JP3551348B2 - 排気ガス浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関からエンジン始動直後の低温時に排出される排気ガス中の炭化水素(以下、「HC」と称す。)、一酸化炭素(以下、「CO」と称す。)及び窒素酸化物(以下、「NOx」と称す。)のうち、特に、HCを効率良く浄化することができる排気ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、排気ガス浄化用触媒は、高温下での耐久性が十分でなく触媒が劣化して浄化能が著しく低下するため、エンジン始動直後の低温時に排出される排気ガス中の炭化水素(以下、「コールドHC」と称す。)の低減を目的に、吸着材を用いてHCを一時的に貯蔵し、三元触媒が活性化した後に脱離させ、浄化する方法が検討されている。
【0003】
例えば、特開平6−74019号公報、特開平7−144119号公報、特開平6−142457号公報、特開平5−59942号公報及び特開平7−102957号公報等には、かかるHC吸着材を用いた発明が開示されている。
【0004】
即ち、特開平6−74019号公報には、排気流路にバイパス流路を設け、エンジン始動直後のコールド時に排出されるHCをバイパス流路に配置したHC吸着材に一旦吸着させ、その後流路を切り換え、下流の三元触媒が活性化した後、排気ガスの一部をHC吸着触媒に通じ、脱離したHCを後段の三元触媒で徐々に浄化する方法が提案されている。
また、特開平7−144119号公報には、コールド時に、前段の三元触媒に熱を奪わせて中段のHC吸着材の吸着効率を向上し、前段の三元触が媒活性化した後に、タンデム配置した中段のHC吸着材を介して後段の三元触媒に反応熱を伝熱し易くし、後段の三元触媒で浄化する方法が提案されている。
【0005】
更に、特開平6−142457号公報には、低温域で吸着したHCが脱離する際に、脱離HCを含む排気ガスを熱交換器で予熱し、三元触媒で浄化する方法が提案されている。
一方、特開平5−59942号公報には、触媒配置とバルブによる排気ガスの流路を切り換えることによって、HC吸着材の昇温を緩慢にする方法が提案されている。
また、特開平7−102957号公報には、後段の酸化・三元触媒の浄化性能を向上させるため、前段の三元触媒と中段のHC吸着材との間に空気を供給し、後段の酸化・三元触媒の活性化を促進する方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載されているHC吸着材を用いた浄化方法では、HC吸着材の耐久性が不十分なため、耐久後にはコールドHC吸着能が低下し、しかも後段の三元触媒が活性化する前にHCが離脱してエミッションを悪化させてしまうという課題があった。
これに対し、HC吸着材の吸着能の向上や脱離遅延化を図るため、高温ガスのバイパス法や三元触媒暖機のための熱交換器が使用されているが、システム構成が煩雑化して十分な効果が得られず、しかもコストが著しく増大するため、簡易でコールドHC吸着能と脱離抑制能が高い浄化方法が望まれている。
【0007】
また特に、上述の如き従来法では、脱離HCの浄化を目的として初期から耐久後まで高い浄化性能を維持するため、貴金属を多量に含む三元触媒を使用したり、早期活性化を図るため空気を導入したりしているが、かかる方法もコスト高であり、このため、使用する貴金属量が少なくても高い性能が得られる浄化方法が望まれているものの、貴金属量を低減すると耐久性が不十分になり、耐久後は低温域での触媒活性や浄化性能が悪化するという課題があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排気ガス、特にエンジン始動直後の低温時におけるHCを効果的に浄化することができ、簡易且つ低コストな排気ガス浄化装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、エンジン始動直後から一定の間の空燃比が14.6以上になるようにリーン化制御し、その後の温度上昇に伴う脱離HCを浄化するに当たり、排気系にNOx吸収触媒とHC吸着触媒の少なくとも各1個を直列に配置したところ、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の排気ガス浄化装置は、エンジン始動直後から低温時における排気ガス組成をリーン化制御できる排気ガス浄化装置であって、
排気系の上流に配置された窒素酸化物吸収触媒と、その下流に配置された炭化水素吸着触媒とを備え、
上記窒素酸化物吸収触媒は、空燃比A/F=14.6以上、該触媒層温度400℃以下で排気ガス中の窒素酸化物を吸収し、且つこれを超える触媒層温度で、吸収した窒素酸化物を放出し、
