JP3693237B2 - プラズマアドレス液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示セルとプラズマセルとを対向して配置したフラットパネル構造を有するプラズマアドレス液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマアドレス液晶表示装置は、中間シートを挟んだ両面に、相互に対向状態に配置された表示セルとプラズマセルとを備えたフラットパネル構造を有している。このような構造を有するプラズマアドレス液晶表示装置が、例えば、特開平4−265931号公報に開示されている。
【0003】
図5は、そのプラズマアドレス液晶表示装置1の構成を示す断面図である。
【0004】
このプラズマアドレス液晶表示装置1は、マイクロシートと呼ばれる薄膜の板ガラス等により形成された中間シート2を有しており、この中間シート2を挟んで、プラズマセル3及び表示セル4が設けられている。
【0005】
中間シート2の下側に設けられたプラズマセル3は、中間シート2から所定間隔を空けて、ガラス基板5を有している。プラズマセル3のガラス基板5と中間シート2との間には、それぞれが相互に平行になった複数の隔壁8が、一定の間隔を空けて設けられており、各隔壁8によって、中間シート2とガラス基板5との間が、行方向に沿ったストライプ状の放電チャンネル9に分割されている。各隔壁8によって仕切られた各放電チャンネル9の内部には、DC駆動型の場合、アノードA及びカソードKとして機能する一対の放電電極10がそれぞれ設けられている。各放電チャンネル9の内部の空間には、放電可能な気体が封入されており、一対の放電電極10への電圧の印加により、プラズマ放電が発生する。
【0006】
表示セル4は、中間シート2に対して所定の間隔を空けて配置されたガラス基板7を有している。ガラス基板7の中間シート2に対向する表面には、例えば、RGB3原色を表すためのカラーフィルタ13が設けられており、各カラーフィルタ13の間には、RGB3原色間の隙間を遮光するためのブラックマトリクス(図5において図示せず)が形成されている。このブラックマトリクスは、各色間の隙間を遮光するとともに、プラズマアドレス液晶表示装置に特有のクロストーク現象を抑制する機能を有している。ガラス基板7に設けられたカラーフィルタ13上には、それぞれが放電チャンネル9に直交するように、それぞれが列方向に沿った複数の信号電極Yが形成されている。したがって、各カラーフィルタ13も各信号電極Yと同様に列方向に沿って形成されており、各カラーフィルタ13間にブラックマトリクスがそれぞれ形成されている。そして、各信号電極Yと、プラズマセル3に形成された放電チャンネル9とが相互に交差する部分に、各画素12がマトリクス状に配置されている。そして、ガラス基板7と中間シート2との間がシール材6によってシールされて、そのシールされた部分に液晶11が封入されている。
【0007】
また、プラズマセル3のガラス基板5には、光源となるバックライト14が取り付けられており、バックライト14から射出される光が、プラズマセル3及び表示セル4を透過して、表示セル4から出射される。
【0008】
このプラズマアドレス液晶表示装置1においては、行方向に沿った各放電チャンネル9毎にプラズマ放電を線順次で発生させて、各放電チャンネル9を切り替え走査するとともに、この放電チャンネル9の線順次の切り替え走査に同期して、表示セル4の列方向に沿って延びる各信号電極Yに画像信号を印加することにより、表示駆動が行われる。
【0009】
放電チャンネル9内にプラズマ放電が発生すると、放電チャンネル9の内部は荷電粒子により満たされて、ほぼ一様にアノード電位になり、1行の画素が選択される。すなわち、1本の放電チャンネル9は、1本の走査線に対応し、サンプリングスイッチとして機能する。このサンプリングスイッチが導通した状態において、表示セル4の各信号電極Yに画像信号(信号電圧)が印加されると、放電チャンネル9のアノード電位によって、表示セル4のサンプリングが行われ、各画素12の点灯もしくは消灯が制御される。
【0010】
そして、プラズマサンプリングスイッチが非導通状態になった時点で、表示セル4のサンプリングが完了し、信号電極Yの画像信号が各画素12に書き込まれる。表示セル4は、各画素12に書き込まれた画像信号に応じて、バックライト14からの入射光を変調して画像表示を行う。
【0011】
