JP4007933B2 - ガス検知装置 - Google Patents

ガス検知装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4007933B2
JP4007933B2 JP2003059779A JP2003059779A JP4007933B2 JP 4007933 B2 JP4007933 B2 JP 4007933B2 JP 2003059779 A JP2003059779 A JP 2003059779A JP 2003059779 A JP2003059779 A JP 2003059779A JP 4007933 B2 JP4007933 B2 JP 4007933B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
resistance value
alarm
temperature
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003059779A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004271263A (ja
Inventor
勝己 檜垣
総一 田畑
博一 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2003059779A priority Critical patent/JP4007933B2/ja
Publication of JP2004271263A publication Critical patent/JP2004271263A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4007933B2 publication Critical patent/JP4007933B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天ぷら調理においてしばしば発生する食用油脂の異常過熱による火災を防止するため、食用油脂の熱分解成分ガスを識別して検知するガス検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、火災を検知する手段として、煙検知式、熱検知式などの火災警報機が使用されている。煙を検知する煙検知式のものでは、火災炎による光の減衰作用を利用するものなどが存在するが、この方式では、魚の焼き調理などに発生する焼き調理の煙に対しても感度をもつため、誤報が多いという問題がある。一方、熱を検知する熱式検知のものでは、上述した誤報の発生は少なくなるものの、火災が発生したときの温度上昇をとらえるため、火災の発生を未然に防止することができないという問題がある。
【0003】
このようなことから、火災の初期に発生する薫焼ガスを検知して火災を検知する検知器も種々のものが提案されている。例えば、焼き魚による誤報を防止するため、従来の煙検知手段とガス検知手段とを組み合わせた排煙フードに関するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、たばこの喫煙や食用油脂が加熱されたときに発生するアセトアルデヒドを検知するため、特に、アセトアルデヒドとホルムアルデヒドに対して高感度を示すためのガス検知器も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
これらはいずれも、食用油脂の火災については、アセトアルデヒドのような低級のアルデヒドを検知することを目的とするものであるが、食用油脂の熱分解ガスの成分分析を行った結果、アセトアルデヒドは、食用油脂を構成する脂肪酸の1つであるリノレン酸が、酸素(空気)の供給が好適な条件、たとえばフラスコ内に食用油を入れ空気流通下で加熱した場合にのみ発生するガスであって、普通の調理で鍋を加熱する場合、アセトアルデヒドはほとんど発生しないことが判明した。まして、リノレン酸の含有率の少ない、オレイン酸リッチベニ花油のような食用油脂や、ひまわり油のような食用油脂では、その発生量は皆無に近いことが判った。即ち、アセトアルデヒドの含有量に応じたセンサ信号により食用油脂の過熱状態を判断することは、極めて信頼性の低い手法であることが判明した。
【0005】
食用油脂の熱分解成分ガスの分析を行った結果、食用油脂の種類によらず、天ぷら油加熱時に発生するガスに反応し、油の温度の異常過熱状態を検知するためのガス検知手段としては、第1に、食用油脂種によらず加熱時に高濃度で安定して発生するガスである、炭素数6〜9のアルデヒドに高感度であり、第2に、調理時の誤報を避けるため、炭素数6〜9のアルデヒドに対する感度が調理酒蒸気(エタノール)と比較して高感度であるという要件を満たすことが重要である。
【0006】
一方で、可燃性ガス(メタン、プロパン)や不完全燃焼ガス(CO)に対してのガスセンサとして、酸化錫を主成分とする半導体式ガスセンサが広く使用されている。この酸化錫を主成分とするガスセンサは、検知ガス成分の選択性に乏しくて可燃性ガス全般に感応するという特性を有している。それ故に、調理酒蒸気(エタノール)への誤報を抑制するために、このガスセンサに活性炭(活性炭フィルタ)などのセンサキャップを取り付けて対応している。しかし、実験により判明した食用油脂の熱分解成分ガスであるアルデヒドは、この活性炭フィルタに吸着されてガスセンサまで到達せず、このような半導体式ガスセンサでは対応することができない。このようなことから、活性炭フィルタを省略することも考えられるが、このようにした場合、酸化錫を主成分とする半導体式ガスセンサでは、食用油脂の熱分解成分ガスに含まれるアルデヒド類に対する感度は乏しく、また、エタノール感度との相対比にも問題があり、アルデヒド類を正確に検知することが難しい。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−155132号公報
【特許文献2】
特開平8−170955号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、本発明者等は、ガス検知手段として上述した要件を満たし、上述食用油脂の熱分解成分ガスであるアルデヒドに対する検知選択性の高いガス検知センサの材料として、三酸化タングステン(WO)を主要成分とするものが好適であることを見出し提案した。この材料をガス検知センサに用いることで、活性炭フィルタを搭載しないガス検知センサにおいても、アルデヒドに対する感度は、同濃度のエタノールへの感度に対するものよりも、約5倍の感度を持たせることができた。
