JP2017002409A - 銀粉及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レベリング性が良好な導電性ペーストを製造できる銀粉及びその製造方法の提供。【解決手段】銀の表面の少なくとも一部に有機物を有し、前記有機物が、リシノール酸、及び1分子中の炭素数が6以上20以下であり、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と複数のヒドロキシル基とを含む化合物、から選択される少なくとも1種である銀粉である。【選択図】なし
Description
本発明は、積層コンデンサの内部電極、太陽電池、プラズマディスプレイパネル、タッチパネルの回路形成などに使用する導電性ペーストに用いられる銀粉及びその製造方法、並びに導電性ペーストに関する。
従来より、積層コンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、太陽電池やプラズマディスプレイパネル用基板の電極や回路などを形成する方法としては、例えば、銀粉をガラスフリットとともに有機ビヒクル中に加えて混練することによって製造される焼成型の導電性ペーストを基板上に所定のパターンに形成した後、500℃以上の温度で加熱することによって、有機成分を除去し、銀粉同士を焼結させて導電膜を形成する方法が広く用いられている。
このような用途に使用される導電性ペーストに対しては、電子部品の小型化へ対応するために、導体パターンの高密度化、ファインライン化などへの対応が要求される。そのため、使用される銀粉に対しては、粒径が適度に小さく、粒度が揃っていること、有機ビヒクル中で分散していることなどが要求される。
このような導電性ペースト用の銀粉を製造する方法として、銀イオンを含有する水性反応系に還元剤を加えることによって球状銀粉を還元析出させる湿式還元法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、湿式還元法において有機ビヒクルへの馴染みを改善するために、還元により粒子を析出した後に粒子表面に分散剤を吸着させる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
上述したように、電子部品の小型化に伴い、微細な配線を描画できる導電性ペーストが求められている。スクリーン印刷では、メッシュの目開きなど微細な配線を描画するにあたり、技術的な課題が大きく、今日では感光性ペーストを用いた配線形成技術が注目されてきている。
前記感光性ペーストを用いる際に、前記感光性ペーストのレベリング性は非常に重要な特性となる。レベリング性の悪い感光性ペーストを用いてしまうと、導電膜の厚みに斑が生じてしまい、導電膜の硬化不足などの問題が生じてしまう。
したがって、本発明は、このような問題点に鑑み、レベリング性が良好な導電性ペーストを製造できる銀粉及びその製造方法、並びに導電性ペーストを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、導電性ペーストのCassonの降伏値と、銀粉のBET比表面積との比(Cassonの降伏値/BET比表面積)が500以下であり、かつ1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有する銀粉を用いることにより、前記課題を効果的に解決できることを知見した。なお、前記導電性ペーストの組成は、銀粉が86質量%、ガラスフリットが1質量%、エチルセルロースが0.6質量%、テキサノールが10.5質量%、及び酸化亜鉛が1.9質量%であり、前記導電性ペーストは、前記組成を自公転式真空脱泡装置で混練し、三本ロールミルで分散して作製する。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 銀粉が86質量%、ガラスフリットが1質量%、エチルセルロースが0.6質量%、テキサノールが10.5質量%、及び酸化亜鉛が1.9質量%からなる組成を有し、自公転式真空脱泡装置で混練し、三本ロールミルで分散することにより得られた導電性ペーストのCassonの降伏値と、前記銀粉のBET比表面積との比(Cassonの降伏値/BET比表面積)が500以下であり、かつ前記銀粉が、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有することを特徴とする銀粉である。
<2> 前記有機物が、1分子中に少なくとも1つのヒドロキシル基を有する脂肪酸である前記<1>に記載の銀粉である。
<3> 前記脂肪酸における1分子中の炭素数が6以上20以下である前記<2>に記載の銀粉である。
<4> 前記脂肪酸が、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸及びアロイリット酸から選択される少なくとも1種である前記<2>又は<3>に記載の銀粉である。
<5> BET比表面積が0.1m2/g以上2.0m2/g以下であり、レーザー回折式粒度分布測定法による体積基準の粒子径分布における累積50%粒子径(D50)が0.1μm以上6.0μm以下であり、かつ累積90%粒子径(D90)及び累積10%粒子径(D10)に対する前記D50の比[(D90−D10)/D50]が3.0以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の銀粉である。
<6> 湿式還元法により還元剤で銀粉を還元析出させた後、分散剤として1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を添加することを特徴とする銀粉の製造方法である。
<7> 前記還元剤が、アスコルビン酸、アルカノールアミン、水素化硼素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジン及びホルマリンから選択される少なくとも1種である前記<6>に記載の銀粉の製造方法である。
<8> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の銀粉を含有することを特徴とする導電性ペーストである。
<9> 感光性ペーストである前記<8>に記載の導電性ペーストである。
<10> 1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有する銀粉、ガラスフリット、樹脂、及び溶剤を含み、導電性ペーストのCassonの降伏値と、前記銀粉のBET比表面積との比(Cassonの降伏値/BET比表面積)が500以下であることを特徴とする導電性ペーストである。
<11> 前記有機物が1分子中に少なくとも1つのヒドロキシル基を有する脂肪酸であり、前記脂肪酸における1分子中の炭素数が6以上20以下である前記<10>に記載の導電性ペーストである。
<12> 前記脂肪酸が、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸及びアロイリット酸から選択される少なくとも1種である前記<11>に記載の導電性ペーストである。
<13> 前記銀粉のBET比表面積が0.1m2/g以上2.0m2/g以下であり、レーザー回折式粒度分布測定法による体積基準の粒子径分布における累積50%粒子径(D50)が0.1μm以上6.0μm以下であり、かつ累積90%粒子径(D90)及び累積10%粒子径(D10)に対する前記D50の比[(D90−D10)/D50]が3.0以下である前記<8>から<12>のいずれかに記載の導電性ペーストである。
<1> 銀粉が86質量%、ガラスフリットが1質量%、エチルセルロースが0.6質量%、テキサノールが10.5質量%、及び酸化亜鉛が1.9質量%からなる組成を有し、自公転式真空脱泡装置で混練し、三本ロールミルで分散することにより得られた導電性ペーストのCassonの降伏値と、前記銀粉のBET比表面積との比(Cassonの降伏値/BET比表面積)が500以下であり、かつ前記銀粉が、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有することを特徴とする銀粉である。
<2> 前記有機物が、1分子中に少なくとも1つのヒドロキシル基を有する脂肪酸である前記<1>に記載の銀粉である。
<3> 前記脂肪酸における1分子中の炭素数が6以上20以下である前記<2>に記載の銀粉である。
<4> 前記脂肪酸が、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸及びアロイリット酸から選択される少なくとも1種である前記<2>又は<3>に記載の銀粉である。
<5> BET比表面積が0.1m2/g以上2.0m2/g以下であり、レーザー回折式粒度分布測定法による体積基準の粒子径分布における累積50%粒子径(D50)が0.1μm以上6.0μm以下であり、かつ累積90%粒子径(D90)及び累積10%粒子径(D10)に対する前記D50の比[(D90−D10)/D50]が3.0以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の銀粉である。
