JP4043100B2 - 太陽電池装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、太陽電池装置に関し、特に、両面入射型太陽電池パネルを用いた太陽電池装置において、光の入射を最適な状態で行える太陽電池装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽電池は、無尽蔵な太陽光をエネルギー源としているため、環境問題等から脚光を浴びている。
【0003】
ところで、昨今太陽電池素子の光の有効利用を図るべく、光入射側の電極のみならず裏面側の電極まで透明電極の構成にし、太陽電池素子の表裏から光を入射させるように構成した太陽電池が提案されている。
【0004】
図8に、表裏から光を入射させるように構成した太陽電池素子の一例を示す。
この太陽電池素子は、単結晶シリコン基板と非晶質シリコン層との間に実質的に真性な非晶質シリコンを挟み、その界面での欠陥を低減し、ヘテロ接合界面の特性を改善した素子である。図8は、ヘテロ接合界面特性を改善した構造(以下、HIT構造という。)において、表裏面から光が入射可能にした太陽電池素子を示す模式的断面図である。
【0005】
図8に示すように、n型単結晶シリコン基板10上に、真性な非晶質シリコン層11が形成され、その上にp型非晶質シリコン層12が形成されている。そして、p型非晶質シリコン層12上の全面にITOなどからなる受光面側の透明電極13が設けられ、この受光面側透明電極13上に銀(Ag)等からなる櫛形集電極14が形成されている。また、基板10の裏面には基板10の裏面に内部電界を導入したいわゆるBSF(Back Surface Field)型構造になっている。即ち、裏面側の基板10側に真性非晶質シリコン層15を介してハイドープn型非晶質シリコン層16が設けられている。このハイドープn型非晶質シリコン層16上にITOなどからなる裏面側透明電極17が形成され、この上に銀(Ag)等からなる櫛形集電極18が形成されている。このように、裏面側も結晶シリコン基板と非晶質シリコン層との間に実質的に真性な非晶質シリコンを挟み、その界面での欠陥を低減し、ヘテロ接合界面の特性を改善したBSF構造になっている。
【0006】
上記したように、表裏面を同じ透明電極と集電極とからなる電極構成にした太陽電池素子(以下、両面入射型太陽電池素子という。)の場合、表裏面に同じ光量で光を入射させた場合、出力電力が最大2倍程度増加する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の太陽電池装置は、太陽電池パネルの受光面側から太陽光を効率よく入射するために、受光面の法線方向の方位角を真南に向け、緯度にほぼ等しいか若しくは緯度より少し小さい角度で太陽電池パネルが設置されている。しかしながら、このような従来の太陽電池装置においては、裏面側からの光の入射については何等考慮されておらず、太陽電池パネルとして両面入射型太陽電池素子を用いても裏面側からの光を有効に利用することができないという問題があった。
【0008】
この発明は、裏面側にも光を有効に入射させ、光の有効利用を図った太陽電池装置を提供することを目的とする。
【0009】
この発明の太陽電池装置は、脚部を介して支持される架台に互いに電気的に接続された両面入射型の太陽電池パネルが取り付けられてなる太陽電池アレイと、設置面に当該設置面と平行に設けられた反射部とを有する太陽電池装置であって、前記太陽電池パネルの設置角度をα、前記太陽電池アレイの設置面の傾斜角度をγ、前記太陽電池パネルの裏面と太陽電池アレイの設置面との間の距離をa、前記太陽電池アレイの受光面の長さをL、夏至の時における南中高度での太陽の入射角をβとしたとき、
a≧|L(cosα×tan(β+γ)−sinα)/2|を満足するように架台の脚部の高さを設定したことを特徴とする。
【0010】
