JP3689593B2 - コンテンツ流通管理装置およびプログラム記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル・コンテンツ(以下、単にコンテンツと言う)のコピーの主体またはコンテンツコピーの対象をコンテンツ流通管理情報としてコンテンツ内に蓄積し、コンテンツの不正コピーの防止またはコンテンツのコピー履歴からコピー主体を追跡するコンテンツ流通管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、デジタル・コンテンツの普及に伴って、コンテンツがネットワークあるいは記録媒体を介して不正にコピーされて普及していく傾向にある。そこで、固有の記録媒体あるいはコンテンツ毎に業界団体やワーキング・グループ等を設立して、不正コピーの防止策が考案されている。
【0003】
例えば、「高橋史忠,浅見直樹著“IEEE1394のコピー防止技術,公開鍵/共通鍵併用で一本化”日経BP社、日経エレクトロニクス 1998.3.23(No.712)pp.47〜pp.53」には、IEEE1394のコピー防止の方法として、CPTWG(コピー・プロテクション・テクニカル・ワーキング・グループ)に提案された以下に示すような第1の不正コピーの防止技術が記載されている。
【0004】
即ち、先ず、コンテンツにCCI(コピー・コントロール・インフォメーション)と呼ばれる情報を埋め込む。次に、ユーザからのコピーの要求があると、コンテンツを送信する送信側の機器は、上記CCIを参照してコピーが可能か否かを調べる。ここで、CCIは2ビットの情報から成り、2ビットの値によって「コピー不可」,「一度だけコピー可能」,「これ以上のコピーを認めない」および「何回でもコピー可能(コピー許可)」の4種類に意味付けられている。
【0005】
次に、上記送信側の機器は、受信側の機器がコピー防止技術を備えているかどうかを確認する認証を行う。尚、上記認証には、完全認証と制限付き認証とがある。そして、送信側と受信側との双方が公開鍵を持っている場合は、完全認証成立とする。尚、上記完全認証においては、コピーが認めてられていないコンテンツのデータも送信するように制御する。これに対して、上記制限付き認証においては、コピーが認められた場合、すなわち上記CCIの内容が「一度だけコピー可能」および「何回でもコピー可能」の場合のみコンテンツを送信するように制御する。
【0006】
ここで、コピーが認められたコンテンツは暗号化せずにデータを送り出しても良いが、コピーが認められていないデータを送受信する場合は、必ず暗号化が必要になっている。そして、暗号化されたコンテンツは、公開鍵によって復号化を行うことになる。
【0007】
また、第2の不正コピーの防止技術として、上記CPTWGでは、DVD(ディジタル・ビデオ・ディスク)に関して、CSS(コンタクト・スクランブリング・システム)を決定している。このCSSでは、4種類のコピー防止策が施されている。一つ目の防止策は、コンテンツ暗号化と呼ばれるもので、「マスターキー」,「ディスクキー」および「タイトルキー」という三つの暗号化鍵を組み合わせてコンテンツを暗号化する。その場合、上記「ディスクキー」および「タイトルキー」は、コンテンツと共にパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)等の論理ファイルシステムを介して読み出せないDVDの領域に埋め込まれている。
【0008】
二つ目の防止策は、リージョナルコードによる再生制限である。これはDVD装置を販売した地域のリージョナルコードをDVD装置の回路やファームウェアに埋め込むことにより実現される。
【0009】
三つ目の防止策は、APS(アナログ・プロテクション・システム)である。このAPSは、アナログVTR(ビデオ・テープ・レコーダ)等に対するコピー制限を行うためのものであり、テレビ映像信号の出力回路にハードウェアで組み込んで用いられている。
【0010】
四つ目の防止策は、バス認証によるコピー防止策であり、パソコン等に搭載されたDVD装置に特有の処理技術である。このバス認証においては、DVD装置とCSSモジュール(あるいはDVD復号化ボード)によって、相手がCSSライセンスを受けているか否かを確認し、相手がCSSライセンスを受けていると分かるまでデータ転送を行わないようにしている。その場合、DVD装置とCSSモジュールとは、「バスキー(Bus Key)」という毎回変わる暗号化鍵データを共有している。そして、上記DVD装置からCSSモジュールに上記「ディスクキー」や「タイトルキー」を転送する場合には、「バスキー」で暗号化してから転送することによって「ディスクキー」や「タイトルキー」の盗聴を防ぐようになっている(「ソフトウェア復号のカギを握る不正コピー防止技術にメド」、日経BP社、日経エレクトロニクス、1997.8.18(No.696)pp.110〜pp.120)。
【0011】
また、第3の不正コピーの防止技術として、特開平9−191394号公報に開示された、オーディオ,画像,映像あるいはマルチメディアデータに電子透かしを挿入する技術がある。同公報によれば、画像,オーディオ信号あるいは映像のシーケンスを好ましくはスペクトラム周波数分解で分解し、分解部分の知覚的に重要な成分中に独特の識別子を埋め込むことで電子透かしを実現している。
【0012】
一方において、動植物のDNA(デオキシリボ核酸:遺伝物質の一つ)から動植物のルーツを特定する技術が知られている。例えば、「栗山孝夫著“DNAで何が分かるか”講談社ブルーバックス,1995」には、DNAから親を次々に辿って人類のルーツであるイブを特定することが記載されている。また、遺伝に関する交叉や突然変異の人工的な発生方法に関しても「メラニー・ミッチェル著“遺伝的アルゴリズムの方法”東京電気大学,1997」等に記載されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の不正コピーの防止技術には、以下のような問題がある。すなわち、先ず、上記第1,第2の不正コピーの防止技術においては、不正コピーの防止を目的としてはいるものの、一旦不正コピー防止策が破られると無制限に不正コピーが実行される可能性があるという問題がある。さらに、不正コピーを防止することに主眼が置かれ、不正コピーが行われた場合には不正コピーの発生源がどこに在るかを突き止めることができないという問題もある。さらには、コピー防止に拘わる情報をパソコン等の論理ファイルシステムを介して読み出せない領域に埋め込んではいるが、例えばマイクロプロセッサのICE(インサーキット・エミュレータ)やロジックアナライザ等を使うと読み出すことも可能であり、専門知識を有する人に対する不正コピーの防止は万全でないという問題がある。
【0014】
また、上記第1の不正コピーの防止技術においては、一つのコンテンツに一つのCCIが割り付けられいるため、一つのコンテンツにおける部分的な不正コピーに対しては全く耐性が低いという問題がある。尚、上記第1の不正コピーの防止技術においては、不正コピーのアルゴリズムをハードウェアとして実装する方法が取られようとしている。ところが、この場合においても、例えば、暗号解除用LSI(大規模集積回路)と映像等の復号化用LSIとの間を結ぶパラレルインタフェースにロジックアナライザを当て、暗号解除後のデータストリームを奪うことができる。あるいは、復号化LSIとグラフィックアクセラレータLSIとを結ぶ映像転送用の専用バスに、映像キャプチャボードを接続すれば、容易に不正コピーを行うことができるという問題がある。
【0015】
一方、上記第3の不正コピーの防止技術においては、不正コピーされたコンテンツの品質を極端に落とすことはできるものの、不正コピーそのものを禁止することはできないという問題がある。さらには、上記第1,第2の不正コピーの防止技術の場合と同様に、不正コピーが行われた場合に、その発生源に拘わる情報を得ることができないという問題がある。
【0016】
ところで、上記DNAは、動植物の親やルーツを特定するのに有効な情報の一つである。ところが、DNAのような情報をコンテンツの流通やコピー管理の情報として利用する技術については未だ公開されてはいない。
【0017】
そこで、この発明の目的は、不正コピーを禁止すると共に、不正コピーが行われた場合にはその発生源を突き止めることができるコンテンツ流通管理装置、および、コンテンツ流通管理プログラムが記録されたプログラム記録媒体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の発明のコンテンツ流通管理装置は、コンテンツあるいはコンテンツの流通管理に関わる情報を記憶する記憶手段と、上記コンテンツの素性を表す情報およびコピー装置の素性を表す情報に基づいて,コピー履歴情報として機能できるコンテンツ流通管理情報を生成するコンテンツ流通管理情報生成手段と、上記コピー装置からのコピー要求を受けて、上記コンテンツのコピー実行を制御すると共に、上記コンテンツ流通管理情報生成手段によって生成されたコンテンツ流通管理情報をコピー先のコンテンツのコピー対象領域に記録して上記コピー装置に返送し、上記生成されたコンテンツ流通管理情報を上記記憶手段に記憶されているコピー元のコンテンツのコピー対象領域に追加して記録し、さらに、上記生成されたコンテンツ流通管理情報と上記コピー装置のコンテンツ流通管理情報とを上記記憶手段に記憶させるコピー制御手段を備えたことを特徴としている。
