本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
本明細書において、特に断りがない場合、オン電流とは、トランジスタがオン状態にあるときのドレイン電流をいう。オン状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧(VG)がしきい値電圧(Vth)以上の状態、pチャネル型トランジスタでは、VGがVth以下の状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオン電流とは、VGがVth以上のときのドレイン電流を言う場合がある。また、トランジスタのオン電流は、ドレインとソースの間の電圧(VD)に依存する場合がある。
本明細書において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、VGがVthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、VGがVthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、VGがVthよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、VGに依存する場合がある。従って、トランジスタのオフ電流が10−21A未満である、とは、トランジスタのオフ電流が10−21A未満となるVGの値が存在することを言う場合がある。
また、トランジスタのオフ電流は、VDに依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、VDの絶対値が0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、または20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVDにおけるオフ電流、を表す場合がある。
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、ソースとドレインとの一方を、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)と表記し、ソースとドレインとの他方を「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)と表記している。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。
なお、本明細書中において、高電源電位をHレベル(又はVDD)、低電源電位をLレベル(又はGND)と呼ぶ場合がある。
また、本明細書は、以下の実施の形態を適宜組み合わせることが可能である。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互い構成例を適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である半導体装置の回路構成について説明を行う。
〈〈回路10〉〉
図1に示す回路10は、トランジスタM0の第2ゲートを駆動するための半導体装置である。回路10は、電圧生成回路12と、電圧保持回路11とを有する。
トランジスタM0は、記憶回路、演算回路、画素回路など、様々な回路に用いられるトランジスタを表している。図1は、3つのトランジスタM0が図示されているが、これに限定されず回路10はさらに多くのトランジスタM0と接続されていてもよい。なお、以降の説明において、トランジスタM0はnチャネル型トランジスタとして説明を行う。
それぞれのトランジスタM0は第1ゲート及び第2ゲートを有する。これら第2ゲートは、それぞれが接続されたトランジスタM0のVthを制御する機能を有する。容量素子C0は、上記第2ゲートに付加された配線容量を表している。トランジスタM0において、第1ゲート及び第2ゲートは半導体層を間に介して互いに重なる領域を有することが好ましい。
回路10は、トランジスタM0の第2ゲートに電位を書き込み、さらにそれを保持する機能を有する。
例えば、回路10がトランジスタM0の第2ゲートに負電位を書き込んだ場合、トランジスタM0は第2ゲートの負電位が保持されている間、Vthを高く保つことができる。トランジスタM0はVthを高く保つことで、ノーマリ・オンを防ぐことができ、トランジスタM0を含む半導体装置全体の消費電力を下げることができる。例えば、トランジスタM0をメモリセルの選択トランジスタに用いた場合、ストレージとして機能する容量素子の電荷を長期間保持することができる。
電圧保持回路11は、電圧生成回路12が生成した電位VBGを、それぞれのトランジスタM0が有する第2ゲートに印加し、保持する機能を有する。
電圧生成回路12は、GNDまたはVDDからVBGを生成する機能を有する。電圧生成回路12は、VDD、信号CLK、信号WAKEが入力される。信号CLKはクロック信号であり、電圧生成回路12を動作させるのに用いられる。信号WAKEは、信号CLKの電圧生成回路12への入力を制御する機能を有する。例えば、信号WAKEにHレベルの信号が与えられると、信号CLKが電圧生成回路12へ入力され、電圧生成回路12はVBGを生成する。
<電圧保持回路11>
次に、電圧保持回路11の具体的な構成例について図2乃至図5を用いて説明を行う。電圧保持回路11の例として、電圧保持回路11a(図2、図3)と電圧保持回路11b(図4、図5)について説明を行う。
[電圧保持回路11a]
図2(A)に示す電圧保持回路11aは、トランジスタM11、トランジスタM12、容量素子C11及び容量素子C12を有する。
トランジスタM11のゲートは容量素子C12の第1端子に電気的に接続される。トランジスタM11の第1端子は容量素子C11の第1端子に電気的に接続される。トランジスタM11の第2端子は端子IN1に電気的に接続される。端子IN1は電圧生成回路12に電気的に接続され電位VBGが与えられる。
トランジスタM12のゲートはトランジスタM12の第1端子に電気的に接続される。トランジスタM12の第1端子は容量素子C11の第1端子に電気的に接続される。トランジスタM12の第2端子は容量素子C12の第1端子に電気的に接続される。
容量素子C11の第1端子はトランジスタM0の第2ゲートに電気的に接続される。容量素子C11の第2端子はGNDに電気的に接続される。
容量素子C12の第2端子は端子CGに電気的に接続される。
なお、トランジスタM11の第1端子、トランジスタM12の第1端子及び容量素子C11の第1端子との結節点をノードN11と呼称する。また、トランジスタM11のゲート、トランジスタM12の第2端子及び容量素子C12の第1端子との結節点をノードN12と呼称する。
次に、図3を用いて電圧保持回路11aの動作について説明を行う。なお、以降の説明において、トランジスタM11及びトランジスタM12はnチャネル型トランジスタとして説明を行うものとする。また、0Vは接地電位であり、GNDを表す。
まず、端子IN1に負電位(例えば−3V)を与え、端子CGに0Vから高電位(例えば+3V)をパルス信号として与える(図3(A)参照)。容量素子C12による容量結合により、ノードN12の電位は上昇する(例えば+2V)。このとき、トランジスタM11はオン状態になり、ノードN11の電位は端子IN1付近の電位まで下がる。トランジスタM12をダイオードとして考えた場合、トランジスタM12には、高い逆方向電圧が印加され(例えば−5V)、リーク電流Iinvが流れる。
リーク電流Iinvによって、ノードN12の電位は下がる(例えば−1V、図3(B)参照)。
次に、端子CGに0Vを与える。容量素子C12による容量結合により、ノードN12の電位はさらに下がる(例えば−3V、図3(C)参照)。
ノードN11とノードN12との間の電位差はほとんどなくなり、トランジスタM12はオフになる。また端子IN1に0Vを与えて、ノードN11の電位を保持する。
結果として、ノードN11は図3(A)で端子IN1に与えられた負電位が与えられ、保持される。電圧保持回路11aを上述のような構成にすることで、図38で説明したような、電圧保持回路に用いられるトランジスタのVthの影響を受けずに済む。そのため、電圧保持回路11aは、トランジスタM0の第2ゲートに、効果的に負電位を与え保持することができる。
トランジスタM11は第1ゲート及び第2ゲートを有していても良い。同様に、トランジスタM12は第1ゲート及び第2ゲートを有していても良い。その場合の回路図を図2(B)に示す。図2(B)に示すように、トランジスタM11の第2ゲートはトランジスタM11の第1ゲートに電気的に接続されることが好ましい。また、トランジスタM12の第2ゲートはトランジスタM12の第1端子に電気的に接続されることが好ましい。
トランジスタM11において、第1ゲート及び第2ゲートは半導体層を間に介して、互いに重なる領域を有することが好ましい。同様に、トランジスタM12において、第1ゲート及び第2ゲートは半導体層を間に介して、互いに重なる領域を有することが好ましい。
トランジスタM11及びトランジスタM12は第2ゲートを有することで、それぞれのトランジスタのVthを安定化させることができて好ましい。
トランジスタM11のチャネル長は、トランジスタM0のチャネル長よりも長いことが好ましい。例えば、トランジスタM0のチャネル長を1μm未満とした場合、トランジスタM11のチャネル長は1μm以上、さらに好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。
トランジスタM11のチャネル長を長くすることで、トランジスタM11は短チャネル効果の影響を受けず、カットオフ電流を低く抑えることができる。また、トランジスタM11はソースとドレイン間の耐圧を高くすることができる。トランジスタM11のソースとドレイン間の耐圧が高いと、高電圧を生成する電圧生成回路12と、トランジスタM0との接続を容易にすることができて好ましい。
例えば、メモリセルのように高い集積度が要求される回路にトランジスタM0が用いられる場合、トランジスタM0のチャネル長は短い方が好ましい。一方で、トランジスタM11はメモリセルの外に作製できるため、チャネル長は長くても問題にならない。また、トランジスタのチャネル長を長くすると、トランジスタのオン電流が低下するが、トランジスタM11は、主にオフ状態で使用されることが多いため、高いオン電流は要求されない。
次に、トランジスタM11には、OSトランジスタやチャネル形成領域にワイドバンドギャップ半導体を用いたトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタやワイドバンドギャップ半導体を用いたトランジスタは、カットオフ電流が小さく、ソースとドレイン間の耐圧が高い。なお、本明細書においてワイドバンドギャップ半導体とは、バンドギャップが2.2eV以上の半導体である。例えば、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ダイヤモンドなどが挙げられる。
また、OSトランジスタやワイドバンドギャップ半導体トランジスタは、高温環境においてもカットオフ電流が小さいままなので、これらトランジスタをトランジスタM11に用いることで、回路10を高温環境下で動作させることができる。
トランジスタM12は、トランジスタM11と異なる半導体材料で形成しても良いし、トランジスタM11と同じ半導体材料で形成しても良い。特に、トランジスタM12とトランジスタM11を同じ半導体材料で形成することで、製造工程を単純化できるので好ましい。
[電圧保持回路11b]
図4(A)に示す電圧保持回路11bは、トランジスタM41、トランジスタM42、抵抗素子R、容量素子C41、容量素子C42及び容量素子C43を有する。
トランジスタM41のゲートは容量素子C41の第1端子に電気的に接続される。トランジスタM41の第1端子は容量素子C43の第1端子に電気的に接続される。トランジスタM41の第2端子は端子IN4に電気的に接続される。端子IN4は電圧生成回路12に電気的に接続され電位VBGが与えられる。
トランジスタM42のゲートは、抵抗素子Rを介して、トランジスタM42の第1端子に電気的に接続される。トランジスタM42の第1端子は容量素子C43の第1端子に電気的に接続される。トランジスタM42の第2端子は容量素子C41の第1端子に電気的に接続される。
容量素子C43の第1端子はトランジスタM0の第2ゲートに電気的に接続される。容量素子C43の第2端子はGNDに接続される。
容量素子C41の第2端子は端子CG1に電気的に接続される。容量素子C42の第2端子は端子CG2に電気的に接続される。
なお、トランジスタM41のゲート、トランジスタM42の第2端子及び容量素子C41の第1端子との結節点をノードN41と呼称する。また、トランジスタM42のゲート及び容量素子C42の第1端子との結節点をノードN42と呼称する。また、トランジスタM41の第1端子、トランジスタM42の第1端子及び容量素子C43の第1端子との結節点をノードN43と呼称する。
次に、図5を用いて電圧保持回路11bの動作について説明を行う。なお、以降の説明において、トランジスタM41及びトランジスタM42はnチャネル型トランジスタとして説明を行うものとする。
図5は電圧保持回路11bの動作を説明するためのタイミングチャートである。図5は上から順に、端子IN4、端子CG1、端子CG2、ノードN41、ノードN42及びノードN43における電位をそれぞれ表している。また、タイミングチャートは期間P0乃至P6で表される期間に分割されている。
期間P0において、それぞれの端子及びノードにはGNDが与えられているものとする。
次に、期間P1において、端子IN4に電位VBGが与えられる。VBGは負電位である。このとき、トランジスタM41に僅かにドレイン電流が流れ、ノードN43及びノードN42の電位が徐々に低下する。また、ノードN41の電位も僅かに低下する。
次に、期間P2において、端子CG1に電位VCGが与えられる。VCGはHレベルであることが好ましい。このとき容量素子C41による容量結合によりノードN41の電位が上昇し、トランジスタM41がオン状態になる。その結果、ノードN43及びノードN42の電位が電位VBGまで低下する。トランジスタM42はオフ状態のままなので、ノードN41の電位は高電位を維持する。
次に、期間P3において、端子CG2に電位VCGのパルス信号が与えられる。入力されたパルス信号はノードN42に微分信号として伝えれられる。ノードN42にプラスの微分信号が与えられたときにトランジスタM42がオン状態になり、ノードN41の電位が下がる。
次に、期間P4において、期間P3のパルス信号を再び与えることで、ノードN41の電位をさらに下げることができる。
次に、期間P5において、端子CG1の電位をGNDに下げる。このとき、ノードN41の電位は電位VN41まで低下する。VN41はVBGよりも低い電位であることが好ましい。ノードN41の電位が低下したことで、トランジスタM41はオフ状態になる。
次に、期間P6において、端子IN4にGNDを与える。トランジスタM41はオフ状態を維持するので、ノードN43に与えた負電位(VBG)は保持される。
電圧保持回路11bは、図38で説明したような、電圧保持回路に用いられるトランジスタのVthの影響を受けずに済む。そのため、電圧保持回路11bは、トランジスタM0の第2ゲートに、効果的に負電位を与え保持することができる。
電圧保持回路11bは、端子CG2にパルス信号を与えることで、ノードN41の電位を下げることができる。図5において、端子CG2に与えるパルス信号の数を2つとしたが(期間P3、期間P4)、パルス信号の数はこれに限定されず、さらに多くのパルス信号を端子CG2に与えてもよい。パルス信号の数を増やすことで、ノードN41の電位をさらに下げることができる。
電圧保持回路11bは、最終的にノードN41の電位をノードN43よりも下げることができ、トランジスタM41のVGを0V未満にすることができる。その結果、トランジスタM41のカットオフ電流を小さくすることができ、電圧保持回路11bはトランジスタM0の第2ゲートに印加された負電位を長期間保持することができる。
上記動作を正確に行うために、電圧保持回路11bにおいて、容量素子C43の容量値は容量素子C42の容量値よりも大きいことが好ましい。容量素子C43の容量値は容量素子C42の容量値に対して5倍以上20倍以下が好ましく、さらに好ましくは5倍以上15倍以下である。
上記動作を正確に行うために、電圧保持回路11bにおいて、容量素子C41の容量値はトランジスタM41のゲート容量値よりも大きいことが好ましい。容量素子C41の容量値はトランジスタM41のゲート容量値に対して5倍以上20倍以下が好ましく、さらに好ましくは5倍以上15倍以下である。
上記動作を正確に行うために、電圧保持回路11bにおいて、容量素子C42の容量値と抵抗素子Rの抵抗値の積(時定数τ)は、10−6秒以上が好ましい。
トランジスタM41は第1ゲート及び第2ゲートを有していても良い。同様に、トランジスタM42は第1ゲート及び第2ゲートを有していても良い。その場合の回路図を図4(B)に示す。図4(B)に示すように、トランジスタM41の第2ゲートはトランジスタM41の第1ゲートに電気的に接続されることが好ましい。また、トランジスタM42の第2ゲートはトランジスタM42の第1端子に電気的に接続されることが好ましい。
トランジスタM41において、第1ゲート及び第2ゲートは半導体層を間に介して、互いに重なる領域を有することが好ましい。同様に、トランジスタM42において、第1ゲート及び第2ゲートは半導体層を間に介して、互いに重なる領域を有することが好ましい。
トランジスタM41及びトランジスタM42は第2ゲートを有することで、それぞれのトランジスタのVthを安定化させることができて好ましい。
トランジスタM41のチャネル長は、トランジスタM0のチャネル長よりも長いことが好ましい。例えば、トランジスタM0のチャネル長を1μm未満とした場合、トランジスタM41のチャネル長は1μm以上、さらに好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。
トランジスタM41のチャネル長を長くすることで、トランジスタM41は短チャネル効果の影響を受けず、カットオフ電流を低く抑えることができる。また、トランジスタM41はソースとドレイン間の耐圧を高くすることができる。トランジスタM41のソースとドレイン間の耐圧が高いと、高電圧を生成する電圧生成回路12と、トランジスタM0との接続を容易にすることができて好ましい。
例えば、メモリセルのように高い集積度が要求される回路にトランジスタM0が用いられる場合、トランジスタM0のチャネル長は短い方が好ましい。一方で、トランジスタM41はメモリセルの外に作製できるため、チャネル長は長くても問題にならない。また、トランジスタのチャネル長を長くすると、トランジスタのオン電流が低下するが、トランジスタM41は、主にオフ状態で使用されることが多いため、高いオン電流は要求されない。
次に、トランジスタM41には、OSトランジスタやチャネル形成領域にワイドバンドギャップ半導体を用いたトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタやワイドバンドギャップ半導体を用いたトランジスタは、カットオフ電流が小さく、ソースとドレイン間の耐圧が高い。なお、本明細書においてワイドバンドギャップ半導体とは、バンドギャップが2.2eV以上の半導体である。例えば、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ダイヤモンドなどが挙げられる。
また、OSトランジスタやワイドバンドギャップ半導体トランジスタは、高温環境においてもカットオフ電流が小さいままなので、これらトランジスタをトランジスタM41に用いることで、回路10を高温環境下で動作させることができる。
トランジスタM42は、トランジスタM41と異なる半導体材料で形成しても良いし、トランジスタM41と同じ半導体材料で形成しても良い。特に、トランジスタM42とトランジスタM41を同じ半導体材料で形成することで、製造工程を単純化できるので好ましい。
<電圧生成回路12>
次に、電圧生成回路12の詳細について、図6及び図7を用いて説明を行う。
図6及び図7に示す回路図は電圧生成回路12の例を示している。これらの回路は降圧型のチャージポンプであり、入力端子INにGNDが入力され、出力端子OUTから負電位であるVBGが出力される。ここでは、一例として、チャージポンプ回路の段数は4段としているが、これに限定されず任意の段数でチャージポンプ回路を構成してもよい。