図6は、マトリクス状に配列された複数の画素12の、2つを模式的に示した説明図である。なお、図6においては、理解を容易にするために、2本の信号電極Y1及びY2と、1本のアノードA1のみが示されている。
【0012】
一対の画素12は、表示セル4の信号電極Y1及びY2と、液晶11と、中間シート2と、プラズマセル3の放電チャンネル9とが順次、積層された構造を有している。
【0013】
放電チャンネル9は、プラズマ放電中は、実質的にほぼアノード電位に維持されている。この放電チャンネル9がアノード電位に維持された状態で、各信号電極Y1及びY2に、画像信号を印加すると、液晶11及び中間シート2に電荷が注入される。
【0014】
一方、放電チャンネル9のプラズマ放電が終了すると、アノード電位が消滅して、放電チャンネル9が絶縁状態に戻るが、液晶11及び中間シート2は、浮遊電位に維持されて、注入された電荷は各画素12に保持され、いわゆるサンプリングホールド動作が行われている状態となる。
【0015】
したがって、放電チャンネル9は、個々の画素12に設けられた個々のサンプリングスイッチ素子として機能するので、図6において、模式的にスイッチシンボルS1を用いて表している。
【0016】
一方、信号電極Y1及びY2と、放電チャンネル9との間に保持された液晶11及び中間シート2は、サンプリングキャパシタとして機能する。放電チャンネル9の線順次走査によりサンプリングスイッチS1が導通状態になると、信号電極Y1及びY2にそれぞれに付与される画像信号がサンプリングキャパシタに書き込まれ、信号電圧のレベルに応じて各画素12の点灯あるいは消灯動作が行われる。また、サンプリングスイッチS1が非導通状態になった後にも、信号電圧はサンプリングキャパシタに保持され、これにより、液晶表示装置のアクティブマトリクス動作が行われる。
【0017】
この場合、各画素12の液晶11に印加される実効電圧は、液晶11と中間シート2との間の容量分割により決定される。したがって、中間シート2の厚みが薄くなるほど、中間シート2の容量が小さくなり、液晶11に印加される実効電圧が大きくなるので、中間シート2を可能なだけ薄く形成することができれば、各信号電極Y1及びY2への画像信号の電圧レベルをそれだけ低くすることができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
プラズマアドレス液晶表示装置に使用される表示セルには、一般に、電気光学物質である液晶が封入されている。この液晶に対して、常時、直流電圧が印加されると液晶の品質特性の劣化が発生するため、表示セルは、通常、交流電圧により駆動される。
【0019】
液晶11が封入された表示セル4は、基本的には、図7に示すように、フレーム反転により駆動される。すなわち、あるフレーム周期では、図7(A)に示すように、表示パネルの全画素12にわたって、正極性の画像信号が書き込まれ、次のフレームでは、図7(B)に示すように、表示パネルの全画素12にわたって、負極性の画像信号が書き込まれる。このように、フレーム反転駆動方式によると、フレーム周期毎に各信号電極Yに印加される画像信号の極性が反転される。
【0020】
しかしながら、このような単純なフレーム反転駆動では、画像信号のわずかなレベルシフト、信号回路の非対称性等が原因となって、完全な交流駆動とはならず、正極性の画像信号が書き込まれるフレームと負極性の画像信号が書き込まれるフレームとで画面全体の輝度に差異が生じる。このため、フレーム周期毎に輝度の変調が起こり、フリッカ(画面のちらつき)として観察者に認識されるおそれがある。
【0021】
このフレーム周期に同期したフリッカを回避するため、いわゆるライン反転駆動が採用されている。
【0022】
図8は、このライン反転駆動を説明する模式図である。
【0023】
このライン反転駆動によると、あるフレームでは、図8(A)に示すように、奇数ラインには正極性の画像信号が書き込まれ、偶数ラインには負極性の画像信号が書き込まれる。なお、表示セル4において、ライン反転駆動を実現するためには、各信号電極Yに印加する画像信号の極性を水平周期(1H)毎に高速で極性反転する必要がある。
【0024】
次のフレームでは、図8(B)に示すように、奇数ラインには負極性の画像信号が書き込まれ、偶数ラインには正極性の画像信号が書き込まれる。これにより、ライン反転駆動とフレーム反転駆動を併せて実行することができる。
【0025】
この駆動方式によると、個々の画素12については、フレーム周期毎に極性が反転するためフリッカが現われることになるが、表示パネルの画面全体については、個々の画素12の輝度変化が偶数ラインと奇数ラインとで逆になっており、通常の観察状態ではフリッカが認識されない。
