本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、車両に搭載された車載器と、ユーザに所持された携帯機(電子キー)との間において、車両のドアロックを解錠するための通信を実行する車両用無線通信システムに関する。前述のごとく、本実施例は、ドアロック解錠におけるリレーアタックの危険性を低減することを目的とする。車載器は、リクエスト信号につづいて、2つの測定用信号(以下、前方に配置される方を「1回目測定用信号」、後方に配置される方を「2回目測定用信号」という)を送信する。ここで、2回目測定用信号の送信強度は、1回目測定用信号の送信強度と異なるように設定される。携帯機は、リクエスト信号を受信すると、ウエイクアップするとともに、1回目測定用信号の受信強度を測定する。さらに、携帯機は、2回目測定用信号の信号強度を測定する。携帯機は、測定した1回目測定用信号の受信強度の情報と、測定した2回目測定用信号の受信強度の情報とをレスポンス信号に含めて車載器に送信する。
車載器は、レスポンス信号を受信すると、レスポンス信号に含まれた1回目測定用信号の受信強度の情報と、2回目測定用信号の受信強度の情報とを抽出する。車載器は、1回目測定用信号の受信強度と、2回目測定用信号の受信強度との関係、例えば、1/2倍、2倍等を特定する。また、車載器は、1回目測定用信号の送信強度と、2回目測定用信号の送信強度との関係も特定する。さらに、車載器は、受信強度における関係と、送信強度における関係とを比較する。車載器は、比較の結果、両方の関係が対応している場合、車両のドアロックを解錠する。1回目測定用信号の送信強度の情報と、2回目測定用信号の送信強度の情報は、車載器から携帯機に送信されず、車載器の内部処理でのみ使用されるので、その値が解明されるおそれが低くなる。また、測定した受信強度を判定するので、再現が困難になり、リレーアタックがなされにくくなる。なお、本実施例では詳細な説明は省略するが、車載器は、ドアロックの解錠につづけて、解錠したドアを自動的に開扉するようにしてもよい。
図1(a)−(b)は、本発明の実施例の比較例に係る車両用無線通信システム200の構成を示す。図1(a)は、車両用無線通信システム200による通常の解錠動作を示す。車両用無線通信システム200では、車両110に、左側方アンテナ220、右側方アンテナ222、リアアンテナ224が配置されるとともに、ユーザ210が携帯機212を所持する。また、左側方アンテナ220、右側方アンテナ222、リアアンテナ224は、車両110に搭載された車載器に接続される。ここで、左側方アンテナ220、右側方アンテナ222、リアアンテナ224からは、LF(Low Frequency)の信号、例えば、125kHz帯の信号が送信され、携帯機212においてLFの信号が受信される。また、携帯機212からは、UHF(Ultra High Frequency)の信号、例えば、300MHz帯の信号が送信され、左側方アンテナ220、右側方アンテナ222、リアアンテナ224においてUHFの信号が受信される。
車両用無線通信システム200は、前述のキー操作フリーシステムに対応し、キー操作フリーシステムは、スマートエントリー方式、スマートキー方式、パッシブキーレスエントリー(PKE:Passive Keyless Entry)方式とも呼ばれる。これらにおいて、携帯機212は、車両110に搭載された車載器からのLFの信号を受信し、正しい車載器からのLFの信号であれば、UHFの信号を返信する。このように携帯機212は、自動的に応答して車両110のドアロックを解錠させる。ここで、LFの信号およびUHFの信号には、暗号化がなされており、それらに含まれたデータの解読は困難である。さらに、車載器から送信されるLFの信号の通信距離は、車両110から2m程度の範囲に限定されているので、車両110から遠く離れた携帯機212が間違って応答することはない。
図1(b)は、車両用無線通信システム200に対してリレーアタックがなされている場合の動作を示す。リレーアタックのために、左側方アンテナ220、右側方アンテナ222、リアアンテナ224と携帯機212との間に、第1中継器230、第2中継器232が配置される。ここで、第1中継器230、第2中継器232の配置は、車両110の所有者であるユーザ210以外の第三者によってなされる。リレーアタックでは、第1中継器230、第2中継器232によって、車載器、携帯機212間の信号が中継され、ユーザ210の意志とは関係なく、車両110のドアロックが解錠される。
