JP3885285B2 - パターン形成したセラミックスグリーンシートの製造法 - Google Patents

パターン形成したセラミックスグリーンシートの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は微細パターンを形成したセラミックスグリーンシートの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置用のセラミックスパッケージの内部配線である導体回路は、一般にW、Mo−Wからなる導体ペーストをセラミックス基板にスクリーン印刷し、次いで、各層を熱圧着して積層品とした後、1500〜1600℃で還元雰囲気で同時焼成して形成するが、配線回路パターンを微細化することは容易でなかった。そのうえ、近年の半導体素子の高集積化の要求のため、一例としてピン・グリッド・アレイタイプのパッケージのピン数は500以上の要求があり従来のスクリーン印刷法の量産レベルにおいては、内部配線は線幅80μm、間隔50μm程度であった。また、スクリーン印刷法で形成された配線の断面形状は凸型あるいは凹型となり頂部に平らな部分の少ない傾向がある。そのため、半導体素子を搭載してワイヤボンディングするセラミックスパッケージでは配線幅が狭いと、頂部の平らな部分がほとんどなくなりワイヤボンディングする際、滑りの不具合が生じる問題があった。
【0003】
これに対して、特開昭63−265979号公報、特開平5−67405号公報および特開平5−204151号公報に記載のようにフォトリソグラフィ(写真製版技術)法を利用して微細な導体パターン形成ができる感光性導体ペーストが提案されている。この感光性導電ペーストは銅、金、タングステンあるいは銀などの導体粉末、感光性樹脂、光開始剤および溶剤などを含んだ組成物のペーストからなる。このペーストを焼成後のセラミックス基板などにスクリーン印刷法で塗布した膜を乾燥後、回路パターンを有するフォトマスクを用いて紫外線を照射、露光部を硬化する。しかしながら、焼成していない従来のグリーンシートに感光性導電ペーストを用いて導体パターンを形成しようとする場合には、グリーンシートの耐薬品性や耐溶解性が劣るために導電ペーストに含有される有機溶媒とグリーンシート中のポリマーバインダーとが反応し、現像時に未露光部の除去が非常に難しいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記欠点のないパターン形成したセラミックスグリーンシートの製造方法について鋭意検討した結果、次の発明に到達した。特に、本発明の目的はグリーンシート上に回路パターンを作成する場合において、歩止まりを向上させ、配線設計が容易で、かつ従来のスクリーン印刷法では形成困難な80μm以下の微細パターンを形成することが可能なセラミックスグリーンシートの製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、フィルム上に以下の組成を有する感光性導電ペーストを塗布し、塗布後の前記ペーストを露光し、次いで0.1〜5重量%のアミン化合物を有する有機アルカリ水溶液で現像し、パターンを形成した後、該パターンをセラミックスグリーンシート上に転写することを特徴とするパターン形成したセラミックスグリーンシートの製造法である。
導電性粉末 60〜98重量%
感光性樹脂 2〜40重量%
光重合開始剤 0.05〜30重量%
有機レベリング剤 0.1〜10重量%
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を具体的に説明する。
【0007】
(回路パターン)
本発明に用いるグリーンシート上に形成する回路パターンは、ノートパソコンや携帯電話に実装されるMCM(マルチ・チップ・モジュール)用基板の電極、CSP(チップ・サイズ・パッケージ)用基板の電極をはじめ、チップインダクタ、チップコンデンサなどのチップ部品の電極、モジュール基板の電極、またプラズマアドレス液晶用電極、プラズマディスプレイパネル用電極などに好ましく用いられるが、これらに限定されない。
【0008】
(フィルム)
本発明に用いる転写用フィルムは、公知のものであればとくに限定はないが、一般的にはポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルムなどが用いられる。本目的のフィルムとしては転写や露光・現像時のハンドリング性に優れ、適度な離型性を有するフィルムが好ましい。とりわけ、フィルムとして、耐熱性、耐久性に優れ、パンチング性がよく、汎用で安価なポリエステルフィルムを用いるのが好ましい。この様な転写フィルムの物性としては次の範囲で選択するのが好ましい。
【0009】
(A)フィルム厚み ;25〜300μm
(B)引っ張り強度 ;3000〜5000MPa
(C)表面粗さ(Ra);0.02〜0.15μm。
【0010】
上記のフィルムには、表面にワックスコート、メラミンコートあるいはシリコンコートなどの離型処理が施されることが必要である。離型剤処理方法は、離型剤溶液をフィルム上にバーコート、ディップコート、スピンコートなどの一般的な方法で塗布し、乾燥を90〜160℃、10〜300秒で行う。一定厚みに塗布された溶液は乾燥後、溶媒部分が揮発して離型剤による離型層が形成される。離型層の厚みは、1〜10nmであることが好ましい。離型層の厚みは、離型剤溶液の濃度と、塗布膜の厚みに依存する。たとえば、濃度0.1%の離型剤溶液をフィルム上に、塗布すると厚さ10nmの離型層が形成されることになる。離型層は10nm以下が望ましく、上記において離型材溶液の濃度は0.005〜0.1%の範囲にすることによって、この厚みを得ることができる。このときの剥離強度は3〜7N/24mmの範囲であることが好ましい。離型層があまり厚いと、離型強度が低くなり、ペーストを塗布する際に反発性が高すぎて良好なパターンが形成できない。
