JP3652019B2 - 真空採血用ホルダー及び採血針の固定離脱方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は血液を検体とする臨床検査において、採血のための所謂真空採血システムに用いられる真空採血用ホルダー及び該ホルダーを用いた採血針の固定離脱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
典型的な真空採血システムは、例えば、特開昭62−227316号公報に記載されているように、システムの基本的構成は、図20〜22に示す通り、
▲1▼有底の管状容器の開放端を針穴シール性、且つガスバリヤー性を備えた栓体110で気密に封止し、内部を減圧に保った真空採血管100、
▲2▼一本の中空の金属製細管からなり、両末端に針先210、220を有し、ほぼ中間部に雄ネジが切られた針基230を有する真空採血針200(なお、針先220側の針管は、採血時に真空採血管100の栓体110刺通側となるが、真空採血管100を取り替えて連続して採血する際に、取り替え時に血液がこぼれ落ちるのを防止するために、該針管には伸縮自在のゴム製の鞘管240が被されている)、
▲3▼採血針をネジ止め固定するために雌ネジが切られた固定孔310を有し、真空採血管100を内腔320に保持する真空採血用ホルダー300、
からなっている。
【0003】
採血にあたっては、採血針の針基230をホルダー300の固定孔310にネジ止めする。採血者は、図23に示すように、採血針/ホルダー組み立て体の全体を被採血者の血管軸に沿った方向に寝かせるように手に保持し、血管刺通側の針先210を血管に刺通する。ついで、ホルダー300に真空採血管100を挿入し、栓体刺通側の針先220で栓体110を貫通せしめると、真空採血管100内部が減圧になっているために血液が吸引されるようになっている。
【0004】
ところで、本システムを用いて採血する時に問題となっているのは、採血終了後に採血針をホルダーから取り外すに先立ち、採血針にカバーキャップをはめようとして手先が狂い、かなりの頻度で指先を刺してしまう事故が起きることである。
【0005】
この問題を解決する手段として提案されてきたもののうちの一つは、採血針のカバーキャップ全体を大型化したり、又は、登録実用新案公報第3017273号に示されるようなキャップ開口部分のみをラッパ状に拡大したりすることであった。しかし、キャッピング操作が本質的に指先を採血針の針先に近づける動作である以上、いかにキャップを大型化しようが、手先が滑って事故になる可能性は消えない上に、包装箱が大型化し、嵩張るという問題も出てくる。一方、特開平5−269174号公報には、カバーキャップなどせずに自動的に脱針するための専用の針外し装置が提案されている。本装置は、ねじ外し操作を自動で行うものであり、確かに安全性は格段に向上するが、装置価格が高価である上に、メンテナンスの負担がある。また、ねじ外し機構が手動のものもあるが、専用装置を用意する負担に変わりはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的は、採血終了後に採血針をホルダーから外すときに針先に手指を近づける動作が必要なく、針刺し事故を大幅に軽減することができると共に、針はずしのための専用の装置を必要としない真空採血用ホルダー及び該ホルダーを用いた採血針の固定離脱方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空採血用ホルダーは、一端に真空採血管挿入用の開口部を有し、他端に採血針固定機構を有する筒状の真空採血用ホルダーであって、上記ホルダー本体に、該本体の採血針固定側の端面、及びこれに続く側面にかけて切り欠き窓が設けられ、該端面には、ホルダー中心軸に直交する面内を前後に摺動可能な中子を内蔵するガイド枠が載置されており、該中子は、ピンセット構造を有しており、該中子がガイド枠内壁面に接触しつつ、前後に摺動することにより、その可動端部が左右に開閉して、採血針の針基をくわえ込み固定又は離脱させる構造を有するものであることを特徴とする。
【0008】
本発明の採血針の固定離脱方法は、請求項1記載の真空採血用ホルダーに採血針を固定するにあたり、該ホルダー本体の中心軸に平行に採血針を保持しつつ、前記切り欠き窓を通して、採血針を該ホルダー側面から該ホルダー中心軸近傍まで平行移動させることにより、該中子の可動端部をガイド枠内壁面に接触せしめつつ摺動後退せしめ、該可動端部に採血針の針基をくわえ込み固定させ、また逆の手順により離脱させることを特徴とする。
【0009】
本発明のホルダーで固定可能な採血針としては、従来のいずれのタイプのものも適用可能であり、例えば、図1(イ)に示した採血針4のような針基41にネジが切られていない、所謂ワンタッチタイプといわれるもの、図1(ロ)に示した採血針5のような雄ネジが切られている針基51を有するものなどが挙げられる。なお、採血針4の針基41は、フランジ41a、フランジ41cに挟まれた縮径部41bを有する構成とされており、採血針5の針基51は、フランジ51aと、雄ネジ部51bを有する構成とされている。
【0010】
【作用】
本発明の真空採血用ホルダーは、ガイド枠内壁面を摺動する中子が採血針の針基をくわえ込み固定する構造である。採血針の固定にあたっては、採血針の中心軸をホルダーの中心軸と平行に保持したまま、ホルダー側壁の切り欠き窓を通して、採血針を横滑りにホルダー内部に導入する。この時、中子の可動端部に採血針の針基をあてがい、ホルダー中心軸近傍まで押し付けるようにすると、可動端部が閉じて針基を締めつけるために採血針を固定することができる。引き続く真空採血手順自体は、従来公知の手順に従えばよい。
【0011】
一方、採血針を離脱させるときは、中子可動端部の反対側を押し出せば、固定とは逆の道筋を通って、採血針は排出されるので、排出された採血針を金属製の空缶等に受ければよい。従って、採血針の離脱時には、採血針にカバーキャップをはめる必要がない、すなわち、採血針の針先方向に手指を持っていく動作がないので、針刺し事故を防止することができる。
