JP2017103068A - 荷電粒子反射器、質量分析器、およびイメージング質量分析装置 - Google Patents

荷電粒子反射器、質量分析器、およびイメージング質量分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 空間分解能の低下を抑制することのできる荷電粒子反射器を提供する。【解決手段】 荷電粒子反射器9は、荷電粒子が入射する開口部をそれぞれ有する複数の開口電極91を有し、荷電粒子を反射する。複数の開口電極91の少なくとも1つが、複数の開口電極91がそれぞれ有する開口部の中心軸を挟んで対向配置された2つの対向電極(901aおよび901b、902aおよび902b)からなる対電極(901、902)を、少なくとも2対有する多重極電極である。【選択図】 図1

Description

本発明は、荷電粒子反射器、質量分析器、およびイメージング質量分析装置に関する。
生体試料の物質分布を検出する手法として、「イメージング質量分析」が注目を集めている。一般に質量分析とは、レーザー光、イオン、電子等の一次ビームを照射することによって試料をイオン化し、イオン化した試料を質量電荷比によって分離し、質量電荷比とその検出強度からなるスペクトルを得る方法である。イメージング質量分析においては、試料の表面を二次元的に質量分析し、それぞれの質量電荷比に対応する物質の二次元的な検出強度の分布を得ることにより、試料の表面における各物質の分布、すなわち「質量イメージ」を測定する。イメージング質量分析によれば、生体分子や薬剤分子などの同定が可能なうえ、その空間的分布を測定することができる。
イメージング質量分析におけるイメージングの方式としては、走査型と投影型の2つの方式がある。
走査型は、試料上の微小領域を順次質量分析し、質量分析の結果と当該微小領域の位置情報とから、質量イメージを再構成する方式である。走査型において、空間分解能は微小領域のサイズ等に依存しており、一次ビームのビーム径や、一次ビームの走査位置精度によって決まる。
投影型は、試料上の所定の領域内の試料を一括してイオン化し、放出されたイオンを荷電粒子レンズによって二次元検出器上に結像させることによって、それぞれのイオンの試料表面における位置を一括して検出しつつ、質量分析する方式である。投影型のイメージング質量分析における空間分解能は、二次元検出器におけるイオン到達位置の測定精度や、荷電粒子レンズの倍率や収差等によって決まる。
また、質量分析は、イオン化した試料を質量電荷比によって分離して検出する方法によっても分類され、その一つに、飛行時間型質量分析がある。飛行時間型質量分析では質量電荷比によってイオンの飛行速度が異なることを利用し、イオンが試料から放出されてから検出器まで一定距離を飛行するために要する時間(いわゆる飛行時間)を計測することで、当該イオンの質量電荷比を測定する。質量分析においては質量電荷比の測定精度、すなわち質量分解能が高いことが望ましい。
特許文献1には、イオンミラー(荷電粒子反射器)を用いたイメージング質量分析装置が記載されている。イオンミラーを用いることでイオンの飛行距離を延長してイオンの飛行時間を増大し、質量分解能を向上させることができる。
特表2015−506537号公報
イメージング質量分析においては空間分解能が高いことが要求され、投影型のイメージング質量分析においては、荷電粒子レンズの収差を抑制することによって空間分解能を向上させることができる。また、イメージング質量分析においては空間分解能が高いことに加えて、質量分解能が高いことも要求される。そこで、投影型のイメージング質量分析装置にイオンミラーを組み合わせることで、高い空間分解能と高い質量分解能を両立するイメージング質量分析装置を実現できる可能性がある。
投影型のイメージング質量分析装置にイオンミラーを組み合わせる場合、試料から発生したイオンを二次元検出器上で結像させる荷電粒子レンズの光軸と、イオンミラーの中心軸とが交差するように、イオンミラーを配置する必要がある。したがって、イオンはイオンミラーに対して斜めに入射し、イオンミラーに対して斜めに出射するように反射される。
投影型のイメージング質量分析装置において、試料から発生したイオンは試料上におけるイオンの発生位置に応じた位置関係を保ったまま飛行し、イオンミラーにおいて反射され、二次元検出器上に結像される。そのため、イオンミラーで反射される際に、イオンミラーの中心軸近くに入射するイオンと、遠くに入射するイオンとで、イオンミラーを構成する電極との間に働くクーロン力に差が生じる。その結果、二次元検出器上に結像される質量イメージに歪みが生じ、空間分解能が低下してしまう。すなわち、従来の荷電粒子反射器を投影型のイメージング質量分析装置に適用すると、空間分解能が低下してしまうという課題があった。
そこで本発明は上述の課題に鑑み、空間分解能の低下を抑制することのできる荷電粒子反射器を提供することを目的とする。
本発明の荷電粒子反射器は、荷電粒子が入射する開口部をそれぞれ有する複数の開口電極と、2つの対向電極が前記複数の開口電極がそれぞれ有する前記開口部の中心軸を挟んで対向して配置された対電極を少なくとも2対有する多重極電極と、を有することを特徴とする。
本発明の荷電粒子反射器によれば、空間分解能の低下を抑制することができる。