【0009】
しかしながら、このようなアルデヒドに対する検知選択性に優れた材料(三酸化タングステンを主成分とするもの)を用いた場合においても、お燗のような、エタノールを大量に発生するような条件においては、油を240℃相当に加熱したときに発生する出力相当にまで、出力が発生することが判明し、この温度付近に警報設定することは誤報の可能性が高くなる。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、食用油脂の熱分解成分ガス以外のガスによる誤作動を抑制し、天ぷら油が出火する前に油温の異常をより早く正確に検知可能なガス検知装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のガス検知装置は、三酸化タングステンを主成分とする金属酸化物から形成されたガス検知手段と、前記ガス検知手段を検知温度範囲に加熱するための加熱手段と、前記加熱手段を制御するための加熱制御手段と、前記ガス検知手段の電気抵抗値を測定するための抵抗値測定手段と、を具備するガス検知装置であって、
前記ガス検知手段は、前記検知温度範囲内において温度を変化せたときに清浄空気中及びエタノールを含有する環境においては温度の上昇に伴ってその電気抵抗値が小さくなるように変化し、また炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境においては温度を変化させたときにその電気抵抗値がほぼ一定である特性を有するとともに、ガスを監視するための監視モードとガス成分を識別するための識別モードによりガスを検知し、前記加熱制御手段は、前記監視モードにおいては前記ガス検知手段が前記検知温度範囲内の第1温度に保持されるように前記加熱手段を制御し、前記識別モードにおいては前記ガス検知手段が前記検知温度範囲内の前記第1温度よりも低い第2温度に保持されるように前記加熱手段を制御し、前記抵抗値測定手段に関連して、更に、成分ガスを識別するための成分ガス識別手段が設けられており、前記成分ガス識別手段は、前記監視モード及び前記識別モードにおける前記ガス検知手段の電気抵抗値の変化度合いに基づいて熱分解成分ガスを識別することを特徴とする。
【0012】
このガス検知装置においては、ガス検知手段が三酸化タングステンを主成分とする金属酸化物から形成されており、このようなガス検知手段においては、清浄空気中やエタノールが共存するような環境で、ガス検知手段の温度を検知温度範囲、例えば250〜500℃の範囲で変化させたときには、その電気抵抗値が大きく変化して温度上昇に伴ってその電気抵抗値が小さくなるのに対して、食用油脂の主要熱分解成分ガスである炭素数6〜9のアルデヒドが存在する環境で、ガス検知手段の温度を上述したように変化させたときには、その電気抵抗値はほぼ一定で、ほとんど変化しないという特異な特性を有している。このような特性を利用し、ガス検知手段は監視モードにおいては検知温度範囲の第1温度、例えば430℃前後に保持され、識別モードにおいては検知温度範囲の第1温度よりも低い第2温度、例えば330℃前後に保持される。抵抗値測定手段は、監視モード及び識別モードにおけるガス検知手段の電気抵抗値を計測し、成分ガス判別手段は監視モード及び識別モードにおけるガス検知手段の電気抵抗値の変化度合いに基づいて熱分解成分ガスを識別するので、食用油脂種の熱分解成分ガスと非食用油脂種の熱分解成分ガスとを正確に判別することができる。即ち、監視モードから識別モードへの移行によるガス検知手段の電気抵抗値の変化幅(変化の度合い)が所定値以上であると、エタノールを含有する環境、換言すると食用油脂の熱分解成分ガス以外のガスと識別するのに対し、ガス検知手段のこの電気抵抗値の変化幅(変化の度合い)が所定値より小さいと、炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境、換言すると食用油脂の熱分解成分ガスと識別し、このように識別することによって、エタノールなどの調理蒸気の正確な識別が可能となる。尚、監視モードの第1温度は、識別モードの第2温度よりも高い温度に設定してもよく、或いはこの第2温度よりも低い温度に設定するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載のガス検知装置では、前記検知温度範囲においては、前記ガス検知手段の電気抵抗値は、所定濃度の炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境よりも所定濃度のエタノールを含有する環境の方が大きく、所定濃度のエタノールを含有する環境における電気抵抗値は、所定濃度の炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境における電気抵抗値の2.7〜30倍であることを特徴とする。
このガス検知装置では、検知温度範囲において、所定濃度のエタノールを含有する環境におけるガス検知手段の電気抵抗値は、所定濃度の炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境におけるその電気抵抗値よりも2.7〜30倍大きいので、このアルデヒドに対する感度が高く、調理酒蒸気に含まれるエタノールによる誤報を避け、食用油脂種を加熱した際に発生する炭素数6〜9のアルデヒドを含む熱分解成分ガスを正確に検知することができる。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載のガス検知装置では、前記ガス検知手段の前記検知温度範囲における電気抵抗値は、炭素数6〜9のアルデヒドを10ppm含有する環境において1〜3kΩの範囲内であり、またエタノールを10ppm含有する環境において8〜30kΩの範囲内であることを特徴とする。
【0015】
このガス検知装置では、検知温度範囲におけるガス検知手段の電気抵抗値は、炭素数6〜9のアルデヒドを10ppm含有する環境において1〜3kΩの範囲内であり、またエタノールを10ppm含有する環境において8〜30kΩの範囲内であるので、食用油脂種を加熱した際に発生する炭素数6〜9のアルデヒドを含む熱分解成分ガスを所望の通りに正確に検知することができる。
