JP2019205246A - インシュレータ、電機子、回転電機、巻線治具、及び巻線方法 - Google Patents

インシュレータ、電機子、回転電機、巻線治具、及び巻線方法 Download PDF

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一弘 庄野
太一 徳久
Taichi Tokuhisa
太一 徳久
裕貴 田村
Yuki Tamura
裕貴 田村
良平 宇野
Ryohei Uno
良平 宇野
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Abstract

【課題】径の異なるコイル線に対応してコイル線の整列巻きを容易にする複数種の巻線治具と組み合わせて使用されるインシュレータを提供する。
【解決手段】分割鉄心5に装着されて、分割鉄心5に巻回されるコイル線と分割鉄心5の間を電気的に絶縁するとともに、分割鉄心5の回転軸X方向の端面に当接する部位に、外面が開放された穴部7fを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、インシュレータ、電機子、回転電機、巻線治具、及び巻線方法に関する。
電機子は、回転電機において、磁界を発生させる電磁石を備える構成部品である。回転電機のハウジングに固定される電機子は固定子と呼ばれ、回転電機のハウジングに軸支されて、ハウジングに対して自在に回転する電機子は回転子と呼ばれる。
電機子は、電機子鉄心にコイル線を巻き回して構成される。電機子鉄心には、インシュレータが装着されて、コイル線と鉄心の間を電気的に絶縁している。
市場においては、回転電機の小型化、高出力化、及び高効率化が求められている。回転電機を高効率化するためには、コイル線の径を大きくして、銅損を低下させることが有効である。しかしながら、径の大きいコイル線を漫然と、巻き回すと、巻き回されたコイル線の間に隙間が生じるので、コイルの断面積が大きくなり、そのために、電機子の断面積が大きくなるという問題が生じる。その結果、回転電機の外形が大型化するという問題が生じる。
そこで、電機子鉄心にコイル線を規則正しく巻き回して、巻き回されたコイル線の間の隙間を小さくして、コイルの断面積を小さくすることが行われている。また、コイル線の整列巻きを容易にする技術が求められていて、かかる技術に関係する複数の特許出願が既に公開されている。
例えば、特許文献1には、電機子鉄心のティース部の両側面と両端面を囲む部分にコイル線を所定の位置に誘導して、その位置に保持する溝を設けたインシュレータが開示されている。
特許文献1に記載のインシュレータを電機子鉄心に装着すれば、1層目においては、インシュレータの溝に嵌合するようにコイル線を巻き回すことによって、コイル線を容易に整列巻きできる。2層目以上においては、整列巻きされた下層のコイル線の間の谷間にコイル線を落とし込むことによって、コイル線を容易に整列巻きできる。
特許文献2には、電機子鉄心の軸方向両端面にインシュレータを配置するとともに、インシュレータの、巻線時にコイル線が掛かり始める側の角部に、第1層目の巻始めから巻終りまでの全てのコイル線を保持するコイル保持溝を有することが開示されている。
特許文献2に記載の発明を電機子鉄心に装着すれば、コイル保持溝に嵌合するようにコイル線を巻き回すことによって、コイル線を容易に整列巻きできる。
特開2005−229703号公報 特開2010−279241号公報
特許文献1及び特許文献2に記載の発明においては、鉄心に巻き回されるコイル線がぴったり収まるようなサイズの溝をインシュレータに形成する必要がある。溝の幅がコイル線の径より小さければ、コイル線は溝の中に収まらないし、溝の幅がコイル線の径より大きければ、コイル線を所望の位置に保持できないからである。そのため、特許文献1及び特許文献2に記載の発明においては、コイル線の径毎に専用のインシュレータを製造して、電機子鉄心に装着する必要がある。
電動機に供給される三相交流の電圧は、使用される国や地域で、200Vから600Vの範囲で様々に異なっている。そのため、同一の電機子鉄心を使用する回転電機であっても、仕向地毎に、コイル線の径と巻き数が異なる複数種の製品が製造される。
