JP4009643B2 - 船舶の船首形状 - Google Patents

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Description

本願発明は、船首バルブを備えた船舶の船首形状に関する。
タンカー、自動車運搬船に代表される船舶は、規制された船舶の大きさの範囲内で大量の貨物を収納することができる空間を備えることが要請されている。そのためには全体的に肥大化せざるを得ないが、船首部の肥大化は船舶が前進する抵抗、とりわけ造波抵抗が増大するという問題が生ずる。
この船首部の肥大化による造波抵抗の増大に対処するために、船首形状については、これまでにも種々の提案がなされており、バルバスバウ(bulbous bow)と呼ばれる船首バルブがよく知られている。バルバスバウは船首の満載吃水線下にある球根状の突起であり、この球根状の突起は、船舶が前進することによって船首が起こす波と、バルバスバウが起こす波が互いに干渉しあって、船首近傍の波の発生を小さくするという効果を奏するものである。
ここで、球根状の船首バルブの作用について、図6を基に概説する。
図6は球根状の船首バルブの作用説明図であり、図6では、船舶12は図面に向かって右方向に航走している。平水時に船首バルブ24を有していない船舶12が航走すると、船首から船尾に向かって余弦波のような自由波W1が生ずる。一方、船首バルブ24を有する船舶12では、水面下にある船首バルブ24によって自由波W1とは異なった位相の自由波W2が生起される。そのため、船首バルブ24を有する船舶12が水面上に生起する波は、自由波W1と自由波W2とを合わせた波であって、自由波W1に対して自由波W2が逆位相となった場合には、自由波W1は自由波W2によって打ち消され、すなわち、自由波W1と自由波W2が互いに干渉しあって、水面上にはほとんど波が生起されず、造波抵抗も略零になる。これが球根状の船首バルブの作用である。
図4は、従来例の船首バルブを備えた船舶の図であり、図4(a)は、船舶の側面図、図4(b)は、図4(a)におけるB−B矢視図である。
図4(a)において、船舶12は、大別して船首部14と、貨物積載部16と、船尾部18から構成されている。そして、船首部14は、LWL(load water line)と呼ばれる満載吃水線50の上部に位置する暴露甲板船首20と、バルバスバウと呼ばれる船首バルブ24と、満載吃水線50近傍で船尾側に後退した船首括れ部26とから構成されている。
船舶12が前進、すなわち図4(a)において右方向に進むと、船首括れ部26近傍には第1の波(自由波W1)が発生するが、同時に、船首バルブ24による第2の波(自由波W2)も発生する。そして第1の波(自由波W1)と第2の波(自由波W2)が互いに干渉しあい、結果として第1の波(自由波W1)と第2の波(自由波W2)が打ち消しあって小さくなる。この船首括れ部26は、前述の干渉効果を高める作用をすると考えられている。なお、図4(a)に見られるように、暴露甲板船首20は、船首バルブ24の前端のほぼ垂直線上に位置しているが、これも、規制された船舶の大きさの範囲内で大量の貨物を収納するための工夫の1つである。
この船首バルブを備えた船舶の船首形状についても、従来からさまざまな提案がなされ、その内容は、船首バルブ自体の形状についてのものと、船首バルブを含めた船首全体の形状ついてのものとに分けることができる。前者の例としては、特開2004−74891号公報に開示されたものがあり、後者の例としては、特開2003−327193号公報および特開2003−160090号公報に開示されたものがある。
特開2004−74891号公報に開示のものは、船首バルブの設置位置を従来よりも上部に位置させて、船首バルブと船首括れ部の取り付け部が満載吃水線よりも上部にしたこと、および満載吃水線下の船舶の容積に対する船首バルブの容積を所定の数値内に納めるようにしたことにより、船舶の造波抵抗の低減を図ったものである。また、特開2003−327193号公報に開示のものは、船首バルブ上部に位置する船首括れ部に、平面視が楔状の付加物を取り付けることにより、砕波抵抗と波反射による抵抗の低減を図るものである。
