JP2019014618A - タイル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイル原料を成形した成形体の少なくとも一面に、釉薬を所定の水溶液で分散した分散液を塗布し、焼成してなるタイルである。そして、水溶液には、水溶性の熔融材が溶解している。熔融材は、ナトリウムの炭酸塩、ナトリウムの有機酸塩、カリウムの炭酸塩、カリウムの有機酸塩、カルシウムの炭酸塩、カルシウムの有機酸塩、マグネシウムの炭酸塩、マグネシウムの有機酸塩、亜鉛の炭酸塩、亜鉛の有機酸塩、ホウ酸のナトリウム塩、及びホウ酸のカリウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることが特に好ましい。
【選択図】図4
Description
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、無釉品の風合いを残したまま施釉品並みの防汚性を付与することを目的とするものである。本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
前記水溶液には、水溶性の熔融材が溶解していることを特徴とする、タイル。
基材層と、
前記基材層の表面に形成された釉層と、を備え、
前記基材層の前記表面から1μm以上の深さの部位に、ナトリウムの塩、カリウムの塩、カルシウムの塩、マグネシウムの塩、亜鉛の塩、ホウ酸、及びホウ酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物に由来する、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の元素が浸透していることを特徴とするタイル。
水溶性の熔融材が、ナトリウムの塩、カリウムの塩、カルシウムの塩、マグネシウムの塩、亜鉛の塩、ホウ酸、及びホウ酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物である場合には、防汚性が高い。
水溶性の熔融材は、ナトリウムの炭酸塩、ナトリウムの有機酸塩、カリウムの炭酸塩、カリウムの有機酸塩、カルシウムの有機酸塩、マグネシウムの有機酸塩、亜鉛の有機酸塩、ホウ酸、ホウ酸のナトリウム塩、及びホウ酸のカリウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物である場合には、防汚性が高い。
熔融材に由来する成分が、表面側の方が、裏面側よりも多く含まれている場合には、防汚性が特に必要とされている表面側の高い防汚性を確保しつつ、あまり必要とされてない裏面側の熔融材を削減できため、コスト的に有利である。また、本構成によれば、全体をガラス化してしまいタイルの保形性が失われ、寸法精度、形状が悪化することを防ぐことができる。
第2発明(請求項5)のタイルは、無釉品の風合いを残したまま施釉品並みの防汚性を発揮できる。
1.タイル(第1発明のタイル)
第1発明のタイルは、タイル原料を成形した成形体の少なくとも一面に、釉薬を所定の水溶液で分散した分散液を塗布し、焼成してなるタイルである。そして、水溶液には、水溶性の熔融材が溶解していることを特徴とする。
タイル原料は、焼成することによりタイルを製造できる原料であれば特に限定されない。タイル原料は、粘土と長石を主原料とするものが一般的である。ここで、主原料とは、タイル原料を100重量部とした場合に、50重量部以上の原料を意味し、粘土と長石の合計が50重量部以上であることを意味する。タイル原料は、必要に応じて陶石、石灰石、滑石を含有している。タイル原料としては、例えば、無釉素地用の原料、特に迅速焼成無釉素地用の原料を好適に用いることができる。また、タイル原料は、顔料等の各種の添加剤を含有することができる。
成形体のサイズ、形状は特に限定されず、用途に応じて適宜変更することができる。例えば、成形体は板状とすることができる。板状の成形体は、表面及び裏面を有する。
分散液は、釉薬を所定の水溶液で分散した液である。水溶液には、水溶性の熔融材が溶解している。分散液は、成形体に塗布されるものであるから、本明細書においては「塗布物」ともいう。
釉薬は、タイルに用いるものであれば、特に限定されず、幅広く用いることができる。例えば、長石、粘土、ガラスフリット、石灰石、珪石、滑石等を混合した釉薬を用いることができる。
釉薬は、分散剤を含有していてもよい。
熔融材は、水溶性であれば特に限定されず、種々の熔融材を用いることができる。