このような回転電機に、特許文献1あるいは特許文献2に記載の発明を適用すると、仕向地毎に専用のインシュレータを製造する必要がある。また、インシュレータは樹脂成型によって製造されるので、コイル線の径毎に専用の成形型を必要とする。成形型は高価なものである。そのため、製品の仕向地毎に専用インシュレータを製造しようとするとコストが嵩むという問題が生じる。
本発明は、このような背景の下でなされたものであり、コイル線の整列巻きを容易にする複数種の巻線治具と組み合わせて使用されるインシュレータを提供するものである。かかるインシュレータと組み合わせて使用される巻線治具を提供するものである。
また、本発明は、コイル線を高密度に巻線する巻線方法を提供するものである。さらに、高密度で巻線されたコイルを備える電機子であって、安価に製造できる電機子を提供するものである。小型で高効率が得られる回転電機であって、安価に製造できる回転電機を提供するものである。そして、高密度で巻線されたコイルを備える電機子を安価に製造できる巻線方法を提供するものである。
本発明に係るインシュレータは、電機子鉄心に装着されて、電機子鉄心に巻回されるコイル線と電機子鉄心の間を電気的に絶縁するとともに、電機子鉄心の回転軸方向の端面に当接する部位に、外面が開放された穴部を備えるものである。
本発明に係るインシュレータは、電機子鉄心の回転軸方向の端面に当接する部位に、外面が開放された穴部を備えていて、インシュレータを電機子鉄心に装着した後で、穴部にコイル線の整列巻きを容易にする巻線治具を挿入して、コイル線を巻き回すことができる。そのため、本発明に係るインシュレータは、コイル線の径に適合する専用の巻線治具を必要とする場合に、当該専用の巻線治具を穴部に挿入して、コイル線を巻き回すことができる。
そのため、本発明によれば、電機子あるいは回転電機の製造に当たって、コイル線の径毎に専用のインシュレータを製造する必要がないので、電機子と回転電機の製造コストを削減することができる。したがって、本発明によれば、高密度で巻線されたコイルを備える電機子を安価に製造することができる。小型で高効率が得られる回転電機を安価に製造することができる。
本発明の実施の形態に係る電動機の構成を示す平面図 図1に記載の電動機が備える分割鉄心とインシュレータの構成を示す斜視図 図2に記載の上部エンドホルダの構成を示す図であって、(A)は上部エンドホルダの平面図、(B)は上部エンドホルダを(A)においてAA’線で示す断面で切断した断面図 本発明の実施の形態に係る巻線治具の構成を示す図であって、(A)は巻線治具の平面図、(B)は巻線治具の側面図 分割鉄心に上部エンドホルダと巻線治具を取り付けた状態を示す図であって、(A)は分割鉄心の平面図、(B)と(C)は、分割鉄心を(A)においてAA’線で示す断面で切断した断面図 本発明に係る巻線方法を説明する図であって、(A)〜(D)は、分割鉄心にインシュレータと巻線治具を装着する過程を時系列に沿って示す図 本発明に係る巻線方法を説明する図であって、(A)〜(C)は、第1層の巻線を施す過程を時系列に沿って示す図 本発明に係る巻線方法を説明する図であって、(A)〜(C)は、第2層の巻線からコイルが完成するまでの過程を時系列に沿って示す図 本発明の変形例に係るインシュレータの形態を示す図であって、図3(B)に対応する断面図 本発明の変形例に係る巻線治具の形態と作用を示す図であって、(A)は巻線治具の形態を示す平面図、(B)は巻線治具の作用を示す平面図
以下、本発明の実施の形態に係るインシュレータ、巻線治具、及び巻線方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面においては、同一または同等の部分に同一の符号を付している。
図1は、本発明の実施の形態に係る電動機1の構成を示す平面図である。電動機1は、本発明に係る回転電機の例示であって、図1に示すように、円環状の断面形を有するケーシング2と、ケーシング2の内部に固定された固定子3と、固定子3の内径側に配置された回転子4と、を備えている。固定子3は、9個の分割鉄心5を環状に配列して構成されている。そして、分割鉄心5にはインシュレータ6が装着されていて、インシュレータ6の周りには図示しないコイル線が巻き回されている。インシュレータ6は分割鉄心5を図示しないコイル線から電気的に絶縁している。なお、回転子4は、図示しないブラケットに軸支されて、回転軸周りに自在に回転する。