第1の実施形態に係るイメージング質量分析装置の、(a)構成を模式的に示す断面図、(b)荷電粒子反射器の構成を模式的に示す図、(c)多重極電極の構成を模式的に示す図、および(d)二次イオンの飛行軌道に沿った電位を模式的に示す図である。 第1の実施形態に係る荷電粒子レンズの構成を模式的に示す図であり、(a)荷電粒子レンズの一例、(b)円錐電極、(c)アパーチャー電極、(d)円筒電極を示す図である。 第1の実施形態に係る荷電粒子反射器の、(a)構成を模式的に示す図、(b)各電極に印加する電位の一例を示す図、および(c)多重極電極の変形例を模式的に示す図である。 第2の実施形態に係るイメージング質量分析装置の構成を模式的に示す断面である図。 第1の実施形態に係るシミュレーションモデルの、(a)斜視図、(b)断面図、(c)荷電粒子反射器の拡大図、および(d)多重極電極の拡大図である。 第1の実施形態に係る質量イメージの空間分解能の評価結果を示す図である。 第1の実施形態に係る質量イメージの歪みの評価結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明においては、その趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下に説明する実施形態に対して適宜変更、改良等が加えられたものについても本発明の範囲に含まれる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る荷電粒子反射器を有するイメージング質量分析装置について、図1〜図3を用いて説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る荷電粒子反射器を有するイメージング質量分析装置の構成を模式的に示す図である。図1(a)に示すように、本実施形態に係るイメージング質量分析装置100は、イオン銃1と、試料ステージ3と、荷電粒子レンズ4と、荷電粒子反射器9と、二次元検出器5と、を有する。以下、イメージング質量分析装置100を「分析装置100」、荷電粒子反射器9を「反射器9」と称する。各部は真空容器6を構成、または真空容器6に内包されている。また、図1(a)には示されていないが、分析装置100は、真空排気系、各電極の電位を規定する電源、および信号処理系を有する。真空排気系によって真空容器6の内部の気体は排気され、真空容器6の内部は高真空状態に保たれていることが好ましい。本実施形態では、荷電粒子レンズ4と、荷電粒子反射器9と、二次元検出器5と、によって飛行時間型質量分析器が構成される。
以下、分析装置100が有する各構成要素について詳述する。
<イオン銃>
イオン銃1は、試料ステージ3によって保持された試料2に対してイオンビームを照射する。本実施形態では一例として、各種のガスより生成されるクラスターイオンを照射するクラスターイオン銃を用いた場合について説明する。しかし、イオン銃1はこれに限定はされず、イオン銃1として液体金属イオン源や、デュオプラズマトロン、表面電離型イオン源等を用いてもよい。またイオン銃の代わりに電子銃や、他の荷電粒子源を用いてもよい。
本実施形態では試料2に対してイオン銃1を用いてイオンビームを照射することで、試料2をイオン化し、試料2に由来するイオンを発生させる。一般に、試料2に対して照射するイオンは1次イオン、試料2に対して1次イオンを照射することで試料2から発生したイオンは2次イオンと呼ばれる。このようにして発生した2次イオンを質量分析計で検出して分析する方法は、二次イオン質量分析法(SIMS)と呼ばれる。すなわち、本実施形態に係る分析装置100は二次イオン質量分析装置である。
図1(a)に示すように、イオン銃1は、ノズル11、イオン化部12、質量選別器13、チョッパー14、および一次イオン用レンズ15を有する。
ノズル11にはガス導入配管を通じてAr、Ne、He、Kr等の希ガスや、CO、CO、N、O、NO、SF、Cl、NH等の分子性ガス、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、または水等が供給される。これらの水やアルコールには、酸や塩基を混ぜても良い。ガス導入圧は特に限定されないが、0.001気圧以上100気圧以下の範囲内であればよく、0.1気圧以上20気圧以下であるとさらによい。
ノズル11からガスが真空中に噴射される際に、供給されたガスまたは液体は超音速に加速される。その際に断熱膨張によりガスが冷却され、原子または分子の集合体であるクラスターを含むガスが生成される。少なくともクラスターとガスのいずれかはイオン化部12に入射する。イオン化部12には、例えば熱フィラメントなどの電子源が配置されている。そして、電子源で発生した電子により、クラスターを構成する原子または分子がイオン化され、クラスターイオンが生成される。
イオン化部12では様々なサイズを有するクラスターイオンおよびモノマーイオンが生成され、それらは適当に加速されてから質量選別器13に入射する。質量選別器13に入射したクラスターイオンおよびモノマーイオンは質量選別器13によって質量電荷比によって選別され、所望のサイズ(質量)を有するクラスターイオンビーム(イオンビームA)が生成される。なお、質量選別器13は、飛行時間型、四重極型、または磁場型のいずれの質量選別器であってもよい。
さらに、イオンビームAはチョッパー14によってパルス化される。なお、チョッパー14に代えて、パルス的にガスを噴射するノズル、またはパルス的にクラスターをイオン化するイオン化部を用いても、パルス化されたイオンビームAを得ることができる。チョッパー14は、パルス幅が数十ns程度、あるいはパルス幅がそれより短くなるように、高速パルス駆動が可能であることが望ましい。
イオンビームAの加速エネルギーは数keV〜数十keVであるが、一次イオンビームの収束性や二次イオン発生効率を向上させる観点から、数十keV以上としてもよい。