例えば、熔融材は、ナトリウムの塩、カリウムの塩、カルシウムの塩、マグネシウムの塩、亜鉛の塩、ホウ酸、及びホウ酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることが好ましい。これらの熔融材を用いることで、タイルの防汚性が高くなる。なお、ホウ酸、ホウ酸の塩は、タイルの表面の親水性を高めるため、より防汚機能を高める効果がある。また、タイルにデジタル加飾(インクジェット加飾)をする場合は、インクの発色に影響の少ないカリウムの塩が有用である。
熔融材は、ナトリウムの炭酸塩、ナトリウムの有機酸塩、カリウムの炭酸塩、カリウムの有機酸塩、カルシウムの有機酸塩、マグネシウムの有機酸塩、亜鉛の有機酸塩、ホウ酸のナトリウム塩、及びホウ酸のカリウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることが特に好ましい。これらの熔融材を用いることで、タイルの防汚性が高くなる。また、これらの熔融材は、焼成時に窯内で腐食性ガスを生じないから望ましい。なお、ナトリウムの有機酸塩、カリウムの有機酸塩、カルシウムの有機酸塩、マグネシウムの有機酸塩、亜鉛の有機酸塩、における有機酸としては、特に限定はされないが、クエン酸、アスコルビン酸、酢酸、酒石酸など人体に無害なものが製造上好ましい。
熔融材として、水に溶解した場合にアルカリ性を示す塩を用いる場合には、分散液中に、酸を含有させることが好ましい。酸を含有させることで、アルカリが中和される。酸としては特に限定されず、窯内での腐食性ガスが発生しない観点から、有機酸を用いることが好ましい。有機酸の中でも、溶解度が高い、安価で入手しやすい、刺激臭がなく人体に無害などの観点から、クエン酸を用いることが好ましい。
分散液における熔融材の量は、特には限定されないが、分散液全体を100重量部とした場合に、好ましくは0.1〜15重量部であり、より好ましくは0.5〜10重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。
分散液における釉薬の固形分量は、特には限定されないが、分散液全体を100重量部とした場合に、好ましくは2〜60重量部であり、より好ましくは5〜40重量部であり、好ましくは5〜20重量部である。ここで、釉薬の固形分量とは、長石、粘土、石灰石、珪石、滑石等の鉱物の合計量を意味する。熔融材の量、釉薬の固形分量を、この範囲内とすると、タイルに無釉品の風合いを残したまま施釉品並みの防汚性を付与できる。
なお、分散液に酸を含有させる場合において、酸の量は、特には限定されないが、分散液全体のpHが7〜8.5程度となるように調整することが固形分の凝集を防ぐ上で好ましい。
成形体に上記分散液を塗布すると、塗布時(施釉時)にイオン化された熔融材が成形体の塗布面に染み込み塗布面の表面の耐火度を下げさせガラス化する。これにより、少量の釉薬だけではカバーできない凹凸や亀裂、溝などを塞ぐ、又は小さくし、更に穴や溝の表面を滑らかにすることで防汚性が高められるものと推測される。
本実施形態のタイルでは、分散液は、成形体の少なくとも一面に塗布される。溶解している熔融材成分は水と共に基材に染み込んでいく。このようにすると、熔融材成分は表面側に多く含まれ裏面側には少なくなる。防汚性が特に必要とされている表面側の高い防汚性を確保しつつ、あまり必要とされてない裏面側の熔融材を削減できるため、コスト的に有利である。また、本実施形態のタイルでは、全体をガラス化してしまいタイルの保形性が失われ、寸法精度、形状が悪化することを防ぐことができる。なお、成分量は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)によって特定することができる。
第2発明のタイルは、基材層と、基材層の表面に形成された釉層と、を備える。そして、基材層の表面から1μm以上の深さの部位に、ナトリウムの塩、カリウムの塩、カルシウムの塩、マグネシウムの塩、亜鉛の塩、ホウ酸、及びホウ酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物に由来する、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の元素が浸透していることを特徴とする。
基材層は、タイル原料を焼成することにより形成される。タイル原料は、上記1.タイル(第1発明のタイル)の「(1)タイル原料」の記載をそのまま適用する。
基材層の厚みは、特に限定されず、用途に応じて適宜変更することができる。
釉層は、釉薬を焼成することにより形成される。釉薬は、タイルに用いるものであれば、特に限定されず、幅広く用いることができる。例えば、長石、粘土、ガラスフリット、石灰石、珪石、滑石等を混合した釉薬を用いることができる。
