JP4265083B2 - 半導体圧力センサの製造方法 - Google Patents

半導体圧力センサの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピエゾ抵抗等の歪受感素子を形成したセンサチップと圧力導入孔を形成した台座とが接合されてなるセンサ本体を備える半導体圧力センサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、エアコンや空調機等の微圧領域の圧力検知等に使用される半導体圧力センサの従来例の一例を示す断面図である。
【0003】
図3に示す半導体圧力センサでは、圧力によって生ずるダイヤフラム(薄肉部)7の歪みを電気信号として取り出す働きを有する歪受感素子6を形成したセンサチップ1とガラス等よりなる台座2が接合されてなるセンサ本体が、金属パイプ12を備えているパッケージ3内に固定されていて、センサチップ1の表面には保護樹脂を塗布してオーバーコート11が形成されている。ここで、センサ本体をガラス台座2付きの構造としているのは、パッケージ3からの応力の影響を抑えて、センサチップ1の精度を高めるためである。そして、液体のオイル、水、空気等の圧力検知対象が金属パイプ12及びガラス台座2内の圧力導入孔(貫通孔)5を経由して半導体圧力センサ内に導入され、導入された流体(検知対象)の圧力によって生じるセンサチップ1のダイヤフラム7のたわみ量の変化(歪み)を、ダイヤフラム7に形成されているピエゾ抵抗素子(歪受感素子6)が電気信号に変換することによって、この半導体圧力センサでは圧力の検知が行われる。
【0004】
パッケージ3はPPSやPBT等のプラスチックで形成され、その中心にコバール製等の金属パイプ20が配置されていて、この金属パイプ20と、下面にメタライズ13が施されているガラス台座2とが、半田等(錫、錫−アンチモン合金、鉛、錫−鉛合金、金−シリコン合金、錫−銀合金等)の接合用金属4により接合される。ガラス台座2の下面のメタライズ13層は、最下層Cr/Pt/最上層Au、最下層Ti/Ni/最上層Au、最下層Ti/Pt/最上層Auなどの構成とすることが可能であり、最上層のAuの表面に半田が塗れるようになっている。また、図3で、符号9はリードを、符号10はふたを示している。
【0005】
なお、上記の半導体圧力センサに組み込む、歪受感素子6を形成したセンサチップ1とガラス等よりなる台座2が接合されてなるセンサ本体の製造方法としては、複数のセンサチップ1に分割予定の歪受感素子を形成しているシリコンウェハと、複数の台座2に分割予定の圧力導入孔を形成している台座用基板とを接合した後、この接合したものを、チップ単位にダイシングして製造するという加工プロセスで行われるのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような半導体圧力センサの場合、圧力を検知する感度は、センサチップ1に形成するダイヤフラム7の厚みの2乗に反比例し、ダイヤフラム7の面積に比例する。そのため、より微小圧力を検知するために高感度なものとするには、センサチップ1に形成するダイヤフラム7の厚みをより薄くしなければならないが、センサチップ1を得るためのウェハ加工プロセスで次のような問題が生じるためダイヤフラム7の厚みをより薄くすることは従来困難であった。すなわち、ダイヤフラム7の厚みを薄くした場合には、ウェハ加工プロセスにおいて、真空でウェハを吸着する際に、吸着圧でダイヤフラム7の部分が破損するという問題や、ウェハを搬送する際等に、機械的衝撃でダイヤフラム7の部分が破損するという問題や、ウェハをダイシングする際に、切削水の水圧によりダイヤフラム7の部分が破損するという問題等が生じていた。
【0007】
また、従来ダイヤフラム7は、KOH水溶液等を用いる異方性エッチングにより、シリコンウェハ[平坦面の結晶方位が(110)又は(100)のウェハを用いる。]に、チップ単位で掘り込みを行って形成しており、そのため、ダイヤフラム7の周囲にシリコンの結晶方位(111)面の傾斜面が形成されていた。そのため、圧力検知の感度を高めるために、ダイヤフラム7の面積を大きくしようとすると、この傾斜面の部分があるため、チップサイズが大きくなり、小型化することができないという問題が生じていた。