図2は、電動機1が備える分割鉄心5とインシュレータ6の構成を示す斜視図である。図2に示すように、分割鉄心5は、ヨーク部5aと、ヨーク部5aから回転軸X方向に突出するティース部5bと、を備えている。インシュレータ6は、分割鉄心5の回転軸X方向の端面に装着される上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8とで構成される。また、上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8の間には、絶縁紙9が装着されて、分割鉄心5の側面を覆っている。なお、上記において、「上/下」は、便宜上の表現であって、絶対的なものではない。つまり、電動機1は、常に、上部エンドホルダ7が下部エンドホルダ8の上方に位置するような姿勢で設置されて、使用されるものではない。電動機1は、常に、回転軸Xが垂直になるような姿勢で設置されて、使用されるものではない。電動機1は、必要に応じて、様々な姿勢で設置されて、使用される。
上部エンドホルダ7は、ヨーク部5aに当接する外径側フランジ7aと、ティース部5bの内径側の端部に当接する内径側フランジ7bと、外径側フランジ7aと内径側フランジ7bの間にあって、ティース部5bの上端面に当接する中間部7cと、を備えている。外径側フランジ7aには、外径側フランジ7aを径方向、つまりティース部5bの長さ方向に貫く外径側開口7dが形成されている。内径側フランジ7bには、内径側フランジ7bを径方向、つまりティース部5bの長さ方向に貫く内径側開口7eが形成されている。また、中間部7cには、分割鉄心5の半径方向に走る穴部7fが形成されている。
下部エンドホルダ8も、上部エンドホルダ7と同様に構成されている。すなわち、下部エンドホルダ8は、ヨーク部5aに当接する外径側フランジ8aと、ティース部5bの内径側の端部に当接する内径側フランジ8bと、外径側フランジ8aと内径側フランジ8bの間にあって、ティース部5bの下端面に当接する中間部8cと、を備えている。外径側フランジ8aには、外径側フランジ8aを径方向、つまりティース部5bの長さ方向に貫く外径側開口8dが形成されている。内径側フランジ8bには、内径側フランジ8bを径方向、つまりティース部5bの長さ方向に貫く内径側開口8eが形成されている。また、中間部8cには、分割鉄心5の半径方向に走る穴部8fが形成されている。
なお、上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂のような電気的な絶縁性を有する樹脂材料で構成されている。
図3(A)は、上部エンドホルダ7の平面図であり、図3(B)は上部エンドホルダ7を図3(A)においてAA’線で示す断面で切断した断面図である。図3(A)と図3(B)に示すように、上部エンドホルダ7の中間部7cは、2つの部分に分割されていて、ティース部5bの断面形の角部を覆っている。そして中間部7cの間に、穴部7fが形成されている。つまり、穴部7fは、上部エンドホルダ7のティース部5bの端面に当接する部位の一部を切り欠いて形成されている。そのため、穴部7fは、上部エンドホルダ7のティース部5bの端面に当接する部位の外面と、当該部位の内面の間を貫通している。また、上部エンドホルダ7のティース部5bの端面に当接する部位は、穴部7fにおいて、外面が開放されている。
また、外径側開口7dと内径側開口7eは、穴部7fと連絡している。そのため、図3(B)において、穴部7fの中に収まるような断面形を有する物体であれは、外径側開口7dあるいは内径側開口7eを通して穴部7fに、その物体を出し入れすることができる。
なお、下部エンドホルダ8も上部エンドホルダ7と同様に構成されている。すなわち、下部エンドホルダ8の中間部8cも、2つの部分に分割されていて、ティース部5bの断面形の角部を覆っている。そして中間部8cの間に、穴部8fが形成されている。つまり、穴部8fは、下部エンドホルダ8のティース部5bの端面に当接する部位の一部を切り欠いて形成されている。そのため、穴部8fは、下部エンドホルダ8のティース部5bの端面に当接する部位の外面と、当該部位の内面の間を貫通している。また、下部エンドホルダ8のティース部5bの端面に当接する部位は、穴部8fにおいて、外面が開放されている。
また、外径側開口8dと内径側開口8eは、穴部8fと連絡している。そのため、穴部8fの中に収まるような断面形を有する物体であれは、外径側開口8dあるいは内径側開口8eを通して穴部8fに、その物体を出し入れすることができる。