<6> 湿式還元法により還元剤で銀粉を還元析出させた後、分散剤として1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を添加することを特徴とする銀粉の製造方法である。
<7> 前記還元剤が、アスコルビン酸、アルカノールアミン、水素化硼素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジン及びホルマリンから選択される少なくとも1種である前記<6>に記載の銀粉の製造方法である。
<8> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の銀粉を含有することを特徴とする導電性ペーストである。
<9> 感光性ペーストである前記<8>に記載の導電性ペーストである。
<10> 1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有する銀粉、ガラスフリット、樹脂、及び溶剤を含み、導電性ペーストのCassonの降伏値と、前記銀粉のBET比表面積との比(Cassonの降伏値/BET比表面積)が500以下であることを特徴とする導電性ペーストである。
<11> 前記有機物が1分子中に少なくとも1つのヒドロキシル基を有する脂肪酸であり、前記脂肪酸における1分子中の炭素数が6以上20以下である前記<10>に記載の導電性ペーストである。
<12> 前記脂肪酸が、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸及びアロイリット酸から選択される少なくとも1種である前記<11>に記載の導電性ペーストである。
<13> 前記銀粉のBET比表面積が0.1m2/g以上2.0m2/g以下であり、レーザー回折式粒度分布測定法による体積基準の粒子径分布における累積50%粒子径(D50)が0.1μm以上6.0μm以下であり、かつ累積90%粒子径(D90)及び累積10%粒子径(D10)に対する前記D50の比[(D90−D10)/D50]が3.0以下である前記<8>から<12>のいずれかに記載の導電性ペーストである。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、レベリング性が良好な導電性ペーストを製造できる銀粉及びその製造方法、並びに導電性ペーストを提供することができる。
(銀粉)
本発明の銀粉は、銀粉が86質量%、ガラスフリットが1質量%、エチルセルロースが0.6質量%、テキサノールが10.5質量%、及び酸化亜鉛が1.9質量%からなる組成を有し、自公転式真空脱泡装置で混練し、三本ロールミルで分散することにより得られた導電性ペーストのCassonの降伏値と、前記銀粉のBET比表面積との比(Cassonの降伏値/BET比表面積)が500以下であり、かつ前記銀粉が、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有することを特徴とする。
本発明の銀粉は、銀粉が86質量%、ガラスフリットが1質量%、エチルセルロースが0.6質量%、テキサノールが10.5質量%、及び酸化亜鉛が1.9質量%からなる組成を有し、自公転式真空脱泡装置で混練し、三本ロールミルで分散することにより得られた導電性ペーストのCassonの降伏値と、前記銀粉のBET比表面積との比(Cassonの降伏値/BET比表面積)が500以下であり、かつ前記銀粉が、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有することを特徴とする。
<Cassonの降伏値>
前記Casson降伏値(τ0)とは、τ:ずり応力、D:ずり速度として、√τと√Dの散布図より得られる以下の式(A)から求めることができる。
前記Casson降伏値(τ0)とは、τ:ずり応力、D:ずり速度として、√τと√Dの散布図より得られる以下の式(A)から求めることができる。
前記ずり応力τは、粘度(η)とずり速度(D)より以下の式(B)で算出することができる。
前記粘度は、BROOKFIELD社製の粘度計5XHBDV−IIIUCにおいて、コーン:CP52を用いて25℃で測定をした値とする。なお、コーン:CP52においてコーンの角度は3°である。
前記ずり速度Dは、コーンの角速度(ω)及びコーンの角度(θ)から得られる値であり、以下の式(C)より求めることができる。
前記Cassonの降伏値は、大きくなりすぎると導電性ペーストのレベリング性が悪化するため、600以下が好ましく、500以下がより好ましい。
<銀粉のBET比表面積>
前記銀粉のBET比表面積は、Macsorb HM−model 1210(MOUNTECH社製)を用いて窒素吸着によるBET1点法で測定することができる。なお、前記BET比表面積の測定において、測定前の脱気条件は60℃、10分間である。
本発明において、前記銀粉のBET比表面積は0.1m2/g以上2.0m2/g以下が好ましく、0.3m2/g以上1.5m2/g以下がより好ましい。前記BET比表面積が、0.1m2/g未満であると、銀粉のサイズが大きくなり、微細配線の描画に向かなくなることがあり、2.0m2/gを超えると、導電性ペーストにした際に粘度が高くなりすぎるために導電性ペーストを希釈して使用する必要があり、導電性ペースト中の銀濃度が低くなってしまうため配線が断線してしまうことがある。
前記銀粉のBET比表面積は、Macsorb HM−model 1210(MOUNTECH社製)を用いて窒素吸着によるBET1点法で測定することができる。なお、前記BET比表面積の測定において、測定前の脱気条件は60℃、10分間である。
本発明において、前記銀粉のBET比表面積は0.1m2/g以上2.0m2/g以下が好ましく、0.3m2/g以上1.5m2/g以下がより好ましい。前記BET比表面積が、0.1m2/g未満であると、銀粉のサイズが大きくなり、微細配線の描画に向かなくなることがあり、2.0m2/gを超えると、導電性ペーストにした際に粘度が高くなりすぎるために導電性ペーストを希釈して使用する必要があり、導電性ペースト中の銀濃度が低くなってしまうため配線が断線してしまうことがある。
前記銀粉のBET比表面積と前記Cassonの降伏値との比(Cassonの降伏値/BET比表面積)は、500以下である。
前記比(Cassonの降伏値/BET比表面積)が500以下であると、レベリング性が良好な導電性ペーストが得られる。
前記比(Cassonの降伏値/BET比表面積)が500以下であると、レベリング性が良好な導電性ペーストが得られる。
<銀粉>
前記銀粉としては、後述する銀粉の製造方法で詳細に説明するように、湿式還元法により製造され、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有しているものが好ましい。
ここで、前記「1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有する」とは、銀粉の表面に吸着、被覆などの何らかの方法によって有機物が付着している状態を含む意味であり、銀粉の表面の少なくとも一部に有機物を有していればよく、銀粉の表面全体が有機物を有していてもよいし、銀粉の表面の一部が有機物を有していてもよい。なお、銀粉の内部に有機物を有していても構わない。
前記銀粉としては、後述する銀粉の製造方法で詳細に説明するように、湿式還元法により製造され、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有しているものが好ましい。
ここで、前記「1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有する」とは、銀粉の表面に吸着、被覆などの何らかの方法によって有機物が付着している状態を含む意味であり、銀粉の表面の少なくとも一部に有機物を有していればよく、銀粉の表面全体が有機物を有していてもよいし、銀粉の表面の一部が有機物を有していてもよい。なお、銀粉の内部に有機物を有していても構わない。
(銀粉の製造方法)
本発明の銀粉の製造方法は、湿式還元法により還元剤で銀粉を還元析出させた後、分散剤として1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を添加するものであり、銀イオン分散液の調液工程と、銀の還元工程と、分散剤の吸着工程と、銀粉の洗浄工程と、銀粉の乾燥工程とを含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の銀粉の製造方法は、湿式還元法により還元剤で銀粉を還元析出させた後、分散剤として1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を添加するものであり、銀イオン分散液の調液工程と、銀の還元工程と、分散剤の吸着工程と、銀粉の洗浄工程と、銀粉の乾燥工程とを含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