パルス化されたイオンビームAは上記のように加速された後、一次イオン用レンズ15で適当に収束され、試料2に照射される。その結果、試料2の表面からは中性粒子、電子、および二次イオン等が放出される。
<試料ステージ>
試料ステージ3は、分析装置100によって分析を行う試料2を保持する。試料ステージ3はイオン銃1に対して相対的に移動可能に構成されている。これにより、イオン銃1によってイオンビームAを照射する試料2上の領域の位置を移動させることができる。
<荷電粒子レンズ>
荷電粒子レンズ4は、試料2から発生した二次イオンBを二次元検出器5上に投影し、結像させる。荷電粒子レンズ4は試料ステージ3に対して対向して配置される。
図2は、荷電粒子レンズ4の構成の一例を示す図である。荷電粒子レンズ4は図2(a)に示すように、引出し電極41と、第1のレンズ電極42と、第2のレンズ電極43と、を有する。
荷電粒子レンズ4を構成する各電極の形状は、荷電粒子を通過させるための開口部を有していれば特に限定はされない。すなわち、円錐型の電極(図2(b))であってもよいし、円形の開口を有する平板状の電極(アパーチャー電極)(図2(c))や、円筒型の電極(図2(d))であってもよい。
また荷電粒子レンズ4を駆動する際には、不図示の電源により荷電粒子レンズ4を構成する各々の電極に対して適当な電圧を印加する。特に、試料2に最も近い引出し電極41の試料2に対する電位は引出し電圧と呼ばれ、両者の間に形成されている電場は引出し電場と呼ばれる。試料2から放出された二次イオンBは引出し電場により加速され、荷電粒子レンズ4に入射する。その後、二次イオンBは引出し電極41、第1のレンズ電極42および第2のレンズ電極43によって形成された電場により収束される。収束された二次イオンB1は荷電粒子レンズ4の光軸44上を、荷電粒子レンズ4に対して試料2の反対側に位置する反射器9に向かって飛行する。
なお、ここでは荷電粒子レンズ4を構成する電極の数が3個である場合について説明したが、荷電粒子レンズ4を構成する電極の数はこれに限定されるものではなく、4個、5個、あるいはそれ以上であってもよい。また、本実施形態では荷電粒子レンズ4を電場型の荷電粒子レンズとしたが、荷電粒子レンズ4は磁場型の荷電粒子レンズであってもよい。
<電位規定器>
分析装置100は、荷電粒子レンズ4と反射器9の間に電位規定器10を有していてもよい。電位規定器10は、内部にイオンが飛行する空間を有し、当該空間の電位を一定に規定する。本実施形態では、電位規定器10は、内部にイオンが飛行する空間と、イオンが通過する開口部を有する導体製の直方体である。すなわち電位規定器10は、荷電粒子4と反射器9との間を飛行する荷電粒子の軌道と、反射器9と二次元検出器5との間を飛行する荷電粒子の軌道とを包含する空間を覆っている。電位規定器10は、不図示の電源によって適当な電圧を印加されていてもよい。なお、電位規定器10と真空容器6の電位を同電位にしてもよい場合は、電位規定器10を省略してもよい。
電位規定器10または真空容器6の電位は、飛行する二次イオンB1および二次イオンB2が荷電粒子レンズ4と反射器9との間、および反射器9と二次元検出器5との間において等速運動を行うように設定される。本実施形態では、荷電粒子レンズ4と反射器9との間、および反射器9と二次元検出器5との間において、二次イオンB1および二次イオンB2は、少なくとも荷電粒子レンズ4の光軸方向には、加速または減速されない。
電位規定器10を構成する材質は導体であれば特に限定はされず、ステンレス鋼、アルミ合金、無酸素銅、リン青銅等でもよく、ミューメタル、パーマロイ、電磁軟鉄等の高透磁率材でもよい。特に、高透磁率材を用いた場合は、電位規定器10は磁気シールドとしての機能も発揮できるため、外部から侵入する磁場によってイオンの軌道が変化することを抑制できる。その結果、外部磁場の存在により、ローレンツ力によって二次イオンの飛行方向に対して垂直な方向に質量イメージが移動することが抑制でき、質量イメージの画質を向上させることができる。また、磁場による荷電粒子レンズ4の収差を縮小でき、空間分解能の低下を抑制できる。なお、真空容器6を高透磁率材で製作し、磁気シールドとしてもよい。
<荷電粒子反射器>
反射器9は、入射した荷電粒子を反射する。反射器9は、反射器9の中心軸C2と荷電粒子レンズ4の光軸C1とがなす角(チルト角)θが、0°より大きく90°より小さくなるように配置されている。したがって、荷電粒子レンズ4を通過した二次イオンB1は反射器9に、反射器9の中心軸C2に対して斜めに入射する。後述するように、二次イオンは反射器9の内部を飛行する過程で減速された後、反射器9の中心軸C2に対してチルト角θをもって反射される。
図1(b)に示すように、反射器9は複数の開口電極91を有する。また、複数の開口電極91の少なくとも1つは、複数の開口電極91がそれぞれ有する開口部の中心軸を挟んで対向配置された2つの対向電極からなる対電極を、少なくとも2対有する多重極電極90である。
開口電極91は荷電粒子が通過可能な開口部を有しており、それぞれの開口電極91が有する開口部が同軸上になるように列を成して配置されていることが好ましい。なお、反射器9は荷電粒子が入射してくる側とは反対側に、開口部を有さない終端部電極92を有していてもよい。
開口電極91の形状は、開口部を有していれば特に限定はされず、円形、矩形、多角形、不定形のいずれであってもよい。開口電極91を板状電極とすることで、複数の開口電極91を高密度に配置できるので好ましい。また、反射器9が有する開口電極91の数は特に限定はされないが、反射器9は開口電極91を10個以上20個以下有することが好ましい。開口電極91の数を10個以上とすることで、反射器9の内部に形成される電場を制御しやすく、より効率的に荷電粒子を反射することができる。