上記炭化水素吸着触媒は、エンジン始動直後の低温から該触媒層温度300℃以下で排気ガス中の炭化水素を吸着し、且つこれを超える触媒層温度で、吸着した炭化水素を放出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の排気ガス浄化装置の好適例は、上記窒素酸化物吸収触媒に炭化水素吸着材を含有させ、上記炭化水素吸着触媒との間で、エンジン始動直後の低温から触媒層温度300℃以下で吸着した炭化水素の脱離開始時間に差を設けたことを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の排気ガス浄化装置の他の好適例は、上記窒素酸化物吸収触媒が、次式
(La1−XAX)1−aBOb
(式中のAは、バリウム及び/又はカリウム、Bは、コバルト、鉄、ニッケル及びマンガンから成る群より選ばれた少なくとも1種の成分、Xは、0<X<1、aは、0<a<0.2、bは、0<b≦4であって、上記組成式を満足するのに必要な酸素原子数を示す。)で表される複合酸化物を第1触媒成分層として含有することを特徴とする。
【0013】
更にまた、、本発明の排気ガス浄化装置の他の好適例は、上記炭化水素吸着触媒の下流側に、三元触媒を配置して成ることを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明の排気ガス浄化装置においては、エンジン始動直後からHC触媒層温度300℃以下の低温域で吸着したコールドHCが、HC触媒層の温度上昇に伴って脱離する際に、エンジン始動直後から一定時間、好ましくは300秒間を空燃比14.6以上になるようにリーン化制御した。
従って、HC吸着触媒が三元触媒成分を含有する場合には、該三元触媒のλ点をリッチ側からストイキ近傍に設定することができ、脱離HCの浄化性能を向上することができる。
【0015】
また、本発明の排気ガス浄化装置においては、排気系におけるHC触媒の上流に、空燃比A/F=14.6以上、触媒層温度400℃以下の領域で、排気ガス中のNOxを吸収するNOx吸収触媒を配置したので、上述のリーン化制御の間に排出されるNOxを低減することができ、NOxエミッションの悪化を抑制することができる。
【0016】
更に、上述のNOx吸収触媒とHC吸着触媒の少なくとも各1個のハニカム状モノリス触媒を排気系に直列に配置したので、排気系上流のNOx吸収触媒がNOxを放出する温度域と、その下流のHC吸着触媒がHCを脱離する温度域とを重ね合わせることができ、これによって、上流のNOx吸収触媒が温度上昇に伴い放出するNOxを下流のHC吸着触媒がHCを脱離する際に供給し、酸化性ガスたるNOxガスと還元性ガスたるHCとの酸化還元反応を介して浄化を行うことができ、特にリッチ側でのHCの浄化性能を向上することができる。
【0017】
更にまた、上流側に配置したNOx吸収触媒にHC吸着材を含有させることも可能であり、これによって、下流側のHC吸着触媒がエンジン始動直後から触媒層温度300℃以下の温度域で吸着するコールドHC量を低減でき、しかも、上流と下流とにHC吸着触媒成分を直列に配置したことによって、吸着HC種とHC脱離開始時間とに差異を設けることができ、下流のHC吸着触媒が三元触媒成分を含有する場合には、そのHC浄化効率を向上することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス浄化装置について詳細に説明する。
上述の如く、本発明の排気ガス浄化装置は、エンジン始動直後から一定時間の低温時、代表的には、始動直後から300秒間の低温時を空燃比A/F=14.6以上にリーン化制御できる装置であって、排気系の上流に配置したNOx吸収触媒と、その下流に配置したHC吸着触媒とを備える。
【0019】
ここで、上記リーン制御は、2次空気供給手段やその他の空燃比制御手段により行うことができる。
また、上述の両触媒は、モノリス担体に触媒成分を担持して構成するのが好ましい。
【0020】
次に、NOx吸収触媒は、上記低温リーン域、具体的には、触媒層温度約400℃以下のリーン域でNOXを吸収できる機能を有し、且つ約400℃以上でNOXを放出する機能を有する。
かかる機能を有するNOX吸収材としては、次式
(La1−xAx)1−aBOb
(式中のAは、バリウム及び/又はカリウム、Bは、コバルト、鉄、ニッケル及びマンガンから成る群より選ばれた少なくとも1種の成分、Xは、0<X<1、aは、0<a<0.2、bは、0<b≦4であって、上記組成式を満足するのに必要な酸素原子数を示す。)で表される複合酸化物を好ましく用いることができる。
【0021】
上記複合酸化物は、モノリス担体1リットル当たり5〜150gの範囲で担持することが好ましい。5g未満では、充分なNOx吸収量が得られないことがあり、150gを超えて担持しても、改良効果が飽和するので有効ではない。
【0022】
また、かかるNOX吸収触媒は、NOX吸収能を向上するためにも、3元触媒成分その他の成分を含有することができ、具体的には、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属を含み、且つアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属から成る群より選ばれた少なくとも1種の成分を、モノリス担体1リットル当たり0.1〜0.4モルの範囲で含むことができる。