【0012】
本発明の採血針の固定離脱方法は、請求項1記載の真空採血用ホルダーに採血針を固定するにあたり、該ホルダー本体の中心軸に平行に採血針を保持しつつ、該ホルダー本体の切り欠き窓を通して、採血針を該ホルダー側面から該ホルダー中心軸近傍まで平行移動させることにより、該中子の可動端部をガイド枠内壁面に接触せしめつつ摺動後退せしめ、該可動端部に採血針の針基をくわえ込み固定させ、また逆の手順により離脱させるので、採血針の離脱時には、採血針にカバーキャップをはめる必要がない、すなわち、採血針の針先方向に手指を持っていく動作がないので、針刺し事故を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の真空採血用ホルダーの一例を示す斜視図である。本発明の真空採血用ホルダーは、ホルダー本体1と、ホルダー本体1の一端面に載置されたガイド枠2と、該ガイド枠2に内蔵された中子3とからなる。
【0014】
図3は、上記ホルダー本体1を示す斜視図である。ホルダー本体1は、一端が開放され、他端が閉塞された円筒体からなり、開放端側は真空採血管が挿入される側となり、その一端部の開口部11側には、真空採血時にホルダー本体1を掴み易くするために、従来の真空採血用ホルダーと同様に、円形のフランジの円周の一部が平行にカットされて、略楕円形の構造とされたフランジ状の鍔部12が設けられている。また、閉塞端側は採血針固定側となり、その端面13、及びこれに続く側面14にかけて切り欠き窓15が設けられている。切り欠き窓15は、端面13の略中央部16から始まり、側面14に連なる。切り欠き窓15は、この真空採血用ホルダーの使用時に採血針を装着又は離脱させる際に、この切り欠き窓15を通して採血針が出入りするので、その開口幅は、採血針の栓体刺通側針管の外径以上であればよく(栓体刺通側針管に鞘管を被せる場合は、その鞘管の外径以上であればよい)、ホルダー本体1の側面14での切り欠き窓15の長さは、採血針の栓体刺通側針管の長さ以上であればよい(栓体刺通側針管に鞘管を被せる場合は、その鞘管を含めた栓体刺通側針管の長さ以上であればよい)。切り欠き窓15の切り欠き方向は、特に限定されない。また、端面13の切り欠き窓15の左右には、ガイド枠を取り付け固定するための取付穴17が開けられている。
【0015】
図4〜7は、ガイド枠2を示す図であり、図4はその平面図、図5は図2における矢印(イ)方向から見たその正面図、図6は図2における矢印(ロ)方向からみた図、図7はその側面図である。ガイド枠2は、幅に比較して高さの低い、中空の四角柱の2つの側面だけが対向して欠けている形状の箱体が、その側面の欠けている側の一方から図4に示すようにU字型に切り欠かれた構造をしている。ガイド枠2は、天板21、底板22及び左右の側壁23、23とからなるが、ガイド枠2は正面からみるとその開口部24の端面241は断面コの字状となっている。ガイド枠2の側壁23はその内壁面231に段差232、233及び234が設けられており、側壁23の厚みはガイド枠2の入口側から奥側に向かって段階的に厚くされている。内壁面231に、このように段差を設けることにより採血針の締めつけ固定力を段階的に強化できるので有利であるが、この段差を設けることは必ずしも必要なことではない。また、ガイド枠2の底板22には、ホルダー本体1の取付穴17にガイド枠2を取り付けるための取付爪25が2ケ設けられている。
【0016】
図8〜10は、中子3を示す図であり、図8はその平面図、図9はその右側面図、図10はその正面図である。中子3はピンセット構造を有しており、ピンセット構造の支点となる基部31に腕部32、33が取りつけられ、その腕部32、33の先に、それぞれ可動翼取り付け部321と331を介して、それぞれ可動翼34と35が設けられ、可動翼34と35とから可動端部36が構成される。可動翼34は、重なり予定部341とその先に取り付けられたつかみ部342及びガイド枠接触部343とからなり、可動翼35は、重なり予定部351とその先に取り付けられたつかみ部352及びガイド枠接触部353とからなっている。さらに、可動翼34と35には、それぞれストッパー344及び354が設けられている。また、重なり予定部341と重なり予定部351には、必要に応じてそれぞれ針基固定突起345及び355が設けられる。また、中子3の厚み方向の寸法は、固定しようとする採血針4(図1参照)の針基41の縮径部41bの針軸方向の長さ以下に設定されることが好ましい。
【0017】
図11は、図8のXI−XI線断面図のうちの、重なり予定部341と重なり予定部351近傍を示す図である。重なり予定部341と重なり予定部351はこのような構造とされているので、可動端部36が図11の矢印方向に閉じられたときには、重なり予定部341と重なり予定部351は互いが完全に重なるようにされている。
【0018】
このような中子3は、ガイド枠2に内蔵され、ガイド枠2中を前後に摺動可能とされ、その前後の摺動により、その可動端部36が左右に開閉して採血針の針基をくわえ込み固定させ、また離脱させる機能を有する。中子3による採血針の針基の固定に際して、中子3は、後述のように、ガイド枠2の奥に押し込められた状態とされ、その可動端部36のつかみ部342の先端部とつかみ部352の先端部が接触されて採血針の針基をくわえ込んだ状態で採血針を固定し得るように構成されている(採血針の固定に際して、つかみ部342の先端部とつかみ部352の先端部の接触は、必須の要件ではなく、採血針を締めつけ固定さえできれば接触しなくてもよい)。
【0019】
図12は、ガイド枠2に内蔵された中子3の前後の摺動移動による、採血針の固定、離脱の機構を説明するための模式的な図である。図12(イ)〜(ハ)は、ガイド枠2の天板21を取り外した状態で、ホルダー本体1に取り付けられたガイド枠2及び内蔵された中子3の状態をみた平面図であり、また、中子3は左半分(換言すれば、一方の腕部32及び可動翼34を含む部分)の平面図のみを示し、右半分(換言すれば、一方の腕部33及び可動翼35を含む部分)の平面図は、各図中に示した中心線に対して左半分の平面図と左右対象の関係になるのでその記載は省略してある。