−銀イオン分散液の調液工程−
前記銀イオン分散液の調液工程は、銀イオン分散液を調液する工程である。
銀イオンを含有する水性反応系としては、硝酸銀、銀錯体又は銀中間体を含有する水溶液又はスラリーを使用することができる。
前記銀錯体を含有する水溶液は、硝酸銀水溶液又は酸化銀懸濁液にアンモニア水又はアンモニウム塩を添加することにより生成することができる。これらの中でも、銀粉が適当な粒径と球状の形状を有するようにするためには、硝酸銀水溶液にアンモニア水を添加して得られる銀アンミン錯体水溶液を使用するのが好ましい。
前記銀アンミン錯体中におけるアンモニアの配位数は2であるため、銀1モル当たりアンモニア2モル以上を添加する。また、アンモニアの添加量が多過ぎると錯体が安定化し過ぎて還元が進み難くなるので、アンモニアの添加量は銀1モル当たりアンモニア8モル以下が好ましい。なお、還元剤の添加量を多くするなどの調整を行えば、アンモニアの添加量が8モルを超えても適当な粒径の球状銀粉を得ることは可能である。また、銀イオンを含有する水性反応系にpH調整剤を添加してもよい。前記pH調整剤としては、一般的な酸や塩基が使用することができ、例えば、硝酸、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
前記銀イオン分散液の調液工程は、銀イオン分散液を調液する工程である。
銀イオンを含有する水性反応系としては、硝酸銀、銀錯体又は銀中間体を含有する水溶液又はスラリーを使用することができる。
前記銀錯体を含有する水溶液は、硝酸銀水溶液又は酸化銀懸濁液にアンモニア水又はアンモニウム塩を添加することにより生成することができる。これらの中でも、銀粉が適当な粒径と球状の形状を有するようにするためには、硝酸銀水溶液にアンモニア水を添加して得られる銀アンミン錯体水溶液を使用するのが好ましい。
前記銀アンミン錯体中におけるアンモニアの配位数は2であるため、銀1モル当たりアンモニア2モル以上を添加する。また、アンモニアの添加量が多過ぎると錯体が安定化し過ぎて還元が進み難くなるので、アンモニアの添加量は銀1モル当たりアンモニア8モル以下が好ましい。なお、還元剤の添加量を多くするなどの調整を行えば、アンモニアの添加量が8モルを超えても適当な粒径の球状銀粉を得ることは可能である。また、銀イオンを含有する水性反応系にpH調整剤を添加してもよい。前記pH調整剤としては、一般的な酸や塩基が使用することができ、例えば、硝酸、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
−銀の還元工程−
前記銀の還元工程は、還元剤により銀を還元析出する工程である。
前記還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸塩、アルカノールアミン、過酸化水素水、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、グリオキサール、酒石酸、次亜燐酸ナトリウム、水素化硼素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ピロガロール、ぶどう糖、没食子酸、ホルマリン、無水亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中で、アスコルビン酸、アルカノールアミン、水素化硼素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジン及びホルマリンから選択される少なくとも1種が好ましく、ヒドラジン、ホルマリンが特に好ましい。
前記銀の還元工程は、還元剤により銀を還元析出する工程である。
前記還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸塩、アルカノールアミン、過酸化水素水、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、グリオキサール、酒石酸、次亜燐酸ナトリウム、水素化硼素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ピロガロール、ぶどう糖、没食子酸、ホルマリン、無水亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中で、アスコルビン酸、アルカノールアミン、水素化硼素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジン及びホルマリンから選択される少なくとも1種が好ましく、ヒドラジン、ホルマリンが特に好ましい。
前記還元剤を使用することにより、適当な粒径の銀粉を得ることができる。前記還元剤の含有量は、銀の反応収率を上げるためには、銀に対して1当量以上が好ましく、還元力の弱い還元剤を使用する場合には、銀に対して2当量以上が好ましく、10当量以上20当量以下がより好ましい。
前記還元剤の添加方法については、銀粉の凝集を防ぐために、1当量/分間以上の速さで添加するのが好ましい。この理由は明確ではないが、還元剤を短時間で投入することで、銀粉の還元析出が一挙に生じて、短時間で還元反応が終了し、発生した核同士の凝集が生じ難いため、分散性が向上すると考えられる。したがって、還元剤の添加時間が短いほど好ましく、例えば、還元剤を100当量/分間以上の速さで添加してもよく、また、還元の際には、より短時間で反応が終了するように反応液を攪拌するのが好ましい。また、還元反応時の液温は5℃以上80℃以下が好ましく、15℃以上40℃以下がより好ましい。
前記還元剤の添加方法については、銀粉の凝集を防ぐために、1当量/分間以上の速さで添加するのが好ましい。この理由は明確ではないが、還元剤を短時間で投入することで、銀粉の還元析出が一挙に生じて、短時間で還元反応が終了し、発生した核同士の凝集が生じ難いため、分散性が向上すると考えられる。したがって、還元剤の添加時間が短いほど好ましく、例えば、還元剤を100当量/分間以上の速さで添加してもよく、また、還元の際には、より短時間で反応が終了するように反応液を攪拌するのが好ましい。また、還元反応時の液温は5℃以上80℃以下が好ましく、15℃以上40℃以下がより好ましい。
得られる銀粉としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、球状又は不定形状の銀粉が好ましい。ここで、前記球状とは、走査型電子顕微鏡(SEM)で銀粉を観察した場合、粒子形状が球形又は略球形であり、粒子100個の球状度[球状度:SEM写真で粒子を観察した時の、(最も長径部の径)/(最も短径部の径)]が1.5以下である銀粉をいう。前記不定形状とは、SEMで観察した場合、粒子形状が、前記球状以外であり、円柱状、角柱状等の特定の粒子形状の特徴を有しない銀粉のことをいう。
−分散剤の吸着工程−
前記分散剤の吸着工程は、銀粉表面に分散剤を吸着させる工程である。
前記分散剤としては、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物が用いられる。
銀粉を還元析出させた後に前記分散剤を液中に添加することで銀粉表面へ分散剤を吸着させることができる。
前記分散剤の吸着工程は、銀粉表面に分散剤を吸着させる工程である。
前記分散剤としては、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物が用いられる。
銀粉を還元析出させた後に前記分散剤を液中に添加することで銀粉表面へ分散剤を吸着させることができる。
前記有機物は、1分子中に、鎖状炭化水素基に結合した少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む脂肪酸であることが好ましく、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する脂肪酸(ヒドロキシ脂肪酸ともいう)であることがより好ましい。前記ヒドロキシル基を含有させて銀粉表面をやや親水化させることで、より銀粉を溶剤に馴染み易くすることが可能となる。ただし、あまりに親水化させすぎると、逆に馴染みが悪くなってしてしまうのでヒドロキシル基数は1分子中に1以上5以下が好ましく、1以上3以下がより好ましい。
前記脂肪酸の炭素数は、6以上20以下が好ましく、12以上20以下がより好ましい。前記炭素数が、6未満であると、立体障害が起こらず凝集してしまうことがあり、20を超えると、焼成時に分散剤が分解せず導電性が悪化してしまうことがある。
前記脂肪酸の炭素数は、6以上20以下が好ましく、12以上20以下がより好ましい。前記炭素数が、6未満であると、立体障害が起こらず凝集してしまうことがあり、20を超えると、焼成時に分散剤が分解せず導電性が悪化してしまうことがある。
前記脂肪酸としては、銀粉への吸着性、銀粉からの脱離性のバランスを鑑みて、1分子中に1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する1価の脂肪酸を用いることが好ましい。