多重極電極90、開口電極91、および終端部電極92には適当な電圧が印加され、これにより各電極の間には電場が形成されている。この電場は、反射器9に入射した荷電粒子である二次イオンB1が減速され、終端部電極92に至る途中で反射(二次イオンB2)するように設定される。複数の開口電極91のうちの2つの開口電極の間には、二次イオンの電荷と同じ極性を有し、当該2つの開口電極のうち上流側の開口電極に対する二次イオンの加速電位の絶対値と同等以上の絶対値を有する電位差が印加されていればよい。
ここで、開口電極に対する二次イオンの加速電位は、試料2に対する開口電極の電位差としてもよいし、二次イオンの運動エネルギーを電位によって表した値としてもよい。なお、隣接する開口電極91間の電位差は一定であってもよいが、異なっていてもよい。隣接する開口電極91間の電位差を一定としないことで、反射器9の内部に湾曲した等電位面を生じさせることができ、イオンを収束させる効果を有するため好ましい。
多重極電極90は、2つの対向電極が開口電極91の開口部の中心軸を挟んで対向して配置された対電極を、少なくとも2対有する。換言すると、多重極電極90は、それぞれの対電極を構成する2つの対向電極によって規定される開口部を有する。
本実施形態に係る多重極電極90は、図1(c)に示すように、2対の対電極(対電極901および対電極902)を有する。それぞれの対電極は2つの対向電極、例えば対向電極901aと対向電極901bとを有し、これらが開口部の中心軸を挟んで対称的に、対向配置されている。本実施形態に係る多重極電極90は2対の対電極を有するので、4つの対向電極を有する四重極電極である。2対の対電極同士の位置関係は、一方の対電極を開口部の中心軸に関して90度回転させたときに重なり合う関係にある。
本実施形態において、2対の対電極は、一方の対電極と他方の対電極との間の境界が、二次イオンB1の入射方向と反射器9の開口部の中心軸C2を含む平面に対して45度の角度をなすように配置されている。なお、対向電極の形状を図1(c)に示すような扇型としたが、円形や矩形、多角形等の他の形状であってもよい。
1つの対電極を構成する2つの対向電極には、対向電極電源95によって同じ電位が印加される。印加する電位を対電極ごとに変えることで、それぞれの対電極の間に適当な電位差を発生させることができる。対電極ごとに電位が異なることにより、多重極電極90の開口部を通過する荷電粒子と対向電極との間に働くクーロン力が、対電極ごとに異なることになる。これにより、例えば第1の対電極を構成する2つの対向電極よりも、第2の対電極を構成する2つの対向電極に接近するように、荷電粒子に引力または斥力を加えることができる。この結果、荷電粒子の飛行軌道を修正することができ、質量イメージの歪みを補正することができる。
例えば、図1(c)に示すように多重極電極90を2対の対電極から構成される四重極電極とし、四重極電場を発生させる場合を考える。ここで、一方の対電極901と他方の対電極902との間の境界が、荷電粒子(二次イオンB1)の入射方向と反射器9の開口部の中心軸C2を含む平面に対して45度の角度をなすように配置する。すなわち、当該平面は荷電粒子の飛行軌道を含む平面となる。このとき、当該平面に交差する位置に配置された一方の対電極901に荷電粒子が引き寄せられるように電位を印加する。換言すると、当該平面に交差する位置に配置されていない他方の対電極902から荷電粒子が遠ざかるように電位を印加する。すなわち、当該平面と交差する位置に配置されている対電極901には、他方の対電極902に対して荷電粒子とは逆極性の電位が印加されように、それぞれの対電極に電位を印加する。例えば、二次イオンB1が正電荷を有する正イオンの場合、当該平面と交差する位置に配置されている一方の対電極901の電位が、他方の対電極902の電位よりも低くなるように、それぞれの対電極に電位を印加する。また、二次イオンB1が負電荷を有する負イオンの場合、前者の対電極901の電位が、後者の対電極902の電位よりも高くなるように、それぞれの対電極に電位を印加する。これにより、荷電粒子(二次イオン)がイオンミラーに対して斜めに入射することに起因して発生する質量イメージの歪みを抑制するように、荷電粒子(二次イオン)の飛行軌道を修正することができる。
なお、ここでは2対の対電極から構成される四重極電極について説明したが、これに限定はされず、3対以上の対電極から構成される多重極電極の場合でも同様である。すなわち、多重極電極が有する複数の対電極のうち、荷電粒子の飛行軌道を含む平面と交差する位置に配置されている対電極には、荷電粒子の電荷が正である場合にはその他の対電極のいずれよりも低い電位を印加する。また、多重極電極が有する複数の対電極のうち、荷電粒子の飛行軌道を含む平面と交差する位置に配置されている対電極には、荷電粒子の電荷が負である場合にはその他の対電極のいずれよりも高い電位を印加する。これにより、荷電粒子(二次イオン)が荷電粒子の飛行軌道を含む平面と交差する位置に配置されている対電極の方向へ引き寄せられるようになる。その結果、荷電粒子(二次イオン)がイオンミラーに対して斜めに入射することに起因して発生する質量イメージの歪みを抑制するように、荷電粒子(二次イオン)の飛行軌道を修正することができる。