釉層の厚みは、素地の風合いを失くさない程度にする必要があり、好ましくは3−100μmであり、さらに好ましくは5−30μmである。100μmを超えると無釉品の風合いには見えなくなる。
タイルの特徴は、基材層の表面から1μm以上の深さの部位に、ナトリウムの塩、カリウムの塩、カルシウムの塩、マグネシウムの塩、亜鉛の塩、ホウ酸、及びホウ酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物に由来する、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の元素が浸透していることである。この特徴を備えることで、タイルの防汚性が高くなる。
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種以上元素が浸透していることの確認は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)によって行うことができる。
(1)タイル原料を成形した成形体(素地)の準備
試験に使用した素地は一般的な迅速焼成無釉素地で、長石、陶石、粘土等からなる。
無釉素地は着色のため、ケイ酸ジルコニウムや各種顔料を配合することもあるが、本実験では、顔料は配合しなかった。原料を水と分散剤とともにボールミルで細磨したのち、ミルより出し、スプレードライヤーで顆粒状に乾燥して、タイル原料(坏土)を得た。
このタイル原料の含水率は約6%程度である。このタイル原料を一軸油圧プレスで110mm角に成形して成形体を得た。そして、成形体を乾燥させた。
元釉薬は以下の組成とし、ポットミルで24時間細磨した。
元釉薬組成
カリウム長石 70重量部
蛙目粘土 15重量部
石灰石 15重量部
水 60重量部
ポリカルボン酸ナトリウム系分散剤 水を除く固形分に対して0.2wt%
実験例2〜6では、表1に記載の分散液を使用した。実験例1は分散液を使用してない。各分散液は、下記の表1の配合比で、薬さじを用いて混合して調製した。なお、下記表1における単位は、重量部である。
クエン酸は炭酸カリウムの中和のため使用した。また、表1中、「CMC1.8%溶液」とは、カルボキシメチルセルロースの1.8wt%の水溶液を意味する。分散液の成分として、カルボキシメチルセルロースの水溶液を用いることで、沈殿を抑え分散液の粘度がスプレーコーティングに適したものとなり、表面に比較的均質な釉薬層を備えたタイルとすることができる。
塗布はスプレーガンを用いて、分散液の塗布量が0.03g/cm2になるように塗布した。この時素地は60℃に加熱したものを用いた。
塗布の終わった素地は120℃で30分乾燥したのち、ローラーハースキルンで焼成した。最高温度1191℃とし、焼成時間は53分とした。このようにして実験例1〜6のタイルを得た。なお、いずれのタイルも無釉品の風合いが残されていた。
墨汚れ試験を行った。
(1)事前色差測定
タイルの表面の色差を測定し、Lab値を記録した。この測定には、コニカミノルタ社CR−410を使用した。以下に示す事後色差測定においても同様の機器を用いた。
市販墨汁(呉竹社 いろいろぼくてき)を原液のまま刷毛で表面に塗った(図1参照)。図1において、No.1〜No.6は、それぞれ実験例1〜6のタイルを示す。以下の図面においても同様である。
墨塗りをしたタイルを105℃の乾燥器で3時間焼き付けた。
焼き付け後のタイルを、流水の下、市販の亀の子タワシ(亀の子束子1号(株式会社亀の子束子西尾商店))を使って3分間表面を洗浄した。各タイルの洗浄後の状態を図2に示す。
図2に示されるように、実験例1のタイルに比べて、実験例2〜6のタイルは墨が洗浄後に落ちていることが確認された。
事前測定同様、洗浄後に、色差計で各タイルの色差を測定した。そして、〔1〕墨汁で汚す前である「事前」と、〔2〕墨汁で汚し、その後洗浄した後である「事後」と、の色差を△Eで求めた。△Eが小さいほど洗浄性が良く防汚性能に優れることになる。
結果を表2に示す。釉薬及び熔融材を含有する分散液を用いた実験例3、4は、△Eが非常に小さく、防汚性能が特に優れていた。分散液を使用してない実験例1は、防汚性能が低いことが確認された。釉薬のみを含有する分散液を用いた実験例2は、実験例1よりも防汚性能に優れるものの、実験例3、4の防汚性能には及ばなかった。熔融材のみを含有する分散液を用いた実験例5、6は、実験例1よりも防汚性能に優れるものの、実験例3、4の防汚性能には及ばなかった。
マジック除去性評価を行った。
(1)油性ペンによる文字の書き込み
各タイル表面にマジック(油性ペン:ゼブラハイマッキ−油性)でS字を書いた(図3参照)。
