JP2019178254A - 1−ブテン共重合体、当該1−ブテン共重合体を含む重合体組成物および当該1−ブテン共重合体からなる成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、結晶転移時間が短く、耐クリープ特性、剛性および成形性に優れたブテン系重合体を提供することにある。【解決手段】本発明は、1−ブテン単位量が80.0〜99.9モル%、エチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン単位の総含有量(K)が0.1〜20.0モル%であり(1−ブテン単位と総含有量(K)の合計を100モル%)、要件(i)〜(iii)を満たすブテン系重合体に係る。(i)13C−NMRにより測定したmmmmが94.0%以上99.9%以下。(ii)13C−NMRにより測定したrrが1.5%以下。(iii)135℃、デカリン溶媒中の極限粘度[η]が0.5〜5.5dl/g。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の組成を有しかつ特定の特性を有する1−ブテン共重合体、当該1−ブテン共重合体を含む重合体組成物、および前記1−ブテン共重合体または当該1−ブテン共重合体を含む重合体組成物からなる成形体に関する。
ブテン系重合体からなる、パイプ、パイプ継手およびタンクは、耐クリープ特性、耐環境応力亀裂性、柔軟性、強靱性、耐熱性、高温・低温特性および耐摩耗性に優れていることから、給水・給湯用、床下暖房用、温泉配管用、薬剤散布用および排水用等の各種部材として利用されている。
ブテン系重合体には主に2種の結晶型が存在し、ブテン系重合体を溶融状態から成形体に冷却・賦形した直後は準安定なII型結晶構造(正方晶系変態)をとり、約1週間かけてより安定なI型結晶構造(六方晶系変態)へと固相結晶転移することが知られている(非特許文献1)。
ブテン系重合体には、上記結晶転移により成形後の寸法および剛性の変化が起こり、また結晶転移時間が長いため、顧客での品質管理および在庫管理が煩雑になるという欠点がある。すなわち、ブテン系重合体を溶融成形する技術分野では、II型結晶からI型結晶への結晶転移時間が短い重合体が求められている。
この要求に対して、結晶転移時間を短縮させる目的で、ラジカル処理された結晶性オレフィン系重合体をブテン系重合体にブレンドする方法(特許文献1参照)、ブテン系重合体に添加剤を添加する方法(特許文献2、特許文献3参照)が知られている。
また一方で、特許文献4には立体規則性の高い1−ブテン重合体が開示されているが、その結晶転移挙動および成形性については明らかにされていない。
特開昭61−037833号公報 特開昭57−036140号公報 特開昭57−092038号公報 国際公開第2014/050817号
Journal of Polymer Science:PartA volume1 page59−84(1963)
ブテン系重合体において、パイプ、パイプ継手およびタンク等への成形コストおよび結晶転移時間を短縮させる効果は未だ満足できるものではなく、更なる改善が求められている。ブテン系重合体の結晶転移時間を短縮させるためにコモノマー(α−オレフィン)を導入する方法がとられうるが、コモノマーを導入すると機械特性や長期物性等が低下することが懸念される。結晶転移時間が短くとも、機械特性や長期物性等の低下がないことが望ましい。
本発明の目的は、II型結晶からI型結晶への結晶転移時間が短い1−ブテン共重合体であって、しかも弾性率および降伏点強度が高く、すなわち耐クリープ特性に優れ、かつ剛性および成形性に優れた1−ブテン共重合体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、特定の組成を有しかつ特定の特性を有する1−ブテン共重合体が、II型結晶からI型結晶への結晶転移時間が短くかつ弾性率および降伏点強度が高いこと、さらにパイプ剛性および成形性が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の[1]〜[15]に関する。
[1]1−ブテン由来の構成単位の含有量が80.0〜99.9モル%であり、エチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン由来の構成単位の総含有量(K)が0.1〜20.0モル%であり(ただし、1−ブテン由来の構成単位の含有量と総含有量(K)との合計を100モル%とする)、要件(i)〜(iii)を満たす、1−ブテン共重合体。
(i)13C−NMRにより測定したペンタッドアイソタクティシティー(mmmm)が94.0%以上99.9%以下であること。
(ii)13C−NMRにより測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr)が1.5%以下であること。
(iii)135℃、デカリン溶媒中の極限粘度[η]が0.5〜5.5dl/gの範囲にあること。
[2]1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜99.9モル%であり、前記総含有量(K)が0.1〜10.0モル%である前記[1]に記載の1−ブテン共重合体。
[3]1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜96.2モル%であり、前記総含有量(K)が3.8〜10.0モル%である前記[1]に記載の1−ブテン共重合体。
[4]さらに下記要件(iv)を満たす前記[1]〜[3]の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体。
(iv)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.5〜20.0の範囲にあること。
[5]さらに下記要件(v)を満たす前記[1]〜[4]の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体。
(v)JIS K7113に準拠して、引張速度30mm/min、測定温度23℃における引張試験により測定した降伏点応力(YS)が16.0MPa以上であること。
[6]さらに下記要件(vi)を満たす前記[1]〜[5]の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体。
(vi)示差走査型熱量計により測定した95%結晶転移完了時間が45時間以下であること。
[7]前記エチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンがプロピレンである前記[1]〜[6]の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体。
[8]前記エチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンがエチレンである前記[1]〜[6]の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体。
[9]1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜97.0モル%であり、前記総含有量(K)が3.0〜10.0モル%であり、かつ、135℃、デカリン溶媒中の極限粘度[η]が2.0〜5.5dl/gの範囲にある重合体を含む、前記[1]に記載の1−ブテン共重合体。
[10]135℃、デカリン溶媒中の極限粘度[η]が0.5〜1.5dl/gの範囲にある1−ブテン単独重合体をさらに含む、前記[9]に記載の1−ブテン共重合体。
[11]前記[1]〜[10]の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体を含む重合体組成物。
[12]前記[1]〜[10]の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体に核剤を含む重合体組成物。
[13]前記[11]または[12]に記載の1−ブテン共重合体を含む重合体組成物のうち、キャピログラフでの190℃の測定においてせん断粘度が65,000Pa以下である組成物。
[14]前記[1]〜[10]の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体または前記[11]〜[13]の何れか1項に記載の重合体組成物から形成された成形体。
[15]パイプまたはパイプ継手である前記[14]に記載の成形体。
本発明によれば、II型結晶からI型結晶への結晶転移時間が短く、かつ弾性率および降伏点強度が高く、すなわち耐クリープ特性に優れる1−ブテン共重合体を提供することができる。このため、成形後の寸法・剛性の変化が小さく、顧客での品質管理・在庫管理が容易である成形体を提供することができ、さらに本発明の一好適態様では、剛性、耐熱性、高温耐クリープ特性および成形性に優れる成形体を提供することができる。
以下、本発明の1−ブテン共重合体、前記重合体を含む重合体組成物、および前記の1−ブテン共重合体または1−ブテン共重合体を含む重合体組成物からなる成形体について、好適な態様も含めて詳説する。
〔1−ブテン共重合体〕
本発明の1−ブテン共重合体は、1−ブテン由来の構成単位の含有量が80.0〜99.9モル%であり、エチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン由来の構成単位の総含有量(K)が0.1〜20.0モル%である。ただし、1−ブテン由来の構成単位の含有量と上記オレフィン由来の構成単位の総含有量(K)との合計を100モル%とする。
本明細書において、「エチレン」および「炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィン」を「コモノマー」とも記載する。総含有量(K)は、コモノマー由来の構成単位(コモノマー単位)の総含有量である。1−ブテン共重合体がコモノマー由来の構成単位を含む場合、当該構成単位は1種のコモノマーに由来する構成単位であってもよく、2種以上のコモノマーに由来する構成単位であってもよい。
本発明の1−ブテン共重合体は、1−ブテン由来の構成単位の含有量が85.0〜99.9モル%であり、上記総含有量(K)が0.1〜15.0モル%であることが好ましく、1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜99.9モル%であり、上記総含有量(K)が0.1〜10.0モル%であることがより好ましい。
1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜96.5モル%であり、上記総含有量(K)が3.5〜10.0モル%であることがさらに好ましく、1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜96.2モル%であり、上記総含有量(K)が3.8〜10.0モル%であることがよりさらに好ましく、1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜96.0モル%であり、上記総含有量(K)が4.0〜10.0モル%であることがとりわけ好ましい。
1−ブテン由来の構成単位の含有量および上記総含有量(K)が上記範囲であると、ブテン系重合体の結晶化度、結晶ラメラ厚み、および弾性率、降伏点強度等の機械強度が高く維持されたまま、結晶転移時間が短くなる点で好ましい。
コモノマー組成は、13C−NMRにより測定する。
1−ブテン共重合体重合体中の各構成単位の含有量は、例えば、重合反応中に添加するそれぞれのオレフィン(例:1−ブテン、エチレン、炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィン)の量によって調整することができる。
炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンが挙げられる。
これらの中でも、プロピレン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセンおよび1−オクタデセンが好ましい。
これらコモノマーの中でも、エチレン、炭素数3〜10のα−オレフィンがより好ましく、その中でもエチレン、プロピレンが好ましく、プロピレンが特に好ましい。プロピレンは、1−ブテンと結晶のらせん構造が類似していることにより、結晶転移時間の短縮が図れる。プロピレンとらせん構造の異なる4−メチル−1−ペンテンは、逆に結晶転移速度を低下させることがある。
コモノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の1−ブテン共重合体は、後述する要件を満たす限り、エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィン以外の、他のモノマーに由来する構成単位を有してもよい。他のモノマーに由来する構成単位の含有量の上限値は、1−ブテン由来の構成単位の含有量と上記総含有量(K)との合計100wt%に対して、例えば5wt%以下である。
本発明の1−ブテン共重合体は、下記要件(i)〜(iii)を満たし、下記要件(iv)〜(vii)のうち一つ以上をさらに満たすことが好ましい。
本発明の1−ブテン共重合体は、単一の1−ブテン共重合体であっても、1−ブテン由来の構成単位の含有量が異なる1−ブテン共重合体の混合物、あるいは1−ブテン共重合体と1−ブテン単独重合体との混合物(例:複数の1−ブテン共重合体の混合物、1−ブテン共重合体と1−ブテン単独重合体との混合物)であってもよいが、1−ブテン共重合体が混合物である場合は、混合物が下記要件(i)〜(iii)を満たすものとし、下記要件(iv)〜(vii)のうち一つ以上をさらに満たすことが好ましい。
以下、各要件について説明する。
《要件(i)》
要件(i)は、1−ブテン共重合体の13C−NMRにより測定したペンタッドアイソタクティシティー(mmmm)が94.0%以上99.9%以下であることである。mmmmは、好ましくは94.0〜99.5%、より好ましくは95.0〜99.5%、さらにより好ましくは95.0〜99.0%、特に好ましくは95.0%〜98.5%、とりわけ好ましくは95.0%〜98.0%である。mmmmが上記下限値以上であると、結晶転移時間が短く、また耐クリープ特性に優れ、mmmmが上記上限値以下であると、適度な耐クリープ特性となる。
mmmmは、後述するオレフィン重合用触媒を適切に選択し、重合温度等の重合条件を設定することにより上記範囲内に調整できる。
《要件(ii)》