【0011】
本発明に用いる感光性導電ペーストは、導電性粉末、感光性樹脂、光重合開始剤などを含有する。
【0012】
(導電性粉末)
感光性導電ペースト中にはW、Mo、Cu、Ag、Pd、Au、Ni、Ptの群から選ばれる少なくとも1種類を含む導電性粉末が含まれることが好ましい。また導電性粉末は、貴金属、もしくは合金、もしくはコート体、もしくは複合体、もしくは混合体であることが好ましい。本発明で使用する感光性導電ペーストに用いる導電粉末としての具体的な例として、Cu系導電体粉末、例えばCu(97〜70)−Ag(3〜30)、Cu(95〜60)−Ni(5〜40)、Cu(90〜70)−Ag(5〜20)−Cr(3〜15)(以上()内は重量%を示す。以下同様)などの2元系あるいは3元系の混合金属粉末が用いられる。この中でCu−Ag粉末が好ましく、その中でもCuの表面を3〜30重量%のAgでコートした粉末がCuの酸化を抑えることができるので特に好ましい。
【0013】
Au、Ag、Pd、Pt系導電体粉末としては、例えばAg(30〜97)−Pd(70〜3)、Ag(40〜70)−Pd(60〜10)−Pt(5〜20)、Ag(30〜80)−Pd(60〜10)−Cr(5〜15)、Pt(20〜40)−Au(60〜40)−Pd(20)、Au(75〜80)−Pt(25〜20)、Au(60〜80)−Pd(40〜20)、Ag(40〜95)−Pt(60〜5)、Pt(60〜90)−Rh(40〜10)などの2元系あるいは3元系の混合金属粉末が用いられる。
【0014】
W、Mo、Mn系導電体粉末としては、例えばW(92〜98)−TiB2(8〜2)、W(92〜98)−ZrB2(2〜8)、W(92〜98)−TiB2(1〜7)−ZrB2(1〜7)、W(95〜60)−TiN(5〜60)、W(90〜60)−TiN(5〜35)−TiO2(2〜10)、W(90〜60)−TiN(5〜35)−TiO2(2〜10)−Ni(1〜10)、W(99.7〜97)−AlN(0.3〜3)、W(10〜90)−Mo90〜10)、W(92〜98)−Al223(8〜2)、Mo(92〜98)−TiB2(8〜2)、Mo(92〜98)−ZrB2(8〜2)、Mo(92〜98)−TiB2(1〜7)−ZrB2(1〜7)、Mo(90〜60)−TiN(5〜35)−TiO2(2〜10)、Mo(90〜60)−TiN(5〜35)−TiO2(2〜10)−Ni(1〜10)、Mo(99.7〜97)−AlN(0.3〜3)、Mn(50〜90)−Mo(10〜50)、Mo(60〜90)−Mn(40〜10)−SiO2(0〜20)、W(30〜90)−Mo(30〜70)−Mn(3〜30)などの2元系あるいは3元系の混合金属粉末が用いられる。
【0015】
(感光性樹脂)
本発明で使用する感光性導電ペーストに用いられる感光性樹脂としては、従来から公知の光硬化性樹脂組成物を適用することができる。これらの光硬化性樹脂組成物からなる感光層は活性な光線を照射することにより不溶化する層である。光硬化性樹脂組成物の例としては、
(1)1分子に不飽和基などを1つ以上有する官能性のモノマーやオリゴマーを適当なポリマーバインダーと混合したもの
(2)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機ハロゲン化合物などの感光性化合物を適当なポリマーバインダーと混合したもの
(3)既存の高分子に感光性の基をペンダントさせることにより得られる感光性高分子あるいはそれを改質したもの
(4)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物などいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの
などがあげられる。
【0016】
特に好ましい光硬化性樹脂組成物は、側鎖または分子末端にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体および光反応性化合物を含有するものであり、このアクリル系共重合体は、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物とを共重合させて形成したアクリル系共重合体にエチレン性不飽和基を側鎖または分子末端に付加させることによって製造することができる。好ましいのは、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するものである。
【0017】
不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物などがあげられる。一方、エチレン性不飽和化合物の具体的な例としては、メチルアクリラート、メチルメタアクリラート、エチルアクリラート、エチルメタクリラート、n−プロピルアクリラート、イソプロピルアクリラート、n−ブチルアクリラート、n−ブチルメタクリラート、sec−ブチルアクリラート、sec−ブチルメタクリラート、イソ−ブチルアクリラート、イソブチルメタクリラート、tert−ブチルアクリラート、tert−ブチルメタクリラート、n−ペンチルアクリラート、n−ペンチルメタクリラート、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレンなどがあげられるが、これらに限定されない。これらのアクリル系主鎖ポリマの主重合成分として前記のエチレン性不飽和化合物の中から少なくともメタクリル酸メチルを含むことによって熱分解性の良好な共重合体を得ることができる。
【0018】
