JP2017206428A - セメント用硬化促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート工事における工期の短縮を目的として促進剤を使用するに際し、従来技術では圧縮強度の増進が充分でなく、また収縮によるひび割れが小さくならないという問題がある。ハンドリングが優れ、圧縮強度の増進と収縮低減の両方の性能を付与するセメント用硬化促進剤を提供する。【解決手段】特定の界面活性剤成分の特定量を含有させた、平均粒子径が10〜400nmのナノサイズ炭酸カルシウム微粒子コロイドを主成分とする水性サスペンジョンから成る硬化促進剤をコンクリートの調製時に添加し、圧縮強度の増進と収縮低減の両方の性能を併せ持つセメント用硬化促進剤を用いた。【選択図】なし

Description

本発明は炭酸カルシウムのナノサイズ粒子から成る水性サスペンジョンを主成分とするセメント用硬化促進剤に関する。
グラウト、モルタル、コンクリート等のセメント系水硬性組成物を使用する建設工事、特にコンクリート工事において、近年工期短縮や高品質化の観点から、強度発現性の優れた高性能な硬化促進剤の要求が高まっている。セメントの凝結促進や硬化促進に関する従来技術として、塩化カルシウム、亜硝酸塩、ロダン塩等の無機塩がよく知られているが、鉄筋腐食の問題、また早く硬化させても硬化物の収縮ひび割れが小さくならない等の問題も内在している。また一方で、水溶性カルシウム化合物と水溶性ケイ酸塩との反応による水性の硬化促進剤組成物の提案(特許文献1)がある。しかしながら、製造上の反応プロセスが煩雑であり、それを使用して得られる硬化体のコストを考慮すると少量添加の範囲では促進効果が充分でなくコスト高になるという問題を抱えている。更に一方で、平均粒子径が0.7μm未満の炭酸カルシウムの微粒子をセメント用凝結促進剤として用いる提案(特許文献2)がある。しかしながら、例えばモルタルやコンクリートを製造工場で練り混ぜる際にかかる微粒子をそのまま添加する方法では微粉が飛散して使いづらく、更に添加後に微粒子が短時間の練り混ぜで均一に分散しないまま一部が凝集した塊粒子が発生するため、充分な促進効果を発揮できず、また収縮によるひび割れも小さくならないという問題を抱えている。すなわち、ハンドリングが容易で、且つ少量添加で充分な強度増進と収縮低減の両方の効果を付与することができる高性能な硬化促進剤の提案が望まれている。
特表2012−501293号公報 特開2006−111485号公報
本発明が解決しようとする課題は、コンクリート工事の工期短縮や高品質化のために強度発現性の優れた硬化促進剤を使用するにあたり、従来はハンドリングが容易でなく、また強度増進と収縮低減の両方の効果が充分でないという課題である。本発明者らはかかる課題を解決するべく鋭意研究した結果、特定の界面活性剤を特定量含有させ、且つ特定の粒子径範囲からなる炭酸カルシウム微粒子の水性サスペンジョンをセメント用硬化促進剤として用いることが正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、下記の粒子コロイドを主成分とするセメント用添加剤であって、該粒子コロイドを固形分でセメント100質量部当たり0.05〜3質量部の割合で添加して用いることを特徴とするセメント用硬化促進剤に係る。
粒子コロイド:平均粒子径が10〜400nmの炭酸カルシウム微粒子の水性サスペンジョンであって、且つ界面活性剤成分を合計質量で該微粒子100質量部当たり0.3〜15質量部の割合で含有してなるサスペンジョン。
一般に石灰石を原料として製造される炭酸カルシウムは大別すると、炭酸ガス反応法により製造される軽質炭酸カルシウムと、石灰石を粉砕・分級して得られる重質炭酸カルシウムに分類される。本発明において、その種類を限定するものではないが、炭酸ガス反応法により製造される軽質カルシウムが好ましく、更に微粒子として一次粒子径が10〜400nm、好ましくは20〜300nmの炭酸カルシウム微粒子から成るコロイダルカルシウムカーボネートを使用することが重要である。なお、一次粒子径がかかる範囲よりも大きな粒子の炭酸カルシウム粒子を処すると本発明が目的とする硬化促進効果を充分に発揮することができない。
本発明において、コロイダルカルシウムカーボネート、すなわち、炭酸カルシウム微粒子が均一に分散した水性サスペンジョンを製造するためには適切な界面活性剤成分の利用が必要である。すなわち、水性サスペンジョンの分散粒子の沈殿や分離のない均一状態を保つための適切な分散安定化成分が必要不可欠である。かかる界面活性剤成分として少なくともノニオン性のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアニオン性の脂肪酸アルカリ金属塩の双方を含有する成分を必須成分として使用する。また、かかる界面活性剤成分の使用量は合計質量で炭酸カルシウム微粒子100質量部当たり0.3〜15質量部、好ましくは1〜10質量部の割合で用いる。
