JP2976523B2 - 重合体及びその製造方法 - Google Patents

重合体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は反応染料と重合体とが結合してなる重合体及
びその製造方法に関する。
(従来の技術) 反応染料は、染料と重合体とを共有結合により固着す
るために研究・開発されているものである。これまで実
用化されている反応染料は、連結基としてジクロロトリ
トリアジン基、ジクロロキノキサリン基、トリクロロピ
リミジン基、モノクロロトリトリアジン基あるいはビニ
ルスルホン基などを有している。そして反応染料はこれ
らの連結基を介し、水酸基、アミノ基あるいはチオール
基などの反応基を有する重合体の反応基と共有結合し、
高い湿潤堅牢度を示す重合体となる。しかしながら、こ
れまで報告されている反応基を有する重合体としては上
述したものしかなく、他の種類の反応基を有する重合体
と反応染料とが反応した重合体が要求されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、従来知られている水酸基、アミノ基
あるいはチオール基以外の反応基を有する重合体と反応
染料とが反応した重合体を供給することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記問題点を解決するために,鋭意検討
を行った結果、重合体側の反応基としてピリジン基を用
いることによって新規な重合体を見出すに至った。すな
わち本発明は、一般式及びで示される繰返し単位か
ら選択された少なくとも一以上の繰返し単位を含むこと
を特徴とする重合体及びその製造方法である。以下、本
発明をさらに詳細に説明する。
本発明の重合体は、一般式及びで示される繰返し
単位から選択された少なくとも一以上の繰返し単位を含
むものであり、これら繰返し単位のみから構成されるも
のであっても、この繰返し単位とスチレンなど他のモノ
マーとの共重合体であってもよい。また、一般式、
において、ピリジン基と炭化水素鎖とが結合している
が、炭化水素鎖はピリジン基の2位、3位あるいは4位
のいずれに結合しているものでもよく、重合体中に含ま
れる各繰返し単位毎に結合位置が異なっていてもよい。
しかしながら、上記炭化水素鎖のピリジン基への結合位
置は、反応染料との反応性を考慮すると、立体障害の比
較的小さいピリジン基の4位の位置であることが好まし
い。更に、本発明の重合体の分子量は特に制限されない
が、合成の容易さ、溶解度の大きさ、そして取扱いの容
易さなどから、反応染料を以外の部分で2千〜40万程度
であることが望ましい。また、本発明の重合体における
モノクロロトリアジン基を連結基とする反応染料の発色
団としては特に限定されるものではないが、アゾ系、ア
ントラキノン系そしてフタロシアニン系などの化学構造
を有するものを例示することができ、その用途により発
色団を任意に選択することが可能である。ところで本発
明の重合体は、ピリジン基を反応基として有する重合体
のピリジン基の窒素原子に反応染料が反応した一般式
及び/又はに示される繰返し単位を含み、反応染料に
含まれるスルフォン酸イオンが対アニオンとなってい
る。また、その他にも反応染料に含まれるハロゲン、製
造過程において用いられることのある金属塩の対アニオ
ンなどもこの様な対アニオンとなり得る。
本発明の重合体は一般式及びで示される繰返し単
位から選択されたを少なくとも一以上の繰返し単位を含
む重合体とジクロロトリアジン基を連結基とする反応染
料を極性溶媒中で反応させることにより製造することが
できる。このとき用いられる極性溶媒としては、一般式
及びで示される繰返し単位から選択されたを少なく
とも一以上の繰返し単位を含む重合体とジクロロトリア
ジン基を連結器とする反応染料を溶解させることのでき
る溶媒を用いることが望ましく、それぞれの溶解度を大
きくするために混合溶媒を用いても差し支えない。ただ
し、活性水素を有する溶媒を用いる場合は最小限にする
ことが望ましい。これはジクロロトリアジン基を連結基
とする反応染料が活性水素を有する溶媒と反応してしま
い、重合体への反応性が低下するのを可能な限り防ぐた
めである。具体的には、アセトニトリル、炭素数が5以
下の飽和一級アルコール、炭素数が5以下の飽和二級ア
ルコール、炭素数が5以下の飽和三級アルコール、アセ
トン、水、炭酸プロピレン、ジメチルスルフォキシドそ
してジメチルフォルムアミドなどを示すことができる。
本発明の重合体の具体的な製造方法としては、例えば
前述した適当な溶媒に適当量の一般式及びで示され
る繰返し単位から選択されたを少なくとも一以上の繰返
し単位を含む重合体を溶解させた後、ジクロロトリアジ
ン基を連結基とする反応染料を、重合体のピリジンユニ
ット1モルあたり0.01モルから1.2モル加える。このと
き、加える反応染料が少ないと、反応時間が長くなった
り、反応染料のピリジン基に対する導入率が小さくなる
ために濃く染色できないなどの問題点が生じることがあ
る。また、反応染料が多すぎても、すべてがピリジン基
と反応することができないため、収率の低下になるだけ
でなく、未反応の原料の除去が困難になるおそれがあ
る。反応をより速く進行させる必要がある場合には、適
当なアルカリ金属イオンを加える。この時に加えるアル
カリ金属イオンの種類は、特に限定されないが、反応性
の高さなどから、リチウムイオン、カリウムイオン、ナ
トリウムイオンを用いることが望ましい。それらのイオ
ンの対イオンとしては強塩基、弱塩基を用いることが望
ましく、水酸化物イオン、炭酸イオン、酢酸イオンなど
を例示することができる。また、アルカリ金属イオンの
量は、反応染料の等量以下で良く、多すぎるとその除去
