[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1に示すように、第1実施形態の自動運転装置100aは、乗用車等の自車両Vに搭載される。自動運転装置100aは、自車両Vの運転状態を自車両Vの運転者による自動運転への切替要求に応じて手動運転から自動運転に切り替え可能である。自動運転装置100aは、自動運転可否判定モードの作動時において、手動運転から自動運転への切替の可否を判定し、自動運転への切替が可能であると判定した場合に、自車両Vの運転者による自動運転への切替要求に応じて運転状態を自動運転に切り替える。自動運転時には、自動運転装置100aは、自車両Vの自動運転を制御する。
自動運転とは、自車両Vの操舵操作及び加減速操作等の運転操作が自車両Vのドライバーの手動運転操作によらずに制御されることを意味する。自動運転には、自車両Vの操舵操作及び加減速操作のいずれか一方のみが自動運転の自動運転操作によって行われ、自車両Vの操舵操作及び加減速操作のいずれかのもう一方が自車両Vのドライバーの手動運転操作によって行われる運転状態を含む。また、手動運転には、自車両Vの操舵操作及び加減速操作のいずれか一方のみが自車両Vのドライバーの手動運転操作により行われ、自車両Vの操舵操作及び加減速操作のいずれかのもう一方が自動運転による自動運転操作によって行われる運転状態を含む。
図1に示すように、自動運転装置100aは、外部センサ1、GPS(Global Positioning System)受信部2、内部センサ3、地図データベース4、ナビゲーションシステム5、アクチュエータ6、HMI(Human Machine Interface)7、補助機器U及びECU10aを備えている。
外部センサ1は、自車両Vの周辺情報である外部状況を検出する検出機器である。外部センサ1は、カメラ、レーダー(Radar)、及びライダー(LIDER:LaserImaging Detection and Ranging)のうち少なくとも一つを含む。
カメラは、自車両Vの外部状況を撮像する撮像機器である。カメラは、例えば、自車両Vのフロントガラスの裏側に設けられている。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、例えば両眼視差を再現するように配置された二つの撮像部を有している。ステレオカメラの撮像情報には、奥行き方向の情報も含まれている。カメラは、自車両Vの外部状況に関する撮像情報をECU10aへ出力する。
レーダーは、電波を利用して自車両Vの外部の障害物を検出する。電波は、例えばミリ波である。レーダーは、電波を自車両Vの周囲に送信し、障害物で反射された電波を受信して障害物を検出する。レーダーは、例えば障害物までの距離又は方向を障害物に関する障害物情報として出力することができる。レーダーは、検出した障害物情報をECU10aへ出力する。なお、センサーフュージョンを行う場合には、反射された電波の受信情報をECU10aへ出力してもよい。
ライダーは、光を利用して自車両Vの外部の障害物を検出する。ライダーは、光を自車両Vの周囲に送信し、障害物で反射された光を受信することで反射点までの距離を計測し、障害物を検出する。ライダーは、例えば障害物までの距離又は方向を障害物情報として出力することができる。ライダーは、検出した障害物情報をECU10aへ出力する。なお、センサーフュージョンを行う場合には、反射された光の受信情報をECU10aへ出力してもよい。なお、カメラ、ライダー及びレーダーは、必ずしも重複して備える必要はない。
GPS受信部2は、3個以上のGPS衛星から信号を受信して、自車両Vの位置を示す位置情報を取得する。位置情報には、例えば緯度及び経度が含まれる。GPS受信部2は、測定した自車両Vの位置情報をECU10aへ出力する。なお、GPS受信部2に代えて、自車両Vが存在する緯度及び経度が特定できる他の手段を用いてもよい。
内部センサ3は、自車両Vの走行状態に応じた情報と、自車両Vの運転者による手動運転操作の手動運転操作量とを検出する検出器である。手動運転操作には、自車両Vの運転者による操舵操作及び加減速操作を含む。内部センサ3は、自車両Vの走行状態に応じた情報を検出するために、車速センサ、加速度センサ及びヨーレートセンサを少なくとも含む。また、内部センサ3は、操作量を検出するために、ステアリングセンサ、アクセルペダルセンサ及びブレーキペダルセンサを少なくとも含む。