上記のように、構成することで、太陽光と反射光とを両面入射型太陽電池素子等の太陽電池パネルに有効に入射させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。この実施の形態は、平地又はビルの屋上などの平坦地や勾配を有する屋根などに設置される架台を有する太陽電池装置である。
【0021】
例えば、図1に示すように、平地又はビルの屋上などの平坦地に、この実施の形態における太陽電池アレイSAが複数組設置される。1つの太陽電池アレイSAは、図1に示すように、上記した両面入射型太陽電池素子を複数個備えた太陽電池パネル1…が支持架台2に取り付けられている。互いの太陽電池パネル1…は電気的に接続されている。
【0022】
この支持架台2は、一番下に位置する太陽電池パネル1…の最下部が地上から所定の高さになるように、脚部21a、21bが設けられている。この脚部21a、21bの高さは、後述する太陽光の入射角等の条件により最適な寸法になるように決められる。また、支持架台1の太陽電池パネル1が取り付けられる取り付け部22は、システム設置地点の緯度、経度、使用目的などに応じて所定の角度(α)になるように、前側脚部21aと後側脚部21bとの長さが決められている。
【0023】
支持架台2の下方部の設置面には、図示はしていないが、太陽電池パネル1…の裏面側に光を反射するための反射部(反射板)が設けられている。
【0024】
このように構成された太陽電池アレイSA…の各部材の寸法を最適化することで、太陽光と反射光とを両面入射型太陽電池素子に有効に入射させることができる。
【0025】
次に、各太陽電池装置の設置状態におけるそれぞれの最適寸法の関係を考察する。
【0026】
まず、反射部(反射板)が設置場所と平行である場合につき説明する。陸置きの太陽電池装置において、太陽電池パネル1…の設置角度を固定した時の太陽電池パネル1の裏面と設置面との間の距離と太陽電池アレイ間距離につき図2に従い説明する。同図において、(a)が夏至の時のように、太陽の入射角度βが大きいときの架台高さを示し、(b)が冬至の時のように、太陽の入射角度βが小さいときの架台高さを示している。
【0027】
太陽電池パネル1の設置角度をα、太陽電池アレイの設置面の傾斜角度をγ、太陽電池パネル1の裏面と設置面との間の距離(以下、架台高さという。)をa、太陽電池アレイの受光面の長さをL、太陽の入射角をβとする。いま、図2に示す実施の形態においては、太陽電池パネル1…の設置角度αは0度、傾斜角度γは0度である。
【0028】
この時、太陽電池パネル1…の裏面への反射光が太陽電池アレイの太陽電池パネルにより遮られないようにするには、架台高さ、即ち設置面から太陽電池パネル1の裏面までの距離aを図2から下記の式を満足するように設定すればよい。
【0029】
a≧Ltan(β)/2 …(1)
【0030】
上記の式を満足するように架台2の脚部21a、21bの高さを設定すれば、太陽電池アレイSAにより反射光が遮られることなく、太陽電池パネル1…の裏面に入射する。
【0031】
また、太陽電池アレイ間隔bを他の太陽電池アレイにより反射光が遮られないようにするには下記の式を満足する値に設定すればよい。
【0032】
b≧2a/tan(β) …(2)
【0033】
上記(1)(2)式より、b≒L以上に設定すれば、他の太陽電池アレイに光が遮られることなく、太陽電池パネル1…の表裏面に光が入射する。
【0034】
表1は、各太陽光の入射角と架台高さaと太陽電池アレイ間距離bをまとめたものである。
【0035】
【表1】
【0036】
上記表1より、太陽電池アレイの受光面の長さ(L)が500mmの時、夏至の時を基準とした架台高さaである1200mm以上にすると、四季を通じて、太陽電池パネル1…の裏面に反射光を与えることができる。しかし、冬至の時の太陽高度から他の太陽電池アレイにより光を遮られないようにするためには、架台高さaを1200mm以上にした場合には、太陽電池アレイ間隔を3900mmにする必要がある。太陽電池アレイ間隔を大きくすることは、設置面積から考えると、太陽電池アレイの設置数が減少することになる。このため、季節に応じて架台高さaが逐次変更できない場合には、使用目的等を考慮して、架台高さa及び太陽電池アレイ間隔を決定すればよい。