前記1分子中に1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含むヒドロキシ脂肪酸としては、例えば、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アロイリット酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記リシノール酸及び前記12−ヒドロキシステアリン酸は、脂肪酸の炭素鎖の1つの水素をヒドロキシル基に置換しており、脂肪酸の炭素数は、リシノール酸及びヒドロキシステアリン酸はともに18である。また、カルボキシ基を有する脂肪酸の炭素鎖の3つの水素をヒドロキシル基に置換している前記アロイリット酸のように、置換されるヒドロキシル基の数が複数である分散剤も、チクソ比の低減に好適である。
なお、前記分散剤の同定方法としては、FT−IRにより測定する方法や表面処理剤を溶媒抽出し炭素自動分析機やGC−MSにより測定する方法、もしくは、パイロライザーなどにより加熱することで銀粉表面より脱離した分散剤を炭素自動分析機やGC−MSにより測定する方法などを用いることが可能である。
前記1分子中に1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含むヒドロキシ脂肪酸としては、例えば、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アロイリット酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記リシノール酸及び前記12−ヒドロキシステアリン酸は、脂肪酸の炭素鎖の1つの水素をヒドロキシル基に置換しており、脂肪酸の炭素数は、リシノール酸及びヒドロキシステアリン酸はともに18である。また、カルボキシ基を有する脂肪酸の炭素鎖の3つの水素をヒドロキシル基に置換している前記アロイリット酸のように、置換されるヒドロキシル基の数が複数である分散剤も、チクソ比の低減に好適である。
なお、前記分散剤の同定方法としては、FT−IRにより測定する方法や表面処理剤を溶媒抽出し炭素自動分析機やGC−MSにより測定する方法、もしくは、パイロライザーなどにより加熱することで銀粉表面より脱離した分散剤を炭素自動分析機やGC−MSにより測定する方法などを用いることが可能である。
[リシノール酸]
前記リシノール酸は、下記構造式で表される不飽和脂肪酸であり、天然ではトウゴマの種子に存在する。なお、ひまし油の構成脂肪酸の約90%はリシノール酸のトリグリセリドである。
前記リシノール酸は、下記構造式で表される不飽和脂肪酸であり、天然ではトウゴマの種子に存在する。なお、ひまし油の構成脂肪酸の約90%はリシノール酸のトリグリセリドである。
[12−ヒドロキシステアリン酸]
前記12−ヒドロキシステアリン酸は、下記構造式で表される飽和脂肪酸である。
前記12−ヒドロキシステアリン酸は、下記構造式で表される飽和脂肪酸である。
[アロイリット酸]
前記アロイリット酸は、下記構造式で表される飽和脂肪酸である。
前記アロイリット酸は、下記構造式で表される飽和脂肪酸である。
前記有機物の付着量は、前記銀粉質量に対して、3.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましい。
前記分散剤の吸着工程における前記有機物の添加量は、前記銀粉質量に対して3.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましい。
前記分散剤の吸着工程における前記有機物の添加量は、前記銀粉質量に対して3.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましい。
−銀粉の回収及び洗浄工程−
前記銀粉の回収及び洗浄工程は、得られた銀粉を回収し、洗浄する工程である。
前記還元工程を経て得られた銀粉には、不純物が含有しているため洗浄する必要がある。
前記洗浄に用いられる洗浄溶媒としては、純水が好適である。前記回収及び洗浄の方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デカンテーションやフィルタープレスなどが挙げられる。洗浄の終点は、洗浄後の水の電気伝導度を用いて判断ができ、電気伝導度が0.5mS/m以下まで洗浄を実施するのが好適である。
前記銀粉の回収及び洗浄工程は、得られた銀粉を回収し、洗浄する工程である。
前記還元工程を経て得られた銀粉には、不純物が含有しているため洗浄する必要がある。
前記洗浄に用いられる洗浄溶媒としては、純水が好適である。前記回収及び洗浄の方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デカンテーションやフィルタープレスなどが挙げられる。洗浄の終点は、洗浄後の水の電気伝導度を用いて判断ができ、電気伝導度が0.5mS/m以下まで洗浄を実施するのが好適である。
−銀粉の乾燥工程−
前記銀粉の乾燥工程は、前記洗浄後の銀粉を乾燥する工程である。
洗浄後の銀粉は多くの水分を含有しているため、使用前に水分を除去する必要がある。前記水分除去の方法としては、真空乾燥とするのが好適である。乾燥温度は100℃以下とすることが好適である。あまり熱をかけてしまうと乾燥の時点で銀粉同士が焼結してしまうため好ましくない。
前記銀粉の乾燥工程は、前記洗浄後の銀粉を乾燥する工程である。
洗浄後の銀粉は多くの水分を含有しているため、使用前に水分を除去する必要がある。前記水分除去の方法としては、真空乾燥とするのが好適である。乾燥温度は100℃以下とすることが好適である。あまり熱をかけてしまうと乾燥の時点で銀粉同士が焼結してしまうため好ましくない。
得られた銀粉は乾式解砕処理や分級処理を施してもよい。前記解砕処理の代わりに、銀粉を機械的に流動化させることができる装置に銀粉を投入して、銀粉の粉同士を機械的に衝突させることによって、銀粉の表面の凹凸や角張った部分を滑らかにする表面平滑化処理を行ってもよい。また、解砕や平滑化処理の後に分級処理を行ってもよい。なお、乾燥、粉砕及び分級を行うことができる一体型の装置(例えば、ホソカワミクロン株式会社製のドライマイスタやミクロンドライヤなど)を用いて乾燥、粉砕及び分級を行ってもよい。
前記銀粉の製造方法により製造された、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と、少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有する銀粉は、以下の特性を有している。
[銀粉の粒度分布]
前記銀粉のレーザー回折式粒度分布測定法による体積基準の粒子径分布における累積50%粒子径(D50)は、0.1μm以上6.0μm以下が好ましく、0.1μm以上4.0μm以下がより好ましい。
累積90%粒子径(D90)及び累積10%粒子径(D10)に対する前記D50の比[(D90−D10)/D50]は、3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。
前記BET比表面積と同様に、銀粉の粒度分布が大きすぎると、微細配線の描画に向かなくなり、小さすぎると、導電性ペースト中の銀濃度を上げることが困難となる。また、粒度分布のピーク幅が狭く、粒径のばらつきが少なく、揃った銀粉であることが好ましい。
前記銀粉のレーザー回折式粒度分布測定法による体積基準の粒子径分布における累積50%粒子径(D50)は、0.1μm以上6.0μm以下が好ましく、0.1μm以上4.0μm以下がより好ましい。
累積90%粒子径(D90)及び累積10%粒子径(D10)に対する前記D50の比[(D90−D10)/D50]は、3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。
前記BET比表面積と同様に、銀粉の粒度分布が大きすぎると、微細配線の描画に向かなくなり、小さすぎると、導電性ペースト中の銀濃度を上げることが困難となる。また、粒度分布のピーク幅が狭く、粒径のばらつきが少なく、揃った銀粉であることが好ましい。
前記銀粉の粒度分布は、湿式レーザー回折式の粒度分布測定により行うことができる。即ち、湿式レーザー回折式の粒度分布測定は、銀粉0.1gをイソプロピルアルコール40mLに添加し、超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製のMODEL US−150T)にて2分間分散させる。次いで、分散液中の銀粉の粒度分布を、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、マイクロトラックMT3300EXII)を用いて測定する。測定結果をグラフ化し、銀粉の粒度分布の頻度と累積を求める。そして、累積10%粒径をD10、累積50%粒径をD50、累積90%粒径をD90と表記する。