【0026】
しかし、プラズマセル3のプラズマ放電により画素12の行を選択するプラズマアドレス液晶表示装置1においては、プラズマセル3は、1本の放電チャンネル9が1走査線(1ライン)に対応しており、ライン毎にプラズマ放電を励起することによって、対応する画素12の行を選択している。前述したように、放電チャンネル9はサンプリングスイッチとして機能し、プラズマ放電が完了した時点で、画像信号を画素12に書き込み、プラズマ放電の終了と同時に放電チャンネル9が絶縁状態になってスイッチが完全に遮断された状態になることが理想的である。しかしながら、実際には、プラズマ放電により発生する荷電粒子には、相当程度の準安定粒子が含まれているため、この準安定粒子が消滅するまでにはある程度の時間が必要である。このため、荷電粒子の消滅(ディケイ)までに長時間を要し、当該ラインに割り当てられた1水平周期(1H)を超えた場合には、サンプリングスイッチが完全に遮断されず、次のラインに書き込まれるべき反転極性の画像信号をサンプリングすることになる。すなわち、ディケイが長い場合、本来書き込むべき画像信号の上に、次のラインに書き込むべき画像信号が上書きされる。
【0027】
したがって、プラズマアドレス液晶表示装置1において、上記ライン反転駆動を行った場合には、各ライン毎に極性反転を行うために、逆極性の画像信号を上書きして大きな書き込みロスを生じるおそれがある。
【0028】
このような書き込みロスを補償するために、本来、書き込むべき信号電圧よりも大きな電圧で信号電極Yに印加する必要がある。さらに、各ライン間に荷電粒子の消滅時間のバラツキがあると、画面全体としてみた場合に局所的な表示ムラとなって現われ、画質を劣化させることになる。
【0029】
この問題は、放電チャンネル9を、隣り合った信号電極Yの一本毎又は複数本毎に反対極性の画像信号を印加し、フレーム周期毎に各信号電極Yに印加する画像信号の極性を反転する駆動方式にすれば解決することができる。なお、この駆動方式では、列(コラム)状に配された信号電極毎に画像信号の極性を反転させるため、以下、この駆動方式をコラム反転駆動と呼ぶ。
【0030】
このコラム反転駆動は、通常のライン反転駆動と異なり、放電チャンネル9の水平周期毎に画像信号の極性を反転しないので、仮に荷電粒子の消滅時間が長い場合にも、反対極性の画像信号を上書きするおそれがなく、従来のような大きな書き込みロスが生じることはない。一般に、互いに隣り合う画像信号は、画像の連続性によって、ほとんど等しい信号電圧レベルを有しており、同じ極性であれば大きな書き込みロスは生じないので、プラズマ放電によるスイッチ特性の時定数の影響を受けにくくすることが可能である。また、コラム反転駆動では、列毎に画像信号の極性を反転するため、画像全体として見た場合、極性の相違による輝度の偏りが平均化され、輝度のばらつきが抑制される。したがって、コラム反転駆動とフレーム反転駆動とを組み合わせた場合、フリッカはほとんど発生しない。したがって、コラム反転駆動とフレーム反転駆動とを併せて実施することにより、フリッカを抑制しつつ、電気光学物質として液晶11を用いた表示セル4を完全に交流駆動することができる。
【0031】
しかし、コラム反転駆動では、極性が反転する信号電極Y間に非常に大きな電位差が発生し、プラズマアドレス液晶表示装置特有のいわゆるクロストーク現象が顕著に観察されるようになる。このため、コラム反転駆動を行う際には、カラーフィルタ13に設けられる各画素12間のブラックマトリクスの幅を太くすることによって、クロストーク現象を防止している。しかし、各画素12間のブラックマトリクスの幅を太くすると、表示セル4の開口率が低下し、このため、画像の表示の明るさを低下させる原因となる。
