図1及び2を参照すると、本考案のタンポン用のアプリケータ10は、円筒形状であって、中心軸Pと、タンポン20を収容するための外筒30と、タンポン20の本体(吸収部)21を外筒30から押し出すために外筒30内に配置される内筒40とを有する。内筒40は、中空であって、タンポン本体21の後端から延びるコード22が内筒40の内部を挿通して後方へ延びている。
外筒30は、両端が開口した中空円筒状であって、長手方向において離間対向する前後端31,32と内外周面33,34とを有する。前端31には、タンポン20を押し出すときに弾性変形して拡開する複数の花弁体35によって画成される押し出し口(前端開口)37が位置する。後端32には、開口(後端開口)32aが位置し、開口32aから内筒40が前後方向X,Yにおいて移動可能に挿入される。花弁体35の先端は、中心軸Pへ向かって延びる先鋭状であり、前端31は全体として前方へ凸曲した形状を有する。
外筒30は、さらに、前端31側に位置する比較的に大径の挿入部38と、挿入部38から後方Yへ延びる比較的に小径の摘持部39とを有する。挿入部38と摘持部39との境界には、内筒40の外筒30からの脱落を防止するための段差(被係止部)51が位置する。挿入部38には所要の形状に賦型されたタンポン本体21が収容される。
図2〜4を参照すると、内筒40は、両端が開口した中空円筒状であって、長手方向において離間対向する前後端41,42と外周面43とを有する。前後端41,42にはタンポン20のコード22が貫通される前後端開口41a,42aが形成されており、それらの外周面43には、それぞれ、周方向外側へ突出する前後方フランジ44,45が設けられる。前方フランジ44は、前端開口41aから後方Yへ離間して位置し、後方フランジ45は後端開口42aの縁部に位置する。内筒40の後端42側の外周面43には、周方向において離間して配置された複数の隆起部60が位置する。内筒40の前端41は、前方フランジ44から前端開口41aに向かって僅かにテーパした形状を有し、タンポン本体21の後端と当接している。
内筒40と外筒30とは、公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の樹脂を用いて、射出成形により形成することができる。内筒40と外筒30とは、透明または半透明であって、顔料を用いることによって、無色透明ではなく有色透明であってもよいし、合成樹脂にシリカ系粒子等の不透明化材料を混入したり製造温度を調整する等して不透明に形成してもよい。外筒30の材料としては、押し出し口37からタンポン20を押し出すときに花弁体35を拡開可能とするために、可撓性を有する材料から形成されることが好ましい。また、内筒40の隆起部60が弾性変形するように、内筒40の可撓性は、外筒30と同等若しくは、それよりも低いことがタンポン20の押し出し操作をするうえで好ましい。外筒30の挿入部38は、タンポン20を収容できる程度の内部空間を有するものであって、その直径は約10〜25mmである。内筒40の直径は外筒30の直径よりも小さく、かつ、前方フランジ44の外径が摘持部39の内径よりも大きいことから、内筒40を後方Yへ引っ張ったときに前方フランジ44が段差51に係止されて後方Yへの移動が規制され、内筒40の後端開口32aからの後脱落が防止される。
図2を参照すると、アプリケータ10の組立状態における最大長さ寸法L1(内筒40を後方Yへ引っ張って、前方フランジ44が段差51に当接した状態)は約80〜130mm、外筒30の長さ寸法L2は約50〜80mm、内筒40の長さ寸法L3は、外筒30の長さ寸法L2とほぼ同じ又はそれよりも僅かに小さく、約40〜70mmである。また、タンポン20の直径は約8.0〜12.0mmである。
