から第1所定期間Tp1が経過したとき(時刻t24)、制御部81および異常検出部93は、第1閾値Th1と、このとき電流検出回路91により検出した二次電流I2に対応する第1電流値Id1とに基づき、イグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じているか否かを判定する。図7に示す第2作動例では、第1電流値Id1の絶対値は第1閾値Th1の絶対値以上のため、「イグナイタ部60または点火コイル50に異常は生じていない」、すなわち、「イグナイタ部60および点火コイル50は正常である」と判定する。
「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始時である時刻t22から第2所定期間Tp2が経過したとき(時刻t26)、制御部81および異常検出部93は、第2閾値Th2と、このとき電流検出回路91により検出した二次電流I2に対応する第2電流値Id2とに基づき、エネルギ投入部70に異常が生じているか否かを判定する。図7に示す第2作動例では、第2電流値Id2の絶対値は第2閾値Th2の絶対値より小さい(0である)ため(S113:NO)、異常検出部93はエネルギ投入部70に異常が生じていることを示す異常検出信号IGfを制御部81に出力する。これにより、制御部81は、「エネルギ投入部70に異常が生じている」と判定、すなわち、エネルギ投入部70の異常を検出する(S117)。
制御部81は、時刻t26でエネルギ投入部70の異常を検出すると、エネルギ投入期間信号IGwをオフにする。これにより、ドライバ回路78からスイッチング素子73へのスイッチング信号SWdの出力が停止する。
本実施形態では、制御部81は、第2作動例のようにイグナイタ部60または点火コイル50の異常は検出せず、エネルギ投入部70の異常のみを検出したとき、燃焼室28における空燃比が通常点火で着火できる所定値以下になるよう、すなわち、ストイキまたはリッチになるようスロットル弁2および燃料噴射弁4を制御する。そのため、燃焼室28の混合気は火がつき(着火し)易い状態になり、エネルギ投入部70による点火コイル50への電気エネルギの投入が不可であっても、「放電制御手段」により混合気の点火を継続して行うことができる。これにより、車両の退避走行が可能である。また、制御部81は、異常検出部93から「エネルギ投入部70に異常が生じていること」を示す異常検出信号IGfを受信したとき、例えば、当該異常に関しダイアグ情報として記憶するとともに、車両の運転席の表示部に報知灯を点灯させたり報知音を発生させたりすることで「点火装置11のエネルギ投入部70に異常が生じていること」を運転者に報知可能である。
図8に3つめの作動例(第3作動例)を示す。第2作動例は、イグナイタ部60または点火コイル50、および、エネルギ投入部70に異常が生じている場合の作動例である。
時刻t31〜32までは、第1作動例の時刻t11〜12と同様のため、説明を省略する。
時刻t32で制御部81が混合気に点火すべきタイミングであると判断すると(S103:YES)、点火信号IGtがオフになる(S104)。しかしながら、第3作動例では、イグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じているため、時刻t32以降、二次電圧V2の絶対値は、0のままである。そのため、点火プラグ40は放電しない。そのため、燃焼室28の混合気に火がつかない(着火しない)。また、二次電流I2の絶対値も0のままである。
時刻t33で制御部81がエネルギ投入期間信号IGwをオンにすると(S109)、エネルギ投入部70のドライバ回路78は、オンまたはオフに変化するスイッチング信号SWdをスイッチング素子73に出力する。しかしながら、第3作動例では、エネルギ投入部70にも異常が生じているため、エネルギ投入部70から点火コイル50に対する電気エネルギの投入は開始されない。よって、時刻t33以降、二次電圧V2の絶対値、および、二次電流I2の絶対値は、0のままである。
「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始時である時刻t32から第1所定期間Tp1が経過したとき(時刻t34)、制御部81および異常検出部93は、第1閾値Th1と、このとき電流検出回路91により検出した二次電流I2に対応する第1電流値Id1とに基づき、イグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じているか否かを判定する。図8に示す第3作動例では、第1電流値Id1の絶対値は第1閾値Th1の絶対値より小さい(0である)ため(S123:NO)、異常検出部93はイグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じていることを示す異常検出信号IGfを制御部81に出力する。これにより、制御部81は、「イグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じている」と判定、すなわち、イグナイタ部60または点火コイル50の異常を検出する(S125)。