要件(ii)は、1−ブテン共重合体の13C−NMRにより測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr)が1.5%以下であることである。rrは、好ましくは1.3%以下、より好ましくは1.1%以下、さらにより好ましくは1.0%以下であり、特に好ましくは0.8%以下、さらに特に好ましくは0.5%以下、とりわけ好ましくは0.4%以下である。rrが上記上限値以下であると、立体規則的な欠陥が少なく、結晶転移時間が短く、また耐クリープ特性に優れる。rrは低いほど好ましいが、その下限値は例えば0.1%であってもよい。
rrは、後述するオレフィン重合用触媒を適切に選択し、重合温度等の重合条件を適切に設定することにより上記範囲内に調整できる。
《要件(iii)》
要件(iii)は、1−ブテン共重合体の極限粘度[η](デカリン溶媒、135℃)が0.5〜5.5dl/gの範囲にあることである。[η]は、好ましくは0.7〜5.0dl/g、より好ましくは0.7〜4.5dl/g、さらに好ましくは0.7〜4.0dl/g、特に好ましくは0.7〜2.8dl/gである。
極限粘度[η]が上記下限値以上であると、1−ブテン共重合体から得られる成形体の強度に優れる。極限粘度[η]が上記上限値以下であると、1−ブテン共重合体の成形性に優れ、かつ結晶転移時間の短縮や柔軟性の点で有利である。
極限粘度[η]は、重合系の水素濃度および圧力等により上記範囲内に調整でき、また、極限粘度[η]の異なる1−ブテン共重合体を混合して調整しても構わない。
また、1−ブテン共重合体のGPC(標準ポリスチレン換算)で測定した重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5万〜200万、より好ましくは10万〜170万、さらに好ましくは20万〜150万である。Mwが上記範囲内であると、1−ブテン共重合体の成形性、結晶転移時間の短縮の点で優れ、また得られる成形体の強度に優れる。
《要件(iv)》
要件(iv)は、1−ブテン共重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;標準ポリスチレン換算)で測定した、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が、1.5〜20.0の範囲にあることである。Mw/Mnは、好ましくは1.5〜10.0、より好ましくは2.0〜10.0、さらに好ましくは3.0〜10.0、特に好ましくは3.5〜10.0である。Mw/Mnが上記範囲内であると、1−ブテン共重合体から適度な可撓性を有する成形体が得られる。Mw/Mnは後述するオレフィン重合用触媒を適切に選択し、また、必要に応じて多段重合法や混合触媒重合法および分子量の異なる1−ブテン共重合体を混合するなどの方法を用いて調整することができる。
〈機械的性質〉
《要件(v)》
要件(v)は、1−ブテン共重合体のJIS K7113に準拠して、引張速度30mm/min、測定温度23℃における引張試験により測定した降伏点応力(YS)が16.0MPa以上であることである。YSは、好ましくは16.0〜25.0MPa、より好ましくは16.0〜23.0MPaの範囲にある。
また、前記引張試験により測定した引張弾性率(YM)は、300MPa以上であることが好ましい。YMは、より好ましくは300〜800MPa、さらに好ましくは300〜700MPaの範囲にある。
《熱的性質》
本発明の1−ブテン共重合体の熱的性質、例えば融点(TmI、TmII)および融解熱量ΔHは、示差走査型熱量測定(昇温速度:10℃/分)によって決定される。
本発明の1−ブテン共重合体の融解熱量ΔHは、好ましくは40.0〜95.0J/g、より好ましくは50.0〜90.0J/gである。本発明の1−ブテン共重合体の融点TmIは、好ましくは110.0〜150.0℃、より好ましくは115.0〜150.0℃、さらに好ましくは120.0〜140.0℃である。
1−ブテン共重合体の融解熱量ΔH、融点TmIIおよびTmIは、以下の条件で測定する。
1−ブテン共重合体について、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の加熱速度で30℃から200℃に昇温し、200℃で5分間保持した後、更に10℃/分の冷却速度で30℃まで降温し、30℃で5分間保持した後、再度10℃/分の加熱速度で30℃から200℃に昇温し、200℃で5分間保持した後、再度10℃/分の冷却速度で30℃まで降温する。ここで、2回目の昇温時に発現した融解ピークは、II型結晶に由来する融点TmIIとして知られる。
上記熱履歴を受けた後室温にて10日間放置しておいたサンプルを、再度DSCを用いて、10℃/分の加熱速度で30℃から200℃に昇温したときに発現した融解ピークを、I型結晶に由来する融点TmIとし、このI型結晶の融解ピークに基づく融解熱量を、1−ブテン共重合体の融解熱量ΔHとする。TmIは、TmIIよりも高い傾向がある。結晶転移が完了していない場合は、II型結晶に由来するピークが低温側に、I型結晶に由来するピークが高温側に発現する。
本発明において、1−ブテン共重合体の融解熱量ΔH、融点TmIおよびTmIIは、後述するオレフィン重合用触媒を適切に用いるとともに、1−ブテン由来の構成単位の含有量を調整することによって上記範囲に調整できる。ここで、mmmm(%)が高いほど、またrr(%)が低いほど、TmおよびΔHが大きくなることが知られている。
《要件(vi)》
要件(vi)は、示差走査型熱量計により測定した95%結晶転移完了時間が45時間以下であることである。95%結晶転移完了時間は、好ましくは24時間以下である。
95%結晶転移完了時間は、1−ブテン共重合体の結晶形態としてII型からI型へ結晶転移するのに要する時間の指標であり、具体的には、実施例記載の条件で測定される。
本発明の1−ブテン共重合体は、立体規則性が高く、かつコモノマー由来の構成単位を含むために結晶転移時間が短くなっている。示差走査型熱量計のほか、X線回折法においても、結晶転移時間が短いことを観測することができる。
〈成形性〉
《要件(vii)》
要件(vii)は、キャピログラフにて190℃、押出速度50mm/minの際のせん断応力が65,000Pa以下であることである。好ましくは64,000Pa以下、より好ましくは62,000Pa以下である。
せん断応力が65,000Pa以下であると、成形時の樹脂流動の抵抗が小さく、得られる成形体の外観が良好であり、成形性に優れるといえる。また、メルトフラクチャーが発生する速度が50mm/min以上であると、成形性が良好である。
また、本発明の1−ブテン共重合体は、上記要件を満たす限り、極性モノマーによりグラフト変性されていてもよい。グラフト変性の詳細については、《グラフト変性》の欄において後述する。
〔1−ブテン共重合体の特徴〕
本発明の1−ブテン共重合体は、1−ブテン単独重合体よりも結晶転移時間が短く、さらに、コモノマー単位を有しているにも関わらず、弾性率および降伏点強度といった機械特性が1−ブテン単独重合体と同程度に維持されているという驚くべき効果を有している。しかも、常温のみならず比較的高温環境下においてもこれらの効果が認められている。
コモノマー単位を有する共重合体では、通常はコモノマーが結晶内に取り込まれにくいために、結晶ラメラ厚みが薄くなり、融点が低下するとともに弾性率などの機械特性が低下することが知られている。しかし、本発明の1−ブテン共重合体においては、コモノマー単位を有していても、結晶ラメラ厚みが低下しにくいために、前記機械特性が維持されていると考えられる。
ここで、mmmm(%)が高いほど、結晶化度が高く、結晶ラメラ厚みは厚くなり、機械特性が向上すると考えられる。さらに、rr(%)が低いほど、結晶化度が高く、結晶ラメラ厚みは厚くなり、機械特性が向上すると考えられる。
〔1−ブテン共重合体の混合物〕
前述したように、1−ブテン共重合体は、多段重合法や混合触媒重合法および分子量の異なる1−ブテン共重合体を混合するなどの方法を用いて、1−ブテン共重合体のMw/Mnを調節することができる。具体的には、分子量の小さいブテン系重合体と、分子量の大きいブテン系重合体とを上記方法等により混合して、本発明の1−ブテン共重合体を得ることができる。その際、1−ブテン共重合体が分子量の小さいブテン系重合体との混合物である場合は分子量の小さいブテン系重合体は1−ブテン単独重合体であることが好ましい態様の一つである。
例えば、分子量の大きいブテン系重合体は、135℃、デカリン溶媒中の極限粘度[η]が2.0〜5.5dl/gの範囲にあることが好ましい。好ましい態様の一つとして、分子量の大きいブテン系重合体は、1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0モル%以上、前記オレフィン由来の構成単位の総含有量(K)が10.0モル%以下であり、より好ましくは、1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜97.0モル%であり、前記総含有量(K)が3.0〜10.0モル%の範囲にある1−ブテン共重合体である。
また、分子量の大きいブテン系重合体単独でも、本発明の1−ブテン共重合体の要件、例えば前記要件(i)、(ii)および(iv)を満たすことがより好ましい。
例えば、分子量の小さいブテン系重合体は、135℃、デカリン溶媒中の極限粘度[η]が0.5〜1.5dl/gの範囲にあることが好ましい。好ましい態様の一つとして、分子量の小さいブテン系重合体は、1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0モル%以上、前記総含有量(K)が10.0モル%以下であり、より好ましくは、1−ブテン単独重合体である。
分子量の大きいブテン系重合体のみを共重合体とし、分子量の小さいブテン系重合体を単独重合体とすることで、得られるブレンドポリマー(すなわち本発明の1−ブテン共重合体)の結晶転移時間を効果的に短くするとともに、得られるブレンドポリマー(すなわち本発明のブテン系重合体)に含まれる総含有量(K)を抑制し、機械物性の低下を抑制することができる。
分子量の大きいブテン系重合体(以下(a1))と分子量の小さいブテン系重合体(以下(a2))との混合比率(質量割合)は、得られるブレンドポリマーが本発明の1−ブテン共重合体の要件を満たす限り特に限定されないが、(a1):(a2)が通常は50〜90:10〜50、好ましくは60〜85:15〜40である。
〔1−ブテン共重合体の製造方法〕
本発明の1−ブテン共重合体の製造方法は、後述するオレフィン重合用触媒の存在下、1−ブテンと、エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィン(1−ブテンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを重合する工程を有する。
ブレンドポリマーを製造する場合は、分子量の異なるブテン系重合体を混合する方法において、例えば、前記方法で得られた2種以上のブテン系重合体を混合する、前記方法で得られたブテン系重合体と他の方法により得られたブテン系重合体とを混合する、前記方法で得られたブテン系重合体と前記触媒を用いて、または他の方法により得られたブテン単独重合体とを混合する等の方法が挙げられる。
[1−1]オレフィン重合用触媒
オレフィン重合用触媒としては、
(A)架橋メタロセン化合物と、
(B)(b-1) 有機アルミニウムオキシ化合物、
(b-2) 前記メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および
(b-3) 有機アルミニウム化合物
から選ばれる少なくとも1種以上の化合物と
を含む触媒が好ましい。
〈架橋メタロセン化合物(A)〉
架橋メタロセン化合物(A)は、一般式[A1]で表される化合物が好ましく、一般式[A2]で表される化合物がより好ましい。
Figure 2019178254
式[A1]中、Mは第4族遷移金属、例えばチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、jは1〜4の整数であり、RAおよびRBは、互いに同一かまたは異なっていてもよく、Mと共にサンドイッチ構造を形成することができる単核または多核炭化水素残基であり、Yは炭素原子またはケイ素原子であり、RCおよびRDは、互いに同一かまたは異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、互いに結合して環を形成していてもよい。
Figure 2019178254
式[A2]中、R1は炭化水素基、ケイ素含有基またはハロゲン含有炭化水素基であり、R2〜R10は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、それぞれの置換基は互いに結合して環を形成してもよい。Mは第4族遷移金属であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、jは1〜4の整数である。
一般式[A2]で表される架橋メタロセン化合物の中でも、重合特性、入手容易性、上記要件を満たすブテン系重合体を得る観点から、一般式[A3]で表される架橋メタロセン化合物が特に好ましい。
Figure 2019178254
式[A3]中、R1bは炭化水素基、ケイ素含有基またはハロゲン含有炭化水素基であり、R2b〜R12bは水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、それぞれの置換基は互いに結合して環を形成してもよい。Mは第4族遷移金属であり、nは1〜3の整数であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、jは1〜4の整数である。
<R1からR10、R1bからR12b
1からR10およびR1bからR12bにおける炭化水素基としては、例えば、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基、飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基が挙げられる。炭化水素基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。
直鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等の直鎖状アルキル基;アリル基等の直鎖状アルケニル基が挙げられる。
分岐状炭化水素基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基等の分岐状アルキル基が挙げられる。
環状飽和炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ノルボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基等の多環式基が挙げられる。