[電圧生成回路12a]
図6(A)に示すように、電圧生成回路12aは、トランジスタM21乃至M24、および容量素子C21乃至C24を有する。以降、トランジスタM21乃至M24はnチャネル型トランジスタとして説明を行う。
トランジスタM21乃至M24は、入力端子INと出力端子OUT間に直列に接続されており、それぞれのゲートと第1端子がダイオードとして機能するように接続されている。トランジスタM21乃至M24のゲートは、それぞれ、容量素子C21乃至C24が接続されている。
奇数段の容量素子C21、C23の第1端子には、信号CLKが入力され、偶数段の容量素子C22、C24の第1端子には、信号CLKBが入力される。信号CLKBは、信号CLKの位相を反転した反転クロック信号である。
電圧生成回路12aは、入力端子INに入力されたGNDを降圧し、VBGを生成する機能を有する。電圧生成回路12aは、信号CLK、CLKBの供給のみで、負電位を生成することができる。
上述したトランジスタM21乃至M24は、OSトランジスタで形成してもよい。OSトランジスタを用いることで、ダイオード接続されたトランジスタM21乃至M24の逆方向電流が低減できて好ましい。
[電圧生成回路12b]
電圧生成回路12は、pチャネル型トランジスタで構成しても良い。図6(B)に示す電圧生成回路12bは、pチャネル型トランジスタであるトランジスタM31乃至M34で構成されている。
電圧生成回路12は、第1ゲート及び第2ゲートを有するトランジスタで構成しても良い。その場合の回路図を図7(A)乃至(C)に示す。
[電圧生成回路12c]
図7(A)に示すように、電圧生成回路12cは、トランジスタM25乃至M28、および容量素子C25乃至C28を有する。以降、トランジスタM25乃至M28はnチャネル型トランジスタとして説明を行う。
トランジスタM25乃至M28は、それぞれ第1ゲート及び第2ゲートを有する。それぞれのトランジスタにおいて、第1ゲート及び第2ゲートは半導体層を間に介して互いに重なる領域を有することが好ましい。
トランジスタM25乃至M28は、入力端子INと出力端子OUT間に直列に接続されており、それぞれ第1ゲートと第1端子がダイオードとして機能するように接続されている。トランジスタM25乃至M28の第1ゲートは、それぞれ、容量素子C25乃至C28が接続されている。
奇数段の容量素子C25、C27の第1端子には、信号CLKが入力され、偶数段の容量素子C26、C28の第1端子には、信号CLKBが入力される。信号CLKBは、信号CLKの位相を反転した反転クロック信号である。
電圧生成回路12cは、入力端子INに入力されたGNDを降圧し、VBGを生成する機能を有する。電圧生成回路12cは、信号CLK、CLKBの供給のみで、負電位を生成することができる。
電圧生成回路12cは、トランジスタM25乃至M28に第2ゲートを設けて、そこに電圧を印加することで、トランジスタM25乃至M28のVthをそれぞれ制御している。電圧生成回路12cでは、トランジスタM25乃至M28の第2ゲートは入力端子INに接続されている。
トランジスタM25乃至M28の第2ゲートは、電圧生成回路12cの電圧が最も高くなる入力端子INに接続されている。つまり、トランジスタM25乃至M28の第2ゲートには、ソースよりも高い電圧が印加される。よって、第2ゲートに電圧を印加していない場合よりも、トランジスタM25乃至M28のVthを下げることができるため、トランジスタM25乃至M28の電流駆動特性が向上される。その結果、電圧生成回路12cは、少ない段数で電圧を降圧することが可能になり、段数を削減することができる。電圧生成回路12cのサイズを小さくすることができ、消費電力を削減することができる。
[電圧生成回路12d]
図7(B)の電圧生成回路12dにおいて、トランジスタM25乃至M28の第2ゲートは、それぞれのトランジスタの第1ゲートに接続されている。それ以外の構成は、電圧生成回路12cと同じである。
電圧生成回路12dにおいて、トランジスタM25乃至M28は、第1ゲートと第2ゲートに同じ電圧が印加されるため、第2ゲートに電圧を印加していない場合よりもオン電流が向上する。その結果、電圧生成回路12dは、少ない段数で電圧を降圧することが可能になり、段数を削減することができる。電圧生成回路12dのサイズを小さくすることができる。
[電圧生成回路12e]
図7(C)の電圧生成回路12eにおいて、トランジスタM25乃至M28の第2ゲートは、それぞれ出力端子OUTに接続されている。それ以外の構成は、電圧生成回路12cと同じである。
電圧生成回路12eは、電圧生成回路12c、12dよりもトランジスタM25乃至M28のリーク電流の低減を重視した構成となっている。トランジスタM25乃至M28の第2ゲートは、電圧生成回路12eの電圧が最も低くなる出力端子OUTに接続されている。トランジスタM25乃至M28の第2ゲートには、ソースよりも低い電圧が印加されるので、電圧生成回路12c、12dよりも、トランジスタM25乃至M28のVthをより高くすることができる。そのため、ダイオード接続されたトランジスタM25乃至M28の逆方向電流が低減でき、容量素子C25乃至C28からの電荷のリークが抑制される。これにより、容量素子C25乃至C28の容量値を下げることができるので、電圧生成回路12eのサイズを小さくすることができる。
上述したトランジスタM25乃至M28は、OSトランジスタで形成してもよい。OSトランジスタを用いることで、ダイオード接続されたトランジスタM25乃至M28の逆方向電流が低減できて好ましい。
以上、回路10を上記構成にすることで、長期間においてデータの保持が可能な半導体装置を提供することができる。また、消費電力を抑えることができる半導体装置を提供することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示した回路10の適用例について図8乃至図20を用いて説明を行う。
〈〈不揮発性メモリ〉〉
まず、回路10を不揮発性メモリに適用した例について説明を行う。
[メモリセル100]
図8(A)に示すメモリセル100は、トランジスタM0と、トランジスタM1と、トランジスタM2と、容量素子C1と、を有する。
また、メモリセル100は、配線BL、配線SL、配線WWL、配線RWL、配線WCL及び配線BGに電気的に接続されている。
トランジスタM0のソースまたはドレインの一方はトランジスタM1のゲート及び容量素子C1の第1端子に電気的に接続され、これらの結節点をノードFNと呼称する。トランジスタM1のソース及びドレインの一方は配線SLに電気的に接続され、トランジスタM1のソース及びドレインの他方は、トランジスタM2を介して、配線BLに電気的に接続されている。トランジスタM2のゲートは配線RWLに電気的に接続されている。
トランジスタM0のソースまたはドレインの他方は配線BLに電気的に接続されている。トランジスタM0の第1のゲートは配線WWLに電気的に接続され、トランジスタM0の第2のゲートは配線BGに電気的に接続されている。
容量素子C1の第2の端子は配線WCLに電気的に接続されている。
トランジスタM0は、導通状態と非導通状態とを切り換えることで、ノードFNへのデータの書き込みを制御するスイッチとしての機能を有する。
なお、トランジスタM0として、カットオフ電流が小さいトランジスタが好適である。トランジスタM0として、OSトランジスタやチャネル形成領域にワイドバンドギャップ半導体を用いたトランジスタが好適である。
ノードFNは、トランジスタM0をオフにすることで、1ビット(2値)のデータを保持する機能を有する。ノードFNは、1ビットに限らず、Kビット(2K値、Kは2以上の自然数)のデータを保持することも可能である。
なお、以下では、ノードFNが1ビットのデータを保持する場合について説明を行う。
以下に、メモリセル100の書き込み動作と読み出し動作について、図9を用いて説明を行う。なお、トランジスタM0はnチャネル型のトランジスタ、トランジスタM1、M2はpチャネル型のトランジスタとして説明を行うものとする。
図9は、メモリセル100の動作例を示すタイミングチャートである。上から順に、配線WWL、配線RWL、配線WCL、配線BL、配線SL、ノードFN、配線BGに与えられる電位をそれぞれ表している。また、図9のタイミングチャートは、期間P1乃至P5に分割することが可能である。
期間P1、P3、P5はメモリセル100のスタンバイ期間を表す。期間P2はメモリセル100の書き込み期間を表す。期間P4はメモリセル100の読み出し期間を表す。
なお、期間P1乃至P5において、配線WCLは、常に電位GNDが与えられている。電位GNDは、低電源電位または接地電位であることが好ましい。
また、期間P1乃至P5において、配線SLは、常に電位V3が与えられ、配線BGは、常に電位VBGが与えられている。電位VBGは、負電位であることが好ましい。電位VBGに負電位を与えることで、トランジスタM0を、ノーマリ・オフにすることが可能になる。
以下、それぞれの期間の動作について順を追って説明を行う。
まず、期間P1において、配線WWL、BLは電位GNDが与えられ、配線RWLは電位V2が与えられている。このとき、トランジスタM2はオフになり、配線BLと配線SLとの間に電流は流れない。トランジスタM2をオフにするために、電位V2と電位V3の差(V2−V3)は、トランジスタM2のしきい値電圧よりも大きいことが好ましい。
次に、期間P2において、配線WWLに電位V1を与え、配線BLに電位V2(データ「1」)、または電位GND(データ「0」)を与える。電位V1は、電位V2にトランジスタM0のしきい値電圧を足し合わせた値よりも大きいことが好ましい。このとき、トランジスタM0はオンになり、配線BLに与えられたデータはノードFNに書き込まれる。
次に、期間P3において、配線WWL及び配線BLに電位GNDを与える。このとき、トランジスタM0はオフになり、ノードFNに書き込まれたデータは保持される。
次に、期間P4において、配線BLを電気的に浮遊状態にし、配線RWLに電位GNDを与える。このとき、トランジスタM2がオンになる。
もし、ノードFNに「1」が書き込まれている場合は、トランジスタM1はオフであるため、配線SLと配線BLの間に電流は流れず、配線BLは電位GNDを維持する。なお、トランジスタM1をオフにするために、電位V2と電位V3の差(V2−V3)は、トランジスタM1のしきい値電圧よりも大きいことが好ましい。
もし、ノードFNに「0」が書き込まれている場合は、トランジスタM1はオンであるため、配線SLと配線BLは導通状態になり、配線BLは電位V3になるまで(配線BLと配線SLが等電位になるまで)充電される。なお、トランジスタM1をオンにするために、電位GNDと電位V3の差(−V3)はトランジスタM1のしきい値電圧よりも小さいことが好ましい。また、トランジスタM2をオンにするために、電位GNDと電位V3の差(−V3)はトランジスタM2のしきい値電圧よりも小さいことが好ましい。
期間P4において、配線BLの電位を読み出すことで、ノードFNに書き込まれたデータを判定することが可能になる。
次に、期間P5において、配線RWLに電位V2を与え、配線BLに電位GNDを与え、ノードFNのデータを保持する。
以上、期間P1乃至P5に示した動作により、メモリセル100のデータの読み出しと書き込みが可能になる。
なお、図8(A)のメモリセル100はトランジスタM2及び配線WCLを省略し、容量素子C1の第2端子を配線RWLに接続しても良い。その場合の回路図を図8(B)に示す。図8(B)のメモリセル101は、図8(A)のメモリセル100と比べて、トランジスタの数が少ないので、回路の占有面積を小さくすることができる。その結果、メモリセルの集積度を増大させることができる。
メモリセル100及びメモリセル101は、フラッシュメモリとは異なり、書き込み回数に制限が無い。また、書き込みと読み出しの際の電力も少なくて済む。そのため、メモリセル100を不揮発性メモリに用いることで、信頼性に優れて消費電力の少ない記憶装置を提供することができる。
[記憶装置110]
図10に示す記憶装置110は、メモリセル100が複数設けられたメモリセルアレイ120、行選択ドライバ112、列選択ドライバ111、読み出し回路121及び回路10を有する。なお記憶装置110は、m行(mは2以上の自然数)n列(nは2以上の自然数)のマトリクス状に設けられたメモリセル100を有する。
図10では、(m−1)行目のメモリセル100に接続された配線WWL[m−1]、配線RWL[m−1]を示し、m行目のメモリセル100に接続された配線WWL[m]、配線RWL[m]を示し、(m−1)行目のメモリセル100及びm行目のメモリセル100に接続された配線WCLを示し、(m−1)行目のメモリセル100及びm行目のメモリセル100に接続された配線BGを示している。
また、図10では、(n−1)列目のメモリセル100に接続された配線BL[n−1]、n列目のメモリセル100に接続された配線BL[n]を示し、(n−1)列目のメモリセル100、及びn列目のメモリセル100に接続された配線SLを示している。
なお図10に示すメモリセルアレイ120では、隣り合うメモリセルで、配線SL、WCL、BGを共有化した構成としている。この構成を採用することにより、各配線の占有面積の縮小が図られる。そのため、この構成を採用する記憶装置では、単位面積あたりの記憶容量の向上を図ることができる。
なお、図10はメモリセル100の代わりに図8(B)のメモリセル101を用いても良い。その場合、配線WCLを省略することができる。
行選択ドライバ112は、メモリセル100の各行におけるトランジスタM0、M2を選択的に導通状態とする機能を備えた回路である。行選択ドライバ112を備えることで、記憶装置110は、メモリセル100へのデータの書き込みおよび読み出しを行毎に選択して行うことができる。
列選択ドライバ111は、メモリセル100の各列におけるノードFNに選択的にデータを書き込む機能、配線BLの電位を初期化する機能、配線BLを電気的に浮遊状態とする機能、を備えた回路である。具体的には、配線BLに、データに対応する電位を与える回路である。列選択ドライバ111を備えることで、記憶装置110は、メモリセル100へのデータの書き込みおよび読み出しを列毎に選択して行うことができる。
読み出し回路121は、メモリセル100に保持されたデータを配線BLから読み出し、デジタルデータとして外部に出力する機能を備えた回路である。
配線BGには実施の形態1に示す回路10が接続されている。回路10は配線BGに接続された各メモリセルが有するトランジスタM0の第2ゲートの電位を制御する機能を有する。
回路10は、メモリセル100が有するトランジスタM0の第2ゲートに負電位を与え、保持し続けることができる。記憶装置110は、回路10を設けることで、トランジスタM0のカットオフ電流を下げることができ、データの保持特性を向上させることができる。
[行選択ドライバ112]
図11は、図10で説明した行選択ドライバ112の構成例を示すブロック図である。
図11に示す行選択ドライバ112は、デコーダ113、および読み出し書き込み制御回路114を有する。読み出し書き込み制御回路114は配線WWL及び配線RWLに接続される。
デコーダ113は、いずれかの行を選択するための信号を出力する回路である。具体的には、アドレス信号Addressが入力され、該アドレス信号Addressに従って、いずれかの行の読み出し書き込み制御回路114を選択する回路である。デコーダ113を備えることで、行選択ドライバ112は、任意の行を選択して、データの書き込み又は読み出しを行うことができる。
読み出し書き込み制御回路114は、デコーダ113で選択された行の、書き込み信号を出力する機能および読み出し信号を選択的に出力する機能、を備えた回路である。具体的に読み出し書き込み制御回路114は、書き込み制御信号Write_CONT又は読み出し制御信号Read_CONTが入力され、該信号に従って書き込み信号又は読み出し信号を選択的に出力する回路である。読み出し書き込み制御回路114を備えることで、行選択ドライバ112は、デコーダ113で選択された行での、書き込み信号又は読み出し信号を選択して出力することができる。
[列選択ドライバ111]
図12は、図10で説明した列選択ドライバ111の構成例を示すブロック図である。
図12に示す列選択ドライバ111は、デコーダ115、ラッチ回路116、スイッチ回路118およびトランジスタ119を有する。前述の各回路およびトランジスタは、列毎に設けられる。また各列のスイッチ回路118およびトランジスタ119は、配線BLに接続される。
デコーダ115は、配線BLが設けられる列を選択し、入力されるデータを振り分けて出力する機能を備えた回路である。具体的には、アドレス信号AddressおよびデータDataが入力され、該アドレス信号Addressに従っていずれかの列のラッチ回路116にデータDataを出力する回路である。デコーダ115を備えることで、列選択ドライバ111は、任意の列を選択して、データの書き込みを行うことができる。
ラッチ回路116は、入力されるデータDataを一時的に記憶する機能を備えた回路である。具体的には、ラッチ信号W_LATが入力され、該ラッチ信号W_LATに従ってスイッチ回路118に出力するフリップフロップ回路である。ラッチ回路116を備えることで、列選択ドライバ111は、任意のタイミングでデータの書き込みを行うことができる。
スイッチ回路118は、入力されたデータを配線BLに与える機能、および配線BLを電気的に浮遊状態とする機能を備えた回路である。具体的には、アナログスイッチとインバータを備え、スイッチ制御信号Write_SWによる制御により、入力されたデータを配線BLに与え、その後アナログスイッチをオフにすることで電気的に浮遊状態とする回路である。スイッチ回路118を備えることで、列選択ドライバ111は、配線BLにデータを与えた後、配線BLを電気的に浮遊状態に保持することができる。
トランジスタ119は、初期化電圧(GND)を配線BLに与える機能、および配線BLを電気的に浮遊状態とする機能を備えた回路である。具体的には、初期化制御信号Init_ENによる制御で初期化電圧を配線BLに与え、その後配線BLを電気的に浮遊状態とするスイッチである。トランジスタ119を備えることで、列選択ドライバ111は、初期化電圧を配線BLに与えた後、配線BLを電気的に浮遊状態に保持することができる。
[読み出し回路121]
図13は、図10で説明した読み出し回路121の構成例を示すブロック図である。
図13に示す読み出し回路121は、コンパレータ122、エンコーダ123、ラッチ124、およびバッファ125を有する。また各列のバッファ125は、データDoutを出力する。
コンパレータ122は、配線BLの電位と、参照電圧Vrefの電位の高低を比較し、配線BLの電位が「0」または「1」のいずれかに応じた電位であるかを判定する機能を備えた回路である。
エンコーダ123は、コンパレータ122から出力される配線BLの電位を判定する信号をもとに、デジタル信号を生成する機能を備えた回路である。具体的には、コンパレータ122より出力されるHレベル又はLレベルの信号をもとに符号化を行い、デジタル信号を生成する回路である。
ラッチ124は、入力されるデジタル値のデータを一時的に記憶する機能を備えた回路である。具体的には、ラッチ124は、ラッチ信号LATが入力され、該ラッチ信号LATに従ってバッファ125に出力するフリップフロップ回路である。ラッチ124を備えることで、読み出し回路121は、任意のタイミングでデータの出力を行うことができる。なおラッチ124は、省略することができる。
バッファ125は、ラッチ124より出力されたデータを増幅して出力信号Doutとして出力する機能を備えた回路である。具体的には、インバータ回路を偶数段備えた回路である。バッファ125を備えることで、読み出し回路121は、デジタル信号に対するノイズを低減することができる。なおバッファ125は、省略することができる。
〈〈DRAM〉〉
次に、回路10をDRAMに用いた例について説明を行う。
[メモリセル130]
図14に、メモリセル130の構成例を示す。メモリセル130は、トランジスタM0、容量素子C2を有する。トランジスタM0の第1ゲートは配線WLに電気的に接続され、トランジスタM0の第1端子は容量素子C2の第1端子に電気的に接続され、トランジスタM0の第2端子は配線BLに電気的に接続されている。また、容量素子C2の第2端子は、配線CLに電気的に接続されている。トランジスタM0の第2ゲートは配線BGに電気的に接続されている。ここで、トランジスタM0の第1端子と容量素子C2の第1端子との結節点をノードN1とする。
