JP3630933B2 - 駆動装置およびこれを用いたレンズ装置、カメラ - Google Patents

駆動装置およびこれを用いたレンズ装置、カメラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マニュアル駆動力と振動型モータ等の駆動源の駆動力とでレンズ等を駆動する駆動装置に関し、さらに詳しくは、マニュアルフォーカス動作とオートフォーカス動作とを特別な操作を要せずに切り換えることができるレンズ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなレンズ装置は、これまで本出願人が種々提案しているが、この中には、遊星機構を使用した駆動機構を利用したものがある。この駆動機構における遊星ローラは、光軸に対して直交する放射状の回転軸に取り付けられ、マニュアルフォーカス動作を行うためのマニュアルリングからの出力端面とオートフォーカス動作を行うための振動型モータからの出力端面との間に挟まれるように配置されている。そして、この駆動機構では、上記各出力端面の回転に伴って公転および自転する遊星ローラからの回転が伝達される出力環を設け、この出力環の最終回転出力を用いてレンズを光軸方向に駆動している。
【0003】
ここで、このようなレンズ装置に用いられる駆動源は、進行波が形成される環状の金属弾性体からなるステータ(振動体)と、このステータにバネ等の加圧部材によって圧接され、上記進行波の振動エネルギーが摩擦により伝達されて回転駆動される環状ロータ(回転体)とにより構成され、このような振動型モータの構造がマニュアルフォーカス動作の際に充分に活かされている。
【0004】
すなわち、上記駆動機構では、振動型モータを作動させてオートフォーカスを行う際には、上記加圧部材の加圧力を光軸方向に沿って受けている出力環が回転してもマニュアルリングが非回転状態を維持する一方、マニュアルリングを回転操作してマニュアルフォーカスを行う際には、振動型モータのロータがステータに圧接状態であるためにロータの非回転状態が維持される。このため、何らかの切り換え機構を用いることなくオートフォーカス動作とマニュアルフォーカス動作の切り換えが行える。
【0005】
図5には、従来のレンズ装置のフォーカス駆動機構の例を示している。この図において、101はフォーカス駆動機構の各構成部品を保持するユニット支持筒(固定部材)である。102は横断面形状が台形をなした環状のステータである。103はステータ102の一端面に接合され、ステータ102を振動させる電歪素子(電気−機械エネルギー変換素子)である。104は電歪素子103の表面に圧接されたフェルト等からなる環状の振動吸収体である。また、108はステータ102から光軸回りの回転力を受ける環状ロータである。なお、ステータ102とロータ108により振動型モータが構成される。
【0006】
105は振動吸収体104を介してステータ102をロータ108に圧接させる皿バネである。106はユニット支持筒101の外径に形成されたネジ部に螺合して皿バネ105の加圧力を調整するナットである。
【0007】
107はユニット支持筒101の外周に一体的に保持されると共に、ステータ102の回転を規制するための回り止めである。110はゴムリング109を介してロータ108と一体的に回転するオート連結板である。
【0008】
111は不図示のカム環に連結された出力回転筒であり、光軸に直交する方向に放射状に延びて遊星ローラ112を回転可能に支持する複数本の軸111aを有する。出力回転筒111にはフォーカスキー115が取り付けられており、このフォーカスキー115はレンズを保持する鏡筒(図示せず)に係合している。113は不図示のマニュアルフォーカスリングから駆動力が伝えられるマニュアル連結板であり、上記遊星ローラ112はこのマニュアル連結板113とオート連結板110とに挟まれている。114はマニュアル連結板113に当接する保持環であり、ユニット支持筒101に嵌合してユニット支持筒101に対する回転が規制されている。
【0009】