【0019】
上記構成によれば、コピー制御手段によってコンテンツのコピーが許可されると、コンテンツ流通管理情報生成手段によってコンテンツ流通管理情報が生成され、上記コピー制御手段によって上記コピー先やコピー元のコンテンツのコピー対象領域に記録される。さらに、上記生成されたコンテンツ流通管理情報と上記コピー装置のコンテンツ流通管理情報とが上記記憶手段に記憶される。したがって、不正にコピーされたコンテンツあるいはそのコピー対象領域に記録されているコンテンツ流通管理情報、上記記憶手段に記憶されているコピー元のコンテンツに追加・記録されたコンテンツ流通管理情報、さらに、上記記憶手段に記憶されているコンテンツ流通管理情報と上記コピー装置のコンテンツ流通管理情報とに基づいて、コピーの履歴を追跡してコピー装置を特定することが可能となる。こうして、不正コピーの発生源を突き止めることができる。
【0020】
また、上記第1の発明における上記コンテンツ流通管理情報生成手段によって生成されるコンテンツ流通管理情報は、複数の上記コンテンツ流通管理情報同士が多重化されて成ることが望ましい。
【0021】
上記構成によれば、上記コンテンツの素性を表す情報と上記コピー装置の素性を表す情報とを多重化して1つのコンテンツ流通管理情報とすることが可能となる。したがって、上記コンテンツ流通管理情報を解析することによって、上記コンテンツとコピー装置との関係が解明される。
【0022】
また、上記第1の発明は、上記コンテンツ流通管理情報生成手段に、コピー実行の際に,上記コンテンツのコピー対象領域に多重化されて記録されているコンテンツ流通管理情報から一コンテンツ流通管理情報を選択して読み出す選択手段と、上記読み出されたコンテンツ流通管理情報と,コピーを行うコピー装置の素性を表すコンテンツ流通管理情報とに基づいて,多重化された新たなコンテンツ流通管理情報を生成する融合手段を備えることが望ましい。
【0023】
上記構成によれば、上記コンテンツの素性を表すコンテンツ流通管理情報と上記コピー装置の素性を表すコンテンツ流通管理情報とが多重化されて1つのコンテンツ流通管理情報が生成される。したがって、上記多重化されたコンテンツ流通管理情報を解析することによって、何れのコンテンツが何れのコピー装置によってコピーされたかが容易に解明される。
【0024】
その際に、上記新たに生成されたコンテンツ流通管理情報は、上記コンテンツのコピー対象領域に記録されている元のコンテンツ流通管理情報と同じ情報量を有している。したがって、コピー操作が繰り返されても上記情報量が一定に保たれて、コピーの履歴情報が増えることはない。
【0025】
また、上記第1の発明は、上記コンテンツ流通管理情報生成手段は、上記融合手段によって生成された多重化されたコンテンツ流通管理情報を構成する各コンテンツ流通管理情報間で情報の一部を交換することである交叉を行う交叉手段を備えて、上記交叉が行われたコンテンツ管理流通情報を生成することが望ましい。
【0026】
上記構成によれば、上記コンテンツがコピーされてコンテンツ流通管理情報が生成される度に、この生成された多重化されたコンテンツ流通管理情報を構成する各コンテンツ流通管理情報間で情報の一部が交換される。その結果、上記生成されたコンテンツ流通管理情報を構成する各コンテンツ流通管理情報の何れか一方には、現在までコピーに拘わったコピー装置の素性を表す情報が挿入される。
【0027】
また、上記第1の発明における上記交叉手段は、予め設定された交叉関数に基づいて、上記交叉の対象となる各コンテンツ流通管理報における交叉の位置,交叉の幅および交叉の発生頻度を制御するようになっていることが望ましい。
【0028】
上記構成によれば、現在までコピーに拘わった総てのコピー装置の素性を表す情報が失われること無く上記コンテンツ流通管理情報に挿入され、且つ、内容が不明瞭になるように、上記交叉の位置,交叉の幅および交叉の発生頻度が制御される。
【0029】
また、上記第1の発明は、上記コンテンツ流通管理情報生成手段は、上記コンテンツ流通管理情報の一部を変異させる突然変異手段を備えて、上記変異されたコンテンツ管理流通情報を生成することが望ましい。
【0030】
上記構成によれば、上記コンテンツ流通管理情報の内容が撹乱されて、上記コンテンツ流通管理情報の内容が外部に漏れることが防止される。
【0031】
また、上記第1の発明における上記突然変異手段は、予め設定された突然変異関数に基づいて、上記変異の位置,変異の幅および変異の発生頻度を制御するようになっていることが望ましい。
【0032】
上記構成によれば、上記コンテンツ流通管理情報の内容がより効果的に撹乱されるように、上記変異の位置,変異の幅および変異の発生頻度が制御される。
【0033】
また、上記第1の発明における上記コンテンツのコピー対象領域は、当該コンテンツの構造に関連する単位であることが望ましい。
【0034】
上記構成によれば、コンテンツの構造に関連する単位で上記コンテンツ流通管理情報が記録される。したがって、コンテンツの部分的な不正コピーに対しても効果が発揮される。
【0035】
また、上記第1の発明は、上記生成されたコンテンツ流通管理情報を暗号化する暗号化手段を備えて、上記コンテンツ流通管理情報記録手段は、上記暗号化されたコンテンツ管理流通情報を記録することが望ましい。
【0036】
上記構成によれば、上記コンテンツ流通管理情報の内容が撹乱・隠蔽されて、上記コンテンツ流通管理情報の内容が外部に漏れることが効果的に防止される。
【0037】
また、上記第1の発明は、上記暗号化されたコンテンツ流通管理情報に基づいて電子透かし情報を生成する電子透かし情報生成手段を備えて、上記コンテンツ流通管理情報記録手段は、上記電子透かし情報を記録することが望ましい。
【0038】
上記構成によれば、上記コンテンツ流通管理情報の内容がより完全に撹乱・隠蔽されて、上記コンテンツ流通管理情報の内容が外部に漏れることが更に効果的に防止される。
【0039】
また、上記第1の発明は、上記コンテンツのコピー対象領域に記録されているコンテンツ流通管理情報あるいは上記記憶手段に記憶されたコンテンツ流通管理情報に基づいて、コピーの履歴を追跡してコピー装置を特定するコピー履歴追跡手段を備えることが望ましい。
【0040】
上記構成によれば、不正にコピーされたコンテンツあるいはそのコピー対象領域に記録されているコンテンツ流通管理情報に基づいて、コピー履歴追跡手段によって、コピーの履歴が追跡されてコピー装置が特定される。こうして、不正コピーの発生源が容易に突き止められる。
【0041】
また、上記第1の発明は、上記コンテンツのコピー対象領域に記録されているコンテンツ流通管理情報を復号化する復号手段と、上記復号化されたコンテンツ流通管理情報に基づいて,コピーの履歴を追跡してコピー装置を特定するコピー履歴追跡手段を備えることが望ましい。
【0042】
上記構成によれば、不正にコピーされたコンテンツあるいはそのコピー対象領域に記録されているコンテンツ流通管理情報が暗号化されていても、コピー履歴追跡手段によって、コピーの履歴が追跡されてコピー装置が特定される。
【0043】
また、上記第1の発明は、上記記憶手段における論理命令では読み出せない特定領域には,各コンテンツ毎に,コピーが許可されたコピー装置の情報を含むコピー制限情報を記憶し、上記コピー制御手段は,コピーを実行する前に上記コピー制限情報を参照して,コピーを要求しているコピー装置が上記コピー制限情報に登録されているコピー装置である場合にのみ上記コンテンツ流通管理情報生成手段に上記コンテンツ流通管理情報の生成を指令し、上記コンテンツ流通管理情報生成手段は,上記指令に基づいて上記コンテンツ流通管理情報を生成するようにすることが望ましい。
【0044】
上記構成によれば、上記コピー制御手段によって、コピー要求を出しているコピー装置がコピー許可対象のコピー装置である場合にコピーが許可される。こうして、コピー許可対象ではないコピー装置からの不正コピーが防止される。さらに、上記コピー制限情報は、論理命令では読み出せない特定領域に記憶されているので、通常のコピー命令で読み出して改ざんすることは不可能である。
【0045】
また、上記第1の発明における上記コピー制御手段は、上記コピーを要求しているコピー装置が上記コピー制限情報に登録されていないコピー装置である場合には、コピーの実行を禁止するかあるいはコピー禁止メッセージを表示することが望ましい。
【0046】
上記構成によれば、上記コピー制御手段によって、コピー要求を出しているコピー装置がコピー許可対象ではないコピー装置である場合に、コピーの実行が禁止される。こうして、コピーが許可されていないコピー装置からの不正コピーが防止される。
【0047】
また、第2の発明のプログラム記録媒体は、コンピュータを、上記第1の発明のコンテンツ流通管理装置における記憶手段 ,コンテンツ流通管理情報生成手段およびコピー制御手段として機能させるコンテンツ流通管理処理プログラムが記録されたことを特徴としている。
【0048】