トランジスタM0として、カットオフ電流が小さいトランジスタが好適である。トランジスタM0として、OSトランジスタやチャネル形成領域にワイドバンドギャップ半導体を用いたトランジスタが好適である。
トランジスタM0のカットオフ電流が小さいと、ノードN1に保持されている電荷のリークを低減することができる。そのため、メモリセル130に記憶されたデータを長時間保持することができ、リフレッシュ動作の間隔を長くすることができる。具体的には、リフレッシュ動作の間隔を1時間以上とすることができる。
メモリセル130を用いた記憶装置は、データの書き込み又は読み出しを行わない場合に、電源の供給を長期間停止することができ、消費電力を削減することができる。
[記憶装置131]
図15に示す記憶装置131は、セルアレイ132、センスアンプ回路134、駆動回路135、メインアンプ136、入出力回路137及び回路10を有する。セルアレイ132は、複数のメモリセル130を有する。各メモリセル130は、配線WL及び配線BLと接続されている。配線WLに供給される電位によってメモリセル130の選択が行われ、配線BLにメモリセル130に書き込むデータに対応する電位(以下、書き込み電位ともいう)が供給されることにより、メモリセル130にデータが書き込まれる。ここでは、セルアレイ132がi行j列(i、jは2以上の整数)のメモリセル130を有する場合について説明する。従って、セルアレイ132にはi本の配線WLとj本の配線BLが設けられている。
センスアンプ回路134は、複数の配線BLおよび配線GBLと接続されている。センスアンプ回路134は、入力された信号を増幅する機能と、増幅された信号の出力を制御する機能を有する。具体的には、メモリセル130に記憶されたデータに対応する配線BLの電位(以下、読み出し電位ともいう)を増幅し、所定のタイミングで配線GBLに出力する機能を有する。センスアンプ回路134によって読み出し電位を増幅することにより、メモリセル130から読み出された電位が微弱な場合にも、データの読み出しを確実に行うことができる。また、増幅された電位の配線GBLへの出力を制御することにより、配線GBLを共有化することができる。
センスアンプSAは、基準となる電位と、配線BLに供給される読み出し電位との電位差を増幅し、増幅された電位差を保持する機能を有する。また、増幅された電位の配線GBLへの出力を制御する機能を有する。ここでは、センスアンプSAが2本の配線BLと2本の配線GBLに接続されている例を示す。
本発明の一態様において、メモリセル130が、センスアンプSAと異なる層に形成されている。特に、メモリセル130がセンスアンプSAの上層に形成されることが好ましい。また、少なくとも1以上のメモリセル130は、センスアンプSAと重なる領域を有するように配置されることが好ましい。これにより、メモリセル130とセンスアンプSAが同一の層に設けられている場合と比較して、記憶装置131の面積を削減することができる。よって、記憶装置131の単位面積あたりの記憶容量を増加させることができる。なお、全てのメモリセル130をセンスアンプSAと重なるように配置することにより、記憶装置131の面積をさらに削減することができる。また、メモリセル130は、1つのセンスアンプSAと重なる領域を有するように配置してもよいし、異なる複数のセンスアンプSAと重なる領域を有するように配置してもよい。
また、メモリセル130とセンスアンプSAとを積層することにより、メモリセル130とセンスアンプSAとを接続する配線BLの長さを短くすることができる。よって、上記配線BLの配線抵抗を小さく抑えることができ、記憶装置131の消費電力の低減および動作速度の向上を図ることができる。また、メモリセル130に設けられる容量素子の面積を小さくすることができ、メモリセル130の縮小を図ることができる。
メインアンプ136は、センスアンプ回路134および入出力回路137と接続されている。メインアンプ136は、入力された信号を増幅する機能を有する。具体的には、配線GBLの電位を増幅して入出力回路137に出力する機能を有する。なお、メインアンプ136は省略することもできる。
入出力回路137は、配線GBLの電位またはメインアンプ136から出力された電位を読み出しデータとして外部に出力する機能を有する。
駆動回路135は、配線WLを介してメモリセル130と接続されている。駆動回路135は、所定の配線WLに、データの書き込みを行うメモリセル130を選択するための信号(以下、書き込みワード信号ともいう)を供給する機能を有する。駆動回路135は、デコーダなどによって構成することができる。
記憶装置131は、センスアンプSAおよび配線CSELを用いて、外部に出力する信号の選択を行うことができる。そのため、入出力回路137は、マルチプレクサなどを用いた信号を選択する機能が不要であるため、回路構成を簡略化し占有面積を縮小することができる。
なお、配線GBLの本数は特に限定されず、セルアレイ132が有する配線BLの本数(j本)よりも小さい任意の数とすることができる。例えば、1本の配線GBLと接続された配線BLの数がk本(kは2以上の整数)の場合、配線GBLの本数はj/k本となる。
各メモリセル130は配線BGと接続されている。配線BGは実施の形態1に示す回路10と接続されている。回路10は配線BGに接続された各メモリセルが有するトランジスタM0の第2ゲートの電位を制御する機能を有する。
回路10は、メモリセル130が有するトランジスタM0の第2ゲートに負電位を与え、保持し続けることができる。記憶装置131は、回路10を設けることで、トランジスタM0のカットオフ電流を下げることができ、データの保持特性を向上させることができる。その結果、記憶装置131は、メモリセル130のリフレッシュの頻度を少なくすることができ、消費電力を低減することができる。
[センスアンプSA]
センスアンプSAの具体的な構成例について説明する。図16に、メモリセル130と、メモリセル130と電気的に接続されたセンスアンプSAの回路構成の一例を示す。メモリセル130は、配線BLを介してセンスアンプSAと接続されている。ここでは、メモリセル130_1が配線BL_1を介してセンスアンプSAと接続され、メモリセル130_2が配線BL_2を介してセンスアンプSAと接続されている構成を例示する。
なお、図16では、1本の配線BLに1つのメモリセル130が接続されている構成を例示しているが、配線BLに複数のメモリセル130が接続されていてもよい。
センスアンプSAは、増幅回路138、スイッチ回路139、プリチャージ回路140を有する。
増幅回路138は、pチャネル型のトランジスタ144およびトランジスタ145と、nチャネル型のトランジスタ146およびトランジスタ147とを有する。トランジスタ144のソースまたはドレインの一方は配線SPと接続され、ソースまたはドレインの他方はトランジスタ145のゲート、トランジスタ147のゲート、及び配線BL_1と接続されている。トランジスタ146のソースまたはドレインの一方はトランジスタ145のゲート、トランジスタ147のゲート、および配線BL_1と接続され、ソースまたはドレインの他方は配線SNと接続されている。トランジスタ145のソースまたはドレインの一方は配線SPと接続され、ソースまたはドレインの他方はトランジスタ144のゲート、トランジスタ146のゲート、および配線BL_2と接続されている。トランジスタ147のソースまたはドレインの一方はトランジスタ144のゲート、トランジスタ146のゲート、および配線BL_2と接続され、ソースまたはドレインの他方は配線SNと接続されている。増幅回路138は、配線BL_1の電位を増幅する機能、および配線BL_2の電位を増幅する機能を有する。なお、図16に示す増幅回路138を有するセンスアンプSAは、ラッチ型のセンスアンプとして機能する。
スイッチ回路139は、nチャネル型のトランジスタ148及びトランジスタ149を有する。トランジスタ148及びトランジスタ149は、pチャネル型であっても良い。トランジスタ148のソースまたはドレインの一方は配線BL_1と接続され、ソースまたはドレインの他方は配線GBL_1と接続されている。トランジスタ149のソースまたはドレインの一方は配線BL_2と接続され、ソースまたはドレインの他方は配線GBL_2と接続されている。また、トランジスタ148のゲートおよびトランジスタ149のゲートは、配線CSELと接続されている。スイッチ回路139は、配線CSELに供給される電位に基づいて、配線BL_1と配線GBL_1の導通状態、および配線BL_2と配線GBL_2の導通状態を制御する機能を有する。
プリチャージ回路140は、nチャネル型のトランジスタ141、トランジスタ142、トランジスタ143を有する。トランジスタ141乃至トランジスタ143は、pチャネル型であっても良い。トランジスタ142のソースまたはドレインの一方は配線BL_1と接続され、ソースまたはドレインの他方は配線Preと接続されている。トランジスタ143のソースまたはドレインの一方は配線BL_2と接続され、ソースまたはドレインの他方は配線Preと接続されている。トランジスタ141のソースまたはドレインの一方は配線BL_1と接続され、ソースまたはドレインの他方は配線BL_2と接続されている。また、トランジスタ142のゲート、トランジスタ143のゲート、およびトランジスタ141のゲートは、配線PLと接続されている。プリチャージ回路140は、配線BL_1及び配線BL_2の電位を初期化する機能を有する。
次に、データの読み出し時における、図16に示したメモリセル130とセンスアンプSAの動作の一例について、図17に示したタイミングチャートを用いて説明する。
まず、期間T1では、プリチャージ回路140が有するトランジスタ141乃至トランジスタ143をオンにして、配線BL_1及び配線BL_2の電位を初期化する。具体的には、配線PLにハイレベルの電位VH_PLを与え、プリチャージ回路140においてトランジスタ141乃至トランジスタ143をオンにする。これにより、配線BL_1及び配線BL_2に、配線Preの電位Vpreが与えられる。なお、電位Vpreは、例えば(VH_SP+VL_SN)/2とすることができる。
なお、期間T1では、配線CSELにはローレベルの電位VL_CSELが与えられており、スイッチ回路139においてトランジスタ148及びトランジスタ149はオフの状態にある。また、配線WL_1にはローレベルの電位VL_WLが与えられており、メモリセル130_1においてトランジスタM0はオフの状態にある。同様に、図17には図示していないが、配線WL_2にはローレベルの電位VL_WLが与えられており、メモリセル130_2においてトランジスタM0はオフの状態にある。また、配線SP及び配線SNには電位Vpreが与えられており、増幅回路138はオフの状態にある。
次いで、配線PLにローレベルの電位VL_PLを与え、プリチャージ回路140においてトランジスタ141乃至トランジスタ143をオフにする。そして、期間T2では、配線WL_1を選択する。具体的に、図17では、配線WL_1にハイレベルの電位VH_WLを与えることで、配線WL_1を選択し、メモリセル130_1においてトランジスタM0をオンにする。上記構成により、配線BL_1と容量素子C2とが、トランジスタM0を介して導通状態となる。そして、配線BL_1と容量素子C2とが導通状態になると、容量素子C2に保持されている電荷量に従って、配線BL_1の電位が変動する。
図17に示すタイミングチャートでは、容量素子C2に蓄積されている電荷量が多い場合を例示している。具体的に、容量素子C2に蓄積されている電荷量が多い場合、容量素子C2から配線BL_1へ電荷が放出されることで、電位VpreからΔV1だけ配線BL_1の電位が上昇する。逆に、容量素子C2に蓄積されている電荷量が少ない場合は、配線BL_1から容量素子C2へ電荷が流入することで、配線BL_1の電位はΔV2だけ下降する。
なお、期間T2では、配線CSELにはローレベルの電位VL_CSELが与えられたままであり、スイッチ回路139においてトランジスタ148及びトランジスタ149はオフの状態を維持する。また、配線SP及び配線SNには、電位Vpreが与えられたままであり、センスアンプSAはオフの状態を維持する。
次いで、期間T3では、配線SPにハイレベルの電位VH_SPを与え、配線SNにローレベルの電位VL_SNを与えることで、増幅回路138をオンにする。増幅回路138は、配線BL_1及び配線BL_2の電位差(図17の場合はΔV1)を増幅させる機能を有する。よって、図17に示すタイミングチャートの場合、増幅回路138がオンになることで、配線BL_1の電位は、電位Vpre+ΔV1から、配線SPの電位VH_SPに近づいていく。また、配線BL_2の電位は、電位Vpreから、配線SNの電位VL_SNに近づいていく。
なお、期間T3の開始当初、配線BL_1の電位が電位Vpre−ΔV2である場合は、増幅回路138がオンになることで、配線BL_1の電位は、電位Vpre−ΔV2から、配線SNの電位VL_SNに近づいていく。また、配線BL_2の電位は、電位Vpreから、配線SPの電位VH_SPに近づいていく。
また、期間T3では、配線PLにはローレベルの電位VL_PLが与えられたままであり、プリチャージ回路140においてトランジスタ141乃至トランジスタ143はオフの状態を維持する。また、配線CSELにはローレベルの電位VL_CSELが与えられたままであり、スイッチ回路139においてトランジスタ148及びトランジスタ149はオフの状態を維持する。配線WL_1にはハイレベルの電位VH_WLが与えられたままであり、メモリセル130_1においてトランジスタM0はオンの状態を維持する。よって、メモリセル130_1では、配線BL_1の電位VH_SPに応じた電荷が、容量素子C2に蓄積される。
次いで、期間T4では、配線CSELに与える電位を制御することで、スイッチ回路139をオンにする。具体的に、図17では、配線CSELにハイレベルの電位VH_CSELを与え、スイッチ回路139においてトランジスタ148及びトランジスタ149をオンにする。これにより、配線BL_1の電位が配線GBL_1に供給され、配線BL_2の電位が配線GBL_2に供給される。
なお、期間T4では、配線PLにはローレベルの電位VL_PLが与えられたままであり、プリチャージ回路140においてトランジスタ141乃至トランジスタ143はオフの状態を維持する。また、配線WL_1にはハイレベルの電位VH_WLが与えられたままであり、メモリセル130_1においてトランジスタM0はオンの状態を維持する。配線SPにはハイレベルの電位VH_SPが与えられたままであり、配線SNにはローレベルの電位VL_SPが与えられたままであり、増幅回路138はオンの状態を維持する。よって、メモリセル130_1では、配線BL_1の電位VH_SPに応じた電荷が、容量素子C2に蓄積されたままである。
期間T4が終了すると、配線CSELに与える電位を制御することで、スイッチ回路139をオフにする。具体的に、図17では、配線CSELにローレベルの電位VL_CSELを与え、スイッチ回路139においてトランジスタ148及びトランジスタ149をオフにする。
また、期間T4が終了すると、配線WL_1の選択は終了する。具体的に、図17では、配線WL_1にローレベルの電位VL_WLを与えることで、配線WL_1を非選択の状態にし、メモリセル130_1においてトランジスタM0をオフにする。上記動作により、配線BL_1の電位VH_SPに応じた電荷が、容量素子C2において保持されるため、データの読み出しが行われた後も、上記データがメモリセル130_1において保持されることとなる。
上述した期間T1乃至期間T4における動作により、メモリセル130_1からのデータの読み出しが行われる。そして、メモリセル130_2からのデータの読み出しも、同様に行うことができる。
なお、メモリセル130へのデータの書き込みは、上記と同様の原理で行うことができる。具体的には、データの読み出しを行う場合と同様に、まず、プリチャージ回路140が有するトランジスタ141乃至トランジスタ143を一時的にオンにして、配線BL_1及び配線BL_2の電位を初期化しておく。次いで、データの書き込みを行いたいメモリセル130_1と接続された配線WL_1、またはメモリセル130_2と接続された配線WL_2を選択し、メモリセル130_1またはメモリセル130_2においてトランジスタM0をオンにする。上記動作により、配線BL_1または配線BL_2と、容量素子C2とが、トランジスタM0を介して導通状態になる。次いで、配線SPにハイレベルの電位VH_SPを与え、配線SNにローレベルの電位VL_SNを与えることで、増幅回路138をオンにする。次いで、配線CSELに与える電位を制御することで、スイッチ回路139をオンにする。具体的には、配線CSELにハイレベルの電位VH_CSELを与え、スイッチ回路139においてトランジスタ148及びトランジスタ149をオンにする。上記構成により、配線BL_1と配線GBL_1とが導通状態となり、配線BL_2と配線GBL_2とが導通状態となる。そして、配線GBL_1、配線GBL_2のそれぞれに書き込み電位を与えることで、スイッチ回路139を介して配線BL_1および配線BL_2に書き込み電位が与えられる。上記動作により、配線BL_1または配線BL_2の電位に従い容量素子C2に電荷が蓄積され、メモリセル130_1またはメモリセル130_2にデータが書き込まれる。
なお、配線BL_1に配線GBL_1の電位が与えられ、配線BL_2に配線GBL_2の電位が与えられた後は、スイッチ回路139においてトランジスタ148及びトランジスタ149をオフにしても、センスアンプSAがオンの状態にあるならば、配線BL_1の電位と配線BL_2の電位の高低の関係は、増幅回路138により保持される。よって、スイッチ回路139においてトランジスタ148及びトランジスタ149をオンからオフに変更するタイミングは、配線WL_1を選択する前であっても、後であっても、どちらでも良い。
〈〈SRAM〉〉
次に、回路10をSRAM(Static Random Access Memory)に用いた例について説明を行う。
[メモリセル150]
図18に示すメモリセル150は、回路SMCおよび回路BKCを有する。回路SMCは、標準的なSRAMのメモリセルと同様な回路構成とすればよい。図18に示す回路SMCは、インバータINV1、インバータINV2、トランジスタM3、およびトランジスタM4を有する。
回路BKCは、回路SMCのバックアップ回路として機能する。回路BKCは、トランジスタM0_1、トランジスタM0_2、容量素子CB1、容量素子CB2を有する。
トランジスタM0_1、M0_2はカットオフ電流が小さいトランジスタが好適である。トランジスタM0_1、M0_2として、OSトランジスタやチャネル形成領域にワイドバンドギャップ半導体を用いたトランジスタが好適である。
回路BKCは、トランジスタM0_1及び容量素子CB1からなる保持回路と、トランジスタM0_2及び容量素子CB2からなる保持回路を有する。それぞれの保持回路は、それぞれが有するノードSN1とノードSN2に、データを保持する。トランジスタM0_1および容量素子CB1とでなる保持回路は、ノードNET1のデータをバックアップできる機能を有する。トランジスタM0_2および容量素子CB2とでなる保持回路は、ノードNET2のデータをバックアップできる機能を有する。
メモリセル150は電源電位VDD、VSSが供給されている。メモリセル150は、配線(WL、BL、BLB、BRL)と電気的に接続されている。配線WLには、信号SLCが入力される。データ書き込み時には、配線BL、配線BLBには、データ信号D、データ信号DBが入力される。データの読み出しは、配線BLと配線BLBの電位を検出することで行われる。配線BRLには信号OSSが入力される。
メモリセル150の動作について説明を行う。
[データのバックアップ]
まず、信号OSSをHレベルにすることで、トランジスタM0_1、M0_2がオン状態となり、ノードSN1、SN2は、それぞれ、ノードNET1、NET2と同じ電位レベルとなる。すなわち、ノードNET1、NET2のデータがノードSN1、SN2に書き込まれる。
次に、信号OSSをLレベルにすることで、トランジスタM0_1、M0_2がオフ状態となり、データ退避動作が終了する。トランジスタM0_1、M0_2のカットオフ電流は小さいため、ノードSN1、SN2に書き込まれた電荷は保持される。
[電源オフ]
次に、メモリセル150の電源をオフにする。電源がオフにされた状態でも、回路BKCはデータを保持し続ける。