環状不飽和炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基等のアリール基;シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エニル基等の多環の不飽和脂環式基が挙げられる。
飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基としては、例えば、ベンジル基、クミル基、1,1−ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基等のアルキル基が有する1または2以上の水素原子をアリール基に置換してなる基が挙げられる。
1からR10およびR1bからR12bにおけるケイ素含有基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の式−SiR3(式中、複数あるRはそれぞれ独立に炭素数1〜15のアルキル基またはフェニル基である。)で表される基が挙げられる。
1からR10およびR1bからR12bにおけるハロゲン含有炭化水素基としては、例えば、トリフルオロメチル基等の、上記炭化水素基が有する1または2以上の水素原子をハロゲン原子に置換してなる基が挙げられる。
2からR10およびR2bからR12bにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
2からR10およびR2bからR12bまでの置換基のうち、2つの置換基(例:R2bとR3b、R3bとR4b、R5bとR6b、R6bとR7b、R8bとR9b、R9bとR10b、R10bとR11b、R11bとR12b)が互いに結合して環を形成していてもよく、前記環形成は、分子中に2箇所以上存在してもよい。
本明細書において、2つの置換基が互いに結合して形成された環(スピロ環、付加的な環)としては、例えば、脂環、芳香環が挙げられる。具体的には、シクロヘキサン環、ベンゼン環、水素化ベンゼン環、シクロペンテン環が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環、ベンゼン環および水素化ベンゼン環である。また、このような環構造は、環上にアルキル基等の置換基をさらに有していてもよい。
1bは、立体規則性の観点から、炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜20の炭化水素基であることがより好ましく、アリール基ではないことがさらに好ましく、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基または環状飽和炭化水素基であることがとりわけ好ましく、遊離原子価を有する炭素(シクロペンタジエニル環に結合する炭素)が3級炭素である置換基であることが特に好ましい。
1bとしては、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基が例示でき、より好ましくはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基等の遊離原子価を有する炭素が3級炭素である置換基であり、特に好ましくはtert−ブチル基、1−アダマンチル基である。
一般式[A3]において、フルオレン環部分は公知のフルオレン誘導体から得られる構造であれば特に制限されないが、R4bおよびR5bは、立体規則性、分子量の観点から、好ましくは水素原子である。
2b、R3b、R6bおよびR7bは、好ましくは水素原子または炭化水素基であり、より好ましくは炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基である。また、R2bとR3bが互いに結合して環を形成し、かつR6bとR7bが互いに結合して環を形成していてもよい。このような置換フルオレニル基としては、例えば、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基、1,1,3,3,6,6,8,8-オクタメチル-2,3,6,7,8,10-ヘキサヒドロ-1H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基、1',1',3',6',8',8'-ヘキサメチル-1'H,8'H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基が挙げられ、特に好ましくは1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基である。
8bは水素原子であることが好ましい。
9bは炭化水素基であることがより好ましく、R9bは直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基等の炭素数2以上のアルキル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基であることがさらに好ましく、R9bは炭素数2以上のアルキル基であることがとりわけ好ましい。また、合成上の観点からは、R10bおよびR11bは水素原子であることも好ましい。
あるいは、n=1である場合、R9bおよびR10bが互いに結合して環を形成していることがより好ましく、当該環がシクロヘキサン環等の6員環であることが特に好ましい。この場合、R11bは水素原子であることが好ましい。
12bは、炭化水素基であることが好ましく、アルキル基であることが特に好ましい。
<M、Q、nおよびjについて>
Mは第4族遷移金属であり、例えばTi、ZrまたはHfであり、好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。
Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子を示す。
Qでのハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
Qにおける炭化水素基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましい。炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1,2,2−テトラメチルプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、ネオペンチル基が例示され;炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基が例示される。炭化水素基の炭素数は、5以下であることがより好ましい。
炭素数10以下の中性の共役または非共役ジエンとしては、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−3−メチル−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−2,4−ヘキサジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエンが例示される。
アニオン配位子としては、メトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシ基;フェノキシ等のアリールオキシ基;アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスルホネート基が例示される。
孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン等の有機リン化合物;テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が例示される。
Qの好ましい態様は、ハロゲン原子または炭素数1〜5のアルキル基である。
nは1〜3の整数であり、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。nが上記値であることにより、生成するブテン系重合体を効率的に得る観点から好ましい。
jは1〜4の整数であり、好ましくは2である。
以上、一般式[A2]または[A3]で表される架橋メタロセン化合物の構成、すなわちR1〜R10、R1b〜R12b、M、n、Qおよびjについて、好ましい態様を説明した。本発明では、それぞれの好適態様の任意の組合せも好ましい態様である。このような架橋メタロセン化合物は、上記物性を有する本発明のブテン系重合体を得るために好適に使用することができる。
一般式[A3]で表される架橋メタロセン化合物としては、(8-オクタメチルフルオレン-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライドまたは(8-(2,3,6,7-テトラメチルフルオレン)-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライドが特に好ましい。ここで、上記オクタメチルフルオレンとは1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレンのことである。
また、一般式[A1]で表される架橋メタロセン化合物としては、その他、RAおよびRBが、互いに同一かまたは異なっていてもよく、置換インデニル基であり、Yがケイ素原子である化合物が挙げられる。置換インデニル基における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン含有炭化水素基が挙げられ、これらの具体例としては、式[A2]および[A3]のR1およびR2等として説明した基が挙げられ、またRC、RDおよびMQj部分については、式[A2]および[A3]の欄で説明したR9、R10およびMQj部分と同様の基が挙げられる。このような架橋メタロセン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n-プロピル−4−フェナントリルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n-プロピル−4−フェナントリルインデニル)}ハフニウムジクロリドが挙げられる。
〈化合物(B)〉
《有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)》
有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)としては、一般式[B1]で表される化合物および一般式[B2]で表される化合物等の従来公知のアルミノキサン、一般式[B3]で表される構造を有する修飾メチルアルミノキサン、一般式[B4]で表されるボロン含有有機アルミニウムオキシ化合物が例示される。
Figure 2019178254
式[B1]および[B2]において、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、好ましくはメチル基であり、nは2以上、好ましくは3以上、より好ましくは10以上の整数である。式[B1]および[B2]において、Rがメチル基であるメチルアルミノキサンが好適に使用される。
Figure 2019178254
式[B3]において、Meはメチル基であり、Rは炭素数2〜10の炭化水素基であり、mおよびnはそれぞれ独立に2以上の整数である。複数あるRは相互に同一でも異なっていてもよい。修飾メチルアルミノキサン[B3]は、トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムとを用いて調製することができる。このような修飾メチルアルミノキサン[B3]は、一般にMMAO(modified methyl aluminoxane)と呼ばれている。MMAOは、具体的には米国特許第4960878号および米国特許第5041584号で挙げられる方法で調製することが出来る。
また、東ソー・ファインケム社等からも、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとを用いて調製された(すなわち、一般式[B3]においてRがイソブチル基である)修飾メチルアルミノキサンが、MMAOやTMAOという商品名で商業的に生産されている。
MMAOは各種溶媒への溶解性および保存安定性が改善されたアルミノキサンである。具体的には一般式[B1]または[B2]で表される化合物等のようなベンゼンに対して不溶性または難溶性の化合物とは異なり、MMAOは脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素および芳香族炭化水素に溶解するものである。
Figure 2019178254
式[B4]において、Rcは炭素数1〜10の炭化水素基である。複数あるRdはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基である。上記オレフィン重合用触媒を用いた製法では、後述するような高温においてもブテン系重合体を製造することができる。したがって、特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性または難溶性の有機アルミニウムオキシ化合物をも使用できることができる。また、特開平2−167305号公報に記載されている有機アルミニウムオキシ化合物、特開平2−24701号公報、特開平3−103407号公報に記載されている2種以上のアルキル基を有するアルミノキサンなども好適に使用できる。
なお、上記の「ベンゼン不溶性または難溶性の」有機アルミニウムオキシ化合物とは、60℃のベンゼンに溶解する当該化合物の溶解量が、Al原子換算で通常は10質量%以下、好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である、ベンゼンに対して不溶性または難溶性である有機アルミニウムオキシ化合物をいう。
上記例示の有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)は、単独で用いてもよく2種以上を併用して用いてもよい。
《イオン性化合物(b−2)》
架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(b−2)(以下、「イオン性化合物(b−2)」ともいう。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、特開2004−51676号公報、米国特許第5321106号等に記載された、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物が例示される。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も例示される。これらの中では、イオン性化合物(b−2)としては、一般式[B5]で表される化合物が好ましい。