(導電性ペースト)
本発明の導電性ペーストは、第1の形態では、本発明の前記銀粉を含有し、銀粉、ガラスフリット、樹脂、及び溶剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明の導電性ペーストは、第2の形態では、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有する銀粉、ガラスフリット、樹脂、及び溶剤を含み、導電性ペーストのCassonの降伏値と、前記銀粉のBET比表面積との比(Cassonの降伏値/BET比表面積)が500以下であることを特徴とする。
本発明の導電性ペーストは、第1の形態では、本発明の前記銀粉を含有し、銀粉、ガラスフリット、樹脂、及び溶剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明の導電性ペーストは、第2の形態では、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含む有機物を表面に有する銀粉、ガラスフリット、樹脂、及び溶剤を含み、導電性ペーストのCassonの降伏値と、前記銀粉のBET比表面積との比(Cassonの降伏値/BET比表面積)が500以下であることを特徴とする。
<銀粉>
前記銀粉としては、本発明の前記銀粉が用いられる。
前記銀粉の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、導電性ペースト全量に対して、40質量%以上90質量%以下が好ましい。
前記銀粉としては、本発明の前記銀粉が用いられる。
前記銀粉の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、導電性ペースト全量に対して、40質量%以上90質量%以下が好ましい。
<ガラスフリット>
前記ガラスフリットは、焼成した際に前記銀粉を基板に接着させるための成分である。
前記ガラスフリットとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸アルカリ金属系、ホウケイ酸アルカリ土類金属系、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸鉛系、ホウ酸鉛系、ケイ酸鉛系、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、環境に与える影響から、鉛を含まないものが好ましい。
前記ガラスフリットは、焼成した際に前記銀粉を基板に接着させるための成分である。
前記ガラスフリットとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸アルカリ金属系、ホウケイ酸アルカリ土類金属系、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸鉛系、ホウ酸鉛系、ケイ酸鉛系、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、環境に与える影響から、鉛を含まないものが好ましい。
前記ガラスフリットの軟化点は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、400℃以上600℃以下が好ましい。前記軟化点が、400℃未満であると、導電ペースト中の樹脂成分が蒸発する前にガラスの焼結が始まるため脱バインダー処理が良好に進行せず、その結果、焼成後に残留炭素となって導電膜剥がれの原因になる場合があり、600℃を超えると、600℃程度以下の温度で焼成したときに、十分な接着強度を有する緻密な導電膜が得られないことがある。
前記軟化点は、例えば、熱重量測定装置を用いて測定したDTA曲線の第2吸熱部の裾の温度から求めることができる。
前記ガラスフリットの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記銀粉に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。
前記軟化点は、例えば、熱重量測定装置を用いて測定したDTA曲線の第2吸熱部の裾の温度から求めることができる。
前記ガラスフリットの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記銀粉に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。
<樹脂>
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、エチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、エチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テキサノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化亜鉛等の金属酸化物、粘度調整剤、などが挙げられる。
<導電性ペーストの製造方法>
本発明で用いられる導電性ペーストの製造方法は、本発明の前記導電性ペーストの製造方法であって、
本発明の前記銀粉、前記ガラスフリット、前記樹脂、前記溶剤、及び必要に応じてその他の成分を自公転式真空脱泡装置で混練し、三本ロールミルで分散することが好ましい。
本発明で用いられる導電性ペーストの製造方法は、本発明の前記導電性ペーストの製造方法であって、
本発明の前記銀粉、前記ガラスフリット、前記樹脂、前記溶剤、及び必要に応じてその他の成分を自公転式真空脱泡装置で混練し、三本ロールミルで分散することが好ましい。
以下に、本発明における、具体的なペースト組成、及び導電性ペーストの作製フローを示す。
<ペースト組成>
<ペースト組成>
<導電性ペースト作製フロー>
本発明の導電性ペーストは、スクリーン印刷、オフセット印刷、フォトリソグラフィ法などにより、基板上に印刷することができる。前記スクリーン印刷の場合、導電性ペーストの粘度は、25℃、1回転において10Pa・s以上1,000Pa・s以下であることが好ましい。前記導電性ペーストの粘度が、10Pa・s未満であると、印刷時に「にじみ」が発生することがあり、1,000Pa・sを超えると、「かすれ」などの印刷むらが発生することがある。
前記導電性ペーストの粘度は、銀粉の含有量、粘度調整剤の添加や溶剤の種類により調整することができる。
前記導電性ペーストの粘度は、銀粉の含有量、粘度調整剤の添加や溶剤の種類により調整することができる。
前記導電性ペーストは、感光性ペーストとして好適に用いられ、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、フォトリソグラフィ法などにより、基板上に印刷することができる。
本発明の導電性ペーストは、例えば、太陽電池、チップ部品、ハイブリッドIC、デフォッガー、サーミスタ、バリスタ、サーマルヘッド、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出表示装置(FED)等の種々の電子部品の電極や回路、電磁波シールド材、などに好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例について説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で作製した各銀粉の有機物の同定、BET比表面積、及び粒度分布は、以下のようにして、測定した。
なお、実施例及び比較例で作製した各銀粉の有機物の同定、BET比表面積、及び粒度分布は、以下のようにして、測定した。
<有機物の同定>
作製した各銀粉の表面にある有機物は、パイロライザー(EGA/Py−3030D、Frontier Lab社製)を用い銀粉を300℃で加熱することによって銀粉表面より脱離した有機物をGC−MS(7890A/5975C、Agilent Technologies社製)を用いて同定した。
また、ヒドロキシル基を有する脂肪酸は極性が高く上記の手法では非常に感度が低いために官能基をメチル化する必要がある。その手法について以下に記載した。
銀粉0.5gに対し塩酸とメタノールの混合液(東京化成工業株式会社製のHydrogen Chloride−Methanol Reagent)1mLを添加し、50℃にて30分間加熱処理をすることにより、有機物を銀粉表面より脱離させ、官能基をメチル化させた。放冷した後、純水1mLとn−ヘキサン2mLを加えて振とうし、メチル化した有機物をヘキサン層へ抽出した。前記ヘキサン層を前記GC−MSを用いて成分分析を行うことにより、銀粉表面の有機物を同定した。以下、官能基をメチル化させた有機物を、その有機物の誘導体と記す。
作製した各銀粉の表面にある有機物は、パイロライザー(EGA/Py−3030D、Frontier Lab社製)を用い銀粉を300℃で加熱することによって銀粉表面より脱離した有機物をGC−MS(7890A/5975C、Agilent Technologies社製)を用いて同定した。