このように構成されたフォーカス駆動機構では、マニュアルフォーカスリングを回転操作してマニュアル連結板113を回転させると、遊星ローラ112が公転および自転し、マニュアル連結板113の回転が減速されて出力回転筒111およびフォーカスキー115に伝達され、鏡筒が回転駆動される。このとき、オート連結板110は、ロータ108とステータ102との皿バネ105の加圧力による摩擦によって固定保持される。一方、ロータ108を回転させてオート連結板110を回転させると、遊星ローラ112が公転および自転し、オート連結板110の回転が減速されて出力回転筒111およびフォーカスキー115に伝達され、鏡筒が回転駆動される。このとき、オート連結板110は、皿バネ105の加圧力による保持環114との摩擦によって固定保持される。こうして、鏡筒が回転駆動されると、この鏡筒と上記カム環との係合作用によって鏡筒が光軸方向に駆動される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなレンズ装置では、オートフォーカス時においてはできるだけ高速で鏡筒が光軸方向に駆動される方が望ましい。しかしながら、図3のフォーカス駆動機構では、振動型モータの回転が減速されて出力回転筒111や鏡筒に伝達されるので、この駆動機構はオートフォーカスの高速化に反するものとなっている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明では、操作部材からの駆動力が入力される操作力入力部材と、振動型モータ等の駆動源からの駆動力が入力される駆動力入力部材と、これら操作力入力部材および駆動力入力部材から駆動力が伝達される出力部材とをそれぞれ固定部材に対して回転可能に有する駆動装置において、固定部材に対して回転可能な第1支持部材に、操作力入力部材と固定部材とに接触する第1遊星ローラを取り付けるとともに、固定部材に対して回転可能な第2支持部材に、駆動力入力部材と出力部材とに接触する第2遊星ローラを取り付け、さらに第1支持部材と第2支持部材とを一体回転可能に連結している。
【0012】
この構成において、マニュアルフォーカス時に操作部材を回転操作して操作力入力部材を回転させると、この回転は、第1遊星ローラおよび第2遊星ローラの自転および公転により出力部材に伝達される。一方、オートフォーカス時に駆動源を回転させ駆動力入力部材を回転させると、この回転は、固定保持状態にある操作力入力部材と固定部材とに接触して公転が規制された第2遊星ローラの自転により減速されることなく出力部材に伝達される。これにより本発明では、マニュアルフォーカスとオートフォーカスとを特別な切り換え機構を必要としないフォーカス駆動機構において、高速でのオートフォーカス駆動を実現している。
【0013】
なお、上記発明において、第1遊星ローラにおける操作力入力部材との接触部の外径を固定部材との接触部の外径よりも大きくして、駆動源から出力部材への等速での回転伝達関係を維持しつつ、操作力入力部材から出力部材への回転伝達減速比を自由に設定できるようにしてもよい。
【0014】
さらに、駆動源として振動型モータを使用する場合に、この振動型モータの振動体と回転体とを圧接させる第1加圧手段とは別に、第1遊星ローラと操作力入力部材および固定部材とを圧接させる第2加圧手段を設けて、振動体と回転体との圧接力と第1遊星ローラと操作力入力部材および固定部材との圧接力とをそれぞれ適切かつ容易に設定できるようにするのが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態であるフォーカス駆動機構(駆動装置)を用いたレンズ装置を示している。この図において、8は固定筒である。この固定筒8の後端部には、不図示のカメラボディにメカニカルに結合するためのマウント10が取り付けられている。また、固定筒8の内側には、フォーカス駆動機構の各構成部品を保持するためのユニット支持筒11が固定保持されている。
【0016】
5は固定筒1に固定保持された案内筒であり、光軸方向にのみ延びる直進溝5bを有する。6は案内筒5の外周に形成された爪5aに係合して光軸回りでの回転のみ許容されたカム環であり、カム溝6aを有する。