多重極電極90は、荷電粒子が少なくとも1回は通過する位置に配置されていることが好ましい。これにより、多重極電極90によって形成される電場により、荷電粒子の飛行軌道を修正することができる。また、多重極電極90は、荷電粒子が2回通過する位置に配置されていることがより好ましい。これにより、荷電粒子の飛行軌道を修正する効果を大きくすることができる。
上述のように、二次イオンは荷電粒子反射器にチルト角θで斜めに入射し、荷電粒子反射器からチルト角θで中心軸に対して斜めに出射する。このため、通常の荷電粒子反射器を用いると、荷電粒子反射器を用いずにそのまま結像させたときに比べて、収差が増大し、空間分解能が低下してしまう。しかし本実施形態では上述のように多重極電極90を用いることで、四重極電場等の多重極電場を生じさせることができる。多重極電場が存在すると、反射器9の中心軸に対して垂直な方向に、収差が低減するように、荷電粒子の軌道を変化させることができる。そのため、二次元検出器5上に結像される質量イメージの空間分解能を向上させることができる。
上述のように、本実施形態では反射器9に入射した荷電粒子である二次イオンB1が終端部電極92に至る途中で反射(二次イオンB2)するような電場を形成するように、各開口電極91に電位が印加される。具体的には上述のように、2つの開口電極91間に荷電粒子の加速電位に相当する電位差が生じるように、電位が印加される。ここで図3(a)に示すように、この2つの開口電極91のうち、荷電粒子の入射方向について上流側の開口電極91を第1の開口電極911、下流側の開口電極91を第2の開口電極912とする。このとき、多重極電極90を第1の開口電極911と第2の開口電極912の間に配置する。図1(b)のように、二次イオンが反射する位置よりも多重極電極90が上流側に設置すれば、二次イオンである荷電粒子が多重極電極90の開口部を2回通過することになる。
ここで、第1の開口電極911と多重極電極90との間に配置された開口電極91を第3の開口電極913、第2の開口電極912と多重電極90との間に配置された開口電極91を第4の開口電極914とする。このとき、多重極電極90を構成する各対電極に印加する電位の平均値が、第3の開口電極913の電位および第4の開口電極914の電位の平均値と等しくなるように制御することが好ましい。
このように構成することで、それぞれの対電極に印加する電位を変化させても、多重極電極90を通過する荷電粒子の速度の、通過前後での変化量を低減できるように制御できる。したがって、反射器9内で荷電粒子が反射する位置が変動してしまうことを抑制できる。これにより、荷電粒子の飛行距離の変化による質量分析の精度が低下することを抑制できる。
なお、第3の開口電極913の電位と第4の開口電極914の電位は図3(b)に示すように等しいことがより好ましい。すなわち、多重極電極90を構成する各対電極に印加する電位の平均値が、第3の開口電極913の電位および第4の開口電極914の電位と等しいことがより好ましい。これにより、上記効果をより発揮することができる。
なお、本実施形態では多重極電極90が2対の対電極を有する場合について説明したが、多重極電極90が有する対電極の数は特に限定はされない。多重極電極90が有する対電極の数は少なくとも2対であればよく、例えば3対や4対であってもよい。多重極電極90が有する対電極の数を増やすと、多重極電極90によって形成される電場を四重極電場以上の多重極電場とすることができるという効果を有する。一例として、4対の対電極を有する多重極電極900の例を、図3(c)に示す。このとき、多重極電極900は八重極電場を生成することができる。
また、本実施形態では反射器9が多重極電極90を1つ有する場合について説明したが、これに限定はされない。すなわち、反射器9は2つ以上の多重極電極90を有していてもよい。
<二次元検出器>
二次元検出器5は、反射器9に対向して配置され、反射器9に入射し、反射器9から出射した荷電粒子である二次イオンB2を検出する。反射器9から出射した二次イオンB2は再び電位規定器10に入射し、等速運動を行った後、電位規定器10の出口に設置された二次元検出器5で検出される。二次元検出器5は二次元検出器5に到達した二次イオンB2の二次元検出器5上における位置情報(座標)と信号強度、および二次イオンB2を検出した時間(時刻)を信号処理系に送信する。
二次イオンが試料2から放出されてから、荷電粒子レンズ4、電位規定器10、および反射器9を経て二次元検出器5で検出されるまでに経過した時間(飛行時間)は、二次イオンの発生時刻と二次元検出器5での検出時刻の差として測定できる。本実施形態では、クラスターイオンAが試料2に入射する時刻を二次イオンが放出される発生時刻として扱うことができる。また、二次イオンの飛行する距離と、二次イオンの加速電位は予め知ることができるため、二次イオンの質量分析が可能となる。特に、電位規定器10内部での二次イオンの飛行距離が充分に長い場合には、下記の式(1)のLに対して当該飛行距離を代入し、上述の飛行時間をtに代入すれば、近似的に二次イオンの質量電荷比が求めることができる。
ここで、mはイオンの質量、zはイオンの価数、Vはイオンの加速電位、eは素電荷である。
前述の通り、二次イオンが二次元検出器5に到達する際に、荷電粒子レンズ4の収束作用によって試料2から放出された二次イオンが二次元検出器5の表面で結像される。つまり、試料2の表面上の一点と、二次元検出器5の表面上の一点とが一対一で対応する。そのため、試料2上の各点に対して質量分析を行うことができる。その結果、一次イオンビームを走査することなくイメージング質量分析が可能となる。
(イオン光学シミュレーション)
次に、本発明に係る反射器9の機能および効果を具体的に示すために、反射器9を含む分析装置100のイオン光学シミュレーションの結果を示す。