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、チップサイズを大きくすることなく、微小圧力を検知ができる高感度な半導体圧力センサを製造することが可能となる半導体圧力センサの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の半導体圧力センサの製造方法は、歪受感素子を形成したセンサチップと圧力導入孔を形成した台座が接合されてなるセンサ本体を備える半導体圧力センサを製造する際に、複数のセンサチップに分割予定の歪受感素子を形成しているシリコンウェハと複数の台座に分割予定の圧力導入孔を形成している台座用基板とを接合する工程と、この接合されたものを、チップ単位にダイシングする工程とを有する半導体圧力センサの製造方法において、
(1)シリコンウェハに歪受感素子を形成する工程、
(2)前記歪受感素子を覆う空隙部を形成しているキャップ用基板と前記シリコンウェハとを、同一センサチップ用の歪受感素子の形成領域の周囲を接合面として接合する工程、
(3)キャップ用基板と接合したシリコンウェハの、歪受感素子を形成した面と反対側の面をエッチング又は研磨して、シリコンウェハの厚みを薄肉化する工程、
(4)前記薄肉化する工程を終えたシリコンウェハの、歪受感素子を形成した面と反対側の面に、圧力導入孔を形成した台座用基板を接合する工程、
(5)キャップ用基板及び台座用基板と接合しているシリコンウェハを、チップ単位にダイシングする工程
を備え、シリコンウェハと接合する前のキャップ用基板に、チップ単位にダイシングした際に歪受感素子を覆う空隙部と外気との通気孔となる溝を形成していることを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。
【0010】
請求項2に係る発明の半導体圧力センサの製造方法は、シリコンウェハの厚みを薄肉化する工程で、シリコンウェハの圧力受圧面となる部分の厚みが3〜20μmとなるように薄肉化することを特徴とする請求項1記載の半導体圧力センサの製造方法である。
【0011】
請求項3に係る発明の半導体圧力センサの製造方法は、キャップ用基板がシリコン基板であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体圧力センサの製造方法である。
【0012】
請求項4に係る発明の半導体圧力センサの製造方法は、キャップ用基板がガラス基板であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体圧力センサの製造方法である。
【0014】
請求項1〜請求項に係る発明の半導体圧力センサの製造方法では、キャップ用基板と接合していることで、キャップ用基板に支持された状態にあるシリコンウェハの、歪受感素子を形成した面と反対側の面をエッチング又は研磨して、シリコンウェハの圧力受圧面となる部分の厚みを薄肉化する。従って、歪受感素子を形成したシリコンウェハに対し、チップ単位で掘り込みを行ってダイヤフラム(薄肉部)を形成していた方法に比べ、請求項1〜請求項に係る発明の製造方法によれば、シリコンウェハの圧力受圧面となる部分の厚みを薄肉化した際の加工時のトラブル発生が防止でき、且つ、分割後のチップ全体が薄肉化した形状に加工することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1及び図2は、本発明の半導体圧力センサの製造方法に係る一実施形態を説明するための各工程毎の断面図を示している。図1及び図2に示す実施形態では、まず、シリコンウェハ21に歪受感素子6a、6bとしてピエゾ抵抗を形成する(図1−(a))。なお、シリコンウェハ21は後工程で複数のセンサチップに分割を予定していて、各センサチップ用の歪受感素子6a、6b、…を形成している。1個のセンサチップ当たり形成する歪受感素子の個数については、特に限定はないが、通常4個程度(2〜6個程度)の歪受感素子を1個のセンサチップ当たり形成する。
【0017】
次に、シリコンウェハ21に形成している、各センサチップ用の歪受感素子6a、6b、…を覆う空隙部23a、23b、…をエッチングにより形成しているキャップ用基板25と前記シリコンウェハ21とを、各センサチップ用の歪受感素子6a、6b、…の形成領域毎の周囲を接合面として、アルミ、ポリシリコン、ガラス薄膜等を介して接合する(図1−(b))。キャップ用基板25として使用する素材については、特に限定はないが、例えばガラス基板、シリコン基板等の無機基板を用いることが、耐熱性が優れるので望ましい。そして、キャップ用基板25としてガラス基板を用いる場合には、接合のためにシリコンウェハ21の接合面に形成する接合層26をアルミ又はポリシリコンとすると、キャップ用基板25とシリコンウェハ21を陽極接合で接合できる。