車速センサは、自車両Vの速度を検出する検出器である。車速センサとしては、例えば、自車両Vの車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフトなどに対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサは、自車両Vの速度を含む車速情報(車輪速情報)をECU10aへ出力する。
加速度センサは、自車両Vの加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、自車両Vの前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、自車両Vの横加速度を検出する横加速度センサとを含んでいる。加速度センサは、自車両Vの加速度を含む加速度情報をECU10aへ出力する。
ヨーレートセンサは、自車両Vの重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサが用いられる。ヨーレートセンサは、自車両Vのヨーレートを含むヨーレート情報をECU10aへ出力する。
ステアリングセンサは、例えば自車両の運転者によるステアリングホイールに対する操舵操作の操作量を検出する検出器である。ステアリングセンサが検出する操作量は、例えば、ステアリングホイールの操舵角又はステアリングホイールに対する操舵トルクである。ステアリングセンサは、例えば、自車両Vのステアリングシャフトに対して設けられる。ステアリングセンサは、ステアリングホイールの操舵角又はステアリングホイールに対する操舵トルクを含む情報をECU10aへ出力する。
アクセルペダルセンサは、例えばアクセルペダルの踏込み量を検出する検出器である。アクセルペダルの踏込み量は、例えば所定位置を基準としたアクセルペダルの位置(ペダル位置)である。所定位置は、定位置であってもよいし、所定のパラメータによって変更された位置であってもよい。アクセルペダルセンサは、例えば自車両Vのアクセルペダルのシャフト部分に対して設けられる。アクセルペダルセンサは、アクセルペダルの踏込み量に応じた操作情報をECU10aへ出力する。
ブレーキペダルセンサは、例えばブレーキペダルの踏込み量を検出する検出器である。ブレーキペダルの踏込み量は、例えば所定位置を基準としたブレーキペダルの位置(ペダル位置)である。所定位置は、定位置であってもよいし、所定のパラメータによって変更された位置であってもよい。ブレーキペダルセンサは、例えばブレーキペダルの部分に対して設けられる。ブレーキペダルセンサは、ブレーキペダルの操作力(ブレーキペダルに対する踏力やマスタシリンダの圧力など)を検出してもよい。ブレーキペダルセンサは、ブレーキペダルの踏込み量又は操作力に応じた操作情報をECU10aへ出力する。
地図データベース4は、地図情報を備えたデータベースである。地図データベース4は、例えば、自車両Vに搭載されたHDD(Hard Disk Drive)内に形成されている。地図情報には、例えば、道路の位置情報、道路形状の情報、交差点及び分岐点の位置情報が含まれる。道路形状の情報には、例えばカーブ、直線部の種別、カーブの曲率などが含まれる。さらに、自動運転装置100aが建物又は壁などの遮蔽構造物の位置情報、又はSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を使用する場合には、地図情報に外部センサ1の出力信号を含ませてもよい。また、地図情報には、自車両Vが自動運転を行うために必要な道路形状等の情報を予め得られている自動運転用地図エリア又は自動運転用地図区間に関する情報を含んでいてもよい。なお、地図データベース4は、自車両Vと通信可能な情報処理センターなどの施設のコンピュータに記憶されていてもよい。
ナビゲーションシステム5は、自車両Vの運転者によって地図上に設定された目的地までの案内を自車両Vの運転者に対して行う装置である。ナビゲーションシステム5は、GPS受信部2によって測定された自車両Vの位置情報と地図データベース4の地図情報とに基づいて、自車両Vの走行するルートを算出する。ルートは、例えば複数車線の区間において自車両Vが走行する走行車線を特定したルートでもよい。ナビゲーションシステム5は、例えば、自車両Vの位置から目的地に至るまでの目標ルートを計算し、ディスプレイの表示及びスピーカの音声出力により目標ルートの報知を運転者に対して行う。ナビゲーションシステム5は、例えば自車両Vの目標ルートの情報をECU10aへ出力する。なお、ナビゲーションシステム5は、自車両Vと通信可能な情報処理センターなどの施設のコンピュータに記憶された情報を用いてもよい。あるいは、ナビゲーションシステム5により行われる処理の一部が、施設のコンピュータによって行われてもよい。