左側方アンテナ220、右側方アンテナ222、リアアンテナ224から送信されたLFの信号は、第1中継器230に受信され、UHFの信号に変換される。第1中継器230からのUHFの信号は、第2中継器232に受信され、LFの信号に受信される。第2中継器232からのLFの信号は、携帯機212に受信される。一般的に、LFの信号の通信距離が短いので、第1中継器230と第2中継器232との間では、通信距離の長いUHFの信号への周波数変換がなされる。
この場合の信号を図2(a)−(d)を使用しながら、さらに詳細に説明する。図2(a)−(d)は、図1(b)の車両用無線通信システム200において使用される信号を示す。特に、図2(a)は、車載器での信号を示し、図2(b)は、第1中継器230での信号を示し、図2(c)は、第2中継器232での信号を示し、図2(d)は、携帯機212での信号を示す。図2(a)の上段は、車載器において生成されたベースバンド信号を示し、図2(a)の下段は、車載器において、ベースバンド信号をもとに変調したLFの信号を示す。LFの信号が、左側方アンテナ220、右側方アンテナ222、リアアンテナ224から送信される。
図2(b)の上段は、第1中継器230が受信したLFの信号を示す。図2(b)の中段は、第1中継器230において、LFの信号を復調して取得したベースバンド信号を示す。図2(b)の下段は、第1中継器230において、ベースバンド信号をもとに変調したUHFの信号を示す。UHFの信号が、第1中継器230から送信される。図2(c)の上段は、第2中継器232が受信したUHFの信号を示す。図2(c)の中段は、第2中継器232において、UHFの信号を復調して取得したベースバンド信号を示す。図2(c)の下段は、第2中継器232において、ベースバンド信号をもとに変調したLFの信号を示す。LFの信号が、第2中継器232から送信される。図2(d)の上段は、携帯機212が受信したLFの信号を示す。図2(d)の下段は、携帯機212において、LFの信号を復調して取得したベースバンド信号を示す。図1(b)に戻る。
一方、携帯機212からのUHFの信号は、第2中継器232、第1中継器230で中継されて、左側方アンテナ220、右側方アンテナ222、リアアンテナ224に受信されてもよく、中継されずに直接受信されてもよい。このように、車載器と携帯機212との間に、第1中継器230、第2中継器232を配置するだけで、車載器と携帯機212は、図1(a)と同様の処理を実行する。そのため、第1中継器230、第2中継器232では、暗号の解析がなされなくても、車両110の解錠が可能になる。
図3は、本発明の実施例に係る車両用無線通信システム100の構成を示す。車両用無線通信システム100は、車両110、携帯機12を含む。車両110は、車載器10、センサ14、ECU16、ドアロック機構18を含む。車載器10は、車載器用制御部30、LF送信部32、UHF受信部34を含み、車載器用制御部30は、車載器用生成部36、ID記憶部38、車載器用判定部40を含む。携帯機12は、LF受信部50、測定部52、携帯機用制御部54、UHF送信部56を含み、携帯機用制御部54は、ID記憶部60、携帯機用判定部62、携帯機用生成部64を含む。
車両110のセンサ14は、車両110のドアノブ等に設けられ、ユーザによってタッチされたことを検出する。センサ14には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。センサ14は、タッチを検出した場合、車載器用制御部30に検出を通知する。
車載器10の車載器用制御部30は、センサ14からの通知を受けつけると、車載器用生成部36に信号の生成を指示する。車載器用生成部36は、車載器用制御部30からの指示を受けつけると、ID記憶部38に記憶されたIDを抽出し、当該IDが含まれたリクエスト信号を生成する。このIDは、携帯機12とのペア認証のために使用される。なお、リクエスト信号に含められる際に、IDには暗号化がなされてもよい。また、車載器用生成部36において生成されたリクエスト信号はベースバンド信号である。車載器用生成部36は、リクエスト信号をLF送信部32に出力する。