【0032】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、コラム反転駆動とフレーム反転駆動とを併せて実施した場合に、表示セルの開口率を低下することにより画像の表示の明るさを低下させることなく、クロストーク現象を防止することができるプラズマアドレス液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のプラズマアドレス液晶表示装置は、それぞれが列方向に沿った複数の信号電極と、該複数の信号電極に対向して設けられた液晶層とを有する表示セルと、それぞれが行方向に沿った複数の放電チャネルと、前記各放電チャネル内にそれぞれ設けられた一対の放電電極とを有するプラズマセルとが中間シートを介して相互に接合されており、前記プラズマセルにおける前記放電チャネル内の一対の放電電極に順次に放電パルスを印加して、前記各放電チャネル内にそれぞれプラズマ放電を発生させるとともに、隣り合う複数の信号電極毎に極性を反転した画像信号を印加するコラム反転駆動と、フレーム毎に前記各信号電極に印加される画像信号の極性を反転させるフレーム反転駆動とを併せて実施するプラズマアドレス液晶表示装置において、前記コラム反転駆動において同極性の画像信号が印加される前記複数の信号電極は、相互に間隔T1’をあけてそれぞれ配置されるとともに、極性が反転する信号電極間の間隔T2’が、前記同極性の画像信号が印加される前記複数の信号電極同士の前記間隔T1’よりも広くなっており、前記各間隔T1’およびT2’に対向して、それぞれの間隔T1’およびT2’と同じ幅となるようにブラックマトリクスがそれぞれ設けられていることを特徴とする
【0034】
前記極性を反転した画像信号は、隣り合う3本の信号電極毎に印加されることが好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプラズマアドレス液晶表示装置について、図面に基づいて説明する。
【0036】
本実施の形態のプラズマアドレス液晶表示装置は、図5にて説明した従来のプラズマアドレス液晶表示装置1と略同一の構成を有しており、図5に示すように、プラズマ放電を発生するプラズマセル3と、表示媒体としての液晶11を封入した表示セル4とを中間シート2を挟んで対向して配置したフラットパネル構造を有している。
【0037】
各プラズマセル3は、それぞれが行方向に沿った複数個の放電チャンネル9を有している。各放電チャンネル9のそれぞれの内部には、カソードK及びアノードAとされる一対の放電電極10がそれぞれ設けられている。また、各表示セル4には、それぞれが列方向に沿った複数個の信号電極Yがそれぞれ設けられている。プラズマセル3の各放電チャンネル9と表示セル4の各信号電極Yとは、相互に直交状態に交差しており、この交差部分によって、マトリクス状に画素12が形成されている。
【0038】
本発明のプラズマアドレス液晶表示装置は、表示セル4におけるガラス基板7に設けられたカラーフィルタ13の構成が異なっている。図1は、表示セル4に設けられたカラーフィルタ13の構成を示す概略断面図である。
【0039】
このプラズマアドレス液晶表示装置の表示セル4は、図1に示すように、ガラス基板7の上に、カラーフィルタ13が設けられており、カラーフィルタ13上に、それぞれが列方向に沿った信号電極Yが設けられている。各信号電極Yは、例えば、3本ずつ相互に近接するように所定間隔T1’が設けられており、相互に近接した3本の信号電極毎に、間隔T1’よりも大きな間隔T2’が設けられている。また、カラーフィルタ13も信号電極Yと同様に間隔T1またはT2を空けて配置されており、隣接するカラーフィルタ13間にブラックマトリクス34が設けられている。したがって、各ブラックマトリクス34は、製造上の位置合わせマージンを考慮して若干太めの幅をそれぞれ有しており、相互に近接した3本の信号電極Yの間にそれぞれ配置された2本のブラックマトリクス34はT1の幅(80um)を有し、相互に近接する3本の信号配線毎の間に配置された1本のブラックマトリクス34は、間隔T2の幅(160um)を有している。
【0040】
図2は、本実施の形態1のプラズマアドレス液晶表示装置の全体構成と動作とを説明するための模式図である。
【0041】
プラズマセル3の各放電チャンネル9内には、各カソードK0〜Kn及び各アノードA0〜Anがそれぞれ設けられている。各カソードK0〜Knは、走査回路31に接続されており、各アノードA0〜Anは、接地されている。また、表示セル4の各信号電極Y0〜Ymは、信号回路32に接続されている。さらに、走査回路31及び信号回路32は、制御回路33に接続されており、制御回路33によってそれぞれ制御される。
【0042】
走査回路31は、各カソードK0〜Knに放電パルスを順番に印加して放電チャンネル9内にプラズマ放電を励起し、画素12を行毎(ライン毎)に順次選択する。信号回路32は、各信号電極Y0〜Ymに画像信号を印加して、放電チャンネル9によって順次選択された行の画素12に画像信号を書き込む。制御回路33は、走査回路31及び信号回路32を同期制御する。
【0043】