上記構成によれば、上記コンテンツがコピーされてコンテンツ流通管理情報が生成される度に、上記コンテンツ流通管理情報には現在までコピーに拘わったコピー装置の素性を表す情報が挿入される。したがって、不正にコピーされたコンテンツまたはそのコピー対象領域に記録されているコンテンツ流通管理情報に基づいて、コピーの履歴が追跡されてコピー装置が特定される。こうして、不正コピーの発生源が容易に突き止められる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態のコンテンツ流通管理装置におけるブロック図である。記憶手段1には、コンテンツ,コンテンツ流通管理情報およびコピー制限情報が蓄積されている。この記憶手段1は、FD(フロッピーディスク),CD−R(追記型コンパクトディスク),MOD(磁気光学ディスク),DVD,ハードディスク等の磁気メモり、あるいは、RAM(ランダム・アクセス・メモリ),スマートカード,フラッシュメモリ等の半導体メモリなどで実現される。
【0050】
コピー制御手段2は、上記コンテンツのコピー可否の判断やコピー実行を制御する。コンテンツ流通管理情報記録手段3は、コンテンツあるいはコンテンツをコピーする主体であるコピー装置4のコンテンツ流通管理情報を読み込み、後に詳述する選択手段,融合手段,交叉手段,突然変異手段及び暗号化手段を用いて新たなコンテンツ流通管理情報を生成する。そして、コピー制御手段2を介して、コピー元及びコピー先の両コンテンツに書き込むと共に、コピー先のコンテンツはコピー装置4に送出する。さらに、生成したコンテンツ流通管理情報自体とコピー装置4のコンテンツ流通管理情報とを記憶手段1に記録・蓄積する。また、コピーされたコンテンツに書き込まれたコンテンツ流通管理情報に基づいてコピー履歴を追跡する。コピー装置4は、コンテンツあるいはコンテンツの一部のコピー要求をコピー制御手段2に対して行い、コピー制御手段2の制御に基づいて要求したコンテンツをコピーする。
【0051】
尚、上記コピー制御手段2およびコンテンツ流通管理情報記録手段3は、専用のLSIまたはCPU(中央演算処理装置)で実現することが可能である。また、コピー装置4は、コピー実行が可能なLSI,CPU,パソコンおよび端末装置等で実現される。コピー装置4は、本コンテンツ流通管理装置内部に含まれてもよいし、本コンテンツ流通管理装置とは別の装置で構成しても差し支えない。あるいは、コピー装置4を除く記憶手段1,コピー制御手段2およびコンテンツ流通管理情報記録手段3は、他の装置のCPU等を利用することも可能である。
【0052】
図2は、この発明の特徴であるコンテンツ流通管理情報記録手段3の内部構造を示す。コンテンツ流通管理情報記録手段3は、選択手段5,融合手段6,交叉手段7,突然変異手段8,暗号化手段9,復号手段11およびコピー履歴追跡手段12で構成される。
【0053】
上記選択手段5は、本コンテンツ流通管理装置あるいはコピー装置4で二重化されているコンテンツ流通管理情報の一方を選択することによって、一重の情報に変換する。尚、本実施の形態においては、上記コンテンツ流通管理情報は二重化された情報であるとして説明するが、二重以上に多重化された場合であっても適用可能である。
【0054】
上記融合手段6は、上記選択手段5で選択されたコピー装置4のコンテンツ流通管理情報と、コピー対象となるコンテンツのコンテンツ流通管理情報とを融合する。そして、新たな二重化されたコンテンツ流通管理情報を生成する。交叉手段7は、融合手段6によって二重化されたコンテンツ流通管理情報間において互いの情報の一部を交換する。突然変異手段8は、上記コンテンツ流通管理情報の一部の値あるいは全部の値を反転させる。尚、本実施の形態においては、コンテンツ流通管理情報がコンテンツあるいはコンテンツを記憶した記憶手段1の中にそのコピーの履歴を残しながら遺伝していくことから、以後、コンテンツ流通管理情報のことをコンテンツDNAあるいは単にDNAと略称する場合がある。
【0055】
上記暗号化手段9は、上記選択手段5,融合手段6,交叉手段7あるいは突然変異手段8に対するコンテンツ流通管理情報の入力または出力の段階で、コンテンツ流通管理情報(コンテンツDNA)に対して暗号化を行う。また、上記暗号化は上記各手段5〜8に関して複数回行ってもよい。尚、上記暗号化の種類はこの発明の対象ではない。また、電子透かし情報生成手段10を有して、暗号化されたコンテンツDNAに基づいて電子透かし情報を生成する。
【0056】
上記復号手段11は、上記暗号化手段9で暗号化され、電子透かし情報生成手段10で電子透かし情報化されたコンテンツDNAを復号化する。また、コピー履歴追跡手段12は、復号化されたコンテンツDNAに基づいて、コンテンツがどのような順序でコピーされてきたか、コピーの主体は誰であるか、等のコピー履歴を追跡する。この処理に関しては後に詳述する。
【0057】
図3は、上記コンテンツDNAおよびその暗号化の一例を示す。図3(a)は、コンテンツDNAの一例であり、コンテンツあるいはコピー装置4の素性あるいはID(識別子)を表す記号列である。尚、図3(a)では、コンテンツあるいはコピー装置4のID番号を上記記号列として用いた場合の例を示しているが、番号に捕われることなく特定の記号や特定のキーワード等であっても何ら差し支えない。
【0058】
図3(b)は、上記暗号化手段9によって、図3(a)に示すコンテンツDNAを暗号化した結果を示す。この暗号化は、暗号化手段9が保有する特定の関数に基づいて生成した鍵を用いて行われる。但し、図3(b)においては、得られた暗号を目視できるように8ビット単位で文字列に変換して表示している。図3(c)は、今後の説明を簡単にするために、図3(b)に示す文字列の最初の部分を切り出したものである。以後、図3(c)の文字列を、暗号化されたコンテンツDNAを表す情報の全体を代表するものとして説明を行う。尚、説明の便宜上、上記暗号を8ビット単位で変換した文字列をコンテンツDNAとして扱う。また、図3(d)は、図3(c)のコンテンツDNAが二重化されて保存されることを示している。
【0059】
図4は、上記融合手段6による融合,交叉手段7による交叉および突然変異手段8による突然変異におけるコンテンツDNAの変遷を示す。図4(a)は二重化されたコンテンツDNAを示す。ここで、21は、コンテンツ側のコンテンツDNAである。また、22は、コンテンツDNA21と同様にして生成されたコピー装置4側のコンテンツDNAである。図4(a)の場合は、コンテンツ側およびコピー装置4側夫々のコンテンツDNAは、単に同じ情報が二重に蓄積されている状態を表している。
【0060】
図4(b)は、上記選択手段5によって、二重化されたコンテンツ側のコンテンツDNA21の何れか一方、および、二重化されたコピー装置4側のコンテンツDNA22の何れか一方が選択され、融合手段6によって、上記選択されたコンテンツ側のコンテンツDNA23とコピー装置4側のコンテンツDNA24とで二重化された新たなコンテンツDNAが生成された状態を示す。
【0061】
図4(c)は、上記融合手段6によって生成された新たなコンテンツDNAの間に対して、交叉手段7によって交叉が行われた状態を示す。この場合の交叉は、図4(b)に示すコンテンツ側のコンテンツDNA23とコピー装置4側のコンテンツDNA24とにおける互いの左端から5文字同士を入れ換えることによって行われる。以後、このように部分文字列を入れ換えることを「交叉する」と言う。つまり、コンテンツDNA23の左端から5文字がコンテンツDNA24の左端から5文字に交叉したものがコンテンツDNA25であり、逆にコンテンツDNA24の左端から5文字がコンテンツDNA23の左端から5文字に交叉したものがコンテンツDNA26である。
【0062】
図4(d)は、上記突然変異手段8によって突然変異が行われた状態を示す。この場合の突然変異は、図4(c)に示すコンテンツDNA25の一部の情報が突然変化して、コンテンツDNA27となった場合である。この場合には、「文字列ZZ」なる部分情報が「文字列ZY」なる情報に変化している。
【0063】
図5は、上記コンテンツDNAに対して上記交叉が行われた状態を表す概念図である。上記交叉の種類には1点交叉,2点交叉,一様交叉等があるが、本実施の形態においては、特に交叉の種類は問わない。本実施の形態においては、一例として2点交叉の場合で説明する。「交叉」は、あるコンテンツDNAの一部の領域の情報が対になっているコンテンツDNAの対応する領域の情報と入れ替わることによって行われる。
【0064】
図5において、31は、交叉が行われた後のコンテンツDNAを示している。そして、コンテンツDNA31中における情報32および情報34は、元のコンテンツDNAの情報である。また、斜線を施した情報33は、交叉によって対になっているコンテンツDNAから入れ替えられた情報である。
【0065】
ここで、上記情報33が、コンテンツDNA31の左端からl0の位置にl1の幅を有して交叉する確率pcは、交叉そのものが発生する確率をpoとし、交叉情報が幅l1を持つ確率をpwとし、交叉が左端からl0の位置に発生する確率をplとすると、「pc=po*pw*pl」で表すことができる。同様に、上記突然変異も確率pmで発生する。尚、交叉及び突然変異が発生する確率pc,pmは、夫々交叉手段7内および突然変異手段8内の確率発生器によって設定される。
【0066】
図6は、上記コピー制御手段2の制御の下に、上記コンテンツ流通管理情報記録手段3によって実行されるコンテンツ流通管理情報記録処理動作のフローチャートである。以下、図6に従って、コンテンツ流通管理情報記録処理について説明する。
【0067】