Figure 2019178254
式[B5]において、Re+としては、H+、オキソニウムカチオン、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンが例示される。Rf、Rg、RhおよびRiはそれぞれ独立に有機基を示し、好ましくはアリール基またはハロゲン置換アリール基を示す。
上記カルベニウムカチオンとしては、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオン等の三置換カルベニウムカチオンが例示される。
アンモニウムカチオンとしては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n−プロピル)アンモニウムカチオン、トリイソプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン、トリイソブチルアンモニウムカチオン等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオンが例示される。
ホスホニウムカチオンとしては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオンが例示される。
e+としては、上記例示の中では、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオンが好ましく、トリフェニルカルベニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが特に好ましい。
1.Re+がカルベニウムカチオンの場合(カルベニウム塩)
カルベニウム塩としては、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4−メチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが例示される。
2.Re+がアンモニウムカチオンの場合(アンモニウム塩)
アンモニウム塩としては、トリアルキルアンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩が例示される。
トリアルキルアンモニウム塩としては、具体的には、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレートが例示される。
N,N−ジアルキルアニリニウム塩としては、具体的には、N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが例示される。
ジアルキルアンモニウム塩としては、具体的には、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートが例示される。
イオン性化合物(b−2)は、単独で用いてもよく2種以上を併用して用いてもよい。
《有機アルミニウム化合物(b−3)》
有機アルミニウム化合物(b−3)としては、一般式[B6]で表される有機アルミニウム化合物、一般式[B7]で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物が例示される。
a mAl(ORbnpq …[B6]
式[B6]において、RaおよびRbはそれぞれ独立に炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。
2AlRa 4 …[B7]
式[B7]において、M2はLi、NaまたはKであり、複数あるRaはそれぞれ独立に炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基である。
有機アルミニウム化合物[B6]としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリn−アルキルアルミニウム;トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウム等のトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム等のトリシクロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウム等のトリアリールアルミニウム; ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;一般式(i−C49xAly(C510z(式中、x、yおよびzは正の数であり、z≦2xである。)などで表されるイソプレニルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム;イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド等のアルキルアルミニウムアルコキシド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;一般式Ra 2.5Al(ORb0.5(式中、RaおよびRbは式[B6]中のRaおよびRbと同義である。)で表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェノキシド)等のアルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライド等の部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリド等の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミド等の部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム;が例示される。
錯アルキル化物[B7]としては、LiAl(C254、LiAl(C7154が例示される。また、錯アルキル化物[B7]に類似する化合物も使用することができ、窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物が例示される。このような化合物としては、(C252AlN(C25)Al(C252が例示される。
有機アルミニウム化合物(b−3)としては、入手が容易な点から、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。また、有機アルミニウム化合物(b−3)は、1種で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
〈担体(C)〉
オレフィン重合用触媒の成分として、担体(C)を用いてもよい。担体(C)は、無機化合物または有機化合物であって、顆粒状または微粒子状の固体である。
《無機化合物》
無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土鉱物、粘土(通常は該粘土鉱物を主成分として構成される。)、イオン交換性層状化合物(大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。)が例示される。多孔質酸化物としては、SiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2;これらの酸化物を含む複合物または混合物が例示される。複合物または混合物としては、天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、SiO2−TiO2−MgOが例示される。これらの中では、SiO2およびAl23の何れか一方または双方の成分を主成分とする多孔質酸化物が好ましい。
多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、粒径が好ましくは10〜300μm、より好ましくは20〜200μmの範囲にあり;比表面積が好ましくは50〜1000m2/g、より好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり;細孔容積が好ましくは0.3〜3.0cm3/gの範囲にある。このような多孔質酸化物は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。無機ハロゲン化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2が例示される。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコール等の溶媒に上記無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させた成分を用いることもできる。
粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。なお、イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有されるイオンが交換可能な化合物である。
具体的には、粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、合成雲母等のウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ヘクトライト、テニオライト、ハロイサイトが例示され;イオン交換性層状化合物としては、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物が例示される。具体的には、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO42・H2O、α−Zr(HPO42、α−Zr(KPO42・3H2O、α−Ti(HPO42、α−Ti(HAsO42・H2O、α−Sn(HPO42・H2O、γ−Zr(HPO42、γ−Ti(HPO42、γ−Ti(NH4PO42・H2O等の多価金属の結晶性酸性塩が例示される。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理としては、具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理が例示される。
また、イオン交換性層状化合物は、そのイオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した層状化合物としてもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常はピラーと呼ばれる。例えば、層状化合物の層間に下記金属水酸化物イオンをインターカレーションした後に加熱脱水することにより、層間に酸化物支柱(ピラー)を形成することができる。なお、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。
インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4等の陽イオン性無機化合物;Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基など);[Al134(OH)247+、[Zr4(OH)142+、[Fe3O(OCOCH36+等の金属水酸化物イオンが例示される。これらのゲスト化合物は、単独で用いてもよく2種以上を併用して用いてもよい。
また、ゲスト化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)を加水分解および重縮合して得た重合物、SiO2等のコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。
無機化合物の中では、粘土鉱物および粘土が好ましく、モンモリロナイト群、バーミキュライト、ヘクトライト、テニオライトおよび合成雲母が特に好ましい。
《有機化合物》
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状または微粒子状の固体が例示される。具体的には、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを主成分として合成される(共)重合体;ビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として合成される(共)重合体;これら(共)重合体の変成体が例示される。
〈有機化合物成分(D)〉
オレフィン重合用触媒の成分として、有機化合物成分(D)を用いてもよい。有機化合物成分(D)は、必要に応じて、α−オレフィンの重合反応における重合性能およびオレフィン重合体の物性を向上させる目的で使用される。有機化合物成分(D)としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物、スルホン酸塩が例示される。
〈オレフィン重合用触媒の構成〉
オレフィン重合用触媒を用いて1−ブテンとエチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンとを共重合を行うに際して、オレフィン重合用触媒を構成しうる各成分の使用量は以下のとおりである。また、オレフィン重合用触媒において、各成分の含有量を以下のとおりに設定することができる。
(1)オレフィン重合用触媒を用いて、1−ブテンの共重合を行うに際して、架橋メタロセン化合物(A)は、反応容積1リットル当り、通常は10-9〜10-1モル、好ましくは10-8〜10-2モルとなるような量で用いられる。
(2)オレフィン重合用触媒の成分として有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)を用いる場合には、化合物(b−1)は、化合物(b−1)中のアルミニウム原子(Al)と架橋メタロセン化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔Al/M〕が、通常は0.01〜5000、好ましくは0.05〜2000となるような量で用いられる。
(3)オレフィン重合用触媒の成分としてイオン性化合物(b−2)を用いる場合には、化合物(b−2)は、化合物(b−2)と架橋メタロセン化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(b−2)/M〕が、通常は1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
(4)オレフィン重合用触媒の成分として有機アルミニウム化合物(b−3)を用いる場合には、化合物(b−3)は、化合物(b−3)と架橋メタロセン化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(b−3)/M〕が、通常は10〜5000、好ましくは20〜2000となるような量で用いられる。