が困難になり、少すぎると添加の効果がなくなるおそれ
がある。反応温度及び原料の量は常識の範囲内で良く特
に限定されるものではないが、反応温度が高いほど反応
速度が大きくなるので、可能な限り還流させることが望
ましい。任意の時間、反応させると固体が析出する。固
体は反応染料の導入率の大きい重合体である。これは
水、メタノールなどのプロトン性良溶媒に溶解させた
後、アセトン、アセトニトリルなどの有機貧溶媒で再沈
精製することができる。また、溶液中には反応染料の導
入率の小さい重合体が溶解しており、アセトン、アセト
ニトリルなどの適当な貧溶媒で再沈させることにより、
固体として得ることができる。
本発明の方法によれば、得られる重合体の反応染料の
ピリジン基に対する導入率は適宜調整し得る。すなわ
ち、溶媒の極性の大きさ、アルカリ金属イオンの量、反
応温度、反応時間などを変えることによって、導入率を
変化させることができる。例えば、導入率の大きい重合
体を得る場合には、極性溶媒の量やアルカリ金属イオン
の量を多くしたり、反応染料の割合を増やしたり、ある
いは反応時間を長くすることが好ましい。
(実施例) 本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を
あげるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 10gのアセトニトリル及び2gの第三ブチルアルコール
からなる溶液に0.55gのポリ(4−ビニルピリジン)を
溶解させた後、1.1gのC.I.Reactive Blue 4(アントラ
キノン系反応染料)のメタノール溶液を加えた。この溶
液に0.6gの水酸化ナトリウムを加え、加熱・還流させ
た。8時間後、沈殿物を濾別し、これを少量のメタノー
ル及びアセトンで洗浄し、生成物(A)を得た。その
後、生成物(A)のFT−IRスペクトルを測定した。その
チャート図を第1図(A)に示す。更に、上記により濾
別された溶液をアセトンに滴下したところ、生成物
(B)が沈殿物として得られた。このFT−ITスペクトル
のチャート図を第1図(B)に示す。FT−IRスペクトル
の測定の結果から、得られた生成物はいずれもポリ(4
−ビニルピリジン)のピリジン基とC.I.Reactive Blue
4が反応してなる重合体であることがわかった。なお、
チャート図には、いずれも原料であるポリ(4−ビニル
ピリジン)の特徴的な吸収ピークが、2930、1500及び82
0cm-1付近に観測された。また、C.I.Reactive Blue 4の
特徴的な吸収ピークが1600、1200及び620cm-1付近に観
測された。これらのことから、ポリ(4−ビニルピリジ
ン)及びC.I.Reactive Blue 4の基本骨格は反応の前後
で変化していないことがわかった。また、原料であるC.
I.Reactive Blue 4において、C−C結合によると帰
属できる吸収ピークが、生成物において相対的に小さい
ことから、重合体においてC−C結合が減少している
ことがわかった。更に、得られた生成物(A)における
ポリ(4−ビニルピリジン)のピリジン基に対するC.I.
Reactive Blue 4の導入率は約0.15であり、生成物
(B)では約0.03であった。
次に生成物(A)を0.2Mの硫酸ナトリウム水溶液中に
溶解させ、通常の三電極式でサイクリックボルタモグラ
ムで測定したところ−0.65V対飽和塩化ナトリウムカロ
メル電極(以下、vs.SSCEという)付近および−0.90V v
s.SSCE付近に2種類の酸化還元反応が観測された。ここ
で、0.2Mの硫酸ナトリウム水溶液中でC.I.Reactive Blu
e 4は−0.65Vvs.SSCE付近に酸化還元電位を有すること
から、−0.90V vs.SSCE付近に観測された酸化還元反応
は、生成物(A)中の4級化ピリジニウムイオンにより
生じるものであることがわかった。以上のことから、生
成物(A)において、C.I.Reactive Blue 4はポリ(4
−ビニルピリジン)中のピリジン基の窒素原子と共有結
合していることがわかった。
更に生成物(A)の可視・紫外吸収スペクトルを測定
したところ590nm付近および265nm付近にピークが観測さ
れた。
実施例2 水酸化ナトリウムを加えなかった以外は実施例1と同
様の方法で生成物を得た。得られた生成物のFT−IRスペ
クトル及びサイクリックボルタモグラムは実施例1で得
られた生成物におけるものとほぼ同じ挙動を示した。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように,本発明の重合体にお
いて、ピリジン基を有する重合体のピリジン基と反応染
料とが共有結合してなる。従って、本発明の重合体は湿
潤堅牢度の高い染料重合体となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1により得られた本発明の重合
体のFT−IRスペクトルのチャート図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式及びで示される繰返し単位
    から選択された少なくとも一以上の繰返し単位を含むこ
    とを特徴とする重合体。 (ただし、式中においてDは発色団、Bはトリアジン基
    を示す。)
  2. 【請求項2】下記一般式及びで示される繰返し単位
    から選択された少なくとも一以上の繰返し単位を含む重
    合体とジクロロトリアジン基を連結基とする反応染料を
    極性溶媒中で反応させることを特徴とする重合体の製造
    方法。
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