【0020】
まず、採血針の固定の機構を説明する。
図12(イ)は、中子3の可動翼34が開いた状態を示す図であり、まさに採血針の針基41が重なり予定部分341に接触したところを示している。この状態で該針基41をガイド枠2の内部側に押し込んでいくと、図12(ロ)に示すように、可動翼34のガイド枠接触部343がガイド枠2の内壁面231に接触しつつ摺動移動され、可動翼34が閉じられていく。ガイド枠接触部343が内壁面の段差232にあたり、さらに内部に押し込まれると、より一層可動翼34が閉じられていく。そして、ガイド枠接触部343がさらに押し込まれ、図12(ハ)に示すように、可動翼のストッパー344がガイド枠の段差234に達すると、中子3の移動が停止する。この状態で可動翼34は完全に閉じられ、可動翼34のつかみ部342は、図示しない他方のつかみ部352に接触して、採血針の針基41が可動端部に固定される。なお、この状態では、重なり予定部341は、図示しない他方の重なり予定部351に完全に重なる。なお、この実施例では、つかみ部342が、他方のつかみ部352に接触して、採血針の針基41を固定する場合を示しているが、前述のように、この接触は必ずしも必要なことではない。
【0021】
なお、この時、採血針が雄ネジが切られていない針基41を有する採血針4の場合は、つかみ部342、352が針基41の縮径部41bにはまり込むために採血針の軸方向にすっぽ抜けることなくしっかりと固定されるが、採血針として図1(ロ)に示した採血針5のような雄ネジが切られている針基51を有するものを固定する場合は、ガイド枠接触部343が十分に内部まで押し込まれ、つかみ部342と352が雄ネジ部51bをくわえ込み固定しても、雄ネジ部51bは一端にフランジ51aを持つのみで他端はフランジをもたないため引っかかリがなく、採血針5の軸方向のすっぽ抜けを防止できない。そこでこの場合は、重なり予定部341と重なり予定部351に、それぞれ前述の針基固定突起345及び355を設けておき、重なり予定部341と重なり予定部351が重なったときに、該突起345及び355がネジの谷部に入りこむようにするのが好ましい。
【0022】
次に、採血針の離脱の機構を説明する。
採血針の離脱に際しては、中子の基部31をガイド枠2の方向に押し出すことにより、採血針の固定の機構と逆の道筋を通って、採血針は排出される。
【0023】
本発明の真空採血用ホルダーを製造するには、ホルダー本体1、ガイド枠2、中子3ともに構成材料は特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属等が適宜用いられる。また、成形方法も射出、押し出し、切削等の従来公知の方法が適宜用いられる。しかしながら、製造の容易さから、熱可塑性樹脂を用いた射出成形が好適に用いられる。このようにして、製造されたホルダー本体1、ガイド枠2、中子3から、本発明のホルダーを組み立てるには、例えば、中子3の可動端部36を閉じた状態にしておき、これをガイド枠2の後方の開口部から、ガイド枠2内に押し込んで、中子3を内蔵するガイド枠2を組み立てる。次に、ホルダー本体1の取付穴17に、ガイド枠2の取付爪25を差し込むことにより、ホルダー本体1にガイド枠2が載置されて本発明のホルダーが得られる。
【0024】
次に、本発明のホルダーを用いて採血する手順を説明する。
採血針を固定するには、図13に示すように、採血針4または5の中心軸をホルダー本体1の中心軸と平行に保持しつつ、ホルダー本体1の側壁に設けられた切り欠き窓15を通して、採血針4または5をホルダー本体1側面から横滑りにホルダー本体1内部に導入する。この時、中子3の可動端部36に採血針4または5の針基41の縮径部41bまたは針基51の雄ネジ部51bをあてがい、ホルダー本体1中心軸近傍まで押し付けるようにすると、中子3の可動端部36がガイド枠2内壁面に接触しつつ摺動後退し、縮径部41bまたは雄ネジ部51bを締めつけるために採血針4または5をくわえ込み固定することができる。このように採血針が固定された本発明のホルダーを用いて採血するには、従来公知の手順に従えばよい。
【0025】
採血終了後、採血針4または5を離脱させるときは、中子3の基部31をガイド枠2方向に押し出すことにより、固定とは逆の道筋を通って、採血針4または5は排出されるので、排出された採血針を金属製の空缶等に受ければよい。
【0026】
図14は、本発明の真空採血用ホルダーの他の例を示す斜視図である。この真空採血用ホルダーは、ガイド枠として図2実施例のガイド枠2に屋根構造26が付加されている形状のガイド枠20が用いられることの他は、図2実施例の真空採血用ホルダーと同様である。従って、図2実施例と同一の部分は、同一の参照番号を付することによりその説明を省略する。
【0027】
図15〜17は、ガイド枠20を説明するための図であり、図15はその正面図、図16はその側面図、図17はその平面図である。ガイド枠20は、図2実施例のガイド枠の天板21の上に、底面の欠けた断面凸状の屋根構造26が、天板21の中央部近傍から後部にかけて設けられた形状をしている。屋根構造26の天板27の正面中央部には、採血針の血管刺通部側の部分を受けるための切り込み27aが設けられている。屋根構造26の高さの範囲は、採血針が本発明のホルダーに装着されたとき、採血針の針基の部分が屋根構造26内部に収納されるような高さ以上であるとともに、採血針の血管刺通部側の針管が屋根構造26の天板27にあたる高さ以内とされる。
【0028】
ガイド枠20の製造方法は、先の実施例で説明した方法と同様にすればよい。
【0029】
