JP2019015219A - 車両用水冷系のエア抜き構造 - Google Patents

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将之 岩佐
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【課題】エンジンの暖機性能やヒータの効きを良好に保ち得る車両用水冷系のエア抜き構造を提供する。【解決手段】EGRクーラ1(水冷機器)における水冷領域の最上部から少量の冷却水を抜き出してウォーターポンプ3に導くエア抜き水路2を備え、その途中にエア分離部4を設定して該エア分離部4に向けエア抜き水路2が上り勾配を成すようにし、エア分離部4からエアエスケープ水路5を分岐してラジエータへ向け上り勾配を成すように接続した車両用水冷系のエア抜き構造に関し、エア分離部4にエア抜き水路2とエアエスケープ水路5とを分岐せしめるコネクタ9を介装し、ヒータ用冷却水戻し水路8の負圧領域に対しコネクタ9を連絡管10を介して接続し、コネクタ9の内部における連絡管10に通じる第一流路を直線状に形成し且つエアエスケープ水路5に通じる第二流路を第一流路の途中から枝分かれするように形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用水冷系のエア抜き構造に関するものである。
従来、大型トラック等の車両にあっては、エンジンやラジエータ以外にもEGRクーラやターボチャージャ等といった各種の水冷機器が搭載されており、これらを冷却するためにウォーターポンプにより冷却水が循環されるようになっているが、このような車両用水冷系に対し最初に冷却水を導入する場合や、冷却水を交換して入れ直すような場合に、水冷系の最上位置となるラジエータ上部の注水レベルより低い位置に配置されている水冷機器からは水冷領域にエアが残らないようエア抜きを行う必要がある。
例えば、図3は水冷機器の一例としてEGRクーラ1からエア抜きを行う場合の従来構造を示しており、EGRクーラ1における水冷領域の最上部からエア抜き水路2を介し少量の冷却水が抜き出されてウォーターポンプ3へ導かれるようになっていると共に、このエア抜き水路2の途中にエア分離部4が設定されていて該エア分離部4に向け前記エア抜き水路2が上り勾配を成すように構成されており、前記エア分離部4からエアエスケープ水路5が分岐されてラジエータ(図示せず)へ向け上り勾配を成すように接続されている。
而して、このようなエア抜き構造によれば、車両用水冷系に対し最初に冷却水を導入する場合や、冷却水を交換して入れ直すような場合に、EGRクーラ1における水冷領域の最上部からエア抜き水路2及びエアエスケープ水路5を介してエア抜きを行いながら液面レベルを上げて水冷系全体を満水状態とすることができる。
ここで、図3に示している例では、ターボチャージャ(図示せず)における水冷領域の最上部から少量の冷却水を導くエア抜き水路2’も合流されるようになっており、このエア抜き水路2’も前記エア分離部4に向け上り勾配を成すように接続されていることは勿論である。
一方、前記ウォーターポンプ3においては、基本的にラジエータで空冷された冷却水の主流(エア抜き水路2やエアエスケープ水路5を流れる少量の冷却水を除いた残りの大半の冷却水)を再びエンジンに戻すようにしているが、その一部は車室内の暖房用の熱源としてヒータ用冷却水送り水路6を介しヒータ7に送り出され、該ヒータ7を経由してからヒータ用冷却水戻し水路8を介しウォーターポンプ3に戻されるようになっている。
ただし、エンジンの始動直後における冷却水の温度が低い時には、サーモスタットの作動でエンジンからラジエータに向かう水路が閉じ且つエンジンからの冷却水をウォーターポンプ3へ導く水路が開くことにより、冷却水がラジエータを経由せずにウォーターポンプ3へ直接送り込まれてエンジンの暖機が優先されるようになっている。
尚、本発明に関連する先行技術文献情報としては下記の特許文献1,2等がある。
特開平9−272327号公報 特開2010−159006号公報
