JP3230432B2 - 電界放出素子及びその製造方法 - Google Patents

電界放出素子及びその製造方法

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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放出素子及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属または半導体表面の印加電界を10
9 [V/m]程度にすると、トンネル効果により電子が
障壁を通過して、常温でも真空中に電子放出が行われる
ようになる。これを電界放出(Field Emission)と呼
び、このような原理で電子を放出するカソードを電界放
出カソード(Field Emission Cathode)(以下、FEC
という)と呼んでいる。
【0003】近年、半導体加工技術を駆使して、ミクロ
ンサイズの電界放出カソードからなる面放出型の電界放
出カソードを作製することが可能となっており、電界放
出カソードを基板上に多数個形成したものは、その各エ
ミッタから放出された電子をアノード基板に形成されて
いる蛍光面に照射することによってフラットな表示装置
や各種の電子装置を構成する素子として期待されてい
る。
【0004】図2はカソード基板及びアノード基板の構
成例を示す図である。カソード基板100は、ガラス等
の基板101上に、金属層からなるカソード102、ア
モルファスシリコン等からなる抵抗層103、シリコン
を熱酸化させて形成した絶縁層(SiO2 層)104、
及び、ニオブ等の金属層からなるゲート105を蒸着等
により順次形成する。さらに、ゲート105上にフォト
レジスト(図示せず)を塗布した後、パターニング及び
エッチングを行い、図示するようにゲート105及び絶
縁層104に開口部106を形成する。
【0005】次に、フォトレジストを除去し、基板10
1を回転させながら、基板面に対して斜め方向からアル
ミニウムを回転蒸着させることにより剥離層(図示せ
ず)の蒸着を行う。すると、剥離層は開口部106の中
には蒸着されずにゲート105の表面にのみ選択的に蒸
着されることになる。さらに、剥離層の上から、例えば
モリブデンを堆積させると、剥離層の上に堆積層が、エ
ッチングにより開けた開口部106の中に、エミッタ1
07がコーンの形状で堆積する。この後、ゲート105
上の剥離層及び堆積層をエッチングにより除去すると図
示されているような構造のFECが得られる。
【0006】この図に示すFECは、半導体集積化技術
を用いて製作すると、コーン状のエミッタ107とゲー
ト105との距離をサブミクロンとすることが出来るた
め、エミッタ107とゲート105間に数10ボルトの
電圧を印加することによりエミッタ107から電子を放
出させることが出来るようになる。なお、基板101上
にFECを多数集積化する場合に、各エミッタ107間
のピッチは5ミクロンないし10ミクロンとして製作す
ることが出来るため、数万から数10万個のFECを1
枚のカソード基板100上に設けることが出来る。
【0007】また、アノード基板110は、例えばガラ
ス等で形成された基板111上に、例えばITO等から
なる透明の導電膜112が形成され、さらに、例えば緑
色を発光するZnO等の蛍光体113が塗布されてい
る。そして、カソード基板100とアノード基板110
は例えば200μm程度のギャップを保ち真空封止され
ている。
【0008】このように、面放出型のFECを製作する
ことが可能となっており、このFEC素子は蛍光表示装
置、CRT、電子顕微鏡や電子ビーム装置に適用するこ
とが提案されている。
【0009】図3に、このような面放出型のFEC素子
の斜視図を示す。この図において、基板101上にカソ
ード102が形成されており、このカソード102の上
には抵抗層103が形成されている。そして、この抵抗
層103上にコーン状のエミッタ107が形成されてい
る。さらに、カソード102上に絶縁層104を介して
ゲ−ト105が設けられており、ゲート105に設けら
れた丸い開口部106からコーン状のエミッタ107の
先端部分が臨んでいる。
【0010】このように形成された面放出型のFECに
おいて、ゲート105とカソード102との間に数十ボ
ルトの駆動電圧VGEを印加すると、エミッタ107から
電子が放出され、エミッタ107から放出された電子
は、ゲート105上に離隔して配置され、アノード電圧
VA の印加されたアノード基板110の導電膜112に
より捕集される。この場合、導電膜112がエミッタ1
07から放出された電子を補集することにより、導電膜
112上に塗布されている蛍光体113が励起されて発
光させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
FECにおいて、各種省電力化の手段が考えられてい
る。例えば、カソード基板100側において、 1.ゲート105とエミッタ107の間隔を狭める。 2.エミッタ107を形成する材料に低仕事関数の材料
を用いる。 3.エミッタの曲率半径を小さくする。 4.エミッションの放出面積を大きくする。 等の、各手段が挙げられる。
【0012】例えば上記第2の手段において、エミッタ
107は加工性等の理由からモリブデン等によって形成
されている。これは、モリブデンのアスペクト比(エミ
ッタ107が堆積する高さ/エミッタ107の底辺)が
1:1程度であるために、エミッタ107を作製する上
で適した材質とされているためである。しかしながら、
モリブデンは仕事関数において優れた材質とはいえない
ためため、省電力化を実現するのは困難である。また、
例えばモリブデン以外の低仕事関数の材料を用いると加
工性が劣化して、エミッタ107を所定の形状とするこ
とが困難になるという問題がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点を解決するためになされたもので、電界放出カソード
基板と、該電界放出カソード基板と離隔して封止されて
いるアノード基板と、低仕事関数の物質Ti、Hf、Z
r、Ba、Cr、Pt、Nb、Auの材料あるいはこれ
らの材料の窒化物、炭化物、ホウ化物、酸化物を混入し
てなる蛍光材料から形成されている前記アノード基板に
形成されている蛍光体と、を備え、エージングにより前
記電界放出カソード基板上のエミッタの表面に前記低仕