(シミュレーションモデル)
試料2、荷電粒子レンズ4、反射器9、検出器5が図5(a)および図5(b)のように配置された分析装置100のモデルを作成し、イオン光学シミュレーションを行った。
試料2の表面から10[mm]の離れた位置に荷電粒子レンズ4を設置した。荷電粒子レンズ4は、外径は50[mm]、頂角70度の同軸の3個の円錐電極で構成されており、各々は直径10[mm]の開口部を有するものとした。ここで、この円錐電極の中心軸が荷電粒子レンズ4の光軸C1となる。荷電粒子レンズ4を構成する3個の円錐電極は上流側から順に引出し電極41、第1のレンズ電極42、第2のレンズ電極43であり、それぞれの間隔は10[mm]とした。なお、上記の各電極間の距離は、各々の開口部の位置を基準とした。
さらに、第2のレンズ電極43から410[mm]下流に反射器9を設置した。なお、荷電粒子レンズ4と反射器9の間は等電位空間とした。
反射器9は、厚さ2.5[mm]、直径50[mm]の円板状の12枚の開口電極(911〜920、922〜923)を備えるものとした。それぞれの開口電極は、中心に内径30[mm]の円形の開口部を設けた。各開口電極は、隣接する開口電極と同軸、かつ2.5[mm]間隔になるよう設置した。したがって、各開口電極の開口部の中心軸が反射器9の中心軸C2となる。反射器9の中心軸C2は、荷電粒子レンズ4の光軸C1に対してチルト角5度で設置した。
また、図5(c)のように、12枚の開口電極の間に、多重極電極921を配置した。具体的には、イオン(荷電粒子)の入射側から順に、10枚目の開口電極920と、図5(d)のように2対の対電極が配置された多重極電極921と、開口電極922を配置した。
多重極電極921は4つの扇形の対向電極を有しており、各対向電極が中心軸C2を挟んで対称に設置されている。各対向電極は、中心角45度、外径50[mm]、内径30[mm]、厚さ2.5[mm]の扇型の電極とし、対向する2個の電極ごとに対をなしている。2対の対電極は同一平面上に配置し、これによって形成される内径30[mm]の開口部が他の開口電極の開口部と同軸となるように、多重極電極921を配置した。なお、一方の対電極と他方の対電極との間には、電気的に絶縁されるように1.5[mm]の隙間が設けた。
また、図5(a)のように、光軸C1と中心軸C2を含む平面内で、中心軸C2から光軸C1とは反対側に5度傾いた直線(反射光軸C3)上に二次元検出器5を設置した。反射器9と二次元検出器5との距離は350[mm]とした。なお、反射光軸C3が二次元検出器5の表面に垂直に入射するように、二次元検出器5を設置した。
試料2には0[V]、引出し電極41には−2400[V]、第1のレンズ電極42には−460[V]、第2のレンズ電極43には−1600[V]をそれぞれ印加した。また、反射器9の有する開口電極91のうち最上流に配置される開口電極911、二次元検出器5には、−1600[V]をそれぞれ印加した。また、反射器9の有する各開口電極、多重極電極921を構成する対電極921aおよび対電極921b、終端部電極92に対しては、表1に示す電圧をそれぞれ印加した。すなわち、本実施形態に係るモデルであるモデル1においては対電極921aに−164[V]、対電極921bに−156[V]をそれぞれ印加した。また、比較のためのモデルであるモデル2においては対電極921aおよび対電極921bに−160[V]をそれぞれ印加した。したがって、モデル1においては多重極電極921によって形成される電場は四重極電場となり、モデル2においては多重極電極921によって形成される電場は他の開口電極と同じ、通常の電場となる。
この条件で、試料2から放出された正イオンの飛行軌道を、イオン光学シミュレーションによって計算した。正イオンの運動エネルギーは10[eV]であり、正イオンの運動の方向は、試料2の法線を中心に有限の角度分布を有する。
なお、試料2の法線と荷電粒子レンズ4の光軸は平行である。本シミュレーションでは、試料2上の点P1、P2からそれぞれ放出された二次イオンが二次元検出器5表面にそれぞれ形成するスポットQ1、Q2を分離することができるか否かによって、質量イメージの空間分解能を評価した。この場合、試料2上の各点から放出されたそれぞれの二次イオンが有する運動の方向の角度分布は−15[deg]〜+15[deg]とした。
また、試料2上の格子状の9個の点P3〜P11からそれぞれ放出された二次イオンが二次元検出器5表面にそれぞれ形成するスポットQ3〜Q11の位置関係から、質量イメージの歪みの大小を判断した。なおこの場合、試料2上の各点から放出されたそれぞれの二次イオンが有する運動の方向の角度分布は−5[deg]〜+5[deg]とした。
(空間分解能評価)
まず、質量イメージの空間分解能の評価について説明する。
図5(b)の細い実線Bが示すように、試料2から放出されたイオンは荷電粒子レンズ4、反射器9を経て二次元検出器5で検出される。図6(a)は試料2近傍の拡大図であり、二次イオンは試料2上の点P1、P2から−15[deg]〜+15[deg]の角度分布を持って放出される。図6(b)から、それぞれの点から放出された二次イオンは二次元検収器5上に収束していること、すなわち結像していることがわかった。
試料2上の2点(P1およびP2)の間の距離を変えて、空間分解能の評価を行った。具体的には、P1およびP2のY座標を同一としたままX座標を変えることにより、2点の間の距離Lを5[μm]づつ変えていき、二次元検出器5上に形成されるスポットが重なるか否かで空間分解能を評価した。