この場合の陽極接合は、例えば、ガラス基板がアルカリイオン含有ガラスの場合、温度400℃、真空中で、シリコンウェハ21側を正極とし、キャップ用基板25となるガラス基板側を負極として、直流電圧を約600〜900V印加する条件で行うことができる。なお、ガラス基板が鉛系非晶質ガラスの場合、数100Vの電圧で、約100〜300℃の温度で接合できる。また、キャップ用基板25としてシリコン基板を用いる場合には、接合のためにシリコンウェハ21の接合面に形成する接合層26をガラス薄膜とすると、キャップ用基板25とシリコンウェハ21を陽極接合で接合できる。キャップ用基板25とシリコンウェハ21の接合のために接合面に介在させる接合層26の形成方法については、接合層26がアルミの場合は、スパッタ又は蒸着等により形成することができ、接合層26がポリシリコンの場合は減圧CVD等により形成することができ、接合層26がガラス薄膜の場合は高周波スパッタ等により形成することができる。
【0018】
次に、キャップ用基板25と接合したシリコンウェハ21の、歪受感素子6a、6b、…を形成した面と反対側の面をエッチング又は研磨して、シリコンウェハ21の厚みを薄肉化する(図1−(c))。この場合のエッチングは、KOH水溶液やTMAH溶液(tetra methyl ammonium hydro oxide solution)等を用いて平坦にエッチングし、また、研磨する場合は、平坦面を形成するように研磨する。なお、シリコンウェハ21の厚みを薄肉化する場合、センサチップの圧力受圧面となる部分は平坦面であることが必要であるが、台座との接合部となる面と圧力受圧面とに段差を設けるようにしても構わない。その場合、台座との接合部となる位置のシリコンウェハ21の厚みの方を、圧力受圧面となる部分のシリコンウェハ21の厚みより厚くなるように形成する。また、このシリコンウェハ21の厚みを薄肉化する工程で、シリコンウェハ21の圧力受圧面となる部分の厚みが3〜20μmとなるように薄肉化することが、高感度の半導体圧力センサを得るには望ましい。
【0019】
次に、薄肉化する工程を終えたシリコンウェハ21の、歪受感素子6a、6b、…を形成した面と反対側の面に、圧力導入孔5a、5b、…を形成した台座用基板22を接合する(図2(a))。台座用基板22がガラス基板の場合には、圧力導入孔5a、5b、…は超音波ホーン加工、サンドブラスト加工、フッ酸によるエッチング等で形成でき、台座用基板22とシリコンウェハ21の接合は、例えば温度400℃、真空中で、シリコンウェハ21側を正極とし、台座用基板22となるガラス基板側を負極として、直流電圧を約600〜900V印加する条件で陽極接合する方法で行うことができる。
【0020】
次に、キャップ用基板25及び台座用基板22と接合しているシリコンウェハ21を、チップ単位にダイシングする(図2(b))。切断位置は符号27で示す位置であり、この実施形態の場合、薄肉化されたシリコンウェハ21はキャップ用基板25で支持しているので、薄肉化された部分が、吸着圧や、機械的衝撃等で破損するという現象は発生しにくくなる。
【0021】
また、シリコンウェハ21と接合する前のキャップ用基板25に、チップ単位にダイシングした際に歪受感素子6a,6b、…を覆う空隙部と外気との通気孔となる溝24a、24b、…を形成しておくと(図1(b)参照)、切断位置27でチップ単位にダイシングすれば、この溝24a、24b、…がそれぞれのセンサチップ本体において、歪受感素子6a,6bを覆う空隙部と外部との通気孔となる。このように、外部との通気孔を備えると、外部の大気圧が歪受感素子6に加わり、ゲージ圧の検出が可能となる
【0022】
以上のようにして、図2(c)に示すような、歪受感素子6を形成したセンサチップ1と圧力導入孔5を形成した台座2が接合されてなるセンサ本体であって、歪受感素子を覆う空隙部23を有していて、歪受感素子6の形成領域の周囲でセンサチップ1に接合されているキャップ8を備えるセンサ本体を製造することができ、このキャップ8を備えるセンサ本体を使用して、半導体圧力センサを製造する。
【0023】