事関数の物質からなる堆積層が形成されている電界放出
素子を構成する。
【0014】また、電界放出カソード基板と、該電界放
出カソード基板と離隔して封着されているアノード基板
によって構成されている電界放出素子の製造方法におい
て、前記アノード基板に低仕事関数の物質Ti、Hf、
Zr、Ba、Cr、Pt、Nb、Auの材料あるいはこ
れらの材料の窒化物、炭化物、ホウ化物、酸化物を混入
した蛍光体を形成した後に、電界放出カソード基板と前
記アノード基板を封着してエージングを行い、前記電界
放出カソード基板上のエミッタの表面に低仕事関数の物
質からなる堆積層を形成して電界放出素子を製造する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。図1(a)(b)(c)は本実施形態の電界放出素
子の製造工程を説明する摸式図である。カソード基板1
において、基板2、カソード3、抵抗層4、絶縁層5、
ゲート6、開口部7、エミッタ8は、それぞれ先程図2
に示したカソード基板100と同等の構成とされ、基板
101、カソード102、抵抗層103、絶縁層10
4、ゲート105、開口部106、エミッタ107に対
応している。
【0016】本発明では、アノード基板10に形成され
ている導電膜12に塗布される蛍光体13に低仕事関数
の物質を混入している。導電膜12上に、例えばスラリ
ー法によって蛍光体13をパターニングする場合、スラ
リー液には界面活性剤、感光剤、水、目的とする蛍光材
料、及び低仕事関数の物質を混ぜ合わせる。低仕事関数
の物質としては、例えば、Ti(3.45eV)、Hf
(3.53eV)、Zr(3.9eV)等の材料あるい
はこれらの材料の窒化物、炭化物、ホウ化物(酸化物も
含む)とされ、蛍光材料に対して例えば数%から数10
%混入する。またこの他にも、Ba、Cr、W、Pt、
Nb、Au、Ta等の材料あるいはこれらの材料の窒化
物、炭化物、ホウ化物、酸化物、ケイ化物等の物質でも
良い。なお、図1(a)(b)(c)には、Zn及びT
iを混入して蛍光体13をパターニングした例を示して
いる。
【0017】図1(a)は、例えばZn及びTiが混入
された蛍光体13がパターニングされている状態を示し
ており、さらに、カソード基板1とアノード基板10を
面付けして、封着、排気工程を経ている状態である。
【0018】この状態で、先程図3で説明したようにF
ECを駆動させエージング工程に移行すると、図1
(b)に矢印で示されているように、蛍光体13に混入
されているZn、Tiの一部が飛散して、エミッタ8の
先端部分に選択的に付着するようになる。この、エージ
ング工程を、エミッタ8に対するZn、Tiの付着が完
了するまで行うと、図1(c)に示されているように、
エミッタ8の先端部分はZn、Tiによってコーティン
グされ、低仕事関数の堆積層9が形成される。これは、
蛍光体13において+電荷に帯電して飛散したZn、T
i等の混入物が、アノードより負電位とされているエミ
ッタ8の先端に付着するためである。
【0019】このように、エミッタ8の先端部分に例え
ばZn、Ti等からなる堆積層9が形成され低仕事関数
の物質でコーティングされることにより、エミッタ8か
ら電子が放出されすくなり、従来よりも低いカソード電
圧、ゲート電圧でもアノード基板側に十分な電子を供給
することができるようになる。
【0020】
【発明の効果】以上、説明したように本発明は、アノー
ド基板に形成される蛍光体に、例えばZn、Ti等の低
仕事関数の物質を混入しておくことにより、これらの低
仕事関数の物質がエージングによってエミッタの先端部
分に付着するようになる。これにより、従来よりも低い
カソード電圧、ゲート電圧でもアノード基板において十
分な電子が得られるようになる。したがって、FEC自
体の低消費電力化を実現することができる。また、カソ
ード、ゲートのドライブ電圧を低下することにより、ド
ライバコストを安価に抑えることができるようになり、
製造コストを低下することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の電界放出素子を断面的に
示す図である。
【図2】従来の電界放出素子を断面的に示す図である。
【図3】従来の電界放出素子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 カソード基板 8 エミッタ 9 堆積層 10 アノード基板 13 蛍光体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 31/12 H01J 1/304 H01J 9/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界放出カソード基板と、 該電界放出カソード基板と離隔して封止されているアノ
    ード基板と、 低仕事関数の物質Ti、Hf、Zr、Ba、Cr、P
    t、Nb、Auの材料あるいはこれらの材料の窒化物、
    炭化物、ホウ化物、酸化物を混入してなる蛍光材料から
    形成されている前記アノード基板に形成されている蛍光
    体と、 を備え、 エージングにより前記電界放出カソード基板上のエミッ
    タの表面に前記低仕事関数の物質からなる堆積層が形成
    されている ことを特徴とする電界放出素子。
  2. 【請求項2】 電界放出カソード基板と、 該電界放出カソード基板と離隔して封着されているアノ
    ード基板によって構成されている電界放出素子の製造方
    法において、 前記アノード基板に低仕事関数の物質Ti、Hf、Z
    r、Ba、Cr、Pt、Nb、Auの材料あるいはこれ
    らの材料の窒化物、炭化物、ホウ化物、酸化物を混入し
    た蛍光体を形成した後に、電界放出カソード基板と前記
    アノード基板を封着してエージングを行い、前記電界放
    出カソード基板上のエミッタの表面に低仕事関数の物質
    からなる堆積層を形成したことを特徴とする電界放出素
    子の製造方法。
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CN1222975C (zh) 1999-01-19 2005-10-12 佳能株式会社 制造图像形成装置的方法

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