外筒30の前端31は、中心軸Pに向かって先鋭状に延びる複数の花弁体35から形成された凸曲状であって、その内径は先端に向かうにつれて次第に小さくなっている。内筒40と外筒30とはほぼ同じ長さ寸法を有するものであって、内筒40の前端41が外筒30の前端31に位置する花弁体35を押し拡げるまで押圧したときには、内筒40の後端縁と外筒体30の後端縁とがほぼ一致した状態となる。また、既述のとおり、内筒40の最大の外径(前方フランジ44の外径)とタンポン本体21の外径とは、外筒30の挿入部38の内径よりも小さいことから、内筒40をタンポン本体21を押す出しながら前方へ移動したときに、タンポン本体21と内筒40とが外筒30の内周面に当接して摩擦抵抗が生じることはなく、スムーズにタンポン20の挿入操作をすることができる。
図3(b)を参照すると、タンポン(吸収部材)20は、タンポン本体21とタンポン本体21から後方へ延びるコード22とを有する。タンポン本体21は、レーヨン、コットン等の天然繊維、合成繊維等の体液吸収物品に使用される吸収材料を賦型したものであって、オプションとして、ティッシュや発泡体を含む。また、レーヨンとコットンを混合して形成した繊維不織布シートをロール状に加工したものを用いることもできる。タンポン20のコード22は、ナイロンやポリエステル等の合成繊維や天然繊維等から形成されるものであって、使用後に膣腔内に位置する、体液を吸収したタンポン本体21を安全に取りだすことのできる程度の引張強度を有する。具体的には、タンポン本体21を取り出すときに切断されないように、約5N以上の引張強度を備えることが好ましい。
再び図2を参照すると、外筒30の摘持部39は、後端開口32aの縁部において後方大径部が位置して径方向の外側へ向かって延出した形状を有し、該開口縁部の内周面33には、後方Yから前方Xへ向かって幅狭となる外筒30の内周面33から中心軸Pへ向かって突出した突出部分70が位置する。内筒40の隆起部60の外径は突出部分70の内径とほぼ同じ又はそれよりも僅かに大きく、内筒40を前方Xへ移動したときに、各隆起部60が弾性変形しながら突出部分70と摺接して摩擦抵抗が生じる。なお、外筒30の突出部分70と内筒40の各隆起部60とが摺接するときに、各隆起部60が弾性変形することによって内筒40を前進させてもよいし、外筒30を内筒40よりも剛性の高い材料で形成して、突出部分70を弾性変形させてもよい。
図5を参照すると、内筒40の隆起部60は、前端から後端へ向かって次第に幅広となる外形をなし、線対称形状の一つである略ハート状を有する。隆起部60は、前端に位置する頂点61と、頂点61から後方側へ傾斜して延びる略V字形の外形を有する前方部分62と、前方部分62の後方Yに位置する2つの円弧部位から構成された後方部分63とを有する。図5において、前方部分62と後方部分63との境界を仮想線65で示す。図6(a)を参照すると、内筒40の外面には、同形同大の隆起部60がその周方向において等間隔に複数配置されている。本実施形態においては、周方向において互いに等間隔に、かつ、前後方向において同じ位置に3つの隆起部60が配置されており、内筒40を前方へ移動させたときに隆起部60が同時に外筒30の内周面33(具体的には、後記の突出部分70)と接触するので、摩擦抵抗力が分散されるとともに、内筒40を偏心させることなく前後方向X,Yへ移動させることができる。また、各隆起部60における中心軸Pを中心とした中心角θは、約70〜100度である。
図6(b)を参照すると、隆起部60の前方部分62は、前方から後方へ向かって高さ(厚さ)寸法が大きくなるように僅かに傾斜した形状を有する。隆起部60は、かかる形状を有することによって、高さ寸法の比較的な小さな、傾斜した部分からなる肉薄部分60Aと、肉薄部分60Aよりも高さ寸法の大きな肉厚部分60Bとを有する。隆起部60がこのようになだらかな傾斜状を有することによって、外筒30の突出部70に摺接したときに、前方部分62の一部が引っかかったり破損したりするおそれはない。本実施形態において、隆起部60は、ハート形状を有し、それ自体内筒40の意匠性を高める装飾要素としての役割を果たすことができる。隆起部60は、ハート形状のほかに、ダイヤ状、略スペード状、略ディアドロップ状等の各種公知の形状を有していてもよいし、前後方向X,Yへ連続的又は断続的に延びる凸条であってもよい。また、隆起部60が装飾目的にのみ使用される場合には、高さ寸法の変化する傾斜部分を有さず、全体的に同じ高さ寸法を有する形状であってもよい。