本発明において、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、下記の化1で示される化合物の中から選ばれるものを使用する。
Figure 2017206428
化1において、
:炭素数3〜5のアルキル基
:分子中に合計2〜10個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基。
化1で示されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの中で具体的な化合物として、ジ(酸化プロピレンの付加モル数2)プロピレングリコールジ(酸化エチレンの付加モル数2)エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。なお、特に化1で示される化合物を用いる理由は、先ず本発明が必要とする粒子コロイドの分散安定化作用を有することが重要であり、同時にコンクリート硬化体の収縮を抑制する効果をも兼ね備えて、セメント硬化体の収縮ひび割れを低減し、高品質のコンクリート硬化体が得られることに特徴がある。
また本発明において、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、前記化1で示されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物と下記化2で示されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物との混合物であって、該化合物の混合比(質量比)において、化1/化2=60〜95/40〜5(合計100)のものを用いることが、より好ましい。その理由は、前記化1の化合物は水の表面張力の低下作用が大きく粒子の乳化作用及びセメント硬化体の収縮を低減する性質を有する特徴があるが、同時に脂肪酸アルカリ金属塩を併用して水性サスペンジョンを調製する際には気泡を多く巻き込み易くなるため、水に不溶性であって、且つ化1に溶解する性質をもつ抑泡性の強い性質の化合物、すなわち、化2で示される化合物を予め化1で示される化合物に溶解混合した混合物を用いることが好ましい。界面活性剤成分にこの様な性質を付与することによって、水性サスペンジョンの調製時に巻き込み気泡による泡立ちが抑制されると共に、コンクリートを調製する際の微細気泡の空気量調整が容易になるからである。
Figure 2017206428
化2において、
:炭素数12〜20の脂肪族炭化水素基。
:分子中に合計23〜70個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成され、且つ該オキシエチレン単位と該オキシプロピレン単位とがブロック状に付加したポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基。
化2で示されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの中で具体的な化合物としては、抑泡性能の優れたポリ(酸化プロピレンの付加モル数40)プロピレングリコールポリ(酸化エチレンの付加モル数6)エチレングリコールモノオレイルエーテルが好ましい。
次に脂肪酸アルカリ金属塩について説明する。アルカリ金属としてはリチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられるが、工業的見地からナトリウムが好ましい。また本発明において、脂肪酸は炭素数2〜4の短鎖脂肪酸(低級脂肪酸)、炭素数5〜12の中鎖脂肪酸、炭素数12以上の長鎖脂肪酸(高級脂肪酸)を包含するが、なかでも中鎖脂肪酸又は長鎖脂肪酸が好ましく、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムの中から選ばれる脂肪酸アルカリ金属塩を使用するのが好ましい。
次に本発明に係る水性サスペンジョンの調製方法について説明する。本発明において、調製方法は特に限定するものではなく、粒子が水と分離しない均一状態を長期に保持する水性サスペンジョンが得られる方法であればよい。例えば、本発明に係る前記した界面活性剤成分を所定量添加した水溶液に、一次粒子が所定範囲の粒子径を有するコロイダルカルシウムカーボネートの固体微粒子を少しずつ徐々に添加しながら、乳化・分散用の高速撹拌ホモジナイザー及び/又は超音波ホモジナイザーを用いて調製することにより平均粒子径が所望の範囲の水性サスペンジョンを得ることができる。
この様な調製方法によって、固形濃度が3〜40質量%、好ましくは5〜30質量%の水性サスペンジョンから成るセメント用硬化促進剤を得ることができる。