しかしながら、このような車両用水冷系のエア抜き構造においては、エンジンとラジエータとの組合せにより圧損バランスが微妙に崩れ、エンジンの暖機時にサーモスタットによりエンジンからラジエータに向かう水路が閉じられていても、エンジンの発熱により温度上昇した冷却水がエア抜き水路2及びエアエスケープ水路5を介しサーモスタットを迂回してラジエータに流れ込んでしまう場合があり、これによりエンジンにおける水温上昇が鈍化して暖機性能が悪くなる上、始動直後の冷たい車室内を暖めたい時にヒータの効きが悪くなるという問題があった。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、エンジンの暖機性能やヒータの効きを良好に保ち得る車両用水冷系のエア抜き構造を提供することを目的とする。
本発明は、車両に搭載された水冷機器における水冷領域の最上部から少量の冷却水を抜き出してウォーターポンプに導くエア抜き水路を備えると共に、該エア抜き水路の途中にエア分離部を設定して該エア分離部に向け前記エア抜き水路が上り勾配を成すように構成し、前記エア分離部からエアエスケープ水路を分岐してラジエータへ向け上り勾配を成すように接続した車両用水冷系のエア抜き構造であって、前記エア分離部に前記エア抜き水路と前記エアエスケープ水路とを分岐せしめるコネクタを介装すると共に、前記ウォーターポンプへ冷却水の主流を戻す冷却水戻し水路の負圧領域に対し前記コネクタを連絡管を介して接続し、前記コネクタの内部における前記連絡管に通じる第一流路を直線状に形成し且つ前記エアエスケープ水路に通じる第二流路を前記第一流路の途中から枝分かれするように形成したことを特徴とするものである。
而して、このようにすれば、エンジンの暖機時において、冷却水戻し水路の負圧領域に接続された連絡管に冷却水を積極的に引き込む作用が生じ、水冷機器からエア抜き水路に抜き出された冷却水がコネクタ内の第一流路を直進して優先的に連絡管から冷却水戻し水路へ流れ込み、前記第一流路の途中から枝分かれした第二流路へは流れ込み難くなるので、エンジンの発熱により温度上昇した冷却水のエアエスケープ水路からラジエータへの流れ込みが抑制される。
また、本発明においては、第一流路に対し第二流路を直角に配置すると共に、前記第一流路における分岐箇所の上流側に第一オリフィスを形成し、前記第一流路を直進する冷却水の流れにより前記第二流路へ向かう冷却水の流れを抑制するベンチュリ効果が生じるように構成することが好ましい。
即ち、このようにした場合には、第一流路に対し第二流路が直角に配置されていることで該第二流路への流入抵抗が高まる上、第一オリフィスで流路を絞り込まれることにより第一流路を直進する冷却水の流速が高められ、ベンチュリ効果により分岐箇所における圧力が低下して第二流路から冷却水を引き戻す作用が生じ、該第二流路へ向かう冷却水の流れがより一層抑制される。
更に、本発明においては、第二流路における分岐箇所の下流側に第二オリフィスを形成すると共に、該第二オリフィスの下流側に直角に折れ曲がる曲折部を形成することが好ましく、このようにすれば、第二オリフィスによる流路の絞り込みと、曲折部による直角な流路の折れ曲がりとにより、第二流路における通過抵抗が高められて該第二流路への冷却水の流れが更に抑制される。
上記した本発明の車両用水冷系のエア抜き構造によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、エンジンの暖機時に水冷機器からエア抜き水路に抜き出された冷却水を連絡管により冷却水戻し水路へ積極的に誘導してウォーターポンプへ戻すことができるので、エンジンの発熱により温度上昇した冷却水がエア抜き水路及びエアエスケープ水路を介しサーモスタットを迂回してラジエータに流れ込んでしまう現象を確実に防止することができ、これによりエンジンにおける水温上昇の鈍化を回避して該エンジンの暖機性能やヒータの効きを良好に保つことができる。
(II)本発明の請求項2に記載の発明によれば、第一流路に対し第二流路を直角に配置したことにより該第二流路への流入抵抗を高め、しかも、ベンチュリ効果により分岐箇所における圧力を低下させて第二流路から冷却水を引き戻す作用を生じさせることができるので、第二流路へ向かう冷却水の流れを一層抑制することができて、エンジンにおける水温上昇の鈍化を更に確実に回避することができる。