【0018】
また、本発明の請求項に記載のガス検知装置では、警報信号を生成する警報信号生成手段と、前記警報信号生成手段からの前記警報信号に基づいて作動する警報手段が設けられており、前記警報信号生成手段は、前記監視モードの前記ガス検知手段の電気抵抗値と第1警報値及びこの第1警報値と異なる第2警報値とを用い、炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境と識別した場合に前記ガス検知手段の電気抵抗値が前記第1警報値を超えると前記警報信号を生成し、エタノールを含有する環境と識別した場合に前記ガス検知手段の電気抵抗値が前記第2警報値を超えると前記警報信号を生成することを特徴とする。
【0019】
このガス検知装置においては、警報信号生成手段は熱分解成分ガスの種類によって第1警報値又は第2警報値を用いて警報信号を生成する。即ち、成分ガス識別手段により炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境(換言すると、食用油脂種の熱分解成分ガスを含んでいる)と識別したときには、警報を発する基準となる値として第1警報値が用いられ、警報信号生成手段は監視モードのガス検知手段の電気抵抗値が第1警報値を超えると警報信号を生成する。一方、成分ガス識別手段によりエタノールを含有する環境(換言すると、非食用油脂種の熱分解成分ガスを含んでいる)と識別したときには、警報を発する基準となる値として第2警報値が用いられ、警報信号生成手段は監視モードのガス検知手段の電気抵抗値が第2警報値を超えると警報信号を生成する。
【0020】
三酸化タングステンを主成分とするガス検知手段では、炭素数6〜9のアルデヒドを含有する食用油脂種の熱分解成分ガスの存在により電気抵抗値が低くなるが、このようなガス検知手段を用いる場合、エタノールを含有する非食用油脂種の熱分解成分ガスのガス濃度を判定する第2警報値は、食用油脂種の熱分解成分ガスのガス濃度を判定する第1警報値よりも低い値が設定され、このように設定することによって、非食用油脂種の熱分解成分ガスにより警報が発せられるためには、より大きな感度変化が必要となり、これにより、非食用油脂種の熱分解成分ガスによる誤報の発生を少なくすることができる。従って、非食用油脂種の熱分解成分ガスによる誤報の発生を抑えつつ、食用油脂種の熱分解成分ガスを識別して正しく警報を発することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従うガス検知装置の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に従うガス検知装置の一実施形態のガスセンサを簡略的に示す断面図であり、図2は、一実施形態のガス検知装置を簡略的に示すブロック図であり、図3は、図1のガスセンサのガス感応部により各種ガスを検知したときのその温度とその電気抵抗値との関係を示す図であり、図4は、天ぷら油の温度とガス感応部の電気抵抗値との関係を示す図であり、図5は、図2のガス検知装置によるガス検知の流れを示すフローチャートである。
【0022】
図1において、ガス検知装置のガスセンサ2は、ガスを感応するためのガス感応部4(ガス検知手段を構成する)を有し、ガス感応部4が絶縁性基板6の表面に設けられている。ガスセンサ2は、更に、ガス感応部4を加熱するための電気ヒータ8を有し、この電気ヒータ8がガス感応部4に対応して、絶縁性基板6の裏面に配設されている。電気ヒータ8には加熱用電流が供給され、電気ヒータ8によってガス感応部4が後述するように第1又は第2温度に保持される。また、ガス感応部4には一対の電極部10,12が設けられ、かかる一対の電極部10,12がガス検知用電源(図示せず)に電気的に接続され、ガス検知用電源からの検知電流がガス感応部4に供給され、後述するようにガス感応部4の電気抵抗値が計測される。
【0023】
図示のガス感応部4は、図1に示すように膜状で、絶縁性基板6の上に積層された構造であるが、このような構造に限定されるものではなく、ガス感応部4の内部に電気ヒータ8を配設した構造(絶縁性基板6を含まない構造)で、球状や楕円球状のものであってもよい。
【0024】
ガス感応部4は、三酸化タングステン(WO)を主成分とする金属酸化物から形成され、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム系のバインダーをタングステン(W)に対する元素比として約5%程度添加した酸化物焼結体として形成される。これらケイ素、アルミニウム系のバインダーは、ガス感応部4と絶縁性基板6との接着強度を向上させる目的で用いられる。これらの物質(元素)に限定されることなく、ガス感度に影響を与えない物質(元素)であれば、ガス感応部4中に含有させてもよい。なお、この実施形態では、タングステンに対してルテニウム(Ru)を元素比として2%の割合で添加しているが、これは、食用油脂種の熱分解成分ガスに対する感度を高めるためであり、この物質(元素)に限定されるものでなく、その他の物質、例えばパラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)などの貴金属元素を添加してもよい。また、一般的に三酸化タングステン(WO)は、厳密にはWO3−δのように酸素欠損の不定比を取り、この欠損が、三酸化タングステンの導電性に寄与していることは広く知られている。ガス感応部4の三酸化タングステンにおいても、製造段階で、550〜700℃の温度において焼成し冷却するという熱処理を行い、このような熱処理の結果、導電性が得られているため、酸素欠損の不定比をとっていることは容易に推測できる。即ち、ガス感応部4の主成分となる三酸化タングステンは、酸素欠損のないWOのみを規定するものではなく、このような酸素欠損のものを含むものである。
【0025】
