JP3202886B2 - カルコパイライト薄膜の製造方法および製造装置 - Google Patents
カルコパイライト薄膜の製造方法および製造装置Info
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- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/541—CuInSe2 material PV cells
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Photovoltaic Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜太陽電池などの光
電変換素子に応用可能なABC2型カルコパイライト薄
膜の製造方法及び製造装置に関する。
電変換素子に応用可能なABC2型カルコパイライト薄
膜の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりABC2型カルコパイライト
(AはCuまたはAg、BはIn、GaまたはAl、C
はS、SeまたはTe)の多結晶薄膜において、A元素
過剰な組成の薄膜は、結晶粒が大きくその結晶粒内の結
晶性は優れている。しかし、結晶粒界や表面には、A2
C、たとえばCu2Se、Cu2Sなどが析出しており、
このままではデバイスに応用することができない。この
膜の電気的特性は、p型伝導を示し、室温における電気
伝導度は約100Ωー1cmー1程度である。このように、
A元素過剰な組成のABC2型カルコパイライト薄膜
は、結晶性のすぐれた多結晶薄膜でありながら、結晶粒
界や表面に異物が存在するという問題がある。
(AはCuまたはAg、BはIn、GaまたはAl、C
はS、SeまたはTe)の多結晶薄膜において、A元素
過剰な組成の薄膜は、結晶粒が大きくその結晶粒内の結
晶性は優れている。しかし、結晶粒界や表面には、A2
C、たとえばCu2Se、Cu2Sなどが析出しており、
このままではデバイスに応用することができない。この
膜の電気的特性は、p型伝導を示し、室温における電気
伝導度は約100Ωー1cmー1程度である。このように、
A元素過剰な組成のABC2型カルコパイライト薄膜
は、結晶性のすぐれた多結晶薄膜でありながら、結晶粒
界や表面に異物が存在するという問題がある。
【0003】それにもかかわらず、このような膜をベー
スとしてすぐれた太陽電池用薄膜を形成した報告がある
(たとえば、Proceedings of the 16th IEEE Photovolt
aicSpecialist Conference (1982) p.781)。この製造
方法を一般に"二層(bilayer)"プロセスとよんでい
る。その技術の概略を図10及び図11に示している。
製造装置としては、真空容器内にA、B、Cそれぞれの
元素のフラックスを基板1に供給できるようなセル1
0、11、12を設けた蒸着装置であり、それぞれのフ
ラックス量は、それらのセルの温度で制御されている。
また、基板1は、基板ホルダー4に設置されており、通
常は350℃以上に加熱されている。
スとしてすぐれた太陽電池用薄膜を形成した報告がある
(たとえば、Proceedings of the 16th IEEE Photovolt
aicSpecialist Conference (1982) p.781)。この製造
方法を一般に"二層(bilayer)"プロセスとよんでい
る。その技術の概略を図10及び図11に示している。
製造装置としては、真空容器内にA、B、Cそれぞれの
元素のフラックスを基板1に供給できるようなセル1
0、11、12を設けた蒸着装置であり、それぞれのフ
ラックス量は、それらのセルの温度で制御されている。
また、基板1は、基板ホルダー4に設置されており、通
常は350℃以上に加熱されている。
【0004】図10の装置を用いた二層プロセスは、以
下のようである。図11に示したように、まず、各々の
元素のフラックスを加減して、A元素過剰な組成のAB
C2型カルコパイライト薄膜2を作製する(図11
(a)参照)。つづいて、基板の温度を約100℃程度
さらに上げて、B元素過剰な組成のABC2型カルコパ
イライト薄膜を作製する条件に各元素のフラックスを調
節して、第2層を適当量堆積する(図11(b)参
照)。基板温度が充分高いと中間状態薄膜2bを経て、
均一な組成で化学量論比組成に近くわずかにB元素過剰
なABC2型カルコパイライト薄膜3となる(図11
(c)参照)。以上のようにして作製された薄膜は、結
晶粒が大きく、かつA元素過剰な組成のABC2型カル
コパイライトに見られるような結晶粒界や表面の異物析
出もなく極めて良好で、デバイスに応用可能な薄膜とな
る。
下のようである。図11に示したように、まず、各々の
元素のフラックスを加減して、A元素過剰な組成のAB
C2型カルコパイライト薄膜2を作製する(図11
(a)参照)。つづいて、基板の温度を約100℃程度
さらに上げて、B元素過剰な組成のABC2型カルコパ
イライト薄膜を作製する条件に各元素のフラックスを調
節して、第2層を適当量堆積する(図11(b)参
照)。基板温度が充分高いと中間状態薄膜2bを経て、
均一な組成で化学量論比組成に近くわずかにB元素過剰
なABC2型カルコパイライト薄膜3となる(図11
(c)参照)。以上のようにして作製された薄膜は、結
晶粒が大きく、かつA元素過剰な組成のABC2型カル
コパイライトに見られるような結晶粒界や表面の異物析
出もなく極めて良好で、デバイスに応用可能な薄膜とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】より変換効率の高い太
陽電池を作製するためには、A/Bの組成比を精密に制