(III)本発明の請求項3に記載の発明によれば、第二オリフィスによる流路の絞り込みと、曲折部による直角な流路の折れ曲がりとにより、第二流路における通過抵抗を高めることができ、これにより第二流路へ向かう冷却水の流れをより一層抑制することができて、エンジンにおける水温上昇の鈍化を更に確実に回避することができる。
本発明を実施する形態の一例を示す斜視図である。 図1のコネクタの内部流路の詳細を示す断面図である。 従来例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図3と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
図1の形態例においては、先に説明した図3の従来例の場合と同様に、水冷機器の一例としてEGRクーラ1からエア抜きを行う場合を例示しており、該EGRクーラ1における水冷領域の最上部から少量の冷却水を抜き出してウォーターポンプ3に導くエア抜き水路2が備えられ、該エア抜き水路2における前記EGRクーラ1への接続箇所がエア分離部4として設定され、該エア分離部4に向けて前記エア抜き水路2が上り勾配を成すように構成されているが、前記エア分離部4にエア抜き水路2からエアエスケープ水路5を分岐せしめるコネクタ9が介装されており、前記コネクタ9には、エア抜き水路2とエアエスケープ水路5とが接続されているだけでなく、ヒータ7を経由した冷却水(冷却水の主流の一部)をウォーターポンプ3へ戻すヒータ用冷却水戻し水路8の負圧領域に繋がる連絡管10も接続されている。
即ち、図2に断面図で示す通り、前記コネクタ9には、冷却水抜き出し口11を介しEGRクーラ1における水冷領域の最上部から冷却水が取り込まれるようになっているが、この冷却水抜き出し口11から取り込まれた冷却水が、前記連絡管10に向かう流れと、前記エア抜き水路2に向かう流れに振り分けられるようになっている。
ここで、前記連絡管10に向けては第一流路12が直線状に形成されており、該第一流路12の途中から枝分かれするように第二流路13が形成されて前記エアエスケープ水路5に通じるようにしてあるが、特に図2で示している例では、第一流路12に対し第二流路13が直角に配置されていると共に、前記第一流路12における分岐箇所の上流側に第一オリフィス14が形成されており、前記第一流路12を直進する冷却水の流れにより前記第二流路13へ向かう冷却水の流れを抑制するベンチュリ効果が生じるようにしてある。
更に、前記第二流路13における分岐箇所の下流側に第二オリフィス15が形成されていると共に、該第二オリフィス15の下流側には直角に折れ曲がる曲折部16が形成されており、前記第二オリフィス15による流路の絞り込みと、前記曲折部16による直角な流路の折れ曲がりとにより、第二流路13における通過抵抗が高められるようになっている。
ただし、前記連絡管10がヒータ用冷却水戻し水路8の負圧領域に接続される箇所には、第二流路13から第一流路12への逆流を起こさせないよう必要に応じてオリフィス(図示せず)を配設しておくと良い。
一方、前記エア抜き水路2に向けては第三流路17が直線状に形成されており、該第三流路17の最上流部には、冷却水抜き出し口11からの冷却水の流れを絞り込む第三オリフィス18が形成されており、前記連絡管10と前記エア抜き水路2へ向けた冷却水の振り分けを適切に調整し得るようにしてある。
而して、このようにすれば、エンジンの暖機時において、ヒータ用冷却水戻し水路8の負圧領域に接続された連絡管10に冷却水を積極的に引き込む作用が生じ、水冷機器からエア抜き水路2に抜き出された冷却水がコネクタ9内の第一流路12を直進して優先的に連絡管10からヒータ用冷却水戻し水路8へ流れ込み、前記第一流路12の途中から枝分かれした第二流路13へは流れ込み難くなるので、エンジンの発熱により温度上昇した冷却水のエアエスケープ水路5からラジエータへの流れ込みが抑制される。