本実施の形態のプラズマアドレス液晶表示装置においては、それぞれが列方向に沿って配置された各信号電極Y0〜Ymに対して、3本毎に反対極性の画像信号を印加する、いわゆるコラム反転駆動を行う。このとき、走査回路31は、一定のフレーム周期毎に画素行の順次選択を繰り返すことにより、フレーム毎に画面を書き換える。この場合、信号回路32はフレーム周期毎に、各信号電極Y0〜Ymに印加する画像信号の極性を反転して、いわゆるフレーム反転駆動を行っている。
【0044】
このコラム反転駆動とフレーム反転駆動とを併せて実施する動作について、図3を参照して、具体的に説明する。
【0045】
図3に示すように、プラズマセル3及び表示セル4の上方からみると、行列状に配された各画素12からなる表示画面が形成されている。そして、あるフレームにおいて、図3(A)に示すように、近接した3本の信号電極Yに同じ極性の画像信号を印加し、次の3本の相互に近接した信号電極には、その反対極性の画像信号を印加している。すなわち、1列目、2列目及び3列目の画素12には、正極性の画像信号がそれぞれ書き込まれ、4列目、5列目および6列目の画素12には、負極性の画像信号がそれぞれ書き込まれる。さらに、7列目、8列目及び9列目の画素12には、正極性の画像信号がそれぞれ書き込まれ、10列目、11列目及び12列目の画素12には、負極性の画像信号がそれぞれ書き込まれる。
【0046】
次のフレームでは、図3(B)に示すように、各画素列には、極性を反転した画像信号が書き込まれる。すなわち、フレーム毎に、各画素12に書き込まれる画像信号を反転しており、いわゆるフレーム反転駆動を行っている。
【0047】
このように、異なる極性の画像信号が印加される信号電極の間に形成されたブラックマトリクス34が、他の信号電極間に形成されたブラックマトリクス34よりも幅を広くして形成することにより、正極性の画像信号が書き込まれた画素12と負極性の画像信号が書き込まれた画素12との間に輝度の差があっても、画面全体として見れば平均化されており、目立たないようになっている。したがって、フレーム反転駆動を行っても、フリッカはほとんど観察されず、表示セル4を交流駆動することができる。
【0048】
本実施の形態のプラズマアドレス液晶表示装置は、3本の信号電極Y毎に反対極性の画像信号を印加するコラム反転駆動となっているが、極性の違いによる輝度の差を画面全体にわたって空間的に平均化することができれば、この構成に代えて、2本の信号電極Y毎または4本以上の信号電極Y毎に反転駆動する構成等にしてもよい。
【0049】
ただし、カラー画像を表示する場合、3本の信号電極Y毎にRGB3原色のカラーフィルタ13をそれぞれ対応させて、RGB3原色のカラーフィルタに対応した3本の信号電極Y毎に反転駆動する構成として、反転駆動される信号電極Y間のブラックマトリクス34の幅を太くすれば、ブラックマトリクス34の幅の不等性をもっとも目立たないようにすることができ、表示品位が向上する。
【0050】
一般に、プラズマアドレス液晶表示装置においては、信号電極に印加される画像信号電圧の大半が中間シートで消費され、液晶層に印加される画像信号電圧は、もとの電圧の10分の1近くまで低下することが分かっている。このため、信号電極に印加される画像信号電圧は、最大で、60V〜80V程度になっている。したがって、隣接する信号電極間の最大電位差は、各信号電極に印加される画像信号電圧を60〜80Vとすると、画像信号の極性が反転する信号電極間において、正極の画像信号が印加される信号電極には、+60〜+80Vが印加され、負極の画像信号が印加される信号電極には、−60〜−80Vが印加されることになるので、両信号電極間には、120〜160Vという非常に大きな電位差が生じることになる。このため、極性が反転される信号電極間には、大きなクロストーク現象が発生するため、このクロストーク現象を防止するため、ブラックマトリクスの幅を太くする必要がある。
【0051】
したがって、信号電極1本毎に極性を反転するコラム反転駆動では、全てのブラックマトリクスの幅を太くする必要があり、表示セルの開口率が低下する。
【0052】
これに対して、複数本毎に極性反転を行うコラム反転駆動により信号電極に画像信号を印加し、極性反転する信号電極間のブラックマトリクスの幅を他の部分のブラックマトリクスの幅より広くすることにより、表示セルの開口率が低下するというデメリットを解消することができる。
【0053】
図4(a)は、本実施の形態のプラズマアドレス液晶表示装置の動作を説明するための波形図である。