LF送信部32は、車載器用生成部36からリクエスト信号を入力する。LF送信部32は、リクエスト信号に対して変調処理を実行することによって、LFの信号のリクエスト信号(以下、これもまた「リクエスト信号」という)を生成する。LF送信部32は、リクエスト信号をアンテナから携帯機12に送信する。なお、LF送信部32に接続されたアンテナ、後述のUHF受信部34に接続されたアンテナは、図1(a)−(b)の左側方アンテナ220、右側方アンテナ222、リアアンテナ224のように配置される。
また、LF送信部32は、リクエスト信号の送信につづいて1回目測定用信号、2回目測定用信号を携帯機12に送信する。1回目測定用信号、2回目測定用信号は、携帯機12に受信強度を測定させるための信号であり、LFの信号である。特に、2回目測定用信号は、1回目測定用信号の送信強度とは異なった送信強度を有するように車載器用制御部30に設定される。ここで、異なった送信強度は、大きな送信強度であってもよく、小さな送信強度であってもよい。また、1回目測定用信号の送信強度と、2回目測定用信号の送信強度との関係は、送信ごとに変更されてもよい。
図4(a)−(d)は、車両用無線通信システム100において使用される信号を示す図である。特に、図4(a)が、車載器10のLF送信部32から送信されるLFの信号を示す。タイミング「T1」においてセンサ14からの通知を受けつけると、車載器10は、リクエスト信号、1回目測定用信号、2回目測定用信号をつづけて送信する。この他は後述する。
図5(a)−(d)は、車両用無線通信システム100において使用される信号を示す別の図である。図5(a)は、車載器用生成部36において生成されるリクエスト信号を示し、リクエスト信号は、図示のごとく、ベースバンド信号である。図5(b)は、LF送信部32から送信されるLFの信号を示す。図示のごとく、LFの信号に変調されたリクエスト信号につづいて、1回目測定用信号、2回目測定用信号が送信される。ここで、2回目測定用信号の送信強度は、1回目測定用信号の送信強度の50%に設定される。この他は後述し、図3に戻る。
携帯機12のLF受信部50は、リクエスト信号を車載器10から受信するとともに、1回目測定用信号、2回目測定用信号を車載器10から受信する。LF受信部50は、受信したリクエスト信号を復調して、ベースバンド信号のリクエスト信号(以下、これもまた「リクエスト信号」という)を生成する。LF受信部50は、リクエスト信号を携帯機用制御部54に出力する。携帯機用制御部54は、LF受信部50からのリクエスト信号を受けつけると、携帯機12をウエイクアップさせる。
これにつづいて、LF受信部50は、受信した1回目測定用信号、2回目測定用信号を測定部52に出力する。測定部52は、1回目測定用信号の受信強度、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator)を測定する。また、測定部52は、2回目測定用信号の受信強度も測定する。図6は、測定部52に含まれるRSSI回路の特性を示す。図示のごとく、LFの受信信号の強度が、RSSI回路の出力に対応づけられる。例えば、LFの受信信号の強度が「R1」であれば、RSSI回路からは「V1」が出力され、LFの受信信号の強度が「R2」であれば、RSSI回路からは「V2」が出力される。図3に戻る。測定部52は、測定した受信強度を携帯機用制御部54に出力する。
図4(b)は、携帯機12のLF受信部50において受信したLFの信号に対する処理を示す。リクエスト信号に対してウエイクアップがなされ、1回目測定用信号に対して測定がなされ、2回目測定用信号に対しても測定がなされる。図5(c)は、携帯機12の測定部52における測定結果を示す。図示のごとく、リクエスト信号の一部、1回目測定用信号において、受信強度が大きくなる。また、1回目測定用信号の受信強度の50%の受信強度が2回目測定用信号に対して測定される。図3に戻る。
携帯機用制御部54において、携帯機用判定部62は、リクエスト信号に含まれたIDを抽出する。また、携帯機用判定部62は、ID記憶部60に記憶されたIDを取得する。さらに、携帯機用判定部62は、抽出したIDと、取得したIDとをもとに、ペア認証を実行する。ペア認証には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。ペア認証が失敗した場合、後述の処理は実行されない。一方、ペア認証が成功した場合、後述の処理が実行される。