ガイド枠20が用いられた本発明のホルダーの使用方法を説明する。前述の方法で、ガイド枠20に中子3を内蔵しホルダー本体1に取り付けてホルダーを組み立てた後、先の実施例と同様にして図14に示したようにしてホルダー本体1に採血針4(又は5)の針基41の縮径部41b(又は針基51の雄ネジ部51b)を固定すると、図18に示したように、採血針4の針基41の部分が屋根構造26の内部に引き込まれることにより、採血針4の血管刺通側針管42が、屋根構造26の天板27の切り込み27aにあたり、矢印の方向に力が加わり曲げられる。血管刺通側針管42の折れ曲がり角は、中子の引き込み距離と屋根構造の高さで決まるが、血管刺通側針管42と栓体刺通側針管43のなす内角が10〜170度となるように設定するのが好ましい。
【0030】
このように採血針が曲げられて固定された本発明のホルダーを用いて採血するには、図19に示すように、採血針4の血管刺通側針管42を血管6に沿わせた方向に刺入するために、ホルダー本体1を立てた状態で手に保持する。このような採血姿勢を取ることにより、ホルダー本体1の外径の大きさに左右されることなく、血管刺通角度(血管6と採血針4との間のなす角度)を非常に小さくできる。その上、血管刺通後にホルダー本体1に真空採血管7を挿入するときには、その挿入方向が必然的に血管刺通方向とは異なるために、採血者にとって、栓体刺通側の針管を栓体に貫通させる時の勢いで、針先が血管内にさらに押し込まれるのを防ぐための緊張感からも開放される。さらに、採血中の真空採血管7は、ほとんど倒立状態になっているため、血液の流入がまだ続いているのか、既に終わったのかが、液面の上昇の様子から非常に分かり易くなる。
【0031】
また、採血終了後、採血針4を離脱させるときは、先の実施例と同様に行えばよい。
【0032】
本発明の真空採血用ホルダーは、図19及び図20に示したような典型的な栓体構造を有する真空採血管以外にも、シート形状の栓体を有する真空採血管であっても、何等支障なく適用できる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の真空採血用ホルダーの構成は上記の通りであり、採血終了後に採血針をホルダーから外すときに針先に手指を近づける動作が必要なく、針刺し事故を大幅に軽減することができると共に、針はずしのための専用の装置を必要としない。
さらに、ガイド枠として屋根構造を有する真空採血用ホルダーの場合は、上記の効果の他に、採血針の固定と同時に採血針の血管刺通側の針管を屈曲せしめることができるので、ホルダーを倒立させた状態で、血管への採血針の刺通が低角度で無理なく容易に行えるために、採血者のみならず、被採血者の心理的緊張を著しく軽減し、内出血などの採血事故を減少せしめ、そのことによって、真空採血の普及自体にも一層拍車がかかるものと期待される。
【0034】
本発明の採血針の固定離脱方法の構成は上記の通りであり、本発明の採血針の固定離脱方法によると、採血終了後に採血針をホルダーから外すときに針先に手指を近づける動作が必要なく、針刺し事故を大幅に軽減することができると共に、針はずしのための専用の装置を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、採血針を示すものであり、図1(イ)はワンタッチタイプといわれる採血針、図1(ロ)は、雄ネジが切られたタイプの採血針である。
【図2】本発明の真空採血用ホルダーの一例を示す斜視図である。
【図3】ホルダー本体を示す斜視図である。
【図4】ガイド枠の平面図である。
【図5】図2における矢印(イ)方向からみたガイド枠の正面図である。
【図6】図2における矢印(ロ)方向からみたガイド枠の図である。
【図7】ガイド枠の側面図である。
【図8】中子の平面図である。
【図9】中子の右側面図である。
【図10】中子の正面図である。
【図11】図8のXI−XI線断面図のうちの、重なり予定部341と重なり予定部351近傍を示す図である。
【図12】図12は、ガイド枠に内蔵された中子の前後の摺動移動による、採血針の固定、離脱の機構を説明するための模式的な平面図であり、図12(イ)は、中子3の可動翼34が開いた状態を示す図、図12(ロ)は、可動翼34のガイド枠接触部343が摺動移動される様子を示す図、図12(ハ)は、可動翼のストッパー344がガイド枠の段差234に達して中子3の移動が停止し、採血針の針基41が可動端部に固定される様子を示す図である。
【図13】本発明のホルダーを用いて採血針を固定する様子を説明するための説明図である。
【図14】本発明の真空採血用ホルダーの他の例を示す斜視図である。
【図15】ガイド枠20の正面図である。
【図16】ガイド枠20の側面図である。
【図17】ガイド枠20の平面図である。
【図18】採血針の血管刺通側針管が、矢印の方向に曲げられる様子を説明する説明図である。
【図19】本発明の他の例の真空採血用ホルダーを用いて採血する様子を示す説明図である。
【図20】真空採血管を示す断面図である。
【図21】真空採血針を示す側面図である。
【図22】従来の真空採血用ホルダーを示す断面図である。
【図23】従来の真空採血用ホルダーを用いて採血する様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ホルダー本体
2、20 ガイド枠
3 中子
4、5 採血針
6 血管
7 真空採血管
11 開口部
13 端面
14 側面
15 切り欠き窓
17 取付穴
25 取付爪
26 屋根構造
27 天板
27a 切り込み
31 基部
32、33 腕部
34、35 可動翼
36 可動端部
41、51 針基
41b 縮径部
42 血管刺通側針管
51b 雄ネジ部
231 内壁面
341、351 重なり予定部
342、352 つかみ部
343、353 ガイド枠接触部
344、354 ストッパー
【発明の属する技術分野】
本発明は血液を検体とする臨床検査において、採血のための所謂真空採血システムに用いられる真空採血用ホルダー及び該ホルダーを用いた採血針の固定離脱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
典型的な真空採血システムは、例えば、特開昭62−227316号公報に記載されているように、システムの基本的構成は、図20〜22に示す通り、