S字が書かれた各タイル表面に、アトマイザーで少量の水を吹きかけ、研磨剤の入っていないナイロンたわしで文字を擦った。
目視にてタイル表面のマジックの取れ方を観察した。図4にナイロンたわしで擦った後の各タイルの状態を示す。
図4から以下のことが確認できた。
・実験例1:マジックの跡がはっきり残り、マジックが除去できない。
・実験例2:マジックは、かなり薄くなるが、マジックの跡が残った。
・実験例3:マジックは、ほとんど除去できた。
マジックは、うっすらと痕跡が視認できる程度である。
・実験例4:マジックは、ほとんど除去できた。
マジックは、うっすらと痕跡が視認できる程度である。
・実験例5:マジックは、ある程度除去できるが、マジックの跡がはっきり残った。
・実験例6:マジックは、ある程度除去できるが、マジックの跡がはっきり残った。
以上の評価結果から、釉薬及び熔融材を含有する分散液を用いると、防汚性が非常に高いことが確認された。
実験例3のタイルについて、SEMによる観察、及びEPMA面分析を行った。タイルの断面をSEMによる観察したところ、基材層と、基材層の表面に形成された釉層が観察された。そして、同じ断面をEPMA面分析したところ、基材層のうち釉層の近傍には、ホウ酸塩に由来するホウ素が確認された。すなわち、基材層にホウ酸塩が浸み込んでいることが確認できた。浸み込み深さは、基材層の表面から少なくとも1μmであった。すなわち、基材層の表面から1μmの深さの部位では、ホウ酸塩に由来するホウ素が確認された。
なお、SEM写真及びEPMA面分析については、カラー写真を参考資料として物件提出書により提出する。この参考資料において赤線は、基材層と釉層の境界を示している。EPMA面分析の結果では、色の薄い部分(青から水色部分)がホウ素の存在を意味している。この結果を見ると、色の薄い部分は、釉層のみならず、前記境界を越えて基材層まで広がっていることが分かる。すなわち、基材層にまでホウ酸塩が浸み込んでいることが確認できる。
実験例3のタイルについて、ホウ酸の湿式分析を行った。ブロムクレゾールパープル中和滴定法を用いた。分析にあたり、タイルの上層、下層をそれぞれ1mmずつ除去して、表面と裏面の分析をした。タイルの上層(表面)には、B2O3が0.1wt%存在することが確認された。一方、下層(裏面)では、B2O3は検出されなかった。
本実施例のタイルによれば、無釉品の風合いを残したまま施釉品並みの防汚性を付与できる。
Claims (5)
- タイル原料を成形した成形体の少なくとも一面に、釉薬を所定の水溶液で分散した分散液を塗布し、焼成してなるタイルであって、
前記水溶液には、水溶性の熔融材が溶解していることを特徴とする、タイル。 - 前記熔融材は、ナトリウムの塩、カリウムの塩、カルシウムの塩、マグネシウムの塩、亜鉛の塩、ホウ酸、及びホウ酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載のタイル。
- 前記熔融材は、ナトリウムの炭酸塩、ナトリウムの有機酸塩、カリウムの炭酸塩、カリウムの有機酸塩、カルシウムの有機酸塩、マグネシウムの有機酸塩、亜鉛の有機酸塩、ホウ酸、ホウ酸のナトリウム塩、及びホウ酸のカリウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載のタイル。
- 前記熔融材に由来する成分が、表面側の方が、裏面側よりも多く含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイル。
- タイルであって、
基材層と、
前記基材層の表面に形成された釉層と、を備え、
前記基材層の前記表面から1μm以上の深さの部位に、ナトリウムの塩、カリウムの塩、カルシウムの塩、マグネシウムの塩、亜鉛の塩、ホウ酸、及びホウ酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物に由来する、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の元素が浸透していることを特徴とするタイル。
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| KR102592028B1 (ko) * | 2022-09-15 | 2023-10-20 | 김종영 | 합성 잡재가 함유된 유약 조성물 |
| KR20240176990A (ko) * | 2023-06-19 | 2024-12-27 | 하태훈 | 도자기용 유약 조성물 |
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