【0054】
図4(a)に示す信号波形Cは、各信号電極Y0〜Ymをコラム反転駆動する場合に、3本の信号電極(ライン1、ライン2、ライン3)に印加される画像信号を表しており、1フレーム内では印加される画像信号の極性は切り換わらない。
【0055】
したがって、信号波形Cは、ライン1、ライン2、ライン3にわたって正極性のデータD1、D2、D3が印加されている。このように、コラム反転駆動では、同一フレーム内では常に同一極性の画像データが書き込まれることになる。
【0056】
一方、図4(b)に示す信号波形Lは、各信号電極Y0〜Ymをライン反転駆動する場合に、相互に隣接する3本の信号電極(ライン1、ライン2、ライン3)に印加される画像信号を表しており、ライン1では正極性の画像データD1が供給され、ライン2では負極性の画像データD2が供給され、ライン3では正極性の画像データD3が供給されている。
【0057】
このように、図4(a)に示す信号波形Cの極性反転がフレーム毎であるのに対し、図4(b)に示す信号波形Lの極性反転はライン毎になっている。図4(a)に示す信号波形Cは、図4(b)に示す信号波形Lに比べ極性切換が低速であるため、その分信号回路の消費電力を低減することができる。
【0058】
図4(c)に示す電圧波形1は、走査回路31から信号電圧が印加されたライン1のカソードKに供給される放電電圧を表している。図4(c)に示すように、ライン1のカソードKに対して、マイナス数百V程度のパルスP1を印加することによって、プラズマ放電が励起される。このプラズマ放電によって、ライン1に該当する画素12の放電チャンネル9にプラズマ放電による荷電粒子が発生し、ライン1に該当する画素12が選択され、その画素12に画像データD1が書き込まれる。
【0059】
電圧パルスP1が解除された後も、放電チャンネル9のプラズマ放電により発生した荷電粒子は残留するため、プラズマスイッチは完全には遮断されない。図4(c)にW1にて示す曲線は、放電チャンネル9のプラズマ放電によって発生した荷電粒子の消滅過程を表している。この曲線W1では、ディケイが長い場合を表しており、残留した荷電粒子が完全に消滅するまでに、ライン1に割り当てられた時間を超えて、ライン2に割り当てられた時間に及んでいる。この場合、図4(b)に示すライン反転駆動では、ライン1で正極性の画像データD1を書き込んだ後、ライン2では、負極性の画像データD2が上書きされてしまう。これにより、大きな書き込みロスが発生することになる。
【0060】
一方、図4(a)に示すコラム反転駆動では、ライン1で正極性の画像データD1を書き込んだ後、ライン2でも同じく正極性の画像データD2を上書きすることになる。この場合、画面の連続性を考慮して、画像データD1と画像データD2とは、ほぼ等しい電圧レベルを有していることが多く、仮に、荷電粒子の消滅過程を表している曲線W1に示すように、ディケイが長くても、上書きの影響はほとんど生じない。また、同一極性で同一レベルの画像データを上書きしても実質的な影響はない。
【0061】
次に、図4(d)に示すように、電圧波形2がライン2のカソードK2に印加される。すなわち、マイナス数百V程度のパルスP2がカソードK2に印加され、ライン2の放電チャンネル9のプラズマ放電が発生する。これにより生じた荷電粒子のディケイが、曲線W2によって表されている。各ライン間で荷電粒子の消滅のディケイにバラツキがあり、図4(d)では、曲線W1に比べ曲線W2が短い場合を表している。すなわち、ライン2では、割り当てられた水平周期以内に、放電チャンネル9のプラズマ放電が完了しており、ライン反転駆動及びコラム反転駆動のいずれの場合でも、正規の画像信号D2を書き込むことができる。
【0062】
このように、各ライン間で荷電粒子の消滅のディケイにバラツキがあれば、上書きの有無により、表示ムラが生じることになる。ライン反転駆動では、この表示ムラが顕著に現われるのに対し、コラム反転駆動ではほとんど影響を受けないことが分かる。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態のプラズマアドレス液晶表示装置によれば、コラム反転駆動により、信号電極Y0〜Ymに画像信号電圧を印加するので、放電チャンネル9のプラズマ放電による荷電粒子の消滅までのディケイが長時間であった場合においても、各画素12に書き込まれる画像信号の電圧ロスを抑制することが可能である。特に、画面全体にわたって一様な画像を表示する場合には、画像信号の電圧ロスの抑制は有効である。また、放電チャンネル9のプラズマ放電による荷電粒子の消滅までのディケイが各信号電極間で不均一であっても、表示ムラを回避することができる。さらに、コラム反転駆動は、信号電極Y0〜Ymの画像信号の極性反転速度を、通常のライン反転駆動の場合と比べて小さくすることができるので、消費電力の低減を図ることができる。