ステップS1で、上記コピー制御手段2によって、コピー装置4からのコピー要求があるか否かが判別される。そして、コピー要求があるとステップS2に進む。ここで、上記コピー要求は、コンテンツ全体に対して行われる場合とコンテンツの一部に対して行われる場合とがあるが、説明を簡単にするために、ここではコンテンツ全体に対して行う場合を例に説明する。尚、コンテンツの一部に対してコピー要求を行う場合については、後に補足説明を行う。
【0068】
ステップS2で、上記コピー制御手段2によって、コンテンツDNAの照合が行われる。照合されるコンテンツDNAは、コンテンツ側とコピー要求を送出したコピー装置4側とからの双方のコンテンツDNAである。尚、少なくともコンテンツ側のコンテンツDNAは、図3(d)に示すような形式でコンテンツに書き込まれて記憶手段1に記憶されている。これに対して、コピー装置4側のコンテンツDNAは必ずしも情報は多重化されている必要はなく、例えば、図3(a)または図3(b)に示すような形式の情報であっても差し支えない。
【0069】
ステップS3で、上記コピー制御手段2によって、コンテンツ側に書き込まれて蓄積されているコンテンツDNAとコピー装置4側のコンテンツDNAとに対して、コンテンツあるいは記憶手段1から読み出されたコピー適合条件に基づいて、コピーの可否が判別される。そして、コピー可である場合にはステップS4に進み、コピー否である場合にはステップS13に進む。尚、このコピー可否の判別については別途述べる。
【0070】
ステップS4で、上記コピー制御手段2からのコピー許可指令に応じて、コンテンツ流通管理情報記録手段3の選択手段5によって、多重化されたコンテンツ側のコンテンツDNAの中から一つが選択され、コンテンツDNAが一重化される。尚、多重化されている各コンテンツDNA同士は必ずしも同一の情報ではなく、コピーの世代を重ねて行くに従って内部情報は異なってくるものである。
【0071】
ステップS5で、上記融合手段6によって、ステップS4において一重化されたコンテンツ側のコンテンツDNAをコピー装置4側のコンテンツDNAと組み合わせて、多重化したコンテンツDNAを生成する融合処理が行われる。
【0072】
ステップS6で、上記交叉手段7によって、コンテンツDNAの交叉確率パラメータが生成される。ここで、上記交叉確率パラメータとしては、上述した交叉発生確率po,位置の確率pl,幅確率pwが用いられる。ステップS7で、交叉手段7によって交叉処理が行われる。すなわち、ステップS6において生成された確率パラメータに基づいて、交叉の位置と幅とが決定され、発生確率poに従って二重化(多重化)されたコンテンツ側のコンテンツDNAとコピー装置4側のコンテンツDNAとの間で交叉が実行される。
【0073】
ステップS8で、上記突然変異手段8によって、コンテンツDNAの突然変異パラメータが生成される。ここで、上記突然変異パラメータとしては、突然変異の発生確率qo,位置の確率ql,幅確率qwの他、数の確率qn等が存在する。ステップS9で、突然変異手段8によって、上記突然変異パラメータに基づいて突然変異処理が実行される。その際に、二重化(多重化)されたコンテンツ側のコンテンツDNAとコピー装置4側のコンテンツDNAとの何れのコンテンツDNAに突然変異を発生させるかも決定される。
【0074】
ステップS10で、上記暗号化手段9によって、コンテンツDNAが暗号化される。ここで、本実施の形態においては、暗号化方式については特に問題にはしない。尚、図6に示すフローチャートにおいては、暗号化処理は突然変異後に1回だけ実行するようになっている。しかしながら、この発明においては、参照したコンテンツあるいはコピーの主体のID(図3(b))、交叉処理を行う前のコンテンツDNA、交叉処理を行った後のコンテンツDNA、突然変異処理を行った後のコンテンツDNA等に対して、1回または複数回実行することが可能になっている。
【0075】
ステップS11で、上記電子透かし情報生成手段10によって、上記ステップS10において暗号化されたコンテンツDNAから電子透かし情報が生成される。この場合、電子透かし情報生成手段10を、後に述べるようにコンテンツの種類に応じて異なる透かし方法を選択可能に構成することも可能である。ステップS12で、コピー制御手段2によって、コンテンツ流通管理情報記録手段3からのコピー履歴情報を兼ねる電子透かし情報(コンテンツDNA)を記録する記録処理が実行される。尚、ここで言う「コンテンツDNAの記録」とは、コピー先のコンテンツに書き込んでコピー装置4に返送する処理、記憶手段1に記憶されているコピー元のコンテンツに追加して書き込む処理、および、記憶手段1に直接保存する処理である。
【0076】
ステップS13で、上記ステップS3においてコピー否と判別された場合には、コピー実行が阻止される。
【0077】
尚、上記コンテンツ流通管理情報記録処理動作のフローチャートにおいては、コピー可の場合には、選択手段5による情報の一重化、融合手段6による融合処理、交叉手段7による交叉処理、突然変異手段8による突然変異処理の総てが実行された後に、暗号化手段9によって暗号化が行われるようになっている。しかしながら、本実施の形態におけるコンテンツ流通管理情報記録処理動作はこれに限定されるものではなく、情報の一重化→暗号化,情報の一重化→融合処理→暗号化,情報の一重化→融合処理→交叉処理→暗号化,情報の一重化→突然変異処理→暗号化,情報の一重化→融合処理→突然変異処理→暗号化等の種々のコンテンツ流通管理情報記録処理が可能である。
【0078】
図7は、コンテンツを管理するために各コンテンツに付加されたヘッダ情報の一例を示す。このヘッダ情報は、付加されているコンテンツと共に記憶手段1に蓄積されている。
【0079】
図7において、「コンテンツの種類m」から始まって「保護期間m」に終わるレコードは、著作物の著作権情報を保持したものである。このうち、レコード59は原著作物に関する著作権情報であり、レコード60,61は二次的著作物に関する著作権情報である。また、レコード41,47,53は、「コンテンツIDm」を表す情報である。このレコードには、コンテンツを識別するためのID番号が登録される。尚、上記ID番号は、当該メディアの番号とコンテンツIDとのシリアルの並び順を組み合わせた識別子であってもよい。その場合、コンテンツIDは並び順で決定できるため省略されることもあり得る。
【0080】
レコード42,48,54は、「コンテンツの種類(コンテンツタイプ)m」を表している。本実施の形態においては著作権で保護されるコンテンツを対象としており、例えば、コンテンツの種類には、小説,脚本,論文,講演およびその他の言語的著作物、音楽の著作物、舞踏または無言劇の著作物、絵画,版画,彫刻およびその他の美術の著作物、建築の著作物、地図,学術的な性質を有する図面,図表,模型およびその他の図形の著作物、映画の著作物、写真の著作物、プログラムの著作物等がある。これらのコンテンツの種類は、コンテンツが生み出された国や消費される国によって対象が少し異なる場合があるが、発明の本質には変わりは無い。
【0081】
レコード43〜45、レコード49〜51、レコード55〜57は、夫々コンテンツの種類42,48,54に対応した「著作者」を表している。著作者は、共同著作者の有無によってその数が決まる。例えば、原著作物の共同著作者がp人、二次的著作物60の共同著作者49〜51はq人、二次的著作物61の共同著作者55〜57はr人である。著作者のレコード43〜45,49〜51,55〜57中に登録される情報は著作者を特定できるものであり、例えば、氏名若しくは名称(実名)またはその雅号、筆名、略称およびその他実名に代えて用いられるもの(変名)がある。または、これらと住所や職業等の他の属性との組み合わせ、或はこれらの著作者を特定することができるIDコードであってもよい。尚、著作者はコンテンツの種類によっても変化する。例えば、コンテンツの種類が映画である場合、著作者としては、制作,監督,演出,撮影,美術,音楽等を担当してその映画に関する著作物の全体的形成に創作的に寄与したものが相当する。また、コンテンツの種類が音楽である場合には作曲家,作詞家,編曲家,演奏家および歌手等が著作者に相当し、小説である場合には作家,翻訳家および文画家等が著作者に相当する。
【0082】
レコード46,52,58は、コンテンツID41,47,53に対応した「コンテンツ保護期間m」を表す情報であり、通常は有効期間の最終日が登録されている。
【0083】
ここで、上記コンテンツIDとコンテンツの種類とによって、コンテンツの単位や構造が異なる。例えば、コンテンツの種類が言語的著作物(以後、ドキュメント若しくは文書と言う場合がある)の場合は、文書全体を示すコンテンツIDの他に、目次,章,節,ページ,索引,段落,行,文字等の構造がある。尚、図6に示すコンテンツ流通管理情報記録処理動作における上記ステップS1でのコピー要求は、上記構造を単位として1単位または複数の単位に対して行われる。したがって、コピー装置4からのコピー要求としては、コンテンツ全体へのコピー要求の他に、上記単位を指定することによって、例えばコンテンツIDが「n」であるコンテンツ中における「第1章の第5段落から第8段落まで」の如く領域コピーの要求も可能になる。
【0084】
次に、図6に示すコンテンツ流通管理情報記録処理動作における上記ステップS11において、上記電子透かし情報生成手段10によって実行される電子透かし情報生成処理について詳細に説明する。図8は、電子透かし情報生成処理動作のフローチャートである。図6のフローチャートにおける上記ステップS10において、暗号化処理が終了すると電子透かし情報生成処理動作がスタートする。