また、ヒドロキシル基を有する脂肪酸は極性が高く上記の手法では非常に感度が低いために官能基をメチル化する必要がある。その手法について以下に記載した。
銀粉0.5gに対し塩酸とメタノールの混合液(東京化成工業株式会社製のHydrogen Chloride−Methanol Reagent)1mLを添加し、50℃にて30分間加熱処理をすることにより、有機物を銀粉表面より脱離させ、官能基をメチル化させた。放冷した後、純水1mLとn−ヘキサン2mLを加えて振とうし、メチル化した有機物をヘキサン層へ抽出した。前記ヘキサン層を前記GC−MSを用いて成分分析を行うことにより、銀粉表面の有機物を同定した。以下、官能基をメチル化させた有機物を、その有機物の誘導体と記す。
<BET比表面積>
作製した各銀粉のBET比表面積は、BET比表面積測定装置(Macsorb HM−model 1210、MOUNTECH社製)を用いて、窒素吸着によるBET1点法により測定した。なお、前記BET比表面積の測定において、測定前の脱気条件は60℃、10分間とした。
作製した各銀粉のBET比表面積は、BET比表面積測定装置(Macsorb HM−model 1210、MOUNTECH社製)を用いて、窒素吸着によるBET1点法により測定した。なお、前記BET比表面積の測定において、測定前の脱気条件は60℃、10分間とした。
<粒度分布>
作製した各銀粉の粒度分布は、銀粉0.1gをイソプロピルアルコール40mLに添加し、超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製のMODEL US−150T)にて2分間分散させた後、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製のマイクロトラックMT3300EXII)を用いて測定し、当該測定結果をグラフ化し、銀粉の粒度分布の頻度と累積を求め、累積10%粒子径(D10)、累積50%粒子径(D50)、及び累積90%粒子径(D90)を測定した。
作製した各銀粉の粒度分布は、銀粉0.1gをイソプロピルアルコール40mLに添加し、超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製のMODEL US−150T)にて2分間分散させた後、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製のマイクロトラックMT3300EXII)を用いて測定し、当該測定結果をグラフ化し、銀粉の粒度分布の頻度と累積を求め、累積10%粒子径(D10)、累積50%粒子径(D50)、及び累積90%粒子径(D90)を測定した。
(実施例1)
−銀粉の作製−
銀を52g含有する硝酸銀溶液を3,600g準備し、前記硝酸銀溶液に濃度28質量%のアンモニア水溶液を160g加えて銀イオンを含有する水性反応系を調製し、液温を25℃とした。
前記銀イオンを含有する水性反応系へ、還元剤として80質量%ヒドラジン水溶液13gを加え十分に撹拌し、銀粉を含むスラリーを得た。
次に、得られた銀粉を含むスラリーに対して、分散剤として3.5質量%のリシノール酸(オレイン酸に対しヒドロキシル基が1つ付いたもの、炭素数18)エタノール溶液を5.9g加え、十分に撹拌した後、熟成させた。リシノール酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.4質量%である。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、解砕して実施例1の銀粉を得た。
−銀粉の作製−
銀を52g含有する硝酸銀溶液を3,600g準備し、前記硝酸銀溶液に濃度28質量%のアンモニア水溶液を160g加えて銀イオンを含有する水性反応系を調製し、液温を25℃とした。
前記銀イオンを含有する水性反応系へ、還元剤として80質量%ヒドラジン水溶液13gを加え十分に撹拌し、銀粉を含むスラリーを得た。
次に、得られた銀粉を含むスラリーに対して、分散剤として3.5質量%のリシノール酸(オレイン酸に対しヒドロキシル基が1つ付いたもの、炭素数18)エタノール溶液を5.9g加え、十分に撹拌した後、熟成させた。リシノール酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.4質量%である。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、解砕して実施例1の銀粉を得た。
得られた銀粉を評価した結果、BET比表面積が1.42m2/gであり、累積10%粒子径(D10)が0.9μm、累積50%粒子径(D50)が1.7μm、及び累積90%粒子径(D90)が3.4μmであり、比[(D90−D10)/D50]は(3.4−0.9)/1.7=1.5であった。また、上記の方法により銀粉に付着する有機物の分析を行った結果、リシノール酸誘導体に由来するピークが見られ、銀粉表面にリシノール酸が存在することが確認できた。
−導電性ペーストの作製−
得られた銀粉27gに対して、ガラスフリット(奥野製薬工業株式会社製、G3−5754)を0.3gと、酸化亜鉛(純正化学株式会社製、試薬特級)を0.6gと、エチルセルロース100cp(和光純薬工業株式会社製)を0.2gと、テキサノール(JNC株式会社製、CS−12)を3.3gとを加え、プロペラレス自公転式攪拌脱泡装置(シンキー株式会社製、AR−250)を用い、混合した。その後、3本ロールミル(EXAKT社製、EXAKT80S)を用いて、ロールギャップを徐々に狭めながら通過させて導電性ペーストを得た。
得られた銀粉27gに対して、ガラスフリット(奥野製薬工業株式会社製、G3−5754)を0.3gと、酸化亜鉛(純正化学株式会社製、試薬特級)を0.6gと、エチルセルロース100cp(和光純薬工業株式会社製)を0.2gと、テキサノール(JNC株式会社製、CS−12)を3.3gとを加え、プロペラレス自公転式攪拌脱泡装置(シンキー株式会社製、AR−250)を用い、混合した。その後、3本ロールミル(EXAKT社製、EXAKT80S)を用いて、ロールギャップを徐々に狭めながら通過させて導電性ペーストを得た。
得られた導電性ペーストを用いて、コーンの回転数を0.1rpm、1.0rpm、5.0rpm、及び10.0rpmとして粘度を測定した。粘度は、BROOKFIELD社製の粘度計5XHBDV−IIIUCにおいて、コーン:CP52を用いて25℃で測定した。
0.1rpm、1.0rpm、5.0rpm、及び10.0rpmでのずり速度は、それぞれ0.2rad/s、2.0rad/s、10.0rad/s、及び20.0rad/sであり、粘度はそれぞれ2,010Pa・s、396Pa・s、113Pa・s、及び62Pa・sであった。
これらから、ずり応力τを求めると、それぞれ402Pa、792Pa、1,130Pa、及び1,240Paであった。
√D及び√τを散布図にプロットすることにより、√τ=3.6×√D+20.7の式が得られ、Cassonの降伏値は429であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=429/1.42=302であった。
0.1rpm、1.0rpm、5.0rpm、及び10.0rpmでのずり速度は、それぞれ0.2rad/s、2.0rad/s、10.0rad/s、及び20.0rad/sであり、粘度はそれぞれ2,010Pa・s、396Pa・s、113Pa・s、及び62Pa・sであった。
これらから、ずり応力τを求めると、それぞれ402Pa、792Pa、1,130Pa、及び1,240Paであった。
√D及び√τを散布図にプロットすることにより、√τ=3.6×√D+20.7の式が得られ、Cassonの降伏値は429であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=429/1.42=302であった。
得られた導電ペーストを、スクリーン印刷機を用いて印刷し、目視にて観察したところ導電膜の凹凸もなくレベリング性は良好であった。
(参考例2)
−銀粉の作製−
実施例1において、分散剤を3.5質量%の12−ヒドロキシステアリン酸(ステアリン酸にヒドロキシル基が1つ付いたもの、炭素数18)エタノール溶液5.9gに変更した以外は、実施例1同様の手順にて銀粉を熟成させた。12−ヒドロキシステアリン酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.4質量%である。前記熟成された銀粉スラリーを濾過、水洗し、解砕して参考例2の銀粉を得た。
得られた銀粉を評価した結果、BET比表面積が1.31m2/gであり、累積10%粒子径(D10)が0.7μm、累積50%粒子径(D50)が1.5μm、及び累積90%粒子径(D90)が3.1μmであり、比[(D90−D10)/D50]は(3.1−0.7)/1.5=1.6であった。また、上記の方法により銀粉に付着する有機物の分析を行った結果、12−ヒドロキシステアリン酸誘導体に由来するピークが見られ、銀粉表面に12−ヒドロキシステアリン酸が存在することが確認できた。