本発明において、本発明のセメント用硬化促進剤の使用方法は、セメントと水を練り混ぜてセメントペースト、モルタル及びコンクリートに代表されるセメント系水硬性組成物を調製する際に、練り混ぜ水と一緒に添加して用いることができる。練り混ぜる際の添加量は、水性サスペンジョンから成る硬化促進剤の含水を除いた固形分でセメント100質量部当たり0.05〜3質量部、好ましくは、0.1〜2質量部の範囲割合で添加して用いる。
本発明において、使用するセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、及び中庸熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、これらのポルトランドセメントに、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ微粉末、或いはシリカフューム微粉末を混合した混合セメントを使用することができる。なかでも、汎用で安価であって、本発明が目的とする顕著な強度増進効果が得られ易い観点から普通ポルトランドセメントを使用するのが好ましい。
以上説明した本発明の硬化促進剤を練り混ぜ時にセメント組成物、特にコンクリートに添加すると、硬化体の強度増進と収縮低減の両方の性能が付与される理由について説明する。強度増進が付与される理由については、ナノ粒子サイズに水分散した炭酸カルシウム微粒子と、ミクロンサイズの相対的に大きな粒子径のセメント粒子とがアルカリ性のセメント懸濁液中で接触すると、初期反応の過程でセメントの水和反応の助長源となる種結晶化物の数が多く生成し、その種結晶化物がセメント粒子の水和反応率を向上させることによって、結果として強度が大きく増進した硬化体が得られるものと推察される。また、収縮低減が付与される理由については、前記した様に界面活性剤成分として水の表面張力低下作用が大きな化1で示される化合物がコンクリートの収縮低減剤として有効に作用するためと推察される。
本発明によると、本発明の炭酸カルシウムナノサイズ粒子を主成分とする水性サスペンジョンのセメント用硬化促進剤はセメントの水和反応率を効率よく向上させてコンクリート硬化体の圧縮強度を増進すると同時に、更に収縮を低減するという性能を有しており、結果としてコンクリート工事における工期の短縮及び高品質化を図ることができるという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
試験区分1(硬化促進剤の調製)
実施例1
2リットルの容器にイオン交換水を1264g、ジ(酸化プロピレンの付加モル数2)プロピレングリコールジ(酸化エチレンの付加モル数2)エチレングリコールモノブチルエーテル(A−1)を12g、及びオレイン酸ナトリウム(B−1)を4g投入して界面活性剤溶液を作成した。次に、該界面活性剤溶液に回転数が300〜20000rpmの高速撹拌ホモジナイザーを取り付け、徐々に回転数を上げながら一次粒子径が80nmのコロイダルカルシウムカーボネート微粉末(P−1)(竹原化学工業社製の商品名:ネオライトSP)300gを少しずつ徐々に界面活性剤溶液に投入して懸濁液を得た。続いて、更に超音波ホモジナイザーを用いて均一に分散させ、平均粒子径が90nmの粒子コロイドを主成分とする、水性サスペンジョンの固形濃度が20質量%のセメント用硬化促進剤(SP−1)を得た。
実施例2
2リットルの容器にイオン交換水を1264g、ジ(酸化プロピレンの付加モル数2)プロピレングリコールジ(酸化エチレンの付加モル数2)エチレングリコールモノブチルエーテル(A−1)を11gと、ポリ(酸化プロピレンの付加モル数40)プロピレングリコールポリ(酸化エチレンの付加モル数6)エチレングリコールモノオレイルエーテル(A−2)3gとを予め配合した混合物{A−1/A−2=79/21(合計100、質量比)}を14g、及びオレイン酸ナトリウム(B−1)を2g投入して界面活性剤溶液を作成した。次に、前記と同様にして高速撹拌ホモジナイザーの回転数を徐々に上げながら、前記の一次粒子径が80nmのコロイダルカルシウムカーボネート微粉末(P−1)300gを少しずつ徐々に界面活性剤溶液に投入して懸濁し、続いて更に超音波ホモジナイザーを用いて均一に分散させ、平均粒子径が90nmの粒子コロイドを主成分とする固形濃度が20質量%のセメント用硬化促進剤(SP−2)を得た。
実施例3
脂肪酸アルカリ金属塩の種類をオレイン酸ナトリウムからラウリン酸ナトリウム(B−2)に置き換えた以外は、実施例2と同様にして固形濃度が20質量%のセメント用硬化促進剤(SP−3)を得た。
実施例4
