JP2017180496A - エネルギ吸収部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構造で衝撃エネルギを効率よく吸収できるようにする。【解決手段】エネルギ吸収部材1は、円錐形状の筒部15と荷重入力を受ける端板部17とを備える。筒部15には、薄肉部15eが荷重入力方向に沿って長く形成されている。エネルギ吸収部材1は、端板部17から荷重入力を受けると、薄肉部15eが、周方向に拡がるようにして破壊され、薄肉部15eの長手方向ほぼ中央付近が外側に折れ曲がるようにして潰れることで衝撃を吸収する。【選択図】図8

Description

本発明は、衝撃荷重を受けたときに変形して衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材に関する。
エネルギ吸収部材として、特許文献1には、自動車等車両の衝突時における衝突エネルギを吸収する技術が開示されている。特許文献1のエネルギ吸収部材は、六角筒状のエネルギ吸収体の底部を六片に分断し、分断した各片の先端部を、スロット部材の六箇所のスロットに挿通している。エネルギ吸収体が衝撃を受けたときには、各片が対応するスロット内を移動することで衝撃エネルギを吸収する。その際、各片の先端が天板にガイドされて外方に展開する。
特開2011−196534号公報
特許文献1のエネルギ吸収部材は、エネルギ吸収体の底部をあらかじめ六片に分断しておく必要があるうえ、各片が挿入されるスロットを備えるスロット部材も必要となることから、全体の構造が複雑となる。
そこで、本発明は、簡素な構造で衝撃エネルギを吸収できるようにすることを目的としている。
本発明は、筒部と、筒部の軸方向一方の端部に設けられ、外部からの衝撃荷重を受ける荷重受部とを有し、筒部は、荷重受部が受ける衝撃荷重によって変形する際の起点となり、衝撃荷重を受ける方向に沿って長く形成されている脆弱部を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、一端に荷重受部を備える筒部に、衝撃荷重を受ける方向に沿って長い脆弱部を設けるという簡素な構造で衝撃エネルギを効率よく吸収することができる。
本発明の第1の実施形態に係わるエネルギ吸収部材を自動車のステアリングハンガービームに取り付けた例を示す斜視図である。 (a)は図1のエネルギ吸収部材の車両後部側を上部側として示した斜視図、(b)は(a)の平面図である。 (a)は図2(b)のA−A断面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 図2(b)のC−C断面図である。 図1のエネルギ吸収部材のステアリングハンガービームに対する取付構造を示す分解斜視図である。 図5のエネルギ吸収部材をステアリングハンガービームに取り付けた状態を示す斜視図である。 (a)は膝入力プレートを含む図6の車両左側から見た側面図、(b)は図6の車両後方から見た正面図である。 図1のエネルギ吸収部材が衝撃荷重を受けて変形する状態を、(a)、(b)、(c)の順に示す作用説明図である。 本発明の第2の実施形態に係わるエネルギ吸収部材を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。 本発明の第3の実施形態に係わるエネルギ吸収部材を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるエネルギ吸収部材1が、自動車等車両のステアリングハンガービーム3に取り付けられている状態を示している。なお、図1中で矢印FRが車両前方、矢印RRが車両後方、矢印LHが車両左方、矢印RHが車両右方である。
ステアリングハンガービーム3は、図示しない車室前部のインストルメントパネルの内部において、車幅方向に延設されている。ステアリングハンガービーム3の車幅方向両端部に設けたサイドブラケット5は、図示しない車体のフロントピラーに結合され、車幅方向中央部に設けた2本のセンタブラケット7は、図示しないフロアトンネルに結合される。
ステアリングハンガービーム3の車幅方向右側の車両後方側には、図示しないステアリングコラムを取り付けるステアリングコラム取付部9が設けられている。ステアリングコラム取付部9の両側のステアリングハンガービーム3の車両後方側に、前述したエネルギ吸収部材1を二つ取り付けている。