(5)オレフィン重合用触媒の成分として有機化合物成分(D)を用いる場合には、化合物(B)が有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)であるときは、有機化合物成分(D)と化合物(b−1)とのモル比〔(D)/(b−1)〕が、通常は0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で;化合物(B)がイオン性化合物(b−2)であるときは、有機化合物成分(D)と化合物(b−2)とのモル比〔(D)/(b−2)〕が、通常は0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で;化合物(B)が有機アルミニウム化合物(b−3)であるときは、有機化合物成分(D)と化合物(b−3)とのモル比〔(D)/(b−3)〕が、通常は0.01〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で用いられる。
[1−2]重合方法
本発明の1−ブテン共重合体の製造において、重合は、溶液重合、懸濁重合等の液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。不活性炭化水素媒体は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、重合に供給されうる液化オレフィン自身を溶媒として用いる、いわゆるバルク重合法を用いることもできる。
当該製造方法において、1−ブテン共重合体の重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜180℃であり;重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧である。重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる二段以上に分けて行うこともできる。得られるブテン系重合体の分子量は、重合系に水素等を存在させるか、重合温度を変化させるか、または成分(B)の使用量により調節することができる。
当該製造方法は、工業的製法において有利な高温条件下であっても、高い触媒活性を維持しつつ、高立体規則性・高融点および高分子量を有する1−ブテン共重合体を製造することが可能である。このような高温条件下では、重合温度は、通常40℃以上、好ましくは40〜200℃、より好ましくは45〜150℃、特に好ましくは50〜150℃(換言すれば、特に好ましくは工業化可能な温度である。)である。
特に水素は、触媒の重合活性を向上させる効果や、重合体の分子量を増加または低下させる効果が得られることがあり、好ましい添加物であるといえる。系内に水素を添加する場合、その量は1−ブテン:1モルあたり0.00001〜100NL程度が適当である。系内の水素濃度は、水素の供給量を調整する以外にも、水素を生成または消費する反応を系内で行う方法や、膜を利用して水素を分離する方法、水素を含む一部のガスを系外に放出することによっても調整することができる。
当該製造方法で得られた1−ブテン共重合体に対しては、上記方法で合成した後に、必要に応じて公知の触媒失活処理工程、触媒残渣除去工程、乾燥工程等の後処理工程を行ってよい。
〔重合体組成物〕
本発明の重合体組成物は、上述した本発明の1−ブテン共重合体を含む組成物である。
本発明の1−ブテン共重合体には、その用途に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の重合体および樹脂用添加剤から選ばれる少なくとも1種を任意に添加し、1−ブテン共重合体を含む重合体組成物とすることができる。以下、本発明の1−ブテン共重合体を「1−ブテン共重合体(A)」ともいい、1−ブテン共重合体(A)とは異なる他の重合体を「他の重合体(B)」ともいい、樹脂用添加剤を「添加剤(C)」ともいう。
なお、本発明の重合体組成物は、その一部または全部が極性モノマーによりグラフト変性されたものであってもよい。グラフト変性の詳細については、《グラフト変性》の欄で後述する。
《1−ブテン共重合体(A)》
1−ブテン共重合体(A)の含有量は、本発明の重合体組成物の総質量に対して、0.1〜99.9質量%であることが好ましく、下限値は好ましくは20質量%であり、一実施態様として、1−ブテン共重合体(A)の含有量の下限値は、例えば40質量%、さらに好ましくは60質量%、特に好ましくは80質量%、最も好ましくは85質量%である。
1−ブテン共重合体(A)の一部または全部は、上記要件を満たす限り、極性モノマーによりグラフト変性されたものであってもよい。グラフト変性の詳細については、《グラフト変性》の欄で後述する。
《他の重合体(B)》
他の重合体(B)としては、本発明の1−ブテン共重合体(A)とは異なる重合体であり、種々公知の上剛体を広く用いることができる。他の重合体(B)の含有量は、本発明の重合体組成物の総質量に対して、0.001〜99.9質量%であることが好ましく、上限値は好ましくは80質量%であり、一実施態様として、他の重合体(B)の含有量の上限値は、より好ましくは60質量%、さらに好ましくは40質量%、特に好ましくは20質量%、最も好ましくは15質量%である。
他の重合体(B)としては、1−ブテン共重合体(A)と異なる限り特に制限されないが、下記に示す種々公知の熱可塑性樹脂、非晶性あるいは低結晶性の共重合体あるいはエラストマーを使用し得る。
ポリオレフィン系樹脂:例えば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン等のポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、およびこれらのオレフィン系樹脂を変性した変性ポリオレフィン樹脂、
上述した熱可塑性ポリオレフィン系樹脂のうち、例えばポリエチレン、ポリプロピレンは結晶核剤として用いることもでき、その場合の好ましい含有量は樹脂組成物の総質量に対して、0.001〜5質量%である。
熱可塑性ポリアミド系樹脂:例えば、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612)、
熱可塑性ポリエステル系樹脂:例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系エラストマー、
熱可塑性ビニル芳香族系樹脂:例えば、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、スチレン系エラストマー(スチレン・ブタジエン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソプレン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソブチレン・スチレンブロックポリマー、これらの水素添加物)、
熱可塑性ポリウレタン;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;アクリル樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル共重合体;エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体;アイオノマー;エチレン・ビニルアルコール共重合体;ポリビニルアルコール;フッ素系樹脂;ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンサルファイドポリイミド;ポリアリレート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ロジン系樹脂;テルペン系樹脂および石油樹脂;
エラストマー(ゴム):例えば、エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体、プロピレン・α−オレフィン・ジエン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン・ジエン共重合体、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ネオプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム;
等が例示される。
熱可塑性樹脂の中でも、好ましくは、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、スチレン系エラストマー、酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、アイオノマー、フッ素系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂であり、より好ましくは、耐熱性向上、低温耐性向上、柔軟性の点で、ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル共重合体、スチレン系エラストマー、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂である。
他の重合体(B)の一部または全部は、極性モノマーによりグラフト変性されたものであってもよい。グラフト変性の詳細については、《グラフト変性》の欄で後述する。
他の重合体(B)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
《添加剤(C)》
添加剤(C)としては、例えば、核剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、充填剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ防止剤、発泡剤、結晶化助剤、防曇剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、衝撃改良剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、加工助剤が挙げられる。
添加剤(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
添加剤(C)の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて、特に限定されないが、1−ブテン共重合体あるいは本発明の重合体組成物の総質量に対して、配合される添加剤それぞれについて0.001〜30質量%であることが好ましい。
核剤としては、1−ブテン共重合体あるいは重合体組成物の成形性をさらに改善させる、すなわち結晶化温度を高め結晶化速度を速めるために公知の核剤が使用可能である。具体的には、ジベンジリデンソルビトール系核剤、リン酸エステル塩系核剤、ロジン系核剤、安息香酸金属塩系核剤、フッ素化ポリエチレン、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、ピメリン酸やその塩、2,6−ナフタレン酸ジカルボン酸ジシクロヘキシルアミド、エチレンビスステアリン酸アマイド等が挙げられる。
核剤の配合量は、特に限定されないが、1−ブテン共重合体あるいは重合体組成物100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部である。核剤は、重合中、重合後、あるいは成形加工時など適宜添加が可能である。
アンチブロッキング剤としては、公知のアンチブロッキング剤が使用可能である。具体的には、微粉末シリカ、微粉末酸化アルミニウム、微粉末クレー、粉末状もしくは液状のシリコン樹脂、テトラフロロエチレン樹脂、微粉末架橋樹脂、例えば架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末、アマイド系滑剤等が挙げられる。これらのうちでは、微粉末シリカおよび架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末が好ましい。
顔料としては、無機含量(酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、硫化カドミウム等)、有機顔料(アゾレーキ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アントラキノン系)が挙げられる。染料としてはアゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系等が挙げられる。これら顔料および染料の添加量は、特に限定されないが、1−ブテン共重合体あるいは本発明の重合体組成物の総質量に対して、合計で、通常5質量%以下、好ましくは0.1〜3質量%である。
充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、金属(ステンレス、アルミニウム、チタン、銅等)繊維、カーボンブラック、シリカ、ガラスビーズ、珪酸塩(珪酸カルシウム、タルク、クレー等)、金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、アルミナ等)、金属の炭酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム)および各種金属(マグネシウム、珪素、アルミニウム、チタン、銅等)粉末、マイカ、ガラスフレークが挙げられる。
滑剤としては、例えば、ワックス(カルナバロウワックス等)、高級脂肪酸(ステアリン酸等)、高級アルコール(ステアリルアルコール等)、高級脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド等)が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、芳香族カルボン酸エステル(フタル酸ジブチル等)、脂肪族カルボン酸エステル(メチルアセチルリシノレート等)、脂肪族ジアルボン酸エステル(アジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステル等)、脂肪族トリカルボン酸エステル(クエン酸トリエチル等)、リン酸トリエステル(リン酸トリフェニル等)、エポキシ脂肪酸エステル(ステアリン酸エポキシブチル等)、石油樹脂が挙げられる。