側鎖または分子末端のエチレン不飽和基としてはビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。このような側鎖をアクリル系共重合体に付加させる方法としては、アクリル系共重合体中のカルボキシル基にグリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド化合物を付加反応させて作る方法がある。
【0019】
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどがあげられる。また、アクリル酸クロライド化合物としては、アクリル酸クロライド、メタアクリル酸クロライド、アリルクロライドなどが挙げられる。これらのエチレン性不飽和化合物あるいはアクリル酸クロライド化合物の付加量としては、アクリル系共重合体中のカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.8モル当量である。エチレン性不飽和化合物の付加量が0.05当量未満では感光特性が不良となりパターンの形成が困難になる傾向となり、付加量が1モル当量より大きい場合は、未露光部の現像液溶解性が低下したり、塗布膜の硬度が低くなる傾向となる。
【0020】
これらの光硬化性樹脂組成物中には、非感光性ポリマーを含有してもよい。非感光性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート樹脂などがあげられる。
【0021】
光反応性化合物は光反応性を有する炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例としてアリルアクリラート、ベンジルアクリラート、ブトキシエチルアクリラート、ブトキシトリエチレングリコールアクリラート、シクロヘキシルアクリラート、ジシクロペンタニルアクリラート、ジシクロペンテニルアクリラート、2−エチルヘキシルアクリラート、グリセロールアクリラート、グリシジルアクリラート、ヘプタデカフロロデシルアクリラート、2−ヒドロキシエチルアクリラート、イソボニルアクリラート、2−ヒドロキシプロピルアクリラート、イソデキシルアクリラート、イソオクチルアクリラート、ラウリルアクリラート、2−メトキシエチルアクリラート、メトキシエチレングリコールアクリラート、メトキシジエチレングリコールアクリラート、オクタフロロペンチルアクリラート、フェノキシエチルアクリラート、ステアリルアクリラート、トリフロロエチルアクリラート、アリル化シクロヘキシルジアクリラート、ビスフェノールAジアクリラート、1,4−ブタンジオールジアクリラート、1,3−ブチレングリコールジアクリラート、エチレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、トリエチレングリコールジアクリラート、ポリエチレングリコールジアクリラート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリラート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリラート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリラート、グリセロールジアクリラート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリラート、ネオペンチルグリコールジアクリラート、プロピレングリコールジアクリラート、ポリプロピレングリコールジアクリラート、トリグリセロールジアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラートおよび上記のアクリラートをメタクリラートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
【0022】
側鎖または分子末端にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体は、光反応性化合物に対して、通常重量比で0.1〜10倍量、好ましくは0.5〜5倍量用いる。アクリル系共重合体の量が少なすぎると、スラリーの粘度が小さくなり、スラリー中での分散の均一性が低下するおそれがある。一方、アクリル系共重合体の量が多すぎれば、未露光部の現像液への溶解性が不良となる傾向となる。
【0023】
(光重合開始剤)
本発明で使用する感光性導電ペーストに用いる光重合開始剤としての具体的な例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジル−メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエ−テル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラ−ケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホルフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン及びエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
【0025】
このような感光性導電ペースト中における光硬化性樹脂組成物、とりわけとくに好ましく使用されるアクリル系共重合体と光反応性化合物とを使用した場合、それらと光重合開始剤の組成は、次の範囲で選択するのが好ましい。
【0026】
(b1)側鎖または分子末端にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体;40〜90重量%
(b2)光反応性化合物;10〜60重量%
(c)光重合開始剤;(b1)、(b2)の和に対して5〜50重量%