「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始時である時刻t32から第2所定期間Tp2が経過したとき(時刻t35)、制御部81および異常検出部93は、第2閾値Th2と、このとき電流検出回路91により検出した二次電流I2に対応する第2電流値Id2とに基づき、エネルギ投入部70に異常が生じているか否かを判定する。図8に示す第3作動例では、第2電流値Id2の絶対値は第2閾値Th2の絶対値より小さい(0である)ため(S113:NO)、異常検出部93はエネルギ投入部70に異常が生じていることを示す異常検出信号IGfを制御部81に出力する。これにより、制御部81は、「エネルギ投入部70に異常が生じている」と判定、すなわち、エネルギ投入部70の異常を検出する(S117)。
制御部81は、時刻t35でエネルギ投入部70の異常を検出すると、エネルギ投入期間信号IGwをオフにする。これにより、ドライバ回路78からスイッチング素子73へのスイッチング信号SWdの出力が停止する。
本実施形態では、制御部81は、第3作動例のようにイグナイタ部60または点火コイル50の異常を検出したとき、異常を検出したイグナイタ部60または点火コイル50が対応する燃焼室28への燃料の供給を遮断するよう燃料噴射弁4を制御する。これにより、エンジン20の運転に使用する気筒21の数を低減(減筒)しつつ、車両の退避走行が可能である。また、制御部81は、異常検出部93から「イグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じていること」を示す異常検出信号IGfを受信したとき、例えば、当該異常に関しダイアグ情報として記憶するとともに、車両の運転席の表示部に報知灯を点灯させたり報知音を発生させたりすることで「点火装置11のイグナイタ部60または点火コイル50に異常が生じていること」を運転者に報知可能である。
以上説明したように、(1)本実施形態では、制御部81は、「放電制御手段」および「エネルギ投入制御手段」を有し、燃焼室28の混合気の点火を制御可能である。
「放電制御手段」は、一次コイル51から接地側への電流の流れを遮断するようイグナイタ部60を制御することにより二次コイル52に高電圧を生じさせ、点火プラグ40が放電するよう点火プラグ40を制御する。これにより、点火プラグ40が放電し、混合気に点火することができる。
「エネルギ投入制御手段」は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始後、点火コイル50に対し電気エネルギを投入するようエネルギ投入部70を制御する。これにより、「放電制御手段」の制御により生じた点火プラグ40の放電状態を維持することができる。そのため、混合気の着火性を向上することができる。
電流検出回路91は、二次コイル52を流れる電流を検出可能である。
制御部81および異常検出部93(「異常検出手段」)は、電流検出回路91により検出した電流に対応する値である電流値に基づき、点火装置11の異常を検出可能である。
本実施形態では、制御部81および異常検出部93は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始後、第1の所定期間である第1所定期間Tp1が経過したとき、第1の閾値である第1閾値Th1と、このとき電流検出回路91により検出した電流(二次電流I2)に対応する値である第1電流値Id1とに基づき、イグナイタ部60または点火コイル50の異常を検出可能である。
このように、本実施形態では、制御部81および異常検出部93により、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始後に検出した電流値(第1電流値Id1)と閾値(第1閾値Th1)とに基づき、イグナイタ部60または点火コイル50の異常を検出することができる。これにより、簡単な構成で、点火装置11の異常を検出できる。