図2を参照して、このガスセンサ2からの検知信号(電気抵抗信号)は制御手段14に送給され、制御手段14にて所要の通りに処理されて雰囲気中のガス濃度が計測される。制御手段14は、例えばマイクロプロセッサから構成され、加熱制御手段16、モード選択手段18、抵抗値演算測定手段20(抵抗値測定手段を構成する)、抵抗値判定手段21、抵抗値比演算手段22、成分ガス識別手段24及び警報信号生成手段26及びメモリ28を含んでいる。この実施形態では、ガスセンサ2は監視モードと識別モードに設定されるように構成されている。加熱制御手段16は電気ヒータ8を加熱制御し、監視モードにおいてはガス感応部4を検知温度範囲内の第1温度、例えば約430℃に保持し、識別モードにおいてはガス感応部4を検知温度範囲内の第2温度、例えば約330℃に保持する。モード切換手段18は、ガスセンサ2を監視モードから識別モードに、また識別モードから監視モードに切り換える。
【0026】
抵抗値演算測定手段20は、ガス感応部4からの検知信号に基づいてガス感応部4の電気抵抗値を演算計測する。抵抗値判定手段21は、抵抗値演算測定手段20の演算した電気抵抗値と設定監視値(Ra)、例えば8kΩとを対比して、この設定監視値(Ra)以下かを判定する。また、抵抗値比演算手段22は、後述するように、監視モード時におけるガス感応部4の電気抵抗値(R1)と識別モード時におけるガス感応部4の電気抵抗値(R2)との比(R2/R1)を演算し、成分ガス識別手段24は、抵抗値比演算手段22による演算値(R2/R1)に基づいて、食用油脂種の熱分解成分ガスか非食用油脂種の熱分解成分ガスかを識別する。警報信号生成手段26は後述する如くして警報信号を生成する。また、メモリ28には、監視モード及び識別モードにおける第1温度及び第2温度、監視モード及び識別モードにて測定されたガス感応部4の電気抵抗値(R1)、(R2)、抵抗値比演算手段22による演算値(R2/R1)、監視モードから識別モードに切り換えるときの基準となる設定監視値(Ra)、警報信号を生成する際に基準となる第1警報値及(Rb)び第2警報値(Rc)などが記憶される。
【0027】
ガス検知装置は、更に、周囲に警報を発する警報手段30を備えている。警報手段30は、ブザーなどの警報音を発するブザー装置及び/又は警報光を発する発光手段、例えばLEDなどから構成される。この警報手段30は、後述するように、警報信号生成手段26により生成された警報信号に基づいて作動する。
【0028】
次に、図3を参照して、監視モード及び識別モードにおけるガス検知について説明する。図3は、三酸化タングステンを主成分とするガス感応部4を備えたガスセンサ2による各種ガスの感度をその温度との関係で示している。ヘキサナール、ノナナール、オクタナールといったアルデヒド類は、サラダ油などの食用油脂が加熱された時に発生する主要な成分ガスである。清浄空気中におけるガス感応部4(ガス検知手段)の電気抵抗値を基準として、電気抵抗値の低下する幅、検知ガスに対する感度が大きいことを示している。図3から明らかなように、上述したガス感応部4を備えたガスセンサ2では、調理酒蒸気成分(非食用油脂種の熱分解成分ガスの一種である)であるエタノールよりも、食用油脂種の熱分解成分ガスであるヘキサナール、ノナナール、オクタナールに対する感度が高いことがわかる。特に、着目すべき点は、三酸化タングステンを主成分とするガス感応部4の検知温度範囲が約250〜500℃の温度範囲であるが、この検知温度範囲おいて、ヘキサナール、ノナナール、オクタナールが存在する雰囲気中におけるガス感応部4の電気抵抗値は1〜3kΩの範囲であり、この範囲に収まる小さな変化でしかない。これに対してし、清浄空気中におけるガス感応部4の電気抵抗値は10〜200kΩの範囲であり、またエタノールが存在する雰囲気中におけるガス感応部4の電気抵抗値は8〜30kΩの範囲であり、これらの雰囲気中においては、ガス感応部4の電気抵抗値が極めて大きく変化する。このように、三酸化タングステンを主成分とするガス感応部4は、その検知温度範囲において非食用油脂種の熱分解成分ガス(換言すると、エタノールを含有するガス)と食用油脂種の熱分解成分ガス(換言すると、炭素数6〜9のアルデヒド累を含有するガス)とにより電気抵抗値の変動幅が大きく相違するという特異な温度特性を有しており、本ガス検知装置は、この特異な特性をガス検知に利用したものである。
【0029】
次に、図5を参照して、上述したガス検知装置によるガス検知の流れを説明する。ガス検知装置によるガス検知は、まず、監視モードで行われる(ステップS1)。監視モードにおいては、加熱制御手段16は、ガス感応部4が検知温度範囲内の第1温度、例えば430℃前後になるように電気ヒータ8を加熱制御し、ガス感応部4はこの第1温度に保持される。この第1温度は、ガス感応部4の応答性、回復性、安定性などが優れた400〜500℃の範囲で設定するのが望ましい。そして、この監視モードにおいて、ガス感応部4の電気抵抗値R1が計測される(ステップS2)。即ち、抵抗値演算測定手段20はガス感応部4からの検知信号に基づいてその電気抵抗値R1を演算する。
【0030】
その後、ガス感応部4の電気抵抗値R1が設定監視値Ra以下(R1≦Ra)であるかが判定される(ステップS3)。この判定は抵抗値判定手段21により行われ、測定した電気抵抗値R1が設定監視値より大きい(R1>Ra)場合、監視モードによりガス検知が継続して行われ、ガス感応部4は第1温度に保持される。
【0031】
一方、ガス感応部4の電気抵抗値R1が設定監視値(Ra)以下(R1≦Ra)である場合、ステップS4に進み、モード切換手段18は監視モードから識別モードに切り換え、識別モードによるガス検知が行われる。識別モードにおいては、加熱制御手段16は、ガス感応部4が検知温度範囲内の第2温度、例えば330℃前後になるように電気ヒータ8を加熱制御し、ガス感応部4はこの第2温度に保持される。この第2温度は、監視モードにおける第1温度よりも低い温度であって、250〜400℃の範囲で設定するのが望ましい。そして、この識別モードにおいて、ガス感応部4の電気抵抗値R2の計測が行われる(ステップS5)。即ち、抵抗値演算測定手段20はガス感応部4からの検知信号に基づいてその電気抵抗値R2を演算する。
【0032】
その後、監視モードから識別モードに切り換わったときのガス感応部4の電気抵抗値の変化の度合いを調べるために、監視モードにおけるガス感応部4の電気抵抗値R1に対する識別モードにおけるその電気抵抗値R2の比(R2/R1)が演算される(ステップS6)。この演算は、抵抗値比演算手段22により行われる。そして、監視モードの電気抵抗値R1に対する識別モードの電気抵抗値R2の比(R2/R1)が所定値(例えば、約2〜3程度に設定される)以下であるかが判断される(ステップS7)。この電気抵抗値比(R2/R1)は、監視モードの第1温度(そのときの電気抵抗値)及び識別モードの第2温度(そのときの電気抵抗値)をどのように設定するかによって、適宜に設定される。