▲1▼有底の管状容器の開放端を針穴シール性、且つガスバリヤー性を備えた栓体110で気密に封止し、内部を減圧に保った真空採血管100、
▲2▼一本の中空の金属製細管からなり、両末端に針先210、220を有し、ほぼ中間部に雄ネジが切られた針基230を有する真空採血針200(なお、針先220側の針管は、採血時に真空採血管100の栓体110刺通側となるが、真空採血管100を取り替えて連続して採血する際に、取り替え時に血液がこぼれ落ちるのを防止するために、該針管には伸縮自在のゴム製の鞘管240が被されている)、
▲3▼採血針をネジ止め固定するために雌ネジが切られた固定孔310を有し、真空採血管100を内腔320に保持する真空採血用ホルダー300、
からなっている。
【0003】
採血にあたっては、採血針の針基230をホルダー300の固定孔310にネジ止めする。採血者は、図23に示すように、採血針/ホルダー組み立て体の全体を被採血者の血管軸に沿った方向に寝かせるように手に保持し、血管刺通側の針先210を血管に刺通する。ついで、ホルダー300に真空採血管100を挿入し、栓体刺通側の針先220で栓体110を貫通せしめると、真空採血管100内部が減圧になっているために血液が吸引されるようになっている。
【0004】
ところで、本システムを用いて採血する時に問題となっているのは、採血終了後に採血針をホルダーから取り外すに先立ち、採血針にカバーキャップをはめようとして手先が狂い、かなりの頻度で指先を刺してしまう事故が起きることである。
【0005】
この問題を解決する手段として提案されてきたもののうちの一つは、採血針のカバーキャップ全体を大型化したり、又は、登録実用新案公報第3017273号に示されるようなキャップ開口部分のみをラッパ状に拡大したりすることであった。しかし、キャッピング操作が本質的に指先を採血針の針先に近づける動作である以上、いかにキャップを大型化しようが、手先が滑って事故になる可能性は消えない上に、包装箱が大型化し、嵩張るという問題も出てくる。一方、特開平5−269174号公報には、カバーキャップなどせずに自動的に脱針するための専用の針外し装置が提案されている。本装置は、ねじ外し操作を自動で行うものであり、確かに安全性は格段に向上するが、装置価格が高価である上に、メンテナンスの負担がある。また、ねじ外し機構が手動のものもあるが、専用装置を用意する負担に変わりはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的は、採血終了後に採血針をホルダーから外すときに針先に手指を近づける動作が必要なく、針刺し事故を大幅に軽減することができると共に、針はずしのための専用の装置を必要としない真空採血用ホルダー及び該ホルダーを用いた採血針の固定離脱方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空採血用ホルダーは、一端に真空採血管挿入用の開口部を有し、他端に採血針固定機構を有する筒状の真空採血用ホルダーであって、上記ホルダー本体に、該本体の採血針固定側の端面、及びこれに続く側面にかけて切り欠き窓が設けられ、該端面には、ホルダー中心軸に直交する面内を前後に摺動可能な中子を内蔵するガイド枠が載置されており、該中子は、ピンセット構造を有しており、該中子がガイド枠内壁面に接触しつつ、前後に摺動することにより、その可動端部が左右に開閉して、採血針の針基をくわえ込み固定又は離脱させる構造を有するものであることを特徴とする。
【0008】
本発明の採血針の固定離脱方法は、請求項1記載の真空採血用ホルダーに採血針を固定するにあたり、該ホルダー本体の中心軸に平行に採血針を保持しつつ、前記切り欠き窓を通して、採血針を該ホルダー側面から該ホルダー中心軸近傍まで平行移動させることにより、該中子の可動端部をガイド枠内壁面に接触せしめつつ摺動後退せしめ、該可動端部に採血針の針基をくわえ込み固定させ、また逆の手順により離脱させることを特徴とする。
【0009】
本発明のホルダーで固定可能な採血針としては、従来のいずれのタイプのものも適用可能であり、例えば、図1(イ)に示した採血針4のような針基41にネジが切られていない、所謂ワンタッチタイプといわれるもの、図1(ロ)に示した採血針5のような雄ネジが切られている針基51を有するものなどが挙げられる。なお、採血針4の針基41は、フランジ41a、フランジ41cに挟まれた縮径部41bを有する構成とされており、採血針5の針基51は、フランジ51aと、雄ネジ部51bを有する構成とされている。
【0010】
【作用】
本発明の真空採血用ホルダーは、ガイド枠内壁面を摺動する中子が採血針の針基をくわえ込み固定する構造である。採血針の固定にあたっては、採血針の中心軸をホルダーの中心軸と平行に保持したまま、ホルダー側壁の切り欠き窓を通して、採血針を横滑りにホルダー内部に導入する。この時、中子の可動端部に採血針の針基をあてがい、ホルダー中心軸近傍まで押し付けるようにすると、可動端部が閉じて針基を締めつけるために採血針を固定することができる。引き続く真空採血手順自体は、従来公知の手順に従えばよい。
【0011】
一方、採血針を離脱させるときは、中子可動端部の反対側を押し出せば、固定とは逆の道筋を通って、採血針は排出されるので、排出された採血針を金属製の空缶等に受ければよい。従って、採血針の離脱時には、採血針にカバーキャップをはめる必要がない、すなわち、採血針の針先方向に手指を持っていく動作がないので、針刺し事故を防止することができる。
【0012】
本発明の採血針の固定離脱方法は、請求項1記載の真空採血用ホルダーに採血針を固定するにあたり、該ホルダー本体の中心軸に平行に採血針を保持しつつ、該ホルダー本体の切り欠き窓を通して、採血針を該ホルダー側面から該ホルダー中心軸近傍まで平行移動させることにより、該中子の可動端部をガイド枠内壁面に接触せしめつつ摺動後退せしめ、該可動端部に採血針の針基をくわえ込み固定させ、また逆の手順により離脱させるので、採血針の離脱時には、採血針にカバーキャップをはめる必要がない、すなわち、採血針の針先方向に手指を持っていく動作がないので、針刺し事故を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の真空採血用ホルダーの一例を示す斜視図である。本発明の真空採血用ホルダーは、ホルダー本体1と、ホルダー本体1の一端面に載置されたガイド枠2と、該ガイド枠2に内蔵された中子3とからなる。