【0064】
以上の利点を有するコラム反転駆動は、異なる極性の画像信号が印加される信号電極間の電位差が大きくなるために、クロストーク現象の発生が顕著であるが、本実施の形態のプラズマアドレス液晶表示装置においては、画像信号が反転する信号電極間に形成されたブラックマトリクスを他の部分のブラックマトリクスよりも幅を太くしたので、クロストーク現象を防止することができる。また、ブラックマトリクスの幅を全ての信号電極間のブラックマトリクスについて大きくしないために、ブラックマトリクス幅が大きくなることによる表示セルの開口率の低下を抑制することができ、表示パネル上に明るい画像表示を提供することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、極性を反転した画像信号が印加される複数の信号電極の間を遮光するブラックマトリクスの幅が、他の信号電極間に形成されたブラックマトリクスの幅よりも広くなっているために、クロストーク現象を防止することができる。また、ブラックマトリクスの幅は、全ての信号電極間のブラックマトリクスについて大きくするのではないために、ブラックマトリクス幅を大きくすることに起因する表示セルの開口率の低下を抑制することができ、表示パネル上に明るい画像表示を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ液晶表示装置の表示セル部の構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係るプラズマアドレス液晶表示装置の構成並びに動作を示す模式図である。
【図3】本発明のプラズマアドレス液晶表示装置のコラム反転駆動を説明する模式図である。
【図4】本発明のプラズマアドレス液晶表示装置の動作を説明するための波形図である。
【図5】従来のプラズマアドレス液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図6】従来のプラズマアドレス液晶表示装置の動作を説明するための模式図である。
【図7】フレーム反転駆動を説明するための模式図である。
【図8】ライン反転駆動を説明するための模式図である。
【符号の説明】
2 中間シート
3 プラズマセル
4 表示セル
5 ガラス基板
6 シール材
7 ガラス基板
8 隔壁
9 液晶
10 放電電極
A アノード
K カソード
11 液晶
12 画素
13 カラーフィルタ
14 バックライト
31 走査回路
32 信号回路
33 制御回路
34 ブラックマトリクス
Y0〜Ym 信号電極
K0〜Kn カソード
A0〜An アノード

Claims (2)

  1. それぞれが列方向に沿った複数の信号電極と、該複数の信号電極に対向して設けられた液晶層とを有する表示セルと、それぞれが行方向に沿った複数の放電チャネルと、前記各放電チャネル内にそれぞれ設けられた一対の放電電極とを有するプラズマセルとが中間シートを介して相互に接合されており、前記プラズマセルにおける前記放電チャネル内の一対の放電電極に順次に放電パルスを印加して、前記各放電チャネル内にそれぞれプラズマ放電を発生させるとともに、隣り合う複数の信号電極毎に極性を反転した画像信号を印加するコラム反転駆動と、フレーム毎に前記各信号電極に印加される画像信号の極性を反転させるフレーム反転駆動とを併せて実施するプラズマアドレス液晶表示装置において、
    前記コラム反転駆動において同極性の画像信号が印加される前記複数の信号電極は、相互に間隔T1’をあけてそれぞれ配置されるとともに、極性が反転する信号電極間の間隔T2’が、前記同極性の画像信号が印加される前記複数の信号電極同士の前記間隔T1’よりも広くなっており、前記各間隔T1’およびT2’に対向して、それぞれの間隔T1’およびT2’と同じ幅となるようにブラックマトリクスがそれぞれ設けられていることを特徴とするプラズマアドレス液晶表示装置。
  2. 前記極性を反転した画像信号は、隣り合う3本の信号電極毎に印加される、請求項1に記載のプラズマアドレス液晶表示装置。
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