【0037】
また、その日の南中高度に合わせて、反射部と太陽電池パネル1の裏面との間隔がaになるように、反射部をその位置におくか、架台の高さをaに合わせて変化させるように構成すれば、年間を通じて効率よく発電させることができる。この時、太陽電池アレイ間は太陽電池アレイの受光部の長さ(L)以上であればよい。
【0038】
次に、反射板の反射率と太陽電池パネルの両面に入射する光量をシュミレーションした結果を表2に示す。表2は北緯35度の地域でのシュミレーションである。
【0039】
尚、従来品は秋分・春分に合わせた太陽電池パネルの設置角にしたもので、春分・秋分の時が100であると、夏至、冬至は91.4程度に光の入射効率が落ちるが、この表では、その時のそれぞれの従来品を100とし、その値との相対値を比較した。また、この実施の形態における太陽電池パネルの設置角度は0度である。
【0040】
【表2】
【0041】
上記シュミレーションから分かるように、この実施の形態においては、夏の発電量は増大するので、真夏の電力ピーク時の消費電力を大幅にカバーすることができる。また、反射板の反射率を80%以上にすることで、通常のモジュールの設置方法より年間を通じて発電量が増大する。
【0042】
次に、陸置きの太陽電池装置において、太陽電池パネルの設置角度を冬至の南中高度より小さい角度(α)固定した時の架台高さと太陽電池アレイ間距離につき図3に従い説明する。同図(a)が夏至の時のように、太陽の入射角度βが大きいときの架台高さを示し、(b)が冬至の時のように、太陽の入射角度βが小さいときの架台高さを示している。
【0043】
いま、図3に示す実施の形態においては、太陽電池パネル1の設置角度はα、傾斜角度γは0である。また、架台高さaは太陽電池パネル1の最下部から設置面までの高さである。
【0044】
この時、太陽電池パネル1の裏面への反射光が太陽電池アレイの太陽電池パネルにより遮られないようにするには、架台高さ、即ち設置面から太陽電池パネル裏面までの距離aを図3から下記の式を満足するように設定する。
【0045】
a≧L(cosα・tanβ−sinα)/2 …(3)
【0046】
上記の式を満足するように架台の脚部21a、21bの高さを設定すれば、太陽電池アレイSAに反射光が遮られることなく太陽電池パネル1…の裏面に入射する。
【0047】
また、太陽電池アレイ間隔bを他の太陽電池アレイが反射光を遮らないようにするには下記の式を満足する値に設定すればよい。
【0048】
b≧(2a+Lsinα)/tan(β) …(4)
【0049】
上記(3)(4)式よりb≒Lcosα以上に設定すればよい。
【0050】
表3は、各太陽光の入射角と架台高さと太陽電池アレイ間距離をまとめたものである。尚、太陽電池パネルの設置角αは11.6度である
【0051】
【表3】
【0052】
上記表3より、太陽電池アレイの受光面の長さ(L)が500mmの時、夏至の時を基準とした架台高さaである1150mm以上にすると、四季を通じて、太陽電池パネル1…の裏面に反射光を与えることができる。しかし、冬至の時の太陽高度から他の太陽電池アレイにより光を遮られないようにするためには、架台高さaを1150mm以上にした場合には、太陽電池アレイ間隔を3500mmにする必要がある。前述したように、太陽電池アレイ間隔を大きくすることは、設置面積から考えると、太陽電池アレイの設置数が減少することになる。このため、季節に応じて架台高さaが逐次変更できない場合には、使用目的等を考慮して、架台高さa及び太陽電池アレイ間隔を決定すればよい。
【0053】
また、その日の南中高度に合わせて、反射部と太陽電池パネル1の裏面との間隔がaになるように、反射部をその位置におくか、架台の高さをaに合わせて変化させるように構成すれば、年間を通じて効率よく発電させることができる。この時、太陽電池アレイ間はLcosα以上であればよい。