【0014】
図3は、上記ホルダー本体1を示す斜視図である。ホルダー本体1は、一端が開放され、他端が閉塞された円筒体からなり、開放端側は真空採血管が挿入される側となり、その一端部の開口部11側には、真空採血時にホルダー本体1を掴み易くするために、従来の真空採血用ホルダーと同様に、円形のフランジの円周の一部が平行にカットされて、略楕円形の構造とされたフランジ状の鍔部12が設けられている。また、閉塞端側は採血針固定側となり、その端面13、及びこれに続く側面14にかけて切り欠き窓15が設けられている。切り欠き窓15は、端面13の略中央部16から始まり、側面14に連なる。切り欠き窓15は、この真空採血用ホルダーの使用時に採血針を装着又は離脱させる際に、この切り欠き窓15を通して採血針が出入りするので、その開口幅は、採血針の栓体刺通側針管の外径以上であればよく(栓体刺通側針管に鞘管を被せる場合は、その鞘管の外径以上であればよい)、ホルダー本体1の側面14での切り欠き窓15の長さは、採血針の栓体刺通側針管の長さ以上であればよい(栓体刺通側針管に鞘管を被せる場合は、その鞘管を含めた栓体刺通側針管の長さ以上であればよい)。切り欠き窓15の切り欠き方向は、特に限定されない。また、端面13の切り欠き窓15の左右には、ガイド枠を取り付け固定するための取付穴17が開けられている。
【0015】
図4〜7は、ガイド枠2を示す図であり、図4はその平面図、図5は図2における矢印(イ)方向から見たその正面図、図6は図2における矢印(ロ)方向からみた図、図7はその側面図である。ガイド枠2は、幅に比較して高さの低い、中空の四角柱の2つの側面だけが対向して欠けている形状の箱体が、その側面の欠けている側の一方から図4に示すようにU字型に切り欠かれた構造をしている。ガイド枠2は、天板21、底板22及び左右の側壁23、23とからなるが、ガイド枠2は正面からみるとその開口部24の端面241は断面コの字状となっている。ガイド枠2の側壁23はその内壁面231に段差232、233及び234が設けられており、側壁23の厚みはガイド枠2の入口側から奥側に向かって段階的に厚くされている。内壁面231に、このように段差を設けることにより採血針の締めつけ固定力を段階的に強化できるので有利であるが、この段差を設けることは必ずしも必要なことではない。また、ガイド枠2の底板22には、ホルダー本体1の取付穴17にガイド枠2を取り付けるための取付爪25が2ケ設けられている。
【0016】
図8〜10は、中子3を示す図であり、図8はその平面図、図9はその右側面図、図10はその正面図である。中子3はピンセット構造を有しており、ピンセット構造の支点となる基部31に腕部32、33が取りつけられ、その腕部32、33の先に、それぞれ可動翼取り付け部321と331を介して、それぞれ可動翼34と35が設けられ、可動翼34と35とから可動端部36が構成される。可動翼34は、重なり予定部341とその先に取り付けられたつかみ部342及びガイド枠接触部343とからなり、可動翼35は、重なり予定部351とその先に取り付けられたつかみ部352及びガイド枠接触部353とからなっている。さらに、可動翼34と35には、それぞれストッパー344及び354が設けられている。また、重なり予定部341と重なり予定部351には、必要に応じてそれぞれ針基固定突起345及び355が設けられる。また、中子3の厚み方向の寸法は、固定しようとする採血針4(図1参照)の針基41の縮径部41bの針軸方向の長さ以下に設定されることが好ましい。
【0017】
図11は、図8のXI−XI線断面図のうちの、重なり予定部341と重なり予定部351近傍を示す図である。重なり予定部341と重なり予定部351はこのような構造とされているので、可動端部36が図11の矢印方向に閉じられたときには、重なり予定部341と重なり予定部351は互いが完全に重なるようにされている。
【0018】
このような中子3は、ガイド枠2に内蔵され、ガイド枠2中を前後に摺動可能とされ、その前後の摺動により、その可動端部36が左右に開閉して採血針の針基をくわえ込み固定させ、また離脱させる機能を有する。中子3による採血針の針基の固定に際して、中子3は、後述のように、ガイド枠2の奥に押し込められた状態とされ、その可動端部36のつかみ部342の先端部とつかみ部352の先端部が接触されて採血針の針基をくわえ込んだ状態で採血針を固定し得るように構成されている(採血針の固定に際して、つかみ部342の先端部とつかみ部352の先端部の接触は、必須の要件ではなく、採血針を締めつけ固定さえできれば接触しなくてもよい)。
【0019】
図12は、ガイド枠2に内蔵された中子3の前後の摺動移動による、採血針の固定、離脱の機構を説明するための模式的な図である。図12(イ)〜(ハ)は、ガイド枠2の天板21を取り外した状態で、ホルダー本体1に取り付けられたガイド枠2及び内蔵された中子3の状態をみた平面図であり、また、中子3は左半分(換言すれば、一方の腕部32及び可動翼34を含む部分)の平面図のみを示し、右半分(換言すれば、一方の腕部33及び可動翼35を含む部分)の平面図は、各図中に示した中心線に対して左半分の平面図と左右対象の関係になるのでその記載は省略してある。
【0020】
まず、採血針の固定の機構を説明する。