【0017】
3は案内筒5の前部内側に光軸方向に移動可能に取り付けられた第1群鏡筒であり、内側にてフォーカス用レンズ群1を保持している。この第1群鏡筒3の外周には駆動用コロ3aが取り付けられており、この駆動用コロ3aは上記直進溝5bとカム溝6aとに係合している。
【0018】
4は案内筒5の後部内側に固定保持された第2群鏡筒であり、内側にて固定レンズ群2を保持している。7は絞りユニットであり、第2群鏡筒4に保持されている。
【0019】
9はフォーカス操作環(操作部材)であり、案内筒5と固定筒8との間に挟まれて回転可能に保持されている。
【0020】
12は横断面形状が台形をなした環状のステータ(振動体)である。13はステータ12の一端面に接合されこれを振動させる電歪素子(電気−機械エネルギー変換素子)である。14は電歪素子13の表面に圧接されたフェルト等からなる環状の振動吸収体である。18はステータ12から光軸回りの回転力を受ける環状ロータ(回転体)である。なお、ステータ12とロータ18により振動型モータが構成される。15は第1皿バネであり、ステータ12を光軸方向前方に付勢してロータ18に圧接させる。
【0021】
16はユニット支持筒11の外周に形成されたネジ部に螺合し、第1皿バネ15の加圧力を調整する第1ナットであり、振動型モータの性能が最大に引き出せるように第1皿バネ15の加圧力を最適に調整することができる。なお、第1皿バネ15および第1ナット16が請求の範囲にいう第1加圧手段に相当する。
【0022】
17はユニット支持筒11の外周に一体的に保持されると共に、ステータ12の回転を規制するための回り止めである。20はゴムリング19を介してロータ18と一体的に回転するオート連結板(駆動力入力部材)である。
【0023】
21は第1遊星ローラである。23は第1ローラ支持筒(第1支持部材)であり、図2に示すように、円周方向略等分位置に複数設けられて光軸に直交する方向に放射状に延びて第1遊星ローラ21を回転自在に保持するローラ支持軸23aを有している。
【0024】
22は第2遊星ローラである。24は第2ローラ支持筒(第2支持部材)であり、図2に示すように、円周方向略等分位置に複数設けられて光軸に直交する方向に放射状に延びて第2遊星ローラ22を回転自在に保持するローラ支持軸24aを有している。
【0025】
また、第1ローラ支持筒23の内周と第2ローラ支持筒24の外周には、図2に示すように、互いに係合して両支持筒23,24を光軸方向への相対移動を許容しつつ一体的に回転させる爪23b,24bが形成されている。
【0026】
25は第2遊星ローラ22に当接する当接面を有するベアリングボール押さえ環である。すなわち、第2遊星ローラ24は、このベアリングボール押さえ環25とオート連結板20とに挟まれるかたちで両部材25,20の当接面に当接する。なお、ベアリングボール押さえ環25の当接面とオート連結板20の当接面は互いに同径である。
【0027】
27は出力回転筒であり、ベアリングボール押さえ環25と一体回転可能に螺合している。なお、ベアリングボール押さえ環25と出力回転筒27は、請求の範囲にいう出力部材に相当する。また、前述した第1皿バネ15の加圧力は、ステータ12、ロータ18およびゴムリング19を介して、オート連結板20、第2遊星ローラ22およびベアリングボール押さえ環25間に作用して、これらの間に滑りが生じないようにこれらを互いに圧接させる。
【0028】
なお、ベアリングボール押さえ環25と出力回転筒27は、これらの間にできた溝部にて、ユニット支持筒11の外周に形成されたV溝11a内に配設されたベアリングポール26を受けることにより、ユニット支持筒11に対して光軸方向の移動が規制された状態でスムーズな回転が可能である。
【0029】
28は出力回転筒27に一体的に固定された出力回転キーであり、カム環6に設けられた突起6bに係合してカム環6に回転を伝える。
【0030】