アクチュエータ6は、自車両Vの走行制御を実行する装置である。アクチュエータ6は、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ及びステアリングアクチュエータを少なくとも含む。スロットルアクチュエータは、ECU10aからの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、自車両Vの駆動力を制御する。なお、自車両Vがハイブリッド車又は電気自動車である場合には、スロットルアクチュエータを含まず、動力源としてのモータにECU10aからの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。
ブレーキアクチュエータは、ECU10aからの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、自車両Vの車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。ステアリングアクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を、ECU10aからの制御信号に応じて制御する。これにより、ステアリングアクチュエータは、自車両Vの操舵トルクを制御する。
HMI7は、自車両Vの乗員(運転者を含む)と自動運転装置100aとの間で情報の出力及び入力をするためのインターフェイスである。HMI7は、例えば、乗員に画像情報を表示するためのディスプレイパネル、音声出力のためのスピーカ、乗員が入力操作を行うための操作ボタン又はタッチパネル、及び音声入力のためのマイクロフォン等を備えている。HMI7は、手動運転中に、自車両Vの運転者により、自動運転への切替要求を入力される。また、HMI7は、手動運転中に、自車両Vの運転者により、自動運転可否判定モードの作動要求を入力されてもよい。自動運転への切替要求及び自動運転可否判定モードへの作動要求は、操作ボタン又はタッチパネルへの入力操作や、マイクロフォンへの音声入力により入力されることができる。HMI7は、無線で接続された携帯情報端末を利用して、乗員に対する情報の出力を行ってもよく、携帯情報端末を利用して乗員による入力操作を受け付けてもよい。
補助機器Uは、通常、自車両Vの運転者によって操作され得る機器である。補助機器Uは、アクチュエータ6に含まれない機器を総称したものである。ここでの補助機器Uは、例えば方向指示灯、前照灯、ワイパー等を含む。
ECU10aは、自車両Vの自動運転を制御する。ECU10aは、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等を有する電子制御ユニットである。ECU10aは、走行環境認識部11、手動運転操作量検出部12、自動運転操作量演算部13、運転状態切替部14a及び制御部15を有している。ECU10aでは、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、上記の走行環境認識部11等の各部の制御を実行する。ECU10aは、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。
走行環境認識部11は、外部センサ1、GPS受信部2及び地図データベース4により取得された情報に基づいて、自車両V周囲の走行環境を認識する。走行環境認識部11は、外部センサ1により取得された情報に基づいて、例えば、道路の車線境界線(白線、黄線)、縁石、ガードレール、ポール、中央分離帯、建物及び樹木等の静止物や、歩行者、他車両、自動二輪車及び自転車等の移動物に関する情報を取得する。走行環境認識部11は、GPS受信部2及び地図データベース4により取得された情報に基づいて、自車両Vの位置、自車両Vが走行している車線、自車両Vが走行している道路の形状、曲率、勾配、凹凸、車線数、分岐の有無、合流の有無等に関する情報を取得する。
手動運転操作量検出部12は、手動運転中に、内部センサ3により取得された情報に基づいて、自車両Vの運転者による手動運転操作の操舵操作及び加減速操作のそれぞれの手動運転操作量を検出する。操舵操作の手動運転操作量は、例えば、ステアリングホイールの操舵角又はステアリングホイールに対する操舵トルクに対応した自車両Vの前輪の操舵角である。加減速操作の手動運転操作量は、例えば、アクセルペダルの踏込み量に対応した自車両Vのスロットル開度及びブレーキペダルの踏込み量や操作力に対応した自車両Vの制動力である。