−銀粉の作製−
実施例1において、分散剤を3.5質量%の12−ヒドロキシステアリン酸(ステアリン酸にヒドロキシル基が1つ付いたもの、炭素数18)エタノール溶液5.9gに変更した以外は、実施例1同様の手順にて銀粉を熟成させた。12−ヒドロキシステアリン酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.4質量%である。前記熟成された銀粉スラリーを濾過、水洗し、解砕して参考例2の銀粉を得た。
得られた銀粉を評価した結果、BET比表面積が1.31m2/gであり、累積10%粒子径(D10)が0.7μm、累積50%粒子径(D50)が1.5μm、及び累積90%粒子径(D90)が3.1μmであり、比[(D90−D10)/D50]は(3.1−0.7)/1.5=1.6であった。また、上記の方法により銀粉に付着する有機物の分析を行った結果、12−ヒドロキシステアリン酸誘導体に由来するピークが見られ、銀粉表面に12−ヒドロキシステアリン酸が存在することが確認できた。
−導電性ペーストの作製−
得られた銀粉を用いて、実施例1と同様の手法にて参考例2の導電性ペーストを得た。
得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様の手法にてCassonの降伏値を求めたところ450であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=450/1.31=344であった。
得られた導電ペーストを、スクリーン印刷機で印刷し、目視にて観察したところ、導電膜の凹凸もなくレベリング性は良好であった。
得られた銀粉を用いて、実施例1と同様の手法にて参考例2の導電性ペーストを得た。
得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様の手法にてCassonの降伏値を求めたところ450であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=450/1.31=344であった。
得られた導電ペーストを、スクリーン印刷機で印刷し、目視にて観察したところ、導電膜の凹凸もなくレベリング性は良好であった。
(実施例3)
−銀粉の作製−
銀を52g含有する硝酸銀溶液を3,700g準備し、前記硝酸銀溶液に濃度28質量%のアンモニア水溶液を150g加えて銀イオンを含有する水性反応系を調製し、液温を28℃とした。前記銀イオンを含有する水性反応系へ、還元剤として37質量%ホルマリン水溶液240gを加え十分に撹拌し、銀粉を含むスラリーを得た。
得られた銀粉を含むスラリーに対して、分散剤として2.0質量%のアロイリット酸(ステアリン酸に対しヒドロキシル基が3つ付いたもの、炭素数18)エタノール溶液を4.7g加え、十分に撹拌した後、熟成させた。アロイリット酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.18質量%である。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、解砕して実施例3の銀粉を得た。
−銀粉の作製−
銀を52g含有する硝酸銀溶液を3,700g準備し、前記硝酸銀溶液に濃度28質量%のアンモニア水溶液を150g加えて銀イオンを含有する水性反応系を調製し、液温を28℃とした。前記銀イオンを含有する水性反応系へ、還元剤として37質量%ホルマリン水溶液240gを加え十分に撹拌し、銀粉を含むスラリーを得た。
得られた銀粉を含むスラリーに対して、分散剤として2.0質量%のアロイリット酸(ステアリン酸に対しヒドロキシル基が3つ付いたもの、炭素数18)エタノール溶液を4.7g加え、十分に撹拌した後、熟成させた。アロイリット酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.18質量%である。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、解砕して実施例3の銀粉を得た。
得られた銀粉を評価した結果、BET比表面積が0.46m2/gであり、累積10%粒子径(D10)が1.6μm、累積50%粒子径(D50)が3.0μm、及び累積90%粒子径(D90)が5.5μmであり、比[(D90−D10)/D50]は(5.5−1.6)/3.0=1.3であった。また、上記の方法により銀粉に付着する有機物の分析を行った結果、アロイリット酸誘導体に由来するピークが見られ、銀粉表面にアロイリット酸が存在することが確認できた。
−導電性ペーストの作製−
得られた銀粉を用いて、実施例1と同様の手法にて実施例3の導電性ペーストを得た。
得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様の手法にてCassonの降伏値を求めたところ17であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=17/0.46=37であった。
得られた導電ペーストを、スクリーン印刷機で印刷し、目視にて観察したところ、導電膜の凹凸もなくレベリング性は良好であった。
得られた銀粉を用いて、実施例1と同様の手法にて実施例3の導電性ペーストを得た。
得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様の手法にてCassonの降伏値を求めたところ17であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=17/0.46=37であった。
得られた導電ペーストを、スクリーン印刷機で印刷し、目視にて観察したところ、導電膜の凹凸もなくレベリング性は良好であった。
(参考例4)
−銀粉の作製−
実施例3において、分散剤を2.0質量%の12−ヒドロキシステアリン酸(ステアリン酸にヒドロキシル基が1つ付いたもの、炭素数18)エタノール溶液4.7gに変更した以外は、実施例3と同様の手順にて銀粉を熟成させた。12−ヒドロキシステアリン酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.18質量%である。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、解砕して参考例4の銀粉を得た。
得られた銀粉を評価した結果、BET比表面積が0.42m2/gであり、累積10%粒子径(D10)が1.4μm、累積50%粒子径(D50)が2.7μm、及び累積90%粒子径(D90)が5.2μmであり、比[(D90−D10)/D50]は(5.2−1.4)/2.7=1.4であった。また、上記の方法により銀粉に付着する有機物の分析を行った結果、12−ヒドロキシステアリン酸誘導体に由来するピークが見られ、銀粉表面に12−ヒドロキシステアリン酸が存在することが確認できた。
−銀粉の作製−
実施例3において、分散剤を2.0質量%の12−ヒドロキシステアリン酸(ステアリン酸にヒドロキシル基が1つ付いたもの、炭素数18)エタノール溶液4.7gに変更した以外は、実施例3と同様の手順にて銀粉を熟成させた。12−ヒドロキシステアリン酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.18質量%である。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、解砕して参考例4の銀粉を得た。
得られた銀粉を評価した結果、BET比表面積が0.42m2/gであり、累積10%粒子径(D10)が1.4μm、累積50%粒子径(D50)が2.7μm、及び累積90%粒子径(D90)が5.2μmであり、比[(D90−D10)/D50]は(5.2−1.4)/2.7=1.4であった。また、上記の方法により銀粉に付着する有機物の分析を行った結果、12−ヒドロキシステアリン酸誘導体に由来するピークが見られ、銀粉表面に12−ヒドロキシステアリン酸が存在することが確認できた。
−導電性ペーストの作製−
得られた銀粉を用いて、実施例1と同様の手法にて参考例4の導電性ペーストを得た。
得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様の手法にてCassonの降伏値を求めたところ204であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=204/0.42=486であった。
得られた導電ペーストを、スクリーン印刷機で印刷し、目視にて観察したところ導電膜の凹凸もなくレベリング性は良好であった。
得られた銀粉を用いて、実施例1と同様の手法にて参考例4の導電性ペーストを得た。
得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様の手法にてCassonの降伏値を求めたところ204であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=204/0.42=486であった。