2リットルの容器にイオン交換水を1298g、ジ(酸化プロピレンの付加モル数2)プロピレングリコールジ(酸化エチレンの付加モル数2)エチレングリコールモノブチルエーテル(A−1)を17.9gと、ポリ(酸化プロピレンの付加モル数40)プロピレングリコールポリ(酸化エチレンの付加モル数6)エチレングリコールモノオレイルエーテル(A−2)3gとを予め配合した混合物{A−1/A−2=85/15(合計100、質量比)}を21g、及びオレイン酸ナトリウム塩(B−1)を3g投入して界面活性剤溶液を作成した。次に、前記と同様にして高速撹拌ホモジナイザーの回転数を徐々に上げながら一次粒子径が200nmのコロイダルカルシウムカーボネート微粉末(P−2)300gを少しずつ徐々に界面活性剤溶液に投入して懸濁し、続いて更に超音波ホモジナイザーを用いて均一に分散させ、平均粒子径が220nmの粒子コロイドを主成分とする固形濃度が20質量%のセメント用硬化促進剤(SP−4)を得た。
実施例5
脂肪酸アルカリ金属塩の種類をオレイン酸ナトリウムからラウリン酸ナトリウムに置き換えた以外は、実施例4と同様にして固形濃度が20質量%のセメント用硬化促進剤(SP−5)を得た。
以上の実施例1〜5の結果を表1にまとめて示した。
比較例1〜3
比較例1は微粉末のまま用いた場合、比較例2は界面活性剤成分を添加しない場合、比較例3は実施例1同様な方法で調製した場合について実施した。
以上の比較例1〜3を表1にまとめて示した。
Figure 2017206428
表1の*1〜*6において、
*1では、
P−1:一次粒子径が80nmのコロイダルカルシウムカーボネート微粉末(竹原化学工 業社製の商品名:ネオライトSP)
P−2:一次粒子径が200nmのコロイダルカルシウムカーボネート微粉末
P−3:一次粒子径が0.6μmの炭酸カルシウム粉末
*2では、
A−1:ジ(酸化プロピレンの付加モル数2)プロピレングリコールジ(酸化エチレンの 付加モル数2)エチレングリコールモノブチルエーテル
*3では、
A−2:ポリ(酸化プロピレンの付加モル数40)プロピレングリコールポリ(酸化エチレンの付加モル数6)エチレングリコールモノオレイルエーテル
*4では、
B−1:オレイン酸ナトリウム
B−2:ラウリン酸ナトリウム
*5:炭酸カルシウム微粒子100質量部当たりの質量部の割合(質量%)
*6:粒子コロイドの調製後1か月経過した水性サスペンジョンの分散安定性
試験区分2(粒子コロイドの分析及び評価)
・平均粒子径の測定:レーザー回折式粒度分布測定器を用いて炭酸カルシウム粒子コロイドの粒度分布を測定し、平均粒子径を算出した。
・粒子コロイドの分散安定性:粒子コロイドの調製後、室温で1か月間、静置保存した後の製品(水性サスペンジョン)状態を観察した。分散安定性の良否として、沈殿物がなく均一の状態のものを(○又は均一)、水と粒子が分離しており不均一なものを(×又は分離)とした。
試験区分3(コンクリートの調製及び評価)
試験例1〜5
試験区分1で調製した表1に記載の本発明の硬化促進剤を用いて、表2に記載の配合条件で、50リットルのパン型強制練りミキサーに普通ポルトランドセメント(密度=3.16g/cm)、細骨材(川砂、密度=2.58g/cm)、練り混ぜ水(水道水)、表3に示す硬化促進剤(P−1)の所定量と、更に市販の高性能AE減水剤及び空気量調整剤の必要量を投入してスラリーが均一になるまで90秒間練り混ぜた。次に、粗骨材(砕石、密度=2.68g/cm)を投入して60秒間練り混ぜた。なお、水性サスペンジョンである本発明の硬化促進剤に含まれる含水は、練り混ぜ水の一部として練り混ぜ水で希釈しながら投入し、目標スランプが18±1cm、目標空気量が4±1%の試験例1のコンクリートを調製した。また同様にして、試験区分1の表1記載の硬化促進剤(SP−2)〜(SP−5)を用いて、試験例2〜5のコンクリートを調製した。いずれの試験例も練り混ぜ温度は20℃で行った。
試験例6〜8
試験例1と同様な方法により、表2に記載の配合条件で表1に示した比較例1〜3を用いて試験例6〜8のコンクリートを調製した。
試験例9
塩化カルシウム(試薬)を比較用に用いて、試験例1と同様な方法により、表2に記載の配合条件で試験例9のコンクリートを調製した。
Figure 2017206428
表2において、
*1:普通ポルトランドセメント(密度=3.16/cm
*2:細骨材(川砂、密度=2.58g/cm
*3:粗骨材(砕石、密度=2.68g/cm
・コンクリートの物性評価
調製した各例のコンクリートについて練り混ぜ後のスランプ、空気量、圧縮強度、及び乾燥収縮率を下記の方法で評価し、得られた結果を表3にまとめて示した。
・スランプ(cm):練り混ぜ直後のコンクリートについて、JIS−A1101に準拠して測定した。
・空気量(容量%):練り混ぜ直後のコンクリートについて、JIS−A1128に準拠して測定した。
・圧縮強度(N/mm):材齢1日、材齢3日、及び材齢28日の硬化体について、JIS−A1108に準拠して測定した。