上記においてより好ましくは、(b1)および(b2)成分の組成をそれぞれ50〜80重量%、20〜50重量%の範囲に選択するのがよい。この範囲にあると紫外線露光時において、光硬化の機能が十分発揮され、後の現像時における耐薬品性や耐溶解性が向上するので好ましい。また上記において(b2)成分の光反応性化合物が60重量%を超えると特に、窒素ガスの中性雰囲気や水素ガス雰囲気中で感光性樹脂組成物であるバインダを蒸発させる場合に、脱バインダー性が低下するため絶縁抵抗や強度の低下などの問題を生ずる。10重量%未満では、感度が低下するので光硬化させるのに露光量が多く必要になる問題がある。また上記において(c)成分の光重合開始剤は、(b1)、(b2)の和に対して5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは、5〜40重量%、さらに好ましくは、5〜30重量%である。光重合開始剤の量が5重量部以下であると、塗膜の底部まで、光硬化を行うことが困難になり、一方、添加量が、50重量%より多くなると焼成時の脱バインダが困難になる。
【0027】
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例として、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミニベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス (ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオ−テトラゾーラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオ−テトラゾールなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感光性導電ペーストに添加する場合、その添加量は光硬化性樹脂組成物に対して通常0.05〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。本発明においては高精細なパターンを形成するため、表面平坦性の優れた塗布膜が形成できる公知の有機レベリング剤が添加される。有機レベリング剤としては有機系の界面活性剤や、高沸点芳香族、ケトン、エステル、−OH基を有するシリコーン樹脂およびビニル基を有するシリコーン樹脂なども好ましく使用される。より好ましくはノニオン系の界面活性剤を用いる。レベリング剤の具体的な例としては、分子量が300〜3000の特殊ビニル系重合物、特殊アクリル系重合物を石油ナフサ、キシロール、トルエン、酢酸エチル、1−ブタノール、およびミネラルターペンなどの溶媒に溶解させた“ディスパロン”(L−1980−50、L−1982−50、L−1983−50、L−1984−50、L−1985−50、#1970、#230、LC−900、LC951、#1920N、#1925N、P40)(以上楠本化成株式会社製)、ノニオン系界面活性剤“カラースパース”188−A、“ハイオニック”PE、“モディコール”L、S−65、U−99、W−77(以上サンノプコ株式会社製)を光硬化性樹脂組成物に対して0.1〜10.0重量%添加する。この場合、レベリング剤の量が10.0重量%より多すぎるとペースト感度の低下によりパターン特性が劣化する。また、レベリング剤の量が0.1%より少なすぎると十分なレベリング効果が得られず表面にスクリーンメッシュ跡などの凹凸が残る。
【0028】
可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリンなどがあげられる。
【0029】
本発明の導電ペーストは、好ましく用いられる、側鎖または分子末端にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体と光重合開始剤を光反応性化合物に溶解させることによって製造することができる。側鎖または分子末端にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体と光重合開始剤が光反応性化合物に溶解しない場合あるいは溶液の粘度を調整したい場合にはアクリル系共重合体、光重合開始剤および光反応性化合物の混合溶液が溶解可能である有機溶媒や水などの溶媒を加えてもよい。このとき使用される溶媒は該アクリル系共重合体、光重合開始剤および光反応性化合物の混合物を溶解しうるものであればよい。たとえばメチルセルソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトンなどやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0030】
(セラミックスグリーンシート)
本発明におけるセラミックスグリーンシート基板としては、公知のセラミックスグリーンシートを使用できる。すなわち、通常は、セラミックス粉末、有機バインダー、可塑剤、溶媒および必要に応じて分散剤などを適宜配合した後、混合してスラリーとした後、該スラリーをドクターブレード法などの公知の方法によってシートとしたものである。通常、セラミックスグリーンシートの厚みは50〜250μm程度である。
【0031】
セラミックスグリーンシート基板に含有されるセラミックス粉末としては特に限定されず、低温あるいは高温焼成用などの公知のセラミックス絶縁原料がいずれも適用できる。通常、低温用は850〜1000℃、高温用は1400〜1650℃で焼結できるセラミックス絶縁原料である。
【0032】
本発明において使用されるセラミックス粉末としては、セラミックス粉末単独、ガラス−セラミックス複合系、結晶化ガラス、ガラスなどがあげられる。