御して、0.95〜1.0程度にする必要がある。上記
に述べた二層プロセスは、太陽電池などの光電変換デバ
イスに応用可能な優れたABC2型カルコパイライト薄
膜を形成する方法の一つであるが、A/Bの組成比を再
現性よくこのプロセスで製造することは困難である。な
ぜなら、実験的にA/Bの組成比を0.95〜1.0程
度にする条件を一度確立しても、各元素のフラックス量
は、真空度や残留ガスの種類の違い、あるいは基板温度
の微妙な違いなどを敏感に反映するからである。また、
この二層プロセスは、A元素過剰なABC2膜作製の条
件とB元素過剰なABC2膜作製の条件の二つ条件を主
にA及びBのフラックス量を調節して実現する必要があ
り、条件設定の手間がかかりスループットがよくない。
陽電池を作製するためには、A/Bの組成比を精密に制
御して、0.95〜1.0程度にする必要がある。上記
に述べた二層プロセスは、太陽電池などの光電変換デバ
イスに応用可能な優れたABC2型カルコパイライト薄
膜を形成する方法の一つであるが、A/Bの組成比を再
現性よくこのプロセスで製造することは困難である。な
ぜなら、実験的にA/Bの組成比を0.95〜1.0程
度にする条件を一度確立しても、各元素のフラックス量
は、真空度や残留ガスの種類の違い、あるいは基板温度
の微妙な違いなどを敏感に反映するからである。また、
この二層プロセスは、A元素過剰なABC2膜作製の条
件とB元素過剰なABC2膜作製の条件の二つ条件を主
にA及びBのフラックス量を調節して実現する必要があ
り、条件設定の手間がかかりスループットがよくない。
【0006】本発明は、薄膜太陽電池などの光電変換素
子に適用できる、高品質のABC2型カルコパイライト
薄膜を、再現性よく製造する方法を提供することを目的
とする。本発明は、またそのようなABC2型カルコパ
イライト薄膜を製造する装置を提供することを目的とす
る。
子に適用できる、高品質のABC2型カルコパイライト
薄膜を、再現性よく製造する方法を提供することを目的
とする。本発明は、またそのようなABC2型カルコパ
イライト薄膜を製造する装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、加熱された基板上にABC2の化学量
論比よりA元素過剰なA元素、B元素、C元素を含んだ
薄膜を形成する第1の工程、及び、前記薄膜を、B元素
及びC元素を含むフラックスもしくはガス、またはB元
素過剰なA元素、B元素及びC元素を含むフラックスも
しくはガスに暴露する第2の工程を含むABC2型カル
コパイライト薄膜の製造方法において、前記薄膜の特定
の物理的特性をモニターし、その物理的特性が特異な変
化をしたところで第2の工程を終了させるものである。
すなわち、本発明は、前記薄膜の特定の物理的特性が、
前記薄膜におけるA元素のB元素に対する比A/BがA
元素過剰な状態からABC2の化学量論比に変わるとこ
ろで特異的に変化し、B元素過剰になったところで飽和
値を示すこと、及びこの飽和値を目安として前記第2の
工程を終了させることにより、高品質のABC2型カル
コパイライト薄膜を得られることを見出したことに基づ
くものである。
達成するために、加熱された基板上にABC2の化学量
論比よりA元素過剰なA元素、B元素、C元素を含んだ
薄膜を形成する第1の工程、及び、前記薄膜を、B元素
及びC元素を含むフラックスもしくはガス、またはB元
素過剰なA元素、B元素及びC元素を含むフラックスも
しくはガスに暴露する第2の工程を含むABC2型カル
コパイライト薄膜の製造方法において、前記薄膜の特定
の物理的特性をモニターし、その物理的特性が特異な変
化をしたところで第2の工程を終了させるものである。
すなわち、本発明は、前記薄膜の特定の物理的特性が、
前記薄膜におけるA元素のB元素に対する比A/BがA
元素過剰な状態からABC2の化学量論比に変わるとこ
ろで特異的に変化し、B元素過剰になったところで飽和
値を示すこと、及びこの飽和値を目安として前記第2の
工程を終了させることにより、高品質のABC2型カル
コパイライト薄膜を得られることを見出したことに基づ
くものである。
【0008】本発明においては、前記の特定の物理的特
性として、前記薄膜の電気抵抗、光の反射率、及び赤外
光の透過率よりなる群から選ばれる物理的特性を利用す
る。本発明のABC2型カルコパイライト薄膜の製造方
法は、 (1)加熱された基板上にABC2の化学量論比よりA
元素過剰なA元素、B元素、C元素を含んだ薄膜を形成
する第1の工程と、 (2)前記薄膜を、B元素及びC元素を含むフラックス
もしくはガス、またはB元素過剰なA元素、B元素及び
C元素を含むフラックスもしくはガスに暴露する第2の
工程、及び (3)前記薄膜におけるA元素のB元素に対する比A/
Bの変化に応じて変化する前記薄膜の物理的特性をモニ
ターする工程を含み、前記薄膜の物理的特性は、前記薄
膜におけるA/B比がA元素過剰な状態からABC2の
化学量論比に変わるところで特異的に変化し、B元素過
剰になったところで飽和するようなものであり、前記薄
膜の物理的特性が飽和値を示すところで前記第2の工程
を停止する。
性として、前記薄膜の電気抵抗、光の反射率、及び赤外
光の透過率よりなる群から選ばれる物理的特性を利用す
る。本発明のABC2型カルコパイライト薄膜の製造方
法は、 (1)加熱された基板上にABC2の化学量論比よりA
元素過剰なA元素、B元素、C元素を含んだ薄膜を形成
する第1の工程と、 (2)前記薄膜を、B元素及びC元素を含むフラックス
もしくはガス、またはB元素過剰なA元素、B元素及び
C元素を含むフラックスもしくはガスに暴露する第2の
工程、及び (3)前記薄膜におけるA元素のB元素に対する比A/
Bの変化に応じて変化する前記薄膜の物理的特性をモニ
ターする工程を含み、前記薄膜の物理的特性は、前記薄