自動運転操作量演算部13は、手動運転中に、走行環境認識部11により取得された自車両Vの走行環境に基づいて、運転状態が手動運転から自動運転に切り替わり、手動運転操作による操舵操作及び加減速操作のそれぞれが自動運転による自動運転操作に切り替わった場合における自動運転操作による操舵操作及び加減速操作のそれぞれの自動運転操作量を演算する。操舵操作の自動運転操作量は、例えば、走行環境に応じた自車両Vの前輪の操舵角である。加減速操作の自動運転操作量は、例えば、走行環境に基づいた自車両Vのスロットル開度及び制動力である。
運転状態切替部14aは、手動運転中に、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値以下である場合に、自車両の運転者による自動運転への切替要求に応じて運転状態を手動運転から自動運転に切り替える。操作量閾値とは、自車両Vの運転状態を手動運転から自動運転へと切り換えることの可否を判定するために設定された操舵操作及び加減速操作の操作量の閾値である。操舵操作の操作量閾値は、例えば、手動運転操作量による自車両Vの前輪の操舵角と、自動運転操作量による自車両Vの前輪の操舵角との許容される差を示す値である。加減速操作の操作量閾値は、例えば、手動運転操作量による自車両Vのスロットル開度及び制動力と、自動運転操作量による自車両Vのスロットル開度及び制動力との許容される差を示す値である。
制御部15は、手動運転時及び自動運転時に、ナビゲーションシステム5で計算された目標ルート、走行環境認識部11により認識された自車両V周囲の走行環境に関する情報、及び地図データベース4から取得された地図情報に基づいて、自車両Vの走行計画を生成する。走行計画は、目標ルートにおいて自車両Vが進む軌跡である。走行計画には、例えば、各時刻における自車両Vの速度、加速度、減速度、方向及び操舵角等が含まれる。制御部15は、目標ルート上において自車両Vが安全、法令順守、走行効率などの基準を満たした走行をするような走行計画を生成する。さらに、制御部15は、自車両V周囲の走行環境に基づき、障害物との接触を回避するように自車両Vの走行計画を生成する。制御部15は、生成した走行計画に基づいて自車両Vの走行を自動で制御する。制御部15は、走行計画に応じた制御信号をアクチュエータ6に出力する。これにより、制御部15は、走行計画に沿って自車両Vの自動運転が行われるように、自車両Vの走行を制御する。
次に、自動運転装置100aで実行される処理について説明する。以下の説明では、自車両Vの操舵操作及び加減速操作のいずれもが、自車両Vの運転者による手動運転操作により行われている手動運転中である状況を想定する。また、以下の説明では、自動運転装置100aの自動運転可否判定モードが既に作動中である状況を想定する。自動運転可否判定モードの作動開始の態様については後述する。
図2に示すように、ECU10aの手動運転操作量検出部12は、内部センサ3により取得された情報に基づいて、自車両Vの運転者による手動運転操作の操舵操作及び加減速操作のそれぞれの手動運転操作量を検出する(S11)。ECU10aの自動運転操作量演算部13は、走行環境認識部11により取得された自車両Vの走行環境に基づいて、運転状態が手動運転から自動運転に切り替わり、手動運転操作による操舵操作及び加減速操作のそれぞれが自動運転による自動運転操作に切り替わった場合における自動運転操作による操舵操作及び加減速操作のそれぞれの自動運転操作量を演算する(S12)。
ECU10aの運転状態切替部14aは、操舵操作及び加減速操作のいずれかについて、手動運転操作による手動運転操作量に対する自動運転操作による自動運転操作量の差が、操舵操作及び加減速操作のそれぞれについて設定されたセンサ異常判定閾値を超えているか否かを判定する(S13)。センサ異常判定閾値とは、外部センサ1及び内部センサ3に異常が発生しているか否かを判定するために設定された操舵操作及び加減速操作の操作量の閾値であり、上述した操作量閾値よりも大きい値に設定されている。操舵操作及び加減速操作のいずれについても、手動運転操作による手動運転操作量に対する自動運転操作による自動運転操作量の差がセンサ異常判定閾値を超えていない場合は、運転状態切替部14aは、手動運転操作による操舵操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による操舵操作の自動運転操作量の差が、操舵操作について設定された操作量閾値以下であるか否かを判定する(S14)。操舵操作について手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値以下である場合は、運転状態切替部14aは、手動運転操作による加減速操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による加減速操作の自動運転操作量の差が、加減速操作について設定された操作量閾値以下であるか否かを判定する(S15)。