これら二つのエネルギ吸収部材1には、ステアリングコラムの下部に位置する膝入力プレート11が取り付けられる。膝入力プレート11は、エネルギ吸収部材1に対する取付部となる左右一対のフランジ部11aと、左右一対のフランジ部11a相互をつなぐ湾曲部11bとを備えている。湾曲部11bは、車両後方側が凸となるよう湾曲している。膝入力プレート11の車両後方に、図示しない運転席シートに着座した乗員の膝周辺が位置することになる。
ステアリングハンガービーム3の車幅方向左側の車両後方側にも、前述したエネルギ吸収部材1を二つ取り付けている。これら二つのエネルギ吸収部材1には、グローブボックス13が取り付けられる。グローブボックス13の車両後方に、図示しない助手席シートに着座した乗員の膝周辺が位置することになる。
次に、エネルギ吸収部材1について説明する。
ステアリングハンガービーム3に取り付けられる四つのエネルギ吸収部材1は、形状や材質など基本的に同等である。エネルギ吸収部材1は、樹脂製の例えばPP(ポリプロピレン)やPA(ポリアミド)で構成される。樹脂製とすることで、金属製などに比較して軽量化が達成できる。
エネルギ吸収部材1は、図2に示すように、外観形状が円錐形状であり、円錐形状の筒部15を備えている。筒部15の車両後方側となる小径側の端部には、荷重受部となる端板部17を設けている。すなわち、筒部15は、当該筒部15の軸方向と直交する方向の外形寸法が、端板部17から当該端板部17と軸方向反対側に向けて拡大する錐形状である。
端板部17の中心には、前述した膝入力プレート11やグローブボックス13を取り付けるための取付孔17aを形成している。端板部17の内側の取付孔17aに対応する位置には、図3に示すように、ナット19を取り付けてある。ナット19は、エネルギ吸収部材1に一体成形するか、エネルギ吸収部材1の成形後に取り付ける。筒部15の大径側の端部は開口していて開口部15a(図3)を備えている。
図2(b)のA−A断面図である図3に示すように、筒部15は、肉厚が筒部15の軸方向に沿って変化している。具体的には、軸方向のほぼ中心部が、肉厚を最も薄くしてある肉厚最小部15bとなっている。肉厚最小部15bから軸方向両端部に向けて肉厚が徐々に厚くなるよう変化している。すなわち、筒部15は、肉厚を変化させることによる強度変化部を備えている。上記肉厚を変化させた強度変化部は、肉厚最小部15bから端板部17に向けて肉厚が徐々に厚くなる先端強度変化部15cと、肉厚最小部15bから開口部15aに向けて肉厚が徐々に厚くなる基端強度変化部15dとを備えている。
筒部15の先端強度変化部15cにおける内径は、端板部17を備える先端側が肉厚最小部15bよりも小径となっている。一方、筒部15の基端強度変化部15dにおける内径は、肉厚最小部15bから開口部15a側に向けて全体がほぼ同一径となっている。つまり、先端強度変化部15cの内周面は円錐形状であるが、基端強度変化部15dの内周面は円筒形状である。これにより、基端強度変化部15dの肉厚を、肉厚最小部15bから開口部15aに向けて厚くしても、エネルギ吸収部材1を樹脂成形する際の型抜きが容易となる。
なお、基端強度変化部15dの内周面は、肉厚最小部15bから開口部15a側に向けて内径が徐々に大きくなる円錐形状としてもよい。ただし、この場合でも、基端強度変化部15dの肉厚は、肉厚最小部15bから開口部15aに向けて徐々に厚くする。
エネルギ吸収部材1は筒部15に薄肉部15eを備えている。薄肉部15eは、図2(b)のC−C断面図である図4に示すように、筒部15の外面に凹部15fを形成することによって構成されている。薄肉部15eは、周方向に沿って複数、例えば等間隔に四箇所設ける。また、薄肉部15eは、筒部15の軸方向に沿って長く形成している。換言すれば、薄肉部15eは、エネルギ吸収部材1が衝撃荷重を受ける方向に沿って長く形成している。すなわち、薄肉部15eは、軸方向の長さ(より正確には、端板部17から開口部15aに向けて筒部15の外表面に沿う長さ。)が周方向の長さよりも長い。
薄肉部15eの端板部17側の端部15e1は、端板部17と肉厚最小部15bとの間であって端板部17により近い位置に設定している。薄肉部15eの開口部15a側の端部15e2は、開口部15aと肉厚最小部15bとの間であって開口部15aにより近い位置に設定している。薄肉部15eの長方向中央位置は、肉厚最小部15bにほぼ対応している。すなわち、筒部15の肉厚は、脆弱部である薄肉部15eの長手方向中央位置で最小となっている。
