JP2015209497A - 射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

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邦生 山本
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四十四 菅野
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武志 塚原
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武 中島
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Abstract

【課題】射出成形時の黒点発生を防止でき、また、リサイクル性に優れた射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物は、ブロックポリプロピレン(A)と、フェノールリン系酸化防止剤(B)と、フェノール系酸化防止剤(C)及びリン系酸化防止剤(D)の少なくとも一方とを含有し、フェノールリン系酸化防止剤(B)の含有割合が、ブロックポリプロピレン(A)100質量部に対して、0.05〜0.5質量部であり、フェノールリン系酸化防止剤(B)とフェノール系酸化防止剤(C)とリン系酸化防止剤(D)の合計の含有割合が、ブロックポリプロピレン(A)100質量部に対して、0.12〜1.5質量部である。
【選択図】なし

Description

本発明は、射出成形用のポリプロピレン樹脂組成物及び成形品に関する。
ポリプロピレンを主成分としたポリプロピレン樹脂組成物は、安価である上に機械的物性に優れることから、様々な用途に使用され、例えば、食品用の容器などにも使用されている。食品用の容器等の成形品は射出成形によって製造されるが、成形品を軽量化するためには薄肉化することが求められる。
特許文献1には、射出成形の際の薄肉成形性を向上させる方法として、特定のブロックポリプロピレンと透明化核剤とを含むポリプロピレン樹脂組成物を用いることが提案されている。
特開2012−107136号公報
しかし、特許文献1に記載のポリプロピレン樹脂組成物を射出成形して得た成形品には、黒点が発生して外観不良を生じることがあった。特に、成形品が薄肉で、高温で成形する場合には、黒点の発生が顕著になる傾向にあった。
また、近年では、プラスチックをリサイクルする動きが広がっており、ポリプロピレンについても例外ではない。しかし、特許文献1に記載のポリプロピレン樹脂組成物を射出成形して得た成形品を、粉砕、再成形することによりリサイクルしてみると、再成形時の流動性が高すぎて、リサイクル性が低かった。
本発明は、射出成形時の黒点発生を防止でき、また、リサイクル性に優れた射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物を提供することを目的とする。また、黒点の発生が防止され、リサイクル性に優れた成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、ブロックポリプロピレンは射出成形時に焼けが生じやすく、その焼けが原因で黒点が発生すると推察した。そして、射出成形時のブロックポリプロピレンの焼けの防止を図るために酸化防止剤の処方について検討して、以下の射出成形用ブロックポリプロピレン樹脂組成物を発明した。
本発明の射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物は、ブロックポリプロピレン(A)と、フェノールリン系酸化防止剤(B)と、フェノール系酸化防止剤(C)及びリン系酸化防止剤(D)の少なくとも一方とを含有し、
ブロックポリプロピレン(A)は、ホモポリプロピレン又はプロピレンランダム共重合体とエチレン・αオレフィン共重合体とを含み、JIS K7210に従い、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定したメルトフローレートが5.0〜200g/10分、キシレン可溶分の、135℃のテトラヒドロナフタレン中での極限粘度が0.5〜5.0dl/g、エチレン・αオレフィン共重合体の含有割合が15〜45質量%であり、
前記フェノールリン系酸化防止剤(B)は、下記一般式(I)で表されるフェノールリン系酸化防止剤であり、
前記フェノール系酸化防止剤(C)は、前記フェノールリン系酸化防止剤(B)以外で且つジブチルヒドロキシフェニル基を有するフェノール系酸化防止剤であり、
前記リン系酸化防止剤(D)は、前記フェノールリン系酸化防止剤(B)以外のリン系酸化防止剤であり、
フェノールリン系酸化防止剤(B)の含有割合が、ブロックポリプロピレン(A)100質量部に対して、0.05〜0.5質量部であり、
フェノールリン系酸化防止剤(B)とフェノール系酸化防止剤(C)とリン系酸化防止剤(D)との合計の含有割合が、ブロックポリプロピレン(A)100質量部に対して、0.12〜1.5質量部である。