以上述べた実施形態では、キャップ用基板とシリコンウェハとを接合て、キャップ用基板に支持された状態にあるシリコンウェハの、歪受感素子を形成した面と反対側の面をエッチング又は研磨して、シリコンウェハの厚みを薄肉化する。従って、歪受感素子を形成したシリコンウェハに対し、チップ単位で掘り込みを行ってダイヤフラム(薄肉部)を形成していた方法に比べ、この実施形態の製造方法によれば、シリコンウェハの厚みを薄肉化した際の加工時のトラブル発生が防止でき、且つ、分割後のチップ全体が薄肉化した形状に加工することが可能となり、チップサイズを大きくすることなく、圧力受圧面の面積を大きくとることが可能となる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1〜請求項に係る発明の半導体圧力センサの製造方法では、キャップ用基板と接合していることで、キャップ用基板に支持された状態にあるシリコンウェハの、歪受感素子を形成した面と反対側の面をエッチング又は研磨して、シリコンウェハの圧力受圧面となる部分の厚みを薄肉化する。従って、歪受感素子を形成したシリコンウェハに対し、チップ単位で掘り込みを行ってダイヤフラム(薄肉部)を形成していた方法に比べ、請求項1〜請求項に係る発明の製造方法によれば、シリコンウェハの圧力受圧面となる部分の厚みを薄肉化した際の加工時の破損等のトラブル発生が防止でき、且つ、分割後のチップ全体が薄肉化した形状に加工することが可能となり、従って、チップサイズを大きくすることなく、微小圧力を検知ができる高感度な半導体圧力センサを製造することが可能となる。
【0025】
また、シリコンウェハと接合する前のキャップ用基板に、チップ単位にダイシングした際に歪受感素子を覆う空隙部と外気との通気孔となる溝を形成しているので、センサチップ本体を、歪受感素子を覆う空隙部と外部との通気孔を備えるキャップ付きの構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における工程を説明する図であり、(a)〜(c)は各工程における部分断面図である。
【図2】本発明の実施形態における図1以降の工程を説明する図であり、(a)〜(c)は各工程における部分断面図である。
【図3】従来の半導体圧力センサの構造を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 センサチップ
2 台座
3 パッケージ
4 接合用金属
5、5a、5b 圧力導入孔
6、6a、6b 歪受感素子
7 ダイヤフラム
8 キャップ
9 リード
10 ふた
11 オーバーコート
12 金属パイプ
13 メタライズ
21 シリコンウェハ
22 台座用基板
23、23a、23b 空隙
24、24a、24b、24c 溝
25 キャップ用基板
26 接合層
27 切断位置

Claims (4)

  1. 歪受感素子を形成したセンサチップと圧力導入孔を形成した台座が接合されてなるセンサ本体を備える半導体圧力センサを製造する際に、複数のセンサチップに分割予定の歪受感素子を形成しているシリコンウェハと複数の台座に分割予定の圧力導入孔を形成している台座用基板とを接合する工程と、この接合されたものを、センサチップ単位にダイシングする工程とを有する半導体圧力センサの製造方法において、
    (1)シリコンウェハに歪受感素子を形成する工程、
    (2)前記歪受感素子を覆う空隙部を形成しているキャップ用基板と前記シリコンウェハとを、同一センサチップ用の歪受感素子の形成領域の周囲を接合面として接合する工程、
    (3)キャップ用基板と接合したシリコンウェハの、歪受感素子を形成した面と反対側の面をエッチング又は研磨して、シリコンウェハの厚みを薄肉化する工程、
    (4)前記薄肉化する工程を終えたシリコンウェハの、歪受感素子を形成した面と反対側の面に、圧力導入孔を形成した台座用基板を接合する工程、
    (5)キャップ用基板及び台座用基板と接合しているシリコンウェハを、チップ単位にダイシングする工程
    を備え、シリコンウェハと接合する前のキャップ用基板に、チップ単位にダイシングした際に歪受感素子を覆う空隙部と外気との通気孔となる溝を形成していることを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。
  2. 前記シリコンウェハの厚みを薄肉化する工程で、シリコンウェハの圧力受圧面となる部分の厚みが3〜20μmとなるように薄肉化することを特徴とする請求項1記載の半導体圧力センサの製造方法。
  3. 前記キャップ用基板がシリコン基板であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体圧力センサの製造方法。
  4. 前記キャップ用基板がガラス基板であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体圧力センサの製造方法。
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