また、(2)本実施形態では、制御部81および異常検出部93は、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始後、第1所定期間Tp1より長い第2の所定期間である第2所定期間Tp2が経過したとき、第2の閾値である第2閾値Th2と、このとき電流検出回路91により検出した電流(二次電流I2)に対応する値である第2電流値Id2とに基づき、エネルギ投入部70の異常を検出可能である。この構成では、制御部81および異常検出部93により、「放電制御手段」による点火プラグ40の制御開始後に時間差で検出した電流値(第1電流値Id1、第2電流値Id2)と2つの閾値(第1閾値Th1、第2閾値Th2)とに基づき、イグナイタ部60または点火コイル40の異常、または、エネルギ投入部70の異常を区別して検出することができる。これにより、簡単な構成で、点火装置11を構成する各部(イグナイタ部60、点火コイル40またはエネルギ投入部70)の異常を区別して検出できる。したがって、異常を検出した部位に応じて、エンジン20の運転を切り替えることができる。
また、(3)本実施形態では、エネルギ投入部70は、一次コイル51の接地側から点火コイル50に対し電気エネルギを投入する。本実施形態は、点火装置11(エネルギ投入部70)の構成の一例を示すものである。本実施形態では、点火装置11は、1つの点火プラグ40に対し点火コイル50を1つ備えている。エネルギ投入部70が、一次コイル51の接地側から点火コイル50に対し電気エネルギを継続的に投入することにより、点火プラグ40で生じた放電状態を所定期間(エネルギ投入期間)、維持することができる。
また、(7)本実施形態では、「エネルギ投入制御手段」は、所定の電流値である電流狙い値IGaに対応する電流が二次コイル52を流れるようエネルギ投入部70を制御する。これにより、エネルギ投入部70が点火コイル50に電気エネルギを投入する期間、二次コイル52には、概ね電流狙い値IGaに対応する二次電流I2が流れる。その結果、点火プラグ40で生じた放電状態を所定期間(エネルギ投入期間)、安定して維持することができる。
また、(10)本実施形態では、制御部81は、スロットル弁2および燃料噴射弁4を制御可能である。ここで、スロットル弁2は、燃焼室28に供給する吸気の量を変更可能である。燃料噴射弁4は、燃焼室28に供給する燃料の量を変更可能である。
制御部81は、異常検出部93によりエネルギ投入部70の異常のみを検出したとき、燃焼室28における空燃比が所定値以下になるようスロットル弁2および燃料噴射弁4を制御する。そのため、燃焼室28の混合気は火がつき(着火し)易い状態になり、エネルギ投入部70による点火コイル50への電気エネルギの投入が不可であっても、「放電制御手段」(「通常点火制御手段」)により混合気の点火を継続して行うことができる。これにより、車両の退避走行が可能である。
また、制御部81は、異常検出部93によりイグナイタ部60または点火コイル50の異常を検出したとき、燃焼室28への燃料の供給を遮断するよう燃料噴射弁4を制御する。これにより、エンジン20の運転に使用する気筒21の数を低減(減筒)しつつ、車両の退避走行が可能である。
このように、点火装置11の異常を検出した部位(イグナイタ部60または点火コイル50、および、エネルギ投入部70)に応じて、エンジン20の運転を切り替え、燃費、エミッションおよびドライバビリティの悪化を最小限に抑えつつ、車両を退避走行させることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による点火装置11について、図9に基づき説明する。第2実施形態は、電流狙い値および第2閾値の設定の仕方等が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、制御部81は、例えば、エンジン20の回転数、吸気圧、燃料噴射弁4からの燃料の噴射量、および、空燃比等に基づきエンジン20の運転状態を判定し、判定した運転状態に応じて電流狙い値IGaを変更する。具体的には、制御部81は、例えば、エンジン20の運転状態に関し、燃焼室28において点火プラグ40の放電状態を維持し易い状態であると判定した場合、電流狙い値IGaが所定値以下になるよう変更する。一方、燃焼室28において点火プラグ40の放電状態を維持し難い状態であると判定した場合、電流狙い値IGaが所定値以上になるよう変更する。これにより、エネルギ投入部70が点火コイル50に電気エネルギを投入するときに二次コイル52に流れる二次電流I2の値が、エンジン20の運転状態に応じて変化する。