【0023】
更に、上記NOX吸収触媒では、NOX吸収速度と吸収量を更に向上するために、上記複合酸化物を含有する第1触媒成分層を形成し、この上部に、パラジウム、ジルコニウム、ネオジウム及びランタンから成る群より選ばれた1種の成分を金属換算で1〜40モル%、セリウムを60〜98モル%含むセリウム酸化物、更に、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を、モノリス担体1リットル当たり5g〜50gの割合で含有する第2触媒成分層を形成することができる。
この場合、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の含有量が5g未満では、充分なNOx吸収量が得られないことがあり、50gを超えても改良効果は飽和するので有効ではない。
【0024】
更にまた、NOx吸収触媒は、NOxの吸収能を向上し、且つ下流側に配置したHC吸着触媒のHC吸着量を低減してHC浄化能を向上させるために、上述の第1触媒成分層及び/又は第2触媒成分層の上部に、ZSM5を主成分とする結晶性アルミノシリケートを含有する第3触媒成分層を配置することができる。
かかるZSM5を主成分とする結晶性アルミノシリケートは、モノリス担体1リットル当たり5〜100gの範囲で含有させることができる。
5g未満では、充分なNOx吸収量が得られず、100gを超えて使用しても改良効果が飽和するので有効ではない。
【0025】
次に、上記HC吸着触媒は、上記低温リーン域、具体的には、触媒層温度約300℃以下のリーン域でHCを吸着できる機能を有し、且つ約300℃以上でHCを放出する機能を有する。
かかる機能を有するHC吸着材としては、耐熱性とHC吸着に適した細孔径と細孔分布を有するβ−ゼオライトを好ましく使用することができ、かかるβ−ゼオライトは、モノリス担体1リットル当たり10〜250gの範囲で担持するのが好ましい。
5g未満では、充分なHC吸着能が得られないことがあり、250gを超えて使用しても改良効果は飽和するので有効ではない。
【0026】
また、かかるHC触媒は、β−ゼオライトを主成分とするHC吸着材以外にも三元触媒成分その他の成分を含有することができ、例えば、HC浄化能に優れたパラジウム、白金及びロジウム等の貴金属と、この貴金属のHC吸着被毒を緩和するアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有させることにより、コールドHC吸着能と脱離HC浄化能とを併有することができる。
【0027】
更に、HC吸着触媒は、上述のNOX吸収触媒と同様に層状構造を採ることが可能であり、この場合、耐熱性と吸着能に優れるβ−ゼオライトを主成分とするHC吸着材層を第1触媒成分層とすればよい。
そして、かかるHC触媒は、脱離HC浄化性能を向上させるために、この第1触媒層の上部に、パラジウム、白金及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の成分を含有する第2触媒成分層を配置した多層構造の一体型触媒とすることができ、この場合、吸着能と脱離HC浄化能とを両立させるため、第2触媒成分層との重量比率を、第1触媒成分層/第2触媒成分層=0.9〜2.0の範囲に調整することが好ましい。
【0028】
また、上記パラジウム、白金及びロジウムの総使用量は、モノリス担体1リットル当たり1〜20gとすることが好ましい。
1g未満では、充分な脱離HC浄化能が得られないことがあり、20gを超えて使用しても改良効果が飽和するので有効ではない。また、第1触媒成分層/第2触媒成分層の比率が0.9未満では、充分なHC吸着能が得られないことがあり、逆に、2.0を超えると、吸着能改良効果が飽和し有効ではない。
【0029】
更に、HC吸着触媒では、β−ゼオライトを主成分としたHC吸着材の高温下における構造安定性(耐熱性)、コールドHCの吸着能や温度上昇時のHC脱離抑制能を向上させるため、白金、パラジウム、リン、ホウ素、マグネシウム及びカルシウムから成る群より選ばれた1種の元素を含有させることができる。
かかる元素の含有量は、HC吸着材に対して、0.1〜10重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では、充分な改良効果が得られないことがあり、10重量%を超えると、ゼオライトの細孔が閉塞してHC吸着能が低下することがあり、好ましくない。
【0030】
また、HC吸着触媒においては、脱離HCの浄化を担うパラジウムがリッチ雰囲気下で還元劣化するのを抑制するため、第2触媒成分層に、ジルコニウム、ネオジウム及びランタンから成る群より選ばれた1種を金属換算で1〜40モル%、セリウムを60〜98モル%含むセリウム酸化物を含有させることができる。これにより、酸素吸蔵能の高いセリウム酸化物が、リッチ雰囲気及びストイキ近傍で格子酸素や吸着酸素を放出し易くなるため、パラジウムの酸化状態を排気ガスの浄化に適したものとし、パラジウムの触媒能の低下を抑制できる。