隆起部60には、内筒40において隆起部60の存在を認識させるための気泡(識別要素)50が配置されている。気泡50は、内筒40のうちの隆起部60を除く部分(以下、内筒本体48という)と隆起部60とを外観において識別できるようにするためのツールとして機能するものであって、隆起部60に気泡50が位置することによって、内筒本体48と隆起部60とが同一材料によって一体的に形成されている場合であっても、隆起部60の存在を容易に認識させることができる。
すなわち、アプリケータの内外筒は、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の熱可塑性合成樹脂を材料として、射出成形により形成されるものであって、全体として透明又は半透明を有する。したがって、使用者が使用するときに、隆起部60の存在に気付かずにそのまま使用し、隆起部60の有する本来的な機能が発揮されないことがある。例えば、隆起部が、内筒を外筒内において適正な位置まで移動させて膣内にタンポンを挿入するための機能を備えるものであるとしても、使用者がその存在に気付かないことから、内筒が適正な位置まで移動せず、タンポンが膣内に十分に挿入されない状態で使用されて、経血が十分に吸収されずに漏れ出てしまったり、使用後に膣内から抜き取るときにコードに付いた体液が手に付着するという問題が生じていた。また、隆起部60が、内筒の意匠性を高めるための装飾要素として使用される場合であっても、使用者がその存在に気付き難いことから、その装飾性が発揮されないおそれがあった。
本考案に係るアプリケータ10によれば、隆起部60に気泡50が位置することによって、使用者は、一見して隆起部60の存在を認識することができるので、隆起部60が、所定の機能を備える場合には、商品説明書に沿う方法で使用してその機能を十分に発揮させることができる。また、隆起部60が装飾目的で配置されている場合には、気泡50によって、一見して隆起部60の存在を認識するので、装飾目的を果たし、意匠性を向上させることができる。
気泡50は、製造過程において隆起部60に意図的に形成することができることのほかに、射出成形時の金型内において、合成樹脂が冷えて固化するときに、内筒本体48から突出して肉厚となる隆起部60の表面が先に固化して体積が収縮して発生する、いわゆる真空ボイドによって偶発的に隆起部60内に形成される場合を含むものである。
内筒40が、不透明の場合には、隆起部60に気泡50が形成された場合であっても、気泡50が他の部分と一体的に視認されてその存在を認識することが困難であるといえるが、内筒40が透明又は半透明の場合には、隆起部60が他の部分よりも肉厚であって突出した形状であることから、その光線透過率が内筒40の他の部分の光線透過率よりも低くなる。したがって、使用者が、内筒40を視認したときに、内筒40において部分的に光線透過率が低くなっている隆起部60が目を惹き、その存在を容易に視認することができる。また、気泡50の位置する部分は、隆起部60の他の部分に比べて光線透過率が高くなることによって他の部分と識別されやすくなっている。したがって、隆起部60において気泡60の光線透過率がそれを囲む周りの部分と異なることによって、内筒40を視たときに気泡50が目を惹き、隆起部60の存在を認識することができる。