(式(I)におけるR,R,R及びRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜8のいずれかのアルキル基、炭素原子数5〜8のいずれかのシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のいずれかのアルキルシクロアルキル基、炭素原子数7〜12のいずれかのアラルキル基又はフェニル基である。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜8のいずれかのアルキル基である。Xは、硫黄原子もしくは−CHR−基(Rは水素原子、炭素数1〜8のいずれかのアルキル基、又は炭素数5〜8のいずれかのシクロアルキル基である。)である。nは0又は1である。Aは、炭素数2〜8のいずれかのアルキレン基である。Y,Zは、一方がヒドロキシ基、炭素原子数1〜8のいずれかのアルコキシ基又は炭素原子数7〜12のいずれかのアラルキルオキシ基であり、他方が水素原子又は炭素原子数1〜8のいずれかのアルキル基である。)
本発明の射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物においては、前記ブロックポリプロピレン(A)のメルトフローレート(JIS K7210、温度230℃、荷重21.18N)が25〜120g/10分、キシレン可溶分の、135℃テトラヒドロナフタレン中での極限粘度が0.5〜2.5dl/gであることが好ましい。
本発明の射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物においては、前記ブロックポリプロピレン(A)のエチレン・αオレフィン共重合体が、エチレン単位が65〜90質量%のエチレン・1−ブテン共重合体であり、キシレン可溶分の、135℃テトラヒドロナフタレン中での極限粘度が0.9〜1.3dl/gであることが更に好ましい。
本発明の成形品は、上記射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物が射出成形されたものである。
Figure 2015209497
本発明の射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物は、射出成形時の黒点発生を防止でき、また、リサイクル性に優れている。
本発明の成形品は、黒点の発生が防止され、リサイクル性に優れたものである。
本発明の射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物(以下、「ポリプロピレン樹脂組成物」という。)は、ブロックポリプロピレン(A)と、フェノールリン系酸化防止剤(B)と、フェノール系酸化防止剤(C)及びリン系酸化防止剤(D)の少なくとも一方とを含有する。
合計の含有割合が少量でより効果が高くなる点では、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、フェノール系酸化防止剤(C)またはリン系酸化防止剤(D)のいずれか一方を含有することが好ましく、リン系酸化防止剤(D)を含有することがより好ましい。
(ブロックポリプロピレン(A))
ブロックポリプロピレン(A)は、ホモポリプロピレン又はプロピレンランダム共重合体(プロピレン単位と、エチレン単位および/又は炭素数4〜10のαオレフィン単位とを有する)と、エチレン・αオレフィン(炭素数3〜10)共重合体とを含む。なお、エチレン・αオレフィン共重合体はエラストマー成分である。
αオレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセン等が挙げられる。
ブロックプロピレン(A)は、多段重合により製造することができる。例えば、1段目の重合反応器にて、ホモポリプロピレン又はプロピレンランダム共重合体を重合し、得られたホモポリプロピレン又はプロピレンランダム共重合体を2段目の重合反応器に供給すると共に2段目の重合反応器にてエチレン・αオレフィン共重合体を重合することでブロックポリプロピレン(A)を得ることができる。この方法では、2段目の重合反応器にて、ホモポリプロピレン又はプロピレンランダム共重合体と、生成するエチレン・αオレフィン共重合体とを混合する。
ホモポリプロピレン又はプロピレンランダム共重合体の存在下でエチレン・αオレフィン共重合体を重合させることにより、生産性が高くなる上に、エチレン・αオレフィン共重合体の分散性が高くなるため、物性バランスも向上する。
なお、多段重合は上記の方法に限らず、ホモポリプロピレン又はプロピレンランダム共重合体を複数の重合反応器にて重合してもよいし、エチレン・αオレフィン共重合体を複数の重合反応器にて重合してもよい。また、ブロックポリプロピレン(A)を得る方法として、モノマー濃度や重合条件の勾配を有する重合器を用いて行う方法が挙げられる。このような重合器では、例えば、少なくとも2つの重合領域が接合されたものを使用し、気相重合でモノマーを重合することができる。具体的には、触媒の存在下、上昇管からなる重合領域にてモノマーを供給して重合し、上昇管に接続された下降管にてモノマーを供給して重合し、上昇管と下降管とを循環しながら、ポリマー生成物を回収する。この方法では、上昇管中に存在する気体混合物が下降管に入るのを全面的または部分的に防止する手段を備える。また、上昇管中に存在する気体混合物とは異なる組成を有する気体および/または液体混合物を下降管中に導入する。この重合方法は、例えば、特表2002−520426号公報に記載された方法を適用することができる。