【0033】
この電気抵抗値比(R2/R1)が上記所定値以下であると、ステップS8に進み、警報信号を生成する判定値として第1警報値Rb、例えば4kΩが設定される。この監視モード及び識別モードのガス感応部4の電気抵抗値の変化幅が小さいということは、図3から理解されるように、雰囲気中に含まれているガスが食用油脂種の熱分解成分ガスであり、従って、成分ガス識別手段24は食用油脂種の熱成分ガスと判定して第1警報値Rbを設定する。このときには、監視モード時におけるガス感応部4の電気抵抗値R1と第1警報値Rbとを対比し、ガス感応部4の電気抵抗値R1が第1警報値Rb以下(R1≦Rb)であると、ステップS9からステップS10に進み、警報信号生成手段26が警報信号を生成し、この警報信号に基づいて警報手段30が作動し(ステップS11)、雰囲気中に食用油脂種の熱分解ガスが所定濃度以上含まれていることを周囲に知らせる。尚、ガス感応部4の電気抵抗値R1が第1警報値Rbを超えている(R1>Rb)と、ステップS9からステップS1に戻り、モード切換手段18により検知モードの切り換えが行われ、再び監視モードによるガス検知が行われる。
【0034】
この電気抵抗値比(R2/R1)が上記所定値を超えていると、ステップS7からステップS12に移り、警報信号を生成する判定値として第2警報値Rc、例えば1.5kΩが設定される。ガス感応部4の電気抵抗値の変化幅が大きいということは、図3から理解されるように、雰囲気中に含まれているガスが非食用油脂種の熱分解成分ガスであり、従って、成分ガス識別手段24は非食用油脂種の熱成分ガスと判定して第2警報値Rcを設定する。このときには、監視モード時におけるガス感応部4の電気抵抗値R1と第2警報値Rcとを対比し、ガス感応部4の電気抵抗値R1が第2警報値Rc以下(R1≦Rc)であると、ステップS13からステップS10に移り、警報信号生成手段26が警報信号を生成し、この警報信号に基づいて警報手段30が作動し、雰囲気中の非食用油脂種の熱分解成分ガスの濃度が高いことをことを周囲に知らせる。尚、ガス感応部4の電気抵抗値R1が第2警報値Rcを超えている(R1>Rc)と、ステップS13からステップS1に戻り、再び監視モードによるガス検知が行われる。
【0035】
第1警報値Rb及び第2警報値Rcは、具体的には、次の通りに設定される。図4を参照して、第1警報値Rbは、後述するように、ガス検知装置(ガスセンサ2)の取付位置で、食用油脂(天ぷら油)の加熱温度とガス感応部4の電気抵抗値との関係を求めたときの、食用油脂の温度が230〜250℃、例えば230℃に対応する監視モードの電気抵抗値、例えば4kΩに設定され、第2警報値Rcは、上述した関係を求めたときの、食用油脂の温度が260〜280℃、例えば270℃に対応する監視モードの電気抵抗値、例えば1.5kΩに設定される。
【0036】
このように雰囲気中のガスを食用油脂種の熱分解成分ガスと非食用油脂種の熱分解成分ガスとに識別し、非食用油脂種の熱分解成分ガスの場合に、その警報値を食用油脂種の熱分解成分ガスの場合と異ならせる(この実施形態では、第2警報値を第1警報値よりも小さく設定する)ことによって、非食用油脂種の場合にはより大きな感度が必要となり、これによって、非食用油脂種の熱分解成分ガスによる誤報の発生を少なくすることができる。
【0037】
このガス検知装置は、図6に示すようにしてガス検知を行うようにしてもよい。図6は、他の様式のガス検知の流れを示すフローチャートである。この様式では、監視モードと識別モードとが周期的に行われるように構成されているが、その他の構成は、上述した構成と実質上同一である。
【0038】
図6において、この様式では、監視モードと識別モードが周期的に繰り返し遂行されるように構成されている。即ち、まず、監視モードによる検知が行われ(ステップS21)、第1温度(例えば、430℃)に保持された状態でガス感応部4の電気抵抗値R1の測定が行われる(ステップS22)。次いで、監視モードから識別モードに切り換えられ、識別モードによる検知が行われ(ステップS23)、第2温度(例えば、330℃)に保持された状態でガス感応部4の電気抵抗値R2の測定が行われる(ステップS23)。この監視モードと識別モードは、例えば10秒毎に交互に繰り返すように遂行される。
【0039】
その後、監視モードと識別モードとの電気抵抗値の変化の度合いを調べるために、ガス感応部4の電気抵抗値比(R2/R1)が演算され(ステップS25)、この電気抵抗値の比(R2/R1)が所定値以下であると、ステップS26からステップS27に進み、ステップS27からステップS30が遂行され、これのステップS27からステップS30は、図5のフローチャートにおけるステップS8からステップS11と同一である。一方、この電気抵抗値の比(R2/R1)が所定値を超えていると、ステップS26からステップS31に移り、ステップS31からステップS32を経てステップS29及びステップS30が遂行され、これらも図5のフローチャートにおけるステップS12、ステップS13、ステップS10及びステップS11と同一である。このように構成しても、図1から図5に示す実施形態と同様に、雰囲気中のガスを食用油脂種の熱分解成分ガスと非食用油脂種の熱分解成分ガスとに識別し、非食用油脂種の熱分解成分ガスの場合に、その警報値を食用油脂種の熱分解成分ガスの場合と異ならせることによって、非食用油脂種の熱分解成分ガスによる誤報の発生を少なくすることができる。
【0040】
例えば、上述した実施形態では、監視モードから識別モードに切り換わったときのガス感応部4の電気抵抗値の変化の度合いを調べるために、監視モードにおけるガス感応部4の電気抵抗値R1に対する識別モードにおけるその電気抵抗値R2の比(R2/R1)を演算しているが、このように比を演算することに代えて、識別モードにおけるガス感応部4の電気抵抗値R2から監視モードにおけるその電気抵抗値R1の減算値(R2−R1)を演算するようにしてもよい。
【0041】
また、例えば、上述した実施形態では、食用油脂種の熱分解成分ガスを検知してガス感応部4の電気抵抗値が第1警報値以下になったとき、また非食用油脂種の熱分解成分ガスを検知してガス感応部4の電気抵抗値が第2警報値以下になったときに、警報手段30が作動する(例えば、同じ警報音を発する)ように構成しているが、このような構成に代えて、食用油脂種の熱分解成分ガスを検知したとき、非食用油脂種の熱分解成分ガスを検知したときとで警報手段30の作動状態を変える(例えば、警報音を異なるようにする)ようにしてもよい。