携帯機用生成部64は、測定部52から、1回目測定用信号の受信強度と、2回目測定用信号の受信強度を入力する。携帯機用生成部64は、1回目測定用信号の受信強度に関する情報と、2回目測定用信号の受信強度に関する情報とが含まれたレスポンス信号を生成する。ここで、1回目測定用信号の受信強度に関する情報と、2回目測定用信号の受信強度に関する情報とは、1回目測定用信号の受信強度の測定値、2回目測定用信号の受信強度の測定値であってもよい。また、これらは、1回目測定用信号の受信強度の測定値に対する2回目測定用信号の受信強度の測定値の比であってもよい。この場合、例えば「50%」のように示される。また、レスポンス信号に含まれる情報には暗号化がなされてもよい。携帯機用生成部64において生成されたレスポンス信号はベースバンド信号である。携帯機用生成部64は、レスポンス信号をUHF送信部56に出力する。
UHF送信部56は、携帯機用生成部64からレスポンス信号を入力する。UHF送信部56は、レスポンス信号に対して変調処理を実行することによって、UHFの信号のレスポンス信号(以下、これもまた「レスポンス信号」という)を生成する。UHF送信部56は、レスポンス信号をアンテナから車載器10に送信する。図4(c)は、携帯機12のUHF送信部56から送信されるUHFの信号を示す。携帯機12における2回目測定用信号の受信につづいて、レスポンス信号が送信される。
図5(d)は、携帯機12のUHF送信部56から送信されるレスポンス信号を示す。ここでは、一例として、1回目測定用信号の受信強度の測定値に対する2回目測定用信号の受信強度の測定値の比が「50%」とされている。図3に戻る。なお、UHFの信号の伝送レートは、例えば、7.8kbpsであり、LFの信号の伝送レートは、例えば、4kbpsである。そのため、UHF送信部56、UHF受信部34における伝送レートは、LF受信部50、LF送信部32における伝送レートよりも高速である。
車載器10のUHF受信部34は、レスポンス信号を携帯機12から受信する。UHF受信部34は、受信したレスポンス信号を復調して、ベースバンド信号のレスポンス信号(以下、これもまた「レスポンス信号」という)を生成する。UHF受信部34は、レスポンス信号を車載器用制御部30に出力する。図4(d)は、車載器10のUHF受信部34において受信したUHFの信号に対する処理を示す。図示のごとく、レスポンス信号を受信している。図3に戻る。
車載器用制御部30の車載器用判定部40は、UHF受信部34からレスポンス信号を入力する。車載器用判定部40は、レスポンス信号から、1回目測定用信号の受信強度に関する情報と、2回目測定用信号の受信強度に関する情報とを抽出する。車載器用判定部40は、1回目測定用信号の受信強度に関する情報と、2回目測定用信号の受信強度に関する情報との関係(以下、「受信強度の関係」という)を導出する。受信強度の関係は、1回目測定用信号の受信強度に対する2回目測定用信号の受信強度の比として示される。そのため、1回目測定用信号の受信強度に関する情報と、2回目測定用信号の受信強度に関する情報とが、1回目測定用信号の受信強度の測定値に対する2回目測定用信号の受信強度の測定値の比として示されている場合、導出は省略される。
一方、車載器用判定部40は、車載器用制御部30から、1回目測定用信号の送信強度、2回目測定用信号の送信強度を受けつける。車載器用判定部40は、1回目測定用信号の送信強度に対する2回目測定用信号の送信強度の比を導出することによって、1回目測定用信号の送信強度と、2回目測定用信号の送信強度との関係(以下、「送信強度の関係」という)を導出する。さらに、車載器用判定部40は、受信強度の関係と送信強度の関係とを比較する。具体的に説明すると、車載器用判定部40は、受信強度の関係と送信強度の関係との差異がしきい値より小さければ、両者が対応していると判定し、しきい値以上であれば、両者が対応していないと判定する。両者が対応していないと判定した場合は、リレーアタックがなされている場合に相当し、両者が対応していると判定した場合は、リレーアタックがなされていない場合に相当する。つまり、当該判定は、携帯機12に対するリレーアタックの有無についての判定であるといえる。
車載器用判定部40は、両者が対応していると判定した場合、車両110のECU16に対して、ドアロック機構18の解錠を指示する。ECU16、ドアロック機構18には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