・乾燥収縮率:JIS−A1132に準じて、寸法10cm×10cm×40cmの鋼製直方型枠に充填して供試体を作成し、JIS−A1129に準拠してコンパレータ法により材齢26週(162日)における硬化体の乾燥収縮率を測定した。数値が小さいほど収縮が小さいことを示す。
Figure 2017206428
表3において、
*1:表1に記載の硬化促進剤の種類
*2:セメント100質量部当たりの硬化促進剤(固形分として)の添加質量部
*3:硬化促進剤の水性サスペンジョンが分離したので測定しなかった。
*4:塩化カルシウム(試薬)
表3の結果から明らかのように、本発明のセメント用硬化促進剤はセメントの水和反応率を向上させてコンクリート硬化体の圧縮強度を増進すると同時に、乾燥収縮を低減するという特徴を有しており、結果としてコンクリート工事における工期の短縮及び高品質化を図ることができるという効果がある。

Claims (11)

  1. 下記の粒子コロイドを主成分とするセメント用添加剤であって、該粒子コロイドを固形分でセメント100質量部当たり0.05〜3質量部の割合で添加して用いることを特徴とするセメント用硬化促進剤。
    粒子コロイド:平均粒子径が10〜400nmの炭酸カルシウム微粒子の水性サスペンジョンであって、且つ界面活性剤成分を合計質量で該微粒子100質量部当たり0.3〜15質量部の割合で含有してなる水性サスペンジョン。
  2. 粒子コロイドが炭酸カルシウム微粒子として一次粒子径が10〜400nmのコロイダルカルシウムカーボネートを用いた水性サスペンジョンである請求項1記載のセメント用硬化促進剤。
  3. 界面活性剤成分が少なくともポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル及び脂肪酸アルカリ金属塩を含有し、且つ該界面活性剤成分の合計質量が炭酸カルシウム微粒子100質量部当たり1〜10質量部の割合で含有する請求項1又は2記載のセメント用硬化促進剤。
  4. ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルが下記の化1で示される化合物である請求項1〜3記載のいずれか一つの項記載のセメント用硬化促進剤。
    Figure 2017206428
    (化1において、
    :炭素数3〜5のアルキル基
    :分子中に合計2〜10個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基)
  5. ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルが前記化1で示される化合物と下記化2で示される化合物の混合物である請求項1〜4記載のいずれか一つの項記載のセメント用硬化促進剤。
    Figure 2017206428
    (化2において、
    :炭素数12〜20の脂肪族炭化水素基。
    :分子中に合計23〜70個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成され、且つ該オキシエチレン単位と該オキシプロピレン単位とがブロック状に付加したポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基。)
  6. 請求項4記載のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルがジ(酸化プロピレンの付加モル数2)プロピレングリコールジ(酸化エチレンの付加モル数2)エチレングリコールモノブチルエーテルである請求項1〜5記載のいずれか一つの項記載のセメント用硬化促進剤。
  7. 化2のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルがポリ(酸化プロピレンの付加モル数40)プロピレングリコールポリ(酸化エチレンの付加モル数6)エチレングリコールモノオレイルエーテルである請求項1〜6記載のいずれか一つの項記載のセメント用硬化促進剤。
  8. 脂肪酸アルカリ金属塩がオレイン酸ナトリウムである請求項1〜7記載のいずれか一つの項記載のセメント用硬化促進剤。
  9. 粒子コロイドの平均粒子径が20〜300nmのサスペンジョンである請求項1〜8記載のいずれか一つの項記載のセメント用硬化促進剤。
  10. 水性サスペンジョンの固形濃度が5〜30質量%である請求項1〜9記載のいずれか一つの項記載のセメント用硬化促進剤。
  11. 水性サスペンジョンを固形分でセメント100質量部当たり0.1〜2質量部の割合で添加して用いる請求項1〜10記載のいずれか一つのセメント用硬化促進剤。
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