かかるセリウム酸化物の使用量は、触媒1リットル当たり5〜100gが好ましく、5g未満では、充分な貴金属の分散性が得られないことがあり、100gを超えて使用しても改良効果は飽和して有効ではない。
【0031】
更に、HC吸着触媒は、脱離HCの浄化性能の向上と耐被毒性の向上を担う白金やロジウムがリッチ雰囲気下で還元劣化するのを抑制するため、第2触媒成分層に、酸素吸蔵能に優れたセリウム、ネオジウム及びランタンから成る群より選ばれた1種を金属換算で1〜30モル%、ジルコニウムを70〜98モル%含むジルコニウム酸化物、活性アルミナを含有することができる。
【0032】
上述の白金やロジウムが担持される基材としては、白金やロジウムの耐久性を向上させるため、ジルコニウム酸化物が好適に用いられる。特に、酸素吸蔵能の高いセリウム含有ジルコニウム酸化物は、リッチ雰囲気及びストイキ近傍で格子酸素や吸着酸素を放出し易くなるため、白金やロジウムの酸化状態を排気ガスの浄化に適したものとし、白金やロジウムの触媒能の低下を抑制でき、好適である。
【0033】
かかるジルコニウム酸化物のセリウム含有量は、0.01モル%〜30モル%であることが好ましい。セリウム含有量が0.01モル%未満では、ZrO2のみの場合と変わらず、上述した元素のZrO2のセリウムの酸素吸蔵能による改良効果が発現せず、また、セリウム含有量が30モル%を超えると、この効果が飽和し又は逆にBET比表面積や熱安定性が低下することがあるため好ましくない。
ジルコニウム酸化物の使用量は、担体1リットル当たり5〜100gであることが好ましい。5g未満では、充分な貴金属の分散性が得られないことがあり、100gを超えると、改良効果が飽和して有効ではないためである。
【0034】
更に、HC吸着触媒は、第2触媒成分層に含まれるパラジウムのシンタリング抑制とHC吸着被毒を緩和するため、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有することができる。
かかる元素の含有量は担体1リットル中1〜40gであることが好ましい。1g未満では、HC類の貴金属に対する吸着被毒の緩和やパラジウムのシンタリングを抑制できないことがあり、一方、40gを超えると、有為な増量効果が得られず逆に性能を低下させることがあるため好ましくない。
【0035】
以上、本発明の排気ガス装置について詳細に説明してきたが、本発明の排気ガス浄化装置では、上述のようなNOX吸収触媒、HC吸着触媒とは別体で三元触媒を配置することができ、かかる三元触媒をHC吸着触媒の排気系下流に配置することにより、脱離HCの浄化を行うことも可能である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
セリウム3モル%(CeO2に換算して8.7重量%)と、ジルコニウム3モル%(ZrO2に換算して6.3重量%)と、ランタン2モル%(La2O3に換算して5.5重量%)とを含有するアルミナ粉末に、硝酸パラジウム水溶液を含浸し、150℃で12時間乾燥した後、400℃で1時間焼成して、Pd担持アルミナ粉末(粉末A)を得た。この粉末AのPd濃度は8重量%であった。
【0037】
ランタン1モル%(La2O3に換算して2重量%)と、ジルコニウム32モル%(ZrO2に換算して25重量%)とを含むセリウム酸化物粉末に硝酸パラジウム水溶液を含浸し、150℃で12時間乾燥した後、400℃で1時間焼成して、Pd担持セリウム酸化物(La0.01Zr0.32Ce0.67Ox)粉末(粉末B)を得た。この粉末BのPd濃度は3.0重要%であった。
【0038】
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5Obを500g、上記の粉末Aを235g、粉末Bを157g、活性アルミナを8g、硝酸水溶液2000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラリー液をコージェライト質モノリス担体(1.0L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥した後、400℃で1時間焼成した。この作業を2度行い、コート層重量90g/L−担体の触媒を得た。パラジウム担持量は66.7g/cf(2.35g/L)であった(触媒A)。
【0039】
Nd1モル%Ca10モル%Zr80モル%のジルコニウム酸化物粉末に硝酸ロジウム水溶液を含浸し、150℃で12時間乾燥した後、400℃で1時間焼成して、Rh担持Nd0.01Ca0.1Zr0.8Ox粉末(粉末C)を得た。この粉末CのRh濃度は2.0重量%であった。
【0040】