また、特開2003−160090号公報に開示のものについては、図5を基に概説する。図5は、特開2003−160090号公報に開示の技術の実施例を示す図であり、図5(a)は、船首部側面の形状の図、図5(b)は、船首部の水線面形状の図である。
当該発明の構成は、船首プロファイル101を形成する船首最先端ラインを計画満載喫水線102下方の船首端下端103位置から上甲板104まで略鉛直上方に延ばして該船首最先端ラインを前部垂線と略一致させると共に船の全長の前端にも略一致させ、かつ、当該略鉛直範囲の水線面形状における水線面角度(船体中心線Cと船体サイドライン105とのなす角度)αを10度以下とし、水線面形状を先端まで延長した際の先端位置での仮想幅(両幅)Bを600mm以下として、水線面形状を先鋭にしたものである。そして、この構成により、船の全長制限を満足した上で箱型ホールドを確保しつつ、設計速力における船首端の水面の盛り上がりを小さくし、更に船首波崩れをなくすことができ、その結果大幅な造波抵抗及び砕波抵抗の減少作用を得ることができるという効果を奏するとされている。
特開2004−74891号公報 特開2003−327193号公報 特開2003−160090号公報
しかしながら、上述した特開2004−74891号公報に開示のものであっても、特開2003−327193号公報に開示のものであっても、船舶の造波抵抗の低減を図ることはできても、積載貨物を収納する空間の容積は、図4に示す従来例とほぼ同様であり、何ら積載貨物を収納する空間の増大を図るものではない。
また、造波抵抗は船舶の前進速度と船舶の満載吃水線における船舶の長さによって決定されるフルード数という数値によっても支配され、フルード数の増加とともにその造波抵抗が増すが、特開2004−74891号公報に開示のものと図4に示す従来例とはフルード数が同値であり、フルード数を低減させるものではない。
さらに、特開2003−160090号公報に開示の発明は、図4に示す従来例に比して、船舶の造波抵抗の低減を図ることができ、積載貨物を収納する空間の増大を図ることができるが、水線面形状を先鋭にすることにより、貨物積載部の船首側近傍では船舶の幅を狭くせざるを得ず、積載貨物を収納する空間の増大効果はない。また、前述のように船首バルブは水面下にあってその効果を発揮するものである。したがって、満載吃水線下に船首バルブを有していても、バラストのみの空荷の場合に船首バルブの上部が水面上に現れた場合には、船首バルブの効果は半減する。
そこで、本願発明は、積載貨物を収納する空間の増大を図るとともに、フルード数を低減させることにより、かつ、バラストのみの空荷の場合であっても船首バルブの効果を発揮させることにより、造波抵抗を軽減させて船舶の航行速度を増大させることのできる船舶の船首形状を提供することを目的とする。
本願発明者らは、船首バルブを有する船舶の船首形状について鋭意研究を重ねた結果、船首バルブの上部に形成された開放空間、すなわち図4に示す従来の船首括れ部は、波の干渉効果を高めるための必須の要件ではなく、従来の船首括れ部を形成させなくとも、船首バルブの上部の船首の形状を所定の形状にすれば、船首バルブの有する干渉効果を従来と同様に維持させることができるとの知見を得た。
本願発明は、上記の知見に基づいてなされたものであって、上記目的を達成するために、本願請求項1の発明に係る船舶の船首形状は、満載吃水線下に船首バルブを有する船舶であって、前記船首バルブの上方の船首の形状は、水平面から見て前方へ向けて突出する楔形とし、満載吃水線近傍の楔状船首の前端をそのまま前方に延伸せしめ、暴露甲板船首の前端、前記船首バルブの前端および満載吃水線の楔状船首の前端は側面から見て同一垂直線上にあるとともに該船首バルブは満載吃水線下方に位置する軽荷吃水線下に配置したことを特徴とする。
そして、本願請求項の発明に係る船舶の船首形状は、本願請求項1に係る船舶の船首形状において、前記船首バルブの上部には船首が船尾方向に後退した船首括れ部が形成されていることを特徴とする。
また、本願請求項の発明に係る船舶の船首形状は、本願請求項または本願請求項に係る船舶の船首形状において、前記船首バルブは、軽荷吃水線の下方に位置し、前記満水吃水線と船底線の距離をH、前記船首バルブの上部と前記船底線の距離をhとするとき、h/Hが50%〜30%であることを特徴とする。