再び、図6(b)を参照すると、気泡50は、隆起部60における、その高さ寸法の中央部分よりも内方に位置し、かつ、隆起部60のうちで高さ寸法が比較的に大きな肉厚部分60Bに位置している。気泡50が、肉薄部分60Aやその高さ寸法の中央部分よりも外方(外周面43側)に位置する場合には、それが内方に位置する場合に比して厚さ寸法が大きくなって強度が高く、アプリケータ10の製造過程や搬送中に、内筒40が他の部材に摺接、衝接したときに、気泡50が潰れたり変形したりして、使用時に視認され難くなるおそれがあるが、気泡50が、隆起部60においてその高さ寸法の中央部分よりも内方に位置することによって、かかる事態が生じても、気泡50が潰れて消滅したり変形したりすることはない。このように、隆起部60内における気泡50の位置を意図的にコントロールすることができることのほかに、射出成型時において、隆起部60のうちの肉厚部分60Bは、肉薄部分60Aに比べて金型内において真空ボイドが生じやすいので、偶発的にかかる内部位置に形成される場合もある。
ここで、隆起部60の高さ寸法(厚さ寸法)Hは、0.25mm以上であることが好ましい。隆起部60の高さ寸法Hが、0.25mm以下の場合には、たとえ気泡50によって隆起部60の存在を認識させたとしても、使用者に隆起部60が本来的な機能を発揮するのか不安を与えたり、装飾効果を十分に発揮できないおそれがある。気泡50の大きさ、形状、個数及び位置は、自由に選択され又は成形時に意図せずに決定されるものであって、円形、矩形であったり、単数又は3つ以上形成されていてもよいが、使用者が、気泡を目視で確認することができる程度の大きさを有することが好ましい。また、気泡50は、複数の隆起部60のうちの少なくとも1つに形成されていればよい。
<変形例>
図7(a)は、アプリケータ10の変形例の一例における内筒40の平面図、図7(b)は、他の変形例の一例における内筒40の平面図である。図7(a)においては、隆起部60は内筒40の長さ方向における中央部分に位置し、図7(b)においては、隆起部60は、内筒40の前端41側に位置している。後記のように、隆起部60は、内筒40の後端42側に位置することによって、内筒40を適正な位置まで前進させてタンポン20を膣内へ挿入するためのサイン機能を備えるものであるほかに、装飾性の付与や内筒40を摘持するときにグリップ位置を示すもの等の複数の使用目的によって外周面43に配置されるものであるから、内筒40の外周面43うちのいずれかの位置にあればよい。また、前後方向X,Yにおいて複数配置されていてもよいし、本実施形態のように、内筒40の周方向において複数離間して配置されるものではなく、単数であってもよい。
図8(a)〜(c)は、アプリケータ10のさらに他の変形例における、内筒40の後端部の一部拡大図である。図8(a)に示す変形例においては、隆起部60に気泡50が位置しておらず、隆起部60の少なくとも一部に、内筒本体48の色とは識別可能な色が着色された着色域(識別要素)80が位置する。着色域80が、内筒本体48と異なる色を有することによって、使用者は、一見して隆起部60の存在を認識することができる。ここで、「隆起部60の色と内筒本体48の色とが異なる」とは、色の三大要素である色相、明度、彩度のうちの少なくとも1つが異なることを意味し、同じ明度及び/又は彩度を有するものであっても、使用者が目視によって識別できる程度の違いがあることを意味する。したがって、例えば、内筒本体48が薄いピンク色であるのに対し、隆起部60が濃いピンクであって、互いに同系色であっても、使用者が目視で互いに識別できる程度の明度/彩度の差があれば、互いに異なる色であるといえる。
着色域80は、射出成形後に、内筒40の隆起部60に着色加工をして形成してもよいし、2種類の顔料を合成樹脂に混入することによって2色成形によって着色させてもよい。着色域80は、使用者が内筒本体48の色と視覚上識別できる程度の範囲において、隆起部60の外周面の一部に位置していればよく、外周面43にライン状、ドット状に複数配置された着色部分から形成されていてもよい。また、着色域80が隆起部60の全体に位置する場合には、隆起部60の外形輪郭が視認され易くなり、その装飾性を有する形状が使用者の目を惹きつけ、より高い意匠性が発揮される。