[データの復帰]
メモリセル150の電源を再びオンにし、信号OSSをHレベルにすることで、回路BKCで保持されているデータを、回路SMCに書き戻すことができる。すなわち、メモリセル150は、電源を停止する直前の状態に復帰することができる。
以上述べたように、メモリセル150は、電源が遮断されている状態でも長期間データを保持することが可能である。そのため、メモリセル150を用いた半導体装置は、積極的に電源をオフにし、電力を削減することができる。例えば、メモリセル150をCPU(Central Processing Unit)のキャッシュメモリに用いることで、CPUの電力削減を行うことができる。
回路10は、トランジスタM0_1、M0_2がそれぞれ有する第2ゲートに負電位を与え、保持し続けることができる。メモリセル150は、回路10を設けることでトランジスタM0_1、M0_2のそれぞれのカットオフ電流を下げることができ、データの保持特性を向上させることができる。その結果、メモリセル150は、より長い間電源をオフにすることが可能になり、より多くの電力を削減することができる。
〈〈電源回路〉〉
上述した不揮発性メモリ、DRAMまたはSRAMなどを有する回路に用いられる電源回路について説明を行う。
図19は、電源回路160の回路ブロック図を示している。電源回路160は、回路STUP、回路BGR、回路REF、回路OP1、回路OP2、回路OP3、回路OP4、回路OP5、回路12_1及び回路12_2を有する。
電源回路160は、電圧VIN(例えば3.3V)から、各回路に必要とされる電圧を生成し、供給する機能を有する。
電圧VINとGNDは、図19に示す全ての回路に供給される。
また、電源回路160が有する各回路は、信号SETと信号RESETが入力される。信号SETは各回路を起動させる信号であり、信号RESETは各回路を初期化させる信号である。
回路STUPはスタートアップ回路であり、電圧VINから回路BGRに供給する電圧を生成する機能を有する。
回路BGRはバンドギャップリファレンス回路であり、電圧VINから複数の電圧を生成し、回路OP1乃至回路OP3、回路OP5及び回路REFに電圧を供給する機能を有する。例えば、回路BGRは、回路OP1、回路OP2、回路OP3に1.0Vの電圧を供給する機能を有する。例えば、回路BGRは、回路OP1、回路OP2、回路OP3および回路REFに、1.3V電圧を供給する機能を有する。例えば回路BGRは回路OP5に0.29Vの電圧を供給する機能を有する。
回路REFは参照電圧生成回路であり、回路OP4及び回路OP5に電圧を供給する機能を有する。例えば、回路REFは、回路OP4及び回路OP5に、1.64V、0.38V、2.13Vまたは1.26Vの電圧を供給する機能を有する。
回路OP1はオペアンプであり、電圧VOUT1(例えば1.2V)を供給する機能を有する。電圧VOUT1は、例えば、CPUなどのロジック回路を動作させる電源電圧として機能する。
回路OP2はオペアンプであり、電圧VOUT2(例えば1.2V)を供給する機能を有する。電圧VOUT2は、例えば、上述した記憶装置110のデコーダまたは上述した記憶装置131の周辺回路を動作させる電源電圧として機能する。
回路OP3はオペアンプであり、電圧VOUT3(例えば1.2V)を供給する機能を有する。電圧VOUT3は、例えば、上述した記憶装置110の配線SLに供給される電圧として機能する。
回路OP4はオペアンプであり、電圧VOUT4(例えば0.6V)を供給する機能を有する。電圧VOUT4は、例えば、上述した記憶装置131における配線BLのプリチャージ用電圧(Vpre)として機能する。
回路OP5はオペアンプであり、電圧VOUT5(例えば0.4V)を供給する機能を有する。電圧VOUT5は、例えば、上述した読み出し回路121における参照電圧(Vref)として機能する。
なお、電源回路160は図19に示す構成に限定されず、必要に応じてさらに多くのオペアンプを設けてもよいし、これよりも少ないオペアンプで構成されていても良い。
回路12_1はチャージポンプ回路であり、実施の形態1に示す電圧生成回路12に相当する。回路12_1は電圧VBG1(例えば−3V)を供給する機能を有する。電圧VBG1は、上述したトランジスタM0、M0_1、M0_2がそれぞれ有する第2ゲートに印加される。
回路12_2はチャージポンプ回路であり、実施の形態1に示す電圧生成回路12に相当する。回路12_2は電圧VBG2(例えば−1V)を供給する機能を有する。電圧VBG2は、論理回路に用いられるトランジスタの第2ゲート、または、記憶装置の周辺回路等に用いられるトランジスタの第2ゲートに印加される。
電源回路160は、電圧VBG1と電圧VBG2の異なる負電圧を生成する機能を有する。VBG1<VBG2とした場合、電圧VBG1は、メモリセル内のトランジスタなど、低いカットオフ電流が要求されるトランジスタの第2ゲートに印加されるのが好ましい。一方で、電圧VBG2は、論理回路や記憶装置の周辺回路など、高いオン電流が要求されるトランジスタの第2ゲートに印加されるのが好ましい。このように、トランジスタに要求される特性に応じて、第2ゲートに印加される電圧を変えることで、電源回路160を有する半導体装置は、高速かつ低消費電力で動作することが可能になる。
上述した不揮発性メモリ、DRAM、SRAM、CPU、電源回路等は1つのICチップの中に設けることが好ましい。1つのICチップの中にこれらの回路を設けることで、各回路どうしのアクセス速度を向上させることができる。
〈〈表示装置〉〉
図20(A)、(B)では、実施の形態1で例示した回路10を表示装置に適用した一例について説明する。
図20(A)に、表示装置に適用可能な画素170の構成例を示す。画素170は、第1ゲート及び第2ゲートを有するトランジスタM0と、容量素子171と、表示素子172と、ノードN7と、配線GLと、配線SLと、配線BGLと、を有する。
トランジスタM0の第1ゲートは配線GLに電気的に接続され、トランジスタM0の第2ゲートは配線BGLに電気的に接続され、トランジスタM0のソースまたはドレインの一方は配線SLに電気的に接続され、トランジスタM0のソースまたはドレインの他方はノードN7に電気的に接続される。
容量素子171の第1の端子はノードN7に電気的に接続され、容量素子171の第2の端子は、一定の低電位が与えられている。
容量素子171は、必要に応じて設ければよく、電極や配線などに付随する寄生容量で、画素170の駆動に必要な容量が得られる場合は、容量素子171を省略してもよい。
トランジスタM0は、オフ電流が小さいトランジスタであることが好適である。例えば、トランジスタM0のオフ電流は、好ましくは10−18A/μm以下、さらに好ましくは10−21A/μm以下、さらに好ましくは10−24A/μm以下である。オフ電流が小さいトランジスタとして、OSトランジスタが挙げられる。
表示素子172の第1の端子はノードN7に電気的に接続され、表示素子172の第2の端子は、一定の低電位が与えられている。当該低電位として接地電位を与えてもよい。表示素子172は、その両端の電極に電圧が印加されることにより、光学特性が変化する、誘電性の素子を用いることができる。例えば、液晶素子や、電子ペーパーなどに用いられる電気泳動素子、ツイストボール素子などを適用することができる。
配線GLは、トランジスタM0のオン・オフを制御する信号を供給する機能を有し、配線SLは、トランジスタM0を介して、表示素子172に印加する電圧を供給する機能を有する。
トランジスタM0のオフ電流は極めて小さいため、トランジスタM0をオフにすると、ノードN7は、直前に印加された電圧を保持することができる。ノードN7の電圧が保持されている間、表示素子172は表示状態を保持しておくことができる。
画素170はノードN7の電圧を長時間保持しておくことが出来るため、電源電圧の供給を止めても表示素子172の光学特性を保持し続けることが可能となる。例えば、TN(Twisted Nematic)型液晶のようなメモリ性を有さない液晶素子を用いた場合であっても、当該素子には常に電圧が印加された状態を保持することが出来るため、書き換え動作を無くす、またはその頻度を極めて少なくすることが可能となる。
図20(B)は、マトリックス状に配置された画素170と、実施の形態1に示す回路10を有する表示装置180の回路構成を示している。
表示装置180は、m行n列のマトリクス状に配置された画素170を有する。また、m行目に配置された画素170は、配線GL[m]に電気的に接続され、n列目に配置された画素170は、配線SL[n]に電気的に接続される。
それぞれの画素170に含まれるトランジスタM0の第2ゲートは、配線BGLを介して、回路10に電気的に接続されている。すなわち、回路10は、全ての画素に含まれるトランジスタM0の第2ゲートを制御する機能を有する。
回路10が、トランジスタM0の第2ゲートを制御することで、トランジスタM0は適切なVthをとることが可能になり、ノーマリ・オンを防ぐことができる。その結果、トランジスタM0はオフ電流を小さくすることができ、ノードN7に書き込まれた電荷を保持することが可能になる。
また、回路10は、これに接続される画素170内のトランジスタM0のVthを最適な値に制御、保持し、且つ一時的にVthを変化させ、ノーマリ・オン型のトランジスタとすることが出来る。回路10に接続されたm×n個のトランジスタを同時にノーマリ・オン型に一時的に変化させることにより、それぞれの画素に格納される電圧(すなわち表示画像)を一つの信号で同時にリフレッシュすることができる。
表示装置180を上記構成にすることで、書き換え頻度が少なく、低消費電力で動作できる表示装置を提供することができる。また、容易にリフレッシュ動作が可能な画素を複数有する表示装置とすることが出来る。また、電源の供給を止めても表示が可能な表示装置を実現できる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で用いたOSトランジスタの構造について説明を行う。
<酸化物半導体>
まず、OSトランジスタに用いることが可能な酸化物半導体について説明を行う。
酸化物半導体は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。ここで、酸化物半導体が、インジウム、元素M及び亜鉛を有する場合を考える。
まず、図21(A)、図21(B)、および図21(C)を用いて、本発明に係る酸化物半導体が有するインジウム、元素M及び亜鉛の原子数比の好ましい範囲について説明する。なお、図21には、酸素の原子数比については記載しない。また、酸化物半導体が有するインジウム、元素M、及び亜鉛の原子数比のそれぞれの項を[In]、[M]、および[Zn]とする。
図21(A)、図21(B)、および図21(C)において、破線は、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):1の原子数比(αは−1以上1以下)となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):2の原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):3の原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):4の原子数比となるライン、および[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):5の原子数比となるラインを表す。
また、一点鎖線は、[In]:[M]:[Zn]=1:1:βの原子数比(β≧0)となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:2:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:3:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:4:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=2:1:βの原子数比となるライン、及び[In]:[M]:[Zn]=5:1:βの原子数比となるラインを表す。
また、二点鎖線は、[In]:[M]:[Zn]=(1+γ):2:(1−γ)の原子数比(γは−1以上1以下)となるラインを表す。また、図21に示す、[In]:[M]:[Zn]=0:2:1の原子数比またはその近傍値の酸化物半導体は、スピネル型の結晶構造をとりやすい。
図21(A)および図21(B)では、本発明の一態様の酸化物半導体が有する、インジウム、元素M、及び亜鉛の原子数比の好ましい範囲の一例について示している。
一例として、図22に、[In]:[M]:[Zn]=1:1:1である、InMZnO4の結晶構造を示す。また、図22は、b軸に平行な方向から観察した場合のInMZnO4の結晶構造である。なお、図22に示すM、Zn、酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)における金属元素は、元素Mまたは亜鉛を表している。この場合、元素Mと亜鉛の割合が等しいものとする。元素Mと亜鉛とは、置換が可能であり、配列は不規則である。
InMZnO4は、層状の結晶構造(層状構造ともいう)をとり、図22に示すように、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)が1に対し、元素M、亜鉛、および酸素を有する(M,Zn)層が2となる。
また、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。そのため、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換し、(In,M,Zn)層と表すこともできる。その場合、In層が1に対し、(In,M,Zn)層が2である層状構造をとる。
[In]:[M]:[Zn]=1:1:2となる原子数比の酸化物半導体は、In層が1に対し、(M,Zn)層が3である層状構造をとる。つまり、[In]および[M]に対し[Zn]が大きくなると、酸化物半導体が結晶化した場合、In層に対する(M,Zn)層の割合が増加する。
ただし、酸化物半導体中において、In層が1層に対し、(M,Zn)層数が非整数である場合、In層が1層に対し、(M,Zn)層の層数が整数である層状構造を複数種有する場合がある。例えば、[In]:[M]:[Zn]=1:1:1.5である場合、In層が1層に対し、(M,Zn)層が2層である層状構造と、(M,Zn)層が3層である層状構造とが混在する層状構造となる場合がある。
例えば、酸化物半導体をスパッタリング装置にて成膜する場合、ターゲットの原子数比からずれた原子数比の膜が形成される。特に、成膜時の基板温度によっては、ターゲットの[Zn]よりも、膜の[Zn]が小さくなる場合がある。
また、酸化物半導体中に複数の相が共存する場合がある(二相共存、三相共存など)。例えば、[In]:[M]:[Zn]=0:2:1の原子数比の近傍値である原子数比では、スピネル型の結晶構造と層状の結晶構造との二相が共存しやすい。また、[In]:[M]:[Zn]=1:0:0を示す原子数比の近傍値である原子数比では、ビックスバイト型の結晶構造と層状の結晶構造との二相が共存しやすい。酸化物半導体中に複数の相が共存する場合、異なる結晶構造の間において、粒界(グレインバウンダリーともいう)が形成される場合がある。
また、インジウムの含有率を高くすることで、酸化物半導体のキャリア移動度(電子移動度)を高くすることができる。これは、インジウム、元素M及び亜鉛を有する酸化物半導体では、主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、インジウムの含有率を高くすることにより、s軌道が重なる領域がより大きくなるため、インジウムの含有率が高い酸化物半導体はインジウムの含有率が低い酸化物半導体と比較してキャリア移動度が高くなるためである。
一方、酸化物半導体中のインジウムおよび亜鉛の含有率が低くなると、キャリア移動度が低くなる。従って、[In]:[M]:[Zn]=0:1:0を示す原子数比、およびその近傍値である原子数比(例えば図21(C)に示す領域C)では、絶縁性が高くなる。
従って、本発明の一態様の酸化物半導体は、キャリア移動度が高く、かつ、粒界が少ない層状構造となりやすい、図21(A)の領域Aで示される原子数比を有することが好ましい。
また、図21(B)に示す領域Bは、[In]:[M]:[Zn]=4:2:3から4.1、およびその近傍値を示している。近傍値には、例えば、原子数比が[In]:[M]:[Zn]=5:3:4が含まれる。領域Bで示される原子数比を有する酸化物半導体は、特に、結晶性が高く、キャリア移動度も高い優れた酸化物半導体である。
なお、酸化物半導体が、層状構造を形成する条件は、原子数比によって一義的に定まらない。原子数比により、層状構造を形成するための難易の差はある。一方、同じ原子数比であっても、形成条件により、層状構造になる場合も層状構造にならない場合もある。従って、図21で図示する領域は、酸化物半導体が層状構造を有する原子数比を示す領域であり、領域A乃至領域Cの境界は厳密ではない。
<トランジスタ構造1>
図23(A)、図23(B)、および図23(C)は、トランジスタ200の上面図および断面図である。図23(A)は上面図であり、図23(B)は、図23(A)に示す一点鎖線X1−X2、図23(C)は、一点鎖線Y1−Y2に対応する断面図である。なお、図23(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
図23(B)、(C)は、絶縁体214及び絶縁体216上にトランジスタ200が設けられた例を示している。
トランジスタ200は、ゲート電極として機能する導電体205(導電体205a、および導電体205b)、および導電体260と、ゲート絶縁層として機能する絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、および絶縁体250と、酸化物半導体230(酸化物半導体230a、酸化物半導体230b、および酸化物半導体230c)と、ソースまたはドレインの一方として機能する導電体240aと、ソースまたはドレインの他方として機能する導電体240bと、過剰酸素を有する絶縁体280と、を有する。
また、酸化物半導体230は、酸化物半導体230aと、酸化物半導体230a上の酸化物半導体230bと、酸化物半導体230b上の酸化物半導体230cと、を有する。なお、トランジスタ200をオンさせると、主として酸化物半導体230bに電流が流れることから、酸化物半導体230bはチャネル形成領域としての機能を有する。一方、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cは、酸化物半導体230bとの界面近傍(混合領域となっている場合もある)は電流が流れる場合があるものの、そのほかの領域は絶縁体として機能する場合がある。
導電体205は、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等である。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
例えば、導電体205aとして、水素に対するバリア性を有する導電体として、窒化タンタル等を用い、導電体205bとして、導電性が高いタングステンを積層するとよい。当該組み合わせを用いることで、配線としての導電性を保持したまま、酸化物半導体230への水素の拡散を抑制することができる。なお、図23では、導電体205a、および導電体205bの2層構造を示したが、当該構成に限定されず、単層でも3層以上の積層構造でもよい。
絶縁体220、および絶縁体224は、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などの、酸素を含む絶縁体であることが好ましい。特に、絶縁体224として過剰酸素を含む(化学量論的組成よりも過剰に酸素を含む)絶縁体を用いることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を、トランジスタ200を構成する酸化物半導体に接して設けることにより、酸化物中の酸素欠損を補償することができる。なお、絶縁体220と絶縁体224とは、必ずしも同じ材料を用いて形成しなくともよい。