以上のように本願請求項1ないし本願請求項3に係る発明によれば、満載吃水線近傍の楔状船首の前端を船舶の前端近傍までそのまま延伸せしめ、楔状船首の前端を船首バルブと略同一位置にし、さらに、船舶の前端を満載吃水線における楔状船首の前端と略同一位置にしているため、以下のような効果がある。
(1)船首バルブの前端を満載吃水線における楔状船首の前端と略同一位置または同一位置にしていることから、フルード数が低減することにより、造波抵抗が低減し、船舶の航行速度を増大させることができる。これについては詳細に後述する。
(2)そして、船首バルブの前端を満載吃水線における楔状船首の前端と略同一位置または同一位置にしていることから、貨物積載部の最前端に位置し設置が義務付けられている衝突隔壁を、従来よりも船首側に設置することができるため、貨物積載部の容積が増大する。これについても詳細に後述する。
(3)また、満載吃水線近傍の楔状船首の前端をそのまま前方に延伸せしめている、すなわち、水平面から見た満載吃水線近傍の船首形状は従来と同様の船首形状となっていることから、衝突隔壁における船舶の幅を従来と同様の幅とすることができるため、衝突隔壁が従来よりも船首側に設置される分だけ、貨物積載部の容積が増大する。
(4)さらに、暴露甲板船首の前端を楔状船首の前端に一致させた場合には、暴露甲板の有効面積を広げることができる。
そして、本願請求項4に係る発明によれば、船首バルブは満載吃水線下方に位置する軽荷吃水線下にあるため、バラストのみの空荷の場合であっても船首バルブの効果を発揮させることができ、造波抵抗が軽減して船舶の航行速度を増大させることができる。この船首バルブは、軽荷吃水線下にあってもできる限り大きいほうが好ましく、その観点からは、船首バルブの上部と船底間距離(h:図1参照)は満載吃水線と船底間距離(H:図1参照)の略50%〜30%であることが好ましい。
また、本願請求項5に係る発明によれば、船首バルブの上部には船首が船尾方向に後退した船首括れ部が形成されている。このため、満載吃水状態よりも船舶の速度が増すバラストのみの空荷の場合において、増大する造波抵抗を抑えることにより、船舶の速度を低下させることなく推進性能の優れた船舶を提供できる。
さらに、本願請求項1ないし3に係る発明によれば、満載吃水線下に船首バルブを有していて、水平面から見て前記船首バルブの上方の船首先端の形状は、前方へ向けてそのまま突出する楔形であり、船首バルブの上部の満載吃水線における船首先端の形状は、前記楔形が板状を呈している、すなわち、楔状船首の前端角度が、船首バルブの上部においては0°であり、この楔状船首の前端角度は暴露甲板船首の前端に向けて徐々に広げた形状となっているため、以下のような効果がある。
(1)本願発明に係る船舶は、満載吃水線下および/または軽荷吃水線下に船首バルブを有していて、満載吃水線における楔形は板状であるため、船首バルブは従来と同等の干渉効果を維持することができるとともに、船首バルブの上部の楔状船首前端の板状の突出部により、楔状船首前端の造波作用が従来よりも小さくなる。
(2)また、船首バルブの上方の船首先端の形状は、前方へ向けてそのまま突出する楔形であるため、波浪時であっても、楔状船首の前端の突出部により船首端の造波作用が従来よりも小さくなる。
(3)従来における暴露甲板前端の形状はスプーン型であるが、本願発明は、この形状により、アンカー取り付け位置における船首と船尾の中央を結ぶ船舶センターラインからの離間距離が、従来よりも短くなり、沖停泊時の船体旋回運動によるアンカーの吊チェーンのねじれが少なくなる。そのため、吊チェーンのねじれを起因とする船体外板の傷付く範囲が減少する。
以下、本願発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。まず、本願発明を実施するための最良の形態の船首形状を備えた実施例1に係る船舶について説明する。
図1は、実施例1に係る船舶の図であり、図1(a)は、船舶の側面図、図1(b)は、図1(a)におけるB−B矢視図である。