【0042】
また、上述した実施形態では、警報信号生成手段が警報信号を生成したときには、この警報信号に基づいて警報手段30を作動させているが、このような構成に代えて、又はこのような構成に加えて、警報信号に基づいて加熱器による加熱を停止するようにしてもよい(例えば、ガスコンロの場合、ガスコンロの燃焼を停止するようにしてもよい)。
【0043】
実施例及び比較例
上述したガス検知装置の効果を確認するために、次の通りの実験を行った。実施例として、図7に示すように、図1〜図5で説明したガス検知装置50を加熱器52(ガスコンロ)の上方であって、排気ファンを装備した排気フード54の壁に取り付け、加熱器52で加熱して各種の調理を実施した。まず、天ぷら鍋56に約1リットルの天ぷら油60を入れ、温度計測器58で油温の計測を行いながら、天ぷら料理の適温である180℃に、また天ぷら油から白煙が生ずる240℃に保持したときのガス検知装置50の警報動作を確認した。次に、調理鍋に水を入れ、加熱器52で加熱してお燗(お銚子2本)を15分間行ったときのガス検知装置50の警報動作を確認した。その後、調理鍋に調理物を入れ、調理酒を大さじ2杯加えて煮物調理を15分行ったときのガス検知装置の警報動作を確認した。
【0044】
この実験において、監視モードにおける第1温度を430℃に設定し、識別モードにおける第2温度を330℃に設定した。また、監視モードから識別モードに移行するときの判定基準となる設定監視値Raを10kΩに、熱分解成分ガスの識別基準となる電気抵抗値比(R2/R1)を2に設定し、この電気抵抗値比が2以下のときに食用油脂種の熱分解成分ガスと識別するように構成した。また、食用油脂種の熱分解成分ガスの警報判定基準となる第1警報値Rbを4kΩと、非食用油脂種の熱分解成分ガスの警報判定基準となる第2警報値Rcを1.5kΩと設定した。更に、ガス検知装置50によって非食用油脂種の熱分解成分ガスと識別したときには、これがわかるように、発光ダイオード(LED)を別途にに設けて点灯するようにした。
【0045】
実施例2として、実施例1と同様のガス検知装置を用いたが、その検知様式は図6に示すフローチャートに従って行い、監視モードと識別モードとを交互に繰り返してガス検知を行った。監視モード及び識別モードの保持時間はそれぞれ10秒であった。実施例2においても、実施例1と同様に、天ぷら料理の適温である180℃、また天ぷら油から白煙が生ずる240℃に保持したときのガス検知装置50の警報動作、更にお燗(お銚子2本)を15分間行ったときの警報動作、更にまた調理酒を大さじ2杯加えて煮物調理を15分行ったときの警報動作を確認した。
【0046】
また、比較例として、実施例1と同じ構成のガス感応部を備えたガス検知装置を用いたが、その検知方式として従来様式を採用し、ガス感応部4を430℃に固定的に保持するとともに、警報判定基準となる電気抵抗値Rbを3kΩに設定した。このガス検知装置を実施例1と同様の場所に取り付け、この比較例においても、実施例1と同様に、天ぷら料理の適温である180℃、また天ぷら油から白煙が生ずる240℃に保持したときのガス検知装置50の警報動作、更にお燗(お銚子2本)を15分間行ったときの警報動作、更にまた調理酒を大さじ2杯加えて煮物調理を15分行ったときの警報動作を確認した。
【0047】
実施例1及び2並びに比較例の結果は、図8に示す通りであった。比較例では、天ぷら油を240℃に加熱したときに警報手段が作動するとともに、お燗、煮物調理のいずれのときにも、調理蒸気により警報手段が作動し、ガス検知の警報が発生した。これに対して、実施例1及び2のいずれのときにも、天ぷら油を240℃に加熱したとき、またお燗、煮物調理のときにも警報手段が作動せず、誤報が発生することがなかった。このとき、発光ダイオードが点灯動作し、非食用油脂種の熱分解成分ガスとして識別したことが確認できた。
【0048】
この実験結果から明らかなように、比較例のような従来の検知様式では、調理酒に基づく誤報を抑制するためには、必要以上に高い警報値を設定する必要があったが、実施例1及び2のような本発明のガス検知装置では、誤報を発生することなく、天ぷら油の如き食用油脂の温度が240℃付近の過熱状態を検知することが可能となった。尚、実施例1及び2の消費電力を調べたところ、実施例2の消費電力が実施例1に比して約17%少く、実施例2の検知様式の方が省電力が達成できることがわかった。
【0049】
以上、本発明に従うガス検知装置の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0050】
例えば、上述した実施形態では、監視モードから識別モードに切り換わったときのガス感応部4の電気抵抗値の変化の度合いを調べるために、監視モードにおけるガス感応部4の電気抵抗値R1に対する識別モードにおけるその電気抵抗値R2の比(R2/R1)を演算しているが、このように比を演算することに代えて、識別モードにおけるガス感応部4の電気抵抗値R2から監視モードにおけるその電気抵抗値R1の減算値(R2−R1)を演算するようにしてもよい。
【0051】
また、上述した実施形態では、監視モードにおける第1温度が識別モードにおける第2温度よりも高く設定されているが、これとは反対に、上記第1温度を上記第2温度よりも低く設定するようにしてもよい。
【0052】
また、例えば、上述した実施形態では、食用油脂種の熱分解成分ガスを検知してガス感応部4の電気抵抗値が第1警報値以下になったとき、また非食用油脂種の熱分解成分ガスを検知してガス感応部4の電気抵抗値が第2警報値以下になったときに、警報手段30が作動する(例えば、同じ警報音を発する)ように構成しているが、このような構成に代えて、食用油脂種の熱分解成分ガスを検知したとき、非食用油脂種の熱分解成分ガスを検知したときとで警報手段30の作動状態を変える(例えば、警報音を異なるようにする)ようにしてもよい。
【0053】
また、上述した実施形態では、警報信号生成手段が警報信号を生成したときには、この警報信号に基づいて警報手段30を作動させているが、このような構成に代えて、又はこのような構成に加えて、警報信号に基づいて加熱器による加熱を停止するようにしてもよい(例えば、ガスコンロの場合、ガスコンロの燃焼を停止するようにしてもよい)。