【0054】
次に、反射板の反射率と太陽電池パネルの両面に入射する光量をシュミレーションした結果を表4に示す。表4は北緯35度の地域でのシュミレーションである。
【0055】
前述した実施の形態と同じく、従来品は秋分・春分に合わせた設置角にしており、春分・秋分の時が100であると、夏至、冬至は91.4程度に光の入射効率が落ちるが、この表では、その時のそれぞれの従来品を100とし、その値との相対値を比較した。また、この発明の設置角度は11.6度である。
【0056】
【表4】
【0057】
上記シュミレーションから分かるように、夏の発電量は増大するので、真夏の電力ピーク時の消費電力を大幅にカバーすることができる。また、反射板の反射率を80%以上にすることで、通常のモジュールの設置方法より年間を通じて発電量が増大する。
【0058】
次に、陸置きの太陽電池装置において、太陽電池パネルの設置角度を冬至の南中高度より大きく、春分・秋分の南中高度より小さい角度(α)に固定した時の架台高さとアレイ間距離につき図4に従い説明する。同図において、(a)が夏至の時のように、太陽の入射角度βが大きいときの架台高さを示し、(b)が冬至の時のように、太陽の入射角度βが小さいときの架台高さを示している。
【0059】
いま、図4に示す実施の形態においては、太陽電池パネル1の設置角度はα、傾斜角度γは0である。また、架台高さaは太陽電池パネル1の最下部から設置面までの高さである。
【0060】
この時、太陽電池パネル1の裏面への反射光が太陽電池アレイの太陽電池パネルにより遮られないようにするには、架台高さ、即ち設置面から太陽電池パネル裏面までの距離aを図3から下記の式を満足するように設定する。
【0061】
a≧L(cosα・tanβ−sinα)/2 …(5)
【0062】
上記の式を満足するように架台の脚部21a、21bの高さを設定すれば、太陽電池アレイSAにより反射光が遮られることなく、太陽電池パネル1…の裏面に入射する。
【0063】
但し、α>βの場合には、裏面への反射光はないので、架台高さaは自由である。この図4(b)に示す状態ではa≒0にしている。そして、反射板から反射光が表側の受光面に入射する。
【0064】
また、太陽電池アレイ間bを他のアレイが反射光を遮らないようにするには下記の式を満足する値に設定すればよい。
【0065】
α≦βの場合には、
b≧(2a+Lsinα)/tan(β) …(6)
【0066】
α>βの場合には、
b≧(2a+2Lsinα)/tan(β)−Lcosα …(6’)
【0067】
上記(5)(6)式よりb≒Lcosα以上に設定すればよい。
【0068】
表5は、各太陽光の入射角と架台高さaと太陽電池アレイ間距離bをまとめたものである。
【0069】
【表5】
【0070】
上記表5より、太陽電池アレイの受光面の長さ(L)が500mmの時、夏至の時を基準とした架台高さaである850mm以上にすると、四季を通じて、太陽電池パネル1…の裏面に反射光を与えることができる。しかし、冬至の時の太陽高度から他の太陽電池アレイにより光を遮られないようにするためには、架台高さaを850mm以上にした場合には、太陽電池アレイ間隔を2310mmにする必要がある。前述したように、太陽電池アレイ間隔を大きくすることは、設置面積から考えると、太陽電池アレイの設置数が減少することになる。このため、季節に応じて架台高さaが逐次変更できない場合には、使用目的等を考慮して、架台高さa及び太陽電池アレイ間隔を決定すればよい。
【0071】
また、その日の南中高度に合わせて、反射部と太陽電池パネル1の裏面との間隔がaになるように、反射部をその位置におくか、架台の高さをaに合わせて変化させるように構成すれば、年間を通じて効率よく発電させることができる。この時、太陽電池アレイ間は520mm以上であればよい。
【0072】
次に、反射板の反射率と太陽電池パネルの両面に入射する光量をシュミレーションした結果を表6に示す。表6は北緯35度の地域でのシュミレーションである。