上記の粉末Aを636g、粉末Bを188g、粉末Cを235g、活性アルミナを11g、硝酸水溶液1500gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラリー液を触媒Aに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥した後、400℃で1時間焼成した。この作業を2度行い、コート層重量107g/L−担体の触媒(総コート量197g/L)を得た。パラジウム担持量は160g/cf(5.65g/L)(総パラジウム担持量は226.7g/cf(8.00g/L))、ロジウム担持量13.3g/cf(0.47g/L)であった(触媒B)。
次いで、上記触媒Bに酢酸バリウム溶液を付着させた後、400℃で1時間焼成し、BaOとして30g/Lを含有させた(触媒C)。
【0041】
(実施例2)
H型β−ゼオライト800g、シリカゾル200gと純水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラリー液をコージェライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを除去乾燥し、400℃で1時間焼成し、コート層重量150g/L−担体の触媒を得た(触媒D)。
【0042】
上記の粉末Aを583g、粉末Bを173g、活性アルミナを4g、硝酸水溶液1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラリー液を上記触媒Dに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥した後、400℃で1時間焼成した。この作業を2度行い、コート層重量76g/L(総重量226g/L−担体)の触媒Eを得た。触媒Eのパラジウム担持量は146.7g/cf(5.18g/L)であった。
【0043】
次いで、上記粉末Cを235g、La1モル%Ce20モル%Zr79モル%のジルコニウム酸化物粉末(粉末D)を100g、活性アルミナを105g、硝酸水溶液1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラリー液を触媒Eに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥した後、400℃で1時間焼成した。この作業を2度行い、コート層重量44g/L−担体の触媒F(総コート量270g/L)を得た。ロジウム担持量は、13.3g/cf(0.47g/L)であった。
次いで、上記触媒Fに酢酸バリウム溶液を付着させた後、400℃で1時間焼成し、BaOとして10g/Lを含有させた(触媒G)。
【0044】
(実施例3)
H型ZSM5を400g、シリカゾル100gと純水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得た。このスラリー液を触媒Bに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量50g/L−担体の触媒を得た(触媒H)。
次いで、上記触媒Hに酢酸バリウム溶液を付着させた後、400℃で1時間焼成し、BaOとして30g/Lを含有させた(触媒I)。
【0045】
(実施例4)
H型ZSM5、400gの代わりに、β−ゼオライト400gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Jを得た。
【0046】
(実施例5)
BaOとして50g/Lを含有させた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Kを得た。
【0047】
(実施例6)
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5O2.75の含有量を100g/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Lを得た。
【0048】
(実施例7)
H型ZSM5の含有量を75g/Lとした以外は、実施例1と同様にして触媒Mをえた。
【0049】
(実施例8)
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5Obの含有量を100g/L、BaOの含有量を50g/Lとした以外は、実施例1と同様にして触媒Nを得た。
【0050】
(実施例9)
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5Obの含有量を75g/L、BaOの含有量を50g/L、H型ZSM5の含有量を75g/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Oを得た。
【0051】
(実施例10)
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.7Fe0.2Mn0.3Co0.5Obを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Pを得た。