次に、エネルギ吸収部材1のステアリングハンガービーム3に対する取付構造について説明する。
図5、図6に示すように、ステアリングハンガービーム3の車両後方側に、一対の金属製の取付ブラケット21を溶接固定している。取付ブラケット21は、エネルギ吸収部材1を取り付ける取付面部21aと、取付面部21aの車幅方向両側にて屈曲形成されるフランジ部21bとを有し、フランジ部21bをステアリングハンガービーム3に溶接固定する。フランジ部21bは、ステアリングハンガービーム3の外表面の曲面形状に対応した曲面形状としている。取付面部21aには、取付面部21aを貫通するボルト挿入孔21a1及び、取付面部21aの表面を凹ませた位置決め凹部21a2を設けている。取付面部21aの裏面側のボルト挿入孔21a1に対応する位置には、ナット23を取り付けている。
一方、エネルギ吸収部材1の開口部15a側の端部には、樹脂製の取付板25を接着あるいは溶着などによって固定する。取付板25は、筒部15の開口部15a側の端部に対し全周にわたり外側に突出する形状としている。具体的には、開口部15a側の端部の外径よりも大きい外径を有する円形部25aと、円形部25aの左右方向両側において左右方向両側に向けてそれぞれ突出する取付部25bとを備えている。
取付部25bには、ボルト挿入孔25b1及び、筒部15と反対側に突出する位置決め凸部25b2を設けている。左右一対の取付部25bは、左右一対の取付ブラケット21にそれぞれ対応する位置にある。各取付部25bを各取付ブラケット21に当接させた状態で、互いのボルト挿入孔25b1,21a1が整合し、かつ位置決め凸部25b2が位置決め凹部21a2に入り込む。この状態で、ボルト27をボルト挿入孔25b1,21a1に挿入してナット23に締結することで、エネルギ吸収部材1は、図6に示すように取付板25と共にステアリングハンガービーム3に取り付けられる。
次に、図1に示してある膝入力プレート11及びグローブボックス13のエネルギ吸収部材1に対する取付構造について説明する。
膝入力プレート11は、図1に示すように、フランジ部11aをエネルギ吸収部材1の端板部17に当接させる。その際、フランジ部11aに設けてあるボルト挿入孔を端板部17の取付孔17aに整合させる。この状態で、図7(a)に示すように、ボルト29をボルト挿入孔及び取付孔17aに挿入しつつナット19に締結することで、膝入力プレート11はエネルギ吸収部材1に取り付けられる。
グローブボックス13は、図1に示すように、ボックス本体31と、ボックス本体31の車室側の開口部を開閉するリッド33とを備えている。ボックス本体31の左右両側の壁部には図示しない取付ブラケットが設けられ、当該取付ブラケットをエネルギ吸収部材1の端板部17に当接させてボルトにより締結固定する。
次に、エネルギ吸収部材1が衝撃荷重を吸収して変形するときの作用を説明する。
エネルギ吸収部材1を備える車両が前方から衝突したときに、運転席の乗員は膝もしくは膝周辺が膝入力プレート11に当接し、助手席の乗員は膝もしくは膝周辺がグローブボックス13に当接する場合がある。乗員の膝もしくは膝周辺が膝入力プレート11やグローブボックス13に当接すると、エネルギ吸収部材1は、膝入力プレート11またはグローブボックス13を介して衝撃荷重を受けることになる。
エネルギ吸収部材1は、端板部17で衝撃荷重を受け筒部15の軸方向に沿って荷重が伝達される。このとき筒部15は、図8(a)に示すように、薄肉部15eが、長手方向ほぼ中央の肉厚最小部15b付近において、周方向外側に押し広げられるようにして破壊され、開口孔35が形成される。すなわち、薄肉部15eは、端板部17が受ける衝撃荷重によって変形する際の起点となる。開口孔35が形成される際に、筒部15は、肉厚最小部15b付近において、外側に凸となるような屈曲部37が、周方向に隣接する開口孔35相互間に形成される。
エネルギ吸収部材1は、図8(a)の状態から衝撃荷重をさらに受けるに伴って、図8(b)、(c)に示すように、軸方向に押し潰されるようにして変形する。このとき、開口孔35の両側の薄肉部15eが徐々に破壊されつつ、開口孔35の周方向の寸法が徐々に大きくなるよう変形する。また、屈曲部37が外側にさら突出するよう屈曲変形する。