【0033】
セラミックス粉末単独で用いる場合の例としては、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2 )、マグネシア(MgO)、ベリリア(BeO)、ムライト(3Al23・2SiO2)、コーディライト(5SiO2・2Al23・2MgO)、スピネル(MgO・Al23)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、アノーサイト(CaO・Al23・2SiO2)、セルジアン(BaO・Al23・2SiO2)、シリカ(SiO2)、窒化アルミ(AlN)、フェライト(ガーネット型:Y3Fe512系、スピネル型:MeFe24系)などの粉末あるいは低温焼成用セラミックス粉末があげられる。これらのセラミックス粉末の純度は90重量%以上のものが好ましく用いられる。
【0034】
ガラス−セラミックス複合系の例としては、例えばSiO2、Al23、CaO、B23および必要に応じてMgOおよびTiO2などを含むガラス組成粉末と、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コーディライト、スピネル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、シリカおよび窒化アルミの群から選ばれる少なくとも一種の無機フィラー粉末との原料混合物があげられる。好ましくはセラミックス粉末が酸化物換算表記で
SiO2 15〜99重量%
Al23 10〜85重量%
23 4〜20重量%
MgO 1〜25重量%
SiO2は、添加量の増加により、熱膨張係数の低下を招き、Al23は、添加量の増加に伴い、粘度が上昇し、焼成後の表面平坦性が低下するので、その添加量は、より好ましくは、セラミックス粉末が酸化物換算表記で
SiO2 15〜85重量%
Al23 10〜70重量%
23 4〜20重量%
MgO 1〜25重量%
さらに好ましくは、セラミックス粉末が酸化物換算表記で
SiO2 15〜70重量%
Al23 10〜60重量%
23 4〜20重量%
MgO 1〜25重量%
およびLi2O、Na2O、CaO、PbOおよびK2Oの少なくとも1種の化合物を0.5〜25重量%からなる組成範囲で、総量が95重量%となるガラス組成粒子70重量%以上と、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コーディライト、スピネル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、シリカおよび窒化アルミの群から選ばれた少なくとも一種の無機フィラー粉末30重量%以下との原料混合物からなる。
【0035】
ガラスの系の例として、SiO2−B23系、SiO2−PbO−B23系、SiO2−Bi23−B23系、SiO2−B23−Al23系、SiO2−B23−MgO系などを好ましく用いることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
(パターン形成方法)
次に本発明によって、パターン形成したセラミックスグリーンシートを作製する一例について説明する。但し、本発明はこれに限定されない。
【0037】
(1)塗布工程
離型処理が施されたポリエステルフィルム上に、感光性ペーストを全面塗布、もしくは部分的に塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷、バーコーター、ロールコーター等公知の方法を用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度を選ぶことによって調整できるが、導体パターンは10〜30μmの厚みが必要であり、乾燥や焼成による収縮を考慮して、20〜60μm程度の厚みで塗布することが好ましい。
【0038】
(2)露光工程
露光は通常のフォトリソグラフィで行われるように、フォトマスクを用いてマスク露光する方法が一般的である。用いるマスクは、感光性有機成分の種類によって、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選定する。
【0039】
露光工程を1回だけ行うことが、複数回の露光を行う場合に比べて、精度良く簡便にパターンを形成する方法としては好ましい。
【0040】
この際使用される活性光源は、たとえば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー光などが挙げられるが、これらの中で紫外線が好ましく、その光源としてはたとえば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。露光条件は塗布厚みによって異なるが、0.5〜100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて0.5〜30分間露光を行なう。特に、露光量が0.3〜5J/cm2 程度の露光を行うことが好ましい。
【0041】
(3)現像工程
露光後、現像液を使用して現像を行なうが、この場合、浸漬法やスプレー法、ブラシ法で行なう。
【0042】
現像液は、感光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒を使用できる。また該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。感光性ペースト中にカルボキシル基等の酸性基を持つ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム水溶液などのような金属アルカリ水溶液を使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。