【0085】
ステップS21で、上記コピー装置4から要求されるコピーのコピー対象が参照される。ステップS22で、コピー装置4から要求されるコピーの範囲が参照される。ステップS23で、コピー装置4から要求されるコピー対象のコンテンツタイプ(コンテンツの種類)が参照される。これらの参照は、記憶手段1に格納されている各コンテンツのヘッダ情報に対して行われる。そして、上記参照の結果、具体的な情報(内容)が得られる。
【0086】
ステップS24で、上記ステップS21〜ステップS23における参照結果、コンテンツの種類は「イメージ」であるか否かが判別される。その結果、イメージであればステップS25に進み、そうでなければステップS28に進む。ステップS25で、コンテンツの種類は「静止画」であるか否かが判別される。その結果、静止画であればステップS26に進み、そうでなければステップS27に進む。ステップS26で、静止画透かし方法が選択される。そうした後に、ステップS33に進む。ここで、静止画透かし方法には、濃度パターン法,組織的ディザ法,誤差拡散法等が存在する。そして、イメージデータに濃淡情報がある場合は、画素置換,画素空間利用,量子化誤差利用,周波数領域利用,統計量利用等の各種の透かし方法が知られている。本実施の形態においては、静止画透かし方法については特に特定はしない。ステップS27で、動画透かし方法が選択される。そうした後に、ステップS33に進む。ここで、「動画透かし方法」には、MPEG(ムービング・ピクチャー・エキスパーツ・グループ)1,MPEG2,MPEG4等の規格に応じた透かし方法が知られている。本実施の形態においては、動画透かし方法については特に特定はしない。
【0087】
ステップS28で、コンテンツの種類は「音声」であるか否かが判別される。その結果、音声であればステップS29に進み、そうでなければステップS30に進む。ステップS29で、音声透かし方法が選択される。そうした後、ステップS33に進む。ここで、「音声透かし方法」には、アナログ形式,音声量子化,音声マスキング,予測符号ランレングス,ベクトル量子化,音源パルス等の透かし方法が知られている。本実施の形態においては、音声透かし方法については特に特定はしない。
【0088】
ステップS30で、コンテンツの種類は「文書」であるか否かが判別される。その結果、文書であればステップS31に進み、そうでなければステップS32に進む。ステップS31で、文書透かし方法が選択される。そうした後に、ステップS33に進む。ここで、「文書透かし方法」には、欧文か和文かで透かし生成手法を変える方法が知られている。ステップS32で、その他の「コンテンツの種類」に応じた透かし方法が選択される。上述のごとく、本実施の形態においては電子透かし方法については問題にせず、コンテンツの種類に応じて電子透かし方法が少なくとも一つ選択されればよい。
【0089】
ステップS33で、上述のようにして選択された透かし方法によって電子透かし情報が生成可能か否かが判別される。その結果、生成可能であればステップS36に進み、生成不可能であればステップS34に進む。ここで、本実施の形態においてコピー対象に書き込む電子透かし情報は、所定長を有するコンテンツDNAである。したがって、コピー単位(つまり、コピー対象の範囲)がコンテンツDNAに比べて充分に小さい場合には、得られた電子透かし情報を書き込むことができないために電子透かし情報の生成は不可能であると判定するのである。ステップS34で、透かし情報書き込み領域は最大か否かが判別される。その結果、最大であれば上記コンテンツ流通管理情報記録処理動作における上記ステップS13にリターンして、当該コピーが拒否される。一方、最大でなければステップS35に進む。ここで、上記透かし情報書き込み領域の最大は、コピー対象であるコンテンツIDのコンテンツ全体である。
【0090】
ステップS35で、上記電子透かし情報書き込み領域が現在の領域よりも1ランク上の(1単位大きい)領域に拡大される。ここで、電子透かし情報書き込み領域の初期値は、上記ステップS22における参照の結果得られたコピー範囲(単位)である。そうした後、上記ステップS23に戻って、再度電子透かし方法の選択が行われる。そして、上記ステップS33において電子透かし情報が生成可能と判定されると、ステップS36に進む。
【0091】
ステップS36で、現在の透かし情報書き込み領域に基づいて、電子透かし書き込み領域が決定される。ステップS37で、上記選択された電子透かし方法によって、コンテンツDNAの電子透かし情報が生成される。そうした後に、上記コンテンツ流通管理情報記録処理動作における上記ステップS12にリターンして、記録処理が実行される。その結果、上記ステップS37において生成されたコンテンツDNAの電子透かし情報が、コピー元およびコピー先の両コンテンツにおける上記ステップS36において決定された電子透かし書き込み領域に書き込まれる。そして、このコンテンツDNA(電子透かし情報)が書き込まれたコピー先のコンテンツがコピー装置4に返送される。
【0092】
次に、上述のようにしてコンテンツに書き込まれたコンテンツDNA(電子透かし情報)に基づいて、コピー履歴を追跡する処理について説明する。図9は、一つのコンテンツが順次コピーされた場合におけるコンテンツDNAの変遷を示す。図9における65は、コンテンツにおけるオリジナル(第1世代)のコンテンツDNAである。同様に、66はコピー装置AにおけるオリジナルのコンテンツDNAであり、67はコピー装置BにおけるオリジナルのコンテンツDNAであり、68はコピー装置CにおけるオリジナルのコンテンツDNAである。
【0093】
コンテンツ側のオリジナルコンテンツDNAとコピー装置AのオリジナルコンテンツDNAとが融合手段6によって融合されると、第2世代のコンテンツDNA69が生成される。図から、夫々の由来のオリジナルコンテンツDNAが対を成していることが分かる。このコンテンツDNA対に対して交叉手段7によって交叉が行われるとコンテンツDNA70が生成される。尚、上記交叉の対象となる情報の中には上記突然変異によって一部の情報が変更されたものも含まれが、以後においては交叉に含めて説明する。
【0094】
次に、上記交叉後の第2世代コンテンツDNA70とコピー装置BのオリジナルコンテンツDNA67との間で融合が行われると、第3世代のコンテンツDNA71が生成される。そして、コンテンツDNA71のコンテンツDNA対に対して交叉が行われるとコンテンツDNA72が生成される。同様に、交叉後の第3世代コンテンツDNA72とコピー装置CのオリジナルコンテンツDNA68との間で融合が行われると、第4世代のコンテンツDNA73が生成される。そして、コンテンツDNA73のコンテンツDNA対に対して交叉が行われるとコンテンツDNA74が生成される。
【0095】
本実施の形態における「コピー履歴を追跡する」とは、交叉後の第4世代のコンテンツDNA74が与えられて、交叉前の第4世代のコンテンツDNA73、交叉後前の第3世代のコンテンツDNA72,71、交叉後前の第2世代のコンテンツDNA70,69とコンテンツDNAの変遷を辿りながら、コピーに関与したコピー装置A〜C(オリジナルコンテンツDNA66〜68)を明らかにすることである。
【0096】
図10は、上記コピー制御手段2の制御の下に、コンテンツ流通管理情報記録手段3によって実行されるコピー履歴追跡処理動作のフローチャートである。以下、図10に従って、コピー履歴追跡処理について説明する。尚、その際における追跡の元となるコンテンツDNAは、図9におけるコピー順序で生成されたものとする。
【0097】
ステップS41で、上記コピー制御手段2によって、追跡の対象となるコンテンツあるいは記憶手段1に書き込まれて蓄積されているコンテンツDNAの中から最新のコンテンツDNA74が抽出される。ここで、最新のコンテンツDNAの選択は、対を成すコンテンツDNAの双方が一番複雑なコンテンツDNAを選択すれば良い。尚、最新のコンテンツDNAの抽出を高速化するためには、コンテンツにコンテンツDNAを蓄積する際に、コピーの順とコンテンツDNAの書き込みアドレスとのインデックスを作成しておけばよい。
【0098】
ステップS42で、上記コンテンツ流通管理情報記録手段3における復号手段11によって、上記ステップS41において抽出された最新のコンテンツDNA74が復号化される。ステップS43で、上記コピー履歴追跡手段12によって、上記ステップS42において復号化された最新のコンテンツDNA74と各コピー装置A〜CのオリジナルコンテンツDNA66〜68との差分が求められる。尚、各コピー装置A〜CのオリジナルコンテンツDNA66〜68は、過去にコピーが実行された際に記憶手段1に格納されて保存されている。ステップS44で、最小の差分を呈するオリジナルコンテンツDNAが求められる。本例の場合には、コピー装置CのオリジナルコンテンツDNA68が最新コンテンツDNA74における一方(図9において下側)のコンテンツDNA74bと比較された場合に、最小差分となる。
【0099】