【0054】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のガス検知装置によれば、ガス検知手段は監視モードにおいては第1温度保持され、識別モードにおいては第2温度保持され、抵抗値測定手段は、監視モード及び識別モードにおけるガス検知手段の電気抵抗値を計測し、成分ガス判別手段は監視モード及び識別モードにおけるガス検知手段の電気抵抗値の変化度合いに基づいて成分ガスを識別するので、炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境、即ち食用油脂種の熱分解成分ガスと、エタノールを含有する環境、即ち非食用油脂種の熱分解成分ガスとを正確に判別することができる。また、監視モードの第1温度は識別モードの第2温度よりも高く設定されているので、ガス検知手段の応答性、回復性、安定性を向上させることができる。
【0055】
また、本発明の請求項2に記載のガス検知装置によれば、検知温度範囲において、所定濃度のエタノールを含有する環境におけるガス検知手段の電気抵抗値は、所定濃度の炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境におけるその電気抵抗値はよりも2.7〜30倍大きいので、このアルデヒドに対する感度が高く、調理酒蒸気に含まれるエタノールによる誤報を避け、食用油脂種を加熱した際に発生する炭素数6〜9のアルデヒドを含む熱分解成分ガスを正確に検知することができる。
【0056】
また、本発明の請求項3に記載のガス検知装置によれば、検知温度範囲におけるガス検知手段の電気抵抗値は、炭素数6〜9のアルデヒドを10ppm含有する環境において1〜3kΩの範囲内であり、またエタノールを10ppm含有する環境において8〜30kΩの範囲内であるので、食用油脂種を加熱した際に発生する炭素数6〜9のアルデヒドを含む熱分解成分ガスを所望の通りに正確に検知することができる。
【0058】
また、本発明の請求項に記載のガス検知装置によれば、食用油脂種の熱分解成分ガス(即ち、炭素数6〜9のアルデヒドを含有するガス)と識別したときには、警報を発する基準となる値として第1警報値が用いられる一方、非食用樹脂種の熱分解成分ガス(エタノールを含有するガス)と識別したときには、警報を発する基準となる値として第2警報値が用いられるので、非食用油脂種の熱分解成分ガスによる誤報の発生を少なくすることができる。従って、非食用油脂種の熱分解成分ガスによる誤報の発生を抑えつつ、食用油脂種の熱分解成分ガスを識別して正しく警報を発することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うガス検知装置の一実施形態のガスセンサを簡略的に示す断面図である。
【図2】ガス検知装置の一実施形態を簡略的に示すブロック図である。
【図3】図1のガスセンサのガス感応部により各種ガスを検知したときのその温度とその電気抵抗値との関係を示す図である。
【図4】天ぷら油の温度とガス感応部の電気抵抗値との関係を示す図である。
【図5】図2のガス検知装置によるガス検知の流れを示すフローチャートである。
【図6】ガス検知装置の他の様式によるガス検知の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施例の実験の概要を簡略的に示す図である。
【図8】実施例1及び2並びに比較例の実験結果を示す図である。
【符号の説明】
2 ガスセンサ
4 ガス感応部
8 電気ヒータ
14 制御手段
18 モード切換手段
20 抵抗値演算測定手段
21 抵抗値判定手段
22 抵抗値比演算手段
24 成分ガス識別手段
26 警報信号生成手段
30 警報手段

Claims (4)

  1. 三酸化タングステンを主成分とする金属酸化物から形成されたガス検知手段と、前記ガス検知手段を検知温度範囲に加熱するための加熱手段と、前記加熱手段を制御するための加熱制御手段と、前記ガス検知手段の電気抵抗値を測定するための抵抗値測定手段と、を具備するガス検知装置であって、
    前記ガス検知手段は、前記検知温度範囲内において温度を変化せたときに清浄空気中及びエタノールを含有する環境においては温度の上昇に伴ってその電気抵抗値が小さくなるように変化し、また炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境において温度を変化させたときにその電気抵抗値がほぼ一定である特性を有するとともに、ガスを監視するための監視モードとガス成分を識別するための識別モードによりガスを検知し、前記加熱制御手段は、前記監視モードにおいては前記ガス検知手段が前記検知温度範囲内の第1温度に保持されるように前記加熱手段を制御し、前記識別モードにおいては前記ガス検知手段が前記検知温度範囲内の前記第1温度よりも低い第2温度に保持されるように前記加熱手段を制御し、前記抵抗値測定手段に関連して、更に、成分ガスを識別するための成分ガス識別手段が設けられており、前記成分ガス識別手段は、前記監視モード及び前記識別モードにおける前記ガス検知手段の電気抵抗値の変化度合いに基づいて熱分解成分ガスを識別することを特徴とするガス検知装置。
  2. 前記検知温度範囲においては、前記ガス検知手段の電気抵抗値は、所定濃度の炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境よりも所定濃度のエタノールを含有する環境の方が大きく、所定濃度のエタノールを含有する環境における電気抵抗値は、所定濃度の炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境における電気抵抗値の2.7〜30倍であることを特徴とする請求項1に記載のガス検知装置。
  3. 前記ガス検知手段の前記検知温度範囲における電気抵抗値は、炭素数6〜9のアルデヒドを10ppm含有する環境において1〜3kΩの範囲内であり、またエタノールを10ppm含有する環境において8〜30kΩの範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のガス検知装置。