薄肉部15eの破壊が進行する方向(図8中で矢印D示す方向)は、筒部15の肉厚が徐々に厚くなっている。このため、エネルギ吸収部材1の耐荷重(衝撃荷重に対する抵抗反力)特性は、薄肉部15eの破壊が進行してもほぼ一定に保つことができ、破壊が開始された後の抵抗反力の著しい低下を抑制できる。これにより、エネルギ吸収部材1は、衝撃荷重を受ける当初から図8(c)のように潰れるまでの間において、衝撃エネルギを効率よく吸収することができる。
エネルギ吸収部材1は、衝撃荷重を受ける当初から図8(c)のように押し潰された状態にわたり、端板部17は当初の平板状態がほぼ維持される。このため、エネルギ吸収部材1は、衝撃荷重を受ける過程において、平板状態の端板部17で衝撃荷重を効率よく受けることができ、衝撃エネルギをより効率よく吸収することができる。
本実施形態によれば、エネルギ吸収部材1は、筒部15と、筒部15の軸方向一方の端部に設けられ、外部からの衝撃荷重を受ける端板部17とを有する。上記筒部15は、端板部17が受ける衝撃荷重によって変形する際の起点となり、衝撃荷重を受ける方向に沿って長く形成されている薄肉部15eを備えている。このような簡素な構造でかつ単体のエネルギ吸収部材1によって、衝撃エネルギを効率よく吸収することができる。
本実施形態によれば、筒部15は、薄肉部15eから軸方向両側に向けて強度が徐々に高くなる先端強度変化部15c及び基端強度変化部15dを備えている。このため、エネルギ吸収部材1の耐荷重特性は、薄肉部15eの破壊が進行してもほぼ一定に保つことができ、破壊が開始された後の抵抗反力の著しい低下を抑制できる。
本実施形態によれば、筒部15の強度変化部は、筒部15の肉厚を変化させた先端強度変化部15c及び基端強度変化部15dによって構成している。このような先端強度変化部15c及び基端強度変化部15dは、エネルギ吸収部材1を樹脂成形する際に容易に形成することができる。
本実施形態によれば、筒部15の肉厚は、薄肉部15eの長手方向中央位置で最小となっている。この場合、薄肉部15eが図8(a)のように破壊されて開口孔35が形成されるときに、薄肉部15eの長手方向中央位置が破壊の起点となり、その後薄肉部15eは、図8中で上下両側の両端部に向けてほぼ均等に破壊が進行する。これにより、屈曲部37の図8中で上下両側において、耐荷重特性が均一化し、エネルギ吸収部材1のエネルギ吸収効率が向上する。
本実施形態によれば、筒部15は、当該筒部15の軸方向と直交する方向の外形寸法が、端板部17から当該端板部17と軸方向反対側に向けて拡大する錐形状である。これにより、肉厚最小部15bに対して開口部15a側の基端強度変化部15dは、内周面に関し、ほぼ円筒形状もしくは、開口部15a側の内径を大きくすることができる。その結果、基端強度変化部15dの肉厚を、肉厚最小部15bから開口部15aに向けて厚くしても、エネルギ吸収部材1を樹脂成形する際の型抜きが容易となる。
本実施形態によれば、筒部15の脆弱部は、筒部15の外面に凹部15fが形成されることによって構成されている。凹部15fは、エネルギ吸収部材1を樹脂成形する際に容易に形成することができる。
図9は、本発明の第2の実施形態によるエネルギ吸収部材1Aを示す。
エネルギ吸収部材1Aは、外観形状が、第1の実施形態のエネルギ吸収部材1の円錐形状であるのに対し、正六角形の角錐形状としている。エネルギ吸収部材1Aも、筒部15Aと、荷重受部としての端板部17Aとを備え、端板部17Aと軸方向反対側の端部は開口している。さらに、筒部15Aは、図4で示したものと同様に、軸方向ほぼ中央部が最も肉厚が薄い肉厚最小部を備え、肉厚最小部から軸方向両側に向けて肉厚が徐々に厚くなる強度変化部を備えている。端板部17Aの中央には取付孔17Aaが形成されている。なお、筒部15Aの内周面における軸方向と直交する方向の断面形状は、軸方向の全長にわたり外周面と同様なほぼ正六角形状である。
また、エネルギ吸収部材1Aの筒部15Aにおける正六角形の六つの角部15Atに、脆弱部としての薄肉部15Aeを設けている。薄肉部15Aeも薄肉部15eと同様に衝撃荷重を受ける方向に沿って長く形成されており、薄肉部15Aeの長手方向ほぼ中央に上記した肉厚最小部が位置している。