絶縁体222は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba,Sr)TiO3(BST)などを含む絶縁体を単層または積層で用いることが好ましい。またはこれらの絶縁体に例えば酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁体を窒化処理しても良い。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
なお、絶縁体222が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
絶縁体220及び絶縁体224の間に、high−k材料を含む絶縁体222を有することで、絶縁体222を負に帯電させることが可能である。すなわち、絶縁体222を電荷蓄積層として機能させることができる。
例えば、絶縁体220、および絶縁体224に、酸化シリコンを用い、絶縁体222に、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタルのような電子捕獲準位の多い材料を用いた場合、半導体装置の使用温度、あるいは保管温度よりも高い温度(例えば、125℃以上450℃以下、代表的には150℃以上300℃以下)の下で、導電体205の電位をソース電極やドレイン電極の電位より高い状態を、10ミリ秒以上、代表的には1分以上維持することで、トランジスタ200を構成する酸化物から導電体205に向かって、電子が移動する。この時、移動する電子の一部が、絶縁体222の電子捕獲準位に捕獲される。
絶縁体222の電子捕獲準位に必要な量の電子を捕獲させたトランジスタは、Vthがプラス側にシフトする。なお、導電体205の電圧の制御によって電子の捕獲する量を制御することができ、それに伴ってVthを制御することができる。
また、電子を捕獲する処理は、トランジスタの作製過程におこなえばよい。例えば、トランジスタのソース導電体あるいはドレイン導電体に接続する導電体の形成後、あるいは、前工程(ウェハー処理)の終了後、あるいは、ウェハーダイシング工程後、パッケージ後等、工場出荷前のいずれかの段階で行うとよい。
また、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224の膜厚を適宜調整することで、Vthを制御することができる。または、非導通時のリーク電流の小さいトランジスタを提供することができる。絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224の膜厚をそれぞれ薄くすることで、導電体205によるVth制御が容易になり好ましい。例えば、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224の膜厚はそれぞれ50nm以下、さらに好ましくはそれぞれ30nm以下、さらに好ましくはそれぞれ10nm以下、さらに好ましくはそれぞれ5nm以下にすればよい。
酸化物半導体230a、酸化物半導体230b、および酸化物半導体230cは、In−M−Zn酸化物等の金属酸化物で形成される。また、酸化物半導体230として、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物を用いてもよい。
酸化物半導体230a、酸化物半導体230cは、酸化物半導体230bよりも伝導帯下端のエネルギー準位が真空準位に近く、代表的には、酸化物半導体230bの伝導帯下端のエネルギー準位と、酸化物半導体230a、酸化物半導体230cの伝導帯下端のエネルギー準位との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下であることが好ましい。すなわち、酸化物半導体230a、酸化物半導体230cの電子親和力と、酸化物半導体230bの電子親和力との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下であることが好ましい。
酸化物半導体230bにおいて、エネルギーギャップは2eV以上が好ましく、2.5eV以上3.0eV以下がより好ましい。また、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cにおいて、エネルギーギャップは2eV以上が好ましく、2.5eV以上がより好ましく、2.7eV以上3.5eV以下がさらに好ましい。また、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cのエネルギーギャップは、酸化物半導体230bのエネルギーギャップよりも大きいことが好ましい。例えば、酸化物半導体230aのエネルギーギャップは、酸化物半導体230bのエネルギーギャップと比べて、0.15eV以上または0.5eV以上、かつ、2eV以下または1eV以下であることが好ましい。同様に、酸化物半導体230cのエネルギーギャップは、酸化物半導体230bのエネルギーギャップと比べて 、0.15eV以上または0.5eV以上、かつ2eV以下または1eV以下であることが好ましい。
また、酸化物半導体230a、酸化物半導体230bおよび酸化物半導体230cのそれぞれの厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上60nm以下である。
酸化物半導体膜のキャリア密度を低くすることで、トランジスタのしきい値電圧のマイナスシフトを抑制し、またはトランジスタのオフ電流を低くすることができるため好ましい。
酸化物半導体のキャリア密度に影響を与える因子としては、酸化物半導体中の酸素欠損(Vo)、または酸化物半導体中の不純物などが挙げられる。酸化物半導体中の酸素欠損が多くなると、該酸素欠損に水素が結合(この状態をVoHともいう)した際に、欠陥準位密度が高くなる。または、酸化物半導体中の不純物が多くなると、該不純物に起因し欠陥準位密度が高くなる。したがって、酸化物半導体中の欠陥準位密度を制御することで、酸化物半導体のキャリア密度を制御することができる。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性と言う。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。
酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cとして、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cのキャリア密度は、8×1015cm−3未満、好ましくは1×1011cm−3未満、さらに好ましくは1×1010cm−3未満であり、1×10−9cm−3以上とすればよい。
一方で、トランジスタのオン電流の向上、またはトランジスタの電界効果移動度の向上を目的とする場合においては、酸化物半導体のキャリア密度を高くする方が好ましい。酸化物半導体のキャリア密度を高くする場合においては、酸化物半導体の不純物濃度をわずかに高める、または酸化物半導体の欠陥準位密度をわずかに高めればよい。あるいは、酸化物半導体のバンドギャップをより小さくするとよい。例えば、トランジスタのID−VG特性のオン/オフ比が取れる範囲において、不純物濃度がわずかに高い、または欠陥準位密度がわずかに高い酸化物半導体は、実質的に真性とみなせる。また、バンドギャップが小さく熱励起された電子(キャリア)の密度が増加した酸化物半導体は、実質的に真性とみなせる。なお、より電子親和力が大きな酸化物半導体を用いた場合には、トランジスタのしきい値電圧がより低くなる。
上述のキャリア密度が高められた酸化物半導体は、わずかにn型化している。したがって、キャリア密度が高められた酸化物半導体を、「Slightly−n」と呼称してもよい。
酸化物半導体230bのキャリア密度は、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cと比較して高いことが好ましい。酸化物半導体230bのキャリア密度は、1×105cm−3以上1×1018cm−3未満が好ましく、1×107cm−3以上1×1017cm−3以下がより好ましく、1×109cm−3以上5×1016cm−3以下がさらに好ましく、1×1010cm−3以上1×1016cm−3以下がさらに好ましく、1×1011cm−3以上1×1015cm−3以下がさらに好ましい。
酸化物半導体230aと酸化物半導体230bとの界面、または酸化物半導体230bと酸化物半導体230cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くすることが好ましい。
具体的には、酸化物半導体230aと酸化物半導体230b、酸化物半導体230bと酸化物半導体230cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物半導体230bがIn−Ga−Zn酸化物半導体の場合、酸化物半導体230a、酸化物半導体230cとして、In−Ga−Zn酸化物半導体、Ga−Zn酸化物半導体、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物半導体230bとなる。酸化物半導体230aと酸化物半導体230bとの界面、および酸化物半導体230bと酸化物半導体230cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
トラップ準位に電子が捕獲されることで、捕獲された電子は固定電荷のように振る舞うため、トランジスタのVthはプラス方向にシフトしてしまう。酸化物半導体230a、酸化物半導体230cを設けることにより、トラップ準位を酸化物半導体230bより遠ざけることができる。当該構成とすることで、トランジスタのVthがプラス方向にシフトすることを防止することができる。
酸化物半導体230a、酸化物半導体230cは、酸化物半導体230bと比較して、導電率が十分に低い材料を用いる。このとき、酸化物半導体230b、酸化物半導体230bと酸化物半導体230aとの界面、および酸化物半導体230bと酸化物半導体230cとの界面が、主にチャネル領域として機能する。例えば、酸化物半導体230a、酸化物半導体230cには、図21(C)において、絶縁性が高くなる領域Cで示す原子数比の酸化物半導体を用いればよい。なお、図21(C)に示す領域Cは、[In]:[M]:[Zn]=0:1:0、またはその近傍値である原子数比を示している。
特に、酸化物半導体230bに図21(A)に示す領域Aで示される原子数比の酸化物半導体を用いる場合、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cには、[M]/[In]が1以上、好ましくは2以上である酸化物半導体を用いることが好ましい。また、酸化物半導体230cとして、十分に高い絶縁性を得ることができる[M]/([Zn]+[In])が1以上である酸化物半導体を用いることが好適である。
ここで図23等に示すトランジスタ200において、導電体260をトップゲート、導電体205をボトムゲートと呼ぶ場合がある。あるいは、導電体260をフロントゲート、導電体205をバックゲートと呼ぶ場合がある。
酸化物半導体230cは、酸化物半導体230bよりも結晶性が低い場合がある。また、酸化物半導体230bは、後述するCAAC―OSを有することが好ましい。酸化物半導体230cの結晶性を低くすることにより、酸化物半導体230cの酸素透過性が高くなり、酸化物半導体230cよりも上に位置する絶縁体から酸化物半導体230bへ酸素を供給しやすくなる場合がある。ここで、酸化物半導体230cは非晶質または後述するa−like OS(amorphous−like oxide semiconductor)であってもよい。
酸化物半導体230aは、CAAC−OSを有してもよい。また、酸化物半導体230aは酸化物半導体230cよりも結晶性が高いことが好ましい。
絶縁体250は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba,Sr)TiO3(BST)などを含む絶縁体を単層または積層で用いることができる。またはこれらの絶縁体に例えば酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁体を窒化処理しても良い。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体250として、絶縁体224と同様に、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁体を用いることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物半導体230に接して設けることにより、酸化物半導体230中の酸素欠損を低減することができる。
また、絶縁体250は、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化シリコンなどの、酸素や水素に対してバリア性のある絶縁膜を用いることができる。このような材料を用いて形成した場合、酸化物半導体230からの酸素の放出や、外部からの水素等の不純物の混入を防ぐ層として機能する。
なお、絶縁体250は、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224と同様の積層構造を有していてもよい。絶縁体250が、電子捕獲準位に必要な量の電子を捕獲させた絶縁体を有することで、トランジスタ200は、Vthをプラス側にシフトすることができる。当該構成を有することで、トランジスタ200は、ゲート電圧が0Vであっても非導通状態(オフ状態ともいう)であるノーマリ・オフ型のトランジスタとなる。
また、図23に示す半導体装置において、酸化物半導体230と導電体260の間に、絶縁体250の他にバリア膜を設けてもよい。もしくは、酸化物半導体230cにバリア性があるものを用いてもよい。
例えば、過剰酸素を含む絶縁膜を酸化物半導体230に接して設け、さらにバリア膜で包み込むことで、酸化物半導体を化学量論比組成とほぼ一致するような状態、または化学量論的組成より酸素が多い過飽和の状態とすることができる。また、酸化物半導体230への水素等の不純物の侵入を防ぐことができる。
導電体240aと、および導電体240bは、一方がソース電極として機能し、他方がドレイン電極として機能する。
導電体240aと、導電体240bとは、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金を用いることができる。また、図では単層構造を示したが、2層以上の積層構造としてもよい。
例えば、チタン膜とアルミニウム膜を積層するとよい。また、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造としてもよい。
また、チタン膜または窒化チタン膜と、そのチタン膜または窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜または窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。
また、ゲート電極として機能を有する導電体260は、例えばアルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた金属、または上述した金属を成分とする合金か、上述した金属を組み合わせた合金等を用いて形成することができる。また、マンガン、ジルコニウムのいずれか一または複数から選択された金属を用いてもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体、ニッケルシリサイド等のシリサイドを用いてもよい。
例えば、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造とするとよい。また、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造としてもよい。
また、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等がある。また、アルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた一または複数の金属を組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜を用いてもよい。
また、導電体260は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属の積層構造とすることもできる。
導電体260として、仕事関数の高い導電性材料を用いることで、トランジスタ200のVthを大きくし、カットオフ電流を下げることができる。導電体260の仕事関数は好ましくは、4.8eV以上、さらに好ましくは5.0eV以上、さらに好ましくは5.2eV以上、さらに好ましくは5.4eV以上、さらに好ましくは5.6eV以上の導電性材料を用いればよい。仕事関数の大きな導電性材料として、例えば、モリブデン、酸化モリブデン、Pt、Ptシリサイド、Niシリサイド、インジウム錫酸化物、窒素添加されたIn−Ga−Zn酸化物などが挙げられる。
トランジスタ200の上方には、絶縁体280を設ける。絶縁体280には、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体280には、化学量論的組成よりも酸素が過剰に存在する領域(以下、過剰酸素領域ともいう)が形成されていることが好ましい。特に、トランジスタ200に酸化物半導体を用いる場合、トランジスタ200近傍の層間膜などとして、過剰酸素領域を有する絶縁体を設けることで、トランジスタ200の酸素欠損を低減することで、信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物材料とは、TDS分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲が好ましい。
例えばこのような材料として、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む材料を用いることが好ましい。または、金属酸化物を用いることもできる。なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
また、トランジスタ200を覆う絶縁体280は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
<トランジスタ構造2>
図24には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図24(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図24(A)において一部の膜は省略されている。また、図24(B)は、図24(A)に示す一点鎖線X1−X2に対応する断面図であり、図24(C)はY1−Y2に対応する断面図である。
なお、図24に示すトランジスタ200において、図23に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
図24に示す構造は、ゲート電極として機能する導電体260が、導電体260a、導電体260b、導電体260cを有する。
導電体260aは、熱CVD法、MOCVD法またはALD(ALD:Atomic Layer Deposition)法を用いて形成する。特に、ALD法を用いて形成することが好ましい。ALD法等により形成することで、絶縁体250に対するプラズマによるダメージを減らすことができる。また、被覆性を向上させることができるため、導電体260aをALD法等により形成することが好ましい。従って、信頼性が高いトランジスタ200を提供することができる。
また、導電体260bは、タンタル、タングステン、銅、アルミニウムなどの導電性が高い材料を用いて形成する。さらに、導電体260b上に形成する導電体260cは、窒化タングステンなどの酸化しづらい導電体を用いて形成することが好ましい。絶縁体280に酸素が脱離する酸化物材料を用いる場合、導電体260が、脱離した酸素により酸化することを防止することができる。
従って、導電体260の酸化を抑制し、絶縁体280から、脱離した酸素を効率的に酸化物半導体230へと供給することができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体280と接する面積が大きい導電体260cに酸化しにくい導電体を用いることで、絶縁体280の過剰酸素が導電体260に吸収されることを抑制することができる。また、導電体260bに導電性が高い導電体を用いることで、消費電力が小さいトランジスタ200を提供することができる。