また、異常検出部93は、制御部81により変更された電流狙い値IGaに基づき、第2閾値Th2を変更する。具体的には、異常検出部93は、例えば、電流狙い値IGaが小さく変更された場合、それに応じて第2閾値Th2を小さく変更する。一方、電流狙い値IGaが大きく変更された場合、それに応じて第2閾値Th2を大きく変更する。なお、異常検出部93により変更される第2閾値Th2は、第1閾値Th1より大きく、電流狙い値IGaより小さい値をとり得る。
図9(A)に示すように、制御部81がエンジン20の運転状態に関し、燃焼室28において点火プラグ40の放電状態を維持し易い状態でもなく、維持し難い状態でもないと判定した場合、電流狙い値IGaおよび第2閾値Th2は、それぞれ、所定値のままである。
一方、図9(B)に示すように、制御部81がエンジン20の運転状態に関し、燃焼室28において点火プラグ40の放電状態を維持し難い状態であると判定した場合、電流狙い値IGaおよび第2閾値Th2は、それぞれの絶対値が大きくなる方向に変更される。
以上説明したように、(8)本実施形態では、制御部81は、エンジン20の運転状態に応じて電流狙い値IGaを変更する。制御部81は、例えば、エンジン20の運転状態に関し、燃焼室28において点火プラグ40の放電状態を維持し易い状態であると判定した場合、電流狙い値IGaが所定値以下になるよう変更し、燃焼室28において点火プラグ40の放電状態を維持し難い状態であると判定した場合、電流狙い値IGaが所定値以上になるよう変更する。これにより、エネルギ投入部70が点火コイル50に電気エネルギを投入するときに二次コイル52に流れる二次電流I2の値が、エンジン20の運転状態に応じて変化する。その結果、エンジン20の運転状態に関し、燃焼室28において点火プラグ40の放電状態を維持し易い状態のときには点火コイル50に対し投入する電気エネルギを低減することで省エネルギ化を図り、燃焼室28において点火プラグ40の放電状態を維持し難い状態のときには点火コイル50に対し投入する電気エネルギを増大させることで点火プラグ40を確実に放電させることができる。
また、(9)本実施形態では、異常検出部93は、制御部81により変更された電流狙い値IGaに基づき、第2閾値Th2を変更する。異常検出部93は、例えば、電流狙い値IGaが小さく変更された場合、それに応じて第2閾値Th2を小さく変更し、電流狙い値IGaが大きく変更された場合、それに応じて第2閾値Th2を大きく変更する。これにより、変更される電流狙い値IGaに応じてエネルギ投入部70の異常を検出することができる。よって、電流狙い値IGaが変更される場合であっても、エネルギ投入部70の異常を高精度に検出することができる。
(他の実施形態)
(4)本発明の他の実施形態では、制御部81(異常検出部93)は、例えば、エンジン20の負荷と回転数とのマップに基づき、第1閾値Th1および第2閾値Th2を設定することとしてもよい。この場合、エンジン20の負荷と回転数とに基づき、点火装置11の各部の異常を高精度に検出することができる。
また、(5)本発明の他の実施形態では、異常検出部93は、第1電流値Id1の絶対値が第1閾値Th1の絶対値より小さい状態が所定期間継続した場合、イグナイタ部60または点火コイル50の異常を検出することとしてもよい。この場合、イグナイタ部60または点火コイル50の異常をより高精度に検出することができる。
また、(6)本発明の他の実施形態では、異常検出部93は、第2電流値Id2の絶対値が第2閾値Th2の絶対値より小さい状態が所定期間継続した場合、エネルギ投入部70の異常を検出することとしてもよい。この場合、エネルギ投入部70の異常をより高精度に検出することができる。
また、上述の実施形態では、異常検出手段が、第1電流値と第1閾値とに基づきイグナイタ部または点火コイルの異常を検出し、第2電流値と第2閾値とに基づきエネルギ投入部の異常を検出する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、異常検出手段は、エネルギ投入部の異常は検出せず、第1電流値と第1閾値とに基づきイグナイタ部または点火コイルの異常のみを検出することとしてもよい。
また、上述の実施形態では、1つの点火プラグに対し点火コイルを1つ備え、エネルギ投入部が一次コイルの接地側から点火コイルに対し電気エネルギを投入する点火装置に制御装置を適用する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、例えば1つの点火プラグに対し点火コイルを複数備え、点火プラグの放電制御後にエネルギ投入部から複数の点火コイルに対し電気エネルギを継続的に投入することにより点火プラグの放電状態を維持可能な点火装置に制御装置を適用することもできる。