離型剤としては、例えば、高級脂肪酸の低級(C1〜4)アルコールエステル(ステアリン酸ブチル等)、脂肪酸(C4〜30)の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)、脂肪酸のグリコールエステル、流動パラフィンが挙げられる。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤が使用可能である。具体的には、フェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等)、多環フェノール系(2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール等)、リン系(トリ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスフォネート等)、イオウ系(チオジプロピオン酸ジラウリル等)、アミン系(N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン等)、ラクトン系の酸化防止剤等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、有機系難燃剤(含窒素系、含硫黄系、含珪素系、含リン系等)、無機系難燃剤(三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、赤リン等)が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、アクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられる。
抗菌剤としては、例えば、4級アンモニウム塩、ピリジン系化合物、有機酸、有機酸エステル、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素が挙げられる。
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を挙げることができる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビットもしくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両面界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキル時ヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、上記の界面活性剤、脂肪酸エステル、高分子型帯電防止剤が挙げられる。脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸やオレイン酸のエステルが挙げられ、高分子型帯電防止剤としては、例えば、ポリエーテルエステルアミドが挙げられる。
耐熱安定剤としては、例えば、アミン系安定剤、フェノール系安定剤および硫黄系安定剤などの従来公知の安定剤が挙げられる。具体的には、フェニルブチルアミンおよびN,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどの芳香族2級アミン系安定剤;ジブチルヒドロキシトルエンおよびテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系安定剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィドなどのチオエーテル系安定剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオカルバミン酸塩系安定剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾールおよび2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩;ジラウリルチオジプロピオネートおよびジステアリルチオジプロピオネートなどの硫黄系安定剤などが挙げられる。これらの安定剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
架橋剤としては、例えば、有機ペルオキシドが用いられる。
有機ペルオキシドとしては、例えば、ジクミル有機ペルオキシド、ジ−tert−ブチル有機ペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイル有機ペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイル有機ペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチル有機ペルオキシド、ラウロイル有機ペルオキシド、tert−ブチルクミル有機ペルオキシドが挙げられる。
有機ペルオキシドは、1−ブテン共重合体あるいは重合体組成物100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部の割合で用いられる。
有機ペルオキシドによる架橋処理に際し、架橋助剤として、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p'−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン−N,N'−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
上記化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においては、ジビニルベンゼンが好適に用いられる。ジビニルベンゼンは、取扱い易く、1−ブテン共重合体との相溶性が良好であり、かつ、有機ペルオキシドを可溶化する作用を有し、有機ペルオキシドの分散剤として働く。このため、均質な架橋効果が得られ、流動性と物性とのバランスのとれた動的熱処理物が得られる。
上記架橋助剤は、1−ブテン共重合体あるいは重合体組成物100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部の割合で用いられる。
軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の鉱物油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、トール油、密ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸又はその金属塩、ナフテン酸又はその金属石鹸、パイン油、ロジン又はその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤、ジイソドデシルカーボネート等の炭酸エステル系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。これらのうちで、石油系軟化剤および炭化水素系合成潤滑油が好ましい。
軟化剤の量は、特に限定されないが、1−ブテン共重合体あるいは重合体組成物100質量部に対して、1〜200質量部の量であることが好ましい。軟化剤は、1−ブテン共重合体あるいは重合体組成物を調製する際に加工を容易にするとともにカーボンブラック等の分散を助ける。
《グラフト変性》
グラフト変性に用いられる極性モノマーとしては、例えば、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸またはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、カルボジイミド化合物が挙げられる。特に、不飽和カルボン酸またはその誘導体が好ましい。不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物、カルボン酸基を有する化合物とアルキルアルコールとのエステル、無水カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物が挙げられる。不飽和基としては、例えば、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基が挙げられる。
極性モノマーとしては、具体的には、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸〔商標〕(エンドシス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸)等の不飽和カルボン酸、および不飽和カルボン酸の誘導体として、例えば、酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステルが挙げられる。かかる誘導体の具体例としては、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートが挙げられる。
これらの不飽和カルボン酸および/またはその誘導体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、マレイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が特に好ましく用いられる。
変性は、被変性体(1−ブテン共重合体あるいは重合体組成物)に、極性モノマーをグラフト重合させることにより得られる。被変性体に、極性モノマーをグラフト重合させる際には、極性モノマーは、被変性体100質量部に対して、通常1〜100質量部、好ましくは5〜80質量部の量で使用される。このグラフト重合は、通常ラジカル開始剤の存在下にて行なわれる。
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物およびアゾ化合物などを用いることができる。ラジカル開始剤は、被変性体および極性モノマーとそのまま混合して使用することもできるが、少量の有機溶媒に溶解してから使用することもできる。有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく用いることができる。
被変性体に極性モノマーをグラフト重合させる際には、還元性物質を用いてもよい。還元性物質を用いると、極性モノマーのグラフト量を向上させることができる。
被変性体の極性モノマーによるグラフト変性は、従来公知の方法で行うことができ、例えば被変性体を有機溶媒に溶解し、次いで極性モノマーおよびラジカル開始剤などを溶液に加え、通常70〜200℃、好ましくは80〜190℃の温度で、通常0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させることにより行うことができる。
押出機などを用いて、被変性体と極性モノマーとを反応させて、変性体を含む樹脂組成物を製造することもできる。この反応は、通常は被変性体の融点以上で行う。具体的には、他の重合体(B)を変性する場合には、例えば通常120〜300℃、好ましくは120℃〜250℃の温度で、通常0.5〜10分間行われることが望ましい。本発明の1−ブテン共重合体を変性する場合には、例えば、通常160〜300℃、好ましくは180℃〜250℃の温度で、通常0.5〜10分間行われることが望ましい。
このようにして得られる変性体の変性量(極性モノマーのグラフト量)は、変性体を100質量%とした場合に、通常0.1〜50質量%、好ましくは0.2〜30質量%、さらに好ましくは0.2〜10質量%である。
本発明では、上記変性体と、1−ブテン共重合体(A)のうち未変性体および他の重合体(B)のうち未変性体から選ばれる未変性体の1種以上とを混練して、重合体組成物を得ることもできる。
また、本発明の重合体組成物に極性モノマーを含有させ、変性を行うこともできる。極性モノマーの含有量は、特に限定されないが、重合体組成物100質量%に対して、0.001〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.001〜10質量%、さらに好ましくは0.001〜5質量%であり、最も好ましくは0.01〜3質量%である。極性モノマーの含有量は、目的に応じて、例えば、グラフト条件を適宜に選択することにより、容易に設計できる。
また、シランカップリング剤を用いてグラフト変性することもできる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロルシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン、N,N'-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピルトリアルコキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
シランカップリング剤を用いて架橋する際は、乾式処理法でも、湿式(スラリー法)処理法でもよい。シランカップリング剤を用いたポリマーの水架橋は、均一な架橋状態が得られ、産業用電線、パイプ等の強度・耐久性が求められる用途に使用される。
変性体を用いると、他の樹脂との接着性、相溶性に優れ、また得られた成形体表面の濡れ性が改良される場合がある。また、変性体を用いることにより、他の材料との相溶性または接着性を付加することができる場合もある。
また、極性モノマー(例:不飽和カルボン酸および/またはその誘導体)のグラフト量が上記範囲にあることにより、本発明のブテン系重合体のグラフト体および/または上述した熱可塑性樹脂のグラフト体を含む組成物は、極性基含有樹脂(例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、PMMA、ポリカーボネート等)に対して高い接着強度を示す。
〔重合体組成物の製造方法〕
本発明の重合体組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、本発明の1−ブテン共重合体と、他の重合体(B)および必要に応じて他の任意成分とを上述の添加割合で混合したのち、溶融混練して得られる。
溶融混練の方法は、特に制限されず、一般的に市販されている押出機等の溶融混練装置を用いて行うことが可能である。例えば、溶融混練装置にて混練を行う部分の温度は、通常120〜250℃、好ましくは120〜230℃である。混練時間は、通常0.5〜30分間、特に好ましくは0.5〜5分間である。
〔成形体〕
本発明の1−ブテン共重合体または1−ブテン共重合体を含む重合体組成物から形成された各種成形体は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができる。成形体は、例えば、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、パウダースラッシュ成形、カレンダー成形、発泡成形等の公知の熱成形方法により得られる。
成形体の厚さは特に制限はなく、用途により適宜決めることができるが、通常0.1〜20mm、好ましくは0.15〜10mmの範囲にある(ただし、延伸フィルムを除く)。この範囲であると剛性と均一加工性のバランスがよい。
