JP2937401B2 - フィリング材の製造方法 - Google Patents

フィリング材の製造方法

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真理子 川村
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は、機械に注入がし易く、かつ耐熱性にすぐれ
たフィリング材に係るものであり、このフィリング材を
使用した菓子類は夏季の高温状態においてもフィリング
が生地にしみたり、流れ出したりせず、商品価値が失わ
れない。
(b)従来の技術 本発明でいう油中固型分分散物とは、油脂類に不溶性
の成分、例えば糖類、タンパク質、でんぷん類、ナッツ
類その他の粉末またはペーストが油脂中に分散したもの
であり、菓子類などのフィリング材として使用される。
従来このような油中固型分分散物に関しては、例えば特
開平1−285154号公報が知られており、それによると溶
解状態にした油中微粒子分散型食品を急冷捏和し、次い
で該食品に不活性気体を導入、攪拌混合して微細な気泡
を均一に分散させるという方法である。しかしながらこ
の方法による製品は耐熱性が必ずしも十分でないという
難点がある。即ち菓子類は夏季には、流通過程などにお
いて40℃以上の高温にさらされることがあるが、耐熱性
のないフィリング材を使用した菓子類は、この高温でフ
ィリングが生地にしみたり、流れ出したりして商品価値
を著しく損なうおそれがある。一方、単に耐熱性を向上
させようとすると、機械による注入性が損なわれたり、
口溶けが悪いため風味上問題があるなどの難点を生ず
る。
(c)発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、従来品に比べ耐熱性に優れ、しかも
機械による注入がし易く、口溶けも良好なフィリング材
を提供することにある。
(d)課題を解決するための手段 即ち本発明は、SFCが10℃で20%以下、40℃で3%以
上の油脂が完全に溶解した状態の油中固型分分散物に不
活性ガスを導入しながら混練機の出口における品温が8
〜15℃となるよう急冷混練し、気泡を均一に分散させる
ことを特徴とするフィリング材の製造方法である。
本発明で用いられる油脂としては天然の動植物油脂お
よびこれらにエステル交換、水素添加、分別などの処理
を施した加工油脂を10℃におけるSFC(固形脂含有率)
が20%以下、40℃におけるSFCが3%以上となるよう、
原料の油脂分のSFCをもとに適宜配合したものが挙げら
れる。10℃でのSFCが20%を超えると、フィリング材の
低温での注入適性が悪くなり、40℃におけるSFCが3%
未満となるような油脂ではフィリングの耐熱性が著しく
劣る。
本発明で用いられる固型分とは、油脂類に不溶性の成
分、例えば糖類、タンパク質、でんぷん類、ナッツ類そ
の他の粉末またはペーストのことを言い、これらを適宜
配合して用いることができる。これらの固型分からの水
分はフィリング全体の5%以内とすることが好ましい。
この固型分の平均粒径は40μm以下、好ましくは30μm
以下が望ましい。平均粒径が40μmを超えるとフィリン
グにざらつきが生じるばかりか油脂との接触表面積が少
なくなることによって、高温でのオイルオフを生じ易く
なる。
油脂と固型分の重量比は3:7〜7:3が望ましい。油脂の
比率がこれ以上であると耐熱性が劣り、これ以下である
と食感が十分でなくまた機能適性も悪くなる傾向があ
る。
次に本発明の製造方法の詳細について述べる。
まず油脂を完全に溶解してその一部または全部を固型
分と混合する。次にこの混合物に対し微粉砕処理を行
う。この処理機は従来よりチョコレート製造に使用され
ている微粉砕処理機を用いることができ、ロールリファ
イナー,マッキンタイヤーミキサー,ボールミルその他
を使用する。混合物の粒子径は前述の如く40μm以下が
好ましい。微粉砕された混合物、即ち油中固型分分散物
を次いで約60℃に加熱し、ロールリファイナーを使用し
た場合は、残りの油脂を加え、均一な状態になるよう、
ゆるやかに攪拌し、必要に応じてフレーバーおよびまた
はチャンク類を加える。ここでいうチャンク類とは、ナ
ッツ類、その他のことで大きさは直径が3〜10mmのもの
が望ましい。次に不活性ガスを導入しながら急冷混練す
る。本発明で用いられる不活性ガスとは、窒素ガス、二
酸化炭素、空気等の無色無臭無害な気体が挙げられる。
この不活性ガスは、急冷混練工程へ向かう一定量の油中
固型分分散物の流れの中に一定流量で導入することが好
ましく不活性ガスのガス量は10〜40%が適当である。こ
の範囲に入らないと注入、充填時の機械適性が悪くなる