これまでは、車載器10が第1測定用信号、第2測定用信号を連続して送信し、携帯機12がレスポンス信号を送信している。また、レスポンス信号には、第1測定用信号の受信強度に関する情報と、第2測定用信号の受信強度に関する情報とが含まれている。一方、第1測定用信号と第2測定用信号とが時間的に離して送信され、それぞれに対応するように第1レスポンス信号と第2レスポンス信号とが送信されてもよい。以下では、この場合の処理を説明する。
図7(a)−(d)は、車両用無線通信システム100において使用される信号を示すさらに別の図である。これは、図4(a)−(d)と同様に示される。図7(a)に示されるように、車載器10は、リクエスト信号、1回目測定用信号を連続して送信する。図7(b)に示されるように、携帯機12は、リクエスト信号を受信することによって、ウエイクアップし、1回目測定用信号の受信強度を測定する。図7(c)に示されるように、携帯機12は、1回目測定用信号の受信強度に関する情報が含まれた1回目レスポンス信号を送信し、図7(d)に示されるように、車載器10は、1回目レスポンス信号を受信する。
これにつづいて、図7(a)に示されるように、車載器10は、2回目測定用信号を送信する。図7(b)に示されるように、携帯機12は、2回目測定用信号の受信強度を測定する。図7(c)に示されるように、携帯機12は、2回目測定用信号の受信強度に関する情報が含まれた2回目レスポンス信号を送信し、図7(d)に示されるように、車載器10は、2回目レスポンス信号を受信する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以上の構成による車両用無線通信システム100の動作を説明する。図8は、車載器10による通信手順を示すフローチャートである。センサ14がタッチを検出する(S10)。LF送信部32は、リクエスト信号、1回目測定用信号、2回目測定用信号を送信する(S12)。UHF受信部34がレスポンス信号を受信した場合(S14のY)、車載器用判定部40は、受信強度を抽出する(S16)。受信強度の関係と送信強度の関係が対応している場合(S18のY)、ECU16は、ドアロック機構18を解錠させる(S20)。UHF受信部34がレスポンス信号を受信していない場合(S14のN)、あるいは受信強度の関係と送信強度の関係が対応していない場合(S18のN)、処理は終了される。
図9は、携帯機12による通信手順を示すフローチャートである。LF受信部50がリクエスト信号を受信した場合(S50のY)、携帯機用制御部54は、ウエイクアップする(S52)。測定部52は、1回目測定用信号の受信強度、2回目測定用信号の受信強度を測定する(S54)。携帯機用判定部62において認証が成功した場合(S56のY)、UHF送信部56は、レスポンス信号を送信する(S58)。LF受信部50がリクエスト信号を受信しない場合(S50のN)、認証が成功しない場合(S56のN)、処理は終了される。
本発明の実施例によれば、送信強度の設定が車載器から送信されず、車載器での内部処理に利用されるだけなので、再現をされにくくできる。また、受信強度を使用するので、再現をされにくくできる。また、再現がされにくくなるので、リレーアタックの危険性を低減できる。また、携帯機から車載器へ向かう信号の方が伝送レートが高いので、受信強度に関する情報をレスポンス信号に追加しやすくできる。また、レスポンス信号を2つに分けて送信するので、構成の自由度を向上できる。また、携帯機では、送信強度の設定を車載器から知らされないので、リレーアタックの危険性を低減できる。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。本発明のある態様の車載器は、リクエスト信号、1回目の測定用信号、2回目の測定用信号を携帯機に送信する送信部と、送信部から送信したリクエスト信号、1回目の測定用信号、2回目の測定用信号を受信した携帯機から、1回目の測定用信号の受信強度に関する情報と、2回目の測定用信号の受信強度に関する情報とが含まれたレスポンス信号を受信する受信部とを備える。送信部は、1回目の測定用信号の送信強度とは異なった送信強度によって2回目の測定用信号を携帯機に送信し、受信部において受信したレスポンス信号に含まれた1回目の測定用信号の受信強度に関する情報と、2回目の測定用信号の受信強度に関する情報との関係と、送信部から送信した1回目の測定用信号の送信強度と、2回目の測定用信号の送信強度との関係とをもとに、携帯機に対する判定がなされる。