ステップS45で、上記最小の差分を呈するオリジナルコンテンツDNA68のコピー装置Cが、コピー主体として仮決定される。ステップS46で、上記仮決定されたコピー主体のオリジナルコンテンツDNA68と上記最小差分を呈する最新コンテンツDNA74の上記一方のコンテンツDNA74bとの差分が取られる。その結果、本例の場合には、下側のコンテンツDNA74bにおける第1斜線領域75と第2斜線領域76とが抽出される。
【0100】
ステップS47で、上記ステップS46において抽出された領域75,76の情報を、対の(上側の)コンテンツDNA74aにおける対応する領域77の情報と入れ換える補正処理が行われる。その結果、最新コンテンツDNAである交叉後のコンテンツDNA74が交叉前のコンテンツDNA73に戻される。その場合、得られた交叉前のコンテンツDNA73における下側のコンテンツDNA73bとコピー主体のオリジナルコンテンツDNA68とのマッチ度が最大になるようにビット反転し、突然変異で生じたデータ変形をも補正する。ステップS48で、上記ステップS47における補正の結果得られた交叉前のコンテンツDNA73bが、コピー主体のオリジナルコンテンツDNA68に一致するか否かが判別される。その結果、一致すればステップS49に進み、一致しなければ、上記ステップS47に戻って上記突然変異の補正等が継続される。
【0101】
ステップS49で、上述のようにして補正の結果得られた交叉前のコンテンツDNA73が、当世代のコンテンツDNAとして決定される。ステップS50で、上記決定された当世代のコンテンツDNA73における下側のコンテンツDNA73bと同じ内容のオリジナルコンテンツDNA68を有するコピー装置Cが、当世代のコンテンツDNA73の生成に関与したコピー装置であると特定される。ステップS51で、当世代のコンテンツDNA73における上側のコンテンツDNA73aから、前世代のコンテンツに係るコンテンツDNAが求められる。
【0102】
ステップS52で、上記ステップS51において求められた前世代のコンテンツ73に係るコンテンツDNA73aは、オリジナルコンテンツDNAであるか否か(つまり、第1世代のコンテンツDNAか否か)が判別される。その結果、オリジナルコンテンツDNAであればコピー履歴追跡処理動作を終了する。一方、オリジナルコンテンツDNAでなければステップS53に進む。
【0103】
ステップS53で、上記ステップS51において求められた前世代のコンテンツDNA73aを有する前世代コンテンツDNA72が、当該コンテンツに蓄積されている全コンテンツDNAから、あるいは、上記インデックスから検索される。ステップS54で、上記ステップS53における検索の結果、該当する前世代コンテンツDNAが当該コンテンツのDNA情報に在ったか否かが判別される。その結果、在る場合には上記ステップS43に戻って更に前世代に関する履歴追跡処理に移行する。一方、無い場合にはステップS55に進む。ここで、更に前世代に関する履歴追跡処理に移行する場合には、上記ステップS43および上記ステップS46における「最新のコンテンツDNA74」には「コンテンツDNA72」を当て嵌める。そして、上記ステップS52において前世代のコンテンツに係るコンテンツDNAはオリジナルコンテンツDNAであると判別されると、コピー履歴追跡処理動作を終了する。ステップS55で、エラー表示が行われた後コピー履歴追跡処理動作を終了する。
【0104】
次に、上記図6に示すコンテンツ流通管理情報記録処理動作における上記ステップS2及びステップS3において実行されるコピー可否の判定処理について、詳細に説明する。図11は、コピーの制限情報を記録する際のデータ構造を示す。このコピー制限情報は、コンテンツまたは記憶手段1における通常のコピー命令(つまり、論理命令)では読み出せない特定領域に書き込まれている。
【0105】
図11において、レコード81,88,89は、コピー対象コンテンツのID番号を記録するレコードである。このレコード81,88,89の内容は、図7に示すヘッダ情報におけるコンテンツID41,47,53の内容と同じである。レコード82,84,86,90,91は、コンテンツのコピーが許可されたコピー装置のIDを記録するレコードである。レコード83,85,87は、コンテンツID1に係るコンテンツに対する各コピー装置によるコピー制限回数を記録しておくレコードである。同様に、レコード92には、コンテンツIDが「m」のコンテンツに対するコピー装置IDが「x」のコピー装置によるコピー制限回数が記録されている。
【0106】
すなわち、コピー情報93は、コンテンツIDが「1」であるコンテンツに関するコピー情報である。同様に、コピー情報94,95は、コンテンツIDが「2」,「m」であるコンテンツに関するコピー情報である。尚、上述の各コピー情報は、コンテンツDNAを生成する際に用いられる暗号化アルゴリズムによって暗号化されているものとする。
【0107】
図12は、コピー可否判定処理動作のフローチャートである。上記図6に示すコンテンツ流通管理情報記録処理動作における上記ステップS1においてコピー要求があると判別されると、上記コピー可否判定処理動作がスタートする。
【0108】
ステップS61で、コピー要求を行ったコピー装置を特定する要求コピー装置の特定が実行される。尚、要求コピー装置の特定は、コピー対象のコンテンツあるいは記憶手段1における上記特定領域に書き込まれているにコピー制限情報(図11)を参照することによって行われる。また、この処理は、通常のコピー命令の前に実行される。ステップS62で、要求コピー装置の特定が成功したか否かが判定される。その結果、成功した場合には、コピー要求を出したコピー装置はコピー許可対象装置であると認定されてステップS63に進む。一方、失敗した場合には、不正コピーの可能性が大であるとして、上記コンテンツ流通管理情報記録処理動作における上記ステップS13にリターンする。
【0109】
ステップS63で、コピー対象と上記コピー許可対象装置であるコピー装置のIDとに基づいて、当該コピー対象内に保存されているコンテンツDNAが参照される。ステップS64で、上記コンテンツDNAの参照結果に基づいて、今回コピー要求を送出しているコピー装置が、当該コピー対象を過去に何回コピーしたかを解読する過去履歴解読処理が実行される。その場合における解読の方法は、図10に示すコピー履歴追跡処理動作に準ずる。
【0110】
ステップS65で、上記コピー制限情報(図11)の内容が参照される。ステップS66で、上記参照の結果に基づいて、要求を出したコピー装置およびコピー対象に関わるコピー制限回数と上記過去のコピー履歴とが比較され、今回の要求によるコピー回数がコピー制限回数以下であるか否かが判別される。その結果、以下であれば、上記コンテンツ流通管理情報記録処理動作における上記ステップS4にリターンして、新たなコンテンツDNAの生成が開始される。一方、そうでなければ、上記コンテンツ流通管理情報記録処理動作における上記ステップS13にリターンする。
【0111】
上述のように、本実施の形態においては、コンテンツおよびコンテンツDNAを記憶・蓄積する記憶手段1と、上記コンテンツのコピー可否の判断やコピー履歴の追跡やコピー実行を制御するコピー制御手段2と、コンテンツおよびコピー装置4のコンテンツDNAに基づいて新たなコンテンツDNAを生成してコピーされたコンテンツに書き込んで記録するコンテンツ流通管理情報記録手段3を備えている。
【0112】
そして、上記コンテンツ流通管理情報記録手段3によってコンテンツDNAを生成する場合には、選択手段5によって二重化されているコンテンツ側のコンテンツDNAの一つを選択し、融合手段6によって上記選択されたコンテンツ側のコンテンツDNAとコピー装置4側のオリジナルコンテンツDNAとを組み合わせて二重化して新たなコンテンツDNAを生成する。そして更に、上記コンテンツ流通管理情報記録手段3の交叉手段7によって、二重化された新たなコンテンツDNAにおけるコンテンツDNA対に対して交叉を行う。また、必要に応じて突然変異手段8によって突然変異を行う。
【0113】
一方、各コンテンツあるいは記憶手段1には、通常のコピー命令(論理命令)では読み出せない特定領域に、コピー許可対象のコピー装置のIDとそのコピー装置によるコピー制限回数を含むコピー制限情報が書き込まれている。
【0114】
上記コピー制御手段2は、コピー装置4からコピー要求を受けると、上記コピー制限情報を参照し、要求コピー装置4がコピー許可対象装置でない場合にはコピー拒否するようにしている。したがって、本実施の形態によれば、不正コピーの防止を行うことができるのである。
【0115】
一方、コピー許可対象装置である場合には、コンテンツ流通管理情報記録手段3に対してコピー履歴の追跡を指令する。そうすると、コンテンツ流通管理情報記録手段3のコピー履歴追跡手段12によって、記憶手段1に蓄積されているコンテンツDNAの履歴と過去にコピーを行ったコピー装置のオリジナルコンテンツDNAとの比較を行いながら、当該コンテンツのオリジナルコンテンツDNAに辿り付くまで上記融合,交叉および突然変異の逆の手順を行う。その結果、当該コンテンツのオリジナルコンテンツDNAが最新のコンテンツDNAに変化するまでに交叉されたコピー装置側のオリジナルコンテンツDNAを抽出できるのである。
【0116】
したがって、こうして得られた過去にコピーを行ったコピー装置およびコピー回数と、上記コピー制限情報の内容と、今要求を出しいているコピー装置のIDとに基づいて、今出されているコピー要求を受け付けるか拒否するかを判定できる。すなわち、本実施の形態によれば、例え上記不正コピー防止策が破られたとしても、無制限に不正コピーされることを防止できるのである。