図6(c)はモデル2においてLが55[μm]の場合の二次元検出器5上に形成されるスポット、図6(d)はモデル2においてLが50[μm]の場合の二次元検出器5上に形成されるスポットをそれぞれ示す。図6(c)および図6(d)から、Lが55[μm]の場合には二次元検出器5上の2つのスポットが独立しているものの、Lが50[μm]の場合には二次元検出器5上の2つのスポットが独立しておらず、一部が重なっていることがわかった。このことから、モデル2における空間分解能は55[μm]であると評価できる。また、スポットの形状は楕円型であり、楕円度は50〜60%であった。モデル2では楕円度が高いため、縦方向と横方向とで空間分解能が異なるという課題も存在する。
図6(e)はモデル1においてLが40[μm]の場合の二次元検出器5上に形成されるスポット、図6(f)はモデル1においてLが35[μm]の場合の二次元検出器5上に形成されるスポットをそれぞれ示す。図6(e)および図6(f)から、Lが40[μm]の場合には二次元検出器5上の2つのスポットが独立しているものの、Lが35[μm]の場合には二次元検出器5上の2つのスポットが独立しておらず、一部が重なっていることがわかった。このことから、モデル1における空間分解能は40[μm]であると評価できる。また、モデル1においてはスポットの形状がほぼ円形となっており、縦方向と横方向とで空間分解能が異なるという課題を解決できたことが示された。
結果的に、モデル1ではモデル2に比べて空間分解能を55[μm]から40[μm]へと約30%改善することができた。この効果は、反射器9に斜めに入射したことに起因する二次イオンの軌道の乱れが、多重極電極921が生じさせる四重極電場によって抑制された結果である。
(質量イメージの歪み評価)
次に、質量イメージの歪みの評価について説明する。
試料2上の0.3[mm]間隔で格子状に並んだ点P1〜P9から放出された二次イオンが二次元検出器5上に形成したスポットQ1〜Q9の位置関係によって、質量イメージの歪みの評価を行った。すなわち、点P1〜P9の各点は試料2上で等間隔の格子状に配置されているので、質量イメージに歪みが無ければ、スポットQ1〜Q9も等間隔の格子状に配置される。そこからのずれを評価することで、質量イメージの歪みを評価した。図7(a)は試料2近傍の二次イオンの軌道を示す拡大図であり、図7(b)は二次元検出器5近傍の二次イオンの軌道を示す拡大図である。
図7(c)は、モデル2におけるスポットQ1〜Q9を示す。図7(c)に示すように、X方向の長さであるQ3とQ9、およびQ1とQ7との間の距離は、いずれも23[mm]であった。また、Y方向の長さであるQ1とQ3、およびQ7とQ9との距離は、いずれも27[mm]であった。したがって、質量イメージはX方向に縮小されていることがわかった。
図7(d)は、モデル1におけるスポットQ1〜Q9を示す。図7(d)に示すように、X方向の長さであるQ3とQ9、およびQ1とQ7との間の距離、Y方向の長さであるQ1とQ3、およびQ7とQ9との距離は、いずれも26[mm]であった。したがって、本実施形態によれば質量イメージの歪みも改善できることがわかった。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る荷電粒子反射器を有するイメージング質量分析装置について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係るイメージング質量分析装置の構成を模式的に示す図である。
本実施形態に係るイメージング質量分析装置101は、第1の実施形態に係る分析装置100の有するイオン銃1の代わりに、レーザー光源16を有する。レーザー光源16はレーザー光Lを発生し、レーザー光Lは光学窓17を介して真空容器6中の試料2に入射し、その表面よりイオンを放出させる。なおこのとき、試料2にマトリクス剤を付与してもよい。レーザー光源16の種類は特に限定はされず、紫外線レーザー、赤外レーザーや、可視レーザーのいずれであってもよい。これ以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態では、レーザー光Lがパルス化されており、これによりパルス的にイオンが放出される。したがって、レーザー光Lが試料2を照射する時刻を基準として、二次元検出器5でイオンが検出される時刻を測定することで、飛行時間を取得することができる。
このように、本実施形態においてもレーザー光Lの照射によって試料2から放出されたイオンを二次元検出器5に結像させ、飛行時間を測定することにより、イメージング質量分析を行うことが可能となる。
本実施形における飛行時間型イメージング質量分析装置では、空間分解能の高い質量イメージを測定できることに加え、マトリクス剤を付与した試料をレーザー光で照射することにより、生体分子等の高分子を感度良く検出することができる。
9 荷電粒子反射器
90 多重極電極
901、902 対電極
901a、901b、902a、902b 対向電極
91 開口電極

Claims (19)

  1. 荷電粒子が入射する開口部をそれぞれ有する複数の開口電極を有し、前記荷電粒子を反射する荷電粒子反射器であって、
    前記複数の開口電極の少なくとも1つが、前記複数の開口電極がそれぞれ有する前記開口部の中心軸を挟んで対向配置された2つの対向電極からなる対電極を、少なくとも2対有する多重極電極であることを特徴とする荷電粒子反射器。