<トランジスタ構造3>
図25には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図25(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図25(A)において一部の膜は省略されている。また、図25(B)は、図25(A)に示す一点鎖線X1−X2に対応する断面図であり、図25(C)はY1−Y2に対応する断面図である。
なお、図25に示すトランジスタ200において、図23に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
図25に示す構造は、ゲート電極として機能する導電体260が、導電体260a、および導電体260bを有する積層構造である。また、ゲート電極として機能する導電体260上に絶縁体270を有する。
導電体260aは、熱CVD法、MOCVD法またはALD法を用いて形成する。特に、ALD法を用いて形成することが好ましい。ALD法等により形成することで、絶縁体250に対するプラズマによるダメージを減らすことができる。また、被覆性を向上させることができるため、導電体260aをALD法等により形成することが好ましい。従って、信頼性が高いトランジスタ200を提供することができる。
また、導電体260bは、タンタル、タングステン、銅、アルミニウムなどの導電性が高い材料を用いて形成する。
また、導電体260を覆うように、絶縁体270を設ける。絶縁体280に酸素が脱離する酸化物材料を用いる場合、導電体260が、脱離した酸素により酸化することを防止するため、絶縁体270は、酸素に対してバリア性を有する物質を用いる。
例えば、絶縁体270には、酸化アルミニウムなどの金属酸化物を用いることができる。また絶縁体270は、導電体260の酸化を防止する程度に設けられていればよい。例えば、絶縁体270の膜厚は、1nm以上10nm以下、好ましくは3nm以上7nm以下として設ける。
従って、導電体260の酸化を抑制し、絶縁体280から、脱離した酸素を効率的に酸化物半導体230へと供給することができる。
<トランジスタ構造4>
図26には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図26(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図26(A)において一部の膜は省略されている。また、図26(B)は、図26(A)に示す一点鎖線X1−X2に対応する断面図であり、図26(C)はY1−Y2に対応する断面図である。
なお、図26に示すトランジスタ200において、図23に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
図26に示す構造は、ソースまたはドレインとして機能する導電体が積層構造を有する。導電体240a、および導電体240bは、酸化物半導体230bと密着性が高い導電体を用い、導電体241a、導電体241bは、導電性が高い材料を用いることが好ましい。また、導電体240a、および導電体240bは、ALD法を用いて形成することが好ましい。ALD法等により形成することで、被覆性を向上させることができる。
例えば、酸化物半導体230bに、インジウムを有する金属酸化物を用いる場合、導電体240a、および導電体240bには、窒化チタンなどを用いればよい。また、導電体241a、および導電体241bに、タンタル、タングステン、銅、アルミニウムなどの導電性が高い材料を用いることで、信頼性が高く、消費電力が小さいトランジスタ200を提供することができる。
また、図26(C)に示すように、トランジスタ200のチャネル幅方向において、酸化物半導体230bが導電体260に覆われている。また、絶縁体224の凸部の形状を調整することで、酸化物半導体230bの側面も導電体260で覆うことができる。例えば、酸化物半導体230bの側面において、導電体260の底面が、酸化物半導体230bの底面よりも、基板側となる構造となることが好ましい。つまり、トランジスタ200は、導電体205および導電体260の電界によって、酸化物半導体230bを電気的に取り囲むことができる構造を有する。このように、導電体の電界によって、酸化物半導体230bを電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。s−channel構造のトランジスタ200は、酸化物半導体230b全体(バルク)にチャネルを形成することもできる。s−channel構造では、トランジスタのドレイン電流を大きくすることができ、さらに大きいオン電流(トランジスタがオン状態のときにソースとドレインの間に流れる電流)を得ることができる。また、導電体205および導電体260の電界によって、酸化物半導体230bに形成されるチャネル形成領域の全領域を空乏化することができる。したがって、s−channel構造では、トランジスタのオフ電流をさらに小さくすることができる。なお、チャネル幅を小さくすることで、s−channel構造によるオン電流の増大効果、オフ電流の低減効果などを高めることができる。
<トランジスタ構造5>
図27には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図27(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図27(A)において一部の膜は省略されている。また、図27(B)は、図27(A)に示す一点鎖線X1−X2に対応する断面図であり、図27(C)はY1−Y2に対応する断面図である。
なお、図27に示すトランジスタ200において、図23に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
絶縁体280に形成された開口部に、酸化物半導体230c、絶縁体250、導電体260を形成されている。
図27に示すトランジスタ200は、導電体240a及び導電体240bと、導電体260と、がほとんど重ならない構造を有するため、導電体260にかかる寄生容量を小さくすることができる。即ち、動作周波数が高いトランジスタ200を提供することができる。
<トランジスタ構造6>
図28には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図28(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図28(A)において一部の膜は省略されている。また、図28(B)は、図28(A)に示す一点鎖線X1−X2に対応する断面図であり、図28(C)はY1−Y2に対応する断面図である。
なお、図28に示すトランジスタ200において、図23に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
図28に示すトランジスタ200は、絶縁体280に形成された開口部に、酸化物半導体230c、絶縁体250、導電体260が形成されている。
図28に示すトランジスタ200は、導電体240a及び導電体240bと、導電体260と、がほとんど重ならない構造を有するため、導電体260にかかる寄生容量を小さくすることができる。即ち、動作周波数が高いトランジスタ200を提供することができる。
また、酸化物半導体230dは、酸化物半導体230bと過剰酸素領域を有する絶縁体280との間に設けられている。そのため、図27のように酸化物半導体230bが絶縁体280と直接接する場合よりも、酸化物半導体230bに形成されるチャネル近傍に、浅い準位が生じることが抑制され、信頼性が高い半導体装置を提供することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態に示す半導体装置の一形態を、図29乃至図31を用いて説明する。
<半導体装置の構造>
本発明の一態様の半導体装置は、図29に示すようにトランジスタ300、トランジスタ200、容量素子400を有する。トランジスタ200はトランジスタ300の上方に設けられ、容量素子400はトランジスタ300、およびトランジスタ200の上方に設けられている。
トランジスタ300は、基板301に設けられ、導電体306、絶縁体304、基板301の一部からなる半導体領域302、およびソース領域またはドレイン領域として機能する低抵抗領域308a、および低抵抗領域308bを有する。
トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域302のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、またはドレイン領域となる低抵抗領域308a、および低抵抗領域308bなどにおいて、シリコンを含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。または、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。またはGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域308a、および低抵抗領域308bは、半導体領域302に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、またはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体306は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料により、仕事関数を定めることで、しきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図29に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
トランジスタ300を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326が順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜として機能する。絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
絶縁体324には、例えば、基板301、またはトランジスタ300などから、トランジスタ200が設けられる領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
例えば、水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ200等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、該半導体素子の特性が低下する場合がある。従って、トランジスタ200と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS(Thermal Desorption Spectroscopy))などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm2以下、好ましくは5×1015atoms/cm2以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体324の比誘電率は、絶縁体326の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326には容量素子400、またはトランジスタ200と電気的に接続する導電体328、および導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、および導電体330はプラグ、または配線として機能を有する。なお、後述するが、プラグまたは配線として機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と電気的に接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、および導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、および配線(導電体328、および導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を、単層または積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。または、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
また、導電体328、および導電体330は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体324が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ200とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ200への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体324と接する構造であることが好ましい。
また、絶縁体326、および導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図29において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、プラグ、または配線として機能を有する。なお導電体356は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
また、導電体356は、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。なお、導電体356に銅を用いる場合、銅の拡散を抑制する導電体と積層して設けることが好ましい。銅の拡散を抑制する導電体として、例えばタンタル、窒化タンタル等のタンタルを含む合金、ルテニウム、およびルテニウムを含む合金等を用いるとよい。
また、例えば、絶縁体350は、銅の拡散を抑制する、または、酸素、および水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。例えば、銅の拡散を抑制する膜の一例として、窒化シリコンを用いることができる。従って、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
特に、銅の拡散を抑制する絶縁体350が有する開口部に銅の拡散を抑制する導電体を設け、銅の拡散を抑制する導電体上に銅を積層して設けることが好ましい。当該構成により、配線の周辺に銅が拡散することを抑制することができる。
絶縁体354上には、絶縁体358、絶縁体210、絶縁体212、および絶縁体214が、順に積層して設けられている。絶縁体358、絶縁体210、絶縁体212、および絶縁体214のいずれかまたは全部を、銅の拡散を抑制する、または酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
絶縁体358、および絶縁体212には、例えば、基板301、またはトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ200を設ける領域に、銅の拡散を抑制する、または、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。従って、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
また、絶縁体210は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体210として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、例えば、絶縁体214には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ200への混入を防止することができる。また、トランジスタ200を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ200に対する保護膜として用いることに適している。
絶縁体214上には、絶縁体216を設ける。絶縁体216は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体216として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体358、絶縁体210、絶縁体212、絶縁体214、及び絶縁体216には、導電体218等が埋め込まれている。なお、導電体218は、容量素子400、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線としての機能を有する。導電体218は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体358、絶縁体212、および絶縁体214と接する領域の導電体218は、銅の拡散を抑制する、または、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ200とは、銅の拡散を抑制する、または、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する層で、完全により分離することができる。つまり、導電体356からの銅の拡散を抑制し、トランジスタ300からトランジスタ200への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体214の上方には、トランジスタ200、および絶縁体280が設けられている。また、図29に示すトランジスタ200は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
絶縁体280上には、絶縁体282、絶縁体284、および絶縁体410が順に積層して設けられている。また、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、絶縁体280、絶縁体282、絶縁体284、および絶縁体410には、導電体244等が埋め込まれている。なお、導電体244は、容量素子400、トランジスタ200、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線として機能を有する。導電体244は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、絶縁体282、および絶縁体284のいずれか、または両方に、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。従って、絶縁体282には、絶縁体214と同様の材料を用いることができる。また、絶縁体284には、絶縁体212と同様の材料を用いることができる。また、絶縁体410には、絶縁体210と同様の絶縁体を用いることができる。
例えば、絶縁体282には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ200への混入を防止することができる。また、トランジスタ200を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ200に対する保護膜として用いることに適している。
絶縁体284には、容量素子400を設ける領域から、トランジスタ200が設ける領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。従って、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
例えば、水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ200等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、該半導体素子の特性が低下する場合がある。従って、トランジスタ200と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