図1において、図4と同一の要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1(a)において、符号10は実施例1に係る船首形状を備えた船舶、符号14は船首部、符号16は貨物積載部、符号18は船尾部、符号20は暴露甲板船首、符号22は楔状船首、符号24は船首バルブ、符号30は船尾、符号32は舵、符号34はプロペラ(推進器)、符号40は衝突隔壁、符号50は満載吃水線、符号51は軽荷吃水線、符号53は船底線である。
まず、本実施例に係る船首形状を備えた船舶10の構成について、図1(a)を基に図4(a)と比較しながら説明する。
図1(a)において、船舶10は、主に船首部14と、貨物積載部16と、船尾部18から構成されていて、船首部14は、満載吃水線50の上方に位置する暴露甲板船首20と、楔状船首22と、船首バルブ24とから構成されている。
楔状船首22は、図4(a)に示す船首括れ部26の従来の船首部を船舶の前端までそのまま延伸させたように設置されていて、その形状は、前方へ向けて突出する楔形であり、楔状船首22が船首括れ部26に接する部分にあっては、楔状船首22は緩やかな曲面をもって接続している。
そして、船舶10の船首バルブ24の形状自体は、側面視および正面視において、船舶12の船首バルブ24の形状と略同一、あるいは、船舶10の船首バルブ24を軽荷吃水線51下とするために、船舶12の船首バルブ24の形状を縦方向に縮小したもの、となっている。なお、図1(b)おける実線は船舶10のB−B断面を示し、点線は従来例に係る船舶12のB−B断面を示している。
そして、図1(a)に示すように、暴露甲板船首20の前端、楔状船首22の前端、船首バルブ24の前端からなる船首部14は、側面から見て一つの直線を形成し、この直線は水平面に対して略垂直となっている。なお、暴露甲板船首20の前端については、上記の直線に対して後退させた船首形状としても、船首形状が有する機能に影響はない。
さらに、貨物積載部16の船首側には設置が義務付けられている衝突隔壁40が配設されていて、貨物積載部16の最前部となっている。換言すれば、船首部14と貨物積載部16は、衝突隔壁40により区分けされている。
また、船首バルブ24は、軽荷吃水線51の下方に位置していて、満載吃水線50と船底線53の距離をH、船首バルブ24の上部と船底線53の距離をhとすると、本実施例においては、h/Hを略0.4としている。
ここで、フルード数について説明する。
フルード数とは、前述のとおり造波抵抗を表す無次元のパラメータであって、このフルード数の減少とともに造波抵抗も減少する。ここで、Uを船舶の進行速度、Lを吃水線における船舶の長さ、gを重力加速度とすると、フルード数Fは、下記の数式1で表される。
Figure 0004009643
したがって、船舶の進行速度Uを同一にすれば、gは定数であるから、フルード数Fは、吃水線における船舶の長さLの平方根に反比例することになる。すなわち、Lの値が大きいほど、フルード数Fは小さくなる。
本実施例に係る船舶10のフルード数をF10、吃水線における船舶の長さをL10、従来例(図4参照)に係る船舶12のフルード数をF12、吃水線における船舶の長さをL12とすると、船舶12に対する船舶10のフルード数の減少率Δは、
Δ=(F12−F10)/F12=(√L10−√L12)/√L10 となる。
ここで、船の全長を200mとすると、船舶12の満載吃水線50における船首括れ部26の長さは5mであるので、L10=200、L12=195となるから、
Δ=0.013 となり、フルード数F10はF12よりも1.3%減少することとなる。
ところで、平水時における船舶の進行速度は、推進力を同一とすれば、船首バルブを含めた船首の形状、上記フルード数などによって決定されると考えられるが、フルード数がどのように船舶の進行速度に関わっているのか、についての詳しい知見は明らかではない。
そのため、発明者らは本実施例に係る船舶と従来例に係る船舶との比較試験をおこなった。その結果を図3に示す。
図3は、実施例1および実施例2の船首バルブを備えた船舶と従来例の船首バルブを備えた船舶の主機関出力‐速力の比較データ図である。図3において、縦軸に主機関出力(kw)をとり、横軸に船舶の速力(knots)をとると、本実施例に係る船舶の主機関出力‐速力は、曲線cに示す関係となり、従来例に係る船舶の主機関出力‐速力は、曲線dに示す関係となる。
ここで、主機関出力を常用出力(直線e)とした場合の本実施例に係る船舶の速力と従来例に係る船舶の速力を比較すると、図に示すように、満載状態においては約0.06ノット、バラスト状態では約0.08ノット、本実施例に係る船舶の速力が従来例に係る船舶の速力を上回ることが確認できた。これは従来例に係る船舶の速力に比して約0.3%の増加となっている。なお、上記の常用出力には、波浪時における定速航行するための必要な出力増加量(シーマージン)を含んでいる。
つぎに、船首バルブの前端を満載吃水線における楔状船首の前端と同一位置にしたことによる、貨物積載部の容積の増大について説明する。
船舶の船首最前端から船尾最後端までの水平距離を船舶の全長Loa(Length overall)と呼んでいる。また、船舶の設計の際に用いられる船舶の長さを垂線間長さLpp(Length between perpendiculars)と呼んでいるが、これは、船首と満載吃水線との交点から下ろした垂線FP(fore perpendicular)、および船尾に位置する舵の旋回中心となる舵柱の中心から下ろした垂線AP(after perpendicular)間の距離の呼称である。
前述した設置が義務付けられている衝突隔壁40は、Lppの5%にあたる距離をFP線から船尾側に戻した位置に設置することが規定されていて、船首バルブの前端がFP線から前方に位置する場合には、船首バルブの前端とFP線との距離の1/2を前記のLppの5%にあたる距離から控除することが認められている。
ここで、具体的な数値をもとに、船舶10と船舶12を比較しながら説明する。
いま、船舶10と船舶12のLoaをともに200mとする。船尾最後端からAPまでの距離はともに5mであるが、船舶10においては、FPと船首最前端が一致しているのに対し、船舶12においては、FPと船首最前端の距離は5mである。したがって、船舶10のLppは、195m(=200m−5m)となるのに対し、船舶12のLppは、190m(=200m−5m−5m)となる。
ところで、衝突隔壁40は、FP線からLppの5%にあたる距離を後退させた位置に設置することになっているため、船舶10においては、FP線、すなわち船首最前端から9.75m(=195m×5%)の位置に設置することになる。一方、船舶12においては、FP線から9.5m(=190m×5%)の位置に設置することになるが、船首バルブの前端とFP線との距離の1/2の2.5m(=5m×1/2)を控除することができるため、衝突隔壁40の位置は、FP線から7m(=9.5m−2.5m)となる。これは船舶12の船首最前端からは、12m(=7m+5m)に位置することになる。
以上から、衝突隔壁40の位置は、船舶10においては、船首最前端から9.75mであり、船舶12においては、船首最前端から12mであるから、衝突隔壁40の位置は、船舶10は船舶12に対して、相対的に2.25m船首寄りになる。
この2.25mに広がることによる貨物積載部16の容積の増大は、タンカーにあっては、倉内タンク容量にして約500m3であり、自動車運搬船にあっては、乗用車約15台分となる。
つぎに、本願発明を実施するための最良の形態の船首形状を備えた実施例2に係る船舶について、図2を基に説明する。図2は、実施例2に係る船舶の側面図である。
図2において、図1および図4と同一の要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。図2において、符号11は実施例2に係る船首形状を備えた船舶、符号14は船首部、符号16は貨物積載部、符号18は船尾部、符号20は暴露甲板船首、符号22は楔状船首、符号24は船首バルブ、符号26は船首括れ部、符号30は船尾、符号32は舵、符号34はプロペラ(推進器)、符号40は衝突隔壁、符号50は満載吃水線、符号51は軽荷吃水線、符号53は船底線である。