29はフォーカス操作環9の爪9aに係合してフォーカス操作環9からの回転伝達を受けるマニュアル連結板(操作力入力部材)である。このマニュアル連結板29は、第1遊星ローラ21に当接する当接面を有する。30はマニュアル連結板29を回転可能に保持する保持環であり、ユニット支持筒11に一体的に保持される。
【0031】
31はユニット支持筒11に一体的に固定され、第1遊星ローラ21に当接する当接面を有する固定リングである。すなわち、第1遊星ローラ21は、この固定リング31とマニュアル連結板29とに挟まれるかたちで両部材31,29の当接面に当接する。なお、固定リング31の当接面とマニュアル連結板29の当接面は互いに同径である。また、固定筒8、ユニット支持筒11および固定リング31が請求の範囲いう固定部材に相当する。
【0032】
32は第2皿バネであり、固定リング31を光軸方向前方に付勢して、第1遊星ローラ21、固定リング31およびマニュアル連結板29の間に滑りが生じないようにこれらを互いに圧接する。33はユニット支持筒11の外周に形成されたネジ部に螺合して、第2皿バネ32の加圧力を調整する第2ナットである。なお、第2皿バネ32および第2ナット33は、請求の範囲にいう第2加圧手段に相当する。
【0033】
次に、以上のように構成されたフォーカス駆動機構およびレンズ装置の作動を説明する。
【0034】
使用者がマニュアルでフォーカシングするときには、不図示のフォーカシングスイッチを操作せずにフォーカス操作環9を回転操作する。フォーカス操作環9の回転はマニュアル連結板29に伝えられ、これを光軸回りで回転させる。これにより、マニュアル連結板29および固定リング31に当接した第1遊星ローラ21は、第1ローラ支持筒23上のローラ支持軸23aを中心に自転しながら第1ローラ支持筒23とともに光軸回りで公転する。ここで、第1遊星ローラ21の公転量と自転量の和がマニュアル連結板29の回転量に等しくなるため、第1遊星ローラ21の公転量(第1ローラ支持筒23の回転量)はマニュアル連結板29の回転量に対し1/2となる。
【0035】
そして、第1ローラ支持筒23の回転により第2ローラ支持筒24も一体的に回転し、第2ローラ支持筒24に取り付けられた第2遊星ローラ22も光軸回りで公転する。このとき、第2遊星ローラ22に当接したオート連結板20は、ロータ18とステータ12の摩擦により固定状態にあるため、第2遊星ローラ22は公転しながら自転して、これら公転回転と自転回転との合成回転がベアリング押さえ環25と出力回転筒27とに伝わる。これにより、ベアリング押さえ環25と出力回転筒27は、第2遊星ローラ22の公転量(第2ローラ支持筒24の回転量)の2倍の回転量で回転する。すなわち、出力回転筒27は、マニュアル連結板29およびフォーカス操作環9の回転と同じ回転数で光軸回りで回転することとなる。
【0036】
そして、出力回転筒27とともに回転出力キー28が回転すると、この回転はカム環6に伝達されてこれが回転し、カム環6のカム溝6aと第1群鏡筒3のコロ3aとの係合作用によって第1群鏡筒3(すなわち、フォーカス用レンズ1)が光軸方向に駆動されてマニュアルフォーカシングが行われる。
【0037】
一方、使用者がオートフォーカスモードにて不図示のフォーカシングスイッチを操作すると、不図示の制御回路の作動により不図示のプリント基板を介して電歪素子13に電圧が印加され、その結果ステータ12に円周方向に進行する振動が生じ、このステータ12の振動によってロータ18、ゴムリング19、オート連結板20が光軸回りで回転する。このとき、マニュアル連結板29は保持環30との摩擦により回転しないため、第1遊星ローラ21とこれを支持する第1ローラ支持筒23は光軸回りで公転せず、第1ローラ支持筒23と一体回転のみ可能に連結された第2ローラ支持筒24も光軸回りで公転しない。したがって、第2遊星ローラ22はオート連結板20からの回転を受けて第2ローラ支持筒24上のローラ支持軸24aを中心に自転するだけであり、第2遊星ローラ22の自転回転のみがベアリング押さえ環25と出力回転筒27とに伝えられる。これにより、出力回転筒27は、ロータ18の回転に対して減速することなく同じ回転数で光軸回りで回転する。