従って、トランジスタ200、および過剰酸素領域を含む絶縁体280を、絶縁体210、絶縁体212、および絶縁体214の積層構造と、絶縁体282、絶縁体284、および絶縁体102の積層構造により挟む構成とすることができる。また、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体282および絶縁体284は、酸素、または、水素、および水などの不純物の拡散を抑制するバリア性を有する。
絶縁体280、およびトランジスタ200から放出された酸素が、容量素子400、またはトランジスタ300が形成されている層へ拡散することを抑制することができる。または、絶縁体282よりも上方の層、および絶縁体214よりも下方の層から、水素、および水等の不純物が、トランジスタ200へ、拡散することを抑制することができる。
つまり、絶縁体280の過剰酸素領域から酸素を、効率的にトランジスタ200における酸化物半導体に供給でき、酸素欠損を低減することができる。また、トランジスタ200における酸化物半導体が不純物により、酸素欠損が形成されることを防止することができる。よって、トランジスタ200における酸化物半導体を、欠陥準位密度が低い、安定な特性を有する酸化物半導体とすることができる。つまり、トランジスタ200の電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。
絶縁体410の上方には、容量素子400、および導電体424が設けられている。容量素子400は、絶縁体410上に設けられ、導電体412と、絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434と、導電体416とを有する。なお、導電体424は、容量素子400、トランジスタ200、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線として機能を有する。
導電体412は、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料である銅やアルミニウム等を用いればよい。
なお、導電体424は、容量素子の電極として機能する導電体412と同様の材料を用いて設けることができる。
導電体424、および導電体412上に、絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434を設ける。絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434には例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化酸化ハフニウム、窒化ハフニウムなどを用いればよい。なお、図では3層構造としたが、単層、2層、または4層以上の積層構造としてもよい。
例えば、絶縁体430および絶縁体434には、酸化窒化シリコンなどの絶縁耐力が大きい材料を用いることが好ましい。また、絶縁体432には、酸化アルミニウムなどの高誘電率(high−k)材料を用いることが好ましい。当該構成により、容量素子400は、高誘電率(high−k)の絶縁体を有することで、十分な容量を確保でき、絶縁耐力が大きい絶縁体を有することで、絶縁耐力が向上し、容量素子400の静電破壊を抑制することができる。
導電体412上に、絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434を介して、導電体416を設ける。なお、導電体416は、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料である銅やアルミニウム等を用いればよい。
例えば、図29に示すように、絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434を、導電体412の上面および側面を覆うように設ける。さらに、導電体416を、絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434を介して、導電体412の上面および側面を覆うように設ける。
つまり、導電体412の側面においても、容量として機能するため、容量素子の投影面積当たりの容量を増加させることができる。従って、半導体装置の小面積化、高集積化、微細化が可能となる。
導電体416、および絶縁体434上には、絶縁体450が設けられている。絶縁体450は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、容量素子400を覆う絶縁体450は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
以上が構成例についての説明である。本構成を用いることで、OSトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、オン電流が大きいOSトランジスタを提供することができる。または、オフ電流が小さいOSトランジスタを提供することができる。または、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。
<変形例1>
また、本実施の形態の変形例の一例を、図30に示す。図30は、図29と、トランジスタ300、およびトランジスタ200の構成が異なる。
図30に示すトランジスタ300はチャネルが形成される半導体領域302(基板301の一部)が凸形状を有する。また、半導体領域302の側面および上面を、絶縁体304を介して、導電体306が覆うように設けられている。なお、導電体306は仕事関数を調整する材料を用いてもよい。このようなトランジスタ300は半導体基板の凸部を利用していることからFIN型トランジスタとも呼ばれる。なお、凸部の上部に接して、凸部を形成するためのマスクとして機能する絶縁体を有していてもよい。また、ここでは半導体基板の一部を加工して凸部を形成する場合を示したが、SOI基板を加工して凸形状を有する半導体膜を形成してもよい。
図30に示すトランジスタ200の構造は、図27で説明した構造である。絶縁体280に形成された開口部に、図27に示す酸化物半導体230c、絶縁体250、導電体260が形成されている。図30に示すトランジスタ200は、導電体240a及び導電体240bと、導電体260と、がほとんど重ならない構造を有するため、導電体260にかかる寄生容量を小さくすることができる。即ち、動作周波数が高いトランジスタ200を提供することができる。
<変形例2>
図31(A)、(B)は、本発明の一態様の半導体装置の断面図を示している。図31(A)はトランジスタ200及びトランジスタ300のチャネル長方向の断面図を示し、図31(B)はトランジスタ200及びトランジスタ300のチャネル幅方向の断面図を示している。
図31(A)、(B)に示す半導体装置は、トランジスタ200を囲むように絶縁体280に溝が設けられている。この溝を設けることで、絶縁体284及び絶縁体282がトランジスタ200の周囲を取り囲むようになる。トランジスタ200は、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体282および絶縁体284からなる絶縁体に、上下前後左右を囲まれた形になる。このようにすることで、トランジスタ200は、あらゆる方向からの水素と酸素の拡散を遮断することができる。その結果、図31に示す半導体装置は高い信頼性を有することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の酸化物半導体の構造について説明する。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
<酸化物半導体の構造>
以下では、酸化物半導体の構造について説明する。
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(c−axis−aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半導体と、に分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体およびnc−OSなどがある。
非晶質構造は、一般に、等方的であって不均質構造を持たない、準安定状態で原子の配置が固定化していない、結合角度が柔軟である、短距離秩序は有するが長距離秩序を有さない、などといわれている。
即ち、安定な酸化物半導体を完全な非晶質(completely amorphous)酸化物半導体とは呼べない。また、等方的でない(例えば、微小な領域において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物半導体とは呼べない。一方、a−like OSは、等方的でないが、鬆(ボイドともいう。)を有する不安定な構造である。不安定であるという点では、a−like OSは、物性的に非晶質酸化物半導体に近い。
〈CAAC−OS〉
まずは、CAAC−OSについて説明する。
CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物半導体の一種である。
CAAC−OSをX線回折(XRD:X−Ray Diffraction)によって解析した場合について説明する。例えば、空間群R−3mに分類されるInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSでは、結晶がc軸配向性を有し、c軸がCAAC−OSの膜を形成する面(被形成面ともいう。)、または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。なお、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、空間群Fd−3mに分類される結晶構造に起因する。そのため、CAAC−OSは、該ピークを示さないことが好ましい。
一方、CAAC−OSに対し、被形成面に平行な方向からX線を入射させるin−plane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に帰属される。そして、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行っても、明瞭なピークは現れない。一方、単結晶InGaZnO4に対し、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC−OSは、a軸およびb軸の配向が不規則であることが確認できる。
次に、電子回折によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、CAAC−OSの被形成面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、InGaZnO4の結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる回折パターンが現れる。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットがc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、リング状の回折パターンが確認される。CAAC−OSに含まれるペレットのa軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。
また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができる。一方、高分解能TEM像であってもペレット同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に確認することができない場合がある。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
高分解能TEM像の観察より、金属原子が層状に配列している領域であるペレットを確認することができる。ペレット一つの大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものがある。したがって、ペレットを、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこともできる。また、CAAC−OSを、CANC(C−Axis Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。ペレットは、CAAC−OSの被形成面または上面の凹凸を反映しており、CAAC−OSの被形成面または上面と平行となる。
また、上記ペレットは六角形状であることが確認されている。なお、ペレットの形状は、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合が多い。
CAAC−OSにおいて、明確な結晶粒界を確認することはできない。CAAC−OSは、格子配列を歪ませることによって結晶粒界の形成を抑制している。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において原子配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
以上に示すように、CAAC−OSは、c軸配向性を有し、かつa−b面方向において複数のペレット(ナノ結晶)が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。よって、CAAC−OSを、CAA crystal(c−axis−aligned a−b−plane−anchored crystal)を有する酸化物半導体と称することもできる。
CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
〈nc−OS〉
次に、nc−OSについて説明する。
nc−OSをXRDによって解析した場合について説明する。例えば、nc−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、配向性を示すピークが現れない。即ち、nc−OSの結晶は配向性を有さない。
また、例えば、InGaZnO4の結晶を有するnc−OSを薄片化し、厚さが34nmの領域に対し、被形成面に平行にプローブ径が50nmの電子線を入射させると、リング状の回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)が観測される。また、同じ試料にプローブ径が1nmの電子線を入射させると、リング状の領域内に複数のスポットが観測される。したがって、nc−OSは、プローブ径が50nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認されないが、プローブ径が1nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認される。
また、厚さが10nm未満の領域に対し、プローブ径が1nmの電子線を入射させると、スポットが略正六角状に配置された電子回折パターンを観測される場合がある。したがって、厚さが10nm未満の範囲において、nc−OSが秩序性の高い領域、即ち結晶を有することがわかる。なお、結晶が様々な方向を向いているため、規則的な電子回折パターンが観測されない領域もある。
nc−OSは、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。nc−OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下の大きさであり、特に1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体(micro crystalline oxide semiconductor)と呼ぶことがある。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC−OSにおけるペレットと起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をペレットと呼ぶ場合がある。
このように、nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
なお、ペレット(ナノ結晶)間で結晶方位が規則性を有さないことから、nc−OSを、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体、またはNANC(Non−Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、a−like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
〈a−like OS〉
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。
a−like OSは、鬆を有する不安定な構造である。
例えば、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合がある。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られない。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
また、鬆を有するため、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて密度の低い構造である。具体的には、a−like OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の78.6%以上92.3%未満である。また、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満である。単結晶の密度の78%未満である酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnO4の密度は6.357g/cm3である。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、a−like OSの密度は5.0g/cm3以上5.9g/cm3未満である。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は5.9g/cm3以上6.3g/cm3未満である。
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合、任意の割合で組成の異なる単結晶を組み合わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もることができる。所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態に示す半導体装置または記憶装置を用いることが可能なCPUについて説明する。
図32は、CPUの一例の構成を示すブロック図である。図32に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus I/F)、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース1189(ROM I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図32に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図32に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、およびレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
図32に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196のメモリセルとして、上記実施の形態に示した半導体装置または記憶装置を用いることができる。
図32に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。その結果、CPUの消費電力を低減することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態に示す記憶装置または半導体装置を用いることが可能なプログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)について説明する。
