JP3239656B2 - 耐食性及び溶接性に優れた表面処理鋼材 - Google Patents

耐食性及び溶接性に優れた表面処理鋼材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性及び溶接性、特
にアーク溶接性に優れ、自動車、家電製品、建材などの
分野で使用するのに適した表面処理鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車をはじめとして、家電製
品、建材等の分野には、鋼板表面に各種のめっきを施し
た表面処理鋼板が広く使用されている。その代表的なも
のに、亜鉛及び亜鉛合金めっき鋼板がある。これらの亜
鉛系めっき鋼板は、腐食環境で亜鉛が優先的に溶解する
犠牲防食能により、端面や傷部等の皮膜欠陥部において
も母材鋼板を十分に保護する能力を有している。しか
し、これらの使用分野における腐食環境がますます厳し
くなる傾向にあり、従来の亜鉛系めっき鋼板では、耐食
性が十分ではなく、厳しい腐食環境に耐えられなくなり
つつある。
【0003】このようなことから、鋼板表面にアルミニ
ウムまたは、アルミニウム合金をめっきしたアルミニウ
ム系めっき鋼板が開発され、実用化されつつある。たと
えば、塩水環境に曝されるいわゆるウオーターフロント
の構造物には、純アルミニウム、またはZn−5%Al、Zn
−55%Al、Al−8〜10%Si等のアルミニウム合金を鋼板
表面にめっきしたアルミニウム系めっき鋼板が採用され
ている。
【0004】また、鋼板母材そのものに耐食性を持たせ
た自動車用鋼板としては、少量のCu、P、Ni等の元素を
添加して、表面に緻密な腐食生成物皮膜を形成させた鋼
板が、特公昭57−14748 号公報に提案されている。
【0005】一方、例えば自動車足廻り部材の組立ての
場合、鋼板のプレス成形後にアーク溶接により組立てを
行うことが多い。この時、めっきの施されていない普通
の鋼板では溶接性は特に問題にならないが、亜鉛系めっ
き鋼板の場合は、めっきの蒸発に起因するブローホール
等の溶接欠陥が多発する。そのため、部品強度、特に疲
労強度の低下が懸念され、継手の信頼性が十分でないと
いう問題があった。
【0006】溶接技術上で上記の問題点を解決する方法
として、予め溶接部およびその近傍のめっき層を除去す
ることが知られているが、非常に手間がかかり経済性を
損なう上、その部分の耐食性が低下するという問題があ
る。また、溶接用ワイヤの成分を調整して欠陥を減少さ
せるという方法に関する多数の提案 (例えば、特開平1
−143775号公報参照) があるが、ブローホールの発生を
十分抑制することは未だ困難であり、根本的に問題が解
決されているとは言い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、現状で
は、耐食性とアーク溶接性の両方を十分に満足するよう
な鋼板はない。本発明の目的は、従来のめっき鋼板より
も優れた耐食性を備え、しかも継手の信頼性を確保でき
るまでにアーク溶接時の溶接欠陥発生量を低減すること
が可能な表面処理鋼材、特に鋼板を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微量のC
u、P、Niを添加した鋼材にアルミニウム−マンガン合
金めっきを施した表面処理鋼材が、従来の亜鉛系めっき
鋼板と同等以上の耐食性を示し、かつアーク溶接部の欠
陥発生量が著しく抑制されることを見出し、本発明に到
達した。
【0009】本発明の要旨は、重量%にて、C:0.0001
〜0.020 %、Si:1.5 %以下、Mn:0.05〜2.0 %、P:
0.020〜0.12%、S:0.020 %以下、Cu:0.10〜0.80
%、Ni:0.01〜0.50%、sol.Al:0.10%以下、N:0.00
80%以下、B:0〜0.0050%、残部:Feおよび不可避不
純物からなる鋼材の表面に、付着量が 0.1〜50 g/m2
Mn含有量が1〜50重量%のアルミニウム−マンガン合金
めっき皮膜を有することを特徴とする、耐食性及び溶接
性に優れた表面処理鋼材である。
【0010】なお、上記の鋼材の組成中、Bは任意添加
成分であり、添加しなくてもよいが、添加する場合には
B:0.0003〜0.0050%の割合とすることが好ましい。本