膜におけるA/B比がA元素過剰な状態からABC2の
化学量論比に変わるところで特異的に変化し、B元素過
剰になったところで飽和するようなものであり、前記薄
膜の物理的特性が飽和値を示すところで前記第2の工程
を停止する。
【0009】ここにおいて、AはCuまたはAg、Bは
In、GaまたはAl、CはS、SeまたはTeであ
る。前記薄膜の物理的特性をモニターする工程の一態様
においては、前記薄膜に電子ビームを照射した際の、薄
膜と電気的に接続された負荷抵抗に流れる電流をモニタ
ーすることからなり、前記電流が低下しほぼ飽和値とな
るところで前記第2の工程を停止する。また他の態様に
おいては、前記薄膜に光を照射した際の、前記薄膜から
の反射光を検知する機構で観測される反射光強度をモニ
ターすることからなり、前記反射光強度が低下しほぼ飽
和値となるところで前記第2の工程を停止する。さら
に、他の態様においては、前記薄膜に赤外光を照射した
際の、前記薄膜を透過した赤外光を検知する機構で観測
される透過光強度をモニターすることからなり、前記透
過光強度が低下した後再び上昇しほぼ飽和値となるとこ
ろで前記第2の工程を停止する。
In、GaまたはAl、CはS、SeまたはTeであ
る。前記薄膜の物理的特性をモニターする工程の一態様
においては、前記薄膜に電子ビームを照射した際の、薄
膜と電気的に接続された負荷抵抗に流れる電流をモニタ
ーすることからなり、前記電流が低下しほぼ飽和値とな
るところで前記第2の工程を停止する。また他の態様に
おいては、前記薄膜に光を照射した際の、前記薄膜から
の反射光を検知する機構で観測される反射光強度をモニ
ターすることからなり、前記反射光強度が低下しほぼ飽
和値となるところで前記第2の工程を停止する。さら
に、他の態様においては、前記薄膜に赤外光を照射した
際の、前記薄膜を透過した赤外光を検知する機構で観測
される透過光強度をモニターすることからなり、前記透
過光強度が低下した後再び上昇しほぼ飽和値となるとこ
ろで前記第2の工程を停止する。
【0010】本発明のABC2型カルコパイライト薄膜
の製造装置は、基板ホルダーと、前記ホルダーに保持さ
れた基板を加熱する機構と、前記基板上にA元素、B元
素およびC元素を供給するとともにそれぞれの供給を制
御する元素供給機構と、前記基板上に堆積される薄膜の
物理的特性をモニターするモニター機構とを具備する。
の製造装置は、基板ホルダーと、前記ホルダーに保持さ
れた基板を加熱する機構と、前記基板上にA元素、B元
素およびC元素を供給するとともにそれぞれの供給を制
御する元素供給機構と、前記基板上に堆積される薄膜の
物理的特性をモニターするモニター機構とを具備する。
【0011】
【作用】本発明は、以下のようなABC2型カルコパイ
ライト薄膜の製造方法に有効である。その1つは、すで
に従来技術として述べた二層プロセスと呼ばれるABC
2型カルコパイライト薄膜の製造方法である。他の1つ
は、基板温度が十分高い条件下で、A元素過剰なABC
2型カルコパイライト薄膜に、B元素とC元素のみを供
給し続けるだけで、時間の経過とともに薄膜の組成が化
学量論比組成に近い薄膜となり、さらに同様にB元素と
C元素を供給し続けると徐々にB元素過剰なABC2型
カルコパイライト薄膜に組成変化していく現象を利用し
た製造方法である。
ライト薄膜の製造方法に有効である。その1つは、すで
に従来技術として述べた二層プロセスと呼ばれるABC
2型カルコパイライト薄膜の製造方法である。他の1つ
は、基板温度が十分高い条件下で、A元素過剰なABC
2型カルコパイライト薄膜に、B元素とC元素のみを供
給し続けるだけで、時間の経過とともに薄膜の組成が化
学量論比組成に近い薄膜となり、さらに同様にB元素と
C元素を供給し続けると徐々にB元素過剰なABC2型
カルコパイライト薄膜に組成変化していく現象を利用し
た製造方法である。
【0012】本発明によると、薄膜作製プロセスの途中
で、A元素やB元素の供給量の調節を行う必要がなくな
り、製造プロセスのスループットや再現性を向上させる
ことができる。具体的には、上記の方法によってABC
2型カルコパイライト薄膜を製造する際に、その薄膜の
電気抵抗が基板温度が高い状態においても組成(特にA
/B比)の変化とともに高抵抗化していく現象を、堆積
中の薄膜表面に電子ビームを入射して外部回路への電流
変化をモニターすることによって検知し、その高抵抗化
が完了した状態を電流変化の飽和現象でとらえて膜製造
を終える。その結果、製造プロセスのスループットの向
上はもとより、膜組成、言い換えれば膜品質の再現性を
特に向上させることができる。
で、A元素やB元素の供給量の調節を行う必要がなくな
り、製造プロセスのスループットや再現性を向上させる
ことができる。具体的には、上記の方法によってABC
2型カルコパイライト薄膜を製造する際に、その薄膜の
電気抵抗が基板温度が高い状態においても組成(特にA
/B比)の変化とともに高抵抗化していく現象を、堆積
中の薄膜表面に電子ビームを入射して外部回路への電流
変化をモニターすることによって検知し、その高抵抗化
が完了した状態を電流変化の飽和現象でとらえて膜製造
を終える。その結果、製造プロセスのスループットの向
上はもとより、膜組成、言い換えれば膜品質の再現性を
特に向上させることができる。
【0013】同様に、その薄膜の高抵抗化が進むにつれ
て、光学的には赤外光の反射率は低下し、透過率は向上
する。したがって、膜表面の反射光強度や基板加熱に用
いられている赤外線の透過光強度をモニターすることに
よって、膜組成(A/B比)に対応した信号が得られ、
それぞれの信号が変化した後飽和現象を示したところで
膜製造を終えればよい。本発明によれば、ABC2型カ
ルコパイライト薄膜の組成を実時間でモニターすること
ができ、常に最適なABC2型カルコパイライトの膜組