図10は、本発明の第3の実施形態によるエネルギ吸収部材1Bを示す。
エネルギ吸収部材1Bは、外観形状が、第1、第2の各実施形態におけるエネルギ吸収部材1,1Aと同様に錐形状であり、筒部15Bと、荷重受部としての端板部17Bとを備え、端板部17Bと軸方向反対側の端部は開口している。筒部15Bは、図4で示したものと同様に、軸方向ほぼ中央部が最も肉厚が薄い肉厚最小部を備え、肉厚最小部から軸方向両側に向けて肉厚が徐々に厚くなる強度変化部を備えている。端板部17Bの中央には取付孔17Baが形成されている。
エネルギ吸収部材1Bの薄肉部15Beは、第1の実施形態のエネルギ吸収部材1と同様に、衝撃荷重を受ける方向に沿って長く形成されていて、周方向等間隔に四箇所設けている。エネルギ吸収部材1Bは、図10(b)に示すように、周方向において互いに隣接する薄肉部15Be相互間の外表面が、軸方向同一位置において、エネルギ吸収部材1よりも曲率半径が小さい曲面となっている。すなわち、エネルギ吸収部材1は、図2(b)に示すように、外周面が円形であるのに対し、エネルギ吸収部材1Bは、図10(b)に示すように、より曲率半径の小さい円弧部15Bgを四つ備えており、円弧部15Bg相互間に凹所15Btが形成される。
凹所15Btは、筒部15Bの全長にわたり形成され、凹所15Btの長手方向中央に薄肉部15Beが形成される。薄肉部15Beの長手方向ほぼ中央に上記した肉厚最小部が位置している。なお、筒部15Bの内周面における軸方向と直交する方向の断面形状は、軸方向の全長にわたり外周面と同様な四つの円弧部を備える形状である。
図9、図10に示した各エネルギ吸収部材1A,1Bは、端板部17A,17B側から衝撃荷重を受けると、図8に示したエネルギ吸収部材1と同様に、薄肉部15Ae,15Beの長手方向中央部を起点として潰れるようにして変形し、衝撃エネルギを吸収する。
エネルギ吸収部材1Aが潰れるようにして変形するときに、応力が集中する角部15Atに薄肉部15Aeを備えることで、図8(a)で示すような初期の変形を引き起こしやすくなる。同様にして、エネルギ吸収部材1Bが潰れるようにして変形するときに、応力が集中する凹所15Btに薄肉部15Beを備えることで、図8(a)で示すような初期の変形を引き起こしやすくなる。
上記第2、第3の実施形態のエネルギ吸収部材1A,1Bは、第1の実施形態のエネルギ吸収部材1と同様に、図1に示す自動車等車両のステアリングハンガービーム3に取り付けられて使用される。その際、エネルギ吸収部材1A,1Bのステアリングハンガービーム3に対する取付構造や、エネルギ吸収部材1A,1Bに対する膝入力プレート11及びグローブボックス13に対する取付構造はほぼ同様である。
第1〜第3の各実施形態によるエネルギ吸収部材1,1A,1Bは、図2(b),図9(b),図10(b)に示すように、周方向に隣接する薄肉部15e,15Ae,15Be相互間の形状が異なっている。図2のエネルギ吸収部材1は筒部15の軸心を中心とする円弧面、図9のエネルギ吸収部材1Aは平面、図10のエネルギ吸収部材1Bは、軸方向同一位置においてエネルギ吸収部材1よりも曲率半径の小さい円弧面である。
エネルギ吸収部材1とエネルギ吸収部材1Bとの耐荷重(抵抗反力)は、円弧面の曲率半径が小さいエネルギ吸収部材1Bのほうが、円弧面の曲率半径が大きいエネルギ吸収部材1よりも大きい。エネルギ吸収部材1Aは、平面を曲率半径が無限大の円弧面として捉えることができるので、曲率半径が最も大きいことになり、したがってエネルギ吸収部材1Aは耐荷重(抵抗反力)が最も小さいといえる。
このように、周方向に隣接する薄肉部15e,15Ae,15Be相互間の形状を異ならせることで、エネルギ吸収部材の耐荷重特性を調整することができる。また、耐荷重特性の調整は、薄肉部15e,15Ae,15Beの数、筒部15,15A,15Bの肉厚や材質をそれぞれ変更することによっても実施することができる。
なお、図9の角錐形状のエネルギ吸収部材1Aの薄肉部15Aeの数を減少あるいは増大させる場合には、図9の正六角形状に対して例えば正五角形状あるいは正八角形状として、それぞれの角部15Atに薄肉部15Aeを設ける。同様にして、図10のエネルギ吸収部材1Bの薄肉部15Beの数を減少あるいは増大させる場合には、図10の凹所15Btが四箇所であるのに対して例えば三箇所あるいは五箇所として、それぞれの凹所15Btに薄肉部15Beを設ける。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含む。