重合に使用する触媒としては、公知のオレフィン重合触媒を用いることができるが、中でも、所望の物性が発現するブロックポリプロピレン(A)を容易に製造できることから、チーグラー・ナッタ触媒が好ましい。
また、重合の際には、必要に応じて、分子量の調整のために、水素を添加してもよい。
プロピレンランダム共重合体におけるプロピレン単位以外の単量体単位(すなわち、エチレン単位及び炭素数4〜10のαオレフィン単位)の含有量は5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。プロピレンランダム共重合体におけるプロピレン単位以外の単量体単位の含有量が前記上限値を超えると、得られる樹脂組成物の剛性、耐熱性が低下することがある。
エチレン・αオレフィン共重合体のエチレン単位含有割合は25〜90質量%であることが好ましい。
エチレン・αオレフィン共重合体がエチレン・1−ブテン共重合体である場合、エチレン単位含有割合は65〜90質量%であることが好ましく、74〜86質量%であることがより好ましい。さらに、エチレン・αオレフィン共重合体がエチレン・1−ブテン共重合体である場合には、ブロックポリプロピレン(A)のキシレン可溶分の、135℃テトラヒドロナフタレン中での極限粘度が0.9〜1.3dl/gであることが好ましい。本発明においては、エチレン・αオレフィン共重合体の極限粘度をブロックポリプロピレン(A)のキシレン可溶分の極限粘度で評価する。エチレン・αオレフィン共重合体が極限粘度0.9〜1.3dl/gのエチレン・1−ブテン共重合体である場合には、本発明の効果をより発揮できる。
エチレン・αオレフィン共重合体におけるエチレン単位含有量が前記上限値を超えると、ポリプロピレン樹脂組成物の物性(例えば、低温衝撃強度)が低下して実用性を損なう傾向にあり、前記下限値未満であると、ブロックポリプロピレン(A)の製造が困難になる傾向にある。
ブロックポリプロピレン(A)のメルトフローレート(以下、「MFR」という。)は5.0〜200g/分であり、10〜150g/10分であることが好ましく、25〜120g/10分であることがさらに好ましい。ブロックポリプロピレン(A)のMFRは、JIS K7210に従い、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定した値である。
ブロックポリプロピレン(A)のMFRが前記下限値未満であると、薄肉成形の場合等の射出成形用としての流動性を確保できないことがあり、前記上限値を超えると、ブロックポリプロピレン(A)の耐衝撃性が悪化する。
ブロックポリプロピレン(A)のホモポリプロピレン又はプロピレンランダム共重合体のMFRは20〜300g/10分であることが好ましい。ホモポリプロピレン又はプロピレンランダム共重合体のMFRは、JIS K7210に従い、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定した値である。
ホモポリプロピレン又はプロピレンランダム共重合体のMFRが前記範囲であれば、ブロックポリプロピレン(A)のMFRを容易に前記範囲にできる。
ブロックポリプロピレン(A)のキシレン可溶分の極限粘度は0.5〜5.0dl/gであり、0.5〜4dl/gであることが好ましく、0.5〜2.5dl/gであることがさらに好ましい。極限粘度は、135℃のテトラヒドロナフタレン中での測定値である。
ブロックポリプロピレン(A)のキシレン可溶分の極限粘度が前記下限値未満であると、ブロックポリプロピレン(A)の製造が困難になり、前記上限値を超えると、薄肉成形の場合等の射出成形用としての流動性を確保できないことがある。
(他の樹脂)
ポリプロピレン樹脂組成物は、必要に応じて、ブロックポリプロピレン(A)以外の他の樹脂を含んでも構わない。ブロックポリプロピレン(A)以外の他の樹脂としては、オレフィン系樹脂(例えば、ホモポリプロピレン、プロピレン・αオレフィン共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体、ポリエチレン等)が挙げられる。
(フェノールリン系酸化防止剤(B))
フェノールリン系酸化防止剤(B)は、上記一般式(I)で表される化合物である。
式(I)におけるR,R,R及びRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜8のいずれかのアルキル基、炭素原子数5〜8のいずれかのシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のいずれかのアルキルシクロアルキル基、炭素原子数7〜12のいずれかのアラルキル基又はフェニル基である。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i―プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