  2. 前記多重極電極が有する複数の前記対電極のうち、前記荷電粒子の飛行軌道を含む平面と交差する位置に配置されている対電極は、前記荷電粒子の電荷が正である場合にはその他の対電極のいずれよりも低い電位が印加され、前記荷電粒子の電荷が負である場合にはその他の対電極のいずれよりも高い電位が印加されることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子反射器。
  3. 前記複数の開口電極が、前記複数の開口電極がそれぞれ有する前記開口部の中心軸が同軸上になるように列をなして配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の荷電粒子反射器。
  4. 前記多重極電極が、前記複数の開口電極のうちの2つの開口電極の間に配置されており、
    前記2つの開口電極の間に、前記荷電粒子の電荷と同じ極性を有し、前記2つの開口電極のうち上流側の開口電極に対する前記荷電粒子の加速電位の絶対値と同等以上の絶対値を有する電位差が印加されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の荷電粒子反射器。
  5. 前記2つの開口電極の間であって、前記荷電粒子が前記多重極電極の開口部を少なくとも1回は通過する位置に、前記多重極電極が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の荷電粒子反射器。
  6. 前記2つの開口電極の間であって、前記荷電粒子が前記多重極電極の開口部を2回通過する位置に、前記多重極電極が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の荷電粒子反射器。
  7. 前記多重極電極が有する複数の前記対電極のそれぞれに含まれる2つの前記対向電極の電位が、それぞれの前記対電極ごとに等しいことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の荷電粒子反射器。
  8. 前記多重極電極に含まれる前記対向電極に印加される電位の平均値が、前記多重極電極に隣接する2つの前記開口電極の電位の平均値と等しいことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の荷電粒子反射器。
  9. 前記2つの開口電極のうち上流側の開口電極である第1の開口電極と前記多重極電極との間に配置された第3の開口電極と、
    前記2つの開口電極のうち下流側の開口電極である第2の開口電極と前記多重極電極との間に配置された第4の開口電極と、を備え、
    前記第3の開口電極の電位と前記第4の開口電極の電位が等しいことを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれか一項に記載の荷電粒子反射器。
  10. 前記多重極電極に含まれる前記複数の対向電極の電位の平均値が、前記第3の開口電極および前記第4の開口電極の電位と等しいことを特徴とする請求項9に記載の荷電粒子反射器。
  11. 前記開口電極がいずれも平板状の電極であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の荷電粒子反射器。
  12. 前記多重極電極が、前記対電極を2対有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の荷電粒子反射器。
  13. 一方の前記対電極ともう一方の前記対電極との間の境界が、前記荷電粒子の入射方向と前記開口部の中心軸を含む平面に対して45度の角度をなすように配置されていることを特徴とする請求項12に記載の荷電粒子反射器。
  14. 前記2つの開口電極の間に、入射した前記荷電粒子を収束させる湾曲した等電位面が存在することを特徴とする請求項4乃至請求項13のいずれか1項に記載の荷電粒子反射器。
  15. 荷電粒子レンズと、
    前記荷電粒子レンズに対向して配置された請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の荷電粒子反射器と、
    前記荷電粒子レンズを通過し、前記荷電粒子反射器によって反射された荷電粒子の飛行方向に配置された二次元検出器と、を備える質量分析器。
  16. 前記荷電粒子レンズの光軸と前記荷電粒子反射器の中心軸とがなす角が、0°より大きく90°より小さいことを特徴とする請求項15に記載の質量分析器。
  17. 前記荷電粒子レンズと前記荷電粒子反射器との間を飛行する前記荷電粒子の軌道と、前記荷電粒子反射器と前記二次元検出器との間を飛行する前記荷電粒子の軌道と、を包含する空間を覆う磁気シールドを有することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の質量分析器。
  18. 試料を保持する試料ステージと、
    前記試料ステージによって保持された前記試料に対してイオンビームを照射するイオン銃と、
    請求項15乃至請求項17のいずれか一項に記載の質量分析器と、を有し、
    前記荷電粒子レンズが前記試料に対向して配置されていることを特徴とするイメージング質量分析装置。
  19. 試料を保持する試料ステージと、
    前記試料ステージによって保持された前記試料に対してレーザー光を照射するレーザー光源と、
    請求項15乃至請求項17のいずれか一項に記載の質量分析器と、を有し、
    前記荷電粒子レンズが前記試料に対向して配置されていることを特徴とするイメージング質量分析装置。
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