【0117】
さらに、上記記憶手段1に格納されているコンテンツが不正にコピーされて市場に出回っている場合には、不正コピーコンテンツに書き込み蓄積されているコンテンツDNAの履歴に基づいて、上述のコピー履歴の追跡を行うことによって不正コピーに拘わるコピー装置を解明できる。したがって、不正コピーの発生源を突き止めることができるのである。
【0118】
また、本実施の形態においては、コピー時に生成されたコンテンツDNAは、例えばコンテンツがドキュメントや文書の場合は目次,章,節,ページ,段落あるいは行等の各コンテンツの構造に関連した単位で書き込むことが可能である。したがって、各コンテンツに応じた単位でコンテンツDNAを埋め込むことができ、コンテンツの部分的な不正コピーに対しても耐性が高くなる。
【0119】
また、本実施の形態においては、上述のように、コンテンツをコピーする際に必要なコンテンツDNAには交叉処理や突然変異処理が行われている。さらに、コンテンツ流通管理情報記録手段3の暗号化手段9および電子透かし情報生成手段10によって、上述のようにして生成されたコンテンツDNAを暗号化および電子透かし情報化して情報の撹乱・隠蔽を行っている。したがって、上記ICE等の機器を使って不正にコンテンツを読み出してもコンテンツDNAの内容を解読したり改ざんすることは不可能である。さらに、上記コピー制限情報は、コンテンツあるいは記憶手段1の通常のコピー命令(論理命令)では読み出せない特定領域に書き込まれている。したがって、このコピー制限情報の存在そのものが明らかにされることは無い。
【0120】
また、本実施の形態においては、上記コンテンツDNAの情報量は選択手段5および融合手段6の作用によって一定に保たれる。したがって、コピー操作を繰り返しても履歴情報量(コンテンツDNAの情報量)は増えることがない。
【0121】
ところで、上記実施の形態におけるコピー制御手段2,コンテンツ流通管理情報記録手段3,選択手段5,融合手段6,交叉手段7,突然変異手段8,暗号化手段9,電子透かし情報生成手段10,復号化手段11およびコピー履歴追跡手段12としての機能は、プログラム記録媒体に記録されたコンテンツ流通管理情報記録処理プログラムや電子透かし情報生成・記録処理プログラムやコピー履歴追跡処理プログラムやコピー可否判定処理プログラムによって実現される。
【0122】
上記実施の形態における上記プログラム記録媒体は、上記記憶手段1とは別体に設けられたROM(リード・オンリ・メモリ:図示せず)でなるプログラムメディアである。あるいは、外部補助記憶装置(図示せず)に装着されて読み出されるプログラムメディアであってもよい。尚、何れの場合においても、上記プログラムメディアから上記各処理プログラムを読み出すプログラム読み出し手段は、上記プログラムメディアに直接アクセスして読み出す構成を有していてもよいし、RAM(図示せず)に設けられたプログラム記憶エリアにダウンロードし、上記プログラム記憶エリアにアクセスして読み出す構成を有していてもよい。尚、上記プログラムメディアから上記RAMのプログラム記憶エリアにダウンロードするためのダウンロードプログラムは、予め本体装置に格納されているものとする。
【0123】
ここで、上記プログラムメディアとは、本体側と分離可能に構成され、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、FD,ハードディスク等の磁気ディスクやCD(コンパクトディスク)−ROM,MOD,MD(ミニディスク),DVD等の光ディスクのディスク系、IC(集積回路)カードや光カード等のカード系、マスクROM,EPROM(紫外線消去型ROM),EEPROM(電気的消去型ROM),フラッシュROM等の半導体メモリ系を含めた、固定的にプログラムを坦持する媒体である。
【0124】
また、上記実施の形態におけるコンテンツ流通管理装置は、モデムを備えてインターネットを含む通信ネットワークと接続可能な構成を有している場合には、上記プログラムメディアは、通信ネットワークからのダウンロード等によって流動的にプログラムを坦持する媒体であっても差し支えない。なお、その場合における上記通信ネットワークからダウンロードするためのダウンロードプログラムは、予め本体装置に格納されているものとする。あるいは、別の記録媒体からインストールされるものとする。
【0125】
尚、上記記録媒体に記録されるものはプログラムのみに限定されるものではなく、データも記録することが可能である。
【0126】
【発明の効果】
以上より明らかなように、第1の発明のコンテンツ流通管理装置は、コンテンツ流通管理情報生成手段によって、コンテンツの素性を表す情報およびコピー装置の素性を表す情報であって、コピー履歴情報として機能できるコンテンツDNAを生成し、コピー制御手段によって、コピー元およびコピー先の両コンテンツのコピー対象領域に記録し、さらに、上記生成されたコンテンツ流通管理情報と上記コピー装置のコンテンツ流通管理情報とを上記記憶手段に記憶させるので、コピーされたコンテンツのコピー対象領域にはコピー履歴情報が記録されることになる。したがって、不正にコピーされたコンテンツあるいはそのコピー対象領域に記録されているコンテンツDNA、上記記憶手段に記憶されているコピー元のコンテンツに追加・記録されたコンテンツDNA、さらに、上記記憶手段に記憶されているコンテンツDNAと上記コピー装置のコンテンツDNAとに基づいて、コピーの履歴を追跡してコピー装置を特定することが可能となる。すなわち、この発明によれば、不正コピーの発生源を突き止めることができる。
【0127】
また、上記第1の発明は、上記コンテンツ流通管理情報生成手段によって生成される上記コンテンツDNAを、複数の上記コンテンツDNA同士を多重化して成すようにすれば、上記コンテンツの素性を表す情報と上記コピー装置の素性を表す情報とを多重化して、1つのコンテンツDNAとすることが可能となる。したがって、上記コンテンツDNAを解析することによって、上記コンテンツとコピー装置との関係を解明できる。
【0128】
また、上記第1の発明は、上記コンテンツ流通管理情報生成手段に、コピー実行の際に、上記コンテンツに多重化されて記録されているコンテンツDNAから一コンテンツDNAを選択して読み出す選択手段と、上記読み出されたコンテンツDNAとコピー装置の素性を表す情報とに基づいて多重化された新たなコンテンツDNAを生成する融合手段を備えれば、上記コンテンツの素性を表すコンテンツDNAとコピー装置の素性を表すコンテンツDNAとを多重化して1つのコンテンツDNAを生成できる。したがって、上記コンテンツDNAを解析することによって、何れのコンテンツが何れのコピー装置によってコピーされたかを容易に解明できる。
【0129】
その際に、上記新たに生成されたコンテンツDNAは、上記コンテンツのコピー対象領域に記録されている元のコンテンツDNAと同じ情報量を有している。したがって、コピー操作を繰り返しても上記情報量を一定に保つことができ、コピーの履歴情報が増えることを防止できる。
【0130】
また、上記第1の発明は、交叉手段によって、上記融合手段で生成された多重化されたコンテンツDNAを構成する各コンテンツDNA間で情報の一部を交換すれば、現在までコピーに拘わったコピー装置の素性を表す情報が挿入されたコンテンツDNAを容易に生成できる。
【0131】
また、上記第1の発明における上記交叉手段を、予め設定された交叉関数に基づいて、上記交叉の対象となる各コンテンツDNAにおける交叉の位置,交叉の幅および交叉の発生頻度を制御するようにすれば、現在までコピーに拘わった総てのコピー装置の素性を表す情報が失われること無く挿入され、且つ、内容が撹乱されているコンテンツDNAを生成することができる。
【0132】
また、上記第1の発明は、突然変異手段によって、上記生成されたコンテンツDNAの一部を変異すれば、上記コンテンツDNAの内容を撹乱させて、上記コンテンツDNAの内容が外部に漏れることを防止できる。
【0133】
また、上記第1の発明における上記突然変異手段を、予め設定された突然変異関数に基づいて、上記変異の位置,変異の幅及び変異の発生頻度を制御するようにすれば、上記コンテンツDNAの内容をより効果的に撹乱することができる。
【0134】
また、上記第1の発明は、上記コンテンツのコピー対象領域を当該コンテンツの構造に関連する単位とすれば、コンテンツの構造に関連する単位で上記コンテンツDNAを記録できる。したがって、コンテンツの部分的な不正コピーに対する耐性を高くできる。
【0135】
また、上記第1の発明は、暗号化手段によって、上記生成されたコンテンツDNAを暗号化すれば、上記コンテンツDNAの内容を撹乱・隠蔽することができる。したがって、上記コンテンツDNAの内容が外部に漏れることを効果的に防止できる。
【0136】
また、上記第1の発明は、電子透かし情報生成手段によって、上記暗号化されたコンテンツDNAに基づいて電子透かし情報を生成すれば、上記コンテンツDNAの内容をより完全に撹乱・隠蔽できる。したがって、上記コンテンツDNAの内容が外部に漏れることを更に効果的に防止できる。
【0137】
また、上記第1の発明は、コピー履歴追跡手段によって、上記コンテンツに記録されている上記コンテンツDNAあるいは上記記憶手段に記憶されたコンテンツDNAに基づいてコピーの履歴を追跡してコピー装置を特定するようにすれば、不正コピーされたコンテンツに関するコピーの履歴を追跡して、不正コピーの発生源を容易に突き止めることができる。