【0073】
尚、従来品は秋分・春分に合わせた太陽電池パネルの設置角にしており、春分・秋分の時が100であると、夏至、冬至は91.4程度に光の入射効率が落ちるが、この表では、その時のそれぞれの従来品を100とし、その値との相対値を比較した。また、この実施の形態の設置角度は35度である。
【0074】
【表6】
【0075】
上記シュミレーションから分かるように、夏の発電量は増大するので、真夏の電力ピーク時の消費電力を大幅にカバーすることができる。また、設置角度を春分・秋分の南中高度に合わせると従来のモジュール設置方法より常に発電量が増大する。
【0076】
次に、陸置きの太陽電池装置において、太陽電池パネルの設置角度を春分・秋分の南中高度より大きい角度(α)に固定した時の架台高さとアレイ間距離につき図5に従い説明する。同図において、(a)は入射角βが設置角αより大きい場合の架台高さaを示し、(b)は入射角βが設置角αより小さい場合の架台高さaを示している。
【0077】
いま、図5に示す実施の形態においては、太陽電池パネル1の設置角度はα、傾斜角度γは0である。また、架台長さaは太陽電池パネル1の最下部から設置面までの高さである。
【0078】
この時、太陽電池パネル1の裏面への反射光が太陽電池アレイの太陽電池パネルにより遮られないようにするには、架台高さ、即ち設置面から太陽電池パネル裏面までの距離aを図5から下記の式を満足するように設定する。
【0079】
a≧L(cosα・tanβ−sinα)/2 …(7)
【0080】
上記の式を満足するように架台の脚部21a、21bの高さを設定すれば、太陽電池アレイSAにより反射光が遮られることなく、太陽電池パネル1…の裏面に入射する。
【0081】
但し、α>βの場合には、裏面への反射光はないので、架台高さaは自由である。この図5(b)に示す状態ではa≒0にしている。そして、反射板から反射光が表側の受光面に入射する。
【0082】
また、太陽電池アレイ間bを他の太陽電池アレイが反射光を遮らないようにするには下記の式を満足する値に設定すればよい。
【0083】
α≦βの場合には、
b≧(2a+Lsinα)/tan(β) …(8)
【0084】
α>βの場合には、
b≧(2a+2Lsinα)/tan(β)−Lcosα
【0085】
上記(7)(8)式よりb≒Lcosα以上に設定すればよい。
【0086】
表7は、各太陽光の入射角と架台高さと太陽電池アレイ間距離をまとめたものである。太陽電池パネルの設置角度αは49度である。
【0087】
【表7】
【0088】
上記表7より、太陽電池アレイの受光面の長さ(L)が500mmの時、夏至の時を基準とした架台高さaである610mm以上にすると、四季を通じて、太陽電池パネル1…の裏面に反射光を与えることができる。しかし、冬至の時の太陽高度から他の太陽電池アレイにより光を遮られないようにするためには、架台高さaを850mm以上にした場合には、太陽電池アレイ間隔を1370mmにする必要がある。前述したように、太陽電池アレイ間隔を大きくすることは、設置面積から考えると、太陽電池アレイの設置数が減少することになる。このため、季節に応じて架台高さaが逐次変更できない場合には、使用目的等を考慮して、架台高さa及び太陽電池アレイ間隔を決定すればよい。
【0089】
また、その日の南中高度に合わせて、反射部と太陽電池パネル1の裏面との間隔がaになるように、反射部をその位置におくか、架台の高さをaに合わせて変化させるように構成すれば、年間を通じて効率よく発電させることができる。この時、太陽電池アレイ間は900mm以上であればよい。
【0090】
次に、反射板の反射率と太陽電池パネルの両面に入射する光量をシュミレーションした結果を表8に示す。表8は北緯35度の地域でのシュミレーションである。
【0091】
尚、従来品は秋分・春分に合わせた太陽電池パネルの設置角にしており、春分・秋分の時が100であると、夏至、冬至は91.4程度に光の入射効率が落ちるが、この表では、その時のそれぞれの従来品を100とし、その値との相対値を比較した。また、この実施の形態の太陽電池パネルの設置角度は49度である。