傾向があり、またフィリング材の食感も十分でない。不
活性ガスのガス量は、固型分分散物の流量と不活性ガス
の流量とを調整することによって決めることができる。
この不活性ガスを導入する際の圧力は、急冷混練工程に
おける系内圧力に比べて0.5〜2.5kg/cm2高いことが望ま
しい。不活性ガス圧が系内圧に近すぎると順調にガスが
導入され難く、差圧が2.5kg/cm2を超えると導入される
気泡が大きく粗いものとなる。
急冷混練を行うための機械としては、ショートニン
グ、マーガリンの製造に使用される、かきとり式熱交換
機であるオンレーター、コンビネーターなどがあげられ
るが好ましくは、チャンク類を混合してもそのチャンク
類が粉砕されないために、かきとり式熱交換機の内面と
ローター部分のクリアランスが大きいもの、例えばアル
ファ・ラバル社のコンサームその他が望ましい。
急冷混練時の急冷方法としては、通常のマーガリン、
ショートニングと同様にブライン、フロン等を使用して
行う。急冷混練された製品の混練機出口における品温は
8〜15℃とする。15℃を超えると油脂中の高融点部分が
十分に微細結晶となることができず製品がやわらかな状
態で気泡がぬけやすくなるばかりか、場合によっては経
時的に粗大結晶が現れ、製品価値が失われることもあ
る。また8℃未満では製品が固くなりすぎてガスの導入
に不都合を生じる。製品によっては、急冷混練後に10℃
以下の温度でエージング、テンパリング処理を適宜行
う。
(e)実施例および比較例 実施例および比較例で用いる主な油脂のSFCを下表に
示す。下記の実施例はこの値をもとに適宜配合し、SFC
が所定の値になるよう調整したものである。
実施例1 まず表−1の配合の内アーモンドチャンク、香料をの
ぞき溶解した油脂(SFCが10℃で10.5%、40℃で6.0%)
とのこりの固型分を加えマッキンタイヤーミキサーによ
り摩砕した。その時の平均粒子径は20μmであった。こ
の固型分分散物を55〜60℃に保ちながら、含気しないよ
うゆるやかな攪拌を加えながら、アーモンドチャンク、
香料を加え均一な状態とした。次いでこのものにアルフ
ァ・ラバル社のコンサームを使用して窒素ガスを導入し
ながら、表−2の製造条件で急冷混練を行った。できあ
がったフィリング材はガス量18%で非常になめらかな状
態でありまたアーモンドチャンクのくずれもないもので
あった。
なお上記のガス量は下式によった(以下同様)。
A:同一容積中のホイップ前の重量 B:同一容積中のホイップ後の重量 上記のフィリング材の耐熱性を調べるため、このフィ
リング材を花型に絞り出し40℃、45℃の恒温槽に3日間
入れたところ、だれやオイルオフは一切なく絞り出し直
後とまったく変わらない状態であった。その硬さは20℃
と30℃で大差がなく、注入機によりマドレーヌに注入し
たところその適性も良好なものであった。
実施例2〜4、比較例1〜2 表−3に示す配合により実施例1と同様の方法でガス量
20%に合わせて製造したフィリング材はいずれも、注入
適性が良好でありかつ40〜45℃においても十分な耐熱性
を有した。
比較例1〜2で示すものについて同様な方法で製造を
行ったが比較例1については柔らかすぎて気泡を均一に
分散させることができず、比較例2については、ぼそつ
きがあり、また注入適性も不良であった。
なお以上で用いた油脂のSFCを表−4に示す。
比較例3 実施例4の配合のものを表−5の条件で急冷混練し窒
素ガスの導入を行った。
その結果、製造直後の状態は良好であったが2日後に
は内部に粗大結晶が現れ、製品価値が失われた。また30
℃で保存したところオイルオフが認められ、硬さも20℃
と30℃で差が大きいため、注入適性が劣っていた。
(f)発明の効果 本発明によれば、従来品に比べ流通過程などの40℃以
上の高温に対しても十分な耐熱性があり、しかも機械に
よる注入がし易く、口溶けの良好なフィリング材を得る
ことができる。従ってこのフィリング材を用いると菓子
類製造時の作業性が良く、製造された菓子類は夏季など
においてもフィリングが生地にしみたり流れ出したりし
ない品質のすぐれたものとなる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SFCが10℃で20%以下、40℃で3%以上の
    油脂が完全に溶解した状態の油中固型分分散物に不活性
    ガスを導入しながら混練機の出口における品温が8〜15
    ℃となるよう急冷混練し、気泡を均一に分散させること
    を特徴とするフィリング材の製造方法。
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