成を持った薄膜を再現性よく製造することができる。
て、光学的には赤外光の反射率は低下し、透過率は向上
する。したがって、膜表面の反射光強度や基板加熱に用
いられている赤外線の透過光強度をモニターすることに
よって、膜組成(A/B比)に対応した信号が得られ、
それぞれの信号が変化した後飽和現象を示したところで
膜製造を終えればよい。本発明によれば、ABC2型カ
ルコパイライト薄膜の組成を実時間でモニターすること
ができ、常に最適なABC2型カルコパイライトの膜組
成を持った薄膜を再現性よく製造することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 [実施例1]本実施例のABC2型カルコパイライト薄
膜の製造装置の概略を図1に示している。その製造装置
及びそれを用いた製造方法は以下のようである。まず、
セル10、11、12の温度を調節してA、B、Cの各
々の元素のフラックスを調節する。そして、A元素過剰
な組成のABC2型カルコパイライト薄膜2を堆積でき
る条件下で、A元素過剰な組成のABC2型カルコパイ
ライト薄膜2を作製する。基板1は、Moをコートした
ガラス基板を用いているが、本発明はそれに限られるも
のではない。基板の温度は400℃以上が必要であり、
好ましくは500℃〜550℃である。基板温度が低す
ぎると結晶粒の成長が進まない。また、逆に基板温度が
高すぎると供給元素の再蒸発が生じてよくない。
明する。 [実施例1]本実施例のABC2型カルコパイライト薄
膜の製造装置の概略を図1に示している。その製造装置
及びそれを用いた製造方法は以下のようである。まず、
セル10、11、12の温度を調節してA、B、Cの各
々の元素のフラックスを調節する。そして、A元素過剰
な組成のABC2型カルコパイライト薄膜2を堆積でき
る条件下で、A元素過剰な組成のABC2型カルコパイ
ライト薄膜2を作製する。基板1は、Moをコートした
ガラス基板を用いているが、本発明はそれに限られるも
のではない。基板の温度は400℃以上が必要であり、
好ましくは500℃〜550℃である。基板温度が低す
ぎると結晶粒の成長が進まない。また、逆に基板温度が
高すぎると供給元素の再蒸発が生じてよくない。
【0015】続いて、基板上にB元素過剰なフラックス
に調整されたA元素、B元素及びC元素の供給を行う
か、あるいはB元素とC元素の供給のみ行いA元素の供
給を停止して、膜堆積を続ける。基板温度が充分高い
と、均一な組成で化学量論比組成に近く、わずかにB元
素過剰なABC2型カルコパイライト薄膜3を作製する
ことができる。この際、膜の電気抵抗は、膜組成(A/
B比)が化学量論比近傍で急激に高抵抗化し、B元素過
剰なABC2型カルコパイライト薄膜では飽和傾向を示
す。そこで、アース電位に対し電気的に絶縁された導電
性の基板ホルダー4上に設置された基板に電子ビームを
供給する機構として電子銃5を設け、図1に示すように
負荷抵抗RLの両端の出力電圧Voutを膜堆積中にモニタ
ーすると、図2に示したような出力電圧の変化を示す。
図中に示したW点は、供給するフラックスを上述のよう
にA元素過剰な薄膜を堆積する条件からB元素過剰ある
いはA元素のフラックスを停止した条件に切り換えた時
間である。X点は、急激な出力電圧の変化後5〜15分
経過した地点である。この付近でのA/B比の組成変化
は緩やかにB組成過剰な膜となっていく。
に調整されたA元素、B元素及びC元素の供給を行う
か、あるいはB元素とC元素の供給のみ行いA元素の供
給を停止して、膜堆積を続ける。基板温度が充分高い
と、均一な組成で化学量論比組成に近く、わずかにB元
素過剰なABC2型カルコパイライト薄膜3を作製する
ことができる。この際、膜の電気抵抗は、膜組成(A/
B比)が化学量論比近傍で急激に高抵抗化し、B元素過
剰なABC2型カルコパイライト薄膜では飽和傾向を示
す。そこで、アース電位に対し電気的に絶縁された導電
性の基板ホルダー4上に設置された基板に電子ビームを
供給する機構として電子銃5を設け、図1に示すように
負荷抵抗RLの両端の出力電圧Voutを膜堆積中にモニタ
ーすると、図2に示したような出力電圧の変化を示す。
図中に示したW点は、供給するフラックスを上述のよう
にA元素過剰な薄膜を堆積する条件からB元素過剰ある
いはA元素のフラックスを停止した条件に切り換えた時
間である。X点は、急激な出力電圧の変化後5〜15分
経過した地点である。この付近でのA/B比の組成変化
は緩やかにB組成過剰な膜となっていく。
【0016】上記のようにしてX点で得られるABC2
型カルコパイライト(A=Cu、B=In、C=Se)
薄膜は、ほぼ膜全体が均一組成であり、A:24〜25
原子%、B:25〜25.5原子c%、C:50〜5
0.5原子%の組成を持った膜であった。以上のよう
に、上記に示したモニター方法を有する本発明の製造装
置によれば、太陽電池やその他の光電デバイスに最適な
品質をもつ優れた品質のABC2型カルコパイライト
(AはCuまたはAg、BはIn、GaまたはAl、C
はS、SeまたはTe)薄膜3を基板1上に再現性よく
より簡単に製造することができる。
型カルコパイライト(A=Cu、B=In、C=Se)
薄膜は、ほぼ膜全体が均一組成であり、A:24〜25
原子%、B:25〜25.5原子c%、C:50〜5
0.5原子%の組成を持った膜であった。以上のよう
に、上記に示したモニター方法を有する本発明の製造装
置によれば、太陽電池やその他の光電デバイスに最適な
品質をもつ優れた品質のABC2型カルコパイライト
(AはCuまたはAg、BはIn、GaまたはAl、C
はS、SeまたはTe)薄膜3を基板1上に再現性よく
より簡単に製造することができる。
【0017】[実施例2]本実施例のABC2型カルコ
パイライト薄膜の製造装置の概略を図3及び図4に示し