なお、操舵操作及び加減速操作のいずれについても、例えば、図3に示すように、6秒等の予め設定された数秒〜数分の一定時間内において、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値以下である状態が継続した場合は、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値以下であると判定し、当該一定時間内において、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値以下である状態が継続しなかった場合は、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値を超えていると判定することができる。また、操舵操作及び加減速操作のいずれについても、予め設定された数秒〜数分の一定時間内において、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差の平均値又は積算値が操作量閾値以下である場合は、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値以下であると判定し、当該一定時間内において、手動運転操作量に対する自動運転操作量の平均値又は積算値が操作量閾値を超えている場合は、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値を超えていると判定することができる。いずれの場合においても、図3に示すように、6秒等の予め設定された数秒〜数分の一定時間内において、操舵操作及び加減速操作のいずれかについて、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差がセンサ異常判定閾値を超えた場合は、外部センサ1又は内部センサ3に異常が発生したことが考えられるため、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値を超えていても、自動運転への切替は行われない。
また、加減速操作に関しては、手動運転操作量が加速操作に関する操作量であって自動運転操作量が減速操作に関する操作量である場合や、手動運転操作量が減速操作に関する操作量であって自動運転操作量が加速操作に関する操作量である場合は、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値を超えていると判定することができる。
S13の工程において、操舵操作及び加減速操作のいずれについても、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差がセンサ異常判定閾値以下であり、且つ、S14及びS15の工程において、操舵操作及び加減速操作のいずれについても、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値以下である場合は、運転状態切替部14aは、HMI7に入力された自車両Vの運転者による自動運転への切替要求に応じて、操舵操作及び加減速操作のいずれについても、自動運転による自動運転操作に切り替える(S16)。一方、S13の工程において、操舵操作及び加減速操作のいずれかについて、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差がセンサ異常判定閾値を超えている場合や、S14及びS15の工程において、操舵操作及び加減速操作のいずれかが、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値を超えている場合は、運転状態切替部14aは、HMI7に入力された自車両Vの運転者による自動運転への切替要求に関わらず手動運転を続行する(S17)。
以下に、上記のような動作を行う自動運転可否判定モードの作動開始の態様について説明する。例えば、図4に示すように、道路200において、手動運転により自車両Vのエンジンが始動されるエンジン始動地点PIGから、自動運転可否判定モードが作動する作動区間SOPが始まる。エンジン始動地点PIGにおいて、自車両Vが手動運転により走行する手動運転区間SMも始まる。自動運転装置100aは、上述したS11〜S13の工程を繰り返し行う。手動運転区間SM及び作動区間SOPの中の切替要求地点Preqにおいて、HMI7に対して自車両Vの運転者により自動運転への切替要求が入力される。上述したS13の工程において、操舵操作及び加減速操作のいずれについても、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値以下である場合は、運転状態切替地点PSWにおいて、自動運転装置100aは、HMI7より自車両Vの運転者に対して自動運転への切替が可能である旨を通知した後に、自車両Vの運転状態を自動運転に切り替える。運転状態切替地点PSWにおいて、手動運転区間SM及び作動区間SOPは終了し、自車両Vが自動運転により走行する自動運転区間SAが始まる。