  4. 警報信号を生成する警報信号生成手段と、前記警報信号生成手段からの前記警報信号に基づいて作動する警報手段が設けられており、前記警報信号生成手段は、前記監視モードの前記ガス検知手段の電気抵抗値と第1警報値及びこの第1警報値と異なる第2警報値とを用い、炭素数6〜9のアルデヒドを含有する環境と識別した場合に前記ガス検知手段の電気抵抗値が前記第1警報値を超えると前記警報信号を生成し、エタノールを含有する環境と識別した場合に前記ガス検知手段の電気抵抗値が前記第2警報値を超えると前記警報信号を生成する請求項1〜3のいずれかに記載のガス検知装置。
JP2003059779A 2003-03-06 2003-03-06 ガス検知装置 Expired - Fee Related JP4007933B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003059779A JP4007933B2 (ja) 2003-03-06 2003-03-06 ガス検知装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003059779A JP4007933B2 (ja) 2003-03-06 2003-03-06 ガス検知装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004271263A JP2004271263A (ja) 2004-09-30
JP4007933B2 true JP4007933B2 (ja) 2007-11-14

Family

ID=33122504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003059779A Expired - Fee Related JP4007933B2 (ja) 2003-03-06 2003-03-06 ガス検知装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4007933B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114729912B (zh) * 2019-11-28 2025-10-10 索尼集团公司 气体检测方法及信息处理装置
WO2023210178A1 (ja) * 2022-04-28 2023-11-02 ソニーグループ株式会社 測定装置および測定方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0420854A (ja) * 1990-05-15 1992-01-24 Ricoh Co Ltd ガスセンサ
JPH04155132A (ja) * 1990-10-17 1992-05-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 排煙装置
JPH08170955A (ja) * 1994-12-16 1996-07-02 Kurabe Ind Co Ltd アルデヒドガス検知素子
JP2000275202A (ja) * 1999-03-25 2000-10-06 Daikin Ind Ltd ガス検出装置
JP4575559B2 (ja) * 2000-07-13 2010-11-04 エフアイエス株式会社 ケトン感応素子
JP2002195971A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Matsushita Refrig Co Ltd 冷蔵庫
JP4475834B2 (ja) * 2001-03-05 2010-06-09 大阪瓦斯株式会社 ガス検出器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004271263A (ja) 2004-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210247074A1 (en) Sensor enabled range hood
JP6772354B2 (ja) 警報器
JP4763720B2 (ja) 少なくとも1つのガスセンサアレイを備える加熱調理器、加熱調理器のためのサンプル採取システム、加熱調理器を用いて加熱調理する方法、および加熱調理器を洗浄する方法
AU2015253189A1 (en) Sensor-enabled range hood system and method
CN112762488B (zh) 一种油烟机的着火检测及控制方法
JP5128577B2 (ja) ガス検出装置及びそのガス検出装置を備えた機器
CN105864861A (zh) 智能吸油烟机
CN113069013A (zh) 烹饪设备的控制方法、烹饪设备和可读存储介质
JP2009144964A (ja) レンジフード
JP4007933B2 (ja) ガス検知装置
JP3920155B2 (ja) フライヤ
JP4480759B2 (ja) 油脂火災防止用ガス検知器及び油脂火災防止用ガス検知方法
CN112120527B (zh) 一种烹饪器具的控制方法
CN222733713U (zh) 防干烧检测设备和灶具
JP3833167B2 (ja) 油脂火災防止用ガス検知器
JP4082991B2 (ja) 油脂火災防止用ガス検知器及び油脂火災b防止用ガス検知方法
JP2003172719A (ja) ガスセンサ及び油脂火災防止用ガス検知器
CN108614492B (zh) 智能控制系统、方法及厨房电器控制系统
CN106885349A (zh) 通过空调器对烹饪器具进行控制的方法
KR100663275B1 (ko) 조리용기름 가열용 히터 고장 알림장치 및 그 방법
CN118640496B (zh) 内环火盖除油脂的方法、燃烧器、燃烧器的控制系统、计算机程序和计算机可读存储介质
KR101723601B1 (ko) 조리기기 화재예측감지장치 및 방법
CN119755681B (zh) 一种微波炉的控制方法
KR100672305B1 (ko) 전기오븐레인지의 탑버너 제어 방법
CN120178737A (zh) 防干烧的控制方法、装置及厨房电器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070828

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees