JP3740435B2 - 放射線撮像装置とその駆動方法、及び放射線撮像システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用の診断や工業用の非破壊検査に用いて好適な放射線撮像装置に関する。なお、本明細書では、X線、γ線などの電磁波やα線、β線も放射線に含めるものとして説明する。
【0002】
【従来の技術】
従来、病院内などに設置されているX線撮影システムは、患者にX線を照射させ、患者を透過したX線をフィルムに露光するフィルム撮影方式と、患者を透過したX線を電気信号に変換してディジタル画像処理する画像処理方式とがある。
【0003】
画像処理方式のひとつに、X線を可視光に変換する蛍光体と可視光を電気信号に変換する光電変換装置とで構成された放射線撮像装置がある。患者を透過したX線が、蛍光体に照射され、そこで可視光に変換された患者の体内情報を光電変換装置により電気信号として出力する。電気信号に変換されればADコンバータでディジタル変換し、記録、表示、印刷、診断などを行うためのX線画像情報はディジタル値として扱うことが出来る。
【0004】
最近では、光電変換装置にアモルファスシリコン半導体薄膜を用いた放射線撮像装置が実用化されている。
【0005】
図14は、MIS型光電変換素子とスイッチ素子の材料にアモルファスシリコン半導体薄膜を用いて構成した従来の光電変換基板の上面図であり、それらを結線する配線を含めて表している。図15は図14内A−Bでの断面を示す。以後の説明では、簡単化のために、MIS型光電変換素子は、単に光電変換素子と呼ぶことにする。
【0006】
光電変換素子101及びスイッチ素子102(アモルファスシリコンTFT、以下単にTFTと記す)は同一基板103上に形成されており、光電変換素子の下部電極は、TFTの下部電極(ゲート電極)と同一の第1の金属薄膜層104で共有されており、光電変換素子の上部電極は、TFTの上部電極(ソース電極、ドレイン電極)と同一の第2の金属薄膜層105で共有されている。また、第1及び第2の金属薄膜層は、光電変換回路部内の、ゲート駆動用配線106、マトリクス信号配線107も共有している。図14においては、画素数として2×2の計4画素分が記載されている。図14のハッチング部は、光電変換素子の受光面である。109は光電変換素子にバイアスを与える電源ラインである。また、110は光電変換素子とTFTを接続するためのコンタクトホールである。
【0007】
アモルファスシリコン半導体を主たる材料にした図14で示されるような構成を用いれば、光電変換素子、スイッチ素子、ゲート駆動用配線、マトリクス信号配線を、同一基板上に同時に作製することができ、大面積の光電変換回路部が容易に、しかも安価に提供することができる。
【0008】
次に、光電変換素子単体のデバイス動作について説明する。図16(a)〜(c)は図14、図15の光電変換素子のデバイス動作を説明するためのエネルギーバンド図である。
【0009】
図16(a)、(b)は、それぞれリフレッシュモードおよび光電変換モードの動作を示しており、図15で示される各層の膜厚方向の状態を表している。M1は第1の金属薄膜層(例えばCr)で形成された下部電極(G電極)である。アモルファス窒化シリコン(a−SiNx)層は、電子、ホール共にその通過を阻止する絶縁層であり、トンネル効果をもたらさない程度の厚さが必要であり、通常500オングストローム以上に設定される。水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)層は意図的にドーパントをドープしていない真性半導体層(i層)で形成された光電変換半導体層である。N+層は、a−Si:H層へのホールの注入を阻止するために形成されたN型a−Si:H層などの非単結晶半導体からなる単一導電型キャリアの注入阻止層である。またM2は第2金属薄膜層(例えばAl)で形成される上部電極(D電極)である。
【0010】
図14では、D電極はN+層を完全には覆っていないが、D電極とN+層との間は電子の移動が自由に行われるためD電極とN+層は常に同電位であり、以下の説明では、そのことを前提としている。
【0011】
本光電変換素子にはD電極やG電極への電圧の印可の仕方によりリフレッシュモードと光電変換モードという2種類の動作モードがある。
【0012】
リフレッシュモードを示す図16(a)においてD電極はG電極に対して負の電位が与えられており、i層中の黒丸で示されたホールは電界によりD電極に導かれる。同時に白丸で示された電子はi層に注入される。この時、一部のホールと電子はN+層、i層において再結合して消滅する。十分に長い時間この状態が続けばi層内のホールはi層から掃き出される。
【0013】
この状態から光電変換モードを示す図16(b)にするためにはD電極にG電極に対し正の電位を与える。するとi層中の電子は瞬時にD電極に導かれる。しかしホールはN+層が注入阻止層として働くため、i層に導かれることはない。この状態でi層に光が入射すると、光は吸収され電子ホール対が発生する。この電子は電界によりD電極に導かれ、ホールはi層内を移動しi層とa−SiNx絶縁層との界面に達する。しかし、絶縁層内には移動できないため、i層内に留まることになる。この時、電子はD電極に移動し、ホールはi層内の絶縁層界面に移動するため、光電変換素子内の電気的中性を保つため電流がG電極から流れる。この電流は光により発生した電子・ホール対に対応するため入射した光に比例する。ある期間光電変換モードである図16(b)の状態を保った後、再びリフレッシュモードの図16(a)の状態になると、i層に留まっていたホールは前述のようにD電極に導かれ、同時にこのホールに対応した電流が流れる。このホールの量は光電変換モード期間に入射した光の総量に対応する。この時、i層内に注入される電子の量に対応した電流も流れるが、この量はおよそ一定なため差し引いて検出すればよい。つまり、この光電変換素子はリアルタイムに入射する光の量を出力すると同時に、ある期間に入射した光の総量も検出することができる。
【0014】
しかしながら、何らかの理由により光電変換モードの期間が長くなった場合や入射する光の照度が強い場合、光の入射があるにもかかわらず電流が流れないことがある。これは図16(c)のようにi層内にホールが多数留まり、このホールのためi層内の電界が小さくなり、発生した電子が導かれなくなりi層内でホールと再結合してしまうからである。この状態を光電変換素子の飽和状態と称する。この状態で光の入射の状態が変化すると、電流が不安定に流れることもあるが、再びリフレッシュモードにすればi層内のホールは掃き出され次の光電変換モードでは再び光に比例した電流が流れる。
【0015】
また、前述の説明において、リフレッシュモードでi層内のホールを掃き出す場合、すべてのホールを掃き出すのが理想であるが、一部のホールを掃き出すだけで効果はあり、前述と等しい電流が得られ、問題はない。つまり、次の光電変換モードでの検出機会において図16(c)の飽和状態になっていなければよく、リフレッシュモードでのD電極のG電極に対する電位、リフレッシュモードの期間およびN+層の注入阻止層の特性を決めればよい。また、更にリフレッシュモードにおいてi層への電子の注入は必要条件でなく、D電極のG電極に対する電位は負に限定されるものでもない。ホールが多数i層に留まっている場合には、たとえD電極のG電極に対する電位が正の電位であってもi層内の電界はホールをD電極に導く方向に加わるからである。また、注入阻止層であるN+層の特性も同様に電子をi層に注入できることが必要条件ではない。
【0016】
図17は、光電変換素子とTFTで構成される従来の光電変換回路の1画素分の回路を示している。図17において光電変換素子は、i層からなる容量成分のCiと注入阻止層からなる容量成分のCSiNとで表記している。また、i層と注入阻止層との接合点(図17中のノードN)は、光電変換素子が飽和状態になった時、すなわちD電極とノードNの間(i層)に電界がない(小さい)状態になった時、光によって生成された電子とホールは再結合するために、ホールキャリアがN部に蓄えることが出来なくなる。つまり、ノードNの電位はD電極の電位より高くなることはない。この飽和状態における動作を具現化するために、図17ではダイオード(D1)をCiに並列に接続している。すなわち図17において光電変換素子をCi、CSiN、D1の3つのコンポーネントで表記している。
【0017】
図18は、図17に示される1画素分の回路の動作を示すタイムチャートである。図17、図18を用いて、光電変換素子とTFTで構成される1画素分の回路動作を説明する。
【0018】
まず、リフレッシュ動作を説明する。Vsは9V、Vrefは3Vとする。リフレッシュ動作は、スイッチSW−AをVref、スイッチSW−BをVg(on)、スイッチSW−Cをオンにする。この状態にすることにより、D電極はVref(6V)にバイアスされ、G電極は、GND電位にバイアスされ、ノードNは、最大Vref(6V)にバイアスされる。最大というのは、今回のリフレッシュ動作以前の光電変換動作により、ノードNの電位が既にVref以上の電位まで蓄積されていた場合、D1を介しVrefにバイアスされる。しかし、以前の光電変換動作によりノードNの電位がVref以下であった場合、本リフレッシュ動作によりVrefの電位にバイアスされることはない。実際の使用にあたっては、複数回の光電変換動作を過去に繰り返していれば、ノードNは、本リフレッシュ動作により事実上Vref(6V)にバイアスされると言ってよい。ノードNがVrefにバイアスされた後に、SW−AをVs側に切り替える。これにより、D電極はVs(9V)にバイアスされる。このリフレッシュ動作により、光電変換素子のノードNに蓄えられていたホールキャリアがD電極側へ一掃されたことになる。
【0019】
次にX-ray照射期間について説明する。X線は図示したようにパルス状に照射する。検出体を透過したX線が蛍光体Flに照射され、可視光に変換される。蛍光体からの可視光は半導体層(i層)に照射され光電変換される。光電変換により生成されたホールキャリアはノードNに蓄積され電位を上昇させる。TFTはオフした状態なのでG電極側の電位も同じ分だけ上昇させる。
【0020】
wait期間はリフレッシュ期間とX-ray照射期間の間に設けている。特に何かを動作させているわけではなく、リフレッシュ動作直後の暗電流などで光電変換素子の特性が不安定な状態にある場合、緩和するまでに何も動作させない待機期間である。光電変換素子がリフレッシュ動作直後に不安定な特性がない場合、特にwait期間を設ける必要はない。
【0021】
次に転送動作の説明をする。転送動作は、SW−BをVg(on)側にして、TFTをオン状態にする。これによりX-ray照射により蓄えられたホールキャリアの量(Sh)に対応する電子キャリア(Se)が、C2側からTFTを介しG電極の側に流れ、それにより読み出し容量C2の電位を上昇させる。この時、SeとShの関係は、Se=Sh×CSiN/(CSiN+Ci)である。C2の電位は同時にアンプを介し増幅して出力される。TFTは信号電荷を充分に転送するに足りる時間だけオンさせ、やがてオフさせる。
【0022】
最後にリセット動作について説明する。リセット動作はSW−Cをオンさせ、C2をGND電位にリセットし次回の転送動作に備える。
【0023】
図19は、従来の光電変換装置の2次元的回路図である。説明を簡単化するために3×3=9画素分のみを記載してある。S1-1〜S3-3は光電変換素子、T1-1〜T3-3はスイッチ素子(TFT)、G1〜G3はTFTをオン・オフさせるためのゲート配線、M1〜M3は信号配線、Vs線は光電変換素子に蓄積バイアスを与えたり、リフレッシュバイアスを与えたりするための配線である。光電変換素子の黒く塗りつぶされた側の電極はG電極であり、対向側はD電極である。D電極は、Vs線の一部と共有しているが、光を入射させる都合上、薄いN+層をD電極として利用している。S1-1〜S3-3、T1-1〜T3-3、G1〜G3、M1〜M3、Vs線、これらを総じて光電変換回路部と称する。
【0024】
Vs線は、電源Vsや電源Vrefによりバイアスされ、それらはVSCのコントロ−ル信号により切り替えられる。SR2はG1〜G3に駆動用のパルス電圧を与えるシフトレジスタであり、TFTをオンさせる電圧は外部から供給する。電源Vg(on)により決定される。読み出し用回路部は、光電変換回路部内のM1〜M3の並列信号出力を増幅し、直列変換して出力する。
【0025】
RES1〜RES3はM1〜M3をリセットするスイッチ、A1〜A3はM1〜M3の信号を増幅するアンプ、CL1〜CL3はアンプA1〜A3で増幅された信号を一時的に記憶するサンプルホールド容量、Sn1〜Sn3はサンプルホールドするためのスイッチ、B1〜B3はバッファアンプ、Sr1〜Sr3は並列信号を直列変換するためのスイッチ、SR2はSr1〜Sr3に直列変換するためのパルスを与えるシフトレジスタ、Abは直列変換された信号を出力するバッファアンプである。
【0026】
図20は図19の光電変換装置の動作を示すタイムチャートである。図19の光電変換装置の動作について図20のタイムチャートを用いて説明する。制御信号VSCは、光電変換素子のVs線すなわち光電変換素子のD電極に、2種類のバイアスを与えるためのものである。D電極は、VSCが“Hi”の時にVref(V)になり、“Lo”の時にVs(V)になる。読み取り用電源Vs(V)、リフレッシュ用電源Vref(V)は、それぞれ直流電源である。
【0027】
まず、リフレッシュ期間の動作について説明する。シフトレジスタSR1の信号をすべて“Hi”で、かつ読み出し用回路部のCRES信号を“Hi”の状態にする。するとスイッチング用の全TFT(T1-1〜T3-3)が導通し、かつ読み出し用回路内のスイッチ素子RES1〜RES3も導通し、全光電変換素子のG電極がGND電位になる。そしてVSC信号が“HI”になると全光電変換素子のD電極がリフレッシュ用電源Vrefにバイアスされた状態(負電位)になる。すると、全光電変換素子S1-1〜S3-3はリフレッシュモードになり、リフレッシュが行われる。
【0028】
次に、光電変換期間について説明する。VSCが“Lo”の状態に切り替わり、全光電変換素子のD電極は読み取り用電源Vsにバイアスされた状態(正電位)になる。すると光電変換素子は光電変換モードになる。この状態でシフトレジスタSR1の信号をすべて“Lo”で、かつ読み出し用回路部のCRES信号を“Lo”の状態にする。するとスイッチング用の全TFT(T1-1〜T3-3)がオフし、かつ読み出し用回路内のスイッチ素子RES1〜RES3もオフし、全光電変換素子のG電極は、直流的にはオープン状態になるが光電変換素子はコンデンサでもあるため電位は保持される。しかし、この時点では、光電変換素子に光は入射されていないため、電荷は発生しない。すなわち電流は流れない。この状態で光源がパルス的にオンすると、それぞれの光電変換素子のD電極(N+電極)に光が照射され、いわゆる光電流が流れる。光源については、図19中特に記載はしていないが、例えば、複写機であれば蛍光灯、LED、ハロゲン灯等である。X線撮影装置であれば文字通りX線源であり、この場合X線可視変換用のシンチレータを用いればよい。光によって流れた光電流は電荷としてそれぞれの光電変換素子内に蓄積され、光源がオフ後も保持される。
【0029】
次に読み出し期間について説明する。読み出し動作は、1行目のS1-1〜S1-3、次に2行目のS2-1〜S2-3、次に3行目のS3-1〜S3-3の順で行われる。まず、1行目のS1-1〜S1-3を読み出しするためにスイッチ素子(TFT)T1-1〜T1-3のゲート配線G1にSR1からゲートパルスを与える。この時ゲートパルスのハイレベルは、外部から供給されている電圧Vcomである。これにより、T1-1〜T1-3がオン状態になり、S1-1〜S1-3に蓄積されていた信号電荷が、信号配線M1〜M3に転送される。信号配線M1〜M3には、特に図19中記載していないが読み出し容量が付加されており、信号電荷はTFTを介し、読み出し容量に転送されることになる。例えば信号配線M1の付加されている読み出し容量は、M1に接続されているT1-1〜T3-1各TFTのゲート/ソース間の電極間容量(Cgs)の総和(3個分)であり、図17におけるC2に相当する。M1〜M3に転送された信号電荷は、アンプA1〜A3で増幅される。そしてCRES信号をオンさせることにより、サンプルホールド容量CL1〜CL3に転送され、CRES信号をオフするとともにホールドされる。次にシフトレジスタSR2からスイッチSr1、Sr2、Sr3の順番で、パルスを印加することにより、CL1〜CL3にホールドされていた信号が、CL1、CL2、CL3の順でアンプAbから出力される。結果としてS1-1、S1-2、S1-3の1行分の光電変換信号が順次出力される。2行目のS2-1〜S2-3の読み出し動作、3行目のS3-1〜S3-3の読み出し動作も同様に行われる。
【0030】
1行目のSMPL信号によりM1〜M3の信号をCL1〜CL3にサンプルホールドすれば、M1〜M3をCRES信号によりGND電位にリセットしその後G2のゲートパルスを印加することができる。すなわち1行目の信号をSR2により直列変換動作をする間に、同時に2行目の光電変換素子S2−1〜S2−3の信号電荷をSR1により転送することができる。
【0031】
以上の動作により、第1行から第3行全ての光電変換素子の信号電荷を出力することができる。以上述べてきたX線撮像装置の動作は、リフレッシュ動作を行い、X線を照射し、そして読み出し動作を行うことにより、いわば1枚の静止画像を取得するための動作である。連続した動画像を取得する場合、図20で記載したタイムチャートで、取得したい動画の枚数分、繰り返して動作させればよい。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に画素数が多くなってきたときに動画像を得ようとした場合には、更なるフレーム周波数の改善が必要となってくる。光電変換素子のリフレッシュ動作が全光電変換素子共通のVs線を介して行われる場合には、1フレ−ムに1回のリフレッシュ期間を設けることが必須となる。このことは、特に、動画画像を取得する際、フレ−ム周波数が小さくなる、すなわちスピ−ドが遅くなるという課題を有している。一般的に、胸部の単純撮影において必要とされるスペックとして、撮影領域が40cm角以上、画素ピッチが200μm以下と言われている。仮に40cm角、200μmで作成した場合、光電変換素子の数は4百万個にも及ぶ。こういった大多数の画素を、一括でリフレッシュすることは、リフレッシュ時に流れる電流も大きくなるため、X線撮像装置のGNDや電源ラインの電圧変動も大きくなる。要求される画像によってはこれらの変動分を緩和するまで、X線の照射までの待ち時間を設ける必要もある。図20では記載していないが図18におけるwait期間がそれに相当する。つまり、光電変換装置を一括でリフレッシュすることは、1フレ−ムに1回のリフレッシュ期間を設けるだけでなく、1フレ−ムに1回のwait期間をも必要となる。
【0033】
以上述べてきたように、1枚の読み出し動作毎に、1回の全素子リフレッシュ動作を行う従来技術において動画撮影を困難にしているといった課題を有している。
【0034】
そこで本発明は、光電変換画素を各ライン単位で順次リフレッシュしていくことによりGNDや電源ラインの電圧変動を抑え、フレーム毎の待機(wait)期間を無くして、動画撮影を容易にする放射線撮像装置を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は、基板上に2次元状に配置された、それぞれMIS型光電変換素子とスイッチング素子とを含む画素の複数と、複数の前記スイッチング素子の制御電極に接続された制御配線の複数と、複数の前記MIS型光電変換素子からの信号を読み出す信号配線の複数とを備えた光電変換素子アレイと、前記スイッチング素子の導通を制御するために前記スイッチング素子の前記制御電極に印加されるバイアスを少なくとも第1のバイアスと第2のバイアスのいずれかに切り換えるためのバイアス切り換え手段とを有し、前記第1のバイアスは、前記MIS型光電変換素子に残留したキャリアを掃き出すリフレッシュ動作用のバイアスであり、前記第2のバイアスは前記MIS型光電変換素子に蓄えられた信号電荷を前記信号配線に転送する転送用のバイアスであり、共通の前記制御配線に接続されている前記スイッチング素子の複数を、前記第2のバイアスで導通させて転送動作を行った後、該制御配線に接続されている前記スイッチング素子の複数を前記第1のバイアスで導通させることにより1ラインごとに前記リフレッシュ動作を行うことを特徴とする。
【0036】
本発明によれば、蓄積電荷をシフトレジスタにより任意の1ライン分(1行分)の信号電荷を転送した後から、次のラインの信号電荷を転送する前までの間に、その転送が終了したラインのMIS型光電変換素子をリフレッシュすることができる。リフレッシュは、同じシフトレジスタを用いてTFTのゲート配線に高い電圧パルスを印加することにより、TFTのゲート絶縁膜の容量を介してMIS型光電変換素子をリフレッシュする。そして、本発明では、このリフレッシュ動作を、各ラインの走査単位で、順次行うことができる。
【0037】
本発明では、読み取りフレームごとに全画素を一括でリフレッシュ動作を行うのではなく各ライン単位で順次リフレッシュしていくことができるため、リフレッシュされるMIS型光電変換素子の数は大変少なく1ライン分の画素数である。そのため各リフレッシュ単位で直後に流れる過渡電流の量は従来に比べて大変少なく、X線撮像装置のGNDや電源ラインの電圧変動がほとんどない。その結果、1ラインごとに順次繰り返して動作させることができる。更に、フレームの読み出し走査を同様に繰り返すことにより、動画像を得ることができる。
【0038】
こうして得られた動画像は、X線の照射までの待ち時間が少ないため動画のフレーム周波数が大きくなる。
【0039】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、ここでは、放射線撮像装置として、従来例と同様のMIS型光電変換素子とスイッチ素子の半導体材料にアモルファスシリコン半導体薄膜を用た光電変換素子アレイが形成された基板を有する装置を例に挙げて説明する。
【0040】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1を示すX線撮像装置の1画素分の等価回路図である。光電変換素子は、半導体光電変換層としての水素化アモルファスシリコンなどからなるi層による容量成分のCiとアモルファス窒化シリコンなどの絶縁層(両導電型のキャリアの注入阻止層)による容量成分のCSiNとで表記している。また、i層と絶縁層との接合点(図1中のノードN)は、光電変換素子が飽和状態になった時、すなわちD電極とノードNの間(i層)に電界がない(小さい)状態になった時、光によって生成された電子とホールは再結合するために、ホールキャリアがN部に蓄えることが出来なくなる。つまり、ノードNの電位はD電極の電位より高くなることはない。この飽和状態における動作を具現化するために、図1ではダイオード(D1)をCiに並列に接続している。すなわち図1において光電変換素子をCi、CSiN、D1の3つのコンポーネントで表している。
【0041】
Vsは光電変換素子のD電極にバイアスを与えるための電源である。TFTは薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)でスイッチ素子である。C2は信号配線に付加される読み出し容量である。
【0042】
FlはX線波長を可視領域波長に変換するための波長変換用の蛍光体であり、直接又は間接的にTFTと密着した位置に配置されている。蛍光体の母体材料にはGd2O2SやGd2O3などを用い、発光中心にはTb3+やEu3+など希土類元素が用いられる。またはCsI:TlやCsI:Na等、CsIを母体材料に用いた蛍光体も用いられる。
【0043】
スイッチSW−CはC2をGND電位にリセットするためのスイッチであり、RC信号により制御される。Vg(on1)はTFTをオンさせ信号電荷をC2に転送するための電源、Vg(on2)は光電変換素子をリフレッシュするための電源、Vg(off)はTFTをオフさせるための電源である。
【0044】
SW−EはVg(on1)とVg(on2)を切り替えるスイッチ、SW−DはVg(on1)又はVg(on2)とV(off)とを切り替えるスイッチである。CgはTFTのゲート電極とドレイン電極(光電変換素子側)の間に形成される容量である。
【0045】
図2は、図1に示される1画素分の回路動作を示すタイムチャートである。図1、図2を用いて、光電変換素子とTFTで構成される1画素分の回路動作を説明する。
【0046】
まず、X-ray照射期間について説明する。X線は図示したようにパルス状に照射する。被検体を透過したX線が蛍光体Flに照射され、可視光に変換される。蛍光体からの可視光は半導体層(i層)に照射され光電変換される。光電変換により生成されたホールキャリアはi層と絶縁層(注入阻止層)界面に蓄えられ、ノードNの電位を上昇させる。TFTはオフした状態なのでG電極側の電位も同じ分だけ上昇させる。なお、X-ray照射期間では、SW−DはV(off)側に、SW−Cはオフしている。
【0047】
次に転送期間について説明する。転送動作は、SW−DをVg(off)の反対側すなわちSW−E側にして、SW−EをVg(on1)側にすることにより、TFTをオン状態にする。これによりX-ray照射により蓄えられたホールキャリアの量(Sh)に対応する電子キャリア(Se)が、C2側からTFTを介しG電極側に流れ、それにより読み出し容量C2の電位を上昇させる。この時、SeとShの関係は、Se=Sh×CSiN/(CSiN+Ci)である。C2の電位は同時にアンプを介し増幅して出力される。TFTは信号電荷を充分に転送するに足りる時間だけオンさせ、やがてオフさせる。
【0048】
次にリフレッシュ動作について説明する。図3はノードNとG電極およびTFTのゲート電極の電位を表すタイムチャートである。例として、Vs=9(V)、Vg(off)=−5(V)、Vg(on1)=12(V)、Vg(on2)=30(V)とする。
【0049】
リフレッシュ動作は、SW−DをSW−E側、SW−EをVg(on2)側、そしてSW−Cを導通させる。TFTのゲートバイアスがVg(off)=−5(V)からVg(on2)=30(V)に、ΔV=35Vの電位差を与えた場合、瞬間的に光電変換素子のG電極、ノードNの電位は上昇する。これは、Cg、CSiN、Ciの容量により35Vのバイアス印加により電荷が各容量に分配される(チャージシェア)。G電極、ノードNの電位の上昇量は、Cg、CSiN、Ciの容量により決定されるが、ノードNの電位は、D1により9V以上に上昇することはない。ノードNの電位が9Vを上回るようなVg(on2)電圧を与えた場合、ノードNは9Vを維持しながらホールキャリアがD電極側にリフレッシュされることになる。チャージシェアにより一度上昇したG電極は、その後TFTのオン抵抗Ronと光電変換素子の容量((CSiN//Ci):CSiNとCiの直列合成容量)で決定される時定数でGND電位に減衰する。同時にノードNもG電極と同様に減衰する。ノードNの減衰量ΔVNはG電極の減衰量ΔVGに対しΔVN/ΔVG=CSiN/(CSiN+Ci)となる。ノードNの減衰量ΔVNは、次回の光電変換動作で蓄えられるホールキャリアの量を決定する。ノードNとG電極およびTFTのゲート電極の電位を表すタイムチャートを図3に示しておく。
【0050】
最後にリセット動作について説明する。リセット動作はSW−Cをオンさせ、C2をGND電位にリセットし、次回の転送動作に備える。なお、図18ではwait期間を記述しているが図2では記述していない。その理由について図3、4を用いて説明する。
【0051】
図4は、本発明の実施形態1を示すX線撮像装置に含まれる光電変換装置の2次元的回路図である。説明を簡単化するために3×3=9画素分で記載してある。S1-1〜S3-3は光電変換素子、T1-1〜T3-3はスイッチ素子(TFT)、G1〜G3はTFTをオン/オフさせるためのゲート配線、M1〜M3は信号配線、Vs線は光電変換素子に蓄積バイアスを与えるための配線である。光電変換素子の黒く塗りつぶされた側の電極はG電極であり、対向側はD電極である。D電極は、Vs線の一部と共有しているが、光を入射させる都合上、薄いN+層をD電極として利用している。S1-1〜S3-3、T1-1〜T3-3、G1〜G3、M1〜M3、Vs線、これらを総じて光電変換回路部と称する。Vs線は、電源Vsによりバイアスされる。SR1はG1〜G3に駆動用のパルス電圧を与えるシフトレジスタであり、TFTをオンさせる電圧は外部から供給され、2種類の外部電源であるVg(on1)、Vg(on2)がSW−Eにより選択される。読み出し用回路部は、光電変換回路部内のM1〜M3の並列信号出力を増幅し、直列変換して出力する。RES1〜RES3はM1〜M3をリセットするスイッチ、A1〜A3ははM1〜M3の信号を増幅するアンプ、CL1〜CL3はA1〜A3で増幅された信号を一時的に記憶するサンプルホールド容量、Sn1〜Sn3はサンプルホールドするためのスイッチ、B1〜B3はバッファアンプ、Sr1〜Sr3は並列信号を直列変換するためのスイッチ、SR2は、Sr1〜Sr3に直列変換するためのパルスを与えるシフトレジスタ、Abは直列変換された信号を出力するバッファアンプである。
【0052】
図5は、図4の光電変換装置の動作を示すタイムチャートであり、2フレーム分の動作を表している。図4の光電変換装置の動作について図5のタイムチャートを用いて説明する。
【0053】
まず、光電変換期間について説明する。全光電変換素子のD電極は読み取り用電源Vs(正電位)にバイアスされた状態にある。シフトレジスタSR1の信号はすべて“Lo”であり、スイッチング用の全TFT(T1-1〜T3-3)がオフしている。この状態で光源がパルス的にオンすると、それぞれの光電変換素子のD電極(N+電極)に光が照射され、光電変換素子のi層内で電子とホールのキャリアが生成される。電子はVsによりD電極に移動するが、ホールは光電変換素子内のi層と絶縁層の界面に蓄えられ、電源がオフ後も保持される。
【0054】
次に読み出し期間について説明する。読み出し動作は、1行目のS1-1〜S1-3、次に2行目のS2-1〜S2-3、次に3行目のS3-1〜S3-3の順で行われる。まず、1行目のS1-1〜S1-3を読み出しするためにT1-1〜T1-3のスイッチ素子(TFT)のゲート配線G1にSR1からゲートパルスを与える。この時ゲートパルスのハイレベルは、外部から供給されているVg(on1)の電圧である。これにより、T1-1〜T1-3がオン状態になり、S1-1〜S1-3に蓄積されていた信号電荷が、信号配線M1〜M3に転送される。信号配線M1〜M3には、特に図4中記載していないが読み出し容量が付加されており、信号電荷はTFTを介し、読み出し容量に転送されることになる。例えば信号配線M1に付加されている読み出し容量は、M1に接続されているT1-1〜T3-1各TFTのゲートソース間の電極間容量(Cgs)の総和(3個分)であり、図1におけるC2に相当する。M1〜M3に転送された信号電荷は、アンプA1〜A3で増幅される。そしてCRES信号をオンさせることにより、サンプルホールド容量CL1〜CL3に転送され、CRES信号をオフするとともにホールドされる。次にシフトレジスタSR2からスイッチSr1、Sr2、Sr3の順番で、パルスを印加することにより、CL1〜CL3にホールドされていた信号が、CL1、CL2、CL3の順でアンプAbから出力される。結果としてS1-1、S1-2、S1-3の1行分の光電変換信号が順次出力される。2行目のS2-1〜S2-3の読み出し動作、3行目のS3-1〜S3-3の読み出し動作も同様に行われる。
【0055】
1行目のSMPL信号によりM1〜M3の信号をCL1〜CL3にサンプルホールドすれば、S1-1〜S3-1の信号は、光電変換回路部からは出力されたことになる。従って、読み出し用回路部内でSr1〜Sr3により直列変換されている最中に、光電変換回路部内のS1-1〜S3-1のリフレッシュ動作とM1〜M3のリセット動作を行うことができる。
【0056】
S1-1〜S3-1のリフレッシュ動作は、CRES信号によりRES1〜RES3のスイッチを導通状態にして、TFTのゲート配線に電圧Vg(on2)を印加する。電圧Vg(on2)は電圧Vg(on1)よりも、高く設定している。その後、RES1〜RES3のスイッチを導通状態のまま、TFTをオフし、信号配線M1〜M3の読み出し容量をGND電位にリセットする。M1〜M3のリセット終了後、G2のゲートパルスを印加することができる。すなわち1行目の信号をSR2により直列変換動作をする間に、光電変換回路部の中で、同時に光電変換素子S1-1〜S1-3をリフレッシュし、M1〜M3をリセットし、そして2行目のS2-1〜S2-3の信号電荷をSR1によりM1〜M3に転送することが可能となる。
【0057】
以上の動作により、第1行から第3行全ての光電変換素子の信号電荷を出力することができる。
【0058】
以上で述べた光電変換期間と読み出し期間を繰り返すことにより、連続した動画像を取得することができる。本実施形態で示したタイムチャートが、従来例で示した図20のタイムチャートと異なるところは、リフレッシュ期間を設けていないところであり、その分だけ動画像を取得する際のフレーム周波数を大きくできるメリットがある。また、従来例では、すべての光電変換素子を一括でリフレッシュしていたため、リフレッシュ時の暗電流成分による、GNDや電源などの変動を緩和させるためのwait期間を設ける必要があった。本実施形態では、各行単位でリフレッシュしているために、一度にリフレッシュする光電変換素子の数がはるかに少ないため、特別にwait期間を設ける必要がなく、その分だけ動画のフレーム周波数を大きくできる可能性がある。
【0059】
(実施形態2)
図6は本発明の実施形態2を示すX線撮像装置の動作を示すタイムチャートである。図2のタイムチャートにおいてはX線がパルス的な照射方法であるのに対し、図6では、X線を連続して(直流的に)照射している。この場合光電変換期間とは、リフレッシュが終了してから転送を開始するまでの間である。実際の医療用X線撮像装置は(N行×M列)の多数の画素で構成されている。例えば1行目の光電変換素子にとっては、自らの光電変換素子の転送、リフレッシュ、リセットを除いた、2行目からN行目までのN−1行分の読み出し期間が、実質上光電変換期間となる。他の行の光電変換素子にとっても同様で、自らの光電変換素子の転送、リフレッシュ、リセットを除いた、N−1行分の読み出し期間が、実質上光電変換期間となる。例えば100行目の光電変換素子にとっては、101行目からN行目までの読み出し期間と次フレームにおける1行目から99行目までの読み出し期間の合計、すなわちN−1行分の読み出し期間が、実質上光電変換期間となる。つまりX線を直流的に照射した本実施形態では、光電変換期間が2フレーム分にまたがってしまうが、光電変換期間はすべて同じになり、何ら特異なことは生じない。
【0060】
本実施形態においては、X線照射期間すなわち図2あるいは図5における光電変換期間が省けるために動画のフレームレートを更に大きくできるメリットがある。また、パルス照射方法に比べ、X線の強度を弱くすることができるためX線源の管球や電源への負担を軽減できるメリットがある。
【0061】
(実施形態3)
図7は本発明の実施形態3を示すX線撮像装置の動作を示すタイムチャートである。図6のタイムチャートにおいては光電変換素子をリフレッシュしてからその後M1〜M3のリセットするのに対し、図7では、光電変換素子のリフレッシュ動作とM1〜M3のリセット動作を同時に行っている。
【0062】
リフレッシュ動作、リセット動作ともにCRES制御信号(RC制御信号)により図1におけるスイッチSW−C、図4におけるスイッチRES1〜RES3を導通状態にすることが必要条件であるために、リフレッシュ動作とリセット動作を同時に行うことができる。本実施形態においてもX線は直流的に照射しているため実施形態2と同様、自らの光電変換素子の転送、リフレッシュ、リセットを除いたN−1行分の読み出し期間が、実質上の光電変換期間となる。
【0063】
本実施形態においては、図6におけるリセット期間が省けるために、実施形態2に比べて、動画のフレームレートを更に大きくできるメリットがある。また実施形態2と同様に、実施形態1に比べてX線の強度を弱くすることができるためX線源の管球や電源への負担を軽減できるメリットがある。
【0064】
(実施形態4)
図8は本発明の実施形態4を示すX線撮像装置の1画素分の等価回路図である。図1の回路図においては光電変換素子のD電極を一定の電圧Vsでバイアスしているのに対し、図8では、電圧Vsと電圧VrefをスイッチSW−Fにより切り替え可能にしている。本実施形態の特徴は、光電変換素子のリフレッシュ動作をさせるための印加電圧を、G電極側から与えるかD電極側から与えるかを選択できる点にある。例えば、1枚の静止画像を取得する場合は、D電極側からリフレッシュ用バイアスを与える方法すなわち図18のタイムチャートで動作させ、一方、複数枚の静止画像を取得する場合は、G電極側からリフレッシュ用バイアスを与える方法すなわち図2で示すタイムチャートで動作させる。本実施形態では、ひとつのX線撮像装置で、従来の静止画像を撮影するモード(撮影モードまたは静止画モード)と、動画の画像を取得するモード(透視モードまたは動画モード)の両方の撮影が可能となる。
【0065】
図9は、本発明の実施形態4を示すX線撮像装置の2次元的回路図である。図9の回路図において、図4と異なる点は、センサのバイアスラインをVs電圧とVref電圧をVSC制御信号により切り替え可能にしていることである。図10は透視モード(動画モード)から撮影モード(静止画モード)へ遷移し、撮影を行うタイミングチャートの略図である。また、図11は、透視モードにおける図9の回路図の動作を示すタイミングチャートである。つまり透視モードにおいては、図10のタイミング動作を繰り返している。この期間、撮影者は、静止画像を撮影のための被写体(患者)の位置や角度を決めるために、患者の透視画像をモニターしている。一般的にこの期間中のX線量は弱めに照射している。撮影者が、装置に曝射要求信号(静止画像を撮影する意思信号)を発令すると、透視モードから撮影モードに遷移する。撮影モードにおける動作タイミングは図20で示されるタイミングチャートと同じである。
【0066】
また透視モードと撮影モードの流れは、図10に示すのように撮影モードが1回だけとは限らず、撮影する被写体の撮影構図に応じ、透視モード→撮影モード→透視モード→撮影モード・・・と繰り返してもよい。
【0067】
図12は、図10の透視モードにおけるタイミングチャートが、図11とは異なる例である。図11との違いは、X線をパルス状に照射させないことである。こうすることにより、読み出し期間と光電変換期間を同時に行うことができるため、透視モードにおける動作周波数を大きくできる長所がある。またX線をパルス状に動作させないため、X線発生源に対する負荷を軽減できる長所もある。
【0068】
本発明を透視装置に応用した場合において、透視モードにおいてはTFTのゲートからのリフレッシュを行いながら連続画像を取得し、透視によって位置決めが完了し静止画撮影モードに遷移した際には、SW−Fからのリフレッシュを行うことによって高いSNの静止画像を得るよう構成することができる。つまり、一般にTFT側からのリフレッシュよりもSW−F側からのリフレッシュの方が、リフレッシュ効率が高く,S/Nもよい。S/Nが比較的悪くてもよい透視位置決め画像を撮影する際にTFTのゲートからのリフレッシュを採用し、S/Nが高く高画質を要求される静止画撮影する際には、SW−F側からのリフレッシュを採用することは理にかなっている。
【0069】
(実施形態5)
図13は、本発明による放射線撮像装置のX線診断システムへの適用例を示したものである。
【0070】
X線チューブ6050で発生したX線6060は患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、放射線撮像装置(イメージセンサ)6040に入射する。この入射したX線には被験者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応して蛍光体によって可視光に変換し、これを光電変換して、電気信号を得る。この電気信号はディジタル変換されイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室のディスプレイ6080で観察できる。
【0071】
また、この画像情報は電話回線6090等の伝送手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなどディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。またフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
【0072】
以上の実施形態では、X線撮像システムを例に説明したが、α,β,γ線等の放射線を光に変換し、この光を光電変換する装置構成としても、同様である。
【0073】
また、本発明の光電変換素子アレイは、通常の可視光や赤外光を検出する撮像装置に用いることもできる。
【0074】
本発明に用いることができるスイッチ素子としては、水素化アモルファスシリコンなどの非単結晶半導体を用いてチャネル領域を形成した薄膜トランジスタが好ましく用いられ、その形態は下ゲートスタガー型に限定されることはなく、上ゲートスタガー型、上ゲートコプラナー型などであってもよい。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の放射線撮像装置によれば、光電変換画素を各ライン単位で順次リフレッシュしていくことができ、GNDや電源ラインの電圧変動を抑え、フレーム毎のwait期間を無くしたので、従来にない高速のX線動画撮影が達成できる。しかも、アモルファスシリコン半導体を主材料に用いれば、光電変換素子とスイッチ素子を同一基板上に、同時に成膜するといった非常に簡単なプロセスで作成できるため、歩留まりもよく、非常に安価なX線撮像装置を提供できる。しかも得られた動画像は、光電変換された電気信号として取り出せるためディジタル化が容易である。ディジタル情報は記録、表示、診断の面で、アナログ情報を扱う場合と比べて、非常に時間的にもコスト的にも効率が高くなる効果がある。そして、将来の高齢化社会、IT社会の中で、現在より更に質の高い医療環境を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示すX線撮像装置の1画素分の等価回路図
【図2】図1に示される1画素分の回路動作を示すタイムチャート
【図3】図1のリフレッシュ期間における光電変換素子のノードNとG電極およびTFTのゲート電極の電位を表すタイムチャート
【図4】本発明の実施形態1を示すX線撮像装置に含まれる光電変換装置の2次元的回路図
【図5】図4の光電変換装置の動作を示すタイムチャート
【図6】本発明の実施形態2を示すX線撮像装置の駆動を示すタイムチャート
【図7】本発明の実施形態3を示すX線撮像装置の駆動を示すタイムチャート
【図8】本発明の実施形態4を示すX線撮像装置の1画素分の等価回路図
【図9】本発明の実施形態4を示すX線撮像装置に含まれる光電変換回路部の2次元的回路図
【図10】実施形態4を示す透視モードと撮影モードの動作タイミングの略図
【図11】図10における透視モードのタイミングチャート
【図12】図10における透視モードの他のタイミングチャート
【図13】本発明による放射線撮像装置のX線診断システムへの適用例を示す図
【図14】光電変換素子とスイッチ素子の材料にアモルファスシリコン半導体薄膜を用いて構成した従来の光電変換基板の上面図
【図15】図14のA−Bでの断面図
【図16】図14,15における光電変換素子のデバイス動作を説明するためのエネルギーバンド図
【図17】光電変換素子とTFTで構成される従来の光電変換回路の1画素分の回路図
【図18】図17に示される1画素分の回路の動作を示すタイムチャート
【図19】従来の光電変換装置の2次元的回路図
【図20】従来の光電変換装置の動作を示すタイムチャート
【符号の説明】
A1〜A3,B1〜B3,Ab バッファアンプ
Fl X線を可視光に変換する蛍光体
G1〜G3 ゲート駆動配線
M1〜M3 マトリクス信号配線
RES1〜RES3 M1〜M3に形成される負荷容量をリセットするスイッチ
S1-1〜S3-3 光電変換素子
T1-1〜T3-3 スイッチ素子
Sn1〜Sn3 読み出し容量に信号を転送するための転送スイッチ
Sr1〜Sr3 読み出し容量の信号を順次読み出すための読み出し用スイッチ
SR1 シフトレジスタ(スイッチ素子用)
SR2 シフトレジスタ(読み出しスイッチ用)
Vref 光電変換素子のリフレッシュ電源
Vs 光電変換素子のバイアス電源
101 光電変換素子
102 スイッチ素子(TFT)
103 絶縁基板
104 第1の金属薄膜層
105 第2の金属薄膜層
106 ゲート駆動用配線
107 マトリクス信号配線
110 コンタクトホール部
111 a−SiN絶縁薄膜層
112 a−Si半導体薄膜層
113 N+層
114 配線クロス部
115 保護膜
Claims (12)
- 基板上に2次元状に配置された、それぞれMIS型光電変換素子とスイッチング素子とを含む画素の複数と、
複数の前記スイッチング素子の制御電極に接続された制御配線の複数と、
複数の前記MIS型光電変換素子からの信号を読み出す信号配線の複数と、を備えた光電変換素子アレイと、
前記スイッチング素子の導通を制御するために前記スイッチング素子の前記制御電極に印加されるバイアスを少なくとも第1のバイアスと第2のバイアスのいずれかに切り換えるためのバイアス切り換え手段と、を有し、
前記第1のバイアスは、前記MIS型光電変換素子に残留したキャリアを掃き出すリフレッシュ動作用のバイアスであり、前記第2のバイアスは前記MIS型光電変換素子に蓄えられた信号電荷を前記信号配線に転送する転送用のバイアスであり、
共通の前記制御配線に接続されている前記スイッチング素子の複数を、前記第2のバイアスで導通させて転送動作を行った後、該制御配線に接続されている前記スイッチング素子の複数を前記第1のバイアスで導通させることにより1ラインごとに前記リフレッシュ動作を行うことを特徴とする放射線撮像装置。 - 前記バイアス切り換え手段は、更に前記スイッチング素子を非導通にするために前記制御電極に印加される第3のバイアスに切り換えることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
- 前記第1のバイアスと第2のバイアスにおいて、前記第1のバイアス>第2のバイアス、であることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線撮像装置。
- 前記基板上に配置したMIS型光電変換素子及びスイッチング素子の材料としてアモルファスシリコン半導体を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放射線撮像装置。
- 前記MIS型光電変換素子と前記スイッチング素子は、同一基板上に同一工程によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放射線撮像装置。
- 前記MIS型光電変換素子は、前記基板側から下部電極として第1の金属薄膜層、エレクトロンおよびホールの通過を阻止するアモルファス窒化シリコン絶縁層、水素化アモルファスシリコン光電変換層、ホールの注入を阻止するN型の注入阻止層、上部電極として透明導電層または前記注入阻止層上の一部に配置した第2の金属薄膜層で構成され、
前記スイッチング素子は、前記MIS型光電変換素子と同一の基板上に形成されると共に、前記基板側から下部ゲート電極として第1の金属薄膜層、アモルファス窒化シリコンのゲート絶縁層、水素化アモルファスシリコンの半導体層、N型のオーミックコンタクト層、ソース、ドレインの電極として透明導電層または第2の金属薄膜層で構成され、
リフレッシュモードでは、前記MIS型光電変換素子に対しホールキャリアを前記光電変換層から第2の金属薄膜層に導く方向に電界を与え、光電変換モードでは、前記MIS型光電変換素子に対し前記光電変換層に入射した光により発生したキャリアを前記光電変換層に留まらせエレクトロンを前記第2の金属薄膜層に導く方向に電界を与える電源部を有し、
前記光電変換モードにより前記光電変換層に蓄積されるホールもしくは前記第2の金属薄膜層に導かれたエレクトロンを光信号として検出する読み出し用回路部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放射線撮像装置。 - 更に、放射線を波長変換する波長変換体を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の放射線撮像装置。
- 前記波長変換体は、Gd2O2S、Gd2O3、CsIのいずれかを主成分とすることを特徴とする請求項7記載の放射線撮像装置。
- 更に、前記光電変換素子にバイアスを印加するバイアス配線を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の放射線撮像装置。
- 被験者または被験物に放射線を照射するための放射線源と、
この放射線を検出する請求項1〜9のいずれかに記載の放射線撮像装置と、
この検出された信号をディジタル変換して画像処理する画像処理手段と、
この処理された画像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする放射線撮像システム。 - 放射線撮像装置の駆動方法であって、
該放射線撮像装置は、基板と、それぞれMIS(Metal Insulator Semiconductor)型光電変換素子とスイッチング素子とを含み、該基板上に2次元状に配された、複数の画素と、複数の前記スイッチング素子の制御電極に接続された複数の制御配線と、複数のMIS型光電変換素子からの信号を読み出すための複数の信号配線と、前記スイッチング素子の導通を制御するために複数の前記スイッチング素子の前記制御電極に印加されるバイアスを少なくとも第1のバイアスと第2のバイアスのいずれかに切り換えるためのバイアス切り換え手段を含み、
前記第1のバイアスを前記制御配線に接続された複数の前記スイッチング素子の前記制御電極に与えることにより1ラインごとに前記MIS型光電変換素子に残留したキャリアを掃き出すリフレッシュ動作を行い、
前記第2のバイアスを前記制御配線に接続された複数の前記スイッチング素子の前記制御電極に与えることにより1ラインごとに前記MIS型光電変換素子に蓄えられた信号電荷を前記信号配線に転送する
ことを特徴とする放射線撮像装置の駆動方法。 - 動画モードでは、前記スイッチング素子の制御電極に印加される前記バイアスを切り換えることによって、前記MIS型光電変換素子からのキャリアの掃き出しを行い、
静止画モードでは、前記MIS型光電変換素子に接続されたバイアス配線に印加されるバイアスを切り換えることによって、前記MIS型光電変換素子のキャリアの掃き出しを行うことを特徴とする請求項11に記載の放射線撮像装置の駆動方法。
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