ている。その製造装置及びそれを用いた製造方法を以下
に説明する。まず、セル10、11、12の温度を調節
してA、B、Cの各々の元素のフラックス(ガス)を調
節する。そして、A元素過剰な組成のABC2型カルコ
パイライト薄膜2が堆積できる条件下で、A元素過剰な
組成のABC2型カルコパイライト薄膜2を作製する。
基板1は、Moをコートしたガラス基板を用いている
が、本発明はそれに限られるものではない。基板の温度
は400℃以上が必要であり、好ましくは500℃〜5
50℃である。基板温度が低すぎると結晶粒の成長が進
まない。また、逆に基板温度が高すぎると供給元素の再
蒸発が生じてよくない。
パイライト薄膜の製造装置の概略を図3及び図4に示し
ている。その製造装置及びそれを用いた製造方法を以下
に説明する。まず、セル10、11、12の温度を調節
してA、B、Cの各々の元素のフラックス(ガス)を調
節する。そして、A元素過剰な組成のABC2型カルコ
パイライト薄膜2が堆積できる条件下で、A元素過剰な
組成のABC2型カルコパイライト薄膜2を作製する。
基板1は、Moをコートしたガラス基板を用いている
が、本発明はそれに限られるものではない。基板の温度
は400℃以上が必要であり、好ましくは500℃〜5
50℃である。基板温度が低すぎると結晶粒の成長が進
まない。また、逆に基板温度が高すぎると供給元素の再
蒸発が生じてよくない。
【0018】続いて、基板上にB元素過剰なフラックス
(ガス)に調整されたA元素、B元素及びC元素の供給
を行うか、あるいはB元素とC元素の供給のみ行いA元
素の供給を停止して、膜堆積を続ける。基板温度が充分
高いと、均一な組成で化学量論比組成に近く、わずかに
B元素過剰なABC2型カルコパイライト薄膜3を作製
することができる。この際、膜の電気抵抗は、膜組成
(A/B比)が化学量論比近傍で急激に高抵抗化し、B
元素過剰なABC2型カルコパイライト薄膜では飽和傾
向を示す。本発明の装置は、図3及び図4に示したよう
に、周波数10〜200Hzでチョッピングした赤外線
(波長1.3〜2.0μmのものを含む)を基板面に照
射してその反射光強度をモニターできるように工夫され
ている。図3及び図4において、9はハーフミラーを表
している。図4は、透光性容器13内で蒸着を行うよう
にし、ハーフミラー9及び光検知系などは容器13外に
設けている。14は排気系への接続部である。なお、図
示していないが、光検知系には可視光遮断フィルターを
設けている。
(ガス)に調整されたA元素、B元素及びC元素の供給
を行うか、あるいはB元素とC元素の供給のみ行いA元
素の供給を停止して、膜堆積を続ける。基板温度が充分
高いと、均一な組成で化学量論比組成に近く、わずかに
B元素過剰なABC2型カルコパイライト薄膜3を作製
することができる。この際、膜の電気抵抗は、膜組成
(A/B比)が化学量論比近傍で急激に高抵抗化し、B
元素過剰なABC2型カルコパイライト薄膜では飽和傾
向を示す。本発明の装置は、図3及び図4に示したよう
に、周波数10〜200Hzでチョッピングした赤外線
(波長1.3〜2.0μmのものを含む)を基板面に照
射してその反射光強度をモニターできるように工夫され
ている。図3及び図4において、9はハーフミラーを表
している。図4は、透光性容器13内で蒸着を行うよう
にし、ハーフミラー9及び光検知系などは容器13外に
設けている。14は排気系への接続部である。なお、図
示していないが、光検知系には可視光遮断フィルターを
設けている。
【0019】本実施例においては、膜中の電気伝導度が
大きく自由担体が1020cm-3程度の濃度であれば赤外
線を強く反射し、その自由担体の濃度が減少する(すな
わち、膜が高抵抗化する)につれて次第に赤外線を透過
するようになるという効果を用いることにより、上述の
膜作製プロセスと本発明の製造装置によって、光検知系
の出力は図5に示したような膜面での赤外線の反射に対
応したものが得られる。ただし、図5の横軸に対応する
時間は、供給するフラックスを上述のようにA元素過剰
な薄膜を堆積する条件からB元素過剰あるいはA元素の
フラックスを停止した条件に切り換えた時間からの経過
時間である。X点は、急激な出力信号の変化後5〜15
分経過した地点である。この付近でのA/B比の組成変
化は緩やかにB組成過剰な膜となっていく。
大きく自由担体が1020cm-3程度の濃度であれば赤外
線を強く反射し、その自由担体の濃度が減少する(すな
わち、膜が高抵抗化する)につれて次第に赤外線を透過
するようになるという効果を用いることにより、上述の
膜作製プロセスと本発明の製造装置によって、光検知系
の出力は図5に示したような膜面での赤外線の反射に対
応したものが得られる。ただし、図5の横軸に対応する
時間は、供給するフラックスを上述のようにA元素過剰
な薄膜を堆積する条件からB元素過剰あるいはA元素の
フラックスを停止した条件に切り換えた時間からの経過
時間である。X点は、急激な出力信号の変化後5〜15
分経過した地点である。この付近でのA/B比の組成変
化は緩やかにB組成過剰な膜となっていく。
【0020】上記のようにしてX点で得られるABC2
型カルコパイライト(A=Cu、B=In、C=Se)
薄膜は、ほぼ膜全体が均一組成であり、A:24〜25
原子%、B:25〜25.5原子%、C:50〜50.
5原子%の組成を持った膜であった。以上のように、上
記に示したモニター方法を有する本発明の製造装置によ
れば、優れた品質のABC2型カルコパイライト(Aは
CuまたはAg、BはIn、GaまたはAl、CはS、
SeまたはTe)薄膜3を基板1上に再現性よくより簡
単に製造することができる。
型カルコパイライト(A=Cu、B=In、C=Se)
薄膜は、ほぼ膜全体が均一組成であり、A:24〜25
原子%、B:25〜25.5原子%、C:50〜50.