図12(イ)は、中子3の可動翼34が開いた状態を示す図であり、まさに採血針の針基41が重なり予定部分341に接触したところを示している。この状態で該針基41をガイド枠2の内部側に押し込んでいくと、図12(ロ)に示すように、可動翼34のガイド枠接触部343がガイド枠2の内壁面231に接触しつつ摺動移動され、可動翼34が閉じられていく。ガイド枠接触部343が内壁面の段差232にあたり、さらに内部に押し込まれると、より一層可動翼34が閉じられていく。そして、ガイド枠接触部343がさらに押し込まれ、図12(ハ)に示すように、可動翼のストッパー344がガイド枠の段差234に達すると、中子3の移動が停止する。この状態で可動翼34は完全に閉じられ、可動翼34のつかみ部342は、図示しない他方のつかみ部352に接触して、採血針の針基41が可動端部に固定される。なお、この状態では、重なり予定部341は、図示しない他方の重なり予定部351に完全に重なる。なお、この実施例では、つかみ部342が、他方のつかみ部352に接触して、採血針の針基41を固定する場合を示しているが、前述のように、この接触は必ずしも必要なことではない。
【0021】
なお、この時、採血針が雄ネジが切られていない針基41を有する採血針4の場合は、つかみ部342、352が針基41の縮径部41bにはまり込むために採血針の軸方向にすっぽ抜けることなくしっかりと固定されるが、採血針として図1(ロ)に示した採血針5のような雄ネジが切られている針基51を有するものを固定する場合は、ガイド枠接触部343が十分に内部まで押し込まれ、つかみ部342と352が雄ネジ部51bをくわえ込み固定しても、雄ネジ部51bは一端にフランジ51aを持つのみで他端はフランジをもたないため引っかかリがなく、採血針5の軸方向のすっぽ抜けを防止できない。そこでこの場合は、重なり予定部341と重なり予定部351に、それぞれ前述の針基固定突起345及び355を設けておき、重なり予定部341と重なり予定部351が重なったときに、該突起345及び355がネジの谷部に入りこむようにするのが好ましい。
【0022】
次に、採血針の離脱の機構を説明する。
採血針の離脱に際しては、中子の基部31をガイド枠2の方向に押し出すことにより、採血針の固定の機構と逆の道筋を通って、採血針は排出される。
【0023】
本発明の真空採血用ホルダーを製造するには、ホルダー本体1、ガイド枠2、中子3ともに構成材料は特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属等が適宜用いられる。また、成形方法も射出、押し出し、切削等の従来公知の方法が適宜用いられる。しかしながら、製造の容易さから、熱可塑性樹脂を用いた射出成形が好適に用いられる。このようにして、製造されたホルダー本体1、ガイド枠2、中子3から、本発明のホルダーを組み立てるには、例えば、中子3の可動端部36を閉じた状態にしておき、これをガイド枠2の後方の開口部から、ガイド枠2内に押し込んで、中子3を内蔵するガイド枠2を組み立てる。次に、ホルダー本体1の取付穴17に、ガイド枠2の取付爪25を差し込むことにより、ホルダー本体1にガイド枠2が載置されて本発明のホルダーが得られる。
【0024】
次に、本発明のホルダーを用いて採血する手順を説明する。
採血針を固定するには、図13に示すように、採血針4または5の中心軸をホルダー本体1の中心軸と平行に保持しつつ、ホルダー本体1の側壁に設けられた切り欠き窓15を通して、採血針4または5をホルダー本体1側面から横滑りにホルダー本体1内部に導入する。この時、中子3の可動端部36に採血針4または5の針基41の縮径部41bまたは針基51の雄ネジ部51bをあてがい、ホルダー本体1中心軸近傍まで押し付けるようにすると、中子3の可動端部36がガイド枠2内壁面に接触しつつ摺動後退し、縮径部41bまたは雄ネジ部51bを締めつけるために採血針4または5をくわえ込み固定することができる。このように採血針が固定された本発明のホルダーを用いて採血するには、従来公知の手順に従えばよい。
【0025】
採血終了後、採血針4または5を離脱させるときは、中子3の基部31をガイド枠2方向に押し出すことにより、固定とは逆の道筋を通って、採血針4または5は排出されるので、排出された採血針を金属製の空缶等に受ければよい。
【0026】
図14は、本発明の真空採血用ホルダーの他の例を示す斜視図である。この真空採血用ホルダーは、ガイド枠として図2実施例のガイド枠2に屋根構造26が付加されている形状のガイド枠20が用いられることの他は、図2実施例の真空採血用ホルダーと同様である。従って、図2実施例と同一の部分は、同一の参照番号を付することによりその説明を省略する。
【0027】
図15〜17は、ガイド枠20を説明するための図であり、図15はその正面図、図16はその側面図、図17はその平面図である。ガイド枠20は、図2実施例のガイド枠の天板21の上に、底面の欠けた断面凸状の屋根構造26が、天板21の中央部近傍から後部にかけて設けられた形状をしている。屋根構造26の天板27の正面中央部には、採血針の血管刺通部側の部分を受けるための切り込み27aが設けられている。屋根構造26の高さの範囲は、採血針が本発明のホルダーに装着されたとき、採血針の針基の部分が屋根構造26内部に収納されるような高さ以上であるとともに、採血針の血管刺通部側の針管が屋根構造26の天板27にあたる高さ以内とされる。
【0028】
ガイド枠20の製造方法は、先の実施例で説明した方法と同様にすればよい。
【0029】
ガイド枠20が用いられた本発明のホルダーの使用方法を説明する。前述の方法で、ガイド枠20に中子3を内蔵しホルダー本体1に取り付けてホルダーを組み立てた後、先の実施例と同様にして図14に示したようにしてホルダー本体1に採血針4(又は5)の針基41の縮径部41b(又は針基51の雄ネジ部51b)を固定すると、図18に示したように、採血針4の針基41の部分が屋根構造26の内部に引き込まれることにより、採血針4の血管刺通側針管42が、屋根構造26の天板27の切り込み27aにあたり、矢印の方向に力が加わり曲げられる。血管刺通側針管42の折れ曲がり角は、中子の引き込み距離と屋根構造の高さで決まるが、血管刺通側針管42と栓体刺通側針管43のなす内角が10〜170度となるように設定するのが好ましい。
【0030】