PLDは、適当な規模の論理回路(論理ブロック、プログラマブルロジックエレメント)どうしが配線リソースにより電気的に接続された構成を有しており、各論理ブロックの機能や、論理ブロック間の接続構造を、製造後において変更できることを特徴とする。各論理ブロックの機能と、配線リソースにより構成される論理ブロック間の接続構造とは、コンフィギュレーションデータにより定義され、上記コンフィギュレーションデータは、各論理ブロックが有するレジスタ、または配線リソースが有するレジスタに格納される。以下、コンフィギュレーションデータを格納するためのレジスタを、コンフィギュレーションメモリと呼ぶ。
図33(A)にPLD750の構造の一部を、一例として模式的に示す。図33(A)に示すPLD750は、複数の論理ブロック(LB)740と、複数の論理ブロック740のいずれかに接続された配線群751と、配線群751を構成する配線どうしの接続を制御するスイッチ回路752と、端子754とを有する。配線群751とスイッチ回路752とが、配線リソース753に相当する。
図33(B)に、スイッチ回路752の構成例を示す。図33(B)に示すスイッチ回路752は、配線群751に含まれる配線755と配線756の接続構造を制御する機能を有する。具体的に、スイッチ回路752は、トランジスタ757乃至トランジスタ762を有する。
トランジスタ757は、配線755におけるPointAと、配線756におけるPointCの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ758は、配線755におけるPointBと、配線756におけるPointCの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ759は、配線755におけるPointAと、配線756におけるPointDの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ760は、配線755におけるPointBと、配線756におけるPointDの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ761は、配線755におけるPointAとPointBの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ762は、配線756におけるPointCとPointDの電気的な接続を制御する機能を有する。
また、スイッチ回路752は、配線群751と、PLD750の端子754の、電気的な接続を制御する機能を有する。
図34(A)に、論理ブロック740の一形態を例示する。図34(A)に示す論理ブロック740は、LUT(ルックアップテーブル)741と、フリップフロップ742と、記憶回路743と、を有する。LUT741は、記憶回路743が有するコンフィギュレーションデータに従って、行われる論理演算が定義される。具体的にLUT741は、入力端子744に与えられた複数の入力信号の入力値に対する、一の出力値が定まる。そして、LUT741からは、上記出力値を含む信号が出力される。フリップフロップ742は、LUT741から出力される信号を保持し、信号CLKに同期して当該信号に対応した出力信号を、第1出力端子745及び第2出力端子746から出力する。
なお、論理ブロック740がさらにマルチプレクサ回路を有し、当該マルチプレクサ回路によって、LUT741からの出力信号がフリップフロップ742を経由するか否かを選択できるようにしても良い。
また、コンフィギュレーションデータによって、フリップフロップ742の種類を定義できる構成にしても良い。具体的には、コンフィギュレーションデータによって、フリップフロップ742がD型フリップフロップ、T型フリップフロップ、JK型フリップフロップ、またはRS型フリップフロップのいずれかの機能を有するようにしても良い。
また、図34(B)に、論理ブロック740の別の一形態を例示する。図34(B)に示す論理ブロック740は、図34(A)に示した論理ブロック740に、AND回路747が追加された構成を有している。AND回路747には、フリップフロップ742からの信号が、正論理の入力として与えられ、信号INIT2が、負論理の入力として与えられている。上記構成により、論理ブロック740からの出力信号が供給される配線の電位を初期化することができる。よって、論理ブロック740間で大量の電流が流れることを未然に防ぎ、PLDの破損が引き起こされるのを防ぐことができる。
また、図34(C)に、論理ブロック740の別の一形態を例示する。図34(C)に示す論理ブロック740は、図34(A)に示した論理ブロック740に、マルチプレクサ748が追加された構成を有している。また、図34(C)に示す論理ブロック740は、記憶回路743a及び記憶回路743bで示される二つの記憶回路743を有する。LUT741は、記憶回路743aが有するコンフィギュレーションデータに従って、行われる論理演算が定義される。また、マルチプレクサ748は、LUT741からの出力信号と、フリップフロップ742からの出力信号とが入力されている。そして、マルチプレクサ748は、記憶回路743bに格納されているコンフィギュレーションデータに従って、上記2つの出力信号のいずれか一方を選択し、出力する機能を有する。マルチプレクサ748からの出力信号は、第1出力端子745及び第2出力端子746から出力される。
図35に、PLD750全体の構成を一例として示す。図35では、PLD750に、I/Oエレメント770、PLL(phase lock loop)771、RAM772、乗算器773が設けられている。I/Oエレメント770は、PLD750の外部回路からの信号の入力、または外部回路への信号の出力を制御する、インターフェースとしての機能を有する。PLL771は、信号CLKを生成する機能を有する。RAM772は、論理演算に用いられるデータを格納する機能を有する。乗算器773は、乗算専用の論理回路に相当する。PLD750に乗算を行う機能が含まれていれば、乗算器773は必ずしも設ける必要はない。
論理ブロック740が有する記憶回路またはフリップフロップは、上記実施の形態に示す半導体装置または記憶装置を用いて構成することができる。上記実施の形態に示す半導体装置または記憶装置を用いることで、論理ブロック740は電源オフの状態でもデータを保持することが可能になり、消費電力を低減することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子部品に適用する例、および該電子部品を具備する電子機器に適用する例について、図39を用いて説明する。
図39(a)では上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子部品に適用する例について説明する。なお電子部品は、半導体パッケージ、又はIC用パッケージともいう。この電子部品は、端子取り出し方向や、端子の形状に応じて、複数の規格や名称が存在する。そこで、本実施の形態では、その一例について説明することにする。
上記実施の形態に示すような半導体装置は、組み立て工程(後工程)を経て、プリント基板に脱着可能な部品が複数合わさることで完成する。
後工程については、図39(a)に示す各工程を経ることで完成させることができる。具体的には、前工程で得られる素子基板が完成(ステップS1)した後、基板の裏面を研削する(ステップS2)。この段階で基板を薄膜化することで、前工程での基板の反り等を低減し、部品としての小型化を図るためである。
次に、基板を複数のチップに分離するダイシング工程を行う。そして、分離したチップを個々にピックアップしてリードフレーム上に搭載し接合する、ダイボンディング工程を行う(ステップS3)。このダイボンディング工程におけるチップとリードフレームとの接着は、樹脂による接着や、テープによる接着等、適宜製品に応じて適した方法を選択する。なお、ダイボンディング工程は、インターポーザ上に搭載し接合してもよい。
次いでリードフレームのリードとチップ上の電極とを、金属の細線(ワイヤー)で電気的に接続する、ワイヤーボンディングを行う(ステップS4)。金属の細線には、銀線や金線を用いることができる。また、ワイヤーボンディングは、ボールボンディングや、ウェッジボンディングを用いることができる。
ワイヤーボンディングされたチップは、エポキシ樹脂等で封止される、モールド工程が施される(ステップS5)。モールド工程を行うことで電子部品の内部が樹脂で充填され、機械的な外力による内蔵される回路部やワイヤーに対するダメージを低減することができ、また水分や埃による特性の劣化を低減することができる。
次いでリードフレームのリードをメッキ処理する。そしてリードを切断および成形加工する(ステップS6)。このめっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板に設ける際のはんだ付けをより確実に行うことができる。
次いでパッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す(ステップS7)。そして最終的な検査工程(ステップS8)を経て電子部品が完成する(ステップS9)。
以上説明した電子部品は、上述の実施の形態で説明した半導体装置を含む構成とすることができる。そのため、データを読み出すための信号を多値のデータの数に応じて切り換えることなく、メモリセルからの多値のデータの読み出しを行うことのできるメモリセルを有する電子部品を実現することができる。該電子部品は、データを読み出すための信号を多値のデータの数に応じて切り換えることなく、メモリセルからの多値のデータの読み出しを行うことのできるメモリセルを有する半導体装置を含むため、読み出し動作の高速化が図られた電子部品である。
また、完成した電子部品の斜視模式図を図39(b)に示す。図39(b)では、電子部品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示している。図39(b)に示す電子部品700は、リード701および半導体装置703を示している。図39(b)に示す電子部品700は、例えばプリント基板702に設けられる。このような電子部品700が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板702上で電気的に接続されることで電子部品が設けられた基板704が完成する。完成した基板704は、電子機器等の内部に設けられる。
(実施の形態9)
本発明の一態様に係る半導体装置は、自動車、自動二輪車、自転車などの車両、航空機、船舶などに用いることができる。また、本発明の一態様に係る半導体装置は、携帯電話、腕時計、携帯型ゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)などの電子機器に用いることができる。これらの具体例を図36に示す。
図36(A)は腕時計型端末であり、筐体801、リュウズ802、表示部803、ベルト804、検知部805等を有する。表示部803にはタッチパネルを設けてもよい。使用者は、タッチパネルに触れた指をポインタに用いて情報を入力することができる。
検知部805は、周囲の状態を検知して情報を取得する機能を備える。例えば、カメラ、加速度センサ、方位センサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、照度センサまたはGPS(Global positioning System)信号受信回路等を、検知部805に用いることができる。
例えば、検知部805の照度センサが検知した周囲の明るさを筐体801内部の演算装置が、所定の照度と比較して十分に明るいと判断した場合、反射型の液晶素子を表示部803の表示素子として使用する。または、薄暗いと判断した場合、有機EL素子を表示部803の表示素子として使用する。これにより、例えば、外光の強い環境において反射型の表示素子を用い、薄暗い環境において自発光型の表示素子を用いて画像情報を表示することができる。その結果、消費電力が低減された電子機器を提供することができる。
図36(B)は、携帯電話機であり、筐体811、表示部816、操作ボタン814、外部接続ポート813、スピーカ817、マイク812などを備えている。図36(B)に示す携帯電話機は、指などで表示部816に触れることで、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指などで表示部816に触れることにより行うことができる。また、操作ボタン814の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部816に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
図36(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体821、表示部822、キーボード823、ポインティングデバイス824等を有する。
図36(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体831、冷蔵室用扉832、冷凍室用扉833等を有する。
図36(E)はビデオカメラであり、第1筐体841、第2筐体842、表示部843、操作キー844、レンズ845、接続部846等を有する。操作キー844およびレンズ845は第1筐体841に設けられており、表示部843は第2筐体842に設けられている。そして、第1筐体841と第2筐体842とは、接続部846により接続されており、第1筐体841と第2筐体842の間の角度は、接続部846により変更が可能である。表示部843における映像を、接続部846における第1筐体841と第2筐体842との間の角度に従って切り替える構成としても良い。
図36(F)は自動車であり、車体851、車輪852、ダッシュボード853、ライト854等を有する。
(実施の形態10)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を備えることができるRFタグの使用例について図37を用いながら説明する。RFタグの用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図37(A)参照)、記録媒体(DVDやビデオテープ等、図37(B)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図37(C)参照)、乗り物類(自転車等、図37(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、薬品や薬剤を含む医療品、または電子機器(液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置、または携帯電話)等の物品、若しくは各物品に取り付ける荷札(図37(E)、図37(F)参照)等に設けて使用することができる。
本発明の一態様に係るRFタグ4000は、表面に貼る、または埋め込むことにより、物品に固定される。例えば、本であれば紙に埋め込み、有機樹脂からなるパッケージであれば当該有機樹脂の内部に埋め込み、各物品に固定される。本発明の一態様に係るRFタグ4000は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後もその物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、または証書類等に本発明の一態様に係るRFタグ4000を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、または電子機器等に本発明の一態様に係るRFタグを取り付けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。また、乗り物類であっても、本発明の一態様に係るRFタグを取り付けることにより、盗難などに対するセキュリティ性を高めることができる。
以上のように、本発明の一態様に係わるRFタグを本実施の形態に挙げた各用途に用いることにより、情報の書込みや読み出しを含む動作電力を低減できるため、最大通信距離を長くとることが可能となる。また、電力が遮断された状態であっても情報を極めて長い期間保持可能であるため、書き込みや読み出しの頻度が低い用途にも好適に用いることができる。
本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありうる。
本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電位(接地電位)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。または、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
電気的なスイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、又はこれらを組み合わせた論理回路などがある。
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に短絡されているとみなせる状態をいう。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチとして動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
例えば、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。
ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とが、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現することが出来る。
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
または、別の表現方法として、例えば、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)との間の経路であり、前記第1の接続経路は、Z1を介した経路であり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有しておらず、前記第3の接続経路は、Z2を介した経路である。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路によって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した接続経路を有し、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路によって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有していない。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の電気的パスによって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の電気的パスは、第2の電気的パスを有しておらず、前記第2の電気的パスは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)からトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)への電気的パスであり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の電気的パスによって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の電気的パスは、第4の電気的パスを有しておらず、前記第4の電気的パスは、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)からトランジスタのソース(又は第1の端子など)への電気的パスである。」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続経路について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。