また、エネルギ投入部は、点火状態を継続可能(点火プラグの放電状態を維持可能)な電気エネルギを投入可能であれば、どのようなものであってもよく、従来の多重放電方式や、例えば特開2012−167665号公報に開示された「DCO方式」のようなものであってもよい。例えば、DCO方式を採用する場合、2つの点火コイルのうちの主放電を開始する方を「通常コイル」とみなし、主放電後の放電状態を維持可能な点火コイルに対し電気エネルギを投入する部位を「エネルギ投入部」とみなせばよい。
また、上述の実施形態では、「エネルギ投入制御手段」が、二次電流I2の値をフィードバックすることにより、所定の電流値である電流狙い値IGaに対応する電流が二次コイル52を流れるようエネルギ投入部70を制御する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、「エネルギ投入制御手段」は、二次電流I2の値をフィードバックせず、電流狙い値IGaに対応する電流が二次コイル52を流れるようエネルギ投入部70を制御しなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、制御部は、イグナイタ部、点火コイルまたはエネルギ投入部の異常を検出したとき、スロットル弁または燃料噴射弁を制御することなく、検出した異常を報知するのみでもよい。
また、本発明の他の実施形態では、エネルギ投入部70は、コンデンサ76を備えない構成であってもよい。コンデンサ76を備えない構成であっても、スイッチング素子72、73を適宜スイッチング作動させることにより、点火コイルに対し電気エネルギを投入することができる。
また、本発明の他の実施形態では、エネルギ投入部は、例えば、電源12とは別の高圧の電源からの電気エネルギを点火コイルに対し投入可能な部位であってもよい。この場合、上述の実施形態と比べ、エネルギ投入部を構成する部材の点数を削減することができる。
また、本発明の他の実施形態では、イグナイタ部60のスイッチング素子61は、IGBTに限らず、例えばMOSFETやトランジスタ等、他の半導体スイッチング素子により構成してもよい。また、MOSFETは一般に寄生ダイオードを有するため、スイッチング素子61をMOSFETにより構成する場合、ダイオード62を省略することができる。
また、本発明の他の実施形態では、エネルギ投入部70のスイッチング素子72、73は、MOSFETに限らず、例えばIGBTやトランジスタ等、他の半導体スイッチング素子により構成してもよい。
また、上述の実施形態では、イグナイタ部60を点火回路ユニット13の筐体に収容する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、イグナイタ部60を、点火回路ユニット13の筐体に収容せず、点火コイル50の近傍に設けることとしてもよい。
また、上述の実施形態では、電流検出回路91および異常検出部93を、点火回路ユニット13の筐体に収容する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、電流検出回路91または異常検出部93の少なくとも一方を、ECU80の筐体に収容することとしてもよい。また、ECU80の制御部81は、電流検出回路91または異常検出部93の少なくとも一方を含むこととしてもよい。
また、本発明の制御装置は、排気再循環(EGR)システムを備えないエンジンシステムの点火装置に適用することもできる。
また、上述の実施形態では、点火プラグの放電時、点火コイルの二次コイルに負方向の二次電流が流れる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、点火プラグの放電時、点火コイルの二次コイルに正方向の二次電流が流れる構成であってもよい。
また、上述の実施形態では、エネルギ投入部が、負方向の二次電流が重畳されるよう点火コイルに対し電気エネルギを投入する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、エネルギ投入部は、正方向の二次電流が重畳されるよう点火コイルに対し電気エネルギを投入する構成であってもよい。
また、本発明の制御装置は、4気筒の内燃機関に限らず、気筒数が4以外の内燃機関の点火装置に適用することもできる。
また、本発明の制御装置は、予混合燃焼式の内燃機関に限らず、直噴式の内燃機関の点火装置に適用することもできる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。