図8(b)に示す変形例においては、隆起部60の外面には、凹凸形状の模様(識別要素)81が施されている。かかる凹凸模様81は、射出成形時に予め形成することができることのほかに、内筒40の成形後に、シボ加工を施すことによって形成することもできる。隆起部60の外面に凹凸模様81が形成されていることによって、かかる模様が付されてない、平滑な外周面43を有する内筒本体48と外観において識別することが容易になるとともに、比較的に暗い場所で使用者が内筒40に触れたときに、凹凸模様81の位置する隆起部60の存在を視覚ではなく触感によって認識することができる。
図8(c)に示す変形例においては、隆起部60の外周面に複数の溝(識別要素)90が位置している。隆起部60の外周面に複数の溝90が位置することによって、平滑な外周面43を有する内筒本体48とは外観において識別することが容易であって、使用者が内筒40に触れたときに、複数の溝90の位置する隆起部60の存在を触感によって認識することができる。複数の溝90の形状、大きさ、数及び配置パターン等は、適宜自由に採用することができる。図示例においては、溝90が、隆起部60の中央において横断方向へ延びて互いに前後方向X,Yへ離間して配置された複数の中央部分91と、中央部分91の両側に位置して前方X又は後方Yへ傾斜するサイド部分92とから構成されている。このように、複数の溝90の向きを変えることによって、一方向における剛性の低下を抑制することができる。
隆起部60に配置された識別要素としての模様90は、シボや複数の溝等による形状の変化を伴うもののほかに、隆起部60の外周面43に印刷された図柄、数字、記号、色の組み合わせによるもの等であってもよい。
図9は、本実施形態に係る、隆起部60のサイン機能を説明するための、内筒40の隆起部60と外筒30の突出部分70とが当接した状態を示す、図5と同様の図である。図9を参照すると、隆起部60は、略ハート形状であって、前方部分62は頂点61から後方へ向かうにつれてその幅方向の寸法が大きくなる形状を有しているので、前方Xへ移動するにしたがって次第に突出部分70との接触面積が大きくなる。すなわち、内筒40を前方Xへ移動させるにつれて、接触面積C1〜C5が大きくなるので、摩擦抵抗が次第に大きくなる。具体的には、まず、頂点61における突出部分70との接触面積C1は点状であるので、使用者が感じる程度の摩擦抵抗は生じない(摩擦抵抗≒0)。次に、頂点61を突出部分70から通過させて内筒40を前方Xへ移動すると、接触面積C2〜C5の順に次第に大きくなり、後端縁のうちの離間部分の先端と重なる位置、すなわち、前方部分62と後方部分63との境界65において最大接触面積C5となる。
内筒40をさらに前方Xへ移動させると、後方部分63は後方Yへ向かうにつれて次第に幅寸法(または表面積)が小さくなっており、かつ、外形状が二股状であるので、接触面積は次第に小さくなる。具体的には、最大接触面積C5よりも後方に位置する接触面積C6の面積及び摩擦抵抗は小さく、さらに、接触面積C6よりも後方Yに位置する接触面積C7の面積及び摩擦抵抗は接触面積C6のそれよりも小さくなる。隆起部60は、外筒30の内周面33の一部である突出部分70と局所的に摺接するので、その接触面積は周方向へ延びるいわばライン状であって、外筒30と面状に接する場合に比して接触面積及びそれによる摩擦抵抗を小さくすることができる。
既述のとおり、本実施形態において、隆起部60の前方部分62の外周縁は、前方か後方へ向かって次第に高さ寸法が大きくなるように傾斜しており、突出部分70になだらかに摺接するので、摺接したときに前方部分62の一部が引っ掛かったり破損したりするおそれはない。また、隆起部60は、内筒40の後方フランジ45から前方Xへ所与寸法離間して位置している。このように、隆起部60が後方フランジ45から所定寸法離間していることによって、隆起部60と突出部分70とを摺動させながら内筒40を前方Xへ移動し、隆起部60が完全に突出部分70を通過したときに、内筒40と外筒30とが非接触の状態となって摩擦抵抗が生じなくなる。それにより、後記のとおり、使用者はタンポン20の大部分又は全体が安全に膣腔内に挿入されたことを確認することができる。