得られた導電ペーストを、スクリーン印刷機で印刷し、目視にて観察したところ導電膜の凹凸もなくレベリング性は良好であった。
(比較例1)
−銀粉の作製−
実施例1において、分散剤を3.5質量%のステアリン酸エタノール溶液5.9gに変更した以外は、実施例1と同様の手順にて銀粉を熟成させた。ステアリン酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.4質量%である。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、解砕して比較例1の銀粉を得た。
得られた銀粉を評価した結果、BET比表面積1.27m2/gであり、累積10%粒子径(D10)が0.5μm、累積50%粒子径(D50)が1.5μm、及び累積90%粒子径(D90)が3.1μmであり、比[(D90−D10)/D50]は(3.1−0.5)/1.5=1.7であった。また、上記の方法により銀粉に付着する有機物の分析を行った結果、ステアリン酸に由来するピークが見られ、銀粉表面にステアリン酸が存在することが確認できた。
−銀粉の作製−
実施例1において、分散剤を3.5質量%のステアリン酸エタノール溶液5.9gに変更した以外は、実施例1と同様の手順にて銀粉を熟成させた。ステアリン酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.4質量%である。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、解砕して比較例1の銀粉を得た。
得られた銀粉を評価した結果、BET比表面積1.27m2/gであり、累積10%粒子径(D10)が0.5μm、累積50%粒子径(D50)が1.5μm、及び累積90%粒子径(D90)が3.1μmであり、比[(D90−D10)/D50]は(3.1−0.5)/1.5=1.7であった。また、上記の方法により銀粉に付着する有機物の分析を行った結果、ステアリン酸に由来するピークが見られ、銀粉表面にステアリン酸が存在することが確認できた。
−導電性ペーストの作製−
得られた銀粉を用いて、実施例1と同様の手法にて比較例1の導電性ペーストを得た。得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様の手法にてCassonの降伏値を求めたところ701であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=701/1.27=552であった。
得られた導電性ペーストを、スクリーン印刷機で印刷し、目視にて観察したところ導電膜に凹凸が見られ、レベリング性は不良であった。
得られた銀粉を用いて、実施例1と同様の手法にて比較例1の導電性ペーストを得た。得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様の手法にてCassonの降伏値を求めたところ701であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=701/1.27=552であった。
得られた導電性ペーストを、スクリーン印刷機で印刷し、目視にて観察したところ導電膜に凹凸が見られ、レベリング性は不良であった。
(比較例2)
−銀粉の作製−
実施例3において、分散剤を2.0質量%のオレイン酸エタノール溶液4.7gに変更した以外は、実施例3と同様の手順にて銀粉を熟成させた。オレイン酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.18質量%である。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、解砕して比較例2の銀粉を得た。
得られた銀粉を評価した結果、BET比表面積が0.39m2/gであり、累積10%粒子径(D10)が1.6μm、累積50%粒子径(D50)が3.1μm、及び累積90%粒子径(D90)が6.2μmであり、比[(D90−D10)/D50]は(6.2−1.6)/3.1=1.5であった。また、上記の方法により銀粉に付着する有機物の分析を行った結果、オレイン酸に由来するピークが見られ、銀粉表面にオレイン酸が存在することが確認できた。
−銀粉の作製−
実施例3において、分散剤を2.0質量%のオレイン酸エタノール溶液4.7gに変更した以外は、実施例3と同様の手順にて銀粉を熟成させた。オレイン酸の添加量は、銀粉の質量に対して0.18質量%である。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、解砕して比較例2の銀粉を得た。
得られた銀粉を評価した結果、BET比表面積が0.39m2/gであり、累積10%粒子径(D10)が1.6μm、累積50%粒子径(D50)が3.1μm、及び累積90%粒子径(D90)が6.2μmであり、比[(D90−D10)/D50]は(6.2−1.6)/3.1=1.5であった。また、上記の方法により銀粉に付着する有機物の分析を行った結果、オレイン酸に由来するピークが見られ、銀粉表面にオレイン酸が存在することが確認できた。
−導電性ペーストの作製−
得られた銀粉を用いて、実施例1と同様の手法にて比較例2の導電性ペーストを得た。
得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様の手法にてCassonの降伏値を求めたところ304であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=304/0.39=780であった。
得られた導電性ペーストを、スクリーン印刷機で印刷し、目視にて観察したところ導電膜に凹凸が見られ、レベリング性は不良であった。また、所々断線も確認された。
得られた銀粉を用いて、実施例1と同様の手法にて比較例2の導電性ペーストを得た。
得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様の手法にてCassonの降伏値を求めたところ304であり、“Cassonの降伏値/BET比表面積”=304/0.39=780であった。
得られた導電性ペーストを、スクリーン印刷機で印刷し、目視にて観察したところ導電膜に凹凸が見られ、レベリング性は不良であった。また、所々断線も確認された。
以上の実施例及び比較例について、BET比表面積とCassonの降伏値とCassonの降伏値/BET比表面積の値を表3に示す
以上の実施例及び比較例の対比により、“Cassonの降伏値/BET比表面積”を500以下とした銀粉を用いることにより、レベリング性に優れた導電性ペーストを提供できることがわかった。
本発明の銀粉を含有する導電性ペーストは、レベリング性が良好であるため、種々の電子部品の電極や回路を形成するのに好適に利用可能である。
Claims (4)
- 銀の表面の少なくとも一部に有機物を有し、
前記有機物が、リシノール酸、及び1分子中の炭素数が6以上20以下であり、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と複数のヒドロキシル基とを含む化合物、から選択される少なくとも1種であることを特徴とする銀粉。 - 前記1分子中の炭素数が6以上20以下であり、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と複数のヒドロキシル基とを含む化合物が、アロイリット酸である請求項1に記載の銀粉。
- 湿式還元法により銀イオンを含有する水性反応系に還元剤で銀を還元析出させ、還元析出した前記銀を含むスラリーに、有機物を添加した後、回収及び洗浄する工程と、
前記銀の表面の少なくとも一部に有機物を付着させる工程と、を含む銀粉の製造方法であり、
前記有機物が、リシノール酸、及び1分子中の炭素数が6以上20以下であり、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と複数のヒドロキシル基とを含む化合物、から選択される少なくとも1種であることを特徴とする銀粉の製造方法。 - 前記1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と複数のヒドロキシル基とを含む化合物が、アロイリット酸である請求項3に記載の銀粉の製造方法。
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| CN117862520A (zh) * | 2024-03-11 | 2024-04-12 | 云南师范大学 | 一种使用紫胶制备片状银粉的方法 |
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-
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