【0092】
【表8】
【0093】
上記シュミレーションから分かるように、夏及び冬の発電量は増大するので、真夏及び真冬の電力ピーク時の消費電力を大幅にカバーすることができる。
【0094】
次に、傾斜がある屋根に設置する太陽電池装置において、太陽電池パネルの設置角度を冬至の南中高度より小さい角度(α)固定した時の架台高さとアレイ間距離につき図6に従い説明する。同図において、(a)が夏至の時のように、太陽の入射角度βが大きいときの架台高さを示し、(b)が冬至の時のように、太陽の入射角度βが小さいときの架台高さを示している。
【0095】
いま、図6に示す実施の形態においては、太陽電池パネル1の設置角度はα、傾斜角度γは屋根の勾配である。また、架台高さaは太陽電池パネル1の最下部から設置面までの高さである。
【0096】
この時、太陽電池パネル1の裏面への反射光が太陽電池アレイの太陽電池パネルにより遮られないようにするには、架台高さ、即ち設置面から太陽電池パネル裏面までの距離aを図6から下記の式を満足するように設定する。
【0097】
a≧|L(cosα・tan(β+γ)−sinα)/2|…(9)
【0098】
上記の式を満足するように架台の脚部21a、21bの高さを設定すれば、太陽電池アレイSAにより反射光が遮られることなく、太陽電池パネル1…の裏面に入射する。
【0099】
太陽電池アレイ間bを他の太陽電池アレイが反射光を遮らないようにするには下記の式を満足する値に設定すればよい。
【0100】
b≧|(2a+Lsinα)/tan(β+γ)|…(10)
【0101】
上記(9)(10)式よりb≒Lcosα以上に設定すればよい。
【0102】
表9は、各太陽光の入射角と架台長さとアレイ間距離をまとめたものである。屋根勾配は一般的な4寸5分(24.1度)として算出した。
【0103】
【表9】
【0104】
上記表9より、太陽電池アレイの受光面の長さ(L)が500mmの時、夏至の時を基準とした架台高さaである1150mm以上にすると、四季を通じて、太陽電池パネル1…の裏面に反射光を与えることができる。しかし、冬至の時の太陽高度から他の太陽電池アレイにより光を遮られないようにするためには、架台高さaを1150mm以上にした場合には、太陽電池アレイ間隔を1500mmにする必要がある。前述したように、太陽電池アレイ間隔を大きくすることは、設置面積から考えると、太陽電池アレイの設置数が減少することになる。このため、季節に応じて架台高さaが逐次変更できない場合には、使用目的等を考慮して、架台高さa及び太陽電池アレイ間隔を決定すればよい。
【0105】
また、その日の南中高度に合わせて、反射部と太陽電池パネル1の裏面との間隔がaになるように、反射部をその位置におくか、架台の高さをaに合わせて変化させるように構成すれば、年間を通じて効率よく発電させることができる。この時、太陽電池アレイ間はLcosα以上であればよい。
【0106】
次に、反射板の反射率と太陽電池パネルの両面に入射する光量をシュミレーションした結果を表10に示す。表10は北緯35度の地域でのシュミレーションである。
次に、反射板の反射率と効果をシュミレーションした結果を表10に示す。表10は北緯35度の地域でのシュミレーションである。
【0107】
尚、従来品は秋分・春分に合わせた設置角にしており、春分・秋分の時が100であると、夏至、冬至は91.4程度に光の入射効率が落ちるが、この表では、その時のそれぞれの従来品を100とし、その値との相対値を比較した。また、この発明の設置角度は11.6度である。
【0108】
【表10】
【0109】
上記シュミレーションから分かるように、夏の発電量は増大するので、真夏の電力ピーク時の消費電力を大幅にカバーすることができる。また、反射板の反射率を20%以上にすることで、通常のモジュールの設置方法より年間を通じて発電量が増大する。但し、設置面に垂直に光があたる場合には、表面側のみの発電となる。