例えば、上記した実施形態は、エネルギ吸収部材1,1A,1Bをステアリングハンガービーム3に取り付ける例を説明したが、この例に限ることはない。エネルギ吸収部材1,1A,1Bが、端板部17から衝撃荷重を受けることで潰れるようにして変形するものであればよい。
上記した各実施形態におけるエネルギ吸収部材1,1A,1Bの薄肉部15e,15Ae,15Beは、筒部15,15A,15Bの外面に凹部15f,15Af,15Bfを形成することによって脆弱部としている。当該脆弱部を構成する凹部は、筒部15,15A,15Bの内面に設けてもよく、内面及び外面の両方に設けてもよい。すなわち、脆弱部は、筒部15,15A,15Bの内面と外面との少なくとも一方に凹部を形成するものであればよい。
また、上記薄肉部15e,15Ae,15Beに代わる脆弱部として、筒部15,15A,15Bにスリット状の貫通孔を設けてもよい。この場合、薄肉部15e,15Ae,15Beが破壊する代わりに、スリット状の貫通孔が、長手方向中央部から両端部に向けて徐々に拡がるようにして変形する。
上記したエネルギ吸収部材1,1A,1Bは、筒部15,15A,15Bの肉厚を、肉厚最小部15bを境にして軸方向両側に向けて徐々に厚くすることで強度変化部を設けているが、当該強度変化部を設けなくてもよい。すなわち、筒部15,15A,15Bの肉厚は、軸方向に沿って同一となっていてもよい。
また、上記したエネルギ吸収部材1,1A,1Bは、筒部15,15A,15Bの軸方向と直交する方向の外形寸法が端板部17,17A,17Bから当該荷重受部17,17A,17Bと軸方向反対側に向けて拡大する錐形状としているが、上記外形寸法が軸方向に沿って同一の形状でもよい。
上記外形寸法が軸方向に沿って同一の形状とした場合、肉厚最小部15bから開口部側の部分(基端強度変化部15d)の内径に関し、開口部側のほうが小さくなって成形後の型抜きが困難となる。この場合には、例えば、肉厚最小部から開口部側の部分の内周面に、全体の肉厚が徐々に増大するように別部材を取り付けるなど、別の製法を行えばよい。
また、上記した実施形態では、薄肉部15e,15Ae,15Beの長手方向ほぼ中央を肉厚最小部としているが、肉厚最小部は、薄肉部15e,15Ae,15Beの長手方向ほぼ中央から、長手方向両側のいずれかに多少ずれていてもよい。
また、エネルギ吸収部材1,1A,1Bの開口部15a側の端部は、平面としているが、凸曲面あるいは凹曲面とすることで、取り付ける相手側の部材の取付け面の形状に合わせることができる。
1,1A,1B エネルギ吸収部材
15,15A,15B エネルギ吸収部材の筒部
15c 先端強度変化部(強度変化部)
15d 基端強度変化部(強度変化部)
15e,15Ae,15Be 薄肉部(脆弱部)
15f,15Af,15Bf 凹部
17,17A,17B エネルギ吸収部材の端板部(荷重受部)

Claims (5)

  1. 筒部と、
    前記筒部の軸方向一方の端部に設けられ、外部からの衝撃荷重を受ける荷重受部と、を有し、
    前記筒部は、
    前記荷重受部が受ける衝撃荷重によって変形する際の起点となり、前記衝撃荷重を受ける方向に沿って長く形成されている脆弱部を備えていることを特徴とするエネルギ吸収部材。
  2. 前記筒部は、前記脆弱部から軸方向両側に向けて強度が徐々に高くなる強度変化部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギ吸収部材。
  3. 前記強度変化部は、前記筒部の肉厚が変化していることを特徴とする請求項2に記載のエネルギ吸収部材。
  4. 前記筒部の肉厚は、前記脆弱部の長手方向中央位置で最小となっていることを特徴とする請求項3に記載のエネルギ吸収部材。
  5. 前記筒部は、当該筒部の軸方向と直交する方向の外形寸法が、前記荷重受部から当該荷重受部と軸方向反対側に向けて拡大する錐形状であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエネルギ吸収部材。
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