本考案に係る隆起部60による摩擦抵抗は、使用者にタンポン20の挿入操作が終わることを直前に知らせる予告サインであるとともに、タンポン20を完全に押し出すための押し出し継続サインとして機能する。すなわち、使用者は、摩擦抵抗の発生によってタンポン20の挿入操作が完了する直前であることを認識することができるとともに、摩擦抵抗は内筒40を前進させるにつれて次第に大きくなるものであるから、その摩擦抵抗が変化している間はタンポン本体21の挿入が完了していないことになるので、使用者は継続して押圧をし続けて意識的に止めることはない。使用者は、摩擦抵抗がなくなるまで押圧しつづけて、最終的に隆起部60が突出部分70を通過して摩擦抵抗が発生しなくなった時点で挿入操作が完了したことを確認することができる。さらに、内筒40を前進させて、後方フランジ45が外筒30の後端開口32aに進入するまで内筒40を押圧したとしても、外筒30の前端31を形成する花弁体35は可撓性を有するので、内筒40の前端41が外筒30の前端31内面に当たって弾性反発し、使用者がそのまま人差し指を離すと、後方フランジ45は外筒30の後端32から後方Yへ突出した状態となる。
隆起部60の前方部分62が円弧状であったり、内筒40の周方向へ直状に延びる形状等であった場合には、後方Yへ向かって前方部分62の表面積が次第に大きくなることはなく、使用者が認識できる程度に段階的に摩擦抵抗を変化させることができないところ、隆起部60は前方Xに位置する頂点61において突出部分70と点で接触し、摩擦抵抗がほぼない状態から開始されるので、隆起部60の前後方向における寸法が比較的に小さい場合であっても、使用者が認識できる程度に摩擦抵抗を徐々に変化させることができる。
隆起部60は、前方部分62における摩擦抵抗の最大値(ピーク)となる接触域C5から後方へ向かって幅狭となる形状を有しており、後方部分63において摩擦抵抗が次第に小さくなる。したがって、使用者は、内筒40を前進させながら摩擦抵抗のピークになるまで押圧し、次第にそれが小さくなるように変化することによって、挿入操作の終了を(摩擦抵抗がなくなることを)さらに直前で知ることができる。本考案の効果を奏する限りにおいて、隆起部60は内筒40の外周面43ではなくて、平坦状の内筒40の外周面43の一部と摺接するように、外筒30の内周面33に形成されていてもよい。また、タンポン20を膣腔内に挿入した後に、隆起部60が外筒30の内周面33に形成された係止部に係止されて、隆起部60において内筒40の移動を規制(ロック)することもできる。
隆起部60は、外筒30の内周面33に配置した場合であっても上記の技術的効果を同様の効果を得ることもできるが、内筒40の外周面43に配置することによって、使用者が使用前及び着用操作中に視認することができ、アプリケータ10がタンポン本体21の挿入操作の完了を直前で知らせるサイン機能を有することを知ることができる。また、ハート状等の意匠性のある立体的な形状や模様を採用することによって、装飾性が向上し、使用者の注意を惹き易くなる。さらに、かかるサイン機能の説明について、アプリケータ10の包装紙に印刷することも有効である。このような機能的な役割及び装飾的な役割を有する隆起部60に、内筒本体48と外観上識別しうる識別要素を配置することによって、使用するときに使用者に確実に隆起部60の存在を認識させることができる。
本考案のアプリケータ10を構成する各構成材料には、特に記述がなされている場合を除き、この種の分野において通常用いられている、各種の公知の材料を制限なく用いることができる。