船舶11は前述した船舶10と略同一の構成及び効果を有していて、船舶11と船舶10の船首形状において、その相違するところは、船舶11が船首括れ部26を有しているのに対し、船舶10には船首括れ部26が形成されていないところにある。したがって、実施例2に関しては、構成上の相違とその構成上の相違に基づく作用効果の相違についてのみ説明する。
図2に示すように、暴露甲板船首20の前端、楔状船首22の前端、船首バルブ24の前端からなる船首部14は、側面から見て一つの直線上にあって、この直線は水平面に対して略垂直となっている。そして、この直線は、暴露甲板船首20の前端から満載吃水線50の下方まで略垂直の直線となっていて、満載吃水線50を越えた位置から斜め船尾側に向けて折れ曲がって、船首バルブ24の前端からやや船尾側に入った船首バルブ24上部の位置に当接する。すなわち、満載吃水線50を越えた位置から斜め船尾側に向けて曲折する直線と船首バルブ24上部が形成する形状は、数学における角度を表す記号(∠)に近似していて、この記号∠が船首括れ部26を形成している。船首括れ部26における船首は、他の船首同様に、水平面から見て前方へ向けてそのまま突出する楔形となっている。
なお、本実施例においても、実施例1と同様に、船首バルブ24の上部と船底線53の距離(h)と満載吃水線50と船底線53の距離(H)の比であるh/Hは、略0.4となっている。
ここで、船首括れ部26の作用について説明する。船首括れ部26により船首バルブ24の前端は、船首括れ部26から突出した形となり、船首バルブ24の前端部全体で図6に示す自由波W2を生起させることになる。このため、実施例1に係る船舶10に比べてより効果的に自由波W2が生起され、船首バルブ24による波の干渉効果は、実施例1よりも高くなる。この船首バルブ24による波の干渉効果は、満載吃水状態よりも船舶の速度が増すバラストのみの空荷の場合においてより効果的に発揮され、船舶の速度の増加に伴って増大する造波抵抗を有効に抑えることにより、推進性能の優れた船舶を提供できる。

図1は、実施例1に係る船首形状を備えた船舶の図であり、図1(a)は、船舶の側面図、図1(b)は、図1(a)におけるB−B矢視図である。 図2は、実施例2に係る船首形状を備えた船舶の側面図である。 図3は、実施例1および実施例2の船首バルブを備えた船舶と従来例の船首バルブを備えた船舶の主機関出力‐速力の比較データ図である。 図4は、従来例の船首バルブを備えた船舶の図であり、図4(a)は、船舶の側面図、図4(b)は、図4(a)におけるB−B矢視図である。 図5は、特開2003−160090号公報に開示の技術の実施例を示す図であり、図5(a)は、船首部側面の形状の図、図5(b)は、船首部の水線面形状の図である。 図6は、球根状の船首バルブの作用説明図である。
符号の説明
10 実施例1に係る船首形状を備えた船舶
11 実施例2に係る船首形状を備えた船舶
12 従来例に係る船首形状を備えた船舶
14 船首部
16 貨物積載部
18 船尾部
20 暴露甲板船首
22 楔状船首
24 船首バルブ
26 船首括れ部
30 船尾
32 舵
34 プロペラ
40 衝突隔壁
50 満載吃水線
51 軽荷吃水線

Claims (3)

  1. 満載吃水線下に船首バルブを有する船舶であって、
    前記船首バルブの上方の船首の形状は、水平面から見て前方へ向けて突出する楔形とし、満載吃水線近傍の楔状船首の前端をそのまま前方に延伸せしめ、
    暴露甲板船首の前端、前記船首バルブの前端および満載吃水線の楔状船首の前端は側面から見て同一垂直線上にあるとともに該船首バルブは満載吃水線下方に位置する軽荷吃水線下に配置したことを特徴とする船舶の船首形状。
  2. 前記船首バルブの上部には船首が船尾方向に後退した船首括れ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の船舶の船首形状。
  3. 前記船首バルブは、軽荷吃水線の下方に位置し、前記満水吃水線と船底線の距離をH、前記船首バルブの上部と前記船底線の距離をhとするとき、h/Hが50%〜30%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の船舶の船首形状。
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