5原子%の組成を持った膜であった。以上のように、上
記に示したモニター方法を有する本発明の製造装置によ
れば、優れた品質のABC2型カルコパイライト(Aは
CuまたはAg、BはIn、GaまたはAl、CはS、
SeまたはTe)薄膜3を基板1上に再現性よくより簡
単に製造することができる。
【0021】[実施例3]本実施例のABC2型カルコ
パイライト薄膜の製造装置の概略を図6及び図7に示し
ている。その製造装置及びそれを用いた製造方法を以下
に説明する。まず、セル10、11、12の温度を調節
してA、B、Cの各々の元素のフラックス(ガス)を調
節し、A元素過剰な組成のABC2型カルコパイライト
薄膜2が堆積できる条件下でA元素過剰な組成のABC
2型カルコパイライト薄膜2を作製する。基板1は、M
oをコートしたガラス基板を用いているが、本発明はそ
れに限られるものではない。ただし、基板加熱ヒーター
6から発せられる赤外線8が基板ホルダーの一部に設け
たくり抜き部、及び透光性基板を透過できるように工夫
されている。基板の温度は400℃以上が必要であり、
好ましくは500℃〜550℃である。基板温度が低す
ぎると結晶粒の成長が進まない。また、逆に基板温度が
高すぎると供給元素の再蒸発が生じてよくない。
パイライト薄膜の製造装置の概略を図6及び図7に示し
ている。その製造装置及びそれを用いた製造方法を以下
に説明する。まず、セル10、11、12の温度を調節
してA、B、Cの各々の元素のフラックス(ガス)を調
節し、A元素過剰な組成のABC2型カルコパイライト
薄膜2が堆積できる条件下でA元素過剰な組成のABC
2型カルコパイライト薄膜2を作製する。基板1は、M
oをコートしたガラス基板を用いているが、本発明はそ
れに限られるものではない。ただし、基板加熱ヒーター
6から発せられる赤外線8が基板ホルダーの一部に設け
たくり抜き部、及び透光性基板を透過できるように工夫
されている。基板の温度は400℃以上が必要であり、
好ましくは500℃〜550℃である。基板温度が低す
ぎると結晶粒の成長が進まない。また、逆に基板温度が
高すぎると供給元素の再蒸発が生じてよくない。
【0022】続いて、基板上にB元素過剰なフラックス
(ガス)に調整されたA元素、B元素及びC元素の供給
を行うか、あるいはB元素とC元素の供給のみ行いA元
素の供給を停止して、膜堆積を続ける。基板温度が充分
高いと、均一な組成で化学量論比組成に近くわずかにB
元素過剰なABC2型カルコパイライト薄膜3を作製す
ることができる。この際、膜の電気抵抗は、膜組成(A
/B比)が化学量論比近傍で急激に高抵抗化し、B元素
過剰なABC2型カルコパイライト薄膜では飽和傾向を
示す。本発明の装置は、図6及び図7に示したように、
基板加熱ヒーターから発せられる赤外線(波長1.3〜
2.0μmのものを含む)を堆積中の膜に導き、その赤
外線の透過光強度をモニターできるように工夫されてい
る。図7は透光性容器13内で蒸着を行うようにし、可
視光遮断フィルター7や光検知系は容器13外に設けて
いる。
(ガス)に調整されたA元素、B元素及びC元素の供給
を行うか、あるいはB元素とC元素の供給のみ行いA元
素の供給を停止して、膜堆積を続ける。基板温度が充分
高いと、均一な組成で化学量論比組成に近くわずかにB
元素過剰なABC2型カルコパイライト薄膜3を作製す
ることができる。この際、膜の電気抵抗は、膜組成(A
/B比)が化学量論比近傍で急激に高抵抗化し、B元素
過剰なABC2型カルコパイライト薄膜では飽和傾向を
示す。本発明の装置は、図6及び図7に示したように、
基板加熱ヒーターから発せられる赤外線(波長1.3〜
2.0μmのものを含む)を堆積中の膜に導き、その赤
外線の透過光強度をモニターできるように工夫されてい
る。図7は透光性容器13内で蒸着を行うようにし、可
視光遮断フィルター7や光検知系は容器13外に設けて
いる。
【0023】本実施例においては、膜中の電気伝導度が
大きく自由担体が1020cm-3程度の濃度であれば赤外
線を強く吸収し、その自由担体の濃度が減少する(すな
わち、膜が高抵抗化する)につれてしだいに赤外線を透
過するようになるという効果を用いている。図8には、
ABC2薄膜(A=Cu、B=In、C=Se)の近赤
外域の透過率を示している。ここで、曲線P、Q、R
は、それぞれA/B比が1.8、1.2、0.9の組成
のABC2薄膜(A=Cu、B=In、C=Se)に対
応している。図から明かなように波長1.5μm近傍の
透過率がA/B比の減少(すなわち、電気伝導度の低
下)とともに増加していることがわかる。
大きく自由担体が1020cm-3程度の濃度であれば赤外
線を強く吸収し、その自由担体の濃度が減少する(すな
わち、膜が高抵抗化する)につれてしだいに赤外線を透
過するようになるという効果を用いている。図8には、
ABC2薄膜(A=Cu、B=In、C=Se)の近赤
外域の透過率を示している。ここで、曲線P、Q、R
は、それぞれA/B比が1.8、1.2、0.9の組成
のABC2薄膜(A=Cu、B=In、C=Se)に対
応している。図から明かなように波長1.5μm近傍の
透過率がA/B比の減少(すなわち、電気伝導度の低
下)とともに増加していることがわかる。
【0024】そこで、この現象に関するダイナミックレ
ンジを向上させるために可視光を遮断する光学フィルタ
ー7を取り付け、上述のプロセスと本発明の製造装置に
よって、光検知系の出力信号をモニターすると、図9に
示したような結果が得られる。図中に示したW点は、供
給するフラックスを上述のようにA元素過剰な薄膜を堆
積する条件からB元素過剰あるいはA元素のフラックス
を停止した条件に切り換えた時間である。X点は、出力
信号が飽和した後5〜15分経過した地点である。 は
じめにA元素過剰なABC2薄膜が、堆積していくにつ
れてこの測定系での赤外線の透過率が低下していくが、
フラックス(ガス)条件を変化させたW点からはある一
定の透過率をある時間保持し、A/B比が約1.0に近
づくと図8に示したような効果で少し出力信号が上昇
し、飽和する。この飽和点付近でのA/B比の組成変化
は緩やかにB組成過剰な膜となっていくことが組成分析
で確認されている。
ンジを向上させるために可視光を遮断する光学フィルタ
ー7を取り付け、上述のプロセスと本発明の製造装置に
よって、光検知系の出力信号をモニターすると、図9に
示したような結果が得られる。図中に示したW点は、供
給するフラックスを上述のようにA元素過剰な薄膜を堆
積する条件からB元素過剰あるいはA元素のフラックス
を停止した条件に切り換えた時間である。X点は、出力
信号が飽和した後5〜15分経過した地点である。 は
じめにA元素過剰なABC2薄膜が、堆積していくにつ
れてこの測定系での赤外線の透過率が低下していくが、
フラックス(ガス)条件を変化させたW点からはある一
定の透過率をある時間保持し、A/B比が約1.0に近
づくと図8に示したような効果で少し出力信号が上昇
し、飽和する。この飽和点付近でのA/B比の組成変化
は緩やかにB組成過剰な膜となっていくことが組成分析
で確認されている。
【0025】上記のようにして、X点で得られるABC
2型カルコパイライト(A=Cu、B=In、C=S
e)薄膜は、ほぼ膜全体が均一であり、A:24〜25
原子%、B:25〜25.5原子%、C:50〜50.
5原子%の組成を持った膜であった。以上のように、上
記に示したモニター方法を有する本発明の製造装置によ
れば、太陽電池やその他の光電デバイスに最適な品質を
もつ優れた品質のABC2型カルコパイライト(AはC
uまたはAg、BはIn、GaまたはAl、CはS、S
eまたはTe)薄膜3を基板1上に再現性よくより簡単
に製造することができる。
2型カルコパイライト(A=Cu、B=In、C=S
e)薄膜は、ほぼ膜全体が均一であり、A:24〜25
原子%、B:25〜25.5原子%、C:50〜50.
5原子%の組成を持った膜であった。以上のように、上
記に示したモニター方法を有する本発明の製造装置によ
れば、太陽電池やその他の光電デバイスに最適な品質を
もつ優れた品質のABC2型カルコパイライト(AはC
uまたはAg、BはIn、GaまたはAl、CはS、S
eまたはTe)薄膜3を基板1上に再現性よくより簡単
に製造することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によって、薄膜太陽電池などの光
電変換素子に応用可能な高品質なABC2型カルコパイ
ライト薄膜を再現性よく作製することができる。
電変換素子に応用可能な高品質なABC2型カルコパイ
ライト薄膜を再現性よく作製することができる。
【図1】本発明の一実施例におけるカルコパイライト薄
膜の製造装置の縦断面略図である。
膜の製造装置の縦断面略図である。
【図2】同製造装置における出力電圧の変化を示す図で
ある。
ある。
【図3】本発明の他の実施例におけるカルコパイライト
薄膜の製造装置の縦断面略図である。
薄膜の製造装置の縦断面略図である。
【図4】本発明のさらに他の実施例におけるカルコパイ
ライト薄膜の製造装置の縦断面略図である。
ライト薄膜の製造装置の縦断面略図である。
【図5】同製造装置における反射率の変化を示す図であ
る。
る。
【図6】本発明の実施例におけるカルコパイライト薄膜
の製造装置の縦断面略図である。
の製造装置の縦断面略図である。
【図7】本発明の他の実施例におけるカルコパイライト
薄膜の製造装置の縦断面略図である。
薄膜の製造装置の縦断面略図である。
【図8】カルコパイライト薄膜CuInSe2の近赤外
域の透過率を示す図である。
域の透過率を示す図である。
【図9】本発明のカルコパイライト薄膜の製造装置にお
ける透過率の変化に対応する出力信号を示す図である。
ける透過率の変化に対応する出力信号を示す図である。
【図10】従来のカルコパイライト薄膜の製造装置の縦
断面略図である。
断面略図である。
【図11】従来のカルコパイライト薄膜の製造工程を示
す図である。
す図である。
1 基板 2 A元素過剰な組成のABC2型カルコパイライト
薄膜 2b 製造工程中のABC2型カルコパイライト薄膜 3 B元素過剰なABC2型カルコパイライト薄膜 4 基板ホルダー 5 電子銃 6 基板加熱ヒーター 7 可視光遮断フィルター 8 赤外光 9 ハーフミラー 10、11、12 A、B、Cのフラックスを供給す
るセル 13 透光性容器 14 排気系への接続部
薄膜 2b 製造工程中のABC2型カルコパイライト薄膜 3 B元素過剰なABC2型カルコパイライト薄膜 4 基板ホルダー 5 電子銃 6 基板加熱ヒーター 7 可視光遮断フィルター 8 赤外光 9 ハーフミラー 10、11、12 A、B、Cのフラックスを供給す
るセル 13 透光性容器 14 排気系への接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/205 H01L 21/205 31/04 31/04 E (56)参考文献 特開 平4−280417(JP,A) 特開 平6−45248(JP,A) 特開 平7−226410(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 15/00 C23C 16/52 H01L 21/205
Claims (13)
- 【請求項1】 ABC2型カルコパイライト(AはCu
またはAg、BはIn、GaまたはAl、CはS、Se
またはTe)薄膜の製造方法であって、 (1)加熱された基板上にABC2の化学量論比よりA
元素過剰なA元素、B元素、C元素を含んだ薄膜を形成
する第1の工程と、 (2)前記薄膜を、B元素及びC元素を含むフラックス
もしくはガス、またはB元素過剰なA元素、B元素及び
C元素を含むフラックスもしくはガスに暴露する第2の
工程、及び (3)前記薄膜におけるA元素のB元素に対する比A/
Bの変化に応じて変化する前記薄膜の物理的特性をモニ
ターする工程を含み、 前記薄膜の物理的特性は、前記薄膜におけるA/B比が
A元素過剰な状態からABC2の化学量論比に変わると
ころで特異的に変化し、B元素過剰になったところで飽
和するようなものであり、前記薄膜の物理的特性が飽和
値を示すところで前記第2の工程を停止することを特徴
とするABC2型カルコパイライト薄膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記薄膜の物理的特性をモニターする工
程が、前記薄膜の電気抵抗をモニターすることからなる
請求項1記載のABC2型カルコパイライト薄膜の製造
方法。 - 【請求項3】 前記薄膜の物理的特性をモニターする工
程が、前記薄膜に電子ビームを照射した際の、薄膜と電
気的に接続された負荷抵抗に流れる電流をモニターする
ことからなり、前記電流が低下しほぼ飽和値となるとこ
ろで前記第2の工程を停止する請求項2記載のABC2
型カルコパイライト薄膜の製造方法。 - 【請求項4】 前記薄膜の物理的特性をモニターする工
程が、前記薄膜からの反射光をモニターすることからな
る請求項1記載のABC2型カルコパイライト薄膜の製
造方法。 - 【請求項5】 前記薄膜の物理的特性をモニターする工
程が、前記薄膜からの反射光を検知する機構で観測され
る光強度をモニターすることからなり、前記光強度が低
下しほぼ飽和値となるところで前記第2の工程を停止す
る請求項4記載のABC2型カルコパイライト薄膜の製
造方法。 - 【請求項6】 前記薄膜の物理的特性をモニターする工
程が、前記薄膜を透過する赤外光をモニターすることか
らなる請求項1記載のABC2型カルコパイライト薄膜
の製造方法。 - 【請求項7】 前記薄膜の物理的特性をモニターする工
程が、前記薄膜を透過した赤外光を検知する機構で観測
される透過光強度をモニターすることからなり、前記透
過光強度が低下した後再び上昇しほぼ飽和値となるとこ
ろで前記第2の工程を停止する請求項6記載のABC2
型カルコパイライト薄膜の製造方法。 - 【請求項8】 ABC2型カルコパイライト(AはCu
またはAg、BはIn、GaまたはAl、CはS、Se
またはTe)薄膜の製造装置であって、基板ホルダー
と、前記ホルダーに保持された基板を加熱する機構と、
前記基板上にA元素、B元素およびC元素を供給すると
ともにそれぞれの供給を制御する元素供給機構と、前記
基板上に堆積される薄膜の物理的特性をモニターするモ
ニター機構とを具備することを特徴とするABC2型カ
ルコパイライト薄膜の製造装置。 - 【請求項9】 前記基板が導電性であってアース電位に
対し電気的に絶縁されていて、前記基板とアースとの間
に接続された負荷抵抗、及び前記基板の一部に電子ビー
ムを供給する機構を含み、前記モニター機構が、前記負
荷抵抗に流れる電流をモニターするものである請求項8
記載のABC2型カルコパイライト薄膜の製造装置。 - 【請求項10】 前記モニター機構が、前記基板上に光
を照射する機構と、前記照射された光の基板からの反射
光を検知する光検知機構を含み、前記光検知機構で観測
される光強度をモニターするものである請求項8記載の
ABC2型カルコパイライト薄膜の製造装置。 - 【請求項11】 前記基板が赤外光を透過するものであ
り、前記モニター機構が、前記基板に赤外光を照射する
機構と、前記基板を透過する赤外光を検知する光検知機
構を含み、前記光検知機構で観測される透過光強度をモ
ニターするものである請求項8記載のABC2型カルコ
パイライト薄膜の製造装置。 - 【請求項12】 前記基板に赤外光を照射する機構が、
前記基板を加熱する機構である請求項11記載のABC
2型カルコパイライト薄膜の製造装置。 - 【請求項13】 前記光検知機構の赤外光入射側に、可
視光を遮断する光学フィルターを設けた請求項10また
は11記載のABC2型カルコパイライト薄膜の製造装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08792295A JP3202886B2 (ja) | 1994-04-18 | 1995-04-13 | カルコパイライト薄膜の製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6-78720 | 1994-04-18 | ||
| JP7872094 | 1994-04-18 | ||
| JP08792295A JP3202886B2 (ja) | 1994-04-18 | 1995-04-13 | カルコパイライト薄膜の製造方法および製造装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH082916A JPH082916A (ja) | 1996-01-09 |
| JP3202886B2 true JP3202886B2 (ja) | 2001-08-27 |
Family
ID=26419780
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08792295A Expired - Fee Related JP3202886B2 (ja) | 1994-04-18 | 1995-04-13 | カルコパイライト薄膜の製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3202886B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| SE0400582D0 (sv) * | 2004-03-05 | 2004-03-05 | Forskarpatent I Uppsala Ab | Method for in-line process control of the CIGS process |
| CN111180595A (zh) * | 2018-11-13 | 2020-05-19 | 杭州纤纳光电科技有限公司 | 钙钛矿太阳能电池生产过程的在线监控设备及监测方法 |
-
1995
- 1995-04-13 JP JP08792295A patent/JP3202886B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH082916A (ja) | 1996-01-09 |
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