インシュレータ6は、図4(A)と図4(B)に示す巻線治具10と組み合わせて使用される。なお、図4(A)は、巻線治具10の平面図であり、図4(B)は巻線治具10の側面図である。
巻線治具10は、図4(A)と図4(B)に示すような、複数本のコイル線保持溝10aが形成された板状の部材である。コイル線保持溝10aは、コイル線11を保持する溝であって、図4(B)に示すように、コイル線11の断面の一部が収まるような凹みを備えている。つまり、コイル線保持溝10aの凹みの寸法と形状は、コイル線11の断面の一部が収まるように選ばれている。また、複数のコイル線保持溝10aは、コイル線保持溝10aに保持されたコイル線11が、殆ど隙間なく配列されるように、等間隔に配列されている。つまり、コイル線保持溝10aは、コイル線11の直径に微小の余裕を加えた間隔で配置されている。そのため、コイル線保持溝10aの寸法と形状と間隔は、コイル線11の径毎に異なる。したがって、径の異なるコイル線11が複数種、存在する場合、各線種毎に専用の巻線治具10が準備される。しかしながら、巻線治具10の外形寸法は共通するので、対応するコイル線11の線種が異なる巻線治具10であっても、共通のインシュレータ6に装着して使用することができる。なお、コイル線11は、導体を絶縁被覆で覆った被覆線である。
図5(A)は、分割鉄心5に上部エンドホルダ7と巻線治具10を取り付けた状態を示す平面図である。図5(B)と図5(C)は、分割鉄心5を、図5(A)においてAA’線で示す断面で切断した断面図である。巻線治具10は、図示しないホルダに上下方向にスライド自在に保持されて、図5(A)と図5(B)に示すように、内径側開口7eから穴部7fに挿入される。そして、ホルダは分割鉄心5に固定される。その後で、巻線治具10を、ホルダに対してスライドさせて、ティース5bから離す方向に、つまり、巻線治具10を図5(B)において上方に移動させると、図5(C)に示すように、巻線治具10のコイル線保持溝10aが穴部7fの外に露出する。
次に、図6〜図8を参照して、巻線治具10を使用して行う巻線方法を説明する。まず、図6(A)に示す分割鉄心5に、図6(B)と図6(C)に示すように、インシュレータ6と巻線治具10を装着する。この時、巻線治具10は、図6(B)に示すような治具ホルダ12に取り付けて使用される。治具ホルダ12は巻線治具10を、図6(B)において矢印で示す方向にスライド自在に保持するホルダである。また、治具ホルダ12は、一対の保持爪12aを備えていて、次に、図6(C)に示すように、巻線治具10を上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8に挿入すると、一対の保持爪12aが分割鉄心5を挟持する。その結果、治具ホルダ12は分割鉄心5に固定される。そして、治具ホルダ12における巻線治具10の固定を解除して、図6(D)に示すように、巻線治具10を治具ホルダ12に対してスライドさせて、コイル線保持溝10aを上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8の外部に露出させる。そして、再度、巻線治具10を治具ホルダ12に固定する。
分割鉄心5にインシュレータ6と巻線治具10を取り付けて、図6(D)に示す形態にしたら、図7(A)に示すように、分割鉄心5を巻線機13に固定して、コイル線11を分割鉄心5のティース部5bに巻き回す。コイル線11の巻き回しは、コイル線11をヨーク部5a寄りの端部からティース部5bの先端に向かって移動させながら行う。図7(A)に示すように、コイル線保持溝10aが上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8の外側に露出している。そのため、ティース部5bのヨーク部5a寄りの端部からコイル線11を巻き始めると、コイル線11は、ヨーク部5a寄りの端部に配置されたコイル線保持溝10aに導かれて、当該コイル線保持溝10aに保持される。なお、コイル線保持溝10aは波形の断面形を有しているので、コイル線11が波形の斜面に当接すると、コイル線11は波形の断面形の中央部に導かれる。つまりコイル線11はコイル線保持溝10aの底に導かれる。そのため、巻線機13の動作に多少の誤差があっても、コイル線11はコイル線保持溝10aに対して正確に位置決めされる。
その後、コイル線11の巻き回しを続けると、図7(B)に示すように、コイル線11は、先にコイル線11が保持されたコイル線保持溝10aに隣接するコイル線保持溝10aに順次、導かれて、そこで保持される。そして、更に、コイル線11の巻き回しを続けると、図7(C)に示すように、1層目の巻線が完成する。前述したように、コイル線11はコイル線保持溝10aに導かれて、正確に位置決めされる。そのため、仮に、巻線機13の動作に多少の誤差があっても、図7(C)に示すような整列巻きが完成する。
1層目の巻線が完成したら、図8(A)に示すように、2層目の巻線を行う。2層目の巻線は、コイル線11を、1層目とは逆方向に、つまり、ティース部5bの先端からヨーク部5a寄りの端部に向かって順に、巻き回して行う。また、2層目の巻線は、コイル線11を、1層目の巻線において隣接するコイル線11の間の谷間に落とし込むようにして行われる。つまり、2層目の巻線工程におけるコイル線11の巻き回しは、1層目の巻線に倣ってなされる。そのため、仮に、巻線機13の動作に多少の誤差があったとしても、十分に正確な整列巻がなされる。
その後、3層目以降の巻線においても、先に巻き回された層の巻線に倣って、コイル線11の巻き回しがされ、その結果、各層において、十分に正確な整列巻がなされる。そして、コイル線11の巻き回しが終了して、コイル14が完成したら、図8(B)に示すように、分割鉄心5を巻線機13から取り外す。その後、図8(C)に示すように、分割鉄心5から巻線治具10を取り外す。
(変形例1)
上部エンドホルダ7が備える穴部7fの形態は図3(B)に図示されたものには限定されない。すなわち、穴部7fは、上部エンドホルダ7のティース部5bの端面に当接する部位の外面と、当該部位の内面の間を貫通する貫通穴には限定されない。穴部7fは、上部エンドホルダ7のティース部5bの端面に当接する部位の外面において開放されていれば、十分である。したがって、穴部7fは、図9に示すような形態を備えていても良い。すなわち、図9に示すように、中間部7cの中央部において肉厚Tを薄くして薄肉部7gを形成して、薄肉部7gの上方に穴部7fが形成されるようにしても良い。つまり、穴部7fは、上部エンドホルダ7のティース部5bの端面に当接する部位の外面と、当該部位の内面の間を貫通しない有底穴であっても良い。同様に、穴部8fも、下部エンドホルダ8のティース部5bの端面に当接する部位の外面と、当該部位の内面の間を貫通しない有底穴であっても良い。なお、この場合も、穴部7fと穴部8fは断面形において、巻線治具10の全体が穴部7fと穴部8fの内部に収まる寸法と形状を必要とする。つまり図5(B)に示す形態を取り得る寸法と形状を必要とする。
(変形例2)
巻線治具10の形態は図4に図示されたものには限定されない。すなわち、巻線治具10は、コイル線保持溝10aが、巻線治具10の長手方向に対して、直交する方向に形成されたものには限定されない。巻線治具10は、図10(A)に示すように、コイル線保持溝10aが、巻線治具10の長手方向に対して、斜めに交差する方向に形成されても良い。このように、コイル線保持溝10aを巻線治具10の長手方向に対して斜めに形成すれば、図10(B)に示すように、走るものものであっても良い。巻線治具10の形態を図10に示すようなものにすれば、ティース部5bの上端面において、コイル線11を斜めに巻き回して、巻線位置を移動させることができる。すなわち、上記実施の形態で示した長辺クロスの整列巻よりも、高密度で小型化が可能な短辺クロスの整列巻を行うことができる。
以上説明したように、インシュレータ6は、穴部7f,8fを備えていて、インシュレータ6を分割鉄心5に装着した後で、穴部7f,8fに巻線治具10を装着することができる。また、分割鉄心5に巻き回されるコイル線11が複数種あって、それぞれ径が異なる場合には、径毎に専用の巻線治具10を必要とするが、巻線治具10の外形寸法は共通する。そのため、分割鉄心5が同一で、コイル線11の径が異なる電動機1の機種が複数、存在する場合に、全ての機種において、インシュレータ6を共通化することができる。つまり、機種毎に形状と寸法の異なる、当該機種専用のインシュレータ6を使用する必要がない。その結果、電動機1の製造コストを削減できる。
このように、本発明によれば、径の異なる様々なコイル線に対応できる汎用性を備えるインシュレータであって、巻線治具と組み合されて整列巻を容易にするインシュレータが提供される。その結果、回転電機の小型化と高出力化を容易にすることができる。加えて、回転電機の製造コストを削減することができる。
しかしながら、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態と変形例によっては限定されない。本発明は特許請求の範囲に記載された技術的思想の限りにおいて、自由に応用、変形あるいは改良して、実施することができる。
インシュレータ6の機械的構成は、上記実施の形態に例示されたものには限定されない。つまり、インシュレータ6は、上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8とで構成されて、絶縁紙9と組み合わせて分割鉄心5に取り付けられるものには限定されない。上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8が互いに連結されるようにインシュレータ6を構成すれば、絶縁紙9を省くことができる。あるいは、上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8を一体に構成しても良い。
上記実施の形態に示した上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8の外形は、例示であって、これらは例示されたものには限定されない。また、図3(B)において、ティース部5bを構成する積層板のうち、端部にあるものの幅を狭くして、ティース部5bの幅が狭くなった部分に、上部エンドホルダ7を被せた例を示しているが、上部エンドホルダ7とティース部5bの形状は、このようなものには限定されない。
また、インシュレータ6に、外径側開口7d,8dと内径側開口7e,8eを備えて、内径側開口7e,8eから巻線治具10を挿入する例を示したが、インシュレータ6は、このようなものには限定されない。巻線治具10が外径側開口7d,8dから挿入されるようにしても良い。また、インシュレータ6は外径側開口7d,8dと内径側開口7e,8eのいずれか一方を備えていれば良い。
なお、インシュレータ6に外径側開口7d,8dと内径側開口7e,8eの両方を備えれば、これらは、電動機1を冷却する空気を通す流路として機能するので、冷却空気が流れやすくなる。そのため、インシュレータ6に外径側開口7d,8dと内径側開口7e,8eの両方を備えれば、電動機1の冷却性能が向上する。
インシュレータ6を分割鉄心5に装着する方法は、特に限定されない。前述したように、事前に成形された上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8を分割鉄心5に取り付けても良い。あるいは、樹脂成形型の中に分割鉄心5を入れて、その後に、樹脂成形型に樹脂材料を注入して、分割鉄心5の周囲に、上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8にそれぞれ相当する部位を備えるインシュレータ6を一体成形するようにしても良い。
上記実施の形態においては、インシュレータ6の素材として、PPSを例示したが、インシュレータ6の素材はPPSには限定されない。インシュレータ6は、ポリブチレンテレフタレート、あるいはリキッドクリスタルポリマー、あるいはその他の樹脂で構成されても良い。また、インシュレータ6を構成する樹脂にガラス繊維を混合して強度を増すようにしても良い。
また、図4及び図10に示した、巻線治具10の外形は例示であって、巻線治具10は図4及び図10に示した外形を有するものには限定されない。特に、巻線治具10の幅は、図4(A)と図10(A)に示されたものには限定されない。巻線治具10は、幅が狭いものであっても良い。また、図4(B)に示した、コイル線保持溝10aの形状は例示であって、コイル線保持溝10aは、図4(B)に例示された形状を有するものには限定されない。なお、コイル線保持溝10aの断面形において、隅部にR処理を行えば、つまり隅部を丸めてエッジを除去すれば、エッジの欠けが生じないので、コイル線保持溝10aの長寿命化が期待できる。また、隅部を丸めてエッジを除去すれば、巻線時にコイル線11がエッジで擦れて、コイル線11の被覆が傷つくことがない。
また、巻線治具10をスライドさせて、コイル線保持溝10aを穴部7fの外に露出させた後で、つまり図5(C)又は図6(D)に示す状態にした後で、別の部材を、外径側開口7d,8d又は内径側開口7e,8eから差し込んで、巻線治具10と分割鉄心5の間に押し込むようにしても良い。このように別の部材を巻線治具10と分割鉄心5の間に押し込めば、巻線作業中の巻線治具10の変位が抑制される。
なお、巻線治具10を構成する素材は特に限定されない。巻線治具10は、SUSあるいはその他の鉄系材料、黄銅、あるいはMCナイロンのような樹脂材料、あるいはその他材料を、適宜、選択して製造することができる。
上記実施の形態においては、上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8の両方に、それぞれ巻線治具10を挿入する例を示したが、本発明に係る巻線方法は、上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8の両方に、それぞれ巻線治具10を挿入して行うものには限定されない。上部エンドホルダ7あるいは下部エンドホルダ8のいずれか一方に、巻線治具10を挿入して、コイル線11を分割鉄心5に巻き回すようにしても良い。
また、上記実施の形態においては、巻線治具10が治具ホルダ12にスライド自在に取り付けられる例を示した。そして、上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8に巻線治具10を挿入した後で、巻線治具10を治具ホルダ12に対してスライドさせる例を示した。しかしながら、巻線治具10は、治具ホルダ12にスライド自在に取り付けられるものには限定されない。巻線治具10は、巻線治具10の長さ方向に延びる回転軸周りに回転自在に治具ホルダ12に取り付けられるものであっても良い。そして、巻線治具10は、上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8に挿入された後で、回転軸周りに回転させることによって、コイル線保持溝10aが上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8の外部に露出されるものであっても良い。この場合、巻線治具10を逆方向に回転させれば、コイル線保持溝10aは上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8の内部に引き戻される。
また、上記実施の形態においては、上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8に、それぞれ巻線治具10を1本ずつ挿入する例を示したが、本発明に係る巻線方法は、上部エンドホルダ7と下部エンドホルダ8に、それぞれ巻線治具10を1本ずつ挿入して行うものには限定されない。上部エンドホルダ7あるいは下部エンドホルダ8に、複数本の巻線治具10を挿入して、コイル線11を分割鉄心5に巻き回すようにしても良い。例えば、上部エンドホルダ7に2本の穴部7fを備えて、2本の穴部7fのそれぞれに、巻線治具10を挿入するようにしても良い。
本発明に係る巻線方法の実施において使用される巻線機13の形式あるいは形態は特に限定されない。また、分割鉄心5を巻線機13に固定する手段は特に限定されない。分割鉄心5の形状に適合するように適宜設計されたクランプ装置を巻線機13に備えれば良い。また、治具ホルダ12と巻線治具10を巻線機13に取り付けて、巻線治具10の着脱を巻線機13が自動的に行うようにしても良い。この場合、巻線治具10の分割鉄心5からの取り外しは、分割鉄心5の巻線機13からの取り外しと同時に、あるいは、分割鉄心5の巻線機13からの取り外す前に、行われる。
上記実施の形態においては、本発明が分割鉄心5に適用される例を示したが、本発明が適用される電機子鉄心は、分割鉄心5には限定されない。本発明が適用される電機子鉄心は、一体型の電機子鉄心であっても良い。また、上記実施形態においては、分割鉄心5にヨーク部5aとティース部5bを備える例を示したが、本発明が適用される電機子鉄心は、ヨーク部5aとティース部5bを備える電機子鉄心には限定されない。本発明は、様々な形態あるいは形式の電機子鉄心に適用される。
インシュレータ6が装着される鉄心は、分割鉄心5のような、電動機1の固定子3を構成する電機子鉄心には限定されない。インシュレータ6が装着される鉄心は電動機1の回転子鉄心であっても良いし、発電機の固定子鉄心あるいは回転子鉄心あっても良い。あるいは、インシュレータ6はリニアモータを構成する鉄心に装着されても良いし、変圧器の鉄心に装着されても良い。
本発明に係る回転電機の具体例として、インナーロータ型の電動機1を例示したが、本発明に係る回転電機はインナーロータ型の電動機1には限定されない。本発明に係る回転電機は発電機であっても良いし、アウターロータ型の電動機又は発電機であっても良い。要するに、本発明に係る回転電機の全体及び細部の構成は任意に選択することができる。
1 電動機、2 ケーシング、3 固定子、4 回転子、5 分割鉄心、5a ヨーク部、5b ティース部、6 インシュレータ、7 上部エンドホルダ、7a 外径側フランジ、7b 内径側フランジ、7c 中間部、7d 外径側開口、7e 内径側開口、7f 穴部、7g 薄肉部、8 下部エンドホルダ、8a 外径側フランジ、8b 内径側フランジ、8c 中間部、8d 外径側開口、8e 内径側開口、8f 穴部、9 絶縁紙、10 巻線治具、10a コイル線保持溝、11 コイル線、12 治具ホルダ、12a 保持爪、13 巻線機、14 コイル

Claims (10)

  1. 電機子鉄心に装着されて、前記電機子鉄心に巻回されるコイル線と前記電機子鉄心の間を電気的に絶縁するとともに、
    前記電機子鉄心の回転軸方向の端面に当接する部位に、外面が開放された穴部を備える、
    インシュレータ。
  2. 前記穴部は、前記インシュレータの、前記電機子鉄心のティース部の端面に当接する部位に形成されている、
    請求項1に記載のインシュレータ。
  3. 前記穴部は、前記インシュレータの、前記ティース部の端面に当接する部位を貫通する貫通穴である、
    請求項2に記載のインシュレータ。
  4. 前記穴部は、前記インシュレータの前記ティース部の端面に当接する部位を貫通しない有底穴である、
    請求項2に記載のインシュレータ。
  5. 前記インシュレータは、
    前記ティース部の端面に当接する部位の外径側にあって、前記部位に接続される外径側フランジを備え、
    前記外径側フランジは、
    前記外径側フランジを径方向に貫通して、前記穴部と連絡する外径側開口を備える、
    請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のインシュレータ。
  6. 前記インシュレータは、
    前記ティース部の端面に当接する部位の内径側にあって、前記部位に接続される内径側フランジを備え、
    前記内径側フランジは、
    前記内径側フランジを径方向に貫通して、前記穴部と連絡する内径側開口を備える、
    請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のインシュレータ。
  7. 複数個の分割鉄心を組み合わせて構成されるとともに、
    前記分割鉄心のそれぞれに、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインシュレータが装着されている、
    電機子。
  8. 請求項7に記載の電機子を備える、
    回転電機。
  9. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインシュレータが装着された電機子鉄心にコイル線を巻き回す際に、前記インシュレータの前記穴部に挿入されて使用される巻線治具であって、
    前記コイル線を保持するコイル線保持溝が形成されている、
    巻線治具。
  10. 電機子鉄心に装着された、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインシュレータの穴部に、請求項9に記載の巻線治具を挿入する工程と、
    前記巻線治具が備えるコイル線保持溝に沿って前記コイル線を前記電機子鉄心に巻き回し、その後、先に巻き回された前記コイル線に沿って前記コイル線を電機子鉄心に巻き回す工程と、
    前記コイル線の巻き回しの完了後に、前記巻線治具を前記電機子鉄心から引き抜く工程と、を有する、
    巻線方法。
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