また、例えば、図5に示すように、自車両Vが手動運転により走行する手動運転区間SMの中で、自車両Vの運転者によりHMI7に対して自動運転可否判定モードの作動要求が入力される作動要求地点PMOにおいて、自動運転可否判定モードが作動する作動区間SOPが始まってもよい。その後は、自動運転装置100aは、図4と同様の動作を行う。なお、図5の作動要求地点PMOにおいて自車両Vの運転者により自動運転可否判定モードの作動要求がなされず、HMI7に対して自車両Vの運転者により自動運転への切替要求が入力される切替要求地点Preqにおいて、自動運転可否判定モードが作動する作動区間SOPが始まり、その後は、図4と同様の動作が行われてもよい。
また、例えば、図6に示すように、自車両Vが手動運転により走行する手動運転区間SMの中で、地図データベース4の地図情報の自動運転用地図区間SMAPが始まる地図区間開始地点PMAPにおいて、自動運転可否判定モードが作動する作動区間SOPが始まってもよい。その後は、自動運転装置100aは、図4と同様の動作を行う。なお、上述した自動運転可否判定モードの作動開始の態様のいずれについても、HMI7に対して自車両Vの運転者により自動運転への切替要求が入力される前から自動運転可否判定モードが作動している場合は、自動運転装置100aは、自車両Vの運転者により自動運転への切替要求が入力される前から自車両Vの運転者に対して自動運転への切替が可能である旨を通知し、切替要求が入力された後に自動運転に切り替えてもよい。
本実施形態によれば、手動運転中に、手動運転操作量検出部12により検出された手動運転操作量に対する自動運転操作量演算部13により演算された自動運転操作量の差が操作量閾値以下である場合に、運転状態切替部14aにより、自車両Vの運転者による自動運転への切替要求に応じて運転状態が手動運転から自動運転に切り替えられる。
つまり、本実施形態の自動運転装置100aは、位置等の走行環境に対する人間の認識能力と当該認識能力に基づく判断は、機械以上に信頼性が有るとの前提に基づいている。そこで、本実施形態の自動運転装置100aは、人間の手動運転操作による手動運転操作量を真とみなし、ある一定時間の自動運転操作量と比較して、実際の走行環境に即した自動運転操作が可能か否かを判定する。
このため、自車両Vの運転者による手動運転操作に対する自動運転操作の乖離が大きく、実際の走行環境に即した自動運転操作が行われない可能性が高い場合に、運転状態が手動運転から自動運転に切り替えられることを防止することができる。したがって、実際の走行環境に即した自動運転操作が行われない可能性が高いまま、手動運転から自動運転に切り替えられることを防止することができる。
なお、本実施形態において、自車両Vの操舵操作が自車両Vの運転者による手動運転操作により行われており、自車両Vの加減速操作が自動運転による自動運転操作により行われている場合は、手動運転操作量検出部12は、手動運転操作による操舵操作の手動運転操作量を検出し、自動運転操作量演算部13は、手動運転操作による操舵操作が自動運転による自動運転操作に切り替わった場合における自動運転操作による操舵操作の自動運転操作量を演算し、運転状態切替部14aは、手動運転操作による操舵操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による操舵操作の自動運転操作量の差が操舵操作について設定された操作量閾値以下である場合に、操舵操作を自車両Vの運転者による切替要求に応じて自動運転による自動運転操作に切り替える。自車両Vの加減速操作が自車両Vの運転者による手動運転操作により行われており、自車両Vの操舵操作が自動運転による自動運転操作により行われている場合も、加減速操作について、同様の処理が行われる。