【0052】
(実施例11)
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.7Ni0.2Mn0.3Co0.5Obを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Qを得た。
【0053】
(実施例12)
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.7Ni0.1Fe0.1Mn0.3Co0.5Obを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Rを得た。
【0054】
(実施例13)
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.7Fe0.2Mn0.3Co0.5Obを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Sを得た。
【0055】
(実施例14)
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.7Ni0.2Mn0.3Co0.5Obを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Tを得た。
【0056】
(実施例15)
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5Obの代わりに、La0.2Ba0.7Ni0.1Fe0.1Mn0.3Co0.5Obを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒Uを得た。
【0057】
(比較例1)
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5Obを用いない以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒AAを得た。
【0058】
(比較例2)
La0.5Ba0.5Mn0.5Co0.5Obの含有量を200g/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒BBを得た。
【0059】
(比較例3)
BaOの含有量を100g/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒CCを得た。
【0060】
(比較例4)
H型ZSM5の含有量を150g/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒DDを得た。
【0061】
(比較例5)
BaOの含有量を70g/L、H型ZSM5の含有量を150g/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、触媒EEを得た。
【0062】
上記実施例1〜15及び比較例1〜5で得られた排気ガス浄化用触媒の仕様を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
(試験例)
上記実施例1〜15及び比較例1〜5で得られた排気ガス浄化用触媒を、以下の耐久条件により耐久を行った。
【0065】
【0066】
上記条件で耐久した実施例1〜15及び比較例1〜5の触媒を用い、図1のシステムで実施例16〜30及び比較例6〜10の組み合せで評価した結果を表2に示した。
(車両評価)
エンジン排気量 日産自動車株式会社製 V型6気筒3.3L
燃料 無鉛ガソリン
評価モード LA4−CH(Abag)
リーン制御時間 0〜250秒
リーン化率 O2センサーのP分設定値、0%<P≦10%
各実施例、比較例について上記評価条件で測定した評価結果(エミッション値)を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、エンジン始動直後から一定の間の空燃比をリーン化制御し、NOX吸収触媒とHC吸着触媒の少なくとも各1個を排気系に対して直列に配置することとしたため、排気ガス、特にエンジン始動直後の低温時におけるHCを効果的に浄化することができ、簡易且つ低コストな排気ガス浄化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒評価システムの一例を示す図である。
Claims (13)
- エンジン始動直後から低温時における排気ガス組成をリーン化制御できる排気ガス浄化装置であって、
排気系の上流に配置された窒素酸化物吸収触媒と、その下流に配置された炭化水素吸着触媒とを備え、
上記窒素酸化物吸収触媒は、空燃比A/F=14.6以上、該触媒層温度400℃以下で排気ガス中の窒素酸化物を吸収し、且つこれを超える触媒層温度で、吸収した窒素酸化物を放出し、