【0038】
そして、出力回転筒27とともに回転出力キー28が回転すると、この回転はカム環6に伝達されてこれが回転し、カム環6のカム溝6aと第1群鏡筒3のコロ3aとの係合作用によって第1群鏡筒3(すなわち、フォーカス用レンズ1)が光軸方向に駆動されてオートフォーカシングが行われる。
【0039】
このように、本実施形態によれば、第1群鏡筒3に駆動力を伝達する出力回転筒27は、マニュアルフォーカス時にはマニュアル連結板29およびフォーカス操作環9の回転数と同じ回転数で駆動されるとともに、オートフォーカス時にも振動型モータの回転数と同じ回転数で駆動される。このため、マニュアルフォーカスとオートフォーカスとを特別な切り換え機構を必要とせず、かつオートフォーカスでの高速駆動が可能なレンズ装置やこれを備えたカメラを実現することができる。
【0040】
(第2実施形態)
図3には、本発明の第2実施形態であるフォーカス駆動機構(駆動装置)を用いたレンズ装置を示している。なお、本実施形態における基本構成は、第1実施形態と同じであるので、図3においても共通構成要素(1〜10)については第1実施形態と同符号を付している。
【0041】
51はフォーカス駆動機構の各構成部品を保持するためのユニット支持筒51であり、固定筒8の内側に固定保持されている。
【0042】
52は横断面形状が台形をなした環状のステータ(振動体)である。53はステータ52の一端面に接合されこれを振動させる電歪素子(電気−機械エネルギー変換素子)である。54は電歪素子53の表面に圧接されたフェルト等からなる環状の振動吸収体である。58はステータ12から光軸回りの回転力を受ける環状ロータ(回転体)である。なお、ステータ52とロータ58により振動型モータが構成される。55は第1皿バネであり、ステータ52を光軸方向前方に付勢してロータ58に圧接させる。
【0043】
56はユニット支持筒51の外周に形成されたネジ部に螺合し、第1皿バネ55の加圧力を調整する第1ナットであり、振動型モータの性能が最大に引き出せるように第1皿バネ55の加圧力を最適に調整することができる。なお、第1皿バネ55および第1ナット56が請求の範囲にいう第1加圧手段に相当する。
【0044】
57はユニット支持筒51の外周に一体的に保持されると共に、ステータ52の回転を規制するための回り止めである。60はゴムリング59を介してロータ58と一体的に回転するオート連結板(駆動力入力部材)である。
【0045】
61は第1遊星ローラであり、大きな外径(φA1)を持つ第1当接部61aと小さな外径(φA2)を持つ第2の当接部61bとを有する。
【0046】
63は第1ローラ支持筒(第1支持部材)であり、図4に示すように、円周方向略等分位置に複数設けられて光軸に直交する方向に放射状に延びて第1遊星ローラ61を回転自在に保持するローラ支持軸63aを有している。
【0047】
62は第2遊星ローラである。64は第2ローラ支持筒(第2支持部材)であり、図4に示すように、円周方向略等分位置に複数設けられて光軸に直交する方向に放射状に延びて第2遊星ローラ62を回転自在に保持するローラ支持軸64aを有している。
【0048】
また、第1ローラ支持筒63の内周と第2ローラ支持筒64の外周には、図4に示すように、互いに係合して両支持筒63,64を光軸方向への相対移動を許容しつつ一体的に回転させる爪63b,64bが形成されている。
【0049】
65は第2遊星ローラ62に当接する当接面を有するベアリングボール押さえ環である。すなわち、第2遊星ローラ64は、このベアリングボール押さえ環65とオート連結板60とに挟まれるかたちで両部材65,60の当接面に当接する。なお、ベアリングボール押さえ環65の当接面とオート連結板60の当接面は互いに同径である。
【0050】