また、本実施形態において、自車両Vの操舵操作及び加減速操作のいずれもが自車両Vの運転者による手動運転操作により行われている場合に、自動運転装置100aは、操舵操作及び加減速操作のいずれか一方のみについて、上述した処理を行ってもよい。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、操舵操作及び加減速操作のそれぞれについて、実際の走行環境に即した自動運転操作が可能か否かを判定し、実際の走行環境に即した自動運転操作が行われる可能性が高い運転操作については運転状態を手動運転から自動運転に切り替える。図7に示すように、第2実施形態の自動運転装置100bは、ECU10bに運転状態切替部14bを有している。運転状態切替部14bは、手動運転操作による操舵操作及び加減速操作それぞれの手動運転操作量に対する自動運転操作による操舵操作及び加減速操作のそれぞれの自動運転操作量の差が操舵操作及び加減速操作のそれぞれについて設定された操作量閾値以下である操舵操作及び加減速操作を切替要求に応じて自動運転による自動運転操作に切り替える。
次に、自動運転装置100bで実行される処理について説明する。以下の説明では、自車両Vの操舵操作及び加減速操作のいずれもが、自車両Vの運転者による手動運転操作により行われている手動運転中である状況を想定する。また、以下の説明では、自動運転装置100bの自動運転可否判定モードが既に作動中である状況を想定する。自動運転可否判定モードの作動開始の態様については上記第1実施形態と同様である。
図8に示すように、上記第1実施形態のS11及びS12のそれぞれの工程と同様のS21及びS22のそれぞれの工程が行われる。ECU10bの運転状態切替部14bは、上記第1実施形態と同様に、ECU10bの運転状態切替部14bは、操舵操作及び加減速操作のいずれかについて、手動運転操作による手動運転操作量に対する自動運転操作による自動運転操作量の差が、操舵操作及び加減速操作のそれぞれについて設定されたセンサ異常判定閾値を超えているか否かを判定する(S23)。操舵操作及び加減速操作のいずれについても、手動運転操作による手動運転操作量に対する自動運転操作による自動運転操作量の差がセンサ異常判定閾値を超えていない場合は、ECU10bの運転状態切替部14bは、上記第1実施形態と同様に、手動運転操作による操舵操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による操舵操作の自動運転操作量の差が、操舵操作について設定された操作量閾値以下であるか否かを判定する(S24)。操舵操作について手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値以下である場合は、運転状態切替部14aは、上記第1実施形態と同様に、手動運転操作による加減速操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による加減速操作の自動運転操作量の差が、加減速操作について設定された操作量閾値以下であるか否かを判定する(S25)。
手動運転操作による操舵操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による操舵操作の自動運転操作量の差が操舵操作について設定された操作量閾値以下であり、手動運転操作による加減速操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による加減速操作の自動運転操作量の差が加減速操作について設定された操作量閾値以下である場合は、運転状態切替部14bは、HMI7に入力された自車両Vの運転者による自動運転への切替要求に応じて、HMI7より自車両Vの運転者に対して自動運転への切替が可能である旨を通知した後に、操舵操作及び加減速操作のいずれについても、自動運転による自動運転操作に切り替える(S26)。
手動運転操作による操舵操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による操舵操作の自動運転操作量の差が操舵操作について設定された操作量閾値以下であり、手動運転操作による加減速操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による加減速操作の自動運転操作量の差が加減速操作について設定された操作量閾値を超えている場合は、運転状態切替部14bは、HMI7に入力された自車両Vの運転者による自動運転への切替要求に応じて、HMI7より自車両Vの運転者に対して操舵操作については自動運転への切替が可能である旨を通知した後に、操舵操作については自動運転による自動運転操作に切り替え、加減速操作については当該切替要求に関わらず手動運転を続行する(S27)。
S24の工程において、操舵操作について手動運転操作量に対する自動運転操作量の差が操作量閾値を超えている場合も、運転状態切替部14aは、上記第1実施形態と同様に、手動運転操作による加減速操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による加減速操作の自動運転操作量の差が、加減速操作について設定された操作量閾値以下であるか否かを判定する(S28)。