この態様によると、送信強度の設定が車載器から送信されないので、リレーアタックの危険性を低減できる。
受信部における伝送レートは、送信部における伝送レートよりも高速であってもよい。この場合、携帯機から車載器へ向かう信号の方が高速であるので、当該方向の信号に含まれる情報量を容易に増加できる。
受信部において受信されるレスポンス信号は、1回目の測定用信号の受信強度に関する情報が含まれた1回目のレスポンス信号と、2回目の測定用信号の受信強度に関する情報が含まれた2回目のレスポンス信号とによって構成されてもよい。この場合、レスポンス信号を2つに分けて送信するので、構成の自由度を向上できる。
本発明の別の態様は、携帯機である。この携帯機は、リクエスト信号、1回目の測定用信号、2回目の測定用信号を車載器から受信する受信部と、受信部がリクエスト信号、1回目の測定用信号、2回目の測定用信号を受信した場合、1回目の測定用信号の受信強度、2回目の測定用信号の受信強度を測定する測定部と、測定部において測定した1回目の測定用信号の受信強度に関する情報と、2回目の測定用信号の受信強度に関する情報とが含まれたレスポンス信号を車載器に送信する送信部とを備える。受信部において受信した2回目の測定用信号は、1回目の測定用信号の送信強度とは異なった送信強度によって車載器から送信されており、送信部が送信したレスポンス信号に含まれた1回目の測定用信号の受信強度に関する情報と、2回目の測定用信号の受信強度に関する情報との関係と、受信部において受信した1回目の測定用信号の送信強度と、2回目の測定用信号の送信強度との関係とをもとに、車載器において判定がなされる。
この態様によると、送信強度の設定を車載器から知らされないので、リレーアタックの危険性を低減できる。
送信部における伝送レートは、受信部における伝送レートよりも高速であってもよい。この場合、携帯機から車載器へ向かう信号の方が高速であるので、当該方向の信号に含まれる情報量を容易に増加できる。
送信部から送信されるレスポンス信号は、1回目の測定用信号の受信強度に関する情報が含まれた1回目のレスポンス信号と、2回目の測定用信号の受信強度に関する情報が含まれた2回目のレスポンス信号とによって構成されてもよい。この場合、レスポンス信号を2つに分けて送信するので、構成の自由度を向上できる。
本発明のさらに別の態様は、車両用無線通信システムである。この車両用無線通信システムは、リクエスト信号、1回目の測定用信号、2回目の測定用信号を送信する車載器と、車載器からのリクエスト信号、1回目の測定用信号、2回目の測定用信号を受信した場合、1回目の測定用信号の受信強度、2回目の測定用信号の受信強度を測定し、測定した1回目の測定用信号の受信強度に関する情報と、2回目の測定用信号の受信強度に関する情報とが含まれたレスポンス信号を車載器に送信する携帯機とを備える。車載器は、1回目の測定用信号の送信強度とは異なった送信強度によって2回目の測定用信号を携帯機に送信し、車載器では、受信したレスポンス信号に含まれた1回目の測定用信号の受信強度に関する情報と、2回目の測定用信号の受信強度に関する情報との関係と、送信した1回目の測定用信号の送信強度と、2回目の測定用信号の送信強度との関係とをもとに、携帯機に対する判定がなされる。
この態様によると、送信強度の設定が車載器から送信されないので、リレーアタックの危険性を低減できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施例において、UHF送信部56、UHF受信部34は、UHFの信号を使用する。しかしながらこれに限らず例えば、UHFの信号以外であって、かつLFよりも高い周波数の信号が使用されてもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
本実施例において、ドアロック解錠におけるリレーアタック対策として車両用無線通信システム100を説明している。しかしながらこれに限らず例えば、キーレスエントリーシステムでの車両のエンジンスタート動作に対して、本リレーアタック対策としての車両用無線通信システム100を適用してもよい。本変形例によれば、車両のエンジンスタートにおけるリレーアタックの危険性を低減できる。