また、特に本形態例においては、第一流路12に対し第二流路13が直角に配置されていることで該第二流路13への流入抵抗が高まる上、第一オリフィス14で流路を絞り込まれることにより第一流路12を直進する冷却水の流速が高められ、ベンチュリ効果により分岐箇所における圧力が低下して第二流路13から冷却水を引き戻す作用が生じ、しかも、第二オリフィス15による流路の絞り込みと、曲折部16による直角な流路の折れ曲がりとにより、第二流路13における通過抵抗が高められるので、該第二流路13へ向かう冷却水の流れがより一層抑制されることになる。
従って、上記形態例によれば、エンジンの暖機時に水冷機器からエア抜き水路2に抜き出された冷却水を連絡管10によりヒータ用冷却水戻し水路8へ積極的に誘導してウォーターポンプ3へ戻すことができるので、エンジンの発熱により温度上昇した冷却水がエア抜き水路2及びエアエスケープ水路5を介しサーモスタットを迂回してラジエータに流れ込んでしまう現象を確実に防止することができ、これによりエンジンにおける水温上昇の鈍化を回避して該エンジンの暖機性能やヒータ7の効きを良好に保つことができる。
また、第一流路12に対し第二流路13を直角に配置したことにより該第二流路13への流入抵抗を高め、しかも、ベンチュリ効果により分岐箇所における圧力を低下させて第二流路13から冷却水を引き戻す作用を生じさせることができ、更には、第二オリフィス15による流路の絞り込みと、曲折部16による直角な流路の折れ曲がりとにより、第二流路13における通過抵抗を高めることもできるので、第二流路13へ向かう冷却水の流れをより一層抑制することができて、エンジンにおける水温上昇の鈍化を更に確実に回避することができる。
尚、本発明の車両用水冷系のエア抜き構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、ここでは連絡管をヒータ用冷却水戻し水路の負圧領域に接続するようにしているが、エンジンを経由した冷却水(冷却水の主流の大半)をサーモスタットを迂回してウォーターポンプへ戻すエンジン用冷却水戻し水路の負圧領域に接続するようにしても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 EGRクーラ(水冷機器)
2 エア抜き水路
3 ウォーターポンプ
4 エア分離部
5 エアエスケープ水路
8 ヒータ用冷却水戻し水路(冷却水戻し水路)
9 コネクタ
10 連絡管
12 第一流路
13 第二流路
14 第一オリフィス
15 第二オリフィス
16 曲折部

Claims (3)

  1. 車両に搭載された水冷機器における水冷領域の最上部から少量の冷却水を抜き出してウォーターポンプに導くエア抜き水路を備えると共に、該エア抜き水路の途中にエア分離部を設定して該エア分離部に向け前記エア抜き水路が上り勾配を成すように構成し、前記エア分離部からエアエスケープ水路を分岐してラジエータへ向け上り勾配を成すように接続した車両用水冷系のエア抜き構造であって、前記エア分離部に前記エア抜き水路と前記エアエスケープ水路とを分岐せしめるコネクタを介装すると共に、前記ウォーターポンプへ冷却水の主流を戻す冷却水戻し水路の負圧領域に対し前記コネクタを連絡管を介して接続し、前記コネクタの内部における前記連絡管に通じる第一流路を直線状に形成し且つ前記エアエスケープ水路に通じる第二流路を前記第一流路の途中から枝分かれするように形成したことを特徴とする車両用水冷系のエア抜き構造。
  2. 第一流路に対し第二流路を直角に配置すると共に、前記第一流路における分岐箇所の上流側に第一オリフィスを形成し、前記第一流路を直進する冷却水の流れにより前記第二流路へ向かう冷却水の流れを抑制するベンチュリ効果が生じるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用水冷系のエア抜き構造。
  3. 第二流路における分岐箇所の下流側に第二オリフィスを形成すると共に、該第二オリフィスの下流側に直角に折れ曲がる曲折部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用水冷系のエア抜き構造。
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