【0043】
有機アルカリとしては、公知のアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎれば未露光部が除去されずに、アルカリ濃度が高すぎれば、パターン部を剥離させ、また露光部を腐食させるおそれがあり良くない。
【0044】
また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
【0045】
かくして得られたパターンの表面状態は表面粗さ試験においてRa≦3μmであることが好ましい。より好ましくはRa≦1μmである。
【0046】
ここで表面粗さ試験とは、触針式表面粗さ測定器を用い被測定面の中心線平均粗さ(Ra)を測定する方法である。表面粗さが3μmを越えると露光時に膜表面とマスクの間に隙間ができるためパターン精度およびペースト感度の低下が起こる。
【0047】
また本発明においては得られたパターンの形状が、その半値幅と底辺の幅の比(半値幅/底辺の幅)が0.6〜1.4であることが好ましい。より好ましくは、0.8〜1.2である。
【0048】
ここで半値幅とはパターン高さの1/2の位置における幅をいう。その半値幅と底辺の幅の比が0.6未満または1.4を越えると高解像化、微細化を図る上で不利である。
【0049】
この半値幅と底辺の幅の比である0.6〜1.4を得るためには感光性導電ペースト組成および露光・現像条件を最適化することが必要である。
【0050】
本発明の感光性導電ペーストの組成においては導電性粉末、感光性樹脂、光重合開始剤および、有機レべリング剤の含有量が次の範囲にあることが好ましい。
【0051】
導電性粉末 60〜98重量%
感光性樹脂 2〜40重量%
光重合開始剤 0.05〜30重量%
有機レベリング剤 0.1〜10重量%。
【0052】
導電性粉末量が98重量%を越えるとペーストの感度が低下するために半値幅/底辺の幅が1.4以上になる。
【0053】
また、露光量は0.3〜5.0J/cm2の範囲が好ましく、この範囲外では半値幅と底辺の幅の比0.6〜1.4を得ることができない。
【0054】
(4)転写工程
パターン形成された転写フィルムをセラミックスグリーンシートに転写する工程である。すなわち、パターンを形成したフィルムをセラミックスグリーンシートに重ね合わせた後、真空パックを行い、加熱装置を用いて30℃〜90℃、30秒〜10分ほど加熱し、冷却後にフィルムをはがして、通常50℃〜150℃に加熱した加圧用ローラーで通常1〜1.5MPaで加圧することにより導体パターンをセラミックスグリーンシート上に転写する。
【0055】
(5)積層工程
パターン形成したグリーンシートを積層し、セラミックス多層基板を作製する工程である。
【0056】
グリーンシートのヴィアホールに導体を埋め込む場合に、超硬ドリルでヴィアホールを形成したグリーンシートが使用されるが、埋め込みの仕方は銅、銀、銀−パラジウム、タングステン、モリブデンあるいは金導体ペーストを充填してヴィアホール内に配線用の層間接続用の導体を形成する。このグリーンシートのヴィアホールに対する導体ペーストの埋め込みは層数ごとに繰り返し行う。このようにグリーンシート表面に所定の導体、抵抗体、誘電体あるいは絶縁体パターンを印刷する。またヴィアホールを形成するのと同様の方法でガイド穴をあける。次に必要な枚数のシートをガイド孔を用いて積み重ね、90〜130℃の温度で5MPa〜20MPaの圧力で接着し、多層基板からなるシートを作製する。
【0057】
次に、焼成炉にて上記のシートを焼成してヴィアホールに導体および導体などのパターンが形成されたセラミックス多層基板を作製する。焼成雰囲気や温度はセラミックス基板や導体の種類によって異なる。セラミックスあるいはガラス−セラミックスからなる低温焼成多層基板の場合は、850〜1000℃の温度で数時間保持して絶縁層を焼成する。アルミナや窒化アルミやムライト基板では、1450〜1600℃の温度で数時間かけて焼成する。
【0058】
Cu、W、Mo、W−Mo、Mn−Moなどの導体では、窒素などの中性や水素を含む還元性雰囲気で焼成する。焼成時に感光性ペーストおよびセラミックスグリーンシート中に含まれる側鎖または分子末端にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体、光反応重合性化合物、非感光性樹脂バインダ、有機染料、可塑剤あるいは溶媒などの有機物の酸化、蒸発を可能にする雰囲気であればよい。そのようなものとして導体が、W、Mo、W−Mo、Mn−Moでは酸素を3〜100ppm含有し、残部が窒素あるいはアルゴンなどの中性ガスまたは水蒸気で制御した雰囲気中で焼成できる。焼成温度は有機バインダーが完全に酸化、蒸発させる温度として300〜600℃で5分〜数時間保持した後、850〜1600℃の温度で数時間保持してからセラミックス多層基板を作製する。
【0059】
焼成後の多層基板中に残存する炭素量は通常250ppm以下である。そうでないと多層基板の気孔率の低下、強度低下、誘電率の増加、誘電損失の増加、リーク電流の増加あるいは絶縁抵抗の低下などの問題を生ずる。また残存炭素量は100ppm以下より好ましくは50ppm以下である。
【0060】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、以下の説明で濃度は特に断らない限りすべて重量%で表わす。
【0061】
実施例1〜12
<セラミックスグリーンシート基板の作製>
次の方法により(1)アルミナシートおよび(2)ガラス−セラミックスAからなるグリーンシート基板、(3)ガラス−セラミックスBからなるグリーンシート基板、(4)ガラス−セラミックスCからなるグリーンシート基板をそれぞれ作製した。
【0062】
(1)アルミナシート;酸化アルミニウム(Al23)92%,無水珪酸(SiO2)5%,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムをそれぞれ1.5%添加した混合粉末をアトライターを用いて湿式で、平均粒子径1.8μmになるまで混合、粉砕した。この混合粉末100部にさらにバインダー、溶媒、可塑剤、および分散剤としてアクリル系樹脂13部、トルエンとイソプロピルアルコール(IPA)の混合溶媒22部、ジブチルフタレート(DBP)3.1部、カチオン系分散剤1.2部を加えて十分攪拌混合した後、真空脱泡し、粘度を1500cpに調整したスラリーを用いてドクターブレード法により厚み200μmのセラミックスグリーンシート基板を作製した。
【0063】
(2)ガラス−セラミックスAからなるグリーンシート;ガラス−セラミックスA粉末の組成は96%純度のアルミナ粉末50%と硼硅酸塩ガラス50%である。ガラス組成は、SiO2;38.2%、CaO;4.4%、TiO2;2.1%、BaO;5.12%、Al23;34.5%、B23;9.16%、Na2O;2%、MgO;4.8%である。ガラス粉末は予めアトライターにて微粉末した平均粒子径、2.2μm、比表面積、1.5m2/gの粉末を使用した。次にこの粉末100部にさらにバインダ、溶媒、可塑剤、分散剤としてポリビニルブチラール12部、トルエン、メチルエチルケトンおよびイソプロピルアルコールの混合溶媒22部、可塑剤3.1部、カチオン系分散剤1.2部を加えて十分混合した後、真空脱泡し、粘度1500cpに調整したスラリーをドクターブレード法で厚み200μmのセラミックスグリーンシート基板を作製した。
【0064】
(3)ガラス−セラミックスBからなるグリーンシート;ガラス−セラミックスB粉末の粉末組成は、SiO2;82%、CaO;0.1%、Al23;1%、B23;12.4%、Na2O;0.6%、MgO;1.1%、ZrO2;0.2%、K2O;2%、Fe23;0.6%である。ガラス粉末は予めアトライターにて微粉末して、プラズマ気流中で球状化処理して、作製した。得られた粉末は平均粒子径、2.5μm、タップ密度0.8g/ccであった。次に該粉末を用いて、(2)で作製したグリーンシートと同じ要領で厚み200μmのセラミックスグリーンシート基板を作製した。
【0065】
(4)ガラス−セラミックスCからなるグリーンシート;ガラス−セラミックスC粉末の粉末組成は、2Mg・SiO2;95%、Al23;5%である。ガラス粉末は予めアトライターにて微粉末して、プラズマ気流中で球状化処理して、作製した。得られた粉末は平均粒子径、3.1μm、タップ密度0.9g/ccであった。次に該粉末を用いて、(2)で作製したグリーンシートと同じ要領で厚み200μmのセラミックスグリーンシート基板を作製した。
【0066】
<転写用フィルムの作製>
ポリエステルフィルム(東レ製“ルミラーT60 #100”を使用)表面に、トルエン溶媒により0.05〜0.005%に希釈した離型剤塗布液を塗布した。
【0067】
塗布液は、離型剤、硬化剤、溶媒を調合し用いた。離型剤はシリコン樹脂(東レダウコーニング社製”SRX370”)、硬化剤は、同社”SRX212”を用いた。また溶媒はトルエンを用いた。離型剤と硬化剤の調合比率は99:1とした。
【0068】
塗布条件は、メタバー#6を用いバーコートを行った。この方法で溶液を塗布する場合、9μmの塗布が可能である。乾燥は140℃、30秒とした。乾燥後の離型剤からなる離型層の厚みは約1nmである。
【0069】
剥離強度の測定は、幅24mmのセロハンテープ(ニットー製”31B”を使用)を10cmの長さに切り、表面処理したフィルム面に貼り付け、これを引張り試験機を用いて5mm/secの速度にて、セロハンテープをフィルム面から引き剥がす際の荷重を剥離強度とした。離型剤溶液濃度0.01%でパターン形成が良好で、かつ、パターン剥離性の良好な剥離強度5N/24mmが得られた。
【0070】
<感光性導電ペーストの作製>
下記の溶媒および下記のポリマーを混合し、攪拌しながら80℃まで加熱しすべてのポリマーを均質に溶解させた。ついで溶液を室温まで冷却し、下記の光重合開始剤を加えて溶解させた。その後溶液を400メッシュのフィルターを通過させ、濾過した。
【0071】
得られた有機ビヒクルに下記の導電粉末、下記のポリマー、下記のモノマー、下記の光重合開始剤、下記の可塑剤、下記の増感剤、下記の光重合促進剤および下記の有機レベリング剤を表1のように組成を変化させて添加し、3本ローラーで混合・分散して感光性導電ペーストを作製した。
【0072】
導電粉末a:タングステン粉末;多面体形状の平均粒子径2.2μm、比表面積0.42m/gを有する粉末
導電粉末b:Ag粉末;多面体形状、高分散粉末、平均粒子径2.9μm、比表面積0.47m/g、タップ密度5.07g/ccを有する粉末
導電粉末c:Ag粉末;多面体形状、粒径サイズ0.5〜3μm、平均粒子径1μm、比表面積1.5m/g、タップ密度4.35g/ccを有する粉末
導電粉末d:Ag(90%)Pd(10%)粉末;多面体形状、平均粒子径2.9μm、比表面積0.86m/g、タップ密度4.39g/ccを有する粉末
ポリマー:40%のメタアクリル酸(MAA)、30%のメチルメタアクリレート(MMA)および30%のスチレン(St)からなる共重合体のカルボキシル基(MAA)に対して0.4当量(40%に相当する)のグリシジルメタアクリレート(GMA)を付加反応させたポリマー
モノマー:トリメチロール・プロパン・トリアクリラート
溶媒:γ−ブチロラクトン
光重合開始剤:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1と2,4−ジエチルチオキサントン
可塑剤:ジブチルフタレート(DBP)(ポリマーの10%)
増感剤:2,4−ジエチルチオキサントン
増感助剤:p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(EPA)
レベリング剤:特殊ビニル系重合物LC−900(楠本化成株式会社製)。
【0073】
<パターン形成したセラミックスグリーンシートの製造>
上記で得た感光性導電ペーストを325メッシュのステンレス製のスクリーンを用いて100mm角にカットしたフィルム上に70mm角の大きさにベタに印刷し、80℃で40分間保持して乾燥した。乾燥後の塗布膜の厚みはおよそ20μmであった。印刷は紫外線を遮断した室内で行った。得られた塗布膜を10〜60μmの範囲のファインパターンを形成したクロムマスクを用いて、上面から500〜3000mJ/cm2 の出力の超高圧水銀灯で紫外線露光した。次に25℃に保持したモノエタノールアミンの0.5%の水溶液に浸漬して現像し、その後スプレーを用いて光硬化していない部分を水洗浄し、転写フィルムを得た。作製した転写フィルムをグリーンシート上に重ね合わせた。ここで、パターンの位置合わせを行う場合は予めグリーンシートおよび転写フィルムにアライメントマークを設けておいた。さらに、110℃に加熱した加圧用ローラーにより1MPaで加圧し微細パターンを転写した。フィルムを剥がした後、パターンが転写されたグリーンシートを得た。
【0074】
グリーンシート中のバインダを脱脂するため酸素を50ppm含有する雰囲気(残部;窒素)で得られたパターン転写グリーンシートを500℃で1時間保持してバインダを蒸発させた後、焼結し、セラミックス基板を得た。ガラス−セラミックスのシートは900℃で15分から1時間保持して行った。ただし、昇温速度450℃/hの条件で、冷却は炉とした。アルミナのグリーンシートは、H(水素)ガスとN(窒素)ガス雰囲気中で500℃で2時間焼成を行い、脱バインダ後、1600℃の温度にて1時間保持して焼結し、セラミックス基板を得た。
【0075】
焼成後のパターン、すなわち導体膜について解像度、膜厚、表面粗さおよび断面形状を測定し評価した。解像度は導体膜を顕微鏡観察し、20〜60μmのラインが直線で重なりなくかつ再現性が得られるライン間隔を最も微細なライン間隔として決定した。膜厚はマイクロメーターで測定した。断面形状は導体膜を切断しSEM観察を行いその半値幅と底辺の幅を測定し比率を求めた。表面粗さは触針式表面粗さ測定器を用いて測定した。これらの結果を表1に示す。
【0076】
このように転写フィルムよりパターンが転写されたセラミックスグリーンシートを用いると、感光性の導電ペーストを用いてフォトリソグラフィ法により線幅/幅間隔が30μm/30μmの微細パターンが得られた。
【0077】
【表1】
Figure 0003885285
【0078】
比較例1
レベリング剤を使用しない以外は実施例1と同様にして感光性導電ペーストを作製し、実施例と同様の方法でパターン形成を行った。その結果、パターン表面の凹凸のため幅/スペースが50μm/50μm以下の高解像パターンが得られなかった。また、半値幅と底辺の比が0.6となりテーパーが見られた。
【0079】
比較例2
離型剤処理していないフィルムを用い実施例1と同様の方法でパターン形成を行った。その結果、転写の際に塗布膜の30%近くがグリーンシートに転写されずにフィルムに残った。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、歩止まりを向上させ配線設計が容易で、かつ従来のスクリーン印刷法では形成困難な80μm以下の微細な導体パターン形成が可能となり、かつ低抵抗の導体パターンが得られセラミックス多層基板の内層導体の形成が可能になる。これらの結果、セラミックス多層基板の小型化、高密度化を一層可能にするものである。

Claims (3)

  1. フィルム上に以下の組成を有する感光性導電ペーストを塗布し、塗布後の前記ペーストを露光し、次いで0.1〜5重量%のアミン化合物を有する有機アルカリ水溶液で現像し、パターンを形成した後、該パターンをセラミックスグリーンシート上に転写することを特徴とするパターン形成したセラミックスグリーンシートの製造法。
    導電性粉末 60〜98重量%
    感光性樹脂 2〜40重量%
    光重合開始剤 0.05〜30重量%
    有機レベリング剤 0.1〜10重量%
  2. セラミックスグリーンシートに含有されるセラミックス粉末が、酸化物換算表記で
    SiO15〜70重量%
    Al10〜60重量%
    4〜20重量%
    MgO 1〜25重量%
    およびLiO、NaO、CaO、PbOおよびKOの少なくとも1種の化合物を0.5〜25重量%からなる組成範囲で、総量が95重量%となるガラス組成粒子70重量%以上と、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コーディライト、スピネル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、シリカおよび窒化アルミの群から選ばれた少なくとも一種の無機フィラー粉末30重量%以下との原料混合物からなることを特徴とする請求項1記載のパターン形成したセラミックスグリーンシートの製造法。
  3. アミン化合物がテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンから選ばれる請求項1記載のパターン形成したセラミックスグリーンシートの製造法。
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