このように採血針が曲げられて固定された本発明のホルダーを用いて採血するには、図19に示すように、採血針4の血管刺通側針管42を血管6に沿わせた方向に刺入するために、ホルダー本体1を立てた状態で手に保持する。このような採血姿勢を取ることにより、ホルダー本体1の外径の大きさに左右されることなく、血管刺通角度(血管6と採血針4との間のなす角度)を非常に小さくできる。その上、血管刺通後にホルダー本体1に真空採血管7を挿入するときには、その挿入方向が必然的に血管刺通方向とは異なるために、採血者にとって、栓体刺通側の針管を栓体に貫通させる時の勢いで、針先が血管内にさらに押し込まれるのを防ぐための緊張感からも開放される。さらに、採血中の真空採血管7は、ほとんど倒立状態になっているため、血液の流入がまだ続いているのか、既に終わったのかが、液面の上昇の様子から非常に分かり易くなる。
【0031】
また、採血終了後、採血針4を離脱させるときは、先の実施例と同様に行えばよい。
【0032】
本発明の真空採血用ホルダーは、図19及び図20に示したような典型的な栓体構造を有する真空採血管以外にも、シート形状の栓体を有する真空採血管であっても、何等支障なく適用できる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の真空採血用ホルダーの構成は上記の通りであり、採血終了後に採血針をホルダーから外すときに針先に手指を近づける動作が必要なく、針刺し事故を大幅に軽減することができると共に、針はずしのための専用の装置を必要としない。
さらに、ガイド枠として屋根構造を有する真空採血用ホルダーの場合は、上記の効果の他に、採血針の固定と同時に採血針の血管刺通側の針管を屈曲せしめることができるので、ホルダーを倒立させた状態で、血管への採血針の刺通が低角度で無理なく容易に行えるために、採血者のみならず、被採血者の心理的緊張を著しく軽減し、内出血などの採血事故を減少せしめ、そのことによって、真空採血の普及自体にも一層拍車がかかるものと期待される。
【0034】
本発明の採血針の固定離脱方法の構成は上記の通りであり、本発明の採血針の固定離脱方法によると、採血終了後に採血針をホルダーから外すときに針先に手指を近づける動作が必要なく、針刺し事故を大幅に軽減することができると共に、針はずしのための専用の装置を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、採血針を示すものであり、図1(イ)はワンタッチタイプといわれる採血針、図1(ロ)は、雄ネジが切られたタイプの採血針である。
【図2】本発明の真空採血用ホルダーの一例を示す斜視図である。
【図3】ホルダー本体を示す斜視図である。
【図4】ガイド枠の平面図である。
【図5】図2における矢印(イ)方向からみたガイド枠の正面図である。
【図6】図2における矢印(ロ)方向からみたガイド枠の図である。
【図7】ガイド枠の側面図である。
【図8】中子の平面図である。
【図9】中子の右側面図である。
【図10】中子の正面図である。
【図11】図8のXI−XI線断面図のうちの、重なり予定部341と重なり予定部351近傍を示す図である。
【図12】図12は、ガイド枠に内蔵された中子の前後の摺動移動による、採血針の固定、離脱の機構を説明するための模式的な平面図であり、図12(イ)は、中子3の可動翼34が開いた状態を示す図、図12(ロ)は、可動翼34のガイド枠接触部343が摺動移動される様子を示す図、図12(ハ)は、可動翼のストッパー344がガイド枠の段差234に達して中子3の移動が停止し、採血針の針基41が可動端部に固定される様子を示す図である。
【図13】本発明のホルダーを用いて採血針を固定する様子を説明するための説明図である。
【図14】本発明の真空採血用ホルダーの他の例を示す斜視図である。
【図15】ガイド枠20の正面図である。
【図16】ガイド枠20の側面図である。
【図17】ガイド枠20の平面図である。
【図18】採血針の血管刺通側針管が、矢印の方向に曲げられる様子を説明する説明図である。
【図19】本発明の他の例の真空採血用ホルダーを用いて採血する様子を示す説明図である。
【図20】真空採血管を示す断面図である。
【図21】真空採血針を示す側面図である。
【図22】従来の真空採血用ホルダーを示す断面図である。
【図23】従来の真空採血用ホルダーを用いて採血する様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ホルダー本体
2、20 ガイド枠
3 中子
4、5 採血針
6 血管
7 真空採血管
11 開口部
13 端面
14 側面
15 切り欠き窓
17 取付穴
25 取付爪
26 屋根構造
27 天板
27a 切り込み
31 基部
32、33 腕部
34、35 可動翼
36 可動端部
41、51 針基
41b 縮径部
42 血管刺通側針管
51b 雄ネジ部
231 内壁面
341、351 重なり予定部
342、352 つかみ部
343、353 ガイド枠接触部
344、354 ストッパー
Claims (2)
- 一端に真空採血管挿入用の開口部を有し、他端に採血針固定機構を有する筒状の真空採血用ホルダーであって、
上記ホルダー本体に、該本体の採血針固定側の端面、及びこれに続く側面にかけて切り欠き窓が設けられ、
該端面には、ホルダー中心軸に直交する面内を前後に摺動可能な中子を内蔵するガイド枠が載置されており、
該中子は、ピンセット構造を有しており、該中子がガイド枠内壁面に接触しつつ、前後に摺動することにより、その可動端部が左右に開閉して、採血針の針基をくわえ込み固定又は離脱させる構造を有するものであることを特徴とする真空採血用ホルダー。 - 請求項1記載の真空採血用ホルダーに採血針を固定するにあたり、該ホルダー本体の中心軸に平行に採血針を保持しつつ、前記切り欠き窓を通して、採血針を該ホルダー側面から該ホルダー中心軸近傍まで平行移動させることにより、該中子の可動端部をガイド枠内壁面に接触せしめつつ摺動後退せしめ、該可動端部に採血針の針基をくわえ込み固定させ、また逆の手順により離脱させることを特徴とする採血針の固定離脱方法。
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