前記シクロアルキル基としては、例えば、1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチル−4−i−プロピルシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基等が挙げられる。
,Rとしては、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基等のt−アルキル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基が好ましい。
としては、メチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基が好ましい。
としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基が好ましい。
式(I)におけるRは、水素原子又は炭素原子数1〜8のいずれかのアルキル基である。
前記アルキル基としては、R,R,R及びRと同様のアルキル基が挙げられる。たとえば前記と同様のアルキル基が挙げられる。
は、水素原子又はメチル基が好ましい。
Xは、硫黄原子又は−CHR−基(Rは水素原子、炭素数1〜8のいずれかのアルキル基、又は炭素数5〜8のいずれかのシクロアルキル基である。)である。
におけるアルキル基、シクロアルキル基としては、R,R,R及びRと同様のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられる。
Xにおけるnは0又は1であり、0が好ましい。なお、nが0である場合には、2つのフェノキシ基骨格を有する基が直接結合することを意味する。
Aは、炭素数2〜8のいずれかのアルキレン基である。
前記アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
Y,Zは、一方がヒドロキシ基、炭素原子数1〜8のいずれかのアルコキシ基又は炭素原子数7〜12のいずれかのアラルキルオキシ基であり、他方が水素原子又は炭素原子数1〜8のいずれかのアルキル基である。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
前記アラルキルオキシ基としては、例えば、アラルキル部分がR,R,R及びRと同様のアラルキルであるアラルキルオキシ基が挙げられる。
前記アルキル基としては、R,R,R及びRと同様のアルキル基が挙げられる。
特に好ましいフェノールリン系酸化防止剤(B)としては、R,R,Rがt−ブチル基、Rが水素原子、Rがメチル基、Aがトリメチレン基、Yがヒドロキシ基、Zが水素原子、nが0のものが挙げられる。このようなフェノールリン系酸化防止剤(B)としては、住友化学社製スミライザーGPが挙げられる。
フェノールリン系酸化防止剤(B)の含有割合は、ブロックポリプロピレン(A)100質量部に対して、0.05〜0.5質量部であり、0.05〜0.3質量部であることが好ましい。フェノールリン系酸化防止剤の含有割合が前記下限値未満であると、黒点の発生を防止できず、前記上限値を超えると、実用性を損なうことがある。
(フェノール系酸化防止剤(C))
フェノール系酸化防止剤(C)は、前記フェノールリン系酸化防止剤(B)以外で且つジブチルヒドロキシフェニル基を有する化合物である。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(例えば、BASF社製イルガノックス1010)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ポロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオビス−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス−(4−6−ジ−t−ブチルフェノール) (ケミノックス1129)、2,2’−ブチリデン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、α−トコフェノール類等が挙げられる。
これらフェノール系酸化防止剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フェノール系酸化防止剤(C)の含有割合は、ブロックポリプロピレン(A)100質量部に対して、0.05〜0.5質量部であることが好ましく、0.05〜0.3質量部であることがより好ましい。フェノール系酸化防止剤の含有割合が前記下限値以上であれば、黒点の発生をより防止でき、前記上限値以下であれば、充分な実用性を有する。
(リン系酸化防止剤(D))
リン系酸化防止剤(D)は、前記フェノールリン系酸化防止剤(B)とは異なるものであり、好ましくは、亜リン酸エステル系の化合物であって、ヒドロキシフェニル基(フェノール基)を有さないものである。