押出成形体としては、その形状および製品の種類は特に限定されない。例えば、シート、延伸または未延伸フィルム、パイプ、ホース、電線被覆、チューブが挙げられ、特にシート(表皮材)、フィルム、チューブ、カテーテル、モノフィラメント、マルチフィラメント、不織布が挙げられる。
押出成形には、従来公知の押出装置および成形条件を採用することができ、例えば、単軸スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機などを用いて、溶融した1−ブテン共重合体または重合体組成物を特定のダイスなどから押出すことにより所望の形状に成形することができる。
延伸フィルムは、上記のような押出シートまたは押出未延伸フィルムを、例えばテンター法(縦横延伸、横縦延伸)、同時二軸延伸法、一軸延伸法等の公知の延伸方法により延伸して得ることができる。シートまたは未延伸フィルムを延伸する際の延伸倍率は、二軸延伸の場合には通常20〜70倍程度、また一軸延伸の場合には通常2〜10倍程度である。延伸によって、厚さ1〜500μm、好ましくは5〜200μm程度の延伸フィルムを得ることができる。
フィラメント成形体は、例えば、溶融した1−ブテン共重合体または重合体組成物を、紡糸口金を通して押出すことにより製造することができる。このようにして得られたフィラメントを、さらに延伸してもよい。この延伸は、フィラメントの少なくとも一軸方向が分子配向する程度に行えばよく、通常5〜10倍程度の倍率で行うことが望ましい。フィラメントは、透明性、剛性、耐熱性、耐衝撃性および伸縮性に優れている。不織布は、具体的にはスパンボンド法、メルトブローン法を用いて製造することが出来る。
射出成形体としては、従来公知の射出成形装置を用いて公知の条件を採用して、1−ブテン共重合体または重合体組成物を種々の形状に射出成形して製造することができる。射出成形体は、帯電しにくく、透明性、剛性、耐熱性、耐衝撃性、表面光沢、耐薬品性および耐磨耗性などに優れており、パイプ継手、自動車内装用トリム材、自動車用外装材、家電製品のハウジング、容器などに幅広く用いることができる。
フィルムとして、インフレーションフィルムを製造することもできる。インフレーションフィルムは、例えば、日用雑貨包装材、食品包材、食品容器、レトルト容器、保護フィルム、化粧フィルム・シート、シュリンクフィルム、輸液バッグ、熱融着フィルム、延伸フィルム、延伸用原料フィルム、医療容器等の材料として好適に使用できる。
ここで、シュリンクフィルムは、本発明の1−ブテン共重合体または重合体組成物からなるフィルムを通常60〜100℃、好ましくは60〜80℃の温度範囲で一軸または二軸に延伸して得ることができる。延伸方法は、従来通常に行われているポリオレフィン樹脂フィルムの延伸方法(例:一軸延伸、二軸延伸)が挙げられ、例えば加熱ロールによる一軸延伸方法が挙げられ、また、二軸延伸方法については、チューブラー法による同時二軸延伸法や加熱ロール/テンターによる逐次二軸延伸法、あるいはテンターによる同時二軸延伸法が挙げられる。フィルムの延伸倍率は、通常は3倍以上、好ましくは3〜10倍、より好ましくは4〜8倍である。
また、シートおよびフィルムは、帯電しにくく、引張弾性率などの剛性、耐熱性、伸縮性、耐衝撃性、耐老化性、透明性、透視性、光沢およびヒートシール性に優れており、包装用フィルム、保護フィルムなどとして幅広く用いることができる。この場合、シートおよびフィルムは、積層体(積層シート、フィルム)であってもよい。
ここで、積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に、本発明の1−ブテン共重合体または重合体組成物を押出しラミネートする方法、基材フィルムと本発明の1−ブテン共重合体または重合体組成物からなるフィルムとをアンカーコート剤を用いてドライラミネーとする方法、あるいは基材フィルムの原料となる熱可塑性重合体と本発明の1−ブテン共重合体または重合体組成物とを多層ダイを用いて共押出しフィルムを得る方法等、種々公知の製造方法により製造することができる。本発明の積層フィルムでは、1−ブテン共重合体または重合体組成物からなるフィルムの厚みは、通常5〜500μm、好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは20〜200μmである。
ブロー成形体としては、従来公知のブロー成形装置を用いて公知の条件を採用して、1−ブテン共重合体または重合体組成物をブロー成形することにより製造することができる。この場合、ブロー成形体は、多層成形体であってもよい。
例えば押出ブロー成形では、1−ブテン共重合体または重合体組成物を樹脂温度100℃〜300℃の溶融状態でダイより押出してチューブ状パリソンを形成し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後、空気を吹き込み、樹脂温度130℃〜300℃で金型に着装することにより中空成形体を製造することができる。延伸(ブロー)倍率は、横方向に1.5〜5倍程度であることが好ましい。
例えば射出ブロー成形では、1−ブテン共重合体または重合体組成物を樹脂温度100℃〜300℃でパリソン金型に射出してパリソンを成形し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、樹脂温度120℃〜300℃で金型に着装することにより中空成形体を製造することができる。延伸(ブロー)倍率は、縦方向に1.1〜1.8倍、横方向に1.3〜2.5倍であることが好ましい。
ブロー成形体は、透明性、剛性または柔軟性、耐熱性および耐衝撃性に優れるとともに防湿性にも優れている。ブロー成形体は、例えば、食品、調味料、化粧品、整髪剤、飲料水、清涼飲料水、炭酸飲料、アルコール類、漂白剤、洗剤、シャンプー、リンス、コンディショナー、柔軟剤、柔軟仕上げ剤、薬剤、接着剤、農薬、医療用、哺乳ビン、実験器具、灯油缶、発電機や芝刈り機・二輪車・自動車等のガソリンタンク等の容器、ボトル、カップに用いることができる。
プレス成形では、例えば、1−ブテン共重合体または重合体組成物の溶融混練物を、120〜250℃に設定したプレス機を用い、5〜20MPaで1〜15分間加圧する。必要に応じて、10〜20℃に設定したプレス機を用い、5〜20MPaで1〜15分間加圧冷却する。このようにして、プレスシートを得ることができる。プレスシートの厚みは、例えば0.1〜6.0mmである。
プレス成形体としては、モールドスタンピング成形体が挙げられ、例えば基材と表皮材とを同時にプレス成形して両者を複合一体化成形(モールドスタンピング成形)する際の基材として、1−ブテン共重合体または重合体組成物を用いることができる。このようなモールドスタンピング成形体としては、具体的には、ドアトリム、リアーパッケージトリム、シートバックガーニッシュ、インストルメントパネルなどの自動車用内装材が挙げられる。プレス成形体は、帯電しにくく、剛性または柔軟性、耐熱性、透明性、耐衝撃性、耐老化性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れている。
真空成形を用いて成形体を用いて製造する場合は、例えば、予め、1−ブテン共重合体または重合体組成物を公知の押出加工によりシートまたはフィルムを得た後に、真空成形する。シートまたはフィルムの厚みに特に制限はないが、例えば0.1〜3mmであることが好ましい。
真空成形の方法については、特に制限はない。通常、シートまたはフィルム状の成形体を加熱軟化して型に密着させ、型に設けられた排気口から空気を排出させて、成形体を型に密着させ、その後これを冷却することにより、二次加工成形体を製造できる。
真空成形時の成形体の表面温度は、通常120〜250℃の温度範囲であるが、好ましくは120〜220℃の温度範囲、より好ましくは120〜200℃の温度範囲である。表面温度が上記範囲にある場合には、ドローダウン性、付形性が良好となり、肉厚が均一となる。
真空成形体は、例えば、自動車内装材、自動車外装材、包装用ケース、保護用ケース、保護用シート、食品・飲料用等の容器、ボトル、カップ、情報端末用ケース、情報端末用保護カバー、表示材用フレーム・カバー、家具、家具用骨組みに好適に用いることができる。
本発明では、自動車のインストゥルメントパネル、ドアトリムなどの内装表皮材などの真空成形体も製造することができる。前記成形体は、帯電しにくく、柔軟性、耐熱性、耐衝撃性、耐老化性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れている。
本発明では、自動車部品、家電部品、玩具、雑貨などのパウダースラッシュ成形体も製造することができる。前記成形体は、帯電しにくく、柔軟性、耐熱性、耐衝撃性、耐老化性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れている。
本発明の成形体としては、本発明の1−ブテン共重合体または重合体組成物からなる層を少なくとも1層有する多層成形体を挙げることもできる。多層成形体は、少なくともその1層が本発明のブテン系重合体またはその樹脂組成物から形成された層である成形体である。具体的には、多層フィルム、多層シート、多層容器、多層チューブ、多層パイプ、水系塗料の一構成成分として含まれる多層塗膜積層体などが挙げられる。
本発明の1−ブテン共重合体または重合体組成物は、例えば、容器または不織布の形成材料として好適である。容器としては、例えば、冷凍保存容器、レトルトパウチなどの食品容器、ボトル容器が挙げられる。また医療容器、輸液バッグなども例示できる。
本発明の1−ブテン共重合体または重合体組成物は、上述した特性を有することから、パイプ、パイプ継手、ブロータンク等のタンク、シート、未延伸または延伸フィルム、フィラメント、他の種々形状の成形体にして利用することができる。ブロータンクとしては、例えば、給水・給湯用タンクが挙げられる。これらの中でも、パイプおよびパイプ継手が好ましく、ガス輸送用等に用いる他、より好ましくは、給水・給湯用、床下暖房用、温水暖房用、温泉配管用、薬剤散布用、排水用、散水用、洗濯機用、食洗機用、トイレ用、浴室用、ソーラーシステム用、ミスト発生装置用、農耕用などの液体輸送パイプおよびその継手に用いられ、特に好ましくは給水・給湯用パイプおよび継手である。
本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[遷移金属錯体の合成]
[製造例1]
国際公開第2014/050817号の重合例4に従い、(8‐オクタメチルフルオレン-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライドを合成した。この化合物を「触媒(a)」とも記載する。
[製造例2]
上記触媒(a)の製造例を参考にして、(8-(2,3,6,7-テトラメチルフルオレン)-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライドを合成した。この化合物を「触媒(b)」とも記載する。
[製造例3]
Journal of Organometallic Chem. 288(1985), 第63-37ページ、ヨーロッパ特許出願公開第0320762号明細書及び実施例に準じて、ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n-プロピル−4−フェナントリルインデニル)}ジルコニウムジクロリドを合成した。この化合物を「触媒(c)」とも記載する。
[製造例4]
製造例3に従って、ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n-プロピル−4−フェナントリルインデニル)}ハフニウムジクロリドを合成した。この化合物を「触媒(d)」とも記載する。
[重合例1]1−ブテン・プロピレン共重合体
充分に乾燥し窒素置換したシュレンク管に磁気攪拌子を入れ、メタロセン化合物として触媒(a)2.0μmolを入れ、修飾メチルアルミノキサンの懸濁液を触媒(a)に対して300当量分(n−ヘキサン溶媒、アルミニウム原子換算で0.60mmol)、攪拌しながら室温で加え、次いで触媒(a)が1μmol/mLとなる量のヘプタンを加えて、触媒液を調製した。
充分に乾燥し窒素置換した内容積1,500mlのSUS製オートクレーブに、重合溶媒としてヘプタン500mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(Al=0.5M、0.75mmol)1.5mLとを装入し、次いで850回転/分で撹拌しながら1−ブテン180gを加えた後に、重合温度60℃に昇温した。その温度で8.9NmLの水素を加えた後にオートクレーブ内圧が0.59MPaGになるまで窒素を加え、さらに全圧が0.6MPaGになるまでプロピレンで加圧した。
このオートクレーブに上記で調製した触媒液を装入して重合を開始し、重合停止まで全圧0.6MPaGを保つ様にプロピレンを供給し、重合開始から28分後にメタノールを加えて重合を停止した。
冷却/脱圧したオートクレーブから取り出した重合液を、メタノール中に投入し、ポリマーを析出させて濾過回収した。その後回収したポリマーを80℃で12時間減圧乾燥して、1−ブテン・プロピレン共重合体を得た。
[重合例2]1−ブテン単独重合体
充分に乾燥し窒素置換したシュレンク管に磁気攪拌子を入れ、メタロセン化合物として触媒(a)2.0μmolを入れ、修飾メチルアルミノキサンの懸濁液を触媒(a)に対して300当量分(n−ヘキサン溶媒、アルミニウム原子換算で0.60mmol)、攪拌しながら室温で加え、次いで触媒(a)が1μmol/mLとなる量のヘプタンを加えて、触媒液を調製した。
充分に乾燥し窒素置換した内容積1,500mlのSUS製オートクレーブに、重合溶媒としてヘプタン500mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(Al=0.5M、0.75mmol)1.5mLとを装入し、次いで850回転/分で撹拌しながら1−ブテン180gを加えた後に、重合温度60℃に昇温した。その温度で284NmLの水素を加えた後にオートクレーブ内圧が0.5MPaGになるまで窒素を加えた。
このオートクレーブに上記で調製した触媒液を装入して重合を開始し、重合開始から20分後にメタノールを加えて重合を停止した。
冷却/脱圧したオートクレーブから取り出した重合液を、メタノール中に投入し、ポリマーを析出させて濾過回収した。その後回収したポリマーを80℃で10時間減圧乾燥して、評価用ポリマーを得た。
[重合例3]1−ブテン・プロピレン共重合体
1−ブテン90gを加え、水素を177.5NmLとし、窒素での加圧をオートクレーブ内圧0.58MPaGまでとし、その後プロピレンによって全圧を0.6MPaGとし、重合時間を10分とした以外は、重合例1と同様に行い、1−ブテン・プロピレン共重合体を得た。