【0110】
図7に設置面に配置する反射板の形状を変化させ、季節に関係なく裏面側へ反射光を与えるようにした構造の太陽電池装置を示す。図7に示すように、太陽電池アレイSAの下部に湾曲した反射板4を設け、反射板4の北側の角度を夏至の南中高度以上、反射板の南側の角度が冬至の南中高度以下にする。架台2の高さは例えば、春分・秋分の時季に適した高さとする。
【0111】
このような反射板4を設けることにより、架台の高さを変化させずに、四季を通じて反射光を有効に利用して発電が行える。
【0112】
上記実施の形態においては、北半球に太陽電池装置を設置する場合について説明しているが、南半球の場合には、北半球とは南北が逆の状態で、本発明を適用すればよい。
【0113】
また、上記では、両面入射型太陽電池素子として、HIT構造の太陽電池素子を例に挙げたが、他の結晶系太陽電池素子、非晶質系太陽電池素子で両面入射型太陽電池装置を構成してもこの発明は適用できる。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、有効に裏面側にも光を与えることが可能となり、両面入射型太陽電池装置の出力増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる太陽電池装置の設置状況を示す斜視図である。
【図2】この発明の太陽電池装置における太陽の入射光と架台高さ、太陽電池アレイ間隔との関係を示す模式図であり、(a)は夏至の時のように、太陽の入射角度βが大きいときの架台高さを示し、(b)は冬至の時のように、太陽の入射角度βが小さいときの架台高さを示している。
【図3】この発明の太陽電池装置における太陽の入射光と架台高さ、太陽電池アレイ間隔との関係を示す模式図であり、(a)は夏至の時のように、太陽の入射角度βが大きいときの架台高さを示し、(b)は冬至の時のように、太陽の入射角度βが小さいときの架台高さを示している。
【図4】この発明の太陽電池装置における太陽の入射光と架台高さ、太陽電池アレイ間隔との関係を示す模式図であり、(a)は夏至の時のように、太陽の入射角度βが大きいときの架台高さを示し、(b)は冬至の時のように、太陽の入射角度βが小さいときの架台高さを示している。
【図5】この発明の太陽電池装置における太陽の入射光と架台高さ、太陽電池アレイ間隔との関係を示す模式図であり、(a)は夏至の時のように、太陽の入射角度βが大きいときの架台高さを示し、(b)は冬至の時のように、太陽の入射角度βが小さいときの架台高さを示している。
【図6】この発明の太陽電池装置における太陽の入射光と架台高さ、太陽電池アレイ間隔との関係を示す模式図であり、(a)は夏至の時のように、太陽の入射角度βが大きいときの架台高さを示し、(b)は冬至の時のように、太陽の入射角度βが小さいときの架台高さを示している。
【図7】この発明の太陽電池装置の他の実施の形態を示す模式図である。
【図8】ヘテロ接合界面特性を改善した構造(以下、HIT構造という。)において、表裏面から光が入射可能にした太陽電池素子を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 太陽電池パネル
2 架台
Claims (1)
- 脚部を介して支持される架台に互いに電気的に接続された両面入射型の太陽電池パネルが取り付けられてなる太陽電池アレイと、設置面に当該設置面と平行に設けられた反射部とを有する太陽電池装置であって、前記太陽電池パネルの設置角度をα、前記太陽電池アレイの設置面の傾斜角度をγ、前記太陽電池パネルの裏面と太陽電池アレイの設置面との間の距離をa、前記太陽電池アレイの受光面の長さをL、夏至の時における南中高度での太陽の入射角をβとしたとき、
a≧|L(cosα×tan(β+γ)−sinα)/2|を満足するように架台の脚部の高さを設定したことを特徴とする太陽電池装置。
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