手動運転操作による操舵操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による操舵操作の自動運転操作量の差が操舵操作について設定された操作量閾値を超えており、手動運転操作による加減速操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による加減速操作の自動運転操作量の差が加減速操作について設定された操作量閾値以下である場合は、運転状態切替部14bは、HMI7に入力された自車両Vの運転者による自動運転への切替要求に応じて、HMI7より自車両Vの運転者に対して加減速操作については自動運転への切替が可能である旨を通知した後に、加減速操作については自動運転による自動運転操作に切り替え、操舵操作については当該切替要求に関わらず手動運転を続行する(S29)。
手動運転操作による操舵操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による操舵操作の自動運転操作量の差が操舵操作について設定された操作量閾値を超えており、手動運転操作による加減速操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による加減速操作の自動運転操作量の差が加減速操作について設定された操作量閾値を超えている場合は、運転状態切替部14bは、HMI7に入力された自車両Vの運転者による自動運転への切替要求に関わらず操舵操作及び加減速操作のいずれについても手動運転を続行する(S30)。また、S23の工程において、操舵操作及び加減速操作のいずれかについて、手動運転操作量に対する自動運転操作量の差がセンサ異常判定閾値を超えている場合も、運転状態切替部14bは、自動運転への切替要求に関わらず操舵操作及び加減速操作のいずれについても手動運転を続行する(S30)。
なお、本実施形態では、自車両Vの操舵操作及び加減速操作のいずれもが自車両Vの運転者による手動運転操作により行われている場合に、自動運転装置100bは、HMI7に入力された自車両Vの運転者による操舵操作及び加減速操作のいずれか一方のみについての自動運転への切替要求応じて、操舵操作及び加減速操作のいずれか一方のみについて、上述した処理を行ってもよい。
また、本実施形態において、自車両Vの操舵操作が自車両Vの運転者による手動運転操作により行われており、自車両Vの加減速操作が自動運転による自動運転操作により行われている場合や、自車両Vの加減速操作が自車両Vの運転者による手動運転操作により行われており、自車両Vの操舵操作が自動運転による自動運転操作により行われている場合は、上述した第1実施形態と同様の処理が行われる。さらに、上述したS26、S27及びS29の工程において、HMI7に対して自車両Vの運転者により自動運転への切替要求が入力される前から自動運転可否判定モードが作動している場合は、自動運転装置100bは、切替要求が入力される前から自車両Vの運転者に対して自動運転への切替が可能である旨を通知し、切替要求が入力された後に自動運転に切り替えてもよい。
本実施形態では、自車両Vの操舵操作及び加減速操作が、自車両Vの運転者による手動運転操作により行われている手動運転中に、運転状態切替部14bにより、手動運転操作による操舵操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による操舵操作の自動運転操作量の差が操舵操作について設定された操作量閾値以下である場合に、操舵操作を切替要求に応じて自動運転による自動運転操作に切り替え、手動運転操作による加減速操作の手動運転操作量に対する自動運転操作による加減速操作の自動運転操作量の差が加減速操作について設定された操作量閾値以下である場合に、加減速操作を切替要求に応じて自動運転による自動運転操作に切り替える。このため、操舵操作及び加減速操作のそれぞれについて、手動運転操作に対する自動運転操作の乖離が大きく、実際の走行環境に即した自動運転操作が行われない可能性が高い運転操作については運転状態が手動運転から自動運転に切り替えられることを防止し、手動運転操作に対する自動運転操作の乖離が小さく、実際の走行環境に即した自動運転操作が行われる可能性が高い運転操作については運転状態を手動運転から自動運転に切り替えることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。