[重合例4]1−ブテン単独重合体
水素を17.8NmLとし、窒素での加圧をオートクレーブ内圧が0.5MPaGまでとし、重合時間を30分とした以外は重合例2と同様に行い、1−ブテン単独重合体を得た。
[実施例1]
1−ブテン系共重合体の混合物
重合例1で重合した1−ブテン・プロピレン共重合体70質量%と、重合例2で得た1−ブテン単独重合体30質量%を混合して、1−ブテン共重合体の混合物を得た。
[実施例2]
1−ブテン系共重合体の混合物を含む重合体組成物
実施例1の混合物:100質量部に対し、核剤としてエチレン系重合体を0.2質量部添加して、1−ブテン系共重合体の混合物を含む重合体組成物を得た。
[実施例3]
1−ブテン系共重合体の混合物
重合例1で重合した1−ブテン・プロピレン共重合体70質量%と、重合例3で重合した1−ブテン・プロピレン共重合体30質量%を混合して、1−ブテン系共重合体の混合物を得た。
[実施例4]
1−ブテン系共重合体の混合物を含む重合体組成物
実施例3の1−ブテン系共重合体の混合物:100質量部に対し、核剤としてエチレン系重合体を0.2質量部添加して、1−ブテン系共重合体の混合物を含む重合体組成物を得た。
[比較例1]
1−ブテン系共重合体の混合物
重合例4で重合した1−ブテン重合体70質量%と、重合例2で重合した1−ブテン重合体30質量%を混合して、1−ブテン系共重合体の混合物を得た。
[比較例2]
1−ブテン系共重合体の混合物
比較例1の1−ブテン系共重合体の混合物:100質量部に対し、核剤としてエチレン系重合体を0.2質量部添加して、て、1−ブテン系共重合体の混合物を含む重合体組成物を得た。
[比較例3]
1−ブテン単独重合体
比較例3では、プロピレンを用いず、全圧0.5MPaGとしたこと以外は特開2002−241553号公報の[製造例1]に記載のTi系触媒を用いた従来公知のブテン系重合体の重合方法により、評価用ポリマーとしての1−ブテン単独重合体を得た。
[比較例4]
1−ブテン重合体
比較例3で得た1−ブテン単独重合体:100質量部に対し、核剤としてEBSA(エチレンビスステアリン酸アマイド、共栄社化学製)を0.07質量部添加し、組成物を得た。
[比較例5]
1−ブテン・プロピレン重合体
比較例5では、全圧0.5MPaGとしたこと以外は特開2002−241553号公報の[製造例1]に記載のTi系触媒を用いた従来公知のブテン系重合体の重合方法により、1−ブテン・プロピレン共重合体を得た。
[比較例6]
1−ブテン・プロピレン共重合体
比較例5で得た1−ブテン・プロピレン共重合体:100質量部に対し、核剤としてエチレン系重合体を0.5質量部添加し、組成物を得た。
〔各種測定用プレスシートの作製法〕
実施例および比較例で得られた1−ブテン共重合体の混合物等を、200℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、余熱を3〜5分程度とし、10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで5分間程度圧縮(冷却)して、0.5mm厚、2mm厚のプレスシート(測定用試料)を作成した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。上記方法により作製した1−ブテン共重合体の混合物等をDSCおよび引張試験など各種測定用試料に用いた。
[各種物性の測定条件]
実施例および比較例において、試料の各種物性は下記方法により測定した。
結果を表1に示す。
〔コモノマー組成〕
1−ブテン共重合体、あるいは1−ブテン共重合体の混合物中のエチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィン(1−ブテンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィン由来の構成単位(コモノマー単位)の含有量は、以下の装置および条件により、13C−NMRスペクトルより算出した。
ブルカー・バイオスピン製AVANCEIIIcryo−500型核磁気共鳴装置を用いて、溶媒はo−ジクロロベンゼン/ベンゼン−d6(4/1 v/v)混合溶媒、試料濃度は60mg/0.6mL、測定温度は120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は5.0μ秒(45°パルス)、繰返し時間は5.5秒、積算回数は128回、ブテン側鎖メチレンシグナル27.5ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。主鎖メチレンシグナルの積分値を用い、下記式によってコモノマー単位の含有量を算出した。
コモノマー単位の含有量(モル%)=[P/(P+M)]×100
ここで、Pはコモノマー主鎖メチレンシグナルの全ピーク面積を示し、Mは1−ブテン主鎖メチレンシグナルの全ピーク面積を示す。
〔mmmm分率〕
mmmm分率(%)は、下記式で表される。
mmmm分率(%)=Smmmm/S×100
ここで、13C−NMRスペクトルにおいて、Smmmmは27.50ppmをピークトップとするmmmm由来のブテン側鎖メチレンシグナルのピーク面積を示し、Sは29.0ppmから25.0ppmの範囲に現れる、ブテン側鎖メチレンシグナルの全ピーク面積を示す。
〔rr分率〕
rr分率(%)は、下記式で表される。
rr分率(%)=Srr/S×100
ここで、13C−NMRスペクトルにおいて、Srrは26.6ppmから25.0ppmの範囲に現れるrr由来のブテン側鎖メチレンシグナルのピーク面積を示し、Sは29.0ppmから25.0ppmの範囲に現れる、ブテン側鎖メチレンシグナルの全ピーク面積を示す。
〔極限粘度[η]〕
1−ブテン共重合体、あるいは1−ブテン共重合体の混合物等の極限粘度[η](dl/g)は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。具体的には、上記重合で得られたブテン系重合体約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
〔分子量(Mn、Mw)、分子量分布(Mw/Mn)〕
1−ブテン共重合体、あるいは1−ブテン共重合体の混合物等の分子量および分子量分布は、カラムとして東ソー株式会社製TSKgelGMH6−HT×2本およびTSKgelGMH6−HTL×2本(カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mm)を直列接続した、液体クロマトグラフ(Waters製Alliance/GPC2000型)を用いて、測定した。移動相媒体は、o−ジクロロベンゼンおよび酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025質量%を用い、試料濃度は0.15%(V/W)、流速1.0ml/分、140℃で測定を行った。標準ポリスチレンは、分子量が500〜20,600,000については東ソー社製を用いた。得られたクロマトグラムはWaters製データ処理ソフトEmpower2を用いて、公知の方法によって、標準ポリスチレンサンプルを使用した検量線を用いて解析することで、Mn、Mw、Mw/Mnを算出した。
〔95%結晶転移完了時間〕
セイコーインスツルメンツ社製DSC測定装置(DSC220C)により、発熱・吸熱曲線を求め、昇温時の最大融解ピーク位置の温度を融点Tmとした。また、この結晶溶融ピークの積算値から融解熱量ΔHを算出した。
測定は、以下の様にして行った。0.5mm厚のプレスシートから試料約5mgを切り出し、測定用アルミパンにつめ、10℃/分の加熱速度で30℃から200℃に昇温し、200℃で5分間保持した後、10℃/分の冷却速度で30℃まで降温し、30℃で5分間保持した後、再度10℃/分の加熱速度で30℃から200℃に昇温し、200℃で5分間保持した後、再度10℃/分の冷却速度で30℃まで降温した。2回目の昇温時に発現した融解ピークを、II型結晶に由来する融点TmIIとした。
上記熱履歴を受けた後室温にて10日間放置しておいた試料を、再度DSCを用いて、10℃/分の加熱速度で30℃から200℃に昇温したときに発現した融解ピークを、I型結晶に由来する融点TmIとし、この融解ピークに基づく融解熱量をΔHとした。上記測定において、ピークが複数観測された場合、低温側ピークをII型結晶に由来するピークとし、高温側ピークをI型結晶に由来するピークと帰属した。
95%結晶転移完了時間は、次のようにして求めた。上記熱履歴を受けた後室温にて8時間、約1日間、3日間、5日間、7日間および10日間放置しておいたサンプルを、それぞれDSCを用いて10℃/分の加熱速度で30℃から200℃に昇温したときに発現した融解ピークを観測した。I型結晶およびII型結晶に由来するピークの面積を、I型結晶およびII型結晶に由来するそれぞれのピークのピーク高さの比で分割し、I型結晶およびII型結晶に由来するそれぞれの融解熱量を算出した。経過時間に対してI型結晶由来の融解熱量をグラフ化(データのプロット間を直線でつないだグラフ)し、結晶転移が完了したと考えられる10日後の融解熱量ΔHの値の95%のΔHの値に到達する時間を結晶転移完了時間とした。
〔降伏点応力(YS)、引張弾性率(YM)〕
2mm厚のプレスシートを10日以上置いた後、JIS K7113に準拠して2号1/2サイズダンベル形試験片を作製し、恒温槽付きのインテスコ社製引張試験機にて、引張速度30mm/min、測定温度23℃および95℃の条件で引張試験を実施し、降伏点応力(YS)および引張弾性率(YM)を測定した。
〔キャピログラフ〕
東洋精機製キャピログラフによる粘度測定および成形性評価を行った。
バレル径10mm、キャピラリー長22mm、キャピラリー直径1mmである。4mmφのチューブ型ダイスを用い、190℃にて押出速度を1,2,5,10,20,50,100,200,500mm/minと変化させた場合のせん断応力を測定した。
また、成形性評価として、押出速度を5,10,15,20,30,50,75,100,200mm/minと変化させた場合にメルトフラクチャーが発生する速度を観察した。
Figure 2019178254

Claims (15)

  1. 1−ブテン由来の構成単位の含有量が80.0〜99.9モル%、エチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン由来の構成単位の総含有量(K)が0.1〜20.0モル%であり(ただし、1−ブテン由来の構成単位の含有量とオレフィン由来の構成単位の総含有量(K)との合計を100モル%とする)、および、下記要件(i)〜(iii)を満たすことを特徴とする1−ブテン共重合体。
    (i)13C−NMRにより測定したペンタッドアイソタクティシティー(mmmm)が94.0%以上99.9%以下であること。
    (ii)13C−NMRにより測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr)が1.5%以下であること。
    (iii)135℃、デカリン溶媒中の極限粘度[η]が0.5〜5.5dl/gの範囲にあること。
  2. 1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜99.9モル%であり、前記総含有量(K)が0.1〜10.0モル%である請求項1に記載の1−ブテン共重合体。
  3. 1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜96.2モル%であり、前記オレフィン由来の構成単位の総含有量(K)が3.8〜10.0モル%である請求項1に記載の1−ブテン共重合体。
  4. さらに下記要件(iv)を満たす請求項1〜3の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体。
    (iv)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.5〜20.0の範囲にあること。
  5. さらに下記要件(v)を満たす請求項1〜4の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体。
    (v)JIS K7113に準拠して、引張速度30mm/min、測定温度23℃における引張試験により測定した降伏点応力(YS)が16.0MPa以上であること。
  6. さらに下記要件(vi)を満たす請求項1〜5の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体。
    (vi)示差走査型熱量計により測定した95%結晶転移完了時間が45時間以下であること。
  7. 前記エチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンがプロピレンである請求項1〜6の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体。
  8. 前記エチレンおよび炭素数3〜20の1−ブテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンがエチレンである請求項1〜6の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体。
  9. 1−ブテン由来の構成単位の含有量が90.0〜97.0モル%であり、前記総含有量(K)が3.0〜10.0モル%であり、かつ、135℃、デカリン溶媒中の極限粘度[η]が2.0〜5.5dl/gの範囲にある重合体を含む、請求項1に記載の1−ブテン共重合体。
  10. 135℃、デカリン溶媒中の極限粘度[η]が0.5〜1.5dl/gの範囲にある1−ブテン単独重合体をさらに含む、請求項9に記載の1−ブテン共重合体。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体を含む重合体組成物。
  12. 請求項1〜10の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体に核剤を含む重合体組成物。
  13. 請求項11または12に記載の1−ブテン共重合体を含む重合体組成物のうち、キャピログラフでの190℃の測定においてせん断粘度が65,000Pa以下である組成物。
  14. 請求項1〜10の何れか1項に記載の1−ブテン共重合体または請求項11〜13の何れか1項に記載の重合体組成物から形成された成形体。
  15. パイプまたはパイプ継手である請求項14に記載の成形体。
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