67は出力回転筒であり、ベアリングボール押さえ環65と一体回転可能に螺合している。なお、ベアリングボール押さえ環65と出力回転筒67は、請求の範囲にいう出力部材に相当する。また、前述した第1皿バネ55の加圧力は、ステータ52、ロータ58およびゴムリング59を介して、オート連結板60、第2遊星ローラ62およびベアリングボール押さえ環65間に作用して、これらの間に滑りが生じないようにこれらを互いに圧接させる。
【0051】
なお、ベアリングボール押さえ環65と出力回転筒67は、これらの間にできた溝部にて、ユニット支持筒51の外周に形成されたV溝51a内に配設されたベアリングポール66を受けることにより、ユニット支持筒51に対して光軸方向の移動が規制された状態でスムーズな回転が可能である。
【0052】
68は出力回転筒67に一体的に固定された出力回転キーであり、カム環6に設けられた突起6bに係合してカム環6に回転を伝える。
【0053】
69はフォーカス操作環9の爪9aに係合してフォーカス操作環9からの回転伝達を受けるマニュアル連結板(操作力入力部材)である。このマニュアル連結板69は、第1遊星ローラ61に当接する当接面を有する。70はマニュアル連結板69を回転可能に保持する保持環であり、ユニット支持筒51に一体的に保持される。
【0054】
71はユニット支持筒51に一体的に固定され、第1遊星ローラ61に当接する当接面を有する固定リングである。すなわち、第1遊星ローラ61は、この固定リング71とマニュアル連結板69とに挟まれるかたちで両部材71,69の当接面に当接する。なお、固定リング71における第1遊星ローラ61の第2当接部61bとの当接面とマニュアル連結板69における第1遊星ローラ61の第1当接面61aとの当接面は、第1および第2当接面61a,61bのローラ支持軸62aの軸方向距離に対応した分だけ径が異なるのみであり、ほぼ同径である。また、固定筒8、ユニット支持筒51および固定リング71が請求の範囲いう固定部材に相当する。
【0055】
72は第2皿バネであり、固定リング71を光軸方向前方に付勢して、第1遊星ローラ61、固定リング71およびマニュアル連結板69の間に滑りが生じないようにこれらを互いに圧接する。73はユニット支持筒51の外周に形成されたネジ部に螺合して、第2皿バネ72の加圧力を調整する第2ナットである。なお、第2皿バネ72および第2ナット73は、請求の範囲にいう第2加圧手段に相当する。
【0056】
次に、以上のように構成されたフォーカス駆動機構およびレンズ装置の作動を説明する。
【0057】
使用者がマニュアルでフォーカシングするときには、不図示のフォーカシングスイッチを操作せずにフォーカス操作環9を回転操作する。フォーカス操作環9の回転はマニュアル連結板69に伝えられ、これを光軸回りで回転させる。これにより、マニュアル連結板69および固定リング71に当接した第1遊星ローラ61は、第1ローラ支持筒63上のローラ支持軸63aを中心に自転しながら第1ローラ支持筒63とともに光軸回りで公転する。ここで、第1遊星ローラ61の第1当接部(外径φA1)61aと第2当接部(外径φA2)との外径比を、φA1:φA2=2:1とすると、第1当接部61aの円周に対し第2当接部61bの円周が半分となる。しかも、第1遊星ローラ61の公転量と自転量の和がマニュアル連結板69の回転量に等しくなるため、第1遊星ローラ61の公転量(第1ローラ支持筒63の回転量)はマニュアル連結板69の回転量に対して1/3となる。
【0058】
そして、第1ローラ支持筒63の回転により第2ローラ支持筒64も一体的に回転し、第2ローラ支持筒64に取り付けられた第2遊星ローラ62も光軸回りで公転する。このとき、第2遊星ローラ62に当接したオート連結板60は、ロータ58とステータ52の摩擦により固定状態にあるため、第2遊星ローラ62は公転しながら自転して、これら公転回転と自転回転との合成回転がベアリング押さえ環65と出力回転筒67とに伝わる。これにより、ベアリング押さえ環65と出力回転筒67は、第2遊星ローラ62の公転量(第2ローラ支持筒64の回転量)の2倍の回転量で回転する。すなわち、出力回転筒67は、マニュアル連結板69およびフォーカス操作環9の回転に対して2/3倍の回転数で光軸回りで回転することとなる。
【0059】