上記炭化水素吸着触媒は、エンジン始動直後の低温から該触媒層温度300℃以下で排気ガス中の炭化水素を吸着し、且つこれを超える触媒層温度で、吸着した炭化水素を放出することを特徴とする排気ガス浄化装置。 - 上記窒素酸化物吸収触媒に炭化水素吸着材を含有させ、上記炭化水素吸着触媒との間で、エンジン始動直後の低温から触媒層温度300℃以下で吸着した炭化水素の脱離開始時間に差を設けたことを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化装置。
- 上記窒素酸化物吸収触媒が、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属を含有し、且つアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属から成る群より選ばれた少なくとも1種の金属をモノリス担体1リットル当たり0.1〜0.4モル担持して成り、
上記炭化水素吸着触媒が、β−ゼオライトを主成分とする炭化水素吸着材と、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属と、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属とをモノリス担体に担持して成ることを特徴とする請求項1又は2記載の排気ガス浄化装置。 - 上記窒素酸化物吸収触媒が、次式
(La1−XAX)1−aBOb
(式中のAは、バリウム及び/又はカリウム、Bは、コバルト、鉄、ニッケル及びマンガンから成る群より選ばれた少なくとも1種の成分、Xは、0<X<1、aは、0<a<0.2、bは、0<b≦4であって、上記組成式を満足するのに必要な酸素原子数を示す。)で表される複合酸化物を第1触媒成分層として含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化装置。 - パラジウム、ジルコニウム、ネオジウム及びランタンから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を金属換算で1〜40モル%と、セリウムを60〜98モル%含むセリウム酸化物と、モノリス担体1リットル当たり5〜50gのアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属とを含有する第2触媒成分層を、上記第1触媒成分層の上部に配置して成ることを特徴とする請求項4記載の排気ガス浄化装置。
- 上記第1触媒成分層及び/又は第2触媒成分層の上部に、ZSM5を主成分とする結晶性アルミノシリケートを含有する第3触媒成分層を配置して成ることを特徴とする請求項4又は5記載の排気ガス浄化装置。
- 上記炭化水素吸着触媒が、β−ゼオライトを主成分とする炭化水素吸着材を第1触媒成分層として含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化装置。
- 上記炭化水素吸着触媒が、炭化水素吸着触媒における第1触媒成分層の上部に、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属を含有する第2触媒成分層を配置して成り、この第1触媒成分層と第2触媒成分層との重量比が、第1触媒成分層/第2触媒成分層=0.9〜2.0であることを特徴とする請求項7記載の排気ガス浄化装置。
- 上記炭素水素吸着材が、白金、パラジウム、リン、ホウ素、マグネシウム及びカルシウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項7又は8記載の排気ガス浄化装置。
- 炭化水素吸着触媒における第2触媒成分層が、ジルコニウム、ネオジウム及びランタンから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を金属換算で1〜40モル%と、セリウムを60〜98モル%含むセリウム酸化物とを含有することを特徴とする請求項8又は9記載の排気ガス浄化装置。
- 炭化水素吸着触媒における第2成分層が、セリウム、ネオジウム及びランタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を金属換算で1〜30モル%と、ジルコニウムを70〜98モル%含むジルコニウム酸化物と、活性アルミナとを含有することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化装置。
- 炭化水素吸着触媒における第2触媒成分層が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化装置。
- 上記炭化水素吸着触媒の下流側に、三元触媒を配置して成ることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化装置。
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