リン系酸化防止剤の具体例としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(例えば、BASF社製イルガフォス168)、ジステアリル ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ジフェニレンジホスナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) 2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フルオロホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル) エチルホスファイト、2−(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)−5−エチル−5−ブチル−1,3,2−オキサホスホリナン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチル−トリス(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト等が挙げられる。
これらリン系酸化防止剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
リン系酸化防止剤(D)の含有割合は、ブロックポリプロピレン(A)100質量部に対して、0.05〜0.5質量部であることが好ましく、0.05〜0.3質量部であることがより好ましい。リン系酸化防止剤の含有割合が前記下限値以上であれば、黒点の発生をより防止でき、前記上限値以下であれば、充分な実用性を有する。
((B)〜(D)成分の合計の含有割合)
フェノールリン系酸化防止剤(B)とフェノール系酸化防止剤(C)とリン系酸化防止剤(D)の合計の含有割合は、ブロックポリプロピレン(A)100質量部に対して、0.12〜1.5質量部であり、0.15〜0.9質量部であることが好ましい。フェノールリン系酸化防止剤(B)とフェノール系酸化防止剤(C)とリン系酸化防止剤(D)の合計の含有割合が前記下限値未満であると、黒点の発生を防止できず、前記上限値を超えると、実用性が低下する。
(その他添加剤)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、任意成分として、例えば、前記(B)〜(D)成分以外の酸化防止剤、核剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、内部滑剤、外部滑剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、発泡剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物等のその他の添加剤が含まれてもよい。
(製造方法)
ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法としては、ブロックポリプロピレン(A)と、フェノールリン系酸化防止剤(B)と、フェノール系酸化防止剤(C)及びリン系酸化防止剤(D)の少なくとも一方とを混合する方法が挙げられる。必要に応じて、ブロックポリプロピレン(A)以外の他の樹脂、添加剤等をさらに混合してもよい。各成分の添加の順序には制限はない。
混合方法としては特に制限はなく、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等のミキサーを用いる方法が挙げられる。
混合した後、得られた混合物を溶融混練し、さらにペレット化してもよい。溶融混練装置としては、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミル等を用いることができる。
(作用効果)
ブロックポリプロピレン(A)は射出成形時に黒点が発生しやすい傾向にあるが、本発明では、ブロックポリプロピレン(A)に上記特定のフェノールリン系酸化防止剤(B)を上記特定量添加する。さらに、フェノールリン系酸化防止剤(B)に加えて、フェノール系酸化防止剤(C)及びリン系酸化防止剤(D)の少なくとも一方も、上記特定の範囲でブロックポリプロピレン(A)に配合する。これにより、ブロックポリプロピレン(A)が射出成形時に焼けにくくなり、射出成形時の黒点の発生を防止できる。特に、高温で成形する場合にも、黒点の発生を防止できる。
また、本発明における酸化防止剤処方では、リサイクルの際に加熱してもブロックポリプロピレン(A)の分子鎖の切断を抑制でき、流動性の過度な上昇を防止できる。したがって、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、リサイクル性に優れる。
(成形品)
上記ポリプロピレン樹脂組成物は、射出成形により成形品に加工することができる。特に、上記ポリプロピレン樹脂組成物は薄肉成形品用の成形材料として好適である。ここで、薄肉とは、厚さが1.0mm以下のことである。
薄肉成形品を得る際には、射出成形時に金型のキャビティ内に充分に充填させるために、成形温度を上げて流動性を高める傾向にある。高温で成形した薄肉成形品においては樹脂が焼けて黒点が発生しやすい傾向にある。しかし、本発明のポリプロピレン樹脂組成物より成形した薄肉成形品では、黒点の発生を防止できる。
射出成形の際の条件は特に制限されず、目的の成形品の形状や大きさ、使用する射出成形機の種類や規模に応じて適宜選択されるが、成形温度は200〜260℃であることが好ましく、210〜230℃であることがより好ましい。成形温度が前記下限値以上であれば、充分な成形性を確保でき、前記上限値以下であれば、黒点の発生をより防止できる。
以下に、実施例及び比較例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されない。
(A)成分のMFR、キシレン可溶分の極限粘度、エチレン単位の含有量は以下のように測定した。
1)MFR:
MFRは、JIS K7210に準拠して、温度230℃、荷重:21.18Nの条件で測定した。
2)キシレン可溶分の極限粘度:
ブロックポリプロピレン(A)のキシレン可溶分は、以下の方法によって得られる。
サンプル2.5gを、o−キシレン(溶媒)を250ml入れたフラスコに入れ、ホットプレートおよび還流装置を用いて、135℃で、窒素パージを行いながら、30分間撹拌し、樹脂組成物を完全溶解させた後、25℃で1時間、冷却した。これにより得られた溶液を、濾紙を用いて濾過した。濾過後の濾液を100ml採取し、アルミニウムカップ等に移し、窒素パージを行いながら、140℃で蒸発乾固を行い、室温で30分間静置して、キシレン可溶分を得た。
極限粘度は、テトラヒドロナフタレン中、135℃において毛細管自動粘度測定装置(SS−780−H1、柴山科学器械製作所製)を用いて測定した。
3)エチレン単位の含有量:
本発明において、プロピレンランダム共重合体のプロピレン単位以外のαオレフィン単位、およびエチレン・αオレフィン共重合体のエチレン単位および炭素数3〜10のαオレフィン単位の含有量は、1,2,4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒に溶解した試料について、日本電子社製JNM LA−400(13C共鳴周波数100MHz)を用い、13C−NMR法で測定した。
(各実施例及び各比較例)
表1,2に示す配合で、ブロックポリプロピレン(A)、フェノールリン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びその他添加剤(E)を混合して混合物を得た。次いで、該混合物を、スクリュー温度を230℃に設定した単軸押出機を用いて溶融混練し、ペレット化して、ポリプロピレン樹脂組成物を得た。
各実施例及び各比較例で使用した(A)〜(E)成分を下記に示す。
[ブロックポリプロピレン(A)]
(A1)ランダムポリプロピレンとエチレン・1−ブテン共重合体とを多段重合により混合したブロックポリプロピレン、MFR:30g/10分、キシレン可溶分の極限粘度:1.0dl/g、ランダムポリプロピレンのエチレン単位3.2質量%、エチレン・1−ブテン共重合体の含有割合:31.5質量%、エチレン・1−ブテン共重合体におけるエチレン単位の含有割合:81質量%
(A2)ホモポリプロピレンとエチレン・1−ブテン共重合体とを多段重合により混合したブロックポリプロピレン、MFR:50g/10分、キシレン可溶分の極限粘度:1.1dl/g、エチレン・1−ブテン共重合体の含有割合:27.0質量%、エチレン・1−ブテン共重合体におけるエチレン単位の含有割合:81質量%
(A3)ホモポリプロピレンとエチレン・1−ブテン共重合体とを多段重合により混合したブロックポリプロピレン、MFR:46g/10分、キシレン可溶分の極限粘度:1.1dl/g、エチレン・1−ブテン共重合体の含有割合:26.0質量%、エチレン・1−ブテン共重合体におけるエチレン単位の含有割合:78質量%
(A4)ホモポリプロピレンとエチレン・プロピレン共重合体とを多段重合により混合したブロックポリプロピレン、MFR:100g/10分、キシレン可溶分の極限粘度:2.0dl/g、エチレン・プロピレン共重合体の含有割合:23.0質量%、エチレン・プロピレン共重合体におけるエチレン単位の含有割合:35質量%
[フェノールリン系酸化防止剤(B)]
(B1)住友化学社製スミライザーGP
[フェノール系酸化防止剤(C)]
(C1)BASF社製イルガノックス1010
[リン系酸化防止剤(D)]
(D1)BASF社製イルガフォス168
[その他添加剤(E)]
(E1)住友化学社製スミライザーGS((B)、(C)成分以外のフェノール系酸化防止剤)
(E2)ステアリン酸カルシウム
(E3)グリセリンモノ脂肪酸エステル
(E4)BASF社製イルガクリアXT386(結晶核剤)
(E5)ADEKA社製NA−11(結晶核剤)
Figure 2015209497
Figure 2015209497
<評価>
各実施例及び各比較例について、黒点発生防止性及びリサイクル性を以下のように評価した。評価結果を表1,2に示す。
(1)黒点発生防止性
各例で得たポリプロピレン樹脂組成物の初期ペレットを、230℃に設定した単軸押出機を用いて10回繰り返し溶融混練し、評価用ペレットを得た。初期ペレットと評価用ペレットの各々について、射出成形によって1mm厚の平板状の試験体を得た。その試験体の反射光の黄色度(YI)を、JIS K7373に準拠し、分光式色差計(SE2000型、日本電色工業社製)を用いて測定した。そして、(評価用ペレットの試験体のYI−初期ペレットの試験体のYI)の式より△YIを求めた。
(2)リサイクル性
各例で得たポリプロピレン樹脂組成物の初期ペレットを、230℃に設定した単軸押出機を用いて10回繰り返し溶融混練し、評価用ペレットを得た。初期ペレットと評価用ペレットの各々について、JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重:21.18Nの条件でMFRを測定した。そして、{(評価用ペレットのMFR−初期ペレットのMFR)/初期ペレットのMFR}×100(%)の式より△MFRを求めた。
ポリプロピレン樹脂組成物が(B)成分を0.05質量部以上含み、(B)〜(D)成分の合計の含有割合が0.12質量部以上である各実施例では、黒点発生防止性及びリサイクル性に優れていた。
これに対し、ポリプロピレン樹脂組成物が(B)成分を0.05質量部以上含まない又は(B)〜(D)成分の合計の含有割合が0.12質量部未満の各比較例は、黒点発生防止性及びリサイクル性の少なくとも一方が低かった。

Claims (4)

  1. ブロックポリプロピレン(A)と、フェノールリン系酸化防止剤(B)と、フェノール系酸化防止剤(C)及びリン系酸化防止剤(D)の少なくとも一方とを含有し、
    ブロックポリプロピレン(A)は、ホモポリプロピレン又はプロピレンランダム共重合体とエチレン・αオレフィン共重合体とを含み、JIS K7210に従い、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定したメルトフローレートが5.0〜200g/10分、キシレン可溶分の、135℃のテトラヒドロナフタレン中での極限粘度が0.5〜5.0dl/g、エチレン・αオレフィン共重合体の含有割合が15〜45質量%であり、
    前記フェノールリン系酸化防止剤(B)は、下記一般式(I)で表されるフェノールリン系酸化防止剤であり、
    前記フェノール系酸化防止剤(C)は、前記フェノールリン系酸化防止剤(B)以外で且つジブチルヒドロキシフェニル基を有するフェノール系酸化防止剤であり、
    前記リン系酸化防止剤(D)は、前記フェノールリン系酸化防止剤(B)以外のリン系酸化防止剤であり、
    フェノールリン系酸化防止剤(B)の含有割合が、ブロックポリプロピレン(A)100質量部に対して、0.05〜0.5質量部であり、
    フェノールリン系酸化防止剤(B)とフェノール系酸化防止剤(C)とリン系酸化防止剤(D)との合計の含有割合が、ブロックポリプロピレン(A)100質量部に対して、0.12〜1.5質量部である、射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物。
    Figure 2015209497
    (式(I)におけるR,R,R及びRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜8のいずれかのアルキル基、炭素原子数5〜8のいずれかのシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のいずれかのアルキルシクロアルキル基、炭素原子数7〜12のいずれかのアラルキル基又はフェニル基である。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜8のいずれかのアルキル基である。Xは、硫黄原子もしくは−CHR−基(Rは水素原子、炭素数1〜8のいずれかのアルキル基、又は炭素数5〜8のいずれかのシクロアルキル基である。)である。nは0又は1である。Aは、炭素数2〜8のいずれかのアルキレン基である。Y,Zは、一方がヒドロキシ基、炭素原子数1〜8のいずれかのアルコキシ基又は炭素原子数7〜12のいずれかのアラルキルオキシ基であり、他方が水素原子又は炭素原子数1〜8のいずれかのアルキル基である。)
  2. 前記ブロックポリプロピレン(A)のメルトフローレート(JIS K7210、温度230℃、荷重21.18N)が25〜120g/10分、キシレン可溶分の、135℃テトラヒドロナフタレン中での極限粘度が0.5〜2.5dl/gである、請求項1に記載の射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 前記ブロックポリプロピレン(A)のエチレン・αオレフィン共重合体が、エチレン単位が65〜90質量%のエチレン・1−ブテン共重合体であり、キシレン可溶分の、135℃テトラヒドロナフタレン中での極限粘度が0.9〜1.3dl/gである、請求項1又は2に記載の射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物が射出成形された成形品。
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