そして、出力回転筒67とともに回転出力キー68が回転すると、この回転はカム環6に伝達されてこれが回転し、カム環6のカム溝6aと第1群鏡筒3のコロ3aとの係合作用によって第1群鏡筒3(すなわち、フォーカス用レンズ1)が光軸方向に駆動されてマニュアルフォーカシングが行われる。
【0060】
一方、使用者がオートフォーカスモードにて不図示のフォーカシングスイッチを操作すると、第1実施形態と同様にして振動型モータの回転と同じ回転数で出力回転筒67が回転する。そして、出力回転筒67とともに回転出力キー68が回転すると、この回転はカム環6に伝達されてこれが回転し、カム環6のカム溝6aと第1群鏡筒3のコロ3aとの係合作用によって第1群鏡筒3(すなわち、フォーカス用レンズ1)が光軸方向に駆動されてオートフォーカシングが行われる。
【0061】
このように、本実施形態によれば、第1群鏡筒3に駆動力を伝達する出力回転筒67は、マニュアルフォーカス時にはマニュアル連結板29およびフォーカス操作環9の回転数より低い(2/3倍の)回転数で駆動されるので、第1実施形態のように両回転数が同じである場合に比べて、フォーカス操作環9の操作量に対する第1群鏡筒3の光軸方向移動量を小さくすることができ、マニュアルフォーカス時の微調整を行い易くすることができる。一方、オートフォーカス時には出力回転筒67は、振動型モータの回転数と同じ回転数で駆動される。このため、マニュアルフォーカスとオートフォーカスとを特別な切り換え機構を必要とせず、かつオートフォーカスでの高速駆動が可能なレンズ装置やこれを備えたカメラを実現することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、第1遊星ローラ61におけるマニュアル連結板69との当接部(第1当接部)61aの外径を固定リング71との当接部(第2当接部)61bの外径の2倍に設定した場合について説明したが、この外径比はこれに限るものではない。例えば、第1、第2当接部の外径比を3:1にすれば、出力回転筒の回転数は、振動型モータの回転数に対しては同じになり、マニュアル連結板の回転数に対しては1/2倍になる。このように、第1遊星ローラにおける第1および第2当接部の外径比を変更することにより、振動型モータから出力回転筒への回転伝達比を変えることなく、マニュアル敏感度を自由に設定することができる。
【0063】
また、上記各実施形態では、マニュアル連結板29,69とフォーカス操作環9とを直接連結する構成にしているが、これらの間に減速機構や増速機構を介在させてもよい。
【0064】
さらに、上記各実施形態では、駆動源として振動型モータを用いた駆動装置について説明したが、本発明の駆動装置の駆動源として、振動型モータ以外のものを用いてもよい。
【0065】
また、上記各実施形態では、レンズ装置やカメラにおけるフォーカス駆動機構(装置)について説明したが、本発明の駆動装置は、操作力と駆動源駆動力とにより出力部材を駆動する各種装置に適用することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、操作力入力部材の回転は、第1遊星ローラおよび第2遊星ローラの自転および公転により出力部材に伝達される一方、駆動力入力部材の回転は、固定保持状態にある操作力入力部材と固定部材とに接触して公転が規制された第2遊星ローラの自転により減速されることなく出力部材に伝達されるので、駆動力入力部材(駆動源)からの駆動力による駆動時と操作力入力部材(操作部材)からの駆動力による駆動時とで、特別な切り換え機構を必要としない駆動装置において、駆動源による高速駆動を実現することができる。そして、この駆動装置をレンズ装置のフォーカス駆動機構として用いれば、マニュアルフォーカスとオートフォーカスとを特別な切り換え機構を必要とせずに、高速でのオートフォーカス駆動を行えるレンズ装置を実現することができる。
【0067】
なお、上記発明において、第1遊星ローラにおける操作力入力部材との接触部の外径を固定部材との接触部の外径よりも大きくすれば、駆動源から出力部材への等速での回転伝達関係を維持しつつ、操作力入力部材から出力部材への回転伝達減速比を自由に設定できる。