【0138】
また、上記第1の発明は、復号手段によって復号化されたコンテンツDNAに基づいて、コピー履歴追跡手段によって、コピーの履歴を追跡してコピー装置を特定するようにすれば、不正にコピーされたコンテンツに記録されているコンテンツDNAが暗号化されていても、コピーの履歴を追跡してコピー装置を特定することができる。
【0139】
また、上記第1の発明は、コピーが許可されたコピー装置の情報を含むコピー制限情報を上記記憶手段における論理命令では読み出せない特定領域に記憶し、上記コピー制御手段によって、コピーを要求しているコピー装置が上記コピー制限情報に登録されているコピー装置である場合にのみ上記コンテンツ流通管理情報生成手段に上記コンテンツDNAの生成を指令するようにすれば、コピー許可対象のコピー装置に対してのみコピーを許可して、コピー許可対象ではないコピー装置からの不正コピーを防止できる。さらに、上記コピー制限情報は、論理命令では読み出せない特定領域に記憶されているので、通常のコピー命令で読み出されて改ざんされることを防止できる。
【0140】
また、上記第1の発明は、上記コピー制御手段を、上記コピーを要求しているコピー装置が上記コピー制限情報に登録されていないコピー装置である場合にはコピーの実行を禁止するかあるいはコピー禁止メッセージを表示するようにすれば、コピー許可対象ではないコピー装置による不正コピーを禁止できる。
【0141】
また、第2の発明のプログラム記録媒体は、コンピュータを、上記第1の発明のコンテンツ流通管理装置における記憶手段 ,コンテンツ流通管理情報生成手段およびコピー制御手段として機能させるコンテンツ流通管理処理プログラムが記録されているので、不正にコピーされたコンテンツに記録されているコンテンツDNAに基づいて、不正コピーの発生源を容易に突き止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のコンテンツ流通管理装置におけるブロック図である。
【図2】 図1におけるコンテンツ流通管理情報記録手段の内部構造を示すブロック図である。
【図3】 コンテンツDNAおよびその暗号化の一例を示す図である。
【図4】 コンテンツDNAに対する融合,交叉および突然変異の説明図である。
【図5】 コンテンツDNAに対して交叉が行われた状態を表す概念図である。
【図6】 コンテンツ流通管理情報記録処理動作のフローチャートである。
【図7】 各コンテンツに付加されたヘッダ情報のデータ構造を示す図である。
【図8】 電子透かし情報生成処理動作のフローチャートである。
【図9】 順次コピーが行われた場合におけるコンテンツDNAの変遷を示す図である。
【図10】 コピー履歴追跡処理動作のフローチャートである。
【図11】 コピー制限情報のデータ構造を示す図である。
【図12】 コピー可否判定処理動作のフローチャートである。
【符号の説明】
1…記憶手段、 2…コピー制御手段、
3…コンテンツ流通管理情報記録手段、
4…コピー装置、 5…選択手段、
6…融合手段、 7…交叉手段、
8…突然変異手段、 9…暗号化手段、
10…電子透かし情報生成手段、 11…復号手段、
12…コピー履歴追跡手段、 59…原著作物に関する著作権情報、
60,61…二次的著作物に関する著作権情報、
41,47,53…コンテンツID、
42,48,54…コンテンツの種類、
43〜45,49〜51,55〜57…著作者、
46,52,58…コンテンツ保護期間、
65…コンテンツのオリジナルコンテンツDNA、
66,67,68…コピー装置のオリジナルのコンテンツDNA、
69…交叉前の第2世代コンテンツDNA、
70…交叉後の第2世代コンテンツDNA、
71…交叉前の第3世代コンテンツDNA、
72…交叉後の第3世代コンテンツDNA、
73…交叉前の第4世代コンテンツDNA、
74…交叉後の第4世代コンテンツDNA、
81,88,89…コンテンツID、
82,84,86,90,91…コピー装置ID、
83,85,87,92…コピー制限回数。

Claims (12)

  1. コンテンツあるいはコンテンツの流通管理に関わる情報を記憶する記憶手段と、
    記コンテンツの素性を表す情報及びコピー装置の素性を表す情報に基づいて、コピー履歴情報として機能できるコンテンツ流通管理情報を生成するコンテンツ流通管理情報生成手段と、
    上記コピー装置からのコピー要求を受けて、上記コンテンツのコピー実行を制御すると共に、上記コンテンツ流通管理情報生成手段によって生成されたコンテンツ流通管理情報をコピー先のコンテンツのコピー対象領域に記録して上記コピー装置に返送し、上記生成されたコンテンツ流通管理情報を上記記憶手段に記憶されているコピー元のコンテンツのコピー対象領域に追加して記録し、さらに、上記生成されたコンテンツ流通管理情報と上記コピー装置のコンテンツ流通管理情報とを上記記憶手段に記憶させるコピー制御手段
    を備えたことを特徴とするコンテンツ流通管理装置。
  2. 請求項1に記載のコンテンツ流通管理装置において、
    上記コンテンツ流通管理情報生成手段によって生成されるコンテンツ流通管理情報は、複数の上記コンテンツ流通管理情報同士が多重化されていることを特徴とするコンテンツ流通管理装置。
  3. 請求項2に記載のコンテンツ流通管理装置において、
    上記コンテンツ流通管理情報生成手段は、
    コピー実行の際に、上記コンテンツのコピー対象領域に多重化されて記録されているコンテンツ流通管理情報から一コンテンツ流通管理情報を選択して読み出す選択手段と、
    上記読み出されたコンテンツ流通管理情報と、コピーを行うコピー装置の素性を表すコンテンツ流通管理情報とに基づいて、多重化された新たなコンテンツ流通管理情報を生成する融合手段
    を備えていることを特徴とするコンテンツ流通管理装置。
  4. 請求項3に記載のコンテンツ流通管理装置において、
    上記コンテンツ流通管理情報生成手段は、上記融合手段によって生成された多重化されたコンテンツ流通管理情報を構成する各コンテンツ流通管理情報間で情報の一部を交換することである交叉を行う交叉手段を備えて、上記交叉が行われたコンテンツ管理流通情報を生成することを特徴とするコンテンツ流通管理装置。
  5. 請求項4に記載のコンテンツ流通管理装置において、
    上記交叉手段は、予め設定された交叉関数に基づいて、上記交叉の対象となる各コンテンツ流通管理報における交叉の位置,交叉の幅および交叉の発生頻度を制御するようになっていることを特徴とするコンテンツ流通管理装置。
  6. 請求項1に記載のコンテンツ流通管理装置において、
    上記コンテンツ流通管理情報生成手段は、上記コンテンツ流通管理情報の一部を変異させる突然変異手段を備えて、上記変異されたコンテンツ管理流通情報を生成することを特徴とするコンテンツ流通管理装置。
  7. 請求項6に記載のコンテンツ流通管理装置において、
    上記突然変異手段は、予め設定された突然変異関数に基づいて、上記変異の位置,変異の幅および変異の発生頻度を制御するようになっていることを特徴とするコンテンツ流通管理装置。
  8. 請求項1に記載のコンテンツ流通管理装置において、
    上記コンテンツのコピー対象領域は、当該コンテンツの構造に関連する単位であることを特徴とするコンテンツ流通管理装置。
  9. 請求項1に記載のコンテンツ流通管理装置において、
    上記コンテンツのコピー対象領域に記録されているコンテンツ流通管理情報あるいは上 記記憶手段に記憶されたコンテンツ流通管理情報に基づいて、コピーの履歴を追跡してコピー装置を特定するコピー履歴追跡手段を備えたことを特徴とするコンテンツ流通管理装置。
  10. 請求項1に記載のコンテンツ流通管理装置において、
    上記記憶手段における論理命令では読み出せない特定領域には、各コンテンツ毎に、コピーが許可されたコピー装置の情報を含むコピー制限情報が記憶されており、
    上記コピー制御手段は、コピーを実行する前に上記コピー制限情報を参照し、コピーを要求しているコピー装置が上記コピー制限情報に登録されているコピー装置である場合にのみ上記コンテンツ流通管理情報生成手段に上記コンテンツ流通管理情報の生成を指令し、
    上記コンテンツ流通管理情報生成手段は、上記指令に基づいて上記コンテンツ流通管理情報を生成するようになっている
    ことを特徴とするコンテンツ流通管理装置。
  11. 請求項10に記載のコンテンツ流通管理装置において、
    上記コピー制御手段は、上記コピーを要求しているコピー装置が上記コピー制限情報に登録されていないコピー装置である場合には、コピーの実行を禁止するかあるいはコピー禁止メッセージを表示することを特徴とするコンテンツ流通管理装置。
  12. コンピュータを、
    請求項1における記憶手段 ,コンテンツ流通管理情報生成手段およびコピー制御手段
    として機能させるコンテンツ流通管理処理プログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータ読出し可能なプログラム記録媒体。
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