発明の表面処理鋼材の形態は特に制限されず、鋼板以外
に、型鋼、鋼管、棒鋼、鋼線など各種形態の鋼材を本発
明に従って表面処理することができるが、以下の説明で
は、代表例として鋼板を母材とする表面処理鋼板につい
て本発明を説明する。
【0011】
【作用】本発明によれば、鋼板母材に微量のCu、P、Ni
を添加し、この鋼板の少なくとも片面にアルミニウム−
マンガン合金 (以下、Al−Mn合金と表記) めっきを施す
ことで、より薄目付けで従来の亜鉛系めっき鋼板に匹敵
するか、それを凌駕する耐食性を確保し、かつアーク溶
接部の欠陥の発生量を著しく抑えることが可能となっ
た。その理由は下記のように考えられる。
【0012】一般に、亜鉛系めっき皮膜はZnの優先溶解
による犠牲防食能で母材鋼板を保護するが、厳しい腐食
環境下ではめっき皮膜の溶出が速すぎて、皮膜が損耗
し、耐食性を十分に確保することができない。
【0013】これに対し、Al−Mn合金めっき皮膜は、Mn
が優先析出した後、腐食生成物であるAl2O3 が鋼板表面
を覆うことにより母材鋼板を保護する。従って、めっき
皮膜がそれ以上は損耗しないため、厳しい腐食環境下で
も耐食性を十分に確保することができる。
【0014】さらに、Al−Mn合金めっきと母材中のCu−
Pが作用し、耐食性を向上させる相乗効果が期待でき
る。すなわち、腐食環境中ではめっき皮膜から遊離した
Mnが一種の不動態皮膜であるMn酸化物を形成するが、母
材中から遊離したCuによりこの不動態皮膜が緻密化さ
れ、頑強な環境遮断皮膜へと変化させる。また、めっき
から溶出したAlと母材から溶出したPからりん酸アルミ
ニウムを生成し、このpH緩衝作用により吸着水膜の高
アルカリ化を抑制 (カソード反応を抑制) し、母材の腐
食速度を抑える。
【0015】このAl−Mn合金めっきによる耐食性は、め
っき付着量が 0.1〜50 g/m2 、めっき皮膜中のMn含有量
が1〜50重量%の範囲で得ることができる。好ましく
は、めっき付着量が10〜30g/m2、Mn含有量は15〜40重量
%、特に20〜30重量%である。
【0016】めっき付着量が0.1 g/m2より少ないと、Al
−Mn合金めっき皮膜の耐食性が劣り、50 g/m2 を超える
と、めっき皮膜が厚くなりすぎて加工性が低下するのみ
ならず、耐食性も低下する。めっき皮膜中のMn含有量が
1重量%未満、または50重量%を超えると、Al−Mn合金
が非晶質領域を逸脱し、結晶質となるため、めっき皮膜
の加工性が悪くなり、かつ耐食性も悪くなる。
【0017】溶接性に関しては、亜鉛系めっき鋼板のア
ーク溶接、特に2枚の鋼板を部分的に重ね、端部に重ね
継手を配してすみ肉溶接を行う「重ねすみ肉溶接」で
は、溶接の熱影響によって溶接部 (重ね部) の亜鉛が蒸
発し、その蒸気が溶融池 (アーク熱で溶融した部分) に
侵入し、凝固後もそのまま溶接部に残留することにより
ブローホールやピットなどの溶接欠陥になると考えられ
ている。一方、Al−Mn合金めっきの場合、亜鉛系めっき
に比べ沸点が高いため、溶接時のめっき層の蒸発が極め
て少ない。したがって、ブローホールなどの溶接欠陥は
現れにくい。
【0018】本発明の表面処理鋼板におけるAl−Mn合金
めっき皮膜は、Mn1〜50重量%、残部Al (および不可避
不純物) の2成分系合金でよいが、所望によりさらに、
第三元素として、 0.005〜10at%のCu、Ag、Fe、Co、
Ni、 0.002〜3at%のMg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、In、
Tl、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、および 0.005〜5
at%のTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、WおよびRe、
よりなる群から選んだ1種もしくは2種以上の元素をめ
っき皮膜中に含有させてもよい。但し、これら第三元素
を2種以上添加する場合には、合計量を15at%以下とす
ることが好ましい。
【0019】のCu、Ag、Fe、CoおよびNiは、Al−Mn合
金めっき皮膜の硬度を高める働きがあり、その添加によ
り表面処理鋼板の摺動性及び加工性を向上させることが
できる。のMg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、In、Tl、Si、G
e、Sn、Pb、As、SbおよびBiは、Al−Mn合金めっきの電
位を卑にし、皮膜の犠牲防食能を向上させる働きをす
る。のTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、WおよびRe
は、皮膜の融点を上昇させるため、スポット溶接の連続
打点性が向上する。
【0020】Al−Mn合金めっき皮膜は、溶融めっき法ま
たは溶融塩電解めっき法により形成することができる。
特にMn含有量が比較的多い場合には、溶融塩電解めっき
法が好ましい。Al−Mn合金の溶融塩電解めっき浴として
は、塩化物浴が一般に使用される。塩化物浴は、AlCl3
と少なくとも1種のアルカリ金属塩化物 (NaCl, KCl,Li
Cl など) の混合物を基本組成とし、これに合金元素 (M
nと必要によりさらに他の1種もしくは2種以上の合金
元素) を塩化物または金属として加えることにより構成
することができる。Mnの添加量により、析出するAl−Mn
合金めっき皮膜中のMn濃度を調整できる。助剤として、
有機アミン、フッ化物、臭化物、ヨウ化物などを添加し
てもよい。別の塩化物浴として、AlCl3-エチルメチルイ
ミダゾリウムクロリド(EMIC)を基本組成とする、より低
融点の溶融塩浴も使用できる。
【0021】めっき密着性を高めるために、母材鋼板に
下地層としてZnやNiなどの金属をプレめっきしておくこ
ともできる。この下地層は、慣用のジンケート処理、Ni
プレめっき処理などにより形成することができる。
【0022】後述する実施例に示すように、本発明の表
面処理鋼板は優れた耐食性を示すが、Al−Mn合金めっき
皮膜の上にさらに酸化皮膜またはクロメート皮膜を形成
させると、耐食性は一段と向上する。これは、酸化皮膜
やクロメート皮膜がバリアー層となって腐食電流が流れ
難くなること、およびAl、Cr等の腐食生成物が耐食性に
寄与するからであると考えられる。
【0023】酸化皮膜は、Al−Mn合金めっき皮膜を、常
法により陽極酸化または化学浸漬処理によって部分的に
表面酸化することにより形成できる。クロメート皮膜も
常法により形成でき、反応型、塗布型、電解型のいずれ
のクロメート皮膜であってもよい。これらの皮膜の厚み
または付着量は、酸化皮膜については1〜100 nm、クロ
メート皮膜についてはCr換算量で5〜100mg/m2の範囲内
が好ましい。
【0024】次に、母材鋼板の成分含有量の限定理由を
説明する。なお、鋼組成に関する説明では、%は全て重
量%である。Cは、一般に強度を高めるために含有させ
る成分であるが、本発明においてはP、Cu及びNiの添加
による固溶強化が期待されるので、必ずしもCの添加を
必要とするものではない。Cの含有量が0.020 %を超え
ると、パーライトあるいはセメンタイト粒子の生成が目
立つようになり、軟鋼板としての延性が低下し、加工性
の低下を招く。また、パーライトやセメンタイト粒子
は、母材の電気化学的不均一性を増大させ、局部腐食反
応を促進し耐食性の低下を招く、したがって、C含有量
は0.020 %以下で、できるだけ低い方 (例、0.005 %以
下) が好ましい。C含有量を0.0001%以下とすることは
現在の製鋼技術上困難であるため、下限を0.0001%とし
たが、可能ならばこれ以下にしてもよい。
【0025】Siには、固溶強化を通じて鋼板の強度を向
上させ、フェライト変態を促進して延性、穴拡げ性を向
上させる作用がある。しかし、Siが1.5 %を超えると溶
接性の劣化、加熱時のスケールの生成の増大を招く。し
たがって、Si含有量は、1.5%以下とする。好ましくは
1.0 %以下である。
【0026】Mnは、固溶強化を通じて鋼板の強度を向上
させると共に、Ar3 点を低下させ、フェライト組織の微
細化を通じて鋼板の強度と延性を向上させる作用を持
つ。しかし、その含有量が0.05%未満では前記作用によ
る所望の効果を得ることができず、一方、2.0 %を超え
て含有させると溶接性を悪化させる。したがって、Mn含
有量は0.05〜2.0 %と定めた。
【0027】Pは、固溶強化を通じてフェライトの強化
に寄与する元素であり、また、緻密な腐食生成物の皮膜
の生成を通じて耐食性を高める作用も有している。その
含有量が0.020 %未満では、かかる作用による十分な効
果を得ることができず、一方、0.12%を超えて含有させ
ると母材の靱性・穴拡げ性を劣化させる。したがって、
P含有量は 0.020〜0.12%とし、好ましくは0.02〜0.1
%である。
【0028】Sは、鋼板の加工性を低下させることか
ら、その含有量はできるだけ低い方が好ましい。しか
し、Sは通常は鋼中でMnと化合してMnSを生成し、その
悪影響が低減されるので、0.020 %までは許容され、好
ましくは0.01%以下とする。ただし、Mn含有量が低い場
合には、S含有量を特に0.003 %以下に低減することに
よって良好な加工性が確保できる。したがって、Mn含有
量が0.1 %以下と低い場合には、S含有量を0.003 %以
下にすることが好ましい。
【0029】Cuは、本発明において耐食性を向上させる
ための主要な成分であり、緻密な腐食生成物皮膜の生成
を通じて耐食性を向上させる。また固溶強化を通じて鋼
板の強度を増大させる効果も有している。その含有量が
0.10%未満では、上記効果が十分に得られない。一方、
0.80%を超えて含有させても上記効果が飽和して経済性
を損なうだけである。したがって、Cu含有量は0.10〜0.
80%が適正であり、好ましいCu含有量は0.2 〜0.6 %で
ある。
【0030】Niは、Cu添加に伴う熱間加工性の低下を防
止する作用に加えて、耐食性を向上させる作用と鋼板の
強度を向上させる作用も有している。しかし、その含有
量が0.01%未満ではこれらの作用効果が十分でなく、一
方、0.5 %を超えて含有させても製品価格が上がる割に
効果の増大は少ない。したがって、Ni含有量は0.01〜0.
5 %と定めた。好ましくは0.1 〜0.3 %である。
【0031】Alは、鋼の脱酸剤として添加されるが、so
l.Al量が0.10%を超えると介在物量が増加し、加工性の
劣化を招く。したがって、sol.Al量の上限を0.10%と定
めた。好ましいsol.Al量は0.05%以下である。
【0032】Nは、鋼中のAlと反応してAlNを形成し、
金属組織の微細化を通じて延性を向上させるが、多量に
添加すると粗大なAlNの生成と固溶Nの生成によって鋼
板の延性を低下させる。したがって、N含有量の上限を
0.0080%とした。好ましくはN含有量は0.005 %以下で
ある。
【0033】Bは、前述のように任意添加成分であっ
て、本発明の母材鋼板中に必ず存在させる必要はない。
Bは、粒界に偏析し、粒界強度を増大させる作用を有す
る。本発明で用いる耐食性鋼板では、粒界脆化を促進す
るPを添加するため、特にC含有量が低いと、鋼板が二
次加工脆性を示す場合がある。Bには、上記の粒界強化
により、この二次加工脆性を防止する作用があるので、
必要に応じてBを添加する。B含有量が0.0003%未満で
は上記の作用効果が得られず、一方、0.0050%を超えて
含有させると鋼板の延性・穴拡げ性を低下させる。した
がって、Bを添加する場合には、B含有量を0.0003%以
上とすることが好ましく、上限は0.0050%である。好ま
しいB含有量は0.0003〜0.0030%である。
【0034】上記の化学成分を有する鋼板の残部はFeと
不可避不純物である。この母材鋼板は熱延鋼板と冷延鋼
板のいずれでもよい。本発明で用いる上記鋼板は、普通
鋼よりも良好な耐食性を持つものであるが、それでも従
来用いられている付着量45 g/m2 以上の合金化溶融亜鉛
めっき鋼板ほどの耐食性は得られない。しかし、耐食性
の高い上記鋼板を母材に用いて、表面に上記のAl−Mn合
金めっきを施すことにより、比較的薄目付きで従来の亜
鉛系めっき鋼板と同等か、それを凌駕する優れた耐食性
を備え、同時にアーク溶接性を改善することが可能とな
った。
【0035】
【実施例】以下、実施例によって、本発明の効果を具体
的に実証する。表1のA〜Dに示す化学組成を持つスラ
ブを1250℃で均熱した後、仕上げ温度900 ℃で熱間圧延
を行い、加速冷却し、450 ℃で巻き取って、板厚2.8 mm
の熱延鋼板を得た。
【0036】
【表1】
【0037】得られた熱延鋼板から250 mm幅×250 mm長
さの鋼片を採取し、脱脂・酸洗した後、その両面に表2
に示す種々の組成および付着量のAl−Mn合金めっき及び
比較材として亜鉛系めっきを施した。Al−Mn合金めっき
は下記条件下での溶融塩電解めっき法により行った。亜
鉛系めっきは、溶融亜鉛めっき後に熱処理して亜鉛めっ
き層をFe−Zn合金 (Fe含有量約9〜11重量%) 化する合
金化溶融亜鉛めっき法により行った。
【0038】〔Al−Mn合金めっき条件〕溶融塩電解法 浴組成 AlCl3 62%-NaCl 20%-KCl 18 % (モル%) 浴温 200℃ 添加剤 MnCl2 (浴中イオン濃度50〜6000ppm) 電流密度 60 A/dm2 これらのめっき鋼板の耐食性と溶接性を次のようにして
試験した。
【0039】〔耐食性試験〕めっき鋼板から、30 mm 幅
×70 mm 長さの試験片を切り出し、「湿潤保持 (RH95%
以上、室温、16時間) →塩水噴霧 (5%食塩水、35℃、
6時間) →乾燥 (50℃、2時間) 」を1サイクルとする
サイクル腐食試験を行い、120 サイクル後のめっき面の
最大腐食深さを調べた。
【0040】〔溶接性試験〕めっき鋼板の試験片2枚を
用いて、下記条件下で重ねすみ肉溶接を行った後、X線
によって溶接部のブローホールの発生率を調査した。
【0041】溶接条件 電源 インバータ制御パルス電源 電流 220 A パルス電流 420 A パルス幅 1.2 msec 溶接速度 100 cm/min アーク電圧 23V 溶接ワイヤ YGW16 (直径1.2mm) シールドガス Ar−20%CO2 継手形状 重ねすみ肉溶接 重ね部の隙間 0mm これらの試験結果を表2に併せて示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2に示した結果から明らかなように、本
発明に規定する母材とめっき皮膜を有するAl−Mn合金め
っき鋼板は、付着量が50 g/m2 以下 (代表的には20 g/m
2)と比較的薄目付けであるにもかかわらず、腐食サイク
ル120 回 (実用10年以上に対応) で、付着量45〜60 g/m
2 のより厚目付けの合金化溶融亜鉛めっき鋼板に匹敵す
るか、それを凌駕する優れた耐食性を示すと共に、アー
ク溶接試験におけるブローホールの発生率は5%以下に
低減し、耐食性と溶接性のいずれにも優れていることが
わかる。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の表面処
理鋼板は、従来の合金化亜鉛めっき鋼板と同等以上の耐
食性をもち、なおかつ、アーク溶接を行った場合でもブ
ローホールの発生率が低く、溶接継手の高い信頼性を確
保できる。即ち、本発明により、耐食性とアーク溶接性
を高レベルで兼備した表面処理鋼板がはじめて提供され
た。従って、本発明の表面処理鋼板は、特に自動車の足
廻り部材など、アーク溶接で組立てられ、厳しい環境下
での腐食に耐える高耐食性が要求される部材の製造に有
用であるが、スポット溶接、接着、機械接合も可能であ
り、用途はアーク溶接部材に限定されるものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 国博 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友 金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−116776(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 30/00 C22C 38/00 301 C22C 38/54

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にて、C:0.0001〜0.020 %、S
    i:1.5 %以下、Mn:0.05〜2.0 %、P: 0.020〜0.12
    %、S:0.020 %以下、Cu:0.10〜0.80%、Ni:0.01〜
    0.50%、sol.Al:0.10%以下、N:0.0080%以下、B:
    0〜0.0050%、残部:Feおよび不可避不純物からなる鋼
    材の表面に、付着量が 0.1〜50 g/m2 、Mn含有量が1〜
    50重量%のアルミニウム−マンガン合金めっき皮膜を有
    することを特徴とする、耐食性及び溶接性に優れた表面
    処理鋼材。
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