【0068】
さらに、駆動源として振動型モータを使用する場合に、この振動型モータの振動体と回転体とを圧接させる第1加圧手段とは別に、第1遊星ローラと操作力入力部材および固定部材とを圧接させる第2加圧手段を設ければ、振動体と回転体との圧接力と第1遊星ローラと操作力入力部材および固定部材との圧接力とをそれぞれ適切かつ容易に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるフォーカス駆動機構を用いたレンズ装置の側面断面図である。
【図2】上記第1実施形態のフォーカス駆動機構における第1および第2ローラ支持筒の光軸方向視図である。
【図3】本発明の第2実施形態であるフォーカス駆動機構を用いたレンズ装置の側面断面図である。
【図4】上記第2実施形態のフォーカス駆動機構における第1および第2ローラ支持筒の光軸方向視図である。
【図5】従来のフォーカス駆動ユニットを示した側面断面図である。
【符号の説明】
1:フォーカス用レンズ
2:固定レンズ
3:第1群鏡筒
4:第2群鏡筒
5:案内筒
6:カム環
7:絞りユニット
8:固定筒
9:フォーカス操作環
10:マウント
11,51:ユニット支持筒
12,52:ステータ
13,53:電歪素子
14,54:振動吸収体
15,55:第1皿バネ
16,56:第1ナット
17,57:回り止め
18,58:ロータ
19,59:ゴムリング
20,60:オート連結板
21,61:第1遊星ローラ
22,62:第2遊星ローラ
23,63:第1ローラ支持筒
24,64:第2ローラ支持筒
25,65:ベアリングボール押さえ環
26,66:ベアリングボール
27,67:出力回転筒
28,68:出力回転キー
29,69:マニュアル連結板
30,70:保持環
31,71:固定リング
32,72:第2皿バネ
33,73:第2ナット

Claims (7)

  1. 操作部材からの駆動力が入力される操作力入力部材と、駆動源からの駆動力が入力される駆動力入力部材と、これら操作力入力部材および駆動力入力部材から駆動力が伝達される出力部材とをそれぞれ固定部材に対して回転可能に有する駆動装置において、
    前記固定部材に対して回転可能な第1支持部材に取り付けられ、前記操作力入力部材と前記固定部材とに接触する第1遊星ローラと、
    前記固定部材に対して回転可能な第2支持部材に取り付けられ、前記駆動力入力部材と前記出力部材とに接触する第2遊星ローラとを有し、
    前記第1支持部材と前記第2支持部材とを一体回転可能に連結したことを特徴とする駆動装置。
  2. 前記第1遊星ローラにおける前記操作力入力部材との接触部の外径が、前記固定部材との接触部の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記駆動源が、電気−機械エネルギー変換により振動体に振動を励起し、この振動体とこれに圧接する回転体とを相対回転させて前記駆動力入力部材に駆動力を伝達する振動型モータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
  4. 前記振動体と前記回転体とを圧接させる第1加圧手段と、
    前記第1遊星ローラと前記操作力入力部材および前記固定部材とを圧接させる第2加圧手段とを有することを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
  5. 前記第1支持部材と前記第2支持部材とを軸方向に相対移動可能に連結したことを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の駆動装置を備え、
    前記出力部材に伝達された駆動力によりレンズを光軸方向に駆動することを特徴とするレンズ装置。
  7. 請求項